JP3588457B2 - ウェハ加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハを加熱する際に用いるウェハ加熱装置に関して、特に、ウエハを装置上に昇降させるリフトピンを案内保持するための保持部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウエハ加熱装置は、半導体ウェハや液晶装置あるいは回路基板等のウェハを加熱する装置で、ウエハ上に半導体薄膜を形成し、又は、塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けてレジスト膜を形成する等に使用されている。
【0003】
従来の半導体製造装置は、複数のウェハを一括して加熱するバッチ式と、1枚ずつ加熱する枚葉式とがあり、枚葉式は、温度制御性に優れているので、半導体素子の配線の微細化とウェハ熱処理温度の精度向上が要求されるに伴ない、広く使用されている。
【0004】
近年生産効率の向上のために、ウェハサイズの大型化が進んでいるが、半導体素子自体も多様化し、必ずしも大型ウェハで製造することが生産効率の向上にはつながらず、寧ろ、単一の装置を使用して、多種多様サイズのウェハをそれぞれの熱処理条件に対応して加熱できることが望まれている。
【0005】
従来技術に関して、特開2001−52985は、発熱体を下面に備えて上面でウエハを加熱するホットプレートとこれを支持する密閉容器とを含むホットプレートユニットに関して、ウェハ面を支持してウェハの授受を行うウェハリフトピンを利用して、多種サイズのウェハに対応できる装置を開示している。
【0006】
この従来装置は、図9に図示のように、ケーシング69の上の開口部にセラミックのホットプレート54を固定し、ホットプレートには、下面59に発熱体として抵抗パターン55を備え、上面を、加熱すべきウエハWを載置する載置面53としている。ケーシングの底部には、ピン挿通スリーブ62が立設されて、上記のホットプレート54の下面59と接触して、そのスリーブ62の挿通孔が、ホットプレート54に開設した貫通孔76と連通されている。リフトピンは、ピン挿通スリーブ62の挿通孔とホットプレート54の貫通孔76に挿通されて、リフトピンの上端でウエハを保持しながら降下して、ウエハをホットプレート上に載置し、加熱処理後には、ホットプレートの上方に上昇させて、ウエハの脱着を容易にしている。
【0007】
この装置は、また、ケーシング69内部に冷却用の空気を流通させるための流体供給用のポート67が、上記のケーシング底部に設けられ、加熱処理した後のウエハを放冷する過程で、ポート67から空気をホットプレートに吹き付けて、その降温の速度を高めて、ウエハの冷却時間を短縮することがなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のウエハ加熱装置においては、ガイド部材は、その端部面がセラミック基板の貫通孔の周辺部に接触して、貫通孔を密封しており、上記の冷却の際に供給された空気が貫通孔に浸入してウエハの表面に直接に吹き付て、その吹き付け部位を局部的に冷却するのを防止している。然しながら、ピン挿通スリーブの上端が均熱板の下面に直接に接触していると、抵抗発熱体に通電してウェハを加熱する際には、セラミック基板からガイド部材へと熱移動が起こり、その結果、ウェハ表面温度が、ウェハリフトピン近傍で、他の部分の表面温度に比べて低くなり、処理後のウェハ表面状態にばらつきを生じる原因となっていた。
【0009】
上記の問題を解決するために、セラミック基板のガイド部材が接する領域での発熱量が増加するように抵抗発熱体の抵抗分布を調整してガイド部材への熱の移動を補償し、目的温度に達した時にウェハ表面の温度分布を良好にするように温度設定をすることが考えられる。しかし、この方法では、表面温度の均一化のための抵抗発熱体の各部位での発熱量の精密設定が難しく、さらに、設定温度に達するまでの過渡時において板状セラミックス板の温度分布が悪化し、結果として、熱処理後のウェハ表面状態にばらつきが生じていた。
【0010】
本発明は、均熱板からガイド部材への熱の移動を抑えて、定常保温過程でもその前の昇温過程においても、ウエハの表面温度を均一化することのできるウエハ加熱装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のウェハ加熱装置は、上部主面をウェハの戴置面とするセラミック基板に配置した発熱体を含む均熱板と、均熱板を貫通する貫通孔を挿通してウエハを昇降させるリフトピンと、前記ウェハリフトピンを挿通して案内するガイド孔を備えたガイド部材と、を含むが、ガイド部材の少なくとも上端面を先細にしてセラミック基板の下部主面に近接させ、これによって、セラミック基板ないし均熱板からガイド部材への熱伝導と熱輻射とを軽減して、昇温過程と定常保温過程でのウエハの表面温度分布を均一にするものである。
【0012】
本発明は、ガイド部材を、上端面が肉厚0.1〜3.0mmの環状になるようにして、熱伝導又は熱輻射によって起こる均熱板の下部端面からガイド部材上端面への熱の移動を抑制するものである。
【0013】
