JP3589636B2 - Tire mold - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ成形用金型に関する。さらに詳しくは、タイヤを金型成形するに際し、タイヤ表面におけるスピュー(ひげ状の突起部)やバリ状のはみ出し部の発生を防止して、得られるタイヤの初期性能や外観を良好な状態に保持することが可能であるとともに、金型そのものの製造コストの低減化及び保守点検作業の簡便化を図ることが可能なタイヤ成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ成形用金型は、タイヤのデザイン(表面形状)がシャープなコーナー部やブレードと称する薄肉の突起物を数多く有する複雑な形状であることに対応して、複雑な形状の形成に適した鋳造によって製造される場合が多い。
【0003】
このような鋳造によって製造されるタイヤ成形用金型は、通常、部分金型に分割され、タイヤ成形時にこれらの部分金型を全体的に組合わせて全体金型として用いられている。このような金型の分割方法としては、円周に沿って、中心軸方向に切断して7〜11個の部分金型に分割する方法(上下一体型)、及び中心軸に垂直な方向(タイヤの径方向)に切断して、2個の部分金型に分割する方法(上下分割型)があるが、製造条件等に応じて適宜選択することができる。
【0004】
このような金型を用いたタイヤの成形は、通常、成形前(デザインを施される前)の重合ゴム素材等からなるタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を金型に押圧することによる成形(コンプレッション成形)により行われている。
【0005】
このようなコンプレッション成形の成形過程においては、グリーンタイヤを金型に押圧したときに、骨やブレード等の凹凸が形成された金型の表面とグリーンタイヤとの間に閉じた空間(閉塞空間)が形成され、成形中に閉塞空間内の空気が排出されず、最終的に得られるタイヤ成形品に気泡が内包されて、いわゆる「ベア」と呼ばれる気泡欠陥が発生するという問題がある。
【0006】
また、成形後においては、タイヤ用成形金型が、繰り返し使用される間に油脂類等の付着により肌荒れを伴うため、通常は、定期的にクリーニング等の保守点検を行う必要があり、金型によっては、このクリーニング等が煩雑となり、長いクリーニング作業時間や高価な設備の導入等が必要となり、成形品の製造コストが増大するという問題がある。
【0007】
上述の「ベア」の発生を防止するためには、通常、金型から空気を抜く方法を講じることにより対処している。
【0008】
このような空気抜きの方法としては、従来から、2種類の方法(ベントホールタイプ、及びノンスピュータイプ又はスリットベントタイプ)が採用されている。
【0009】
ベントホールタイプは、金型に、閉塞空間に連通する空気抜き孔(ベントホール)を設け、このベントホールを経由させて閉塞空間内の空気を外部に排出する方法で、金型そのものの製造コストが安価であるとともに、保守、点検についても、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、ドライアイスペレット等のメディアを高圧エアーで吹き付ける、簡易なブラスト法を採用することが可能であるという利点を有する。しかし、ベントホールタイプを用いた場合には、空気の排出に伴って、ベントホール中にタイヤ原材料(グリーンタイヤ)も流出するため、最終的なタイヤ成形品(タイヤ製品)にスピュー(ひげ状の突起部)が形成され、タイヤ成形品としての外観や初期走行性能が損なわれるという不都合もある。
【0010】
ノンスピュータイプ又はスリットベントタイプは、部分金型を全体金型に組み立てた際の、部分金型相互間に形成される隙間、又は所定箇所に設置されたスリット状の空気抜きから閉塞空間内の空気を外部に排出する方法で、タイヤ成形品としての外観性に優れ、また、初期の走行性能に支障をきたすことはないという利点を有する。しかし、ノンスピュータイプ又はスリットベントタイプを用いた場合には、スピューの発生は防止することができるが、通常、バリ状のはみ出し部の形成までは防止することはできず、また、金型そのものの製造コストが高く、さらに、金型使用時に目詰まりが発生し易いという不都合がある。上記に加え、保守、点検に関し、金型を一個の部分金型単位まで分解しない限り簡易なブラスト法を採用することができないこと(ブラストによるクリーニングでは工数が掛かってしまうこと)、また、スリット部がブラストの繰り返しにより目詰まりしてしまい易くスリット部に入り込んだ汚れを除去することが困難であること等から、化学洗浄やプラズマクリーニングといった特殊なクリーニング方法を用いざるを得ないため、長いクリーニング作業時間や高価な設備の導入等が必要となり、成形品の製造コストが増大するという不都合もある。
【0011】
上述のように、これら2種類の空気抜き方法には、それぞれに利点と不都合とがあり、結局は、タイヤの用途、製造コスト等を考慮して使い分けられているのが現状である。すなわち、タイヤの外観や初期性能を重視する必要がある場合には、生産コストの上昇を甘受しつつノンスピュ−タイプを採用し、それよりも金型の製作コストやタイヤ成形のランニングコストを重視する必要がある場合には、外観や初期の走行性能の低下を甘受しつつベントホールタイプの金型を採用しているのが現状であり、タイヤの外観や初期性能の面、及び生産コストの面のいずれにおいても満足する対策が切望されている所以である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、タイヤを金型成形するに際し、タイヤ表面におけるスピュー(ひげ状の突起部)やバリ状のはみ出し部の発生を防止して、得られるタイヤの初期性能や外観を良好な状態に保持することが可能であるとともに、金型そのものの製造コストの低減化及び保守点検作業の簡便化を図ることが可能なタイヤ成形用金型を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、以下のタイヤ成形用金型を提供するものである。
【0014】
[1] 2以上の部分金型に分割され、タイヤ成形時にこれらの部分金型を全体的に組合わせて全体金型として用いられるタイヤ成形用金型であって、前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の複数の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、直線状又は曲線状にかつ定期的又は不定期的に、曲折又は分岐した特殊貫通形状を有してなるものであり、前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。
