JP3587127B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電灯を高周波により点灯させる装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
省エネルギーのニーズが高まるなか、照明においては放電灯の高効率点灯のため様々な方式の高周波インバータが用いられるようになってきた。また、放電灯においても高効率でコンパクトな設計のものが登場してきており、その一例としては、JIS C7601によれば、蛍光ランプでは図20に示すようなものがある。これらの放電灯は、いずれも複数の細いガラス管を接合し、それぞれの放電空間を結合し発光管としていることが特徴であり、外形はコンパクトながらもその放電長を長くすることが可能なので、典型的には同等の明るさを持つ一般白熱電球と比べ、約四分の一から五分の一の電力消費で良く、幅広い用途に用いることができる。上記インバータと上記放電灯を組み合わせれば、高効率化あるいは高光束化によりエネルギー消費効率の高い照明の実現が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、放電灯の始動には、定常点灯時のランプ電圧より高い始動電圧を必要とする。上記の組合わせにおいても、発光管は年々コンパクト化しており、その始動電圧は高くなり、さらに図20からも分かるように、その口金内の電極間距離も短くなる傾向にある。
【0004】
図21は、種々のコンパクト蛍光ランプについて、その電極間距離と、始動時に要する高周波のランプ電圧を電極間距離で割った値、即ちランプ始動時の電極間電位傾度との関係を示したものである。図中、A,B,Cは現行では最もコンパクトなH形ランプ(高周波点灯専用6本管形)を示し、D,E,Fは最も電極間距離が長いM形ランプ(4本管形)を示している。この図から分かるように、ランプの電極間の電界強度は発光管のコンパクト化とともに急上昇する傾向にある。
【0005】
これに対し上記のようなコンパクト蛍光ランプの口金には、一般的にPET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等が用いられ、発光管との接着剤には、シリコーン等の有機高分子材料が用いられることが多い。前記インバータとコンパクト蛍光ランプの組み合わせにおいては、その高電圧端子近辺の絶縁材料表面に衝撃性の高電圧が加わるため、アークにさらされる可能性がある。特に前記高分子材料が有機材料の場合、このようなアークにさらされると分解生成物(炭化物等)を生じ、導電性のトラックが電極間に伸び、最終的にそれらを連結するトラッキングの可能性がある。特に、フェニル基を含む有機材料はこのトラッキングの性質が大きい。
【0006】
また、不平等電界下で電極への印加電圧が上昇した場合には、高電界側で局部的に絶縁破壊が起こり放電するという、コロナ放電が発生する可能性も考えねばならない。このコロナ放電は、印加電圧が上昇すると放電部分が低電界部へ伸び全路破壊に至ることもあるし、これにさらされると前記高分子材料のような絶縁材料は炭化、エロージョンやオゾンき裂等の劣化現象を生じる可能性もある。また、空気中で一旦コロナ放電が発生すると化学的に活性なO3 やNO,NO2 等のガスが生成されることが良く知られており、これらは特に有機化合物と反応し酸化物となって絶縁物内部へ浸透していき、やはり導電路を形成する可能性がある。
【0007】
これに加え、上記のようなコンパクト蛍光ランプはその表面温度も高く、上記口金高分子材料も150℃前後で使用されているものもある。多くの高分子は、加熱されると含有水分の蒸発や軟化等の吸熱過程を経て、熱分解、酸化分解、解重合等を起こして、気体(ガス)成分と炭素のような固体残さを含む生成物をつくる可能性がある。
【0008】
更に、放電灯はその高周波点灯の寿命末期において、一時的に電極周囲のガラス管や口金の温度上昇を起こすことが知られている(JIS C7601 解説より)。これは、一般的に寿命末期に電極の電子放出能力が低下すると、放電プラズマ内の電極前面の電圧降下が大きくなり、電極がイオン衝撃を受けるためと考えられる。この温度上昇で、口金の絶縁材料は上記の余分なストレスを受けないようにしなければならない。
【0009】
また、このとき放電電圧も上昇するため、電極間の電界強度が大きくなるという放電灯の性質上避けられない現象があり、その絶縁材料には耐コロナや耐アーク性が必要とされる。例えば上記温度上昇への対策としては、口金内部に温度ヒューズ等の熱素子を装備し、寿命末期時に温度により切断し、ランプと回路を切り離すという手段が考えられる。しかし、これはヒューズのコストが高く、口金を専用設計にしなければならない、また、器具もその動作保証をするために専用設計としなければならないという不都合があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、放電灯とインバータの組合わせにおいて放電灯のコンパクト化による電極間の電気的、あるいは熱的なストレスを考慮して絶縁性能を良好にし、また熱素子のようなコスト高な部品なしに放電灯を使用することのできる放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1は、一対の電極を有する放電灯と、前記放電灯の寿命末期時においてその主放電を停止し、且つ前記一対の電極間の抵抗にて発振を継続(連続および間欠を含む)するインバータとの組み合わせにおいて、前記放電灯寿命末期時のインバータの出力電圧V2は、前記一対の電極間交流破壊電圧Vb(商用周波数)の0.25倍以下とし、前記インバータは、前記放電灯の電極間抵抗により発振停止する手段を有することを特徴とする。
