JP3586973B2 - スイッチング回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング回路、特に低電圧で動作するスイッチング回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング回路のオン/オフ速度を向上させるために、回路を構成するトランジスタが導通時に飽和状態になることを回避するいわゆるリミット機能を備えたスイッチング回路が要求されている。
図12〜15は従来一般的に使用されているスイッチング回路の例を示す回路図である。
【0003】
図12に示すスイッチング回路においては、電流源Iによりパルス状の信号電流iが供給され、それに応じて抵抗素子R01で電圧降下が生じる。このため、信号電流iが供給されているとき、npnトランジスタQ01が導通状態となり、トランジスタQ01に導通電流が現れ、負荷抵抗素子Rで電圧降下が生じ、出力端子TOUT にローレベル、例えば、接地電位レベルの出力電圧VOUT が現れる。
一方、信号電流iが供給されていないとき、トランジスタQ01が非導通状態に保持され、出力端子TOUT に電源電圧VCCレベルの電圧VOUT が出力される。上述のように、電流源Iにより発生された信号電流iに応じてトランジスタQ01の導通状態が制御され、スイッチング動作が実現される。
【0004】
図13に示すスイッチング回路においては、トランジスタQ01の負荷として、抵抗素子Rと並列にnpnトランジスタQ02が設けられている。
トランジスタQ02のベースが抵抗素子R02を介して電圧源Vに接続されているので、トランジスタQ02を導通させる電圧、いわゆる導通電圧がVBEをすると、出力端子TOUT の電圧VOUT が(V−VBE)以下のとき、トランジスタQ02が導通状態となり、トランジスタQ02の導通電流がトランジスタQ01のコレクタに供給される。これにより、トランジスタQ01のスイッチング速度が改善される。
【0005】
図14に示すスイッチング回路においては、ダイオードD02,D03により分圧した電圧がトランジスタQ01のベースに印加され、トランジスタQ01の導通状態が制御される。
さらに、電流源IとトランジスタQ01のコレクタとの間に、トランジスタQ01のコレクタに向かって順方向となるようにダイオードD01が接続され、トランジスタQ01が導通時に、電流源Iにより発生された信号電流iの一部分iがダイオードD01を介してトランジスタQ01のコレクタに供給され、これにより、トランジスタQ01のベースに供給されたベース電流が低減され、トランジスタQ01が飽和状態になることを防止する。
【0006】
図15に示すスイッチング回路においては、図14のスイッチング回路におけるダイオードD03の代わりに抵抗素子R02が使用され、直列に接続されたダイオードD02と抵抗素子R02により分圧して得られた分圧電圧がトランジスタQ01のベースに印加され、トランジスタQ01の導通状態が制御される。そして、図14に示すスイッチング回路と同様に、トランジスタQ01の導通時に、電流源Iからの信号電流iの一部分iがトランジスタQ01のコレクタに供給され、トランジスタQ01のベースに供給されたベース電流が低減され、トランジスタQ01が飽和状態になることを防止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のスイッチング回路においては、それぞれ問題点がある。
図12に示すスイッチング回路では、例えば、図16に示す信号電流iが供給され、トランジスタQ01が導通状態に保持されているとき、トランジスタQ01のコレクタ、即ち出力端子TOUT の電圧VOUT がトランジスタQ01の飽和領域まで下がっているので、トランジスタQ01のベース/エミッタ間に大容量が蓄積される。信号電流iの供給が停止し、トランジスタQ01が導通状態から非導通状態に切り換わるとき、図16に示すように、出力電圧VOUT の立ち上がりエッジにおいて、大きな遅延が生じて、回路によっては、遅延時間Tが数百ナノ秒(ns)になってしまうという問題がある。
【0008】
図13に示す回路例においては、信号電流iが供給されているとき、トランジスタQ02によりトランジスタQ01のコレクタにトランジスタQ02の導通電流が供給されるので、トランジスタQ01における導通/非導通状態切り換え時に生じる遅延が大幅に短縮され、スイッチング回路のスイッチング速度が改善されるが、トランジスタQ02が導通状態に保持されているとき、トランジスタQ02に大電流が流れ、負荷抵抗素子Rの抵抗値によって電流値が1ミリアンペア(mA)に達することがあり、回路の消費電力が増加し、また、トランジスタQ02のベースに接続された抵抗素子R02のインピーダンスによってトランジスタQ02のエミッタ電位が変動し、出力端子TOUT では安定した出力電圧VOUT を得ることが困難である。
