JP3589832B2 - 情報多重化方法及び情報抽出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル動画像に対して別の情報を情報多重化する際に、人間の知覚に感知されないように情報多重化を行い、秘密裏に動画像に多重化された情報を情報抽出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、デジタル動画像に対して、人間の知覚に感知されないように別の情報を多重化する技術は、著作権情報や利用ユーザIDなどを情報コンテンツに秘密裏に多重化することによるデジタル情報コンテンツの著作権保護および不正複製抑患システムに用いられている。
【0003】
しかしながら、従来の技術では、動画像のビットレードを乱すなどの圧縮処理や、画像のフォーマットの変更により、簡単に多重化されている情報が消えてしまうといった問題点があった。特に非可逆圧縮においては、画像の複雑領域より平坦領域のほうが画素情報を大きく削除することにより、より副情報が消えやすいので、平坦部分の多い画像に対して非可逆圧縮を行った場合には、副情報の読み取りに失敗するといった問題があった。また、平坦部分について比較的人間に知覚されやすいため、多重化を行うことが難しいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の人間の知覚されない情報多重化技術が抱えている問題である、画像の品質を向上させ、かつ、圧縮処理や画像編集処理にも多重化情報が耐え得て情報抽出を可能とし、さらに原画像の有無にかかわらず情報抽出を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、デジタル動画像を複数のブロック画像に細分化し、ブロック画像毎に周波数領域への変換を行い、その周波数成分の値を多重化する別の副情報に基づいて変更して、デジタル動画像にその副情報を多重化する情報多重化方法において、周波数成分の値を量子化して得られる量子化値に多重化する情報の値に応じて論理値(0/1)の割り付けをあらかじめ行うと共に、多重化する情報の値に応じて周波数成分の増減方向をあらかじめ定め、多重化する情報の値にもとづく増減方向かつ多重化する情報の値に応じて割り付けられた論理値になる最も近い周波数成分の値の量子化値に、周波数成分の値を変更するようにする。
【0006】
情報抽出側は、原デジタル動画像を用いて情報抽出を行う場合は、情報多重化済みのデジタル動画像と原デジタル動画像との差分画像を生成し、前記差分画像を複数のブロック差分画像に細分化し、該ブロック差分画像を周波数領域へ変換し、周波数成分値の正負を判定することにより副情報を抽出する。また、原デジタル動画像を用いずに情報抽出を行う場合は、情報多重化済みデジタル動画像を複数のブロック画像に細分化し、該ブロック画像を周波数領域へ変換し、多重化時と同じ値で周波数成分値を量子化し、量子化値に割り付けられた論理値を判定(0か1か)することにより副情報を抽出する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0008】
最初に画像への情報多重化処理について述べる。図1は、本発明による一実施例の情報多重化装置1の入出力関係の概略図である。情報多重化装置1は、デジタル動画像の原画像(主情報)2と情報埋め込みパラメタ3を入力として、情報多重化済み画像4を出力する。情報埋込みパラメタ3は乱数の初期値、周波数成分変更幅、及び、多重化すべき情報(副情報)からなる。
【0009】
図2は、情報多重化装置1の全体的構成図を示している。本情報多重化装置1は、画像分解処理部5と情報多重化処理部6と画像再構成処理部7からなる。以下、各処理部について順次説明する。
【0010】
〈画像分解処理部5〉
図3は、画像分解処理部5の概念図である。即ち、画像分解処理部5は、入力される原画像(動画像)2を予め決めておいた分解方法によりブロック画像52に分解し、順次、情報多重化処理部6へ送る。ここで、予め決めておいた分解方法とは、例えば、原画像のサイズをM×N、ある一定時間間隔をTとするときの時空間画像M×N×Tを、各々、任意サイズのw個の直方体ブロックblock0(M0×N0×T0サイズ),block1(M1×N1×T1サイズ),・・・,blockw(Mw-1×Nw-1×Tw-1サイズ)に分解する方法である。各々のブロックは共有部分を持たず、かつ、各々のブロックの和集合はM×N×Tサイズの時空間画像になる。
