JP3589067B2 - 配電系統制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は配電系統制御システムに係り、特に配電系統事故時の健全区間の負荷の持替を容易に実施できるように配電系統の柱上開閉器を開閉操作して電力供給ルートを調整変更する配合系統制御システムに係る。
【0002】
【従来の技術】
配電系統の事故時には、事故区間を切り離すと共に、事故区間より末端側に位置し事故区間の切り離しで停電する本来は健全区間であるところの負荷に、常時開の開閉器で隣接して連系する他の配合ブロックから応急的に電力を供給する処理を行う。これを負荷融通という。健全区間の停電を迅速に復旧するため、負荷融通処理は高速に実施することが重要である。例えば、特開平6−284575 号公報では、融通計算において大きな処理量を持つ、隣接ブロックから健全区間に至る供給経路の探索処理やその供給妥当性評価処理を、隣接ブロック毎に複数の計算機により並列に処理することで高速化を図るアイデアが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術は事故時に負荷融通形態を決定して系統切替を高速に実施するアイデアを提供するものである。
【0004】
事故時の負荷融通に関するもう1つの課題として、処理の高速性の他に、健全区間の停電の復旧の確実性が挙げられる。電力を融通しようとする隣接ブロック側に、上記健全区間の負荷を負担するだけの予備力(配電線容量など)が不足すれば、一部区間が復旧不可能となったり、あるいは隣接ブロックのさらに隣接ブロックへの多段の負荷融通が必要になって融通処理に時間を要する危険性が生じる。これを防止するには系統設備の拡充が考えられるが、これには大きな設備増強コストが必要という欠点がある。そこで、現状の系統設備を最大限活用し、事故時の負荷融通をより確実に実施できるように平常時の系統構成(電力供給経路)を制御して各ブロックの予備力を適切に配分することが重要になる。また、系統構成制御は一部の開閉器の開閉状態を変更することで実施されるが、開閉器の両端の位相の開きなどの電気的状態によっては開閉状態を変更することができないこともあるため、系統構成制御を確実に実施することが課題となる。
【0005】
本発明の目的は、事故時の負荷融通をより確実に実施できるように平常時の系統構成を確実に制御する手法及びシステム提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の配電系統制御システムは事故時の負荷融通をより確実に実施できるように平常時の系統構成(電力供給経路)を制御して各ブロックの予備力を適切に配分することを目的とする。
【0007】
配電系統制御システムは、配電系統上で開閉器及びセンサと接続して設置される複数の子局装置と各子局装置を接続する通信手段を備える。各子局装置が協調して開閉器制御装置を介して配電系統の各開閉器の開閉操作を制御することによって、上記の目的を達成する。
【0008】
各子局装置は、開閉器制御手段,計測手段,連携制御手段,予備力調整手段,データ管理手段から構成される。開閉器制御手段は予備力調整手段の指示に従って開閉器の開閉制御を行うが、開閉制御しようとする開閉器の両端の電気的データを用いて開閉器制御が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉制御を実施する。計測手段はセンサを介して配電線の電流量を観測する。データ管理手段は系統制御に必要なデータを管理し、また各手段からの問い合わせに対してデータを返す。連携制御手段は通信手段を介して他の子局装置との連携を制御する。予備力調整手段は各ブロックの予備力が適正な配分になるように系統構成を制御することを目的として、計測手段で観測する配電線の電流量と連携制御手段を介して他の子局装置との協調に基づいて開閉器の開閉操作を決定し、開閉器制御手段を介して設置点の開閉器の開閉操作を制御するとともに連携手段を介して他の子局装置の設置点の開閉器の開閉操作を制御する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
第1の実施例である配電系統予備力平準化システムについて説明する。
【0011】
