JP3587371B2 - スプレー用冶具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスプレー用冶具に関し、その目的は、楽な姿勢で地面等の目的物にスプレーミストを浴びることなく噴霧でき、さらには、通常バルブ使用時より少ない力でかつ正確に一定幅の噴霧ができ、該幅の変更が容易で、地面以外の高所にも片手で噴霧でき、特定のチルトバルブを使用することにより確実にかつバルブの破損の危険なく噴霧でき、エアゾール缶のホルダー部への収容時に顔等にスプレーを浴びる危険のないスプレー用冶具を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
スプレーを用いて地面等に線を引く場合、しゃがんだ姿勢で噴霧しなければならず、かつ正確な直線を引くにはマスキングなしでは困難であった。さらには、噴霧したスプレーミストを浴びる危険があったり、高所の壁や天井への噴霧は脚立を必要とするなど困難であった。
【0003】
以上の問題に対しては、図6に示し実公平2−13528号公報に開示される線引機の塗布装置が存在する。
該塗布装置は、4輪を備えるベース上に固定されたハンドル(9)の下方にエアゾール缶(2)を下向きに収容したホルダ−部(3)を斜めに配設し、ハンドル(9)に備えられたトリガー(11)を操作することによりエアゾール缶(2)のノズル部分を該ホルダー部(3)に固定されたボタン(22)に押圧して路面等にペイントを噴霧する線引機の塗布装置に関し、該ボタン(22)が一定方向に固定されていることから直線を正確に引くことができるというものである。しかし、該塗布装置は、大きな作動力を要するという問題があった。特にエアゾール缶(2)を遠隔操作する場合、該作動力が大きければ手に負担がかかり、長時間の作業ができないばかりか、正確な直線を噴霧することができなくなってしまう。
また、4輪を備える点及びハンドル(9)が棒型でありかつトリガー(11)が握るタイプであることから、高所への噴霧を片手で行うのは困難であった。
【0004】
図7に示し実公昭60−13846号公報に開示される線引き装置も存在する。
該装置は、舗装した地面あるいは床面にエアゾール缶(2)を用いて線引きを行う線引き装置に関し、作業者は楽な姿勢でハンドル(9)を持って車輪を床面上で転がしてハンドル(9)に備えられたトリガー(11)の操作でノズルを操作して床面上に線引きを行え、車輪の内側に備えられた遮蔽板の間で噴霧することによりその遮蔽板間の幅の直線を容易にかつ正確に引くことができるとするものである。
しかし、該装置も、大きな作動力を要するという問題があった。
また、噴霧された線の幅は車輪間の距離で決定されることから、噴霧幅の変更は容易になし得るものではなかった。
さらに、ハンドル(9)が棒型でありかつトリガー(11)が握るタイプであることから、高所への噴霧を片手で行うのも困難であった。
【0005】
これに対して、図8に示し特許第2530425号公報に開示されるスプレー装置がある。
該スプレー装置は、着脱可能の1輪及びガングリップ型のハンドル(9)を備え、引くタイプのトリガ−(11)によりにより従来型チルトバルブ(13)を横から押して噴霧するものであり、高所への噴霧を片手で行うことができるものであった。
しかし、該装置においては、バルブ(13)を横から押して噴霧するためトリガー(11)を引く力が強すぎれば、バルブを破損してしまう危険があった。
また、エアゾール缶(2)の収容時に噴霧孔を適切な向きに合わせるためには下側から覗き込まなくてはならず、その際顔等にスプレーを浴びる危険があった。従来型チルトバルブはステム孔が開放状態にならず噴霧不良になるという問題もあった。
さらに、車輪が1輪であることから左右にぐらつき線幅にかなりの乱れが生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような事情から、通常バルブ使用時より少ない力でかつ正確に一定幅の噴霧ができ、該幅の変更が容易で、地面以外の高所にも片手で噴霧でき、特定のチルトバルブを使用することにより確実にかつバルブの破損の危険なく噴霧でき、エアゾール缶のホルダーへの収容時に顔等にスプレーを浴びる危険のないスプレー用冶具の創出が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであって、即ち、請求項1に係る発明は、エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、該柄の他端に接続されたハンドルと、一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、該バルブには交換可能なボタンが備えられ、該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、ハンドルはガングリップ型からなり、押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起を有し、該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具に関する。