【0009】
図14,15に示すスイッチング回路においては、トランジスタQ01のベースに印加された電圧が直列接続となるダイオードまたはダイオードと抵抗素子で得た分圧電圧であり、トランジスタQ01導通時のベース電圧が制限され、トランジスタQ01が飽和状態になることが防止され、スイッチング回路のスイッチング速度の向上が図れる。しかし、これらのスイッチング回路は低電圧動作に不向きであり、ダイオードD02およびトランジスタQ01の導通電圧がともにVBEとすると、電源電圧VCCのレベルが2VBE以下の場合これらのスイッチング回路は動作しないという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路のスイッチング速度の向上を図れ、消費電力を低減でき、低電圧でも動作するスイッチング回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、入力ノードと基準電源との間に直列に接続されている第1と第2の抵抗素子と、ベースが上記第1と第2の抵抗素子間の接続点に接続され、エミッタが上記基準電源に接続され、コレクタが上記入力ノードに接続されている第1のトランジスタと、ベースが上記第1のトランジスタのベースに共通に接続され、エミッタが上記基準電源に接続され、コレクタが出力ノードに接続されている第2のトランジスタと、上記入力ノードと上記出力ノードとの間に接続され、上記出力ノード側の拡散層が上記第2のトランジスタのコレクタ拡散層と同型になるように接続されているダイオードとを有する。
【0012】
また、本発明では、好適には上記第2のトランジスタのエミッタサイズが上記第1のトランジスタのエミッタサイズのn(n≧1)倍に形成される。
【0013】
本発明によれば、入力ノードに信号が入力された場合、入力ノードに生じた電圧が第1および第2の抵抗素子により分圧され、これらの抵抗素子間の接続点に生じた分圧電圧が第1および第2のトランジスタのベースに供給され、これにより第1および第2のトランジスタがともに導通状態となる。
このため、第1および第2のトランジスタのベース電圧が入力ノードの電圧より低く制限され、さらに第2のトランジスタのコレクタ電圧が入力ノードの電圧よりダイオードの導通電圧分低く制限されるので、第2のトランジスタが飽和状態になることを回避され、スイッチング回路のスイッチング速度の向上を図れ、低電圧時、例えば、第1または第2のトランジスタの導通電圧より高い電圧では動作できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は本発明に係るスイッチング回路の第1の実施形態を示す回路図である。図1において、Iは電流源、R,RおよびRは抵抗素子、NT,NTはnpn型トランジスタ、Dはダイオード、ノードNDは入力ノード、ノードNDは出力ノード、TOUT はノードNDに接続されている出力端子をそれぞれ示している。
【0015】
図示のように、電流源IはノードNDに接続され、ダイオードDのアノードがノードNDに接続され、カソードがノードNDに接続されている。ノードNDと接地線2との間に、抵抗素子RとRが直列に接続され、これらの抵抗素子の接続点により、ノードNDが形成されている。
【0016】
トランジスタNTのベースがノードNDに接続され、エミッタが接地され、コレクタがノードNDに接続されている。トランジスタNTのベースがトランジスタNTのベースと共通にノードNDに接続され、エミッタが接地され、コレクタがノードNDに接続されている。
ノードNDと電源電圧VCCの供給線1との間に負荷抵抗素子Rが接続されている。また、ノードND出力端子TOUT が接続されている。
なお、トランジスタNTのエミッタサイズをnとして、nは負荷容量Cの容量値および負荷抵抗素子Rの抵抗値に応じて設定される。
【0017】
以下、図1に示すスイッチング回路の動作について説明する。
電流源Iにより、図2に示すパルス状の信号電流iが供給される。
図1に示すように、抵抗素子Rに流れる電流をi、トランジスタNTのコレクタに流れる電流をi、ダイオードDに流れる電流をi、負荷抵抗素子Rに流れる電流をi、負荷容量Cに流れる電流をi’、ノードNDの電圧をV、トランジスタNTおよびダイオードDの導通電圧をVBEとすると、次に示す関係が成立する。