【0015】
[2] 2以上の部分金型に分割され、タイヤ成形時にこれらの部分金型を全体的に組合わせて全体金型として用いられるタイヤ成形用金型であって、前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の複数の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、その内壁面に、直線状若しくは曲線状の凹凸形状が付与された特殊表面形状を有してなるものであるか又は前記内壁面が粗面化されてなるものであり、前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。
【0016】
[3] 2以上の部分金型に分割され、タイヤ成形時にこれらの部分金型を全体的に組合わせて全体金型として用いられるタイヤ成形用金型であって、前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、直線状又は曲線状にかつ定期的又は不定期的に、曲折又は分岐した特殊貫通形状を有してなるものであり、かつ、その内壁面に、直線状若しくは曲線状の凹凸形状が付与された特殊表面形状を有してなるものであるか又は前記内壁面が粗面化されてなるものであり、前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。
【0017】
[4] 前記ベントチューブが、シリコーン系エラストマー又はフッ素系エラストマーからなる前記[1]〜[3]のいずれかに記載のタイヤ成形用金型。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0019】
図1(a)に示すように、本発明のタイヤ成形用金型10は、二以上の部分金型10aに分割され、タイヤ成形時にこれらの部分金型10aを全体的に組合わせて図1(a)に示す態様で全体金型として用いられる。図1(b)は、そのA−A線断面図である。図1においては、金型の分割方法として上下一体型を採用し、円周に沿って七個に分割した場合を示すが、上下分割型であっても同様である。
【0020】
なお、本発明のタイヤ成形用金型を形成する材料としては、例えば、アルミ合金や鉄系合金を挙げることができる。中でも、鋳物の緻密さ、金属組織の健全性から、鋳造用アルミ合金(AC4C等)や鋳鉄(FCD600等)等が好ましい。
【0021】
図2に示すように、本発明のタイヤ成形用金型は、部分金型10aのそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)11を部分金型10aのそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、グリーンタイヤ11と部分金型10aの表面とが形成する閉塞空間12から空気13を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)1と、ベントホール1の部分金型10a表面側に設けられた、グリーンタイヤ11と化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の複数の貫通孔20を有する可撓性のベントチューブ2とを備えてなり、グリーンタイヤ11を部分金型10aのそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、閉塞空間12の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間12内の空気13を排出することが可能であるとともに、空気13の排出後、グリーンタイヤ11の流出を阻止することが可能であることを特徴とする。
【0022】
空気抜き孔(ベントホール)1としては、空気13を閉塞空間12から外部へ円滑に排出することが可能なものであれば、その寸法等において特に制限はないが、例えば、その直径を0.6〜2.0mmとすることが好ましい。
【0023】
図3に示すように、ベントチューブ2は、その開口形状が円形及び/又は長方形の複数の貫通孔20を有している。
【0024】
また、図4(a)、(b)に示すように、ベントチューブ2の貫通孔20は、グリーンタイヤ11の侵入や流出を阻止するために有効な、直線状又は曲線状にかつ定期的又は不定期的に、曲折又は分岐した特殊貫通形状を有するものである。
【0025】
ベントチューブに、このような特殊貫通形状を形成する方法としては、例えば、ベントチューブの貫通孔を作製するための中子(例えば、糸、ピアノ線等の極細線)として特殊表面形状を有するものを用いることを挙げることができる。
【0026】
このような構成とすることにより、空気の排出は良好で、タイヤ原材料(グリーンタイヤ)は貫通孔へ侵入し難いベントチューブを得ることができる。また、タイヤ原材料(グリーンタイヤ)が貫通孔に侵入した場合であっても、タイヤ成形品脱型時の抜き抵抗が小さいため、侵入したタイヤ原材料(グリーンタイヤ)の千切れの発生を有効に防止することができる。
【0027】
このような特殊貫通形状の具体例としては、図4(a)、(b)に示すように、単なる直線状だけではなく、定期的又は不定期的に曲折させたり、分岐を設けたものを挙げることができる。また、図示はしないが、曲線状に形成すること等により角度を付与したもの等であってもよい。この場合、貫通孔の全体形状に角度を設けてもよく、開口部付近のみに角度を設けてもよい。
【0028】
また、図5(a)、(b)に示すように、ベントチューブ2の貫通孔20は、その内壁面に、グリーンタイヤ11の侵入や流出を阻止するために有効な、直線状又は曲線状の凹凸形状が付与された特殊表面形状を有するものである。
【0029】
図5(a)、(b)に示すように、貫通孔内壁表面に凹凸形状を付与することによって、タイヤ原材料(グリーンタイヤ)が貫通孔へさらに侵入し難いベントチューブを得ることができる。また、貫通孔の内壁面を粗面化する(例えば、極細線のような中子の表面をブラスト処理等で粗面化する)ことで侵入抵抗を増加させてもよい。
【0030】
このように構成することによって、貫通孔内部にタイヤ原材料(グリーンゴム)をさらに侵入し難くするとともに、タイヤ原材料(グリーンゴム)が貫通孔へ侵入した場合であっても脱型抵抗を抑えることができるため、侵入したグリーンゴムの千切れをさらに有効に防止することができる。
【0031】
本発明のタイヤ成形用金型は、基本的に、貫通孔20を複数有するものであるが、上述の特殊貫通形状及び特殊表面形状の組合わせ又はそれらのいずれかを用いたものであってもよい。また、一つの貫通孔20であってもよい。