まず配電系統予備力平準化システムの概略を説明する。
【0012】
図1には配電変電所,配電線200,開閉器301〜307,開閉器制御装置401〜410を有する配電系統予備力平準化システムが模擬的に図示されている。この配電系統予備力平準化システムは、配電系統上で開閉器制御装置と接続して設置される複数の子局501〜510と、これら子局間の通信に利用する通信線600とから構成される。
【0013】
図1のモデル系統では、開閉器305と開閉器307は開放されており、3つの配電変電所101〜103から電力が供給されている。開閉器305と開閉器307と配電変電所101の間は配電変電所101から、開閉器305と配電変電所102の間は配電変電所102から、開閉器と配電変電所103の間は配電変電所103から、それぞれ電力が供給されている。以下では、電力が供給される経路を電力供給経路、同じ配電変電所から電力が供給されている範囲を電力供給ブロックと呼ぶ。電力供給ブロックは電力供給元の配電変電所と1対1に対応付けられる。
【0014】
開閉器の開閉状態を切り替えることで、配電系統の電力供給ブロックが変更できる。例えば、図1で開閉器307を閉じて開閉器303を開放すれば、開閉器303と開閉器305と開閉器307の間へは、当初配電変電所101から電力を供給されていたのが、配電変電所103から電力が供給されることになる。即ち、開閉器303と開閉器305と開閉器307の間の負荷が配電変電所103の電力供給ブロックに持ち替えられることになる。このような負荷持替は、例えば開閉器302と開閉器303の間で事故が発生し、開閉器302と開閉器303の間を遮断した場合に、本来は健全区間である開閉器303以降の部分に電力を供給することを目的として実施される。
【0015】
配電系統予備力平準化システムの各子局で配電変電所以外に設置されるものについては、自子局の設置点から配電系統の末端側に現在以上に供給可能な電流量(以下供給予備力と呼ぶ)、自子局に接続する配電線の許容できる電流量(以下許容電流量と呼ぶ)、自子局の設置点の現在の電流量(以下現在電流量と呼ぶ)、自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置が現在以上に供給可能な電流量(以下電力貯蔵装置供給予備力と呼ぶ)を管理する。各子局の許容電流量は運用者が設置して与える。電力貯蔵装置供給予備力は現在充電電流量/放電時間−現在放電電流量で与える。ここで、現在充電電流量と現在放電電流量は自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全てに関する合計値で、放電時間は運用者の設置値とする。また、配電変電所に設置される子局については、供給予備力,変電所で許容できる電流量(以下変電所容量と呼ぶ)、現在電流量を管理する。変電所容量は運用者が設定して与える。
【0016】
設置点の開閉器が閉じている子局の供給予備力は次のように与える。説明のために記号を幾つか導入する。自子局をX、Xより1つ電源側の子局をY、Xの供給予備力をA(X)、Xに接続する配電線の許容電流量の最小値をB(X)、Xの現在電流量をC(X)、Xに関する電力貯蔵装置供給予備力をS(X)、Yの供給予備力をA(Y)、Yに接続する配電線の許容電流量の最小値をB(Y)、Yの現在電流量をC(Y)、Yに関する電力貯蔵装置供給予備力をS(Y)とおく。このとき、Xの供給予備力A(X)をA(X)=min{A(Y)+S(X),B(X)−C(X)}で与える。ただし、Xが配電変電所に設置されている子局の場合、Xの供給予備力は変電所容量から現在電流量を引いた値で与える。設置点の開閉器が開いている子局、即ち電力供給ブロックの境界上の子局については、2つの電力供給ブロックに属していると見做し、それぞれの電力供給ブロックに関する供給予備力を管理する。各電力供給ブロックの供給予備力の与え方は上記と同様である。
【0017】
このとき、電力供給ブロックの境界上の子局が管理する2つの電力供給ブロックに関する供給予備力は、それぞれ一方から他方の電力供給ブロックへの供給可能な電流量(以下ブロック供給予備力と呼ぶ)になる。
【0018】