本発明の装置は、ガイド部材をセラミック基板をに近接させる形態として、ガイド部材の上端面がセラミック基板に接触する構造を含む。また、本発明の装置は、ガイド部材の上端面が、セラミック基板の下面に離間して配置する構造が含まれる。この態様は、ガイド部材の上端面とセラミック基板の下面との間に離間距離ないし間隙を設けて、セラミック基板からガイド部材への熱伝達を抑制し、セラミック基板の局部的な温度の低下を防止するものである。
【0014】
さらに,本発明の装置は、ガイド部材の上端面が、セラミック基板の下面との間に環状の軟質弾性の接続部材を介して配置することも含まれる。接続部材は、ウエハの冷却の際に、支持台内に供給された空気がその間隙を通ってセラミック基板の貫通孔からウエハに到達して局部的に冷却するのを防止するものである。
【0015】
ガイド部材は、その熱伝導率を、ウェハ加熱用の均熱板を構成するセラミック基板の熱伝導率より小さくするのが好ましく、これは、均熱板で発生した熱がガイド部材へ移動するのを抑制するものである。
【0016】
本発明に用いられるガイド部材の実施形態は、ガイド部材先端の全長の1/3以上が先細段部にされる。先細段部にすることにより、均熱板から熱伝導又は熱輻射によって生じるガイド部材への熱の移動が抑制できるので好ましい。
【0017】
また、ガイド部材の別の実施形態は、ガイド部材先端の全長の2/3以上を先細テーパー部とされて、先細のテーパ部により、均熱板から熱伝導又は熱輻射によってガイド部材への熱移動が抑制できるので好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
この実施形態のウエハ装置加熱装置においては、図1と図8に例示すように、均熱板4が、上部主面をウェハの戴置面3とするセラミック基板2と、該セラミック基板の内部もしくは下部主面に配置した発熱体5とから構成され、ウエハ加熱装置には、均熱板4を貫通した貫通孔26を挿通してウエハWを昇降させるリフトピン25と、これらウェハリフトピンを挿通して案内するガイド部材12を設けている。そして、ウエハ加熱装置は、この均熱板2の周縁部を支持する円筒状の支持台19を備えて、支持台の内部空所には、均熱板下部にリフトピン25とそのガイド部材12とを含む。
【0019】
セラミック基板は、セラミック焼結体の板であり、酸化物、炭化物、窒化物の焼結体が利用されて、通常は、円盤状を成している。セラミック基板の上部主面がウエハの載置に利用され、下部主面ないし内部に発熱抵抗体が配置され、リフトピンを挿通するための貫通孔を備えて、その周縁部が、上記筒状の支持台の上部開口部の周縁部に固定されている。
【0020】
セラミック基板は、通常は、2〜5mmの厚みとされ、均熱板の強度を確保して、均熱板の熱容量を小さくして、加熱および冷却時の温度が定常化するまでの時間を短くするようにされる。また、セラミック基板は、好ましくは、ヤング率200GPa以上の材料が用いられ、熱応力に対して変形量を少なくし上記板厚に薄くできる。
【0021】
また、セラミック基板は、好ましくは、60W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料から形成され、薄い板厚でも抵抗発熱体の発熱を伝導し、ウェハ載置面の温度ばらつきを小さくすることができる。これらの点から、炭化珪素質または窒化アルミニウム質の焼結体が利用できる。
【0022】
均熱板に設ける抵抗発熱体5は、抵抗材料のストリップからパターン形成されて、図8に示すようにセラミック基板2の内部に埋設されるか、図1に示すように、下部主面に取着されている。抵抗体ストリップは、同心円状、又は渦巻き状のパターンで配置して構成することができ、セラミック基板の面域でいくつかに分割した発熱体にし、各発熱体は、連続したストリップで形成される抵抗回路にし、各発熱体を電力制御して、セラミック基板全体で温度が均一化するように発熱量の分布を与えることができる。
【0023】
均熱板は支持台上に固定されるが、支持台は、有底筒状を成して、底部には ウェハリフトピンを挿通する底部貫通孔を有してガイド部材の下端側を定置し、上部の開口部が、上記の均熱板の周縁部を固定している。
【0024】
リフトピンは、支持台下部に配置した駆動装置により、上下動可能に立設され、好ましくは、3本以上のウェハリフトピンが利用される。リフトピンは、支持台の貫通孔を貫通して、リフトピン保持部材のガイド孔を挿通して、セラミック基板の貫通孔を挿通して、基板上面から先端が突出するように配設される。
リフトピンは、外部から運搬してきたウェハをウェハリフトピンの上端で受け取り、ウェハリフトピンを下降させて均熱板のウェハ戴置面に戴置することができ、加熱処理後には、ウェハリフトピンを同時に上昇させて熱処理を終えたウェハを戴置面から離脱するのである。
【0025】
リフトピンは、金属の細い線条で形成され、好ましくは、2〜6mmの直径を有している。リフトピンが、この直径2mmより細いと、十分な剛性を確保できず、ウェハの荷重で、曲がりやすくなり、ウェハの載置離脱の安定性に欠けるので好ましくない。直径6mmより太いと、セラミック基板の貫通孔の直径が大きくなり、この上のウェハWにクールスポットを発生させるので好ましくない。
【0026】
セラミック基板の貫通孔は、リフトピンを挿通するが、貫通孔の内径が2〜8mmであると、貫通孔周辺部の温度ばらつきを抑制でき、ウェハを短時間で均一に加熱することができるので好ましい。貫通孔の内径が8mmを越えると、均熱板の非加熱領域である貫通孔が広くなり過ぎて、周囲の抵抗発熱体の熱密度を調整しても、均熱性を確保できないので好ましくない。