請求項5は、前記V2/Vb≦0.25を達成するため、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の発光管と口金の接着材料を無機質材料で構成したことを特徴とする。
請求項7は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部に電極導入線間を絶縁する壁を設けたことを特徴とする。
請求項8は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金表面に少なくとも1つ以上のガス抜き穴を設けたことを特徴とする。
請求項9は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部の電極導入線を無機質材料で被覆したことを特徴とする。
請求項10は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部の電極導入線間に無機質材料のスぺーサーを設置したことを特徴とする。
請求項11は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金を無機質材料で構成したことを特徴とする。
請求項12は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金と接続されるソケットの、少なくとも口金との接触面もしくは全体が無機質材料で構成されることを特徴とする。
請求項13は、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金を無機充填材を入れた有機高分子か、フェニル基を含まない鎖状高分子で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2は、前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗が400Ω以上、10KΩ以下の範囲であることを検出することを特徴とする。
請求項3は、前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗の時間に対する立ち下がりを検出することを特徴とする。
請求項4は、前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗の時間に対する立ち上がりを検出することを特徴とする。
請求項14は、前記放電灯寿命末期時のインバータの出力電圧V2は、前記一対の電極間交流破壊電圧Vb(商用周波数)の0.1倍以下とすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
従来例でも述べたように、省エネルギーの観点から、照明では放電灯の高効率点灯のため高周波インバータとコンパクト蛍光ランプが組み合わされて用いられるようになってきた。また、このようなコンパクト蛍光ランプは配光制御が容易な上、省スペース、また高光束で消費電力も小さいというように多くのメリットがあり、電球のみならず低ワットの高輝度放電灯の代替としても、非常に幅広い用途で使用されてきている。
【0015】
このため、蛍光灯の更なるコンパクト化や高出力化(高ワット化)が求められており、その設計には課題に述べたように、放電灯の始動電圧の上昇に伴い口金材料や構造においてより高い絶縁性能が要求されるし、表面温度上昇に伴う口金材料の選定も重要である。また、蛍光ランプの寿命末期時には電極のタングステンコイルに塗付された電子放射物質が消耗されてしまい、電子電流が稼げなくなるために陰極降下電圧が上昇し、ランプの放電維持電圧が高くなるため、一般にはランプは不点となる。
【0016】
インバータ点灯の場合は、その出力電圧を容易に大きくすることができるため、始動電圧の高いコンパクトな蛍光ランプでも点灯できるのであるが、逆に上記のような状態のときも点灯させてしまわないために、インバータは数々の寿命末期の検知回路を備えている。ただ放電灯の寿命末期時には、一時的にせよ前記陰極降下電圧の上昇に伴い電極部での電力損失、即ち温度上昇が大きくなることは原理的に避けることができないため、やはり前記口金材料との関係が重要である。
【0017】
本発明の最大のポイントは、放電灯のコンパクト化に伴い必要となる、放電灯寿命末期時のインバータの発振電圧と放電灯の絶縁性能(負荷抵抗)の関係を明らかにしたことである。この関係を把握したことで、放電灯としてコンパクト化に伴う寿命末期時の温度上昇を防止するために温度ヒューズ等のコストの高い部品を自身に組込む必要もなく、構造および材料的に電極間の絶縁破壊強度を上げるだけでよいというメリット、インバータとしては負荷抵抗の検出により確実なランプの寿命末期検出ができるというメリットが生じる。
【0018】
(実施例1)