配電系統予備力平準化システムは、定期的に上記の電力供給ブロック境界上の子局が持つ2つのブロック供給予備力がある基準に従いかどうかを判定し、基準に外れる時は開閉器制御装置を制御して電力供給ブロックの境界を基準に従うように変更するものである。大まかには以下のような処理を行う。
【0019】
(1)電力供給ブロック境界上の子局をZ、Zが境界となる2つの電力供給ブロックをαとβ、αとβに関するブロック供給予備力をそれぞれA(Z,α)とA(Z,β)とおく。
【0020】
(2)ZはΔ=A(Z,α)−A(Z,β)をチェックする。
【0021】
(3)|Δ|≦Δ0ならば終了。
【0022】
(4)Δ>Δ0ならば、Zは設置点の開閉器を閉じ、Zのα側の隣接子局の設置点の開閉器を開放する。
【0023】
(5)Δ<−Δ0ならば、Zは設置点の開閉器を閉じ、Zのβ側の隣接子局の設置点の開閉器を開放する。
【0024】
(6)Zを新しく予備力供給ブロック境界となった子局に更新し、それに伴いα,βを更新する。
【0025】
次に配電系統予備力平準化システムの構成と処理の詳細について説明する。
【0026】
図2を用いて配電系統予備力平準化システムの構成を説明する。
【0027】
図2には配電線200,開閉器300,開閉器制御装置400,センサ700,通信線600が示されている。子局500は開閉器制御装置制御部520,計測部530,連携制御部540,予備力調整部550,データ管理部560から構成される。開閉器制御装置制御部520は予備力調整部550の指示に従って開閉器制御装置520を制御し開閉器の開閉制御を行うが、開閉制御しようとする開閉器300の両端の電気的データを用いて開閉器制御が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉制御を実施する。計測部530はセンサ
700を介して配電線200の電流量を観測する。連携制御部540は通信線
600を介して他の装置との連携を制御する。その詳細については後述する。データ管理部560は予備力調整に必要なデータを管理し、また各部からの問い合わせに対してデータを返す。その詳細については後述する。予備力調整部550は予備力調整処理全体を制御する。その詳細については後述する。
【0028】
データ管理部560は予備力調整に必要なデータとして以下のデータを管理する。
【0029】
(1)供給予備力…自子局の設置点から配電系統の末端側に現在以上に供給可能な電流量。
【0030】
(2)許容電流量…自子局に接続する配電線の許容できる電流量の最小値。
【0031】
(3)現在電流量…自子局の設置点の現在の電流量。
【0032】
(4)電力貯蔵装置供給予備力…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置が現在以上に供給可能な電流量。
【0033】
(5)現在充電電流量…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の充電電流量の合計。
【0034】
(6)現在放電電流量…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の充電電流量の合計。
【0035】
(7)放電時間…運用者が設定する定数。
【0036】
(8)変電所容量…配電変電所で許容できる電流量(配電変電所に設置される子局のみ管理する)。
【0037】
(9)ブロック供給予備力…電力供給ブロックの境界上の子局のみ管理するデータで、境界となっている2つの電力供給ブロックに関する供給予備力。
【0038】
(10)予備力調整しきい値…予備力調整を行う基準とする2つの電力供給ブロックのブロック供給予備力の差に関するしきい値。
【0039】
(11)設置点情報…設置点が配電変電所かそうでないかを示すデータ。
【0040】
(12)開閉器状態…設置点の開閉器が開状態か閉状態かを示すデータ。
【0041】
予備力調整部の大まかな処理について図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0042】
(1)供給予備力データを更新(ステップ301)。
【0043】
(2)予備力調整が必要かどうかを判定(ステップ302)。
【0044】
(3)予備力調整が不要なら(1)に戻る。
【0045】
(4)予備力調整が必要なら予備力調整を実施(ステップ303)。
【0046】
(5)(1)に戻る。
