JP3587896B2 - 折畳み式組矢板、腹起こし材及び組矢板の据付方法 - Google Patents
折畳み式組矢板、腹起こし材及び組矢板の据付方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯が容易で、開削管埋設工事等での組付けも簡単な折畳み式の組矢板及び組矢板の据付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
開削管埋設工事等で掘削穴の内壁を補強したり、護岸工事等で防波壁として使用される矢板としては、木製,鋼製等の材質が従来から使用されている。このときの施工方法は、掘削穴に作業者が入ることを前提にしている。すなわち、先ず掘削穴の壁面に矢板単板を組み込み、次いで腹起こし材をチェーンにかけて掘削穴の中に宙吊りにし、この状態で作業者が掘削穴の中に入って矢板をセットしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
矢板をセットするために掘削穴に作業者が入る施工方法では、作業性が非常に悪く、また作業自体も時間を要していた。しかも、矢板としては、広い面積をもつものや重量のあるものが多く、このような矢板を狭隘な掘削穴の内部で取り扱うことは、作業者に嫌われる原因でもある。
運搬や取扱いを容易にするために、幅を狭くした矢板も用いられている。しかし、矢板は一枚ごとに腹起こし材が当てがわれて固定されることから、幅狭の矢板では煩雑な固定作業が必要とされる。そのため、却って組付け作業の工数が増える結果となる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、矢板を折畳み式の構造とすることにより運搬を容易とし、且つ地上での腹起こし材の装着によって所定の面積をもつ板状にすることにより、掘削穴の中に入る必要なく現場での組付け作用を容易にした組矢板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の折畳み式組矢板は、その目的を達成するため、垂直方向に長い長方形状をもち、側端面を対向させて配列された2枚の矢板単板と、これら2枚の矢板単板を連結する蝶番と、蝶番が取り付けられた縁部と反対側で各矢板単板の縁部近傍に固着された係止金具とを備え、該係止金具に装着される腹起こし材により開状態が維持される。
係止金具としては、矢板単板の端部近傍に固着した一対のL型舌片を使用することが好ましい。この場合、組矢板の一方の縁部近傍に取り付けられた係止金具のL型舌片の間隔、すなわち装着高さを、他方の縁部近傍に取り付けられた係止金具のL型舌片の間隔より大きくすることが好ましい。これにより、組矢板を折り畳むとき、係止金具の相互干渉がなく、薄く折り畳める。また、装着高さが左右で異なることに対応して、取り付けられる腹起こし材としては、角柱の一端側にスペーサを固着する。角柱の両端近傍にはピン挿通孔が設けられており、L型舌片を介してピン挿通孔に止めピンを差し込むことにより、腹起こし材が組矢板に取り付けられ、組矢板の開状態が維持される。
この組矢板は、矢板単板を開き、矢板単板に固着された係止金具に腹起こし材を装着し、作業者が掘削穴の中に入ることなく開状態の矢板単板を組付け箇所に起立させ、腹起こし材に切梁をあてがって矢板単板を壁面に押し付けることにより、所定箇所に据え付けられる。なお、矢板等の材料としては、従来の鋼材の外に、軽量なアルミニウム材やFRP、或いは木材を使用することもできる。これらの材料は、使用条件に応じて適宜選択される。
【0005】
【実施例】
本実施例の組矢板10は、図1の平面図(a)に示されるように、2枚の矢板単板11,12を蝶番13で折畳み可能に連結している。各矢板単板11,12は、6061−T6 のアルミニウム押出し形材で作られ、剛体強度を上げるように所定のピッチで凹凸を形成している。