【0032】
本発明に用いられるベントチューブは、可撓性であるとともに、タイヤ成形時に、タイヤ原材料(グリーンタイヤ)(例えば、天然ゴムもしくはブタジエン重合物(BR)、ブタジエン・スチレン重合物(SBR)等の合成ゴム、又はこれらの混合物)と化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な特性を有するものが好ましい。具体的には、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー、アクリル系エラストマー又はフロロシリコーン系エラストマー等を好適例として挙げることができる。中でも、シリコーン系エラストマー又はフッ素系エラストマーが好ましい。
【0033】
上記の特性を有するベントチューブは、例えば、上述のエラストマーを用いた場合、金型を用いた注型成形や加熱硬化成形によって製造することができる。このため、従来の、金属製ベントチューブの場合には対応が困難であった、部分金型の表面が複雑なデザイン形状を有する場合(例えば、ケガキ線状や鋸刃状の凸形状が存在する場合)であっても、注型成形や加熱硬化成形によって比較的簡易かつ安価に製造することができ、金型そのものの製造コストの低減化を図ることができる(ベントチューブ設置部位においても、金型表面形状を損なうことなく空気抜き機構を設置することができる)。
【0034】
また、本発明に用いられるベントチューブは、エラストマー製の場合、簡易な嵌め込み方式を採用することが可能で、部分金型への固定を簡素化することができる。すなわち、図6に示すように、ベントチューブ埋め込み部の表面に、鋳出し又は機械加工により作製したアンダーカット形状Uを利用して、同一形状に形成したベントチューブ2を押し込む(嵌め込む)ことによって簡易に固定することができる。従って、金属製ベントチューブにおけるような特別な接着手段を不要とするとともに、ベントチューブの交換作業を簡易化することができ、金型そのものの製造コストの低減化を図ることができる。
【0035】
また、本発明に用いられるベントチューブは、金型のクリーニング等の保守、点検に対する対応を簡易化することができる。すなわち、従来の金属製ベントチューブを用いた場合は、高圧エアーと砥粒とを利用したサンドブラスト法を用いると、ベントチューブ表面に性状変化やダレ、ツブレが発生し易く、折角のスリット形状も長く維持することが困難であるのに対し、本発明に用いられるベントチューブは、サンドブラスト法を用いることにより、簡易に切れ目を開状態にさせることが可能であり、切れ目に付着した油脂分等を容易に除去することができる。なお、エラストマー製の場合には、化学薬品を用いた化学洗浄に対して金属製のものよりも抵抗力が高いという利点を有する。
【0036】
また、本発明に用いられるベントチューブは、タイヤ成形時、ベントチューブの切れ目に、万一、ゴムバリが差し込んだ場合でも、タイヤ脱型時にゴムバリが千切れ目詰まりを発生させるといった不具合の発生を有効に防止することができるという利点を有する。すなわち、ベントチューブのヤング率がタイヤゴム材に近いため、差し込んだゴムバリが引抜かれようとする際に、ゴムバリに過剰な力が作用するとベントチューブそのものも変形し、作用する力を緩和して、千切れの発生を有効に防止することができるという利点を有する。
【0037】
この場合、一般に、開口部が小さくなればなる程、空気抜き性能は低下する傾向にあるため、「ベア」の発生が危惧されるが、本発明においては、上述のように、ベントチューブとして複数の貫通孔を形成したものを用いることで、空気抜き性能の低下を防止することができる。
【0038】
本発明のタイヤ成形用金型の製造方法としては特に制限はなく、汎用されている方法を用いることができる。以下その一例を説明する。
【0039】
図7に、タイヤ成形用金型(以下、「金型」ということがある)を製造するに当たって使用されるマスターモデル(原型)100を示す。このようなマスターモデル100の外側面における溝形状、デザインは、タイヤ製品(成形品)における溝形状、デザインと同等である。金型の製造に当たっては、通常、このマスターモデル形状の鋳型を必要数複製し、これを円環状に組み立てて用いる。
【0040】
図8に、マスターモデル100を用いた場合の金型の製造工程を示す。ただし、図8におけるマスターモデル100の断面は、図7に示すものよりも簡略化されている。
まず、マスターモデル100を用いて、反転型であるゴム型114を製造する(符号113は溝部を示す)(図8(a)〜(b))。
次に、ゴム型114の反転型である鋳型115を製造する(図8(c))。鋳型115は、ゴム型114を変形させたり傷めたりすることのない材料であって、金型に用いる金属材料の鋳造を容易に行うことができる材料、例えば、石膏やセラミックから形成する。
次に、鋳型115を用いて、その反転型である金型116を鋳造により製造する(図8(d))。
次に、ドリル等を用いた機械加工により、金型表面から金型外部へ向けて外気と連通するようにベントホール118を形成する(図8(e))。なお、ドリル加工する場合、そのドリルは二段形状のもの(二種類の径を有するもの)を用い、一回の加工でベントチューブ埋め込み部及びその下のベントホール118を作製する。
次に、ベントホール118が形成された部分に、ベントチューブ119を挿入し、固定する(図8(f)〜(g))。なお、ベントチューブ119の固定には、先に記述したような、アンダーカットを利用した嵌め込みや、接着剤による接合、又はベントチューブ上から金属製の薄板をあてがい、これを金型本体に溶接・固定するといった方法を採用することができる。
【0041】
上述した金型の製造方法においては、ベントホールを機械加工により形成していたが、ベントホールは図9に示すような方法によっても形成することができる。すなわち、作製した鋳型115に、金型116に形成するベントホール118と同一外径を有するピン129を所定位置に固定する(図9(a))。
このピン129としては、金型116を製造する鋳造の際に、溶融金属に溶損・融着しない材質のものを用いる必要がある。例えば、アルミ鋳造の場合は鋼材のピン、鉄鋼材鋳造の場合はセラミックコーティングした鋼材ピンなどを用いることが好ましい。
次に、鋳型115にピン129を固定した状態で鋳造を行うことにより、ピン129は、鋳型115から金型116側へ取り込まれる(図9(b))。
次に、金型116に鋳包みされたピン129を金型116から抜き取ることで(図9(c))、ベントホール118を容易に形成することができる(図9(d))。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていかなる制限を受けるものではない。