【0047】
供給予備力データ更新の処理について図4に示すフローチャートを用いて説明する。設置点が配電変電所かどうか、設置点の開閉器が閉じているかどうかによって処理を変える。以下それぞれのケース毎に説明する。
【0048】
設置点が配電変電所の場合(ステップ401でYes の場合)は以下のように処理する。
【0049】
(1)計測部を介してセンサが計測する電流値を現在電流量として取り込む(ステップ402)。
【0050】
(2)現在電流量データをデータ管理部に格納する(ステップ403)。
【0051】
(3)データ管理部から変電所容量データを入手する(ステップ404)。
【0052】
(4)供給予備力=変電所容量−現在電流量とする(ステップ405)。
【0053】
(5)供給予備力データをデータ管理部に格納する(ステップ406)。
【0054】
設置点が配電変電所でなくステップ401でNo、かつ設置点の開閉器が閉じている場合ステップ410でYes は以下のように処理する。
【0055】
(1)計測部を介してセンサが計測する電流値を現在電流量として取り込む(ステップ411)。
【0056】
(2)現在電流量データをデータ管理部に格納する(ステップ412)。
【0057】
(3)連携制御部を介して電力貯蔵装置制御装置と通信し、自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の充電電流量を入手し(ステップ413)、それらを合計して現在充電電流量とし、現在充電電流量データをデータ管理部に格納する。
【0058】
(4)連携制御部を介して電力貯蔵装置制御装置と通信し、自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の放電電流量を入手し(ステップ414)、それらを合計して現在放電電流量とし、現在放電電流量データをデータ管理部に格納する。
【0059】
(5)データ管理部から放電時間データを入手し(ステップ415)、電力貯蔵装置供給予備力=現在充電電流量/放電時間−現在放電量とする(ステップ416)。
【0060】
(6)連携制御部を介して電源側の隣接子局と通信し、隣接子局のデータ管理部が管理する供給予備力データを入手(ステップ417)。
【0061】
(7)供給予備力=min{隣接子局供給予備力+電力貯蔵装置供給予備力,許容電流量−現在電流量} とする(ステップ418)。
【0062】
(8)供給予備力データをデータ管理部に格納する(ステップ419)。
【0063】
設置点が配電変電所でなくステップ401でNo、かつ設置点の開閉器が開いている場合ステップ410でNoは以下のように処理する。
【0064】
(1)接する2つの電力供給ブロックをα,βとし、自子局がαの電力供給ブロックの末端にあるとして、設置点の開閉器が閉じている場合と同じ処理を行って、供給予備力を求め、供給予備力をαに関するブロック供給予備力とし(ステップ421)、データ管理部に格納する(ステップ422)。
【0065】
(2)同様に、自子局がβの電力供給ブロックの末端にあるとして、設置点の開閉器が閉じている場合と同じ処理を行って、供給予備力を求め、供給予備力をβに関するブロック供給予備力とし(ステップ421)、データ管理部に格納する(ステップ422)。
【0066】
予備力調整が必要かどうかの判定、及び必要な場合の予備力調整の処理について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0067】
(1)設置点の開閉器が閉じている場合(ステップ500でNo)は、予備力調整不要と判定。
【0068】
(2)設置点の開閉器が開いている場合(ステップ500でYes)は以下の処理を実施。
【0069】
(3)データ管理部から2つのブロック供給予備力データを入手し、A(α),A(β)とおく(ステップ501)。
【0070】
(4)データ管理部から予備力調整しきい値データΔ0を入手(ステップ502)。
【0071】
(5)Δ=A(α)−A(β)とする(ステップ503)。
【0072】
(6)|Δ|≦Δ0なら、予備力調整不要と判定(ステップ504でNo)。
【0073】
(7)|Δ|>Δ0なら、予備力調整要と判定(ステップ504でYea)。
【0074】