【0018】
【数1】
=i+i+i …(1)
【数2】
=V/r+r …(2)
【数3】
BE=i …(3)
【数4】
ni=i+i+i’ …(4)
【0019】
トランジスタNT,NTのベース電流を無視する場合、これらの式により、次の式が得られる。
【数5】
=VBE(r+r)/r …(5)
【数6】
OUT =V−VBE=VBE(r/r) …(6)
【0020】
式(6)により、例えば、トランジスタNT,NTが導通時、スイッチング回路の出力電圧VOUT の電圧値をトランジスタNTの導通電圧VBEの半分にする、即ち、VOUT =VBE/2に設定したい場合では、抵抗素子R,Rの抵抗値r,rをr:r=2:1に設定すればよい。これにより、ノードNDの電圧Vが1.5VBEとなり、出力電圧VOUT が0.5VBEとなる。
このため、スイッチング回路におけるトランジスタNT,NTが導通時の出力電圧VOUT のレベルが低減され、スイッチング回路が低電圧、例えば、2.7Vの電源電圧の場合でも動作可能となる。
【0021】
図1に示すスイッチング回路において、電流源Iにより信号電流iが供給されているとき、電流iが抵抗素子Rに流れる電流i、トランジスタNTに流れる電流iおよびダイオードDに流れる電流iとに分けられ、抵抗素子R,Rにより、ノードNDの電圧Vが分圧され、ノードNDで得られた分圧電圧がトランジスタNT,NTのベースに供給される。
【0022】
抵抗素子R,Rの抵抗値r,rを設定することにより、スイッチング回路が導通時の出力電圧VOUT の電圧レベルが調整され、トランジスタNTが飽和状態になることが防止でき、スイッチング回路のスイッチング速度が改善される。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、電流源Iにより電流iが供給されたとき、電流iにより入力ノードNDに生じた電圧を直列接続の抵抗素子R,Rにより分圧してトランジスタNT,NTのベースに供給し、トランジスタNT,NTのエミッタを接地し、トランジスタNTのコレクタを入力ノードNDに接続し、トランジスタNTのコレクタを出力端子TOUT に接続し、さらに負荷抵抗素子Rを介して電源電圧VCCの供給線に接続し、入力ノードNDのコレクタと出力端子TOUT との間にダイオードDを接続するので、トランジスタNTが導通時飽和状態になることを防止され、スイッチング速度の向上を図れる。
【0024】
第2実施形態
図3は本発明に係るスイッチング回路の第2の実施形態を示す回路図である。図示のように、本実施形態のスイッチング回路は電流源I、抵抗素子R,R、ダイオードD、pnp型トランジスタPT,PT、負荷抵抗素子Rにより構成されている。
なお、トランジスタPTのエミッタサイズがトランジスタPTのエミッタサイズのn倍に設定されている。
【0025】
本実施形態におけるスイッチング回路は図1に示すスイッチング回路に較べ、pnp型トランジスタPT,PTを使用することで異なる。
信号電流源IがノードNDに接続され、ノードNDと電源電圧VCCの供給線1との間に、抵抗素子R,Rが直列に接続され、これらの抵抗素子R,Rの接続点によりノードNDが形成されている。
【0026】
トランジスタPT,PTのベースがノードNDに共通に接続され、エミッタが電源電圧VCCの供給線1に共通に接続されている。トランジスタPTのコレクタがノードNDに接続され、トランジスタPTのコレクタが出力端子TOUT に接続されている。さらにノードNDと出力端子TOUT との間に、ノードNDに向かって順方向となるようにダイオードDが接続されている。
【0027】
電流源Iにより、図4に示すパルス状の電流iが供給される。以下、図3に示すスイッチング回路の動作について説明する。
電流源Iから電流が供給されていないとき、トランジスタPT,PTがともに非導通状態となり、出力端子TOUT にローレベルの電位、例えば、接地電位が現れる。
【0028】
電流源Iにより電流iが供給されているとき、抵抗素子R,Rに電流が流れ、抵抗素子Rにより生じた電圧降下がトランジスタPT,PTの導通電圧に達したとき、トランジスタPT,PTが導通状態に切り換わり、それぞれ導通電流が流れる。
【0029】
図1に示すスイッチング回路と同様に、スイッチング回路が安定状態に達したときそれぞれのノードの電圧が抵抗素子R,Rの抵抗値r,rおよびトランジスタPT,PTの導通電圧、ダイオードDの導通電圧により決まる。ここで、詳細の式を省略するが、トランジスタPT,PTが導通時に出力端子TOUT の電圧VOUT のみを次式で示す。