請求項2に係る発明は、エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、該柄の他端に接続されたハンドルと、一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、該バルブには交換可能なボタンが備えられ、該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、ハンドルはガングリップ型からなり、押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を有し、該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具に関する。
請求項3に係る発明は、エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、該柄の他端に接続されたハンドルと、一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、該バルブには交換可能なボタンが備えられ、該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、ハンドルはガングリップ型からなり、押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、前記ホルダー部の側面にエアゾール缶が回転しないように固定するための固定リングを有し、該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具に関する。
請求項4に係る発明は、前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起を更に有することを特徴とする請求項2又は3記載のスプレー用冶具に関する。
請求項5に係る発明は、前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を更に有することを特徴とする請求項1又は3記載のスプレー用冶具に関する。
請求項6記載の発明は、前記ホルダー部の側面にエアゾール缶が回転しないように固定するための固定リングを更に有することを特徴とする請求項1又は2記載のスプレー用冶具に関する。
請求項7に係る発明は、前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起 を有するとともに、前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を更に有することを特徴とする請求項3記載のスプレー用冶具に関する。
【0008】
請求項8に係る発明は、前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、該ステム筒は下部の一方向にステム孔を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、該ステム孔はステム孔と逆方向からステム本体を押した場合及びステム本体を上から押さえた場合のみにステム孔がハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具に関する。
請求項9に係る発明は、前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、該ステム筒は下部の一方向にステム孔及び該ステム孔の位置するステム筒の外周に溝を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、該ステム孔はステム本体をどの方向から押さえてもハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具に関する。
【0009】
請求項10に係る発明は、前記レバーは該レバーが押さえられたときにエアゾール缶のマウンティングカップにあたる長さを有することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のスプレー用冶具に関する。
請求項11に係る発明は、前記ホルダー部の内側面下方にエアゾール缶の脱落防止用隆起を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のスプレー用冶具に関する。
請求項12に係る発明は、前記ホルダー部の内部に該トリガ−ロッドを下方向へ付勢するバネを有することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載のスプレー用冶具に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るスプレー用冶具を図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るスプレー用冶具の側面図である。
【0011】
本発明の実施形態に係るスプレー用冶具(1)は、エアゾール缶(2)を収容するホルダー部(3)、車輪部(7)、柄(8)、ハンドル(9)、噴霧を操作するためのトリガーロッド(10)からなる。
図2に示されるようなホルダー部(3)は、遠隔操作されるエアゾール缶(2)を収容・保持し、柄(8)及び車輪部(7)を接続するために設けられる。
該ホルダー部(3)は、エアゾール缶(2)を収容・保持する円筒体のホルダー(4)並びに該ホルダー(4)の外側面の上端に上向きに位置する上部接続口(5)及び下端に下向きに位置する下部接続口(6)からなる。
【0012】
該ホルダー(4)の内側面下方にはエアゾール缶(2)を適切な位置に保持しかつ脱落を防止するための脱落防止用隆起(27)が設けられることが好ましい。