矢板単板11,12の側縁部には、腹起こし材20を固定するための係止金具14,15が設けられている。蝶番13及び係止金具14,15は、組矢板10の高さにもよるが、図1では2本の腹起こし材20で組矢板10の開状態が維持されるように、組矢板10の高さ方向に沿って2組の係止金具14,15を設け、組矢板10の上部,中央部及び下部の3か所に蝶番13を取り付けている(背面図e参照)。また、各矢板単板11,12の上部には、運搬,組付け等の際に手掛かりとなる開口部16,17が形成されている。
【0006】
腹起こし材20は、6061−T6 のアルミニウム押出し形材で作られ、図2に示すように矩形断面の角柱21を本体としている。角柱21の両端部側壁には、クサリ22,22を介して止めピン23,23が取り付けられている。また、角柱21の一端側では、スペーサ24,24が角柱21の上面及び下面に溶接等によって固着されており、スペーサ24から角柱21の上面及び下面を経て他方のスペーサ24に至るピン挿通孔25が設けられている。他方の端部では、角柱21の上面から下面に至るピン挿通孔26が設けられている。
止めピン23の頭部27は、ピン本体より大径になっており、装着状態で落下防止作用を呈する。止めピン23をつなぐクサリ22の第1リングを大径とすることによっても、止めピン23の落下が防止される。この場合には、大径の頭部27を備えていないロッド材を止めピン23として使用することもできる。
【0007】
腹起こし材20を係止する係止金具14,15は、図3に示すように一対のL型舌片31,32を矢板単板11,12に溶接等で固着することにより構成している。一方のL型舌片31は、ピン挿通孔33が形成された水平部34を下向きにして矢板単板11,12に固着されている。他方のL型舌片32は、ピン挿通孔35が形成された水平部36を上向きにして矢板単板11,12に固着されている。
係止金具14の水平部34から水平部36までの高さH、すなわち装着高さは、角柱21の高さにスペーサ24,24の厚みを加えた値に等しいか、或いは若干大きく設定している。他方の係止金具15の水平部34から水平部36までの高さHは、角柱21の高さに等しいか、或いは若干大きく設定している。係止金具14と15とで高さHが異なるため、組矢板10を折り畳んだ状態では図4に示すように、一方の係止金具14のL型舌片31,32の水平部34と36との間に他方の係止金具15のL型舌片31,32の水平部34と36が嵌り込む。これによって、折り畳んだ状態では組矢板10の厚みが小さくなり、多数の組矢板10を積み重ねても占有空間を小さくでき、保管や運搬が容易になる。
【0008】
蝶番13を中心として組矢板10を開き、各水平部34,36の間に腹起こし材20の角柱21を嵌め込むと、各矢板単板11,12は面一状になる。そして、上側水平部34のピン挿通孔33から腹起こし材側のピン挿通孔25,26を経て下側水平部36のピン挿通孔35に止めピン23,23を差し込むとき(側面からみた図1d参照)、開状態の組矢板10に対して水平方向に腹起こし材20が固定される。このとき、スペーサ24,24が取り付けられた側の腹起こし材20の端部、及び他方の端部の高さに水平部36から34までの高さHが調整されているので、腹起こし材20の固定状態が安定化される。
腹起こし材20を固定した組矢板10を正面からみると、図1(c)に示されているように従来の単板でできた矢板と同様な表面を呈する。開削管埋設工事等では、この表面を土壁等にあてがって、人力或いは動力で組矢板10を土壌に組み込む。そして、背面から切梁で支持することにより、組み付けられた組矢板10の倒伏を防止する。切梁40としては、たとえば図5に示すように伸縮軸41の両端に支持部42,43を備えたものが使用される。伸縮軸41の中央部には操作部44が設けられており、操作部44を回転することによって伸縮軸41の長さを調整することができる。
【0009】
伸縮軸41の長さを調節する伸縮機構としては、たとえば操作部44の内面に右ネジ及び左ネジを刻設し、それぞれのネジに対応する雄ネジを設けた2本のロッドを伸縮軸41とする方式がある。或いは、操作部44から、反対方向に2本のロッド材を押し出す方式や、水圧,油圧等を用いたジャッキ方式も採用可能である。
次いで、以上に説明した組矢板10を掘削穴に組み付ける作業を説明する。