【0027】
ガイド部材は、底部に固定され、均熱板の下部主面側に配置されて、内部に形成されたガイド孔を有する筒体であり、ガイド孔でリフトピンをその先端がセラミック基板の上記貫通孔に挿入できるように方向付ける機能を有している。
【0028】
後述のように、ガイド部材の形態は、ガイド部材の上端面が、均熱板の下部主面と接触して配置するものが採用できる。別の形態は、ガイド部材の上端面が、均熱板の下部主面とは間隙を設けて離間的に配置するものが採用される。
別の形態では、ガイド部材は、ガイド部材の上端面が、均熱板の下部主面と、別の接続部材によって接続されたものが採用される。
【0029】
このようなガイド部材は、一般に、金属、セラミック、耐熱性ポリマから選ばれる。ガイド部材は、共通して、横断面が矩形または円形、その他の変形を含む柱状ないし筒状である。ガイド部材のガイド孔は、リフトピンを挿通することのできる直径を有し、リフトピンの直径に対応して、ガイド孔の内径は、2〜8mmであるのが好ましい。
【0030】
ガイド部材の上端面は、細くされて、肉厚0.1〜3.0mmの環状の形状とし、基板から上端面への熱伝達量を低減することができる。上端面の肉厚は、端面の外周とガイド孔内周との間の厚みないし幅を言う。ガイド部材の上端面の肉厚が、3.0mmを越えると、セラミック基板−ガイド部材間の熱伝達の量が大きくなり、セラミック基板の厚みが小さいと、ウエハ上で、基板の貫通孔に対応する部位の温度が他の部位よりも低くなる惧れがある。肉厚を0.1mmより小さくすると、ガイド部材の上端面が加熱処理時に熱変形する惧れがあり、十分な強度を得ることができない。
【0031】
ガイド部材上端面の環状の肉厚は、0.1〜0.5mmであるのがいっそう好ましい。このような肉厚のガイド部材は、均熱板のガイド部材の直上部位からガイド部材に移動する熱量が軽減され、これにより、均熱板の接触面周辺部温度の低下が抑制され、ウェハ表面のクールスポットの発生を防止することができる。
【0032】
このようなガイド部材の形状は、好ましくは、直状の管ないし筒が利用される。この形状は、好ましくは、上記ガイド部材の上端面が均熱板の下部主面とは間隙を設けて離間的に配置する実施形態に採用できる。この場合は、ガイド部材は、均熱板の荷重を支持しないので、特に、太くする必要がない。
【0033】
他方で、ガイド部材は、下部側を太くした大径部を設けるのが、底部への定置固定が容易となり、好ましい。また、ガイド部材は、ガイド部材の上端面が均熱板の下部主面と接触する実施形態では、大径部を設けるのが荷重を支持するので好ましい。
【0034】
しかしながら、ガイド部材に大径部を設けた形態は、大径の部分が均熱板から支持台の底部側への熱伝導を高め、さらに、均熱板の下面から大径部の側面に受ける放射熱量を高める。特に、ガイド部材の上部の側面部は、ガイド部材の上端面ほどではないが、均熱板の輻射熱を受けるので、均熱板からガイド部材に熱移動が起こり、均熱板の温度が部分的に下がる。
そこで、ガイド部材の上部を下部より小径にして先細段部を形成するのが好ましく、ガイド部材の上部の側面積を減少させて、熱移動を抑制することができる。先細段部は、断面円形又は矩形の筒状で、断面直径又は四辺は、2.1〜20mmの範囲とすることができ、この場合は、下部の大径部の直径ない四辺10〜40mmの範囲とすることができる。
【0035】
ガイド部材の上部は、輻射熱の吸収が顕著で、この先細段部は、ガイド部材の全長(即ち、高さ)の1/3以上の長さ範囲で形成するのが好ましく、熱移動が効果的に抑制することができる。先細段部の形成範囲がガイド部材の1/3以下であると、小径部による輻射熱の熱移動を抑制する効果は低い。
【0036】
ガイド部材上部は、先細段部に代えて、先細テーパー部とすることもできる。先細テーパー部は、先細段部と同様に、熱輻射による均熱板からガイド部材への熱移動を抑制することができる。先細テーパー部は、ガイド部材の上端から高さの2/3以上の長さとするのが、熱の移動が抑制されるので好ましい。先細テーパー部の長さが高さの2/3より小さいと、先細テーパー部による輻射熱の熱移動を抑制する効果は低くなる。ガイド部材の高さにわたって先細テーパー部として、ガイド部材を錐体、例えば、裁頭円錐体とすることできる。
【0037】
ガイド部材の上端面および先細段部の面積をさらに減らすのに、ガイド部材の上端面に面取りを施すこともできる。ガイド部材の上端面は、均熱板からガイド部材への輻射熱による熱移動に最も影響が大きいので、面取り部によって上端面の面積が減少して熱移動が抑制できる。また、面取り部によって減少する上端部の角の面の面積が、面取り部の面積より大きいので、熱移動を抑制する効果がある。面取りを施すと熱移動が抑制されるけれども、面取り部は強度も減少するので、ガイド部材が均熱材と離間している形態に用いることができる。ガイド部材が均熱材と接触もしくは接続する場合にはガイド部材先端の強度に考慮して面取りを施すとよい。
【0038】
ガイド部材は、耐食性材料から形成される。このような材料には、ステンレス鋼やアルミニウム等の耐食性金属が利用できる。また、Ni系合金やアルミニウム等の耐食性金属でメッキされた金属が利用てき、耐食性のセラミックスを含む。高温時であっても腐食されにくく、またウェハに害を与える有毒なガスを発生しないので好ましい。