該ホルダ−(4)の内側面上部には押圧部(12)により押さえレバーが操作されたときにエアゾール缶(2)にずれが生じないようにずれ防止用ストッパー(28)が設けられることが好ましい。
【0013】
該ホルダー(4)の内側面には、エアゾール缶(2)の収容を容易にしかつエアゾール缶(2)がずれないようにするための1つ以上の収容案内用隆起(29)をもうけることができ、該隆起(29)は、2〜4つが好ましい。
なぜなら、2つ未満であればエアゾール缶にずれが生じやすく正確な一定幅の噴霧が困難となり、逆に5つ以上であればエアゾール缶の収容がスムーズに行かないからである。
【0014】
該ホルダー部(4)の側面には、エアゾール缶(2)が回転しないように固定するための固定リング(30)が設けられることが好ましい。
該リング(30)は、円盤状のゴムからなりその円周上の一部がエアゾール缶(2)を押さえるようにかつ該ホルダー(4)の側面に中心を持ち回転するように配される。
【0015】
図1に示されるようなハンドル(9)は、スプレー用冶具(1)を片手で保持しかつトリガー(11)を操作するために備えられるものである。
該ハンドル(9)の形状は、特に限定されないが、片手でスプレー用冶具(1)を保持しかつトリガー(11)を操作できるようにガングリップ型が好ましい。
該ハンドル(9)には、握り手がずれないように各指ごとの窪みを設けられることがより好ましい。
【0016】
図1に示されるような柄(8)は、ハンドル(9)とホルダー部(3)を一定距離離し、立った姿勢で地面・路面等への噴霧を可能にし、かつ天井等の高所に対しても噴霧するために設けられる。
該柄(8)は中空の構造を有する。中空の柄であるからトリガーロッドを柄に挿通できるのでトリガーの誤操作を可及的的に防止できかつ軽量であるから高所への噴霧がより容易となるからである。
なお、柄の形状は、特に限定されず、丸型でも角型でも良い。
【0017】
図2に示されるようなトリガーロッド(10)は、エアゾール缶(2)からの噴霧を遠隔操作するために設けられる。
該トリガーロッド(10)は、一端にトリガー(11)を他端に押圧部(12)を有してなる。
該トリガーロッド(10)は、図1に示すように、該ホルダー部(3)、該柄(8)及び該ハンドル(9)の内部に挿通されて配される。
【0018】
トリガー(11)は、ハンドル(9)と平行になるように該ハンドル(9)近傍の柄(8)側に内部から突出して配される。
押圧部(12)は、図2の如く、該ホルダー(4)の内側にホルダー部(3)から突出して配される。
該押圧部(12)は、該トリガー(11)がハンドル(9)側に引かれることにより、該トリガー(11)の作動方向と同方向に作動してホルダー(4)に下向きに収容されたエアゾール缶(2)の押さえレバー(24)を上方に押さえてバルブを開放状態にする。
【0019】
該トリガーロッド(10)には、図2に示すように、該ホルダー(4)の内部に備えられかつ該トリガーロッド(10)を車輪部(7)方向に付勢するためのバネ(31)を設けても良い。
このバネ(31)は、トリガー(11)が操作されていないときに、ムダな噴霧がなされるのを防止し、正確な幅の噴霧を乱すのを防止するものである。
【0020】
本発明に用いられるエアゾール缶(2)は、特定のチルトバルブ(13)が備えられたものが用いられる。
この理由は、通常の押すタイプのバルブに比べて本発明に係るチルトバルブを使用する場合は、開放状態にする力が少なくて済み、噴霧が正確にかつ長時間できるからである。
【0021】
本発明に用いられるチルトバルブ(13)は、図4に示されるようにステム本体(14)、ステムラバー(19)、バルブスプリング(20)及びハウジング(21)からなり、該ステム本体(14)はステム筒(15)と円盤状のステム底(16)から構成され、該ステム筒(15)は下部の一方向にステム孔(17)を有しかつステム孔(17)の位置するステム筒(15)の外周がステム筒(15)の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体(14)はステムラバー(19)とハウジング(21)内のバルブスプリング(20)との間でステム底(16)を保持されることによって付勢され、該ステム孔(17)はステム孔(17)と逆方向からステム本体を押した場合及びステム本体(14)を上から押さえた場合のみにステム孔(17)がハウジング(21)内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とするチルトバルブ第1形態と、図5に示すようにステム本体(14)、ステムラバー(19)、バルブスプリング(20)及びハウジング(21)からなり、該ステム本体(14)はステム筒(15)と円盤状のステム底(16)から構成され、該ステム筒(15)は下部の一方向にステム孔(17)及び該ステム孔(17)の位置するステム筒(15)の外周に溝(18)を有しかつステム孔(17)の位置するステム筒(15)の外周がステム筒(15)の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体(14)はステムラバー(19)とハウジング(21)内のバルブスプリング(20)との間でステム底(16)を保持されることによって付勢され、該ステム孔(17)はステムをどの方向から押さえてもハウジング(21)内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とするチルトバルブ第2形態が考えられる。
【0022】