組矢板10としては、幅25cm及び高さ200cmのAl合金製矢板単板11,12の2枚を蝶番13で連結したものを使用した。この組矢板10は、折り畳んだ状態では幅が25cm,厚みが20cm程度になることから、容易に保管や運搬をすることができた。組矢板10を据え付ける箇所として、地面から深さ200cm及び幅80cmの掘削穴を設けた。
【0010】
組矢板10を開き、係止金具14,15に腹起こし材20を取り付けた。開状態の組矢板10を図6に示すように掘削穴の壁面50にあてがって、上方から人力で矢板単板11,12の下端部を土壌中に組み込んだ。掘削穴の両側内壁に据え付けた組矢板10,10に固定された腹起こし材20,20のほぼ中央部に切梁40の支持部42,43をそれぞれ当てがい、伸縮軸41を伸長させ掘削穴の幅方向に差し渡した。これにより、それぞれの組矢板10は、掘削穴の両側壁面50に押し付けられた。
このようにして組み付けられた組矢板10は、優れた強度を呈し、突然の土砂崩れ等に対しても十分に耐えることができる。また、切梁40を地表からの操作で装着できるため、組付け作業が極めて簡便化された。しかも、取り外す際には、伸縮軸41を縮めて切梁40を取り外した後、個々の組矢板10を簡単に引き抜くことができた。取り外された組矢板10は、図4に示すように折り畳まれた後、運搬・保管され、次の組付けに再使用された。
【0011】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の組矢板は、2枚の矢板単板を折畳可能にしているため、運搬や保管時に取扱いが容易になる。施行現場では矢板単板を開いて腹起こし材を装着することにより、広い面積をもつ矢板として使用される。しかも、腹起こし材がガタツキなく装着されるため、通常の矢板を使用する場合と同様に強固な補強壁が構築される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った組矢板の平面図(a),(b),正面図(c),側面図(d)及び裏面図(e)
【図2】組矢板に装着される腹起こし材
【図3】矢板単板に固着された腹起こし材固定用係止金具
【図4】組矢板を折り畳んで積み重ねた状態
【図5】組み付けられた組矢板を支持する切梁
【図6】組矢板の据付け状態を示す斜視図(a)及び断面図(b)
【符号の説明】
10:組矢板 11,12:矢板単板 13:蝶番 14,15:係止金具 16,17:開口部 20:腹起こし材 21:角柱 22:クサリ 23:止めピン 24:スペーサ 25,26:ピン挿通孔 27:止めピンの頭部 31,32:L型舌片 33:ピン挿通孔 34,36:水平部 33,35:ピン挿通孔 40:切梁 41:伸縮軸 42,43:支持部 44:操作部 50:掘削穴の壁面
H:L型舌片31,32の水平部34,36の間隔(装着高さ)
Claims (3)
- 垂直方向に長い長方形状をもち、側端面を対向させて配列された2枚の矢板単板と、これら2枚の矢板単板を連結する蝶番と、蝶番が取り付けられた縁部と反対側で各矢板単板の縁部近傍に固着された係止金具とを備え、該係止金具で固定される腹起こし材により開状態が維持される折畳み式組矢板。
- 各矢板単板の縁部近傍に固着された係止金具の装着高さが異なる請求項1記載の折畳み式組矢板に装着される腹起こし材であって、角柱と、角柱の一端側に固着されたスペーサと、角柱の両端近傍に設けられたピン挿通孔と、角柱の両端近傍にクサリを介して取り付けられた止めピンとを備えている腹起こし材。
- 請求項1に記載の折畳み式組矢板の矢板単板を開き、矢板単板に固着された係止金具に腹起こし材を装着し、開状態の矢板単板を組付け箇所に起立させ、腹起こし材に切梁をあてがって矢板単板を壁面に押し付けることを特徴とする組矢板の据付け方法。
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JP33203994A JP3587896B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 折畳み式組矢板、腹起こし材及び組矢板の据付方法 |
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