【0030】
【数7】
OUT =VCC−VBE(r/r) …(7)
ここで、VBEはダイオードDの導通電圧、r,rはそれぞれ抵抗素子R,Rの抵抗値を示す。
【0031】
式(7)に示すように、抵抗素子R,Rの抵抗値の比を設定することにより、導通時にトランジスタPTのコレクタ電位が制限される。このため、電流源Iにより電流iが供給されるとき、抵抗素子R,RおよびダイオードDにより、トランジスタPTが飽和状態になることを防止され、スイッチング回路のスイッチング速度が改善される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、電流源Iにより電流iが供給されたとき、電流iにより入力ノードNDに生じた電圧を直列接続の抵抗素子R,Rにより分圧してトランジスタPT,PTのベースに供給し、トランジスタPT,PTのエミッタを電源電圧VCCの供給線1に接続し、トランジスタPTのコレクタを入力ノードNDに接続し、トランジスタPTのコレクタを出力端子TOUT に接続し、さらに負荷抵抗素子Rを介して接地線に接続し、入力ノードNDのコレクタと出力端子TOUT との間にダイオードDを接続するので、トランジスタPTが導通時飽和状態になることを防止され、スイッチング速度の向上を図れる。
【0033】
応用例
図5は本発明に係るスイッチング回路の一応用例を示す回路図である。
図示の回路はnpnトランジスタNT,NTにより構成されている差動増幅回路、pnpトランジスタPT,PTにより構成された差動増幅回路、抵抗素子R,R、ダイオードD、npnトランジスタNT,NTおよび負荷抵抗素子Rにより構成されたスイッチング回路から構成されている。
また、npnトランジスタNT,NTはpnpトランジスタPTをオフさせるために設けられている。
【0034】
図5に示すスイッチング回路は図1に示す本発明の第1の実施形態のスイッチング回路と同様であり、ここで、その詳細の動作について説明を省略する。
差動増幅回路を構成するトランジスタNT,NTのベースがそれぞれ入力端子TIN1 ,TIN2 に接続され、エミッタが電流源Iに共通に接続されている。コレクタがそれぞれ抵抗素子R,Rを介して電源電圧VCCの供給線1に接続されている。
【0035】
トランジスタNTのベースがトランジスタNTのコレクタに接続され、トランジスタNTのベースがトランジスタNTのコレクタに接続されている。これらのトランジスタのコレクタが電源電圧VCCの供給線1に接続され、エミッタがそれぞれダイオードD,Dのアノードに接続され、ダイオードD,Dのカソードがそれぞれ電流源I,Iに接続されている。
【0036】
差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベースがそれぞれダイオードD,Dのカソードに接続され、これらのトランジスタPT,PTのエミッタがトランジスタPTのコレクタに共通に接続され、トランジスタPTのコレクタが接地され、トランジスタPTのコレクタがノードNDに接続されている。ノードNDが直列に接続された抵抗素子R,Rを介して、接地されている。
なお、トランジスタPTのベースが電圧源Vに接続され、エミッタが抵抗素子Rを介して電源電圧VCCの供給線1に接続されている。
【0037】
以下、図5に示す回路の動作について説明する。
入力端子TIN1 ,TIN2 の間に、信号電圧ΔVが入力される。なお、信号電圧ΔVは、例えば、図6に示すようにパルス状の電圧信号である。
入力信号ΔVがハイレベルに保持されているとき、差動増幅回路を構成するトランジスタNT,NTの内、トランジスタNTが導通状態となり、トランジスタNTが非導通状態となる。これに応じてトランジスタNT,NTのコレクタ間に差電圧が生じ、この差電圧に応じて、トランジスタNT,NTおよびダイオードD,Dにより、差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベースに差電圧が入力される。
【0038】
トランジスタPT,PTのベース電圧差に応じて、トランジスタPTが非導通状態となり、トランジスタPTが導通状態となる。
このため、トランジスタPTに流れる電流iが導通状態にあるトランジスタPT側に流れて、これが信号電流iとして、ノードNDに入力される。
【0039】
第1の実施形態に説明したように、信号電流iがノードNDに入力されているとき、スイッチング回路の出力端子TOUT に抵抗素子R,Rの抵抗値r,rおよびトランジスタNT,NT、ダイオードDの導通電圧VBEに応じて設定された電圧VOUT が出力される。そして、抵抗素子R,RおよびダイオードDにより、トランジスタNTが導通したとき、飽和状態になることを防止され、スイッチング速度の向上を図れる。