【0011】
〈情報多重化処理部6〉
図4は、情報多重化処理部6の詳細構成図を示している。情報多重化処理部6は、情報埋込みパラメタ3とMu×Nu×Tu(0≦u≦w−1)サイズのブロック画像52(blocku)を入力とし、Mu×Nu×Tuサイズの情報多重化済みブロック画像27を出力として画像再構成処理部7へ送る。以下、図4に基づいて情報多重化処理部6の動作を詳述する。
【0012】
情報埋込みパラメタ3は入力パラメタ分解処理部8へ、また、ブロック画像52は周波数変換処理部9へ送られる。
【0013】
入力パラメタ分解処理部8は、入力された情報埋込みパラメタ3を分解し、乱数の初期値10、周波数成分変更幅11、副情報12をそれぞれ再構成して出力する。乱数の初期値10は乱数生成処理部13へ、周波数成分変更幅11は周波数成分変更処理部14へ、副情報12は副情報バッファ15へ、それぞれ送られる。
【0014】
周波数変換処理部9は、入力されたMu×Nu×Tuサイズのブロック画像52をMu×Nu×Tu周波数変換し、Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列18を出力し、周波数成分変更処理部14へ送る。図5は周波数変換処理部9の概念図を示したものである。なお、周波数変換処理自体は周知であるので、その詳細は省略する。
【0015】
乱数生成処理部13は、乱数の初期値10を読み込み、それをもとに各1ビット情報多重化の処理毎に順次、乱数16を生成し出力する。ここで、乱数生成処理部13は、画像のサイズと比べて十分大きな周期で乱数16を発生させるものとする。乱数16は周波数成分変更処理部14へ送られる。
【0016】
副情報バッファ15は、副情報12を内部バッファに蓄えて、内部にある情報読み出しヘッダにより情報を1ビットずつ読み出して、1ビット副情報17を出力し、周波数成分変更処理部14へ送る。図6は副情報バッファ15の概念図を示したものである。
【0017】
副情報バッファ内の情報読出し/書込みヘッダ制御方法には、各1ビット情報多重化の処理毎に動かす方法や、各ブロック画像への情報多重化の処理毎に動かす方法など、種々の方法が考えられるが、これは情報多重化装置の実装方式による。なお、副情報バッファの情報読出し/書込みを行うヘッダの制御方法は、本情報多重化装置および後述の情報抽出装置において、同じ方式で実装する必要がある。
【0018】
周波数成分変更処理部14は、Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列18、乱数16、1ビット副情報17、周波数成分変更幅11を入力して、Mu×Nu×Tuの任意の座標の周波数成分を変更し、座標21、情報多重化済みブロック周波数成分行列22を出力する。図7は、周波数成分変更処理部14の概略構成および処理の概念図を示したものである。
【0019】
Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列18は、周波数成分行列バッファ19に格納される。乱数16は、座標選択処理部20に入力される。座標選択処理部20は、乱数16を用いて、Mu×Nu×Tuの周波数成分行列のうち、ひとつの係数を1対1写像により選定し、対応する座標21を出力する。出力された座標21は、図8に示すように、座標バッファ23に、各ブロックの多重化処理毎にすべて保存され、各ブロックの多重化処理後、座標集合24として出力される。
【0020】
周波数成分変更処理部14は、座標21に当たる周波数成分(係数)に1ビットの副情報17を周波数成分変更幅11を用いて情報多重化する。情報多重化処理は、Mu×Nu×Tuサイズのひとつのブロック周波数成分行列に対してnu回(nuはblockuに多重化される情報の個数で、1以上の整数で、各ブロック毎に異なる数でもよい。情報抽出装置も同じ方式により実装する必要がある)行われ、そのすべてが終了した後、情報多重化済みのMu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列22を出力する。
【0021】