【0043】
実施例1
図1に示すような上下一体型で円周に沿って七個に分割した金型(七個の部分金型で1セットの全体金型を構成)を、石膏鋳型を用いたアルミ合金鋳造法(石膏鋳造法)(鋳型材:発泡石膏及びアルミ合金材AC4C(Si 7%、Cu 0.8%、Mg 0.4%、残りAl))によって作製した。この場合、ベントホールの初期設定個数は1セット当たり1376個とした。
次に、図10(a)に示すベントホール201(ベントチューブ埋め込み部の直径3.0mm、高さが5mmで、その下孔は直径1.6mm)を上記作製過程で鋳出しによって形成した部分金型200aに、図10(b)に示す、直径が0.3mmの5個の貫通孔300(5個の貫通孔は円筒形状の中央部の1.5×1.5mmの長方形の領域に含まれるように配設される)を有するベントチューブ202(形状:直径3.0mm、高さ5mm、材質:付加型シリコーンゴム 東レシリコーン(株)製 商品名:SH9555)を図10(c)に示すように嵌め込んだ。なお、図10(a)〜(c)に示す寸法は全て室温(25℃)における数値を用いた。上記のようなベントホール構造を持った(ベントホールタイプの)タイヤ成形用金型を作成し、タイヤを連続成形したところ、「ベア」の発生もなく、また、ベントチューブ部におけるバリの発生も殆どないタイヤを成形することができた。
さらに、連続成形で約20000本のタイヤ成形後も、初期の空気抜き特性を維持することができた。なお、バリの発生に関しては、高さ0.3mm程度の軽微なものが発生するようになったが、外観品質上は殆ど問題にならないレベルであった。
【0044】
実施例2
実施例1において、図11に示すベントチューブ202aを用いたこと以外は実施例1と同様にした。このベントチューブ202aとしては、直径が0.3mmの4個の貫通孔300a(内部を#200のブラスト処理により粗面化したもの)を有するベントチューブ202(形状:直径3.0mm、高さ5mm、材質:付加型シリコーンゴム 東レシリコーン(株)製 商品名:SH9555)を用いた。上記のようなベントホール構造を持った(ベントホールタイプの)タイヤ成形用金型を作成し、タイヤを連続成形したところ、「ベア」の発生もなく、また、ベントチューブ部におけるバリの発生も殆どないタイヤを成形することができた。
さらに、連続成形で約20000本のタイヤ成形後も、初期の空気抜き特性を維持することができた。なお、バリの発生に関しては、高さ0.3mm程度の軽微なものが発生するようになったが、外観品質上は殆ど問題にならないレベルであった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、タイヤを金型成形するに際し、タイヤ表面におけるスピュー(ひげ状の突起部)やバリ状のはみ出し部の発生を防止して、得られるタイヤの初期性能や外観を良好な状態に保持することが可能であるとともに、金型そのものの製造コストの低減化及び保守点検作業の簡便化を図ることが可能なタイヤ成形用金型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ成形用金型の一の実施の形態を模式的に示す説明図で、(a)は平面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【図2】本発明のタイヤ成形用金型の一の実施の形態を模式的に示す説明図で、(a)は複数の貫通孔を有するベントチューブを配設した状態を示す断面図であり、(b)はそのB−B線断面図である。
【図3】本発明に用いられる、複数の貫通孔を備えたベントチューブの一例を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に用いられる、特殊貫通形状を有する複数の貫通孔を備えたベントチューブの一例を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に用いられる、特殊表面形状を有する複数の貫通孔を備えたベントチューブの一例を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明に用いられるベントチューブの部分金型への固定方法の一例を示す断面図で、アンダーカットの形状に沿った固定方法を示す。
【図7】本発明のタイヤ成形用金型の製造方法の一例に用いられるマスターモデルを模式的に示す斜視図である。
【図8】本発明のタイヤ成形用金型の製造方法の一例を工程順((a)〜(g))に模式的に示す断面図である。
【図9】本発明のタイヤ成形用金型の製造方法の他の例を工程順((a)〜(d))に模式的に示す断面図である。
【図10】本発明のタイヤ成形用金型の一の実施例に用いた部分金型、ベントチューブ及びその配設状態を模式的に示す断面図及び斜視図である。
【図11】本発明のタイヤ成形用金型の他の実施例に用いたベントチューブを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…ベントホール、2…ベントチューブ、10…全体金型(金型)、10a…部分金型、11…タイヤ原材料(グリーンタイヤ)、12…閉塞空間、13…空気、20…貫通孔、100…マスターモデル、100a…部分金型、113…溝部、114…ゴム型、115…鋳型、116…金型、118…ベントホール、119…ベントチューブ、129…ピン、200a…部分金型、201…ベントホール、202、202a…ベントチューブ、300、300a…貫通孔、U…アンダーカット。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a tire molding die. More specifically, when molding a tire, the occurrence of spews (whisker-like projections) and burr-like protrusions on the tire surface is prevented, and the initial performance and appearance of the obtained tire are maintained in a good state. The present invention relates to a tire molding die capable of reducing the manufacturing cost of the die itself and simplifying the maintenance and inspection work.