図6はパルス状の入力電圧ΔVおよびそれに応じた出力電圧VOUT の波形を示す波形図である。図示のように、トランジスタNTの飽和状態が回避されたため、出力電圧VOUT におけるレベルの切り換わりが速くなり、スイッチング速度が向上した。
【0040】
次に、図7に示すPLL(Phase Locked Loop )回路における本発明の応用例について説明する。
図7に示すPLL回路はキャパシタC、チャージポンプ回路10、位相比較器20、ローパスフィルタ(LPF)30、電圧制御発振器(VCO)40、分周器51、52、発振器(OSC)60により構成されている。
【0041】
チャージポンプ回路10は位相比較器20からの誤差電圧信号ΔVを受けて、それに応じてキャパシタCに対してチャージ(ソース)またはディスチャージ(シンク)する。
PLL回路においては、シンクまたはソースするタイミングが重要な要素であり、タイミングのずれが生じると、リファレンスリーク、位相ノイズなどが発生してしまう。即ち、容量負荷、抵抗負荷、電流源などを駆動するトランジスタにおいては、スイッチング速度を保持し、スイッチング動作時の平衡を保つため、トランジスタ導通時飽和状態になることが回避しなければならない。このため、チャージポンプ回路10には本発明のスイッチング回路が適用される。
【0042】
図8は本発明の第1実施形態のスイッチング回路を用いたチャージポンプ回路の一例を示す回路図であり、キャパシタCをシンクさせるときの動作を示す図である。
図9はチャージポンプ回路10の波形図である。
図10は本発明の第1実施形態のスイッチング回路を用いたチャージポンプ回路の一例を示す回路図であり、キャパシタCをソースさせるときの動作を示す図である。
図11は本発明の第2実施形態のスイッチング回路を用いたチャージポンプ回路の一例を示す回路図であり、キャパシタCをソースさせるときの動作を示す図である。
【0043】
図8に示すチャージポンプ回路はpnpトランジスタPT,PTにより構成された差動増幅回路、抵抗素子R,R、npnトランジスタNT,NTおよびダイオードDにより構成されたスイッチング回路、さらにnpnトランジスタNT,NTにより構成されたカレントミラー回路により構成されている。
【0044】
図8に示すように、差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベースの間に、PLL回路の位相比較器20からの誤差電圧信号ΔVが入力され、さらに、pnpトランジスタPTのベースに電圧源Vが接続されている。
トランジスタPT,PTのエミッタが電流源Iに共通に接続され、トランジスタPTのコレクタが接地され、トランジスタPTのコレクタがノードNDに接続され、ノードNDが直列に接続された抵抗素子R,Rを介して接地されている。
【0045】
スイッチング回路の出力ノードNDが電流源Iに接続され、さらにカレントミラー回路を構成するトランジスタNT,NTのベースとトランジスタNTのコレクタとの共通の接続点に接続されている。
トランジスタNTのコレクタとpnpトランジスタPTのコレクタがともにが出力端子TOUT に接続されている。
トランジスタNT,NTのエミッタが接地され、トランジスタPTのエミッタが電源電圧VCCの供給線1に接続されている。
【0046】
差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベース間に、例えば、図9(a)に示す誤差電圧信号ΔVが入力されたとき、トランジスタPTが非導通状態になり、トランジスタPTが導通状態になる。このため、電流源Iにより差動増幅回路に供給された電流がトランジスタPT側に流れ、ノードNDに電流の供給が停止する。
【0047】
このとき、スイッチング回路におけるトランジスタNT,NTがともに非導通状態になり、電流源Iにより供給された電流がカレントミラー回路を構成するトランジスタNTのコレクタに供給される。このため、トランジスタNT側にはシンク電流ISINKが流れる。
なお、このとき、トランジスタPTのベースに入力された制御信号により、トランジスタPTが非導通状態に設定され、シンク電流ISINKにより、例えば、出力端子TOUT に接続されたキャパシタCがディスチャージされ、キャパシタCの端子電圧Vが降下する。
【0048】