以下に、入力動画像2のi番目のM×N×Tサイズの時空間画像のu番目のブロック画像blockuにおけるj(0≦j≦n)個目のビット情報の多重化処理について具体的に説明する。ただし、周波数成分変更幅をrangeとし、多重化する副情報12をb0b1・・・bk-1(ビット長をk,bj∈{0,1},0≦j≦k−1)とする。
【0022】
周波数成分変更処理部14では、座標選択処理部20により選択された座標の周波数成分値ci,u,jを、
多重化したいビット情報が1の場合、
ci,u,j + range
多重化したいビット情報が0の場合、
ci,u,j − range
に変更することにより、1ビットの副情報17を多重化する(図7)。なお、rangeの値の加減により情報を多重化しているため、加減算が逆でも同様である。
【0023】
特に、本発明では、原画像の有無に関わらず情報抽出ができるように、座標選択処理部20により選択された座標の周波数成分値ci,u,jを、以下の数1乃至数6のように変更する。ただし、数1乃至数6において、
【0024】
【外1】
【0025】
はxを越えない最大の整数、x mod yはxをyで割った時の余りを表す。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】
【数5】
【0031】
【数6】
【0032】
すなわち、周波数成分値を量子化し、それぞれの量子化値に多重化する情報の値(0/1)に応じて論理値(0/1)の割り付けをあらかじめ行うと共に、多重化する情報の値に応じて周波数成分の増減方向をあらかじめ定め、多重化する情報の値にもとづく増減方向かつ多重化する情報の値に応じて割り付けられた論理値になる最も近い周波数成分の値の量子化値に、周波数成分の値を変更する。ここで、周波数成分の量子化は、周波数成分値c i,u,j を range で除算し、床関数を施すことで実現している。また、多重化する情報の値が 1 では、量子化値に論理値1を割り付け、周波数成分値の変更は増加とし、多重化する情報の値が0では、量子化値に論理値0を割り付け、周波数成分値の変更は減少としている。
【0033】
周波数成分変更処理部14にて、各1ビット情報多重化を行う毎に、副情報バッファ15の副情報読み出しヘッダを予め決められた方法で制御する。この間、多重化を行った係数の座標は、座標バッファ23へ送られ保管される。
【0034】
以上のようにして、Mu×Nu×Tuサイズのひとつのブロック周波数成分行列に対して、それの中の多重化するビット数であるnu回、多重化処理を繰り返すことで、ひとつの周波数成分行列の多重化処理が終了する。
【0035】
上記多重化処理後、座標集合24と情報多重化済みブロック周波数成分行列22はレンジオーバ回避処理部25へ送られる。レンジオーバ回避処理部25は、情報多重化済み画像の再生不良を避けるために、情報多重化を行ったブロック周波数成分行列22を逆周波数変換処理部26で逆周波数変換し、その逆周波数変換したブロック画像について、座標集合24を参照してレンジオーバ回避処理を行う。
【0036】
図9は、レンジオーバ回避処理部25の処理の概念図を示したものである。なお、図9では8ビット濃淡画像を想定し、画素値(輝度値)の定義域は0〜255としている。
【0037】
いま、レンジオーバ回避処理部25へ入力された係数行列を逆周波数変換処理部26を用いて逆周波数変換したブロック画像をブロック画像Aとする。図9の(a)はこれを示したものであり、例えば、丸で囲った部分のように、レンジオーバ部が発生する場合がある。ここで、逆周波数変換処理部26は、図10に示すように、Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行処をMu×Nu×Tu逆周波数変換し、Mu×Nu×Tuサイズのブロック画像を出力するものである。
【0038】
また、レンジオーバ回避処理部25へ入力された係数行列を、ひとつは、直流成分をその最低値に変更し(たとえば、周波数変換をDCTと仮定すると、blockuにおけるその値は−Lm×√(Mu×Nu×Tu)(Lmは輝度の中間値)、かつ、入力された座標集合24のすべての座標の成分値をすべて0にしたものを、もうひとつは、直流成分値と入力された座標集合24のすべての座標の成分以外の値をすべて0に変更したものを、逆周波数変換処理部26を用いて逆周波数変換したMu×Nu×Tuサイズのブロック画像を、それぞれ、ブロック画像B、ブロック画像Cとする。図9の(b)はこれを示したものである。