[0002]
[Prior art]
Tire molding dies are suitable for forming complicated shapes in response to the fact that the tire design (surface shape) is a complex shape having many sharp corners and thin protrusions called blades. Often manufactured by.
[0003]
The mold for molding a tire manufactured by such casting is usually divided into partial molds, and these partial molds are combined as a whole at the time of tire molding to be used as an entire mold. Such a mold dividing method includes a method of cutting along the circumference in the central axis direction and dividing the mold into 7 to 11 partial molds (upper and lower integrated molds), and a method perpendicular to the central axis ( There is a method of cutting into two partial molds by cutting in the radial direction of the tire (vertical split type), but it can be appropriately selected according to manufacturing conditions and the like.
[0004]
Molding of a tire using such a mold is usually performed by pressing a tire raw material (green tire) made of a polymerized rubber material or the like before molding (before designing) into a mold (compression molding). ).
[0005]
In such a compression molding process, when the green tire is pressed against the mold, a closed space (closed space) is formed between the surface of the mold on which irregularities such as bones and blades are formed and the green tire. Is formed, air is not exhausted from the closed space during molding, and bubbles are included in the finally obtained tire molded product, which causes a problem that a bubble defect called a "bare" is generated.
[0006]
Also, after molding, since the tire mold is roughened due to adhesion of oils and fats during repeated use, it is usually necessary to periodically perform maintenance and inspection such as cleaning. In some cases, this cleaning or the like becomes complicated, and requires a long cleaning operation time, introduction of expensive equipment, and the like, resulting in a problem that the manufacturing cost of a molded article increases.
[0007]
In order to prevent the occurrence of the above-mentioned "bear", it is usually dealt with by taking a method of bleeding air from the mold.
[0008]
Conventionally, two types of venting methods (vent hole type, non spew type or slit vent type) have been adopted.
[0009]
The vent hole type is a method in which an air vent hole (vent hole) communicating with the closed space is provided in the mold, and the air in the closed space is exhausted to the outside through the vent hole. It is inexpensive and has the advantage that a simple blasting method in which media such as glass beads, resin beads, and dry ice pellets are blown with high-pressure air can be employed for maintenance and inspection. However, when the vent hole type is used, the tire raw material (green tire) also flows out into the vent hole with the exhaust of air, so that the final tire molded product (tire product) has a spew (whisker-like). (Protrusions) are formed, and there is also a disadvantage that the appearance and initial running performance as a tire molded product are impaired.
[0010]
Non-spew type or slit vent type is a method of assembling air in a closed space from a gap formed between partial molds or a slit-shaped air vent installed at a predetermined location when a partial mold is assembled into an entire mold. Is advantageous in that it is excellent in appearance as a molded tire and does not hinder the initial running performance. However, in the case of using a non-Spyu type or a slit vent type, spewing can be prevented, but usually it cannot be prevented until the formation of a burr-like protrusion, and the mold itself is not used. Has the disadvantage that the manufacturing cost is high and clogging is likely to occur when the mold is used. In addition to the above, for maintenance and inspection, a simple blast method cannot be adopted unless the mold is disassembled into one partial mold unit (cleaning by blast requires a lot of man-hours). However, it is difficult to remove dirt that has entered the slit due to clogging due to repeated blasting, and special cleaning methods such as chemical cleaning and plasma cleaning have to be used. There is also a disadvantage that time and introduction of expensive equipment are required, and the production cost of the molded article increases.
[0011]
As described above, these two types of air bleeding methods have advantages and disadvantages, respectively. In the end, at present, they are used properly in consideration of the application of the tire, the manufacturing cost, and the like. In other words, when it is necessary to attach importance to the appearance and initial performance of the tire, adopt a non-spew type while accepting an increase in production cost, and attach more importance to the production cost of the mold and the running cost of tire molding. When it is necessary to use the vent hole type mold while accepting the deterioration of the appearance and the initial running performance, the tire appearance, the initial performance, and the production cost This is the reason why satisfying countermeasures are eagerly desired in any of the above.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and is obtained by preventing the occurrence of spews (whisker-like projections) and burr-like protrusions on the tire surface when molding a tire in a mold. Provided is a tire molding die capable of maintaining the initial performance and appearance of the tire in a favorable state, reducing the manufacturing cost of the die itself, and simplifying maintenance and inspection work. The purpose is to:
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides the following tire molding die.
[0014]
[1] A tire molding die which is divided into two or more partial dies, and which is used as a whole die by combining these partial dies at the time of tire molding, wherein each of the partial dies is The blockage formed between the green tire and the surface of the partial mold when the tire raw material (green tire) before molding is pressed against each surface of the partial mold to form the tire (during tire molding). An air vent hole (vent hole) capable of discharging air from the space; and a gas vent provided on the surface side of the partial mold of the vent hole, which is chemically inert to the green tire and does not fuse with the green tire. Can be used repeatedly at a temperature of ℃LumberHaving a plurality of circular and / or rectangular through-holes formed of a material.FlexibleAnd a vent tube,The through-hole in the vent tube, linear or curved and regularly or irregularly, having a bent or branched special through shape,When pressing the green tire against each surface of the partial mold to form a tire, it is possible to discharge air in the space in response to an increase in pressure in the space due to the reduction of the closed space. And a tire molding die capable of preventing outflow of the green tire after discharging air.