以下、本発明について図1に示す第1の実施例に基づき説明する。図1はコンパクト形蛍光ランプのH形(6本管形)の口金構造を示したものであり、(a)はその上面図、(b)は(a)をA−A’の位置にて切断したときの断面図を示す。図において、符号1は電極が気密に封止されたガラス管よりなる発光管であり、見やすいように電極を封止してある以外の残り4本のガラス管は図示していない。この発光管の端部は、ケース2に接着剤4で6本のガラス管全てをケース2内周に沿って接着されている。ケース3はケース2を気密に保つよう接着され、ソケットと発光管を接続するためのピン6が埋め込まれている。符号5、5’は発光管内の1対のフィラメント電極に接続される電極の外部導入線であり、それぞれの間にインバータ出力電圧が印加される。これらの導入線はソケット接続ピン6を貫通し、ピン内部で電気的に接続されている。符号7は電極の外部導入線5と5’を絶縁するために設けられた、絶縁壁である。
【0019】
このように構成された蛍光ランプは、長期に点灯するとケース2、3や接着剤4が何らかの有機高分子で構成されていた場合、徐々に熱劣化を起こし熱分解して炭素のような固体残さをつくることがある。
またインバータとの組合わせにおいては、外部導入線5−5’間に絶えず高電圧が印加されているので、仮に発光管1が緩慢なリークなどによりその維持電圧が高くなった場合、そこが絶縁破壊せずに、上記固体残さを起点に口金内でアーク、あるいはコロナ放電が起こる可能性がある。
【0020】
この時の放電は、外部導入線5−5’間の気中放電路に、直列に発光管1のガラスや接着剤4からなる絶縁物即ち誘電体層を介在している複合誘電体の放電であるために、気中の間隙が放電電圧に達して放電が始まっても、すぐ絶縁物上に電荷が蓄積して気中間隙に加わる電圧が0に近づき放電は停止し、印加される高周波電圧の上昇を待って再び放電しその放電エネルギーは、次式のように印加電圧の周波数に比例して大きくなる。
【0021】
W=4×(√2)×fCVi(V−Vi)
ただし、W:放電電力、f:周波数、C:誘電体層の静電容量、Vi:気中間隙の放電維持電圧、V:交流印加電圧(実効値)。
【0022】
しかしながら、上記第1実施例の場合は、導入線5−5’間に絶縁性の壁を設けたから、仮にランプが長期点灯後に上記のような熱劣化に伴う炭化物を生成しても、導入線5−5’間のアークあるいはコロナ放電の発生電圧を上昇させることができる。
【0023】
この結果、ランプ口金内の交流破壊電圧Vbが向上し、この絶縁壁を設けないランプに対し同様の発振電圧V2を有するインバータとの組合わせにおいて、そのV2/Vb比が0.25以下であればアーク、あるいはコロナ放電は非常に起こり難くなること、更には0.1以下にすることができれば、そのような放電現象は全く確認されなくなることを見出した。
【0024】
この状態を図2にて説明する。グラフは横軸に口金内のAC絶縁破壊電圧(60Hz)Vb、縦軸に組み合わされるインバータの発振電圧V2と破壊電圧Vbの比をとって、ランプ毎にそれがどう変化するかを示すものである。なおこの試験をする際には、発光管内の放電空間が絶縁破壊しないように予めガラス管を完全にリークしてある。
【0025】
図中A、B、C、Dは、ぞれぞれコンパクト形蛍光ランプのH形(6本管形)32Wのサンプル毎のプロットであり、Aは対策前の未点灯サンプル、Bは対策前の寿命末期サンプル、Cは対策前の未点灯サンプルにおいて、口金内の電極導入線間距離を故意に1/2にしたサンプル、そしてDは本発明による電極導入線間に絶縁性の壁を設けたサンプルである。
【0026】
この図から分かるように、一つの種類のランプのVbとV2/Vbの関係は一直線上で変化し、口金内の絶縁性能を上げることで、そのV2/Vb比を0.25以下にすることが可能になる。
【0027】
このような絶縁壁は、電極間の破壊距離を実質的に大きくすることが目的であるから、材質は前記高分子材料で構成し、口金ケースと一体成形してもよいし、口金組み立て時に挿入する方法でもよい。また、後から挿入する方法においては、その材質は有機、無機を問わず自由に選択できるから、有機材料のみでなく、耐コロナ性の高い無機材料、例えばマイカやセラミックス等を使用してもよいし、図3のように電極の外部導入線5、5’を包囲するようなスリーブ8にして設置してもよい。
【0028】
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、口金の材質(金属、非金属)や、ピン埋め込み式やEベース、片口金および両口金等、形状を一切問うものではない。
【0029】
(実施例2)
図4は本発明の第2の実施例を示す。この実施例は、電極の外部導入線5と5’の間に絶縁スペーサー9を設けたものである。このスペーサーは、口金組み立て時に後から挿入できるから、材質は有機、無機を問うものではないので、高分子材料やマイカ、ガラス、あるいはセラミックス等でよい。このようにしても、外部導入線5−5’間は空気層とスペーサーで高度に絶縁されるから、仮に口金材料の一部が長期点灯後に上記のような熱劣化に伴う炭化物を生成しても、外部導入線5−5’間のアークあるいはコロナ放電の発生電圧を上昇させることができる。
【0030】
また、セラミックスのような耐熱性の高いものであれば、温度上昇に伴う熱劣化の問題はなくなるため、ランプの寿命末期の口金加熱に対しても二重の効果が期待できる。また、接着剤4を無機質に、例えばセラミックス接着剤にすることで、このようなスペーサーの効果を同時に発揮させることもできる。
【0031】
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、口金の材質(金属、非金属)や、ピン埋め込み式やEベース、片口金および両口金等、形状を一切問うものではない。
【0032】
(実施例3)