【0039】
レンジオーバ回避処理部25では、ブロック画像Aの画素で最大画素値より大きいもしくは最小画素値より小さいものが存在するときに限り、ブロック画像Bとブロック画像Cの対応する画素値それぞれを足し合わせ画像のすべての画素値が最小画素値と最大画素値の間に値を収まるように、ブロック画像Bの画素値を縮小・拡大することにより、レンジオーバ回避処理を施した情報多重化済み画像27を得る。図9の(c)はこれを示したものである。
【0040】
ただし、ブロック画像Cにおいて、最小画素値より小さな画素値と最大画素値より大きな画素値が混在する場合は、上記レンジオーバ回避処理は適用できないため、情報多重化を行う際に、rangeの値を極端に大きな値にしないようにする
必要がある。
【0041】
なお、レンジオーバ処理を行なわない場合には、座標バッファ23を用意する必要はなく、また、図4において、周波数成分変更処理部14から出力された情報多重化済みブロック周波数成分行列22を、そのまま逆周波数変換処理部26により逆周波数変換して、情報多重化済みブロック画像27を出力する。
【0042】
情報多重化処理部6では、以上の処理をすべてのブロック画像(block0,block1,・・・,blockw-1)に対して行い、順次、情報多重化済みブロック画像27を画像再構成処理部7へ送る。
【0043】
〈画像再構成処理部7〉
図11は、画像再構成処理部7の概念図である。画像再構成処理部7は、入力された各情報多重化済みブロック画像27をつなぎ合わせ、M×N×T時空間画像、さらには動画像に復元することで、情報多重化済み画像を得る。
【0044】
次に、情報多重化済み画像からの情報抽出処理について述べる。図12は、本発明による一実施例の情報抽出装置28の入出力関係の概略図である。情報抽出装置28は、原画像29(主情報)と情報多重化済み画像30(主情報+副情報)と情報抽出パラメタ31を入力として、画像30内に多重化されていた副情報32を出力する。情報抽出パラメタ31は、情報多重化済み画像30を作成した際に使用した情報多重化鍵の乱数の初期値と周波数成分変更幅からなるものである。
【0045】
図13は、情報抽出装置28の一実施例の全体的構成図を示したものである。本情報抽出装置28は、差分画像作成処理部33と画像分解処理部34と情報抽出処理部35と副情報再構成処理部36からなる。なお、原画像を用いずに、情報多重化済み画像のみを入力して情報抽出を行う場合には差分画像作成処理部33は不要である。以下、各処理部について説明する。
【0046】
〈差分画像作成処理部33〉
図14は差分画像作成処理部33の概念図である。差分画像作成処理部33は、原画像29([p1x,y,z]とする)と情報多重化済み画像30([p2x,y,z]とする)を入力とし画素値の中間値(Lm)を中心とした、差分画像37([p2x,y,z−p1x,y,z−Lm])を出力する。
【0047】
〈画像分解処理部34〉
図15は画像分解処理部34の概念図である。画像分解処理部34は、差分画像37を入力とし、先の情報多重化装置1で用いた画像分解処理部5と同じ処理を行い、Mu×Nu×Tu(0≦u≦w−1)サイズのブロック差分画像38を出力する。ここで、画像分解処理部34は、画像分解処理部5で実装された、予め決定しておく分解方法と同じ方法で画像を分解する必要がある。
【0048】
〈情報抽出処理部35〉
図16は、情報抽出処理部35の詳細構成図を示したものである。情報抽出処理部35は、情報抽出パラメタ31とブロック差分画像38を入力とし、各ブロック画像内から副情報を1ビットずつ抽出し、順次、副情報再構成処理部36へ送る。以下、情報抽出処理部35の動作について詳述する。
【0049】
情報抽出パラメタ31は入力パラメタ分解処理部39へ、ブロック差分画像38は、周波数変換処理部40へ送られる。
【0050】
入力パラメタ分解処理部39は、情報抽出パラメタ31を分解し、乱数の初期値41と周波数成分変更幅42を再構成して出力する。乱数の初期値41は乱数生成処理部43へ、周波数成分変更幅42はブロック内情報抽出処理部44へ、それぞれ送られる。
【0051】