[0015]
[2]A tire molding die which is divided into two or more partial dies and is used as a whole die by combining these partial dies at the time of tire molding, wherein each of the partial dies is formed before molding. When the tire raw material (green tire) is pressed against each surface of the partial mold to form a tire (at the time of tire molding), air is removed from a closed space formed by the green tire and the surface of the partial mold. Vent holes capable of discharging air, and a temperature of 100 to 200 ° C., which is provided on the surface of the partial mold of the vent hole and is chemically inert to the green tire without fusing. And a flexible vent tube having a plurality of circular and / or rectangular through holes formed of a material that can be used repeatedly in the vent tube. The through-hole, the inner wall surface of which has a special surface shape to which a linear or curved concavo-convex shape is given, or the inner wall surface is roughened, When pressing the green tire against each surface of the partial mold to form a tire, it is possible to discharge air in the space in response to an increase in pressure in the space due to the reduction of the closed space. And a tire molding die capable of preventing outflow of the green tire after discharging air.
[0016]
[3]A tire molding die which is divided into two or more partial dies and is used as a whole die by combining these partial dies at the time of tire molding, wherein each of the partial dies is formed before molding. When the tire raw material (green tire) is pressed against each surface of the partial mold to form a tire (at the time of tire molding), air is removed from a closed space formed by the green tire and the surface of the partial mold. Vent holes capable of discharging air, and a temperature of 100 to 200 ° C., which is provided on the surface of the partial mold of the vent hole and is chemically inert to the green tire without fusing. And a flexible vent tube having a circular and / or rectangular through hole, the flexible vent tube being made of a material that can be used repeatedly in the vent tube. The through hole has a special through shape that is bent or branched in a straight or curved shape and periodically or irregularly, and has a linear or curved uneven shape on its inner wall surface. Or the inner wall surface is roughened, and the green tire is pressed against each surface of the partial mold to form a tire. In this case, it is possible to discharge the air in the space in response to the increase in the pressure in the space due to the reduction of the closed space, and to prevent the outflow of the green tire after discharging the air. A mold for molding a tire, characterized in that:
[0017]
[4] The tire mold according to any one of [1] to [3], wherein the vent tube is made of a silicone-based elastomer or a fluorine-based elastomer.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be specifically described with reference to the drawings.
[0019]
As shown in FIG. 1A, the tire molding die 10 of the present invention is divided into two or more partial dies 10a, and these partial dies 10a are combined as a whole at the time of tire molding. It is used as a whole mold in the mode shown in FIG. FIG. 1B is a sectional view taken along the line AA. FIG. 1 shows a case in which the upper and lower integrated type is adopted as a method of dividing the mold and the mold is divided into seven pieces along the circumference.
[0020]
In addition, as a material for forming the tire mold of the present invention, for example, an aluminum alloy or an iron-based alloy can be used. Among them, cast aluminum alloys (such as AC4C) and cast irons (such as FCD600) are preferable from the viewpoint of the denseness of the casting and the soundness of the metal structure.
[0021]
As shown in FIG. 2, in the tire molding die of the present invention, each of the partial dies 10 a presses a tire raw material (green tire) 11 before molding onto the surface of each of the partial dies 10 a to form a tire. An air vent (vent hole) 1 for discharging
[0022]
The size of the air vent hole (vent hole) 1 is not particularly limited as long as the
[0023]
As shown in FIG. 3, the
[0024]
Further, as shown in FIGS. 4A and 4B, the through
[0025]
As a method of forming such a special penetrating shape in a vent tube, for example, a core having a special surface shape as a core (for example, a thread, a fine wire such as a piano wire) for forming a through hole of a vent tube, or the like. Can be used.
[0026]
With such a configuration, it is possible to obtain a vent tube that discharges air well and makes it difficult for tire raw materials (green tires) to enter the through holes. Also, even when the tire raw material (green tire) enters the through-hole, the resistance to removal when the tire molded product is removed from the tire is small, so that the occurrence of the broken tire raw material (green tire) is effectively prevented. can do.
[0027]
As a specific example of such a special penetrating shape, as shown in FIGS. 4A and 4B, not only a simple linear shape but also one that is bent periodically or irregularly or provided with a branch. Can be mentioned. Although not shown, an angle may be given by forming a curve or the like. In this case, the whole shape of the through hole may be provided with an angle, or the angle may be provided only near the opening.
[0028]
As shown in FIGS. 5A and 5B, the through-
[0029]
As shown in FIGS. 5A and 5B, a vent tube in which the tire raw material (green tire) is less likely to penetrate into the through hole can be obtained by providing the inner wall surface of the through hole with irregularities. In addition,inner wallThe penetration resistance may be increased by roughening the surface (for example, roughening the surface of the core such as a fine wire by blasting or the like).
[0030]
With this configuration, it is possible to further prevent the tire raw material (green rubber) from entering the inside of the through hole and to suppress the demolding resistance even when the tire raw material (green rubber) enters the through hole. Therefore, it is possible to more effectively prevent the broken green rubber from entering.
[0031]
The tire molding die of the present invention basically has a plurality of through holes 20.,UpA combination of the special through shape and the special surface shape described above or any one of them may be used.Further, one through
[0032]
The vent tube used in the present invention is flexible and, when the tire is formed, is made of a tire raw material (green tire) (for example, natural rubber or butadiene polymer (BR), butadiene / styrene polymer (SBR), etc.). Rubber or a mixture thereof is preferably chemically inert, has no fusion, and has characteristics of being able to be repeatedly used at a temperature of 100 to 200 ° C. Specifically, silicone elastomers, fluorine elastomers, acrylic elastomers, or fluorosilicone elastomersー etc.Can be mentioned as a preferred example. Among them, a silicone-based elastomer or a fluorine-based elastomer is preferable.