【0039】
ガイド部材は、特に、その熱伝導率が低いことが好ましい。ガイド部材の材質は、セラミック基板の熱伝導率より小さい熱伝導率を有するように選択され、セラミック基板の熱伝導率の80%以下であると好ましく、さらに50%以下であるとより好ましい。
【0040】
セラミック基板は、その熱伝導率を、通常、60W/(m・K)以上にされるが、これに対応して、ガイド部材は、その熱伝導率がセラミック基板の熱伝導率の50%以下とするのが好ましい。このような低熱伝導のガイド部材には、金属から熱伝導率のより小さい合金から選ぶことができ、鋼からCr系の合金鋼、特に、ステンレス鋼(特に、オーステナイト系、)、銅合金から、商用合金では、青銅、コンスタンタン、ニッケル合金から、ニクロム、モネルメタルが利用できる。
また、ガイド部材は、酸化物、窒化物や炭化物を主成分とするセラミクスから作るともできる。
【0041】
特に、ガイド部材の上端を均熱板に接触させる形態では、ガイド部材の熱伝導率が高いと、温度を上げた際に均熱板からガイド部材に熱が移動して、均熱板上部主面のウェハ載置面では貫通孔周辺部の温度が下がり、戴置されたウェハの表面にクールスポットを発生する恐れがある。
【0042】
ガイド部材を均熱板に直接的に接触させるときは、特に、ガイド部材は、セラミック基板より小さい熱伝導率とするのが好ましく、熱伝導を減らして、基板上の良好な均熱性を確保できる。
【0043】
実施の形態1.
この形態は、ガイド部材を均熱板に直接的に接触させるもので、ガイド部材がウェハリフトピンのガイド機能に加えて、均熱板の保持機能も有することができる。
【0044】
図1に示す装置には、リフトピン25が、支持台の底部21からガイド部材12と、均熱板4を挿通して均熱板の載置面に先端が突出し、均熱板4のほぼ中央部に三角形を成すように配置されて、ウエハの載せ替えに供されている。リフトピンは、この例では、直径2〜8mmのステンレス鋼線が使用されている。
【0045】
ガイド部材12は、下面が支持台19の底部21に固定され、上面がセラミック基板の下側主面7に接触して配置されている。ガイド部材12は、下部が太く、上部が先細段部を成して、上部が細く小径にされている。
【0046】
先細段部の上端面は、肉厚0.1〜3.0mmの範囲にあり、直径が2.2〜14mmとして、先細段部のセラミック基板からの熱伝導を少なくして、セラミック基板の載置面上で温度分布に不均一な部位が生じるのを防止している。
他方、ガイド部材12の下部は、直径3.3〜30mmの大径部として、上端面がセラミック基板との接触による均熱板の荷重の保持と、支持台19の底部21への固定の際の取り付け容易を図っている。
【0047】
支持台19は、金属製(例えば、ステンレス鋼SUS304)で、底部21と円筒側面22とからなり、円筒容器状にされている。支持台は、底部21の上面からセラミック基板2の下部主面7までの距離を10〜50mmとし、支持台内部に空所を形成している。この距離は、均熱板と支持台内面との相互の輻射熱によりウェハ載置面の均熱化を容易にし、外部との断熱効果があるので、載置面が均熱されるまでの時間が短くなるので好ましい。
【0048】
支持台19の底部21には、リフトピン用の貫通孔10を設けて、ガイド部材12の下面がネジ止め固定されて、ガイド孔14がこの貫通孔10に連通している。
支持台19は、また、この例では、底部21には、ガス噴射口24とガス排出口23とを配設して、内部空所に冷却ガス(通常は、空気)を供給して、熱処理後にセラミック基板を強制冷却することができるようにされている。
底部21には、さらに、導通端子11と熱電対27と電気絶縁的に貫通するようにされている。
【0049】
均熱板は、この支持台19の開口部に、上側からボルト16を貫通させ、断熱部17を介在させ、ナット20を螺着して弾性的に固定されている。
【0050】
図2には、ガイド部材の詳細を示すが、先細段部32の上端面9は、肉厚Eが0.1〜3.0mmの範囲にあり、直径が2.2〜14mmとして、さらに、先細段部の長さTは、ガイド部材の高さLの1/3以上とされて、先細段部32のセラミック基板2からの熱伝導を少なくして、セラミック基板2の載置面上で温度分布に不均一な部位が生じるのを防止している。他方、ガイド部材12の下部は、大径部30として、上端面がセラミック基板との接触による均熱板の荷重の保持と、支持台19の底部21への固定の際の取り付け容易を図っている。大径部30の直径は、荷重の保持と取り付けの点から10〜30mmの範囲が好ましい。
【0051】
図3は、ガイド部材12の上部をテーパ状にした別の形態について、先細テーパ部33の先端の上端面9は、肉厚Eが0.1〜3.0mmの範囲にあり、直径が2.2〜14mmとしている。さらに、テーパ部33の長さTは、ガイド部材の高さLの2/3以上とされて、先細段部32のセラミック基板2からの熱伝導を少なくして、セラミック基板2の載置面上で温度分布に不均一な部位が生じるのを防止している。
【0052】
他方、ガイド部材12の下部は、大径部30として、上述の先細段部の例と同様に、上端面がセラミック基板との接触による均熱板の荷重の保持と、支持台19の底部21への固定の際の取り付け容易を図っている。大径部30の直径もまた、荷重の保持と取り付けの点から10〜30mmの範囲が好ましい。
【0053】
実施の形態2.