図5は本発明の第3の実施例を示す。この実施例は、口金ケース2、3の表面にガス抜き用の貫通穴10を設けたものである。この貫通穴は、コロナ放電が発生するときに発生する化学的に活性なO3 等の生成ガスを口金外部へ放出するためのものである。これにより、ガスによる絶縁物の劣化に伴う外部導入線5−5’間の導通路(トラック)形成や、高分子の加熱分解による生成ガスを原因として起こる破壊現象を抑制することができる。
【0033】
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、口金の材質(金属、非金属)や、ピン埋め込み式やEベース、片口金および両口金等、形状を一切問うものではない。
【0034】
(実施例4)
図6は本発明の第4の実施例を示す。本実施例は、電極の外部導入線5と5’の表面に無機質の被覆11を設けたものである。この被覆は、加熱分解等による炭素やガスの生成を防止し、更に外部導入線5−5’間を絶縁するためのものであるから、溶融したガラスをコーティングしてもよいし、あるいはセラミックスのチューブを口金組み立て時に挿入してもよい。
【0035】
このようにしても、外部導入線5−5’間は空気層と被覆11で高度に絶縁されるから、仮に口金材料の一部が長期点灯後に上記のような熱劣化に伴う炭化物を生成しても、外部導入線5−5’間のアークあるいはコロナ放電の発生電圧を上昇させることができる。
【0036】
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、口金の材質(金属、非金属)や、ピン埋め込み式やEベース、片口金および両口金等、形状を一切問うものではない。
【0037】
(実施例5)
図7は本発明の第5の実施例を示す。この実施例は、口金ケース2、3および接着剤4、絶縁壁7、電極の外部導入線の被覆11、ソケットの材質を全て無機充填材を入れた有機高分子、あるいはフェニル基を含まない鎖状高分子とし、口金ケース2および3にガス抜き用の貫通穴10を設けたものである。耐アーク性は無機充填材を入れる程よく、50%近く入れると急激に上昇する。具体的には、シリカやマイカ、アルミナ等何でもよく、これらは同時に樹脂の補強効果や熱変形温度の向上という役目も果たすことができる。
【0038】
また、フェニル基を含む有機材料は、アークによる分解生成物が材料に結合しやすいため耐アーク性が悪いのに対し、メラニン樹脂や尿素樹脂では、ともに分子中の窒素含有率が高く、アークによる表面の炭化物生成が少なく、しかもアークによってそれは飛散しやすい。さらにこれらは熱硬化性でもあり、放電灯の寿命末期時の口金温度上昇にも有効である。
【0039】
口金構成材料にこのような高分子材料を用いれば、耐アーク性や耐トラッキング性を高めることができる上、構造的にも絶縁壁や導入線被覆で口金内部は絶縁破壊し難くなる。さらに口金内部で生成ガスなどがあっても、貫通穴を通してそれは外部に放出されるので絶縁性能は向上し、アークあるいはコロナ放電の発生電圧を上昇させることができる。
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、片口金、両口金等の形状も一切問うものではない。
【0040】
(実施例6)
図8は本発明の第6の実施例を示す。この実施例は、口金ケース2、3および接着剤4、電極の外部導入線の被覆11、ソケット12の材質を全て無機質としたものである。このことにより、有機高分子材料のような加熱分解等による炭素やガスの生成が完全に防止され、外部導入線5−5’間の絶縁性は非常に高いものとなり、アークあるいはコロナ放電の発生電圧を上昇させることができる。また、この材質がセラミックスのようなものであれば、常時あるいは寿命末期時の口金温度上昇に伴う熱劣化の問題はなくなるため、二重の効果が期待できる。
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、片口金、両口金等の形状も一切問うものではない。
【0041】
(実施例7)
図9はLC共振方式のインバータを模式的に示したものであり、図中V2は高周波の電圧出力、fはその発振周波数、Lはバラストチョーク、Rは放電灯負荷、Iは回路に流れる電流、Cは始動用のコンデンサを表している。本方式においては、放電灯はLC共振を利用してその電流Iを上昇させ、当初R=∞であった放電灯がその電極間の印加電圧で絶縁破壊すると負荷Rが一定値に低下、その結果安定点灯させることができるのである。
【0042】
そのプロセスを、LC共振回路における発振周波数fと電流Iの関係で表せば、およそ図10のように書き表される。図中R=0のラインは、共振回路が形成されないので発振周波数が高いほど、バラストチョークLのインピーダンスが高くなり、電流Iが下がることを示している。一方R≠0であれば、共振回路が形成されるので、Rの大きさによって相似的に共振カーブがR=0のラインに漸近しながら変化し、それぞれの電流Iは共振周波数f0=1/2π×√(LC)でピークとなる。共振周波数f0より高い遅相の場合、インバータは発振周波数fをf1(予熱)→f2(始動)→f3(定常点灯)と負荷Rに伴いスイープさせることにより、放電灯は点灯するのである。つまり、放電灯の負荷Rの変化によってインバータの動作は支配されるといえる。
【0043】
この観点から、以下、本発明の第7の実施例である放電灯点灯装置の動作原理を、コンパクト形蛍光ランプのH形(6本管形)32Wの例に基づき説明する。図11は蛍光灯の寿命末期における、放電灯の負荷抵抗Rと点灯時間との関係を示す。図中、▲1▼の区間は始動時、▲2▼は安定点灯時、▲3▼は寿命末期の放電維持電圧上昇時、そして▲4▼はコロナ又はアークが電極導入線間で発生した時を示す。放電灯の正常点灯時の負荷抵抗Rは、定格のランプ電圧とランプ電流より求められ、その範囲はほぼ200〜300Ωの範囲である。