誤差電圧信号ΔVの立ち下がりエッジから、差動増幅回路においてトランジスタPT,PTのベースに同電位が印加されるが、トランジスタPT,PTのエミッタサイズを設定することにより、電流源Iにより供給された電流がトランジスタPT側に流れるように設定され、ノードNDに電流iが供給される。
【0049】
このため、スイッチング回路において、トランジスタNT,NTが導通状態に切り換わり、電流源Iにより供給された電流がスイッチング回路のトランジスタNTに流れるため、カレントミラー回路を構成するトランジスタNTのコレクタに電流が殆ど流れず、トランジスタNTのコレクタにシンク電流ISINKは流れない。
【0050】
そして、差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベース間に誤差電圧信号ΔVが入力されたとき、スイッチング回路において、ノードNDへの電流iの供給が停止し、トランジスタNT,NTがふたたび非導通状態に切り換わり、カレントミラー回路により、シンク電流ISINKが発生される。
なお、スイッチング回路においては、入力ノードNDに信号電流iが供給され、トランジスタNT,NTがともに導通状態にあるとき、抵抗素子R,RおよびダイオードDにより、トランジスタNTが飽和状態になることが回避されるので、信号電流iの供給が停止したとき、スイッチング回路におけるオフ状態への切り換え速度が速く、PLL回路にタイミングずれを生じることなく、PLL回路の動作精度が改善される。
【0051】
図9はシンク電流ISINKが発生された場合の波形図である。
図9(a)は位相比較器20からの誤差電圧信号ΔVの波形、図9(b)、((c)は従来のスイッチング回路を用いる場合のトランジスタNTのコレクタ電圧およびシンク電流ISINKの波形、図9(d)、(e)は本発明のスイッチング回路を用いた場合のトランジスタNTのコレクタ電圧およびシンク電流ISINKの波形をそれぞれ示している。
【0052】
図9に示すように、チャージポンプ回路に従来のスイッチング回路を使用すると、トランジスタが導通状態になる場合、飽和領域に入り、導通状態から非導通状態への切り換え時間が長くなり、スイッチング速度が低下する。これにより、誤差電圧信号ΔVが入力されてから、シンク電流ISINKが発生されるまで遅延時間Tが生じて、回路によっては、この遅延時間Tが100ナノ秒(ns)以上になることがあり、PLL回路の精度が低下してしまう。
【0053】
チャージポンプ回路に本発明のスイッチング回路を適用することにより、スイッチング回路を構成するトランジスタNTが飽和状態になることが回避され、PLL回路のタイミングずれが防止される。
【0054】
同様に、図10に示すチャージポンプ回路においては、差動増幅回路を構成するトランジスタPT,PTのベース間に誤差電圧信号ΔVが入力されたとき、スイッチング回路におけるトランジスタNT,NTがともに非導通状態に設定され、電流源Iにより発生された電流がカレントミラー回路を構成するトランジスタNTのコレクタに流れ、カレントミラー回路により、ソース電流ISORSが発生され、出力端子TOUT に接続されているキャパシタCに対して、チャージを行い、キャパシタCの端子電圧Vが上昇する。
【0055】
本例においては、本発明のスイッチング回路を適用することにより、スイッチング速度が向上し、誤差電圧信号ΔVに対して、ソース電流ISORSの遅延時間が小さく、PLL回路にタイミングずれを生じることなく、PLL回路の動作精度が改善される。
【0056】
そして、図11に示すチャージポンプ回路においては、図2に示す第2の実施形態のスイッチング回路が適用され、これにより、差動増幅回路を構成するトランジスタNT,NTのベース間に入力された誤差電圧信号ΔVに対して、ソース電流ISORSの遅延時間Tが短く、PLL回路にタイミングのずれを生じることが回避され、PLL回路の動作精度が向上する。
【0057】
上述したように、図7に示すPLL回路においては、本発明のスイッチング回路をチャージポンプ回路10に適用することにより、位相比較器20により発生された誤差電圧信号ΔVに応じて、チャージポンプ回路10によりタイミングずれなくシンク電流ISINKまたはソース電流ISORSが発生され、キャパシタCに対してディスチャージまたはチャージが行われ、キャパシタCの端子電圧Vが誤差電圧信号ΔVにより制御される。
【0058】
そして、キャパシタCの端子電圧Vがローパスフィルタ30により高周波成分が除去され、電圧制御発振器40に供給される。電圧制御発振器40により、ローパスフィルタ30の出力電圧に応じて発振信号Sが発生され、分周器51により分周された後位相比較器20に入力される。