予備力調整要と判定された場合は続けて以下の処理を行う。
【0075】
(8)Δ>0ならば(ステップ505でYes)、設置点の開閉器の閉操作を開閉器制御装置制御部に指示し(ステップ506)、A(α)に対応する電力供給ブロック側隣接子局の設置点の開閉器の閉操作を、連携制御部を介して隣接子局に指示する(ステップ507)。
【0076】
(9)Δ<0ならば(ステップ505でNo) 、設置点の開閉器の閉操作を開閉器制御装置制御部に指示し(ステップ508)、A(β)に対応する電力供給ブロック側隣接子局の設置点の開閉器の開操作を、連携制御部を介して隣接子局に指示する(ステップ509)。
【0077】
連携制御部は通信線を介して他の装置との連携を制御する。自子局の各機能ブロックから他装置に関する情報の入手を指示されると、その装置と通信して情報を入手し、指示を出した機能ブロックに返す。また、自子局の予備力調整部から他の子局の設置点の開閉器の開指令を受信すると、その子局と通信して開指令を伝達する。また、他装置から自子局に関するデータの問い合わせを受信すると、データ管理部を介してそのデータを入手して問い合わせ元の子局に返信する。さらに、他の装置から自子局の設置点の開閉器の開指令を受信すると、開閉器制御装置制御部に開閉器の開指令を伝達する。
【0078】
第2の実施例として配電系統予備力調整システムについて説明する。一言で言えば、第1の実施例である配電系統予備力平準化システムが各電力供給ブロックのブロック予備力を平均化するように電力供給経路を修正するのに対して、配電系統予備力調整システムは各電力供給ブロックのブロック予備力に目標値を与え、それからのずれを平均化するように電力供給経路を修正するものである。
【0079】
例えば、事故時の影響が大きいところや事故発生確率が高いところの周辺の電力供給ブロックほどブロック予備力の目標値に大きな値を設定することで、結果として事故時の負荷持ち替えが多段になる危険性、もしくは持ち替え不能となる危険性を低減することが期待できる。あるいは、目標値として隣接する電力供給ブロックのブロック供給予備力の平均値を与えれば、第1の実施例の配電系統予備力平準化システムと同じ機能を実現する。
【0080】
配電系統予備力調整システムの機能ブロックは図2に示した配電系統予備力平準化システムと全く同じである。異なるのは予備力調整部の処理とデータ管理部の管理するデータである。
【0081】
データ管理部は予備力調整に必要なデータとして以下のデータを管理する。
【0082】
(1)供給予備力…自子局の設置点から配電系統の末端側に現在以上に供給可能な電流量。
【0083】
(2)許容電流量…自子局に接続する配電線の許容できる電流量の最小値。
【0084】
(3)現在電流量…自子局の設置点の現在の電流量。
【0085】
(4)電力貯蔵装置供給予備力…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置が現在以上に供給可能な電流量。
【0086】
(5)現在充電電流量…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の充電電流量の合計。
【0087】
(6)現在放電電流量…自子局と自子局より1つ電源側の子局との間にある電力貯蔵装置全ての現在の充電電流量の合計。
【0088】
(7)放電時間…運用者が設定する定数。
【0089】
(8)変電所容量…配電変電所で許容できる電流量(配電変電所に設置される子局のみ管理する)。
【0090】
(9)ブロック供給予備力…電力供給ブロックの境界上の子局のみ管理するデータで、境界となっている2つの電力供給ブロックに関する供給予備力。
【0091】
(10)ブロック供給予備力目標値…電力供給ブロック毎に設定されるブロック供給予備力の目標値。
【0092】
(11)予備力調整しきい値…隣接する2つの電力供給ブロックについて、
{ブロック供給予備力目標値−ブロック供給予備力}/ブロック供給予備力目標値を考え、その2つの電力供給ブロックに関する値の違いについて、予備力調整を実施するかどうかの基準を与えるしきい値。
【0093】
(12)設置点情報…設置点が配電変電所かそうでないかを示すデータ。
【0094】
(13)開閉器状態…設置点の開閉器が開状態か閉状態かを示すデータ。