なお、原画像を用いて情報抽出を行う場合、情報抽出パラメタ31は乱数の初期値のみであり、この場合は入力パラメタ分解処理部39を用意する必要がなく、直接、乱数の初期値が乱数生成処理部43へ送られる。
【0052】
周波数変換処理部40は、情報多重化処理部6で用いた周波数変換処理部9と同じ処理を行うもので、Mu×Nu×Tuサイズのブロック差分画像38をMu×Nu×Tu周波数変換し、このMu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列45をブロック内情報抽出処理部44へ送る(図5参照)。
【0053】
乱数生成処理部43は、乱数の初期値41を読み込み、それをもとに各1ビット情報抽出の処理毎に順次、乱数46を生成し出力する。なお、この乱数生成処理部43と情報多重化処理部6で用いた乱数生成処理部13は、同じ乱数の初期値を入力としたとき、同順序で同じ乱数が出力するように実装する必要がある。
【0054】
ブロック内情報抽出処理部44は、Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列45、乱数46、周波数成分変更幅42を入力し、1ビット副情報49を抽出して出力する。図17はブロック内情報抽出処理部44の概略構成および処理の概念図を示したものである。
【0055】
Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列45は周波数成分バッファ47に格納される。乱数46は座標選択処理部48に入力される。座標選択処理部48は、周波数成分変更処理部14で用いた座標選択処理部20と同じ処理を行う。すなわち、座標選択処理部48と座標選択処理部20は、同じ乱数を入力したとき、同じ座標を出力するように実装する必要がある。
【0056】
ブロック内情報抽出処理部44は、Mu×Nu×Tuサイズのブロック周波数成分行列から、座標選択処理部48が選択した座標に当たる係数の正負を判定することにより、1ビット副情報49を抽出し出力する。情報抽出処理は、Mu×Nu×Tuサイズのひとつのブロック周波数変換行列に対してnu回(nuは情報多重化の際にblockuに多重化された情報の個数である)行われ、順次、多重化されていた1ビット副情報が抽出される。
【0057】
以下に、差分画像37のi番目のM×N×Tサイズの時空間画像のu番目のブロック差分画像におけるj(0≦j≦u)個目のビット情報(bi,u,j∈{0,1})の抽出処理について具体的に説明する。ただし、動画像30に多重化されている副情報32をb0b1・・・bk-1とし、ブロック内情報抽出処理部44に入力された周波数成分変更幅42をrangeとする。
【0058】
ブロック内情報抽出処理部44では、座標選択処理部48により選択された座標の周波数成分値ci,u,jに対して、
ci,u,jが正数の場合、bi,u,j=1
ci,u,jが負数の場合、bi,u,j=0
により情報抽出を行う。なお、多重化処理の実装方式により、正負の値に対する{0,1}の割り付けが決定される。
【0059】
また、先の数1乃至数6で示した原画像の有無に関わらず情報抽出可能な情報多重化を行った画像が入力の場合には、原画像がある場合は上記の方法で、原画像がない場合は、図13において、差分画像作成処理部33を用いず、直接、情報多重化画像30を画像分解処理部34に入力してブロック画像に分解し、周波数変換処理部40でブロック周波数成分行列への処理を行った後、
【0060】
【数7】
【0061】
を計算することにより、情報抽出を行うことができる。
【0062】
〈副情報再構成処理部36〉
図18は副情報再構成処理部36の処理概念図である。副情報再構成処理部36は、ブロック画像内に多重化されていた副情報を1ビットずつ順次入力とし、複数回入力される各副情報ビットを多数決処理などの手法を用いることにより決定し、もとの副情報を再構成する情報抽出処理部35での情報抽出処理の回数に伴い、多重化されていた副情報の各ビットの抽出回数が増加する。この繰り返し抽出される副情報の各ビットに多数決処理などを施すことで、抽出された副情報の信頼度が向上する。
【0063】