本発明では、上記のチルトバルブ(13)に図2及び図3に示すようなボタン(22)が備えられ、該ボタン(22)には上部に4角形の噴霧孔(23)及び該噴霧孔(23)の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタン(22)の側面に位置する押さえレバー(24)が設けられる。
該レバー(24)は該レバーが押さえられたときにエアゾール缶(2)のマウンティングカップ(25)にあたる長さを有するものであることがのぞましい。噴霧孔が4角形である理由は、噴霧を希望する線の幅が太い場合に正確な幅の線が噴霧できるからである。
これに対して、噴霧を希望する線の幅が細い場合には、噴霧孔(23)は特に4角形に限定されない。
噴霧孔を有するボタンを使用する理由は、希望する幅の噴霧がボタンの交換または異なったボタンが備えられたエアゾール缶の交換により、容易にできるからである。
【0023】
該押さえレバーが設けられたボタンを使用する理由は、レバーを押すことによりてこの原理でより小さい力で噴霧できるという点もあるが、該レバーを一定以上押さえても、図2及び図3に示されるように、該レバーの下に位置するマウンティングカップ(25)にあたりそれ以上押さえられることがなく、チルトバルブの破損の危険を回避できることにある。
この点、チルトバルブ第1形態を用いて該バルブを横からでかつ外部から可視できないステム孔(17)と同方向から押さえた場合、完全な開放状態を得ることができない。
しかし、本発明においては押さえレバー(24)を上方に押さえるため、チルトバルブ(13)は横及び方向(エアゾール缶の底方向)に押さえられるためにチルトバルブ第1形態であっても常に完全な開放状態を得ることができる。
チルトバルブ第2形態を用いて該バルブ(13)を横から押さえた場合は、溝(18)が存在するためステム筒(15)のその部分が特に強度的に弱くなっており、破損の危険が大きい。
しかし、本発明においては、押さえレバー(24)が該レバーの下に位置するマウンティングカップ(25)にあたりそれ以上押さえられることがないことから、バルブ破損の危険は回避されている。
【0024】
該ホルダー部(3)の下部には、エアゾール缶(2)を収容するときに、該レバー(24)が図3に示す如く該押圧部(12)に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓(25)が図1に示すように設けられる。
該窓(25)を設けることにより、位置確認の際に噴霧孔(23)のある下側から覗き込まなくても良く、顔等に誤って噴霧を浴びる危険が回避される。
【0025】
本発明のスプレー用冶具(1)には、取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなる車輪部(7)が下部接続口(6)に備えられる。
片手で高所等への噴霧の際には、より軽くするために取り外すことができる。車輪の数が軸方向に2輪からなることから、ぐらつくことなく正確な幅の噴霧が可能となる。また、3輪や4輪でもよい。
【0026】
次に、本発明に係るスプレー用冶具(1)の使用方法について説明する。
希望する噴霧幅に対応する噴霧孔(23)を有するボタン(22)が備えられたエアゾール缶(2)を位置確認窓(25)から見ながらホルダー(4)に収容する。この場合、噴霧孔(23)の長辺方向または短辺方向に対してレバー(24)は直角に設けられていることから、噴霧孔(23)自体を覗き込むことなしに、該レバー(24)と該レバーに対して直交する押圧部(12)の位置関係だけを確認すれば、噴霧孔(23)の向きが適切にセットされる。
【0027】
その後、噴霧孔(23)を目的物たる地面に向け、トリガー(11)を引きながら前または後ろに移動すれば、希望の幅の線が正確に噴霧できる。
噴霧する際に、あて木等を車輪に沿わせて噴霧すれば、直線に限らず曲線でも目的の線をマスキングせずに正確に引くことができる。
【0028】
壁等の高所への噴霧においても、車輪を転がすことによって地面への噴霧と同様に噴霧できる。
また車輪部(7)をはずすことにより、重量を軽減でき片手での高所への噴霧がより容易にできる。
さらに、塗装に限らず、殺虫剤、防臭剤等の噴霧にも利用できる。
【0029】
以上詳述した如く、請求項1乃至7に係る発明は、常バルブ使用時より少ない力でかつ正確に一定幅の噴霧ができ、該幅の変更が容易で、地面以外の高所にも片手で噴霧でき、特定のチルトバルブを使用することにより確実にかつバルブの破損の危険なく噴霧でき、エアゾール缶のホルダーへの収容時に顔等にスプレーを浴びる危険が回避される。また、楽な姿勢でスプレーミストを浴びる危険なく噴霧できる。
また、正確に一定幅の噴霧ができる。
【0030】
請求項8に係る発明は、前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、該ステム筒は下部の一方向にステム孔を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、該ステム孔はステム孔と逆方向からステムを押した場合及びステム本体を上から押さえた場合のみにステム孔がハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具に関するものであるから、てこの原理で通常バルブ使用時より少ない力で噴霧ができ、かつマウンティングカップにレバーがあたることによりバルブの破損の危険なく噴霧できる。
【0031】