この実施形態は、ガイド部材の先端部を均熱板の下面から離間するものであり、空隙を設けて、均熱板からガイド部材への熱の移動を抑えて、ウェハ戴置面の良好な均熱性を確保する。この実施形態は、均熱板の下部主面と対面するガイド部材の上端面の面積を小さくするので、熱輻射による熱移動を減少させることができる。
【0054】
均熱板の下部主面とガイド部材の上端面との離間距離、即ち、間隙は、0.05mm以上とするのが好ましい。離間距離を0.05mm未満にすると、隙間の間の熱伝達量が増加するので好ましくない。また、基板とガイド部材とが、変形や、温度を上昇や降下の際のの熱膨張の差により、ガイド部材とセラミック基板が部分的に接触する惧れがある。
【0055】
他方、離間距離を大きくしすぎると、ガイド部材が、基板の貫通孔に案内する機能を害して、リフトピンが案内できない惧れがある。さらに、ウエハ加熱装置が加熱処理後に均熱板の下部主面側に冷却用の空気を導入してセラミック基板を強制冷却する方式であるときは、離間隙間が大きいと冷却空気がウエハの載置面に多量に漏れ込み、ウエハを局部的に冷却することがあり、さらに、ウエハの処理面を汚染する可能性があり好ましくない。この点から、離間距離は、2.0mm以下とするのが適当である。
【0056】
この実施形態のウエハ加熱装置は、図1に示す装置と同様であるが、ガイド部材12は、その上端面9がセラミック基板2の下部主面7から離間させている。
【0057】
図4は、ガイド部材12を直管で形成した例で、ガイド部材12は、下面が支持台の底部21に固定され、上端面9が、セラミック基板2の下部主面7と隙間Dを設け離間させて、セラミック基板2下面からの熱伝導を防止している。間隙Dは、0.05〜2.0mmの範囲から選ばれている。この例では、ガイド部材12の上端面9を含む断面肉厚が、0.1〜3.0mmの環状とされて、輻射による熱伝達を少なくしている。ガイド部材12の直径は、リフトピンの直径を考慮して、ガイド孔14は直径2〜8mm程度とし、2〜20mmの範囲から選ばれる。
【0058】
図5は、先細段部32を上部に設けたガイド部材12の例で、先細段部32の上端面9は、セラミック基板の下部主面7とは間隙Dを設けて離間して、支持台の底部21に固定されている。図2に示した例と同様に、肉厚Eが0.1〜3.0mmの範囲にあり、直径が2.2〜14mmとして、さらに、先細段部の長さTは、ガイド部材の高さLの1/3以上とされている。
この例のガイド部材は、先細段部32のセラミック基板2から離間しているので熱伝導を少なくして、セラミック基板2の載置面上で温度分布に不均一な部位が生じるのを防止している。他方、ガイド部材12の下部は、大径部30として、支持台19の底部21への固定の際の取り付け容易を図っている。大径部30の直径は、専ら取り付けの容易の点から10〜30mmの範囲から選ばれる。
【0059】
図6には、先細段部32を上部に設けたガイド部材12の変形例で、同様に、先細段部32の上端面9は、セラミック基板の下部主面7とは間隙Dを設けて離間させるが、先細段部32の上端面9には、面取りされて面取り部35が形成されて、先細段部32の上端部の表面積をさらに小さくして、セラミック基板からのガイド部材への熱伝達をいっそ少なくしている。この例では、上端面の肉厚は、肉厚Eが0.5〜2.0mmの狭幅にされている。
【0060】
実施形態3.