[0033]
A vent tube having the above characteristics is, for example,The aboveWhen an elastomer is used, it can be manufactured by cast molding or heat curing molding using a mold. For this reason, in the case of the conventional metal vent tube, it is difficult to cope with the problem. When the surface of the partial mold has a complicated design shape (for example, there is a marking line shape or a sawtooth-shaped convex shape). Case), it can be manufactured relatively easily and inexpensively by casting or heat-curing molding, and the manufacturing cost of the mold itself can be reduced. An air vent mechanism can be installed without damaging the mold surface shape).
[0034]
Moreover, when the vent tube used in the present invention is made of an elastomer, a simple fitting method can be adopted, and the fixing to the partial mold can be simplified. That is, as shown in FIG. 6, the
[0035]
In addition, the vent tube used in the present invention can simplify maintenance and inspection such as cleaning of a mold. In other words, when a conventional metal vent tube is used, if a sand blast method using high-pressure air and abrasive grains is used, property changes and sagging on the surface of the vent tube are likely to occur, and the bent slit shape is long. While it is difficult to maintain, the vent tube used in the present invention can easily open the cut by using the sand blast method, and can easily remove the oil and the like attached to the cut. Can be removed. In the case of the elastomer, there is an advantage that the metal cleaning is more resistant to chemical cleaning using a chemical than the metal.
[0036]
In addition, the vent tube used in the present invention can effectively prevent the occurrence of troubles such as the occurrence of clogging of the rubber burr when the tire is removed from the mold, even in the event that a rubber burr is inserted into the cut of the vent tube during tire molding. It has the advantage that it can be prevented. That is, since the Young's modulus of the vent tube is close to that of the tire rubber material, when the inserted rubber burr is pulled out, if an excessive force acts on the rubber burr, the vent tube itself is also deformed, and the acting force is reduced, and There is an advantage that the occurrence of cutting can be effectively prevented.
[0037]
In this case, in general, as the opening becomes smaller, the air venting performance tends to decrease, and thus the occurrence of “bear” is feared. However, in the present invention, as described above, a plurality of penetration tubes are formed as a vent tube. By using the one in which the holes are formed, it is possible to prevent a decrease in the air release performance.
[0038]
The method for producing the tire molding die of the present invention is not particularly limited, and a generally used method can be used. An example will be described below.
[0039]
FIG. 7 shows a master model (original model) 100 used in manufacturing a tire mold (hereinafter, sometimes referred to as a “mold”). The groove shape and design on the outer surface of such a
[0040]
FIG. 8 shows a mold manufacturing process using the
First, using the
Next, a
Next, using the
Next, a
Next, the
[0041]
In the method for manufacturing a mold described above, the vent hole is formed by machining, but the vent hole can also be formed by a method as shown in FIG. That is, a
The
Next, by performing casting with the
Next, the
[0042]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited by these Examples.
[0043]
Example 1
An aluminum alloy casting method using a gypsum mold was performed using a mold integrated into upper and lower parts as shown in FIG. 1 and divided into seven parts along the circumference (one part of the mold is composed of seven part molds). (Plaster casting method) (mold material: foamed gypsum and aluminum alloy material AC4C (Si 7%, Cu 0.8%, Mg 0.4%, remaining Al)). In this case, the initial set number of vent holes was 1376 per set.
Next, a vent hole 201 (a diameter of the vent tube embedding portion of 3.0 mm, a height of 5 mm, and a lower hole of 1.6 mm) shown in FIG. 10A was formed by casting in the above manufacturing process. In the mold 200a, five through-
Furthermore, even after about 20,000 tires were formed by continuous molding, the initial air release characteristics could be maintained. In addition, as for the generation of burrs, small ones having a height of about 0.3 mm were generated, but this was a level that hardly caused a problem in appearance quality.
[0044]
Example 2
Example 1 was the same as Example 1 except that the vent tube 202a shown in FIG. 11 was used. As the vent tube 202a, a vent tube 202 (shape: 3.0 mm in diameter, 5 mm in height) having four through holes 300a having a diameter of 0.3 mm (the inside of which is roughened by blasting of # 200). Material: addition-type silicone rubber (trade name: SH9555, manufactured by Toray Silicone Co., Ltd.) was used. When a tire mold having the above-mentioned vent hole structure (vent hole type) was made and the tire was continuously molded, no "bear" was generated and no burr was generated in the vent tube portion. Almost no tire could be molded.
Furthermore, even after about 20,000 tires were formed by continuous molding, the initial air release characteristics could be maintained. In addition, as for the generation of burrs, small ones having a height of about 0.3 mm were generated, but this was a level that hardly caused a problem in appearance quality.
[0045]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when molding a tire, the occurrence of spews (whisker-like protrusions) and burr-like protrusions on the tire surface is prevented, and the initial performance and appearance of the obtained tire are prevented. Can be maintained in a favorable state, and a tire molding die capable of reducing the manufacturing cost of the die itself and simplifying the maintenance and inspection work can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view schematically showing one embodiment of a tire molding die according to the present invention, wherein (a) is a plan view and (b) is a cross-sectional view taken along line AA.
FIG. 2 is an explanatory view schematically showing one embodiment of a tire molding die of the present invention, in which (a) is a cross-sectional view showing a state in which a vent tube having a plurality of through holes is provided. , (B) is a sectional view taken along the line BB.
FIG. 3 is an explanatory view schematically showing an example of a vent tube having a plurality of through holes used in the present invention.
FIG. 4 is an explanatory view schematically showing an example of a vent tube having a plurality of through holes having a special through shape used in the present invention.
FIG. 5 is an explanatory view schematically showing an example of a vent tube having a plurality of through holes having a special surface shape used in the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of a method of fixing a vent tube used in the present invention to a partial mold, showing a fixing method along an undercut shape.