請求項9に係る発明は、前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、該ステム筒は下部の一方向にステム孔及び該ステム孔の位置するステム筒の外周に溝を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、該ステム孔はステム本体をどの方向から押さえてもハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具に関するものであるから、てこの原理で通常バルブ使用時より少ない力で噴霧ができ、かつマウンティングカップにレバーがあたることによりバルブの破損の危険なく噴霧できる。
【0032】
請求項10に係る発明は、前記レバーは該レバーが押さえられたときにエアゾール缶のマウンティングカップにあたる長さを有することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のスプレー用冶具に関するものであるから、通常バルブ使用時より少ない力でかつバルブの破損の危険なく噴霧できる。
【0033】
請求項5に係る発明は、前記ホルダー部の内側面下方にエアゾール缶の脱落防止用隆起を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のスプレー用冶具に関するものであるから、正確に一定幅の噴霧ができる。
【0037】
請求項11に係る発明は、前記ホルダー部の内部に該トリガ−ロッドを下方向へ付勢するバネを有することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のスプレー用冶具に関するものであるから、正確に一定幅の噴霧ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスプレー用冶具の全体側面図である。
【図2】本発明に係るスプレー用冶具のホルダー部の切欠側面図である。
【図3】本発明に係るスプレー用冶具のホルダー部の下面図である。
【図4】本発明に係るスプレー用冶具に用いられるチルトバルブの側面断面図である。
【図5】本発明に係るスプレー用冶具に用いられるチルトバルブの側面断面図である。
【図6】実公平2−13528号公報に開示される線引き機の塗布装置野側面図である。
【図7】実公昭60−13846号公報に開示される線引き装置の側面図である。
【図8】特許第2530425号公報に開示されるスプレー装置の側面図である。
【符号の説明】
1 スプレー用冶具
2 エアゾール缶
3 ホルダー部
4 ホルダー
5 上部接続口
6 下部接続口
7 車輪部
8 柄
9 ハンドル
10 トリガーロッド
11 トリガー
12 押圧部
13 チルトバルブ
14 ステム本体
15 ステム筒
16 ステム底
17 ステム孔
18 溝
19 ステムラバー
20 バルブスプリング
21 ハウジング
22 ボタン
23 噴霧孔
24 押さえレバー
25 位置確認窓
26 マウンティングカップ
27 脱落防止用隆起
28 ずれ防止用ストッパー
29 収容案内用隆起
30 固定リング
31 バネ

Claims (12)

  1. エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、
    該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、
    該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、
    該柄の他端に接続されたハンドルと、
    一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、
    前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、
    該バルブには交換可能なボタンが備えられ、
    該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、
    ハンドルはガングリップ型からなり、
    押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、
    該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、
    前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、
    前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起を有し、
    該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具。
  2. エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、
    該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、
    該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、
    該柄の他端に接続されたハンドルと、
    一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、
    前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、
    該バルブには交換可能なボタンが備えられ、