この実施形態は、ガイド部材の上端とセラミック基板の下側主面の貫通孔との間を環状の軟質弾性の接続部材より接続させることを含む。軟質弾性の接続部材は、耐熱性があり弾力性に富んだポリマーを用いることができる。弾性部材は、10GPa以下のヤング率を有するポリマーから選ぶことができる。このような材料には、たとえば、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂が挙げられる。接続部材が、弾力性が高いとき、温度上昇時にガイド部材や均熱板が熱膨張しても、ガイド部材上端面と均熱板下部主面との間に間隙を発生することがない。
【0061】
ウエハ加熱装置が均熱板の下部主面側に冷却用の空気を導入する方式であるときは、接続部材の利用は、熱処理後のウェハを強制冷却によって均熱板下部主面側に冷却空気を導入した際に冷却空気がウエハの載置面に流れ込むという惧れを少なくして、ウエハ処理部の汚染を防止できるので好ましい。
【0062】
図7は、この実施形態のウエハ加熱装置のガイド部材を示すが、下部の大径部30に対して上部に先細段部32を備え、この先細段部32の先端に弾性的な接続部材36を設けたガイド部材12の例で、先細段部32の上端面9には、中空部を備えた筒状の接続部材36が取着されて、接続部材36がセラミック基板の下部主面7と接続ないし接着されている。この例は、接続部材にゴムないしはエラストマーが利用されている。筒状の接続部材36は、ガイド部材のガイド孔と連通してリフトピン25が挿通できる中空部を備え、その肉厚は、先細段部の肉厚Eと同様に、0.1〜3.0mmの範囲にあり、直径が2.2〜14mmとしている。さらに、先細段部32の長さTは、ガイド部材の高さLの1/3以上とされている。下部の大径部30が、支持台の底部21に固定されている。
【0063】
この例のガイド部材は、先細段部32が、接続部材36を介してセラミック基板2と接続しており、先細段部32を小径として、セラミック基板2からの熱伝導を少なくして、セラミック基板2の載置面上で温度分布に不均一な部位が生じるのを防止している。さらに、接続部材36がセラミック基板2の貫通孔26をシールするので、支持台19の内部空所に冷却ガスを供給したときの貫通孔26からの漏れを防止することができる。
他方、ガイド部材12の下部は、大径部30として、支持台19の底部21への固定の際の取り付け容易を図っている。大径部30の直径は、専ら取り付けの容易の点から10〜30mmの範囲から選ばれる。
【0064】
【実施例】
以下の試験においては、均熱板には、窒化アルミニウムの焼結体から成形した板厚3mm、外径330mmの円盤状にしたセラミック基板を使用して、中心から60mmの同心円上の3箇所に、内径4mmのリフトピン用の貫通孔を形成した。
セラミック基板には、抵抗材料として金とパラジウムの混合粉末を含むペーストから、抵抗体ストリップに印刷焼付けられた。抵抗発熱体のパターンは、多数に分割して配置され、均熱板4を同心円で半径方向に4分割し、中心の分割領域に1つ、その外側の分割領域に2つ、さらに外側の分割領域に4つ、最も外側の分割領域に8つ、と配列した。セラミック基板の下側主面には、抵抗発熱体5に給電部6を導電性接着剤にて固着させた。他方の戴置面3には、載置面上に載置面と離間してウェハを定置するウェハ支持ピン8を複数個設けられている。
【0065】
支持台19はアルミニウムの容器形状で、外径330mmで、深さ20mmを有し、開口部に上記の均熱板が固定されている。底部21の厚みを2.0mmとして、底部に試験用のガイド部材を固定し、3本のウエハリフトピン25が底部貫通孔とガイド部材12およびセラミック基板2を挿通して配置されている。
【0066】
試験に供したガイド部材は、直管と先細段部との二種類とし、ガイド部材の材質に、ステンレス鋼(SUS403鋼と304鋼)、アルミニウム、銅合金としてCu−Ti合金、および窒化アルミニウムAlNとを用いて、特に、熱伝導率の効果を調べた。ガイド部材の形状は、上端面での肉厚と、先細段部のタイプは高さに対する先細段部の長さ比を変更して、試験した。離間距離も0mmないし0.5mmの範囲で変更し、面取りを施した先細段部のタイプも試験した。
【0067】
試験は、測温抵抗体が29箇所に埋設された測温用の厚み0.8mm、直径300mmのシリコンウェハを用いて行った。まず、貫通孔26直上を避けて測温ウェハを載置し、全体の温度ばらつきが0.3℃以下になるようにウェハ加熱装置を調整した。次に測温ウェハを回転させて、貫通孔26の直上で測温を行い、周囲との温度差を計測し温度バラツキとした。測定結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
試験No.1のガイド部材12は、その熱伝導率Aがセラミック基板2の熱伝導率Bの42%と小さく、かつガイド部材12の上端部9の肉厚が3mmであるので、ウェハ表面の温度ばらつきが0.4℃と小さくできる。No.1に記載の条件で形成したウェハ支持部材を用いると、温度の均一性のよいウェハ熱処理装置が得られることが判明した。
【0070】