【0095】
予備力調整部の大まかな処理の流れは、配電系統予備力平準化システムの場合と同じである。
【0096】
供給予備力データ更新の処理についても、配電系統予備力平準化システムと全く同じ処理を行う。
【0097】
予備力調整が必要かどうかの判定、及び必要な場合の予備力調整の処理についてが、配電系統予備力平準化システムと異なる。図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0098】
(1)設置点の開閉器が閉じている場合(ステップ600でNo) は、予備力調整不要と判定。
【0099】
(2)設置点の開閉器が開いている場合(ステップ600でYes)は、以下の処理を実施。
【0100】
(3)データ管理部から2つのブロック供給予備力データを入手し、2つの電力供給ブロックを仮にαとβとおき、A(α),A(β)とおく(ステップ601)。
【0101】
(4)データ管理部から2つのブロック供給予備力目標値データを入手し、O(α),O(β)とおく(ステップ602)。
【0102】
(5)データ管理部から予備力調整しきい値データΔ0を入手(ステップ603)。
【0103】
(6)Δ={O(α)−A(α)}/O(α)−{O(β)−A(β)}/O(β)とする(ステップ604)。
【0104】
(7)|Δ|≦Δ0なら(ステップ605でNo)、予備力調整不要と判定。
【0105】
(8)|Δ|>Δ0なら(ステップ605でYes)、予備力調整要と判定。
【0106】
予備力調整要と判定された場合は続けて以下の処理を行う。
【0107】
(9)Δ>0ならば(ステップ610でYes)、設置点の開閉器の閉操作を開閉器制御装置制御部に指示し(ステップ611)、A(α)に対応する電力供給ブロック側隣接子局の設置点の開閉器の開操作を、連携制御部を介して隣接子局に指示する(ステップ612)。
【0108】
(10)Δ<0ならば(ステップ610でNo) 設置点の開閉器の閉操作を開閉器制御装置制御部に指示し(ステップ613)、A(β)に対応する電力供給ブロック側隣接子局の設置点の開閉器の開操作を、連携制御部を介して隣接子局に指示する(ステップ614)。
【0109】
このように、配電系統予備力平準化システムや配電系統予備力調整システムは各電力供給ブロックのブロック供給予備力を平準化したりある目標値に調整したりする点を1つの特徴とするが、例えば次のようなメリットがある。事故時には事故点以降の負荷を別の電力供給ブロックに持ち替える必要があるが、このときその電力供給ブロックに負荷を負荷するだけの予備力(ブロック供給予備力)が不足すれば、さらにその隣への電力供給ブロックに負荷を持ち替えるなどが必要になり、負荷持ち替えに時間を要することになる。これに対して、各電力供給ブロックのブロック供給予備力を平準化したり、その目標値を事故時の影響の大きいところや事故発生確率が高いところの周辺の電力供給ブロックほどブロック予備力の目標値に大きな値を設定することで、結果として事故時の負荷持ち替えが多段になる危険性、もしくは持ち替え不能となる危険性を低減することができる。
【0110】
また、ブロック供給予備力の調整を子局間連携で行うことで、系統拡充時にも子局を増やすだけで対応でき拡散性の高いシステムを構成することができる。
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、各電力供給ブロックのブロック供給予備力を平準化したりある目標値に調整することが可能になり、各電力供給ブロックのブロック供給予備力を平準化したり、その目標値を事故時の影響の大きいところや事故発生確率が高いところの周辺の電力供給ブロックほどブロック予備力の目標値に大きな値を設定することで、結果として事故時の負荷持ち替えが多段になる危険性、もしくは持ち替え不能となる危険性を低減することができる。
【0112】
また、ブロック供給予備力の調整を子局間連携で行うことで、系統拡充時にも子局を増やすだけで対応でき拡散性の高いシステムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される配電系統予備力平準化システムの装置構成を説明する図である。
【図2】本発明が適用される配電系統予備力平準化システムの子局装置の機構ブロックを説明する図である。