【0044】
▲1▼の始動時においては一旦R=∞から数10Ωまで低下するが、即座にバラストチョークによって限流され一定値に安定する(▲2▼)。放電灯の正常時には、この始動のプロセスが繰り返されるのみで負荷抵抗Rは殆ど一定である。しかし、放電灯が寿命末期に近づくと、電極に塗付された電子放射性物質が消耗してしまい、電子の放出能力が著しく低下して、それを補うため陰極降下電圧が上昇してランプ電圧が高くなる(▲3▼)。
【0045】
インバータの場合、先に述べたような性質から、一定の発振周波数において定電流性を持っているため、放電灯への入力が大きくなり、管端部のガラスや口金の温度上昇が起こる。このとき、放電灯はランプ電圧がインバータの発振電圧より高くなれば立ち消えするし、熱のためにガラス管にクラック等が入りリークしても、やはりランプ電圧が高くなるため立ち消えしてしまう。しかし、インバータの発振電圧は設計によって異なるため、自然に放電灯が立ち消えするとは限らないし、寿命末期のランプ電圧は非定常で不安定且つ放電灯の種類により全く異なるため、そのしきい値を定量化することは容易ではない。さらに▲3▼の状態で長い間放置されると、電極間に高電界が印加され続けるため先の加熱により生じた電極の外部導入線間の炭化物などを起点にアークやコロナ放電が起こり、電極間の抵抗は再度低下し、安定点灯時▲2▼より高い値で推移するようになる(▲4▼)。
【0046】
本発明による放電灯点灯装置では、放電灯の寿命末期をこの負荷抵抗Rで判定し、発振を停止する機能を備えたので、放電灯の種類によらない安定した動作が可能である。実験によれば、その動作範囲は400Ω以上、10KΩ以下であれば良いことが分かった。本装置によれば、いかなる構造の放電灯であっても、その寿命末期にインバータは発振停止することができるので、インバータの発振電圧V2と電極間の絶縁破壊電圧Vbとの比V2/Vbはアークやコロナ放電の起こらない0.1以下にすることができる。
【0047】
更に、望ましくはインバータを完全に発振停止せず、出力抑制することでV2/Vbを0.05以下にする手段を用いれば多様な用途に対応可能である。即ち、インバータはチョッパーやスイッチング用の制御ブロックを持っており、その制御用電源は常に確保しておかねばならない。特に一般家庭用の多灯用並列インバータ等においては、放電灯負荷が並列に存在する上に、その制御は1個所で行うため、1灯が不点となったときも他のランプは点灯させ続けなければならない場合がある。しかし、本例によればあらゆる状況において制御電源を確保しつつ、寿命末期となった放電灯だけをその電極間の絶縁破壊を起こさないレベルで通電しておくことができるので、非常に動作の安定した良質の放電灯点灯装置を得ることができるのである。
【0048】
本実施例の対象範囲は、インバータで放電灯を点灯させるものであればどんな組合わせでもよいため、放電灯は蛍光ランプや高輝度放電灯でも良く、インバータの回路方式も一石式や一石兼用方式、Push−Pull方式、高周波充電方式、高周波重畳方式、フルブリッジ方式など特に限定するものではない。
【0049】
(実施例8)
次に、本発明の第8の実施例を図12により説明する。本実施例は、図11で示した点灯時間に伴う放電灯の負荷抵抗の変化ΔR/Δtから、その立ち下がりを検出してインバータを発振停止させるものである。放電灯の負荷抵抗Rは、始動時以外でそれが立ち下がることは電極間に何らかの異常な放電、即ちアークやコロナ放電の発生のような現象がなければ起こり得ない。従ってこのような現象が仮に起こっても、本実施例の方式であればそれを検知することで直ちにインバータを発振停止することが可能となる。
【0050】
更にこの検知は、負荷抵抗の立ち下がりだけでなく、立ち上がりについても同様に用いることができる。前者がコロナやアーク放電のような異常を検知するのに対し、後者は寿命末期のランプ電圧上昇や、ガラス管のリーク等の異常を検知できるからである。これらを併用して放電灯の寿命末期を検知すれば、更に有効であることは言うまでもない。また、この方法であれば負荷抵抗の変化率を検知するのであるから、全光時だけでなく調光時のように負荷抵抗Rが高いときであっても、放電灯の寿命末期の検出が可能である。
【0051】
なお、検出値を放電灯始動時の負荷抵抗の変化と区別させるためには、起動初期の周波数スイープ時は、定常点灯の動作周波数になるまで負荷抵抗の検出値を無視するようにすればよい。
【0052】
本実施例の対象範囲は、インバータで放電灯を点灯させるものであればどんな組合わせでもよいため、放電灯は蛍光ランプや高輝度放電灯でも良く、インバータの回路方式も一石式や一石兼用方式、Push−Pull方式、高周波充電方式、高周波重畳方式、フルブリッジ方式など特に限定するものではない。
【0053】
(比較例1)
次に、本発明に対する比較例としての放電灯点灯装置について図13で説明する。本例は、寿命末期時の放電灯のランプ電圧の不安定性を検知する手段として、放電灯に並列にコンデンサを設けたものである。図中V2は高周波の電圧出力、fはその発振周波数、Lはバラストチョーク、Rは放電灯負荷、Iは回路に流れる電流、C1は放電灯寿命末期検出用コンデンサ、C2は始動用のコンデンサを表している。先にも述べたように、寿命末期の放電灯は、陰極降下電圧の上昇やガラス管リークに加え、発光管内部での不純ガス(O、CO2 等)の増加等のために、そのランプ電圧が急激に増加する。