副情報再構成処理部36では、副情報の各1ビットが抽出される毎に副情報書き込みヘッダを予め決められた方法で制御する。この抽出処理をひとつのブロック周波数成分行列に対して、それの中に多重化されているビット数であるnu回繰り返し、多数処理などを行うことで、ひとつのブロック周波数成分行列からの副情報再構成処理が終了する。
【0064】
以上の処理をすべてのブロック画像(block0,block1,・・・,blockw-1)に対して行い、副情報が再構成される毎、もしくは、全動画像においてその処理が終了した後、画像から抽出された副情報32を出力する。
【0065】
次に、情報抽出装置28での処理において、情報抽出速度を向上させる方法を以下に説明する。情報抽出装置28における情報抽出処理部35では、図16に示したように、入力されるブロック差分画像38を一旦、周波数変換処理部40を用いてブロック周波数成分行列に変換していたが、この変換処理を行わず、情報多重化を行った周波数成分のみをブロック差分画像から直接計算することにより、計算量を軽減することができる。
【0066】
図19は、上記高速化を実現する情報抽出処理部35´の構成図を示したものである。構成は、図18の情報抽出処理部35と基本的にほとんど同じで、違いは周波数変換処理部40がないことと、ブロック内情報抽出処理部の入力が、ブロック周波数成分行列からブロック差分画像にかわったことである。ブロック内情報抽出処理部44´の情報抽出処理自体も、図17で説明したブロック内情報抽出処理部44の動作と同様で、異なる部分は、ブロック差分画像38を画像バッファに格納し、そのブロック画像の画素値を用いて、座標選択処理部が選択した座標にあたる周波数成分のみを計算するということだけであり、その係数値の符号を判定することにより1ビット副情報を抽出する方法などは同じである。
【0067】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、以下のような変更や拡張が可能である。
【0068】
(1) 情報多重化の際に用いるrangeは、ブロック画像の特徴を見て、個々のブロック毎に変化させてもよい。例えば、ブロック画像の画素値のエントロピーを計算して、その値によってrangeを変更するなどである。
【0069】
(2) 多重化する副情報を誤り訂正符号化することにより、画像の劣化に費する副情報の劣化を抑えることができる。
【0070】
(3) 各ブロック画像に多重化するビット分の副情報とは別に、多重化情報識別ラベルを同ブロック画像に情報多重化してもよい。これにより抽出情報の信頼度を得ることが可能である。
例えば、ラベル情報としてa0a1・・・al-1とし、情報抽出を行い、得られたラベル情報部分と、本来のラベル情報とのハミング距離をm(m<l)(lはエルである)とする。このとき、ラベル情報と同時に抽出された副情報の信頼度Sは、次のように計算できる。
【0071】
【数8】
【0072】
この式をもとに、各抽出ビットに重みをつけて副情報を再構成することにより、さらに情報抽出の精度が向上する。また、副情報が誤り訂正符号化されているものであれば、信頼度から、誤り訂正の可能性を判断することができる。また、ラベルの抽出精度を調べることにより、主情報である動画像の改竄事実の有無を検出することや、一部分切り出した画像についても、乱数の初期値を使った乱数の初期化により、情報抽出が可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原画像の有無にかかわらず、デジタル動画像に多重化された副情報を抽出することが可能である。しかも、情報多重化時に用いた鍵情報もしくは原画像がなければ、副情報の取り出しができないこと、副情報を多重化した変更周波数成分位置および周波数成分変更幅を工夫することにより、人間が知覚できないように情報多重化を行え、かつ、主情報(画像)の劣化による副情報(多重化情報)の劣化に対する強度を制御できること、影響し合わない程度であれば、別々のブロックサイズ分割方法を用いて、複数の情報を多重化することが可能であること、静止画像は動画像の時間軸方向の大きさが1であることから、静止画像に対しても適用可能な技術であること、誤り訂正符号を用いることにより、画像の圧縮・編集に対して、適切な耐性を持たせることができること、などの効果がある。
【0074】