【図3】本発明が適用される配電系統予備力平準化システムの予備調整部の大まかな処理を説明する図である。
【図4】本発明が適用される配電系統予備力平準化システムの予備力調整部の供給予備力データ更新の処理を説明する図である。
【図5】本発明が適用される配電系統予備力平準化システムの予備力調整部の予備力調整必要性判別の処理及び必要な場合の予備力調整の処理を説明する図である。
【図6】本発明が適用される配電系統予備力調整システムの予備力調整部の予備力調整必要性判別の処理及び必要な場合の予備力調整の処理を説明する図である。

Claims (8)

  1. 配電系統の開閉器を開閉制御して配電系統の電力供給経路を制御する配電系統制御システムにおいて、
    配電系統制御システムが開閉器と接続して設置される複数の子局装置と各子局装置間を接続する通信手段を備え、前記子局装置は開閉器を開閉制御する開閉器制御手段と、配電系統の開状態にある開閉器で連系する2つの電力供給経路(電力供給ブロック)について開状態とする開閉器を別の開閉器に変更して前記2つの電力供給経路の境界を変更制御することを子局間で連携して行う電力供給ブロック調整手段とを備え、前記電力供給ブロック調整手段は開状態とする開閉器を経由して一方の電力供給経路から他方の電力供給経路へ供給可能な電流量であるブロック予備力が最も均等になるように開状態とする開閉器を子局間で連携して選択する配電系統制御システム。
  2. 配電系統の開閉器を開閉制御して配電系統の電力供給経路を制御する配電系統制御システムにおいて、
    配電系統制御システムが開閉器と接続して設置される複数の子局装置と各子局装置間を接続する通信手段を備え、前記子局装置は開閉器を開閉制御する開閉器制御手段と、配電系統の開状態にある開閉器で連系する2つの電力供給経路(電力供給ブロック)について開状態とする開閉器を別の開閉器に変更して前記2つの電力供給経路の境界を変更制御することを子局間で連携して行う電力供給ブロック調整手段とを備え、前記電力供給ブロック調整手段は開状態とする開閉器を経由して一方の電力供給経路から他方の電力供給経路へ供給可能な電流量であるブロック予備力を管理する手段と、ブロック予備力に関する目標値を管理する手段とを備え、前記電力供給ブロック調整手段はブロック予備力とその目標値との差が最も均等になるように開状態とする開閉器を子局間で連携して選択する配電系統制御システム。
  3. 請求項の配電系統制御システムにおいて、電力供給ブロックのブロック予備力としてその電力供給ブロック内の電力貯蔵装置が現状以上に放電できる電流量を含める配電系統制御システム。
  4. 請求項の配電系統制御システムにおいて、電力供給ブロックのブロック予備力としてその電力供給ブロック内の電力貯蔵装置が現状以上に放電できる電流量を含める配電系統制御システム。
  5. 請求項の配電系統制御システムにおいて、開閉器制御手段が、開閉状態を変更しようとする開閉器の両端の電気的データを用いて開閉器の開閉状態の変更が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉状態の変更を実施する配電系統制御システム。
  6. 請求項の配電系統制御システムにおいて、開閉器制御手段が、開閉状態を変更しようとする開閉器の両端の電気的データを用いて開閉器の開閉状態の変更が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉状態の変更を実施する配電系統制御システム。
  7. 請求項の配電系統制御システムにおいて、開閉器制御手段が、開閉状態を変更しようとする開閉器の両端の電気的データを用いて開閉器の開閉状態の変更が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉状態の変更を実施する配電系統制御システム。
  8. 請求項の配電系統制御システムにおいて、開閉器制御手段が、開閉状態を変更しようとする開閉器の両端の電気的データを用いて開閉器の開閉状態の変更が可能かどうかをサイクリックに判別して、可能な時に開閉状態の変更を実施する配電系統制御システム。
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