試験No.2〜10は、図2に示すように、ガイド部材の上部に先細段部32を設けている。下部30の直径25mmに対して先細段部32の直径4.1〜12mmとして、先細段部32の長さTがガイド部材の高さLの1/3とした。ガイド部材12は、熱伝導率の異なる複数種類の材質で形成し、またガイド部材12の上端部9の肉厚を変えて形成した。
【0071】
試験No.2〜3は、ガイド部材12の熱伝導率Aとセラミック基板2の熱伝導率Bとの関係を示すA/Bの値が100%より大きいので、ウェハ表面の温度バラツキが1.1℃と0.5℃と大きくなる。A/Bの値が100%より小さいNo.6〜10では、ウェハ温度の温度バラツキが0.4℃以下と優れた特性を示した。
【0072】
また、No.4は、ガイド部材12の上端面9の肉厚が4mmと大きいことから、ウェハ表面の温度バラツキが0.5℃と大きくなる。また、No.5は、ガイド部材の上端面9の肉厚が0.05mmと小さいことから、ガイド部材が変形しウェハリフトピンと接触しパーティクルが発生する。No.6、〜10はガイド部材の上端面9の肉厚が0.1mm〜3mmで温度バラツキが0.4℃以下と優れた特性を示した。
【0073】
これらの結果から、ガイド部材12の熱伝導率がセラミック基板2の熱伝導率以下、またガイド部材12の上端面9の肉厚が0.1mm〜3.0mm、という条件で形成したガイド部材を用いると、温度の均一性のよいウェハ熱処理装置が得られることが分かる。
【0074】
試験No.11〜15は熱伝導率が180W/(m・K)のセラミック基板2からなる均熱板4と、熱伝導率が16W/(m・K)のSUS403からなるガイド部材12とを用いた。ガイド部材12は、図2に図示したように、下部30の直径20mmに対して先細段部32の直径4.6mmとして、先細段部32の長さTの異なる複数のガイド部材を用いた。先細段部32の長さTは、ガイド部材12の高さLに対する割合で記載した。
【0075】
ガイド部材が、先細段部32の長さがガイド部材12の高さの1/5である試験No.11では、ウェハ表面温度のバラツキが0.4℃と良好である。先細段部32の長さがガイド部材12の高さの1/3以上のガイド部材12を用いたNo.12〜15ではウェハ表面の温度バラツキが0.2〜0.3℃とさらに改善されている。
【0076】
先細段部32を備え、その長さがガイド部材の高さの1/3以上であるガイド部材12を用いたウェハ支持部材では、さらに温度の均一性のよいウェハ熱処理装置が得られることが判明した。
【0077】
試験No.16〜23は、ステンレス鋼SUS403からなるガイド部材12を用い、均熱板4の下部主面7とガイド部材の上端面9とを離間してウェハ支持部材を形成した。先細段部32を有し、先細段部32の長さTの異なる複数のガイド部材を用いた。また、図6のように先細段部32に面取り35を施したガイド部材も用いた。
測定結果を表1のNo.16〜23に示す。面取りの数値は、面取りによって減少した上端面9の肉厚である。
【0078】
均熱板4の下部主面7とガイド部材12の上端面9とを離間したNo.22、23ではウェハ表面の温度ばらつきが0.1℃で、離間しなかったNo.14、15よりも良好な結果となる。
【0079】
先細段部32の長さがガイド部材12の高さの1/5および1/4であるガイド部材を用いたNo.16、17では、ウェハ表面温度のバラツキが0.4℃と良好であるが、先細段部32の長さがガイド部材12の高さの1/3以上のガイド部材12を用いたNo.18〜23では、ウェハ表面の温度バラツキが0.1〜0.3℃とさらに改善される。
【0080】
面取りのないガイド部材12を用いたNo.18に対して、面取り35を施したガイド部材を用いたNo.19、20、21では、ウェハ表面の温度分布の不均一がより改善され、かつ面取りで除去される上端面9が多くなるほど改善の度合いが大きい。
【0081】
均熱板4の下部主面7とガイド部材の上端面9との離間により均熱板4とガイド部材12とが空気層で断熱され、均熱板4からガイド部材12への不要な熱移動が抑制されることが判る。また、先細段部32に面取り35を施したガイド部材では、さらに、冷却が抑制されるので、温度分布の良好なウェハ加熱装置に適している。
【0082】
また、ガイド部材12をステンレス鋼で作ることにより、更に250℃まで昇温を行った後も、腐食等の変化や劣化は認められず良好な状態を保っていた。
【0083】
【発明の効果】
本発明のウェハ加熱装置は、セラミック基板の上部主面をウェハの戴置面としてセラミック基板の内部もしくは下部主面に発熱体を設けてなる均熱板と、均熱板に設けたウェハリフトピンを挿通する貫通孔と、前記ウェハリフトピンを挿通してガイドするガイド孔を備えたガイド部材と、を含み、貫通孔とガイド孔とを連通するようにガイド部材の上端面と均熱板の下部主面とを接触して成り、ガイド部材の熱伝導率がセラミック基板の熱伝導率より小さくなっているので、均熱板からガイド部材への熱の逃げが抑えられ、従来のウェハ支持部材を用いたウェハ加熱処理に比べて、ウェハ表面温度を均一にすることができる。
【0084】
ガイド部材の熱伝導率をセラミック基板の熱伝導率の50%以下にすることにより、熱処理時のウェハ表面温度をより均一にすることができる。
【0085】
均熱板と接触するガイド部材の上端面の形状を肉厚0.1〜3.0mmの環状にすることで、均熱板からガイド部材への熱の逃げを抑制でき、ウェハ表面温度をより均一にすることができる。