    該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、
    ハンドルはガングリップ型からなり、
    押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、
    該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、
    前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、
    前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を有し、
    該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具。
  3. エアゾール缶を収容・保持する円筒体のホルダーを有するホルダー部と、
    該ホルダー部の下方に接続される車輪部と、
    該ホルダー部の上方に一端が接続された柄と、
    該柄の他端に接続されたハンドルと、
    一端にトリガーを他端に押圧部を有しかつ該ホルダー部、該柄及び該ハンドル部の内部に挿通されるトリガーロッドとからなるスプレー用冶具であって、
    前記ホルダー部に収容されるエアゾール缶はチルトバルブを備え、
    該バルブには交換可能なボタンが備えられ、
    該ボタンには上部に4角形の噴霧孔及び該噴霧孔の長辺方向または短辺方向に対して直角にかつ該ボタンの側面に位置する押さえレバーが設けられ、
    ハンドルはガングリップ型からなり、
    押圧部は該レバーに対して直交した位置に配され、
    該トリガーをハンドル側に引くことにより該押圧部が該レバーをエアゾール缶の底方向に押さえ該バルブを開放状態にし、
    前記ホルダー部には該レバーが押圧部に対して直交する位置にあるかを確認するための位置確認窓が設けられており、
    前記ホルダー部の側面にエアゾール缶が回転しないように固定するための固定リングを有し、
    該車輪部は取外し可能でありかつ軸方向に2輪からなることを特徴とするスプレー用冶具。
  4. 前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起を更に有することを特徴とする請求項2又は3記載のスプレー用冶具。
  5. 前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を更に有することを特徴とする請求項1又は3記載のスプレー用冶具。
  6. 前記ホルダー部の側面にエアゾール缶が回転しないように固定するための固定リングを更に有することを特徴とする請求項1又は2記載のスプレー用冶具。
  7. 前記ホルダー部の内側面上部にエアゾール缶のずれ防止用隆起を有するとともに、
    前記ホルダー部の内側面に長さ方向にエアゾール缶の収容案内用隆起を更に有することを特徴とする請求項3記載のスプレー用冶具。
  8. 前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、
    該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、
    該ステム筒は下部の一方向にステム孔を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、
    該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、
    該ステム孔はステム孔と逆方向からステム本体を押した場合及びステム本体を上から押さえた場合のみにステム孔がハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具。
  9. 前記チルトバルブはステム本体、ステムラバー、バルブスプリング及びハウジングからなり、
    該ステム本体はステム筒と円盤状のステム底から構成され、
    該ステム筒は下部の一方向にステム孔及び該ステム孔の位置するステム筒の外周に溝を有しかつステム孔の位置するステム筒の外周がステム筒の他の部分の外周より小さいことからなり、
    該ステム本体はステムラバーとハウジング内のバルブスプリングとの間でステム底を保持されることによって付勢され、
    該ステム孔はステム本体をどの方向から押さえてもハウジング内部に対して完全な開放状態を生じることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のスプレー用冶具。
  10. 前記レバーは該レバーが押さえられたときにエアゾール缶のマウンティングカップにあたる長さを有することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のスプレー用冶具。
  11. 前記ホルダー部の内側面下方にエアゾール缶の脱落防止用隆起を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のスプレー用冶具。
  12. 前記ホルダー部の内部に該トリガ−ロッドを下方向へ付勢するバネを有することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載のスプレー用冶具。
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