FIG. 7 is a perspective view schematically showing a master model used in an example of the method for manufacturing a tire molding die of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view schematically showing one example of a method for manufacturing a tire molding die of the present invention in the order of steps ((a) to (g)).
FIG. 9 is a cross-sectional view schematically showing another example of the method for manufacturing a tire molding die of the present invention in the order of steps ((a) to (d)).
FIG. 10 is a sectional view and a perspective view schematically showing a partial mold, a vent tube, and an arrangement state thereof used in an embodiment of the tire mold of the present invention.
FIG. 11 is a cross-sectional view schematically showing a vent tube used in another embodiment of the tire molding die of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... vent hole, 2 ... vent tube, 10 ... whole mold (die), 10a ... partial mold, 11 ... tire raw material (green tire), 12 ... closed space, 13 ... air, 20 ... through hole, 100 ... Master model, 100a ... Partial mold, 113 ... Groove, 114 ... Rubber mold, 115 ... Mold, 116 ... Mold, 118 ... Vent hole, 119 ... Vent tube, 129 ... Pin, 200a ... Partial mold, 201 ... Vent holes, 202, 202a: vent tube, 300, 300a: through hole, U: undercut.
Claims (4)
前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、
前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、直線状又は曲線状にかつ定期的又は不定期的に、曲折又は分岐した特殊貫通形状を有してなるものであり、
前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。A tire molding die which is divided into two or more partial dies and is used as an entire die by combining these partial dies at the time of tire molding.
When each of the partial molds presses a tire raw material (green tire) before molding onto each surface of the partial mold to form a tire (at the time of tire molding), the green tire and the partial mold are used. An air vent hole (vent hole) through which air can be discharged from a closed space formed by the surface of the green tire, which is provided on the surface side of the partial mold of the vent hole and is chemically inert and fused to the green tire. it repeated use at temperatures of no and 100 to 200 ° C. is composed capable wood charge, the opening shape is provided with a flexible vent tube having a transmural hole of circular and / or rectangular,
The through-hole in the vent tube, linear or curved and regularly or irregularly, having a bent or branched special through shape,
When pressing the green tire against each surface of the partial mold to form a tire, it is possible to discharge air in the space in response to an increase in pressure in the space due to the reduction of the closed space. And a tire molding die capable of preventing outflow of the green tire after discharging air.
前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の複数の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、When each of the partial molds presses a tire raw material (green tire) before molding onto each surface of the partial mold to form a tire (at the time of tire molding), the green tire and the partial mold are used. An air vent hole (vent hole) through which air can be discharged from a closed space formed by the surface of the green tire, which is provided on the surface side of the partial mold of the vent hole and is chemically inert and fused to the green tire. A flexible vent tube having a plurality of circular and / or rectangular through-holes, wherein the flexible vent tube is made of a material that can be repeatedly used at a temperature of 100 to 200 ° C.
前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、その内壁面に、直線状若しくは曲線状の凹凸形状が付与された特殊表面形状を有してなるものであるか又は前記内壁面が粗面化されてなるものであり、The through-hole in the vent tube has a special surface shape in which a linear or curved concavo-convex shape is provided on the inner wall surface, or the inner wall surface is roughened. And
前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。When pressing the green tire against each surface of the partial mold to form a tire, it is possible to discharge air in the space in response to an increase in pressure in the space due to the reduction of the closed space. And a tire molding die capable of preventing outflow of the green tire after discharging air.
前記部分金型のそれぞれが、成形前のタイヤ原材料(グリーンタイヤ)を前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際(タイヤ成形時)に、前記グリーンタイヤと前記部分金型の表面とが形成する閉塞空間から空気を排出し得る空気抜き孔(ベントホール)と、前記ベントホールの前記部分金型表面側に設けられた、前記グリーンタイヤと化学的に不活性で融着することがなくかつ100〜200℃の温度で繰り返し使用が可能な材料から構成された、その開口形状が円形及び/又は長方形の貫通孔を有する可撓性のベントチューブとを備えてなり、When each of the partial molds presses a tire raw material (green tire) before molding onto each surface of the partial mold to form a tire (at the time of tire molding), the green tire and the partial mold are used. An air vent hole (vent hole) through which air can be discharged from a closed space formed by the surface of the green tire, which is provided on the surface side of the partial mold of the vent hole and is chemically inert and fused to the green tire. A flexible vent tube having a circular and / or rectangular through-hole, the opening being formed of a material that can be used repeatedly at a temperature of 100 to 200 ° C.
前記ベントチューブにおける前記貫通孔が、直線状又は曲線状にかつ定期的又は不定期的に、曲折又は分岐した特殊貫通形状を有してなるものであり、かつ、その内壁面に、直線状若しくは曲線状の凹凸形状が付与された特殊表面形状を有してなるものであるか又は前記内壁面が粗面化されてなるものであり、The through-hole in the vent tube has a straight or curved and regularly or irregularly, a bent or branched special through shape, and, on its inner wall surface, a straight or Either it has a special surface shape to which a curved concavo-convex shape is given, or the inner wall surface is roughened,
前記グリーンタイヤを前記部分金型のそれぞれの表面に押圧してタイヤを成形する際、前記閉塞空間の縮小に伴う空間内の圧力増加に対応して、空間内の空気を排出することが可能であるとともに、空気の排出後、前記グリーンタイヤの流出を阻止することが可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。When pressing the green tire against each surface of the partial mold to form a tire, it is possible to discharge air in the space in response to an increase in pressure in the space due to the reduction of the closed space. And a tire molding die capable of preventing outflow of the green tire after discharging air.
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