【0086】
また、ガイド部材の上端部に、ガイド部材の下端面より細い先細段部を備えており、先細段部の長さがガイド部材の高さの1/3以上にするか、もしくはガイド部材の上端部に、ガイド部材の下端面より細い先細テーパー部を備えており、先細テーパー部の長さがガイド部材の高さの2/3以上にすれば、熱輻射による均熱板からガイド部材への熱の逃げが抑制されて、ウェハ表面温度をさらに均一にすることができる。
【0087】
本発明のウェハ加熱装置は、セラミック基板の上部主面をウェハの戴置面とし、セラミック基板の内部もしくは下部主面に発熱体を設けてなる均熱板と、均熱板に設けたウェハリフトピンを挿通する貫通孔と、前記ウェハリフトピンを挿通してガイドするガイド孔を備えたガイド部材と、を含み、貫通孔とガイド孔とが同軸となるようにガイド部材の上端面と均熱板の下部主面とを離間して対向させて成り、ガイド部材の上端面の形状が肉厚0.1〜3.0mmの環状であるので、接触面を介して伝導する均熱板からガイド部材への熱が防止され、さらに熱輻射による均熱板からガイド部材上端部への熱の移動が抑制されて、ウェハ表面温度を均一にすることができる。
【0088】
さらに、ガイド部材の上端面と均熱板の下部主面との離間距離が0.05〜2mmにすれば、熱処理時にガイド部材が熱膨張してもガイド部材上端面と均熱板下部主面とが接触しない。
【0089】
また、ガイド部材の上端面が面取りされていれば、熱輻射による均熱板からガイド部材上端部への熱の移動が抑制されて、ウェハ表面温度をより均一にすることができる。
【0090】
ガイド部材が高Cr合金鋼、Cu合金等の耐食性金属、メッキ処理などの耐食処理を行った金属、もしくはセラミッククスのいずれかからなることにより、高温時であっても腐食されにくく、またウェハに害を与える有毒なガスを発生しない。
【0091】
さらに、本発明は、上記のウェハ支持部材と、底部にウェハリフトピンを挿通する貫通孔を有し上部が開口している有底筒状体と、ウェハリフトピンと、を備えており、有底筒状体の開口を塞ぐように均熱材で封止して成り、有底筒状体の底部上面と均熱材の下部主面とが10〜50mm離れているウェハ熱処理装置であると、均熱板と有底筒状体との相互の輻射熱によりウェハ載置面の均熱化が容易にできると同時に、外部との断熱効果があるので、載置面が均熱となるまでの時間が短くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のウェハ加熱装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例にウェハ加熱装置の係るガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例に係るウェハ加熱装置のガイド部材の周辺を示す断面図である。
【図8】本発明のウェハ加熱装置の別の実施形態を示す断面図である。
【図9】従来のウェハ加熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
2:セラミック基板
3:ウェハ載置面
4:均熱板
5:抵抗発熱体
9:ガイド部材の上端面
12:ガイド部材
14:ガイド孔
19:支持台
25:ウェハリフトピン
26:貫通孔
W:半導体ウェハ
Claims (7)
- 上部主面をウェハの戴置面とするセラミック基板と該セラミック基板の内部もしくは下部主面に配置した発熱体とから成る均熱板と、均熱板を貫通する貫通孔を挿通してウェハを昇降させるリフトピンと、前記ウェハリフトピンを挿通して案内するガイド孔を備えたガイド部材と、を含むウェハ加熱装置であって、
ガイド部材は、貫通孔とガイド孔とが同軸であって、ガイド部材の上端面と均熱板の下部主面とが0.05〜2mmの範囲で離間するように配置され、
ガイド部材の上端部が肉厚0.1〜3.0mmの環状で且つ面取りされているウェハ加熱装置。 - 上記のガイド部材が、セラミック基板の熱伝導率より小さな熱伝導率を有する請求項1に記載のウェハ加熱装置。
- ガイド部材の熱伝導率がセラミック基板の熱伝導率の50%以下である請求項2に記載のウェハ加熱装置。
- ガイド部材は、その上端部に、ガイド部材の下端面より細い先細段部を備え、該先細段部の長さがガイド部材の全長の1/3以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のウェハ加熱装置。
- ガイド部材は、その上端部に、ガイド部材の下端面より細い先細テーパー部を備え、該先細テーパー部の長さがガイド部材の全長の2/3以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のウェハ加熱装置。
- ガイド部材が、ステンレス鋼から成る請求項1乃至5のいずれかに記載のウェハ加熱装置。
- 上記のウェハ加熱装置が、さらに、ウェハリフトピンを挿通する底部貫通孔を有して上記のガイド部材の下端側を定置する底部と、上部が開口して周縁部に上記の均熱板の周縁部を固定する円筒側面と、を有する筒状の支持台を含む請求項1乃至6のいずれかに記載のウェハ加熱装置。
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