【0054】
これらに加え、特に一方の電極の電子放出能力が低くなった場合、放電灯のランプ電圧波形が図14に示すような半波状態になることがある。そうなると、バラストチョークLが場合によっては磁気飽和を起こし、回路に流れる電流Iが増加するため、先の電圧上昇も加わり、放電灯に過大な電力が供給される結果となり、ガラス管や口金に大きな熱エネルギーを与えてしまう可能性がある。しかも、寿命末期のランプ電圧は非定常で不安定且つ放電灯の種類により全く異なるためそのしきい値を定量化することは容易ではない。
【0055】
以上の観点から本例の放電灯点灯装置では、寿命末期検出用にコンデンサを放電灯に並列に取り付けたものである。これによれば、放電灯の正常点灯時は正負対称な高周波電圧が印加されるため、コンデンサC1はチャージされないが、一旦、図14に示すような波形の寿命末期の放電状態に入ると、その半波点灯区間で充電される。寿命末期の放電灯においてその電荷量を調べたところ、100pC以上になると異常な放電になることが分かった。つまり、この電荷量を検知することで、放電灯の様々な寿命末期形態をコンデンサの電荷量という基準で扱うことができ、直ちにインバータを発振停止することができるので非常に有効である。
【0056】
本例の対象範囲は、インバータで放電灯を点灯させるものであればどんな組合わせでもよいため、放電灯は蛍光ランプや高輝度放電灯でも良く、インバータの回路方式も一石式や一石兼用方式、Push−Pull方式、高周波充電方式、高周波重畳方式、フルブリッジ方式など特に限定するものではない。
【0057】
(実施例9)
次に、本発明の第9の実施例である放電灯点灯装置について図15により説明する。この放電灯点灯装置は、AC電源と、ヒューズFと、整流回路21と、平滑回路22と、平滑回路22により平滑された直流電圧をチャージする大型の電解コンデンサCと、平滑回路22を制御する制御回路23と、電解コンデンサCの直流電圧を高周波の交流電圧に変換するインバータ回路24と、インバータ回路24を制御する制御回路25と、負荷の放電灯26と、負荷抵抗Rの検出部27と、負荷抵抗Rの検知回路28より構成される。
【0058】
更に具体化して説明すると、AC電源は100V、60Hzの商用電源、整流回路21はダイオードブリッジ、平滑回路22は昇圧チョッパ回路、インバータ回路24は他励式ハーフブリッジインバータ、放電灯26はコンパクト形蛍先ランプのH形(6本管形)32Wである。この点灯装置の動作を、以下に順に説明する。
【0059】
放電灯始動時は、インバータ回路24のスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が定常点灯時の動作周波数になるまで、負荷抵抗検知回路28はその検出値を無視する。スイッチング周波数が定常点灯時の動作周波数になった後、負荷抵抗検知回路28は検知を開始し、もし負荷抵抗が一定のしきい値を越えることがあれば、即座にチョッパ制御回路23およびインバータ制御回路25に停止信号を送り、インバータ回路24の発振を停止させる。この負荷抵抗検知のしきい値は、インバータ回路24の設計、例えば全光や段調光、連続調光等の用途により400Ω以上、10KΩ以下の絶対値に設定しても良いし、負荷抵抗の立ち上がり又は立ち下がりの時間微分値が0でなくなった時に設定しても良い。
【0060】
これにより、放電灯の寿命末期状態はどんな状態でも、例えば電子放射性物質の消耗やガラス管のリークでも、または電極導入線間に何らかの生成物ができたときでも、その初期において即座にインバータの発振を停止させることができるため、コロナやアーク放電などのような現象を完全に防止することができる。
【0061】
(実施例10)
次に、本発明の実施例10について説明する。本実施例は高輝度放電灯の寿命末期時に起こる発光管破壊に伴う外管内の放電現象を抑制するものである。図16に本実施例で用いた片口金形のメタルハライドランプの構造図を示す。図中、31は発光金属のハロゲン化物と、数100Torrの希ガスと水銀からなるぺニングガスを封入した硬質ガラスより構成される発光管、32および32’は発光管31に電源を供給するニッケルや鉄等から成る内部導入線を示している。JEL208にも記載されているように、本放電灯は高効率、高演色を特徴とする高輝度放電灯であり、各種のハロゲン化物が発光管に封入され、複雑な構造をしており、万一のランプの破損に対処できるよう配慮が必要である。
【0062】
高輝度放電灯の発光管は、その寿命末期においてクラックやそれに伴う破裂が起こることが一般に知られており、その対策として発光管外周に飛散防止用のスリーブを設置したり、外管外周に飛散防止フィルムを被覆したりする手段を用いている。これに対し、数ccの発光管から破壊時に放出した発光管内のガス(主にペニングガス)は、直ちに外管内に拡散し、外管内が真空の場合は内部導入線間を数Torrの圧力で満たす。従って、インバータが発振を継続する場合には、発振電圧次第ではこの内部導入線間が容易に絶縁破壊し、アークやグロー放電を継続する、所謂外管内放電が発生することがある。これが継続すると、陰極降下電圧が上昇したときと同様、放電管の管端部や口金が加熱されるため種々の弊害が起こる。
【0063】