本発明は、画像がYUVフォーマットのときの輝度成分のみを対象とするだけでなく、同アルゴリズムを色差成分にも適用することも可能である。また、画像フォーマットがRGBについても同様であり、R,G,Bそれぞれに対して同アルゴリズムを適用することが可能である。これらの方法を適用すると、さらに多くの情報を多重化することが可能となり、また、それぞれの成分に多重化する情報を同一のものとすることにより、画像および多重化情報への改竄事実の有無の検出に用することなども可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報多重化装置の情報入出力関係の概略図である。
【図2】本発明による情報多重化装置の一実施例の全体的構成図である。
【図3】画像分解処理部の概念図である。
【図4】情報多重化処理部の詳細構成図である。
【図5】周波数変換処理部の概念図である。
【図6】副情報バッファの概略図である。
【図7】周波数成分変更処理部の概念図である。
【図8】座標バッファの概略図である。
【図9】レンジオーバ回避処理部の処理説明図である。
【図10】逆周波数変換処理部の概念図である。
【図11】画像再構成処理部の概念図である。
【図12】本発明による情報抽出装置の入出力関係の概略図である。
【図13】本発明による情報抽出装置の一実施例の全体的構成図である。
【図14】差分画像作成処理部の概念図である。
【図15】画像分解処理部の概念図である。
【図16】情報抽出処理部の詳細構成図である。
【図17】ブロック内情報抽出処理部の概念図である。
【図18】副情報再構成処理部の概念図である。
【図19】情報抽出処理部の他の構成図である。
【符号の説明】
1 情報多重化装置
2 原画像(主情報)
3 情報埋め込みパラメタ
4 情報多重化済み画像
5 画像分解処理部
6 情報多重化処理部
7 画像再構成処理部
28 情報抽出装置
29 原画像
30 情報多重化済み画像
31 情報抽出パラメタ
32 副情報
33 差分画像作成処理部
34 画像分解処理部
35,35´ 情報抽出処理部
36 副情報再構成処理部
Claims (3)
- デジタル動画像を複数のブロック画像に細分化し、ブロック画像毎に周波数領域への変換を行い、その周波数成分の値を多重化する別の副情報に基づいて変更して、デジタル動画像にその副情報を多重化する情報多重化方法において、
周波数成分の値を量子化して得られる量子化値に多重化する情報の値に応じて論理値(0/1)の割り付けをあらかじめ行うと共に、多重化する情報の値に応じて周波数成分の増減方向をあらかじめ定め、
多重化する情報の値にもとづく増減方向かつ多重化する情報の値に応じて割り付けられた論理値になる最も近い周波数成分の値の量子化値に、周波数成分の値を変更することを特徴とする情報多重化方法。 - 請求項1記載の情報多重化済みのデジタル動画像内から別の副情報を抽出する情報抽出方法であって、
情報多重化済みのデジタル動画像と原デジタル動画像との差分画像を生成し、前記差分画像を複数のブロック差分画像に細分化し、該ブロック差分画像を周波数領域へ変換し、周波数成分値の正負を判定することにより副情報を抽出することを特徴とする情報抽出方法。 - 請求項1記載の情報多重化済みのデジタル動画像内から別の副情報を抽出する情報抽出方法であって、
情報多重化済みデジタル動画像を複数のブロック画像に細分化し、該ブロック画像を周波数領域へ変換し、多重化時と同じ値で周波数成分値を量子化し、量子化値に割り付けられた論理値(0/1)を判定することにより副情報を抽出することを特徴とする情報抽出方法。
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EP98300609A EP0855681B1 (en) | 1997-01-28 | 1998-01-28 | Method of embedding watermark-information into digital data |
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1997
- 1997-06-20 JP JP16446697A patent/JP3589832B2/ja not_active Expired - Lifetime
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