さらに、発振器60により発生された発振信号Sが分周器52により分周された後位相比較器20に入力される。
【0059】
位相比較器20により、分周器51,52からの発振信号S,Sの位相が比較され、これらの信号の位相差に応じた誤差電圧信号ΔVが発生され、チャージポンプ回路10に出力される。
【0060】
このように構成されたPLL回路により、外部発振器60により発生された発振信号Sと同相の発振信号Sが発生される。さらに、チャージポンプ回路10に本発明のスイッチング回路を適用することにより、PLL回路のタイミングずれが回避され、発振信号Sが外部発振器60により発生された発振信号Sに対して、高い精度で位相が追従し、PLL回路の精度の向上を図れる。さらにチャージポンプ回路10に本発明のスイッチング回路を適用することにより、消費電力を低減でき、低電圧での動作を実現できる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスイッチング回路によれば、スイッチング速度の向上を図れ、消費電力を低減でき、低電圧の場合でも動作するスイッチング回路を実現できる利点がある。
さらに、本発明のスイッチング回路を、例えばPLL回路のチャージポンプ回路に適用することにより、低電圧で動作でき、かつリファレンスリース、位相ノイズなどを改善でき、精度の高いPLL回路を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング回路の第1実施形態を示す回路図である。
【図2】第1実施形態における波形図である。
【図3】本発明に係るスイッチング回路の第2実施形態を示す回路図である。
【図4】第2実施形態における波形図である。
【図5】本発明の一応用例を示す回路図である。
【図6】図5の回路例における波形図である。
【図7】PLL回路の構成を示す回路図である。
【図8】チャージポンプ回路の一例を示す回路図である。
【図9】図8に示すチャージポンプ回路の波形図である。
【図10】チャージポンプ回路の一例を示す回路図である。
【図11】チャージポンプ回路の一例を示す回路図である。
【図12】従来のスイッチング回路の一例を示す回路図である。
【図13】従来のスイッチング回路の一例を示す回路図である。
【図14】従来のスイッチング回路の一例を示す回路図である。
【図15】従来のスイッチング回路の一例を示す回路図である。
【図16】図12に示すスイッチング回路の波形図である。
【符号の説明】
…電流源、R,R…抵抗素子、R…負荷抵抗素子、C…負荷容量素子、NT,NT,…,NT…npn型トランジスタ、PT,PT,…,PT…pnp型トランジスタ、D,D…ダイオード、TIN1 ,TIN2 …入力端子、TOUT …出力端子、VOUT …出力電圧,C…キャパシタ、10…チャージポンプ回路、20…位相比較器、30…ローパスフィルタ、40…電圧制御発振器、51,52…分周器、60…発振器、VCC…電源電圧、GND…接地電位、1…電源電圧VCCの供給線、2…接地線。

Claims (5)

  1. 入力ノードと基準電源との間に直列に接続されている第1および第2の抵抗素子と、
    ベースが上記第1および第2の抵抗素子間の接続点に接続され、エミッタが上記基準電源に接続され、コレクタが上記入力ノードに接続されている第1のトランジスタと、
    ベースが上記第1のトランジスタのベースに共通に接続され、エミッタが上記基準電源に接続され、コレクタが出力ノードに接続されている第2のトランジスタと、
    上記入力ノードと上記出力ノードとの間に接続されているダイオードとを有する
    スイッチング回路。
  2. 上記第1および第2のトランジスタはnpn型トランジスタにより構成され、上記ダイオードは上記入力ノード側から上記出力ノード側に向かって順方向となるように接続されている
    請求項1記載のスイッチング回路。
  3. 上記第1および第2のトランジスタはpnp型トランジスタにより構成され、上記ダイオードは上記出力ノード側から上記入力ノード側に向かって順方向となるように接続されている
    請求項1記載のスイッチング回路。
  4. 上記出力ノードが負荷抵抗を介して、電源に接続されている
    請求項1記載のスイッチング回路。
  5. 上記第2のトランジスタのエミッタサイズが上記第1のトランジスタのエミッタサイズのn(n≧1)倍に形成されている
    請求項1記載のスイッチング回路。
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