以上の観点から本実施例の放電灯点灯装置は、寿命末期に外管内放電が起こらないように、放電灯の外管内を不活性ガスで置換することによりその破壊電圧を向上させたものである。その効果を、放電灯のW数とその外管内放電の放電維持電圧の関係で図17に示す。全てのサンプルは発光管を人為的に破損して、外管内にガスを拡散させている。図中、×は改善前のサンプルで、発光管破壊前に外管内が真空であったサンプル、○は不活性ガスを適度に充填した改善後のサンプルである。
【0064】
これによれば、不活性ガスを外管内に充填したサンプルは、ランプのW数に関わらず、その外管内放電維持電圧Vbは改善前の約20倍以上に向上している。従って、その電圧をインバータの発振電圧V2との比で比較すれば図18のようになり、全てのW数のランプに対し、改善サンプルのV2/Vb比は0.25倍以下、略0.1以下とすることができた。
【0065】
以上の構成は、両電極間に電圧が印加される放電ランプであれば全てに応用できるし、口金の材質(金属、非金属)や、ピン埋め込み式やEベース、片口金および両口金等、形状を一切問うものではない。
【0066】
(実施例11)
次に、本発明の実施例11について説明する。本実施例は高輝度放電灯の寿命末期時を検出し、その時起こる発光管破壊に伴う外管内の放電現象を、インバータの出力電圧を抑制又は停止させることにより直接抑制するものである。
【0067】
この放電灯点灯装置について、図19で説明する。本実施例は、寿命末期時の放電灯のランプ電圧不安定性を検知する手段として、放電灯に並列に負荷抵抗検出部35を設けたものである。図中、V2は高周波の電圧出力、fはその発振周波数、Lはバラストチョーク、Rは放電灯負荷、Iは回路に流れる電流、IGNは始動用のパルス電圧を出力するイグナイタ、33はインバータ発振電圧制御回路、34はパルス電圧制御回路、35は負荷抵抗検出部、36は負荷抵抗検知回路を示している。
【0068】
本実施例の回路は、寿命末期の負荷抵抗を検知し、インバータの発振あるいはイグナイタのパルスを制御するものであり、負荷抵抗の検知レベルは実施例7のように抵抗の絶対値で決めてもよいし、実施例8のように抵抗の立ち下がり又は立ち上がりの時間微分値で設定してもよい。
【0069】
実施例10では、放電灯自身の寿命末期時破壊電圧を高めることでV2/Vbを低下させたのであるが、本実施例では負荷抵抗を検知して、それに応じてインバータの発振電圧、あるいはイグナイタのパルス電圧(パルス高さ、位相、発生数も含む)を低下させることでV2/Vbを低下させることが特徴である。
【0070】
本実施例によれば、いかなる放電灯においてもその寿命末期においてイグナイタ、インバータを別々に出力抑制、あるいは同時に出力抑制することで外管内の放電発生を完全に防止できるうえ、寿命末期のパルス停止機能という安全面からの付加価値も有するものである。無論、実施例10のような寿命末期時の絶縁破壊電圧の高い放電灯と、本実施例の放電灯点灯装置を組み合わせれば、その効果を更に高めることができ、V2/Vbを0.1倍、望ましくは0.05倍以下とすることが可能であることは言うまでもない。
【0071】
本実施例の対象範囲は、インバータで高輝度放電灯を点灯させるものであればどんな組み合わせでもよいため、インバータの回路方式も一石式や一石兼用方式、Push−Pull方式、高周波充電方式、高周波重畳方式、フルブリッジ方式など特に限定するものではない。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし14の発明によれば、放電灯寿命末期時のインバータの発振電圧V2を放電灯口金内の電極間交流破壊電圧Vbの0.25倍以下、好ましくは0.1倍以下としたので、放電灯がコンパクト化して電極間の電界強度が高くなっても、コロナやアークの発生が抑制されるため、口金材料の劣化による破壊は起こり難くなる。
また、請求項6または9または10または11の発明によれば、口金、発光管と口金の接着剤、電極導入線の被覆、口金を接続するソケットなどを、耐コロナや耐アークに優れ、熱にも強い無機質材料で構成したので、材料の劣化がなくなり電極間の交流破壊電圧が高くなるからV2/Vb比を小さくすることができる。
請求項8の発明によれば、高分子材料がコロナ劣化した際に生成される活性ガスを抜くために口金表面に貫通穴を設けたので、電極間の交流破壊電圧が高くなる。
請求項7または10の発明によれば、電極導入線の間を絶縁するために、壁や無機質材料のスペーサーを設けたので、やはり電極間の交流破壊電圧が高くなり、V2/Vb比を小さくすることができる。
請求項13の発明によれば、口金の高分子材料に無機充填材を付加したり、フェニル基を含まない鎖状高分子を用いることで耐アーク性を高めたので、これも電極間の交流破壊電圧を高くし、V2/Vb比を小さくすることができる。
【0073】
請求項1または2または3、4の発明によれば、インバータにより放電灯の電極間抵抗を検出し、その絶対値又は変化率により放電灯の寿命末期を判断し発振を停止するので、電極間でのアークやコロナ放電を抑制することができる。
【0074】
本発明はコンパクト化された放電灯とインバータとの組合わせにおいて、寿命末期において電極間で起こるアークやコロナ放電といった問題を、インバータの発振電圧と放電灯の絶縁性能(負荷抵抗)の関係から、放電灯の構造及びインバータの検知回路に防止手段を施したため、放電灯の確実な寿命末期性能を確保することができる。
さらにこの放電灯点灯装置によれば、放電灯としてはコンパクト化に伴う寿命末期時の温度上昇を防止するために、温度ヒューズ等のコストの高い部品を自身に組込む必要もなく、構造および材料的に電極間の絶縁破壊強度を上げるだけでよいというメリット、インバータとしては負荷抵抗の検出により確実なランプの寿命末期検出ができるというメリットが生じるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の口金構造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)をA−A’の位置にて切断したときの断面図である。
【図2】本発明の数値限定の根拠を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1の一変形例の口金構造を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例2の口金構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例3の口金構造を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例4の口金構造を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例5の口金構造を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例6の口金構造を示す断面図である。
【図9】LC共振方式のインバータの等価回路図である。
【図10】LC共振方式のインバータの共振電流の周波数特性を示す図である。
【図11】本発明の実施例7の動作説明図である。
【図12】本発明の実施例8の動作説明図である。
【図13】本発明に対する比較例1の等価回路図である。
【図14】本発明に対する比較例1の動作説明図である。
【図15】本発明の実施例9の回路図である。
【図16】本発明の実施例10で用いたランプの正面図である。
【図17】本発明の実施例10の動作説明図である。
【図18】本発明の実施例10の動作説明図である。
【図19】本発明の実施例11の回路図である。
【図20】従来の種々のコンパクト蛍光ランプの外観を示す説明図である。
【図21】従来のコンパクト蛍光ランプの電極間距離と始動時の電極間電位傾度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 発光管
2 ケース
3 ケース
4 接着剤
5 電極の外部導入線
5’ 電極の外部導入線
6 ピン
7 絶縁壁
Claims (14)
- 一対の電極を有する放電灯と、前記放電灯の寿命末期時においてその主放電を停止し且つ前記一対の電極間の抵抗にて発振を継続するインバータとの組合わせにおいて、前記放電灯寿命末期時のインバータの出力電圧V2は、前記一対の電極間交流破壊電圧Vbの0.25倍以下とし、前記インバータは、前記放電灯の電極間抵抗により発振停止する手段を有することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗が400Ω以上、10KΩ以下の範囲であることを検出することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗の時間に対する立ち下がりを検出することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記インバータの発振を停止する手段は、前記放電灯の電極間抵抗の時間に対する立ち上がりを検出することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記V2/Vb≦0.25の条件を満たすように、前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の発光管と口金の接着材料を無機質材料で構成したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部に電極導入線間を絶縁する壁を設けたことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金表面に少なくとも1つ以上のガス抜き穴を設けたことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部の電極導入線を無機質材料で被覆したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金内部の電極導入線間に無機質材料のスぺーサーを設置したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金を無機質材料で構成したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金と接続されるソケットの少なくとも口金との接触面もしくは全体が無機質材料で構成されることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯の電極間交流破壊電圧を高くする手段として、前記放電灯の口金を無機充填材を入れた有機高分子、またはフェニル基を含まない鎖状高分子で構成したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記放電灯寿命末期時のインバータの出力電圧V2は、前記一対の電極間交流破壊電圧Vbの0.1倍以下とすることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
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