JP3586960B2 - 掲示印刷物用ジェット印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクを用いたインクジェット掲示印刷物用インクジェット印刷方法に関し、基材及び塗工層が強固で耐水性、耐光性があり、更には記録媒体の保存安定性、耐ブロッキング性に優れた掲示印刷物を得ることのできるジェット印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式を用いた高速でカラーハードコピーを作成するインクジェットカラープリンターの技術の進展は目覚ましいものがある。インクジェットはインク液滴がインクヘッドより飛翔して液滴が直接被印刷体に着弾することで画像を形成することは共通しているが、常にインクが循環し続けているコンティニアスタイプと必要な部分にのみ液滴を着弾させるドロップオンデマンドタイプとに大別される。いずれの方式においても高品位の画像を得るために、記録媒体上に着弾したインクがにじむことなく、記録媒体の厚み方向に速やかにインクが吸収されるような記録媒体の開発もめざましいものがある。
【0003】
従来よりインクジェット用記録液としては、特開昭53−61412号公報、特開昭54−89811号公報、特開昭55−65269号公報に開示されるように、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものが良く用いられている。
しかし、水溶性染料としては記録液の安定性を得るため、水に対する溶解性の高いものが一般的に用いられる。従ってインクジェット記録物は一般的に耐水性が悪く水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料滲みを生じるという問題があった。このような耐水性の不良を改善するため、特開昭56−57862号公報に開示されるように,染料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製することが試みられている。また、特開昭50−49004号公報、特開昭57−36692号公報、特開昭59−20696号公報、特開昭59−146889号公報に開示されるように、記録紙と記録液との反応をうまく利用して耐水性の向上を図る試みも行われている。これらの方法は,特定の記録紙については著しい効果をあげているが,記録紙の制約を受けるという点で汎用性に欠け,また特定の記録紙以外を用いた場合には,水溶性染料を使用する記録液では記録物の充分な耐水性が得られないことが多い。また、耐水性の良好な記録液としては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、溶剤の臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり、大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては、溶剤回収等の必要性が問題となることがある。
【0004】
そこで、記録物の耐水性をよくするために、水系媒体に顔料を分散した記録液の開発が行われている。これらの方法は,特定の記録紙については著しい効果をあげているが,記録紙の制約を受けるという点で汎用性に欠け,また特定の記録紙以外を用いた場合には,水溶性染料を使用する記録液では記録物の充分な耐水性が得られないことが多い。
【0005】
特公昭55−34173号公報には、金属、ガラス、木材などに特定されたエマルジョンを塗工した記録媒体は、非浸透性材料の印刷適性が良好になる提案がなされている。
【0006】
また、特開昭55−51583号公報には非膠質シリカ(粒径0.1〜10μm)と高分子バインダーからなる被覆層が、特開昭56−145856号公報には、微粒子珪酸と非水溶剤可溶性樹脂とからなるか、あるいは微粒子珪酸と他の無機顔料粒子と非水溶剤可溶性樹脂からなる受容層を基体上に設けることがそれぞれ開示されているが、インキ着弾後の耐水性という点ではこの方法は水にインクが再溶解することが容易に考えられる。
【0007】
特開昭59−178288号公報には、記録媒体を熱処理することでインク受容層を透明にし、結果として耐水性を向上させる例が開示されているがインク着弾後に180℃5分間の加熱処理が必要であるため実用的だとはいい難い。また、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)フィルム用塗工剤の例として特開昭59−207277号公報に、インク吸収層に水可溶性物質と多価アルコールを含有することが開示されているが、水溶性物質を使用する以上やはりインク着弾後の耐水性という点では問題がある。同じ目的として、特開昭60−145879号公報には、被覆層に高鹸化度のポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの組み合わせが、また特開昭60−171143号公報には、支持体表面にイオン性親水基を有する水溶性高分子が塗工されている記録媒体が例示されているが、いずれもインク着弾後の耐水性がよくなく印刷物を水につけて擦るとインクと受容層そのものが簡単に剥がれ落ちてしまう問題がある。
【0008】
インク着弾後の耐水性を向上させる方法については、例えば特開昭61−277481号公報にインク受容層がカチオン性および両性の顔料、更にカチオン性シリカ又は酸化アルミニウムとカチオン性ポリマーを含有する例が、特公昭61−59239号公報にはポリカチオン高分子電解質を含有させた例が、更には特公昭62−797号公報には、水溶性高分子を塗布した記録媒体に水性インクによりインクジェット記録後に、該水溶性高分子を不溶化する耐水化剤を記録媒体に付与させることで記録媒体の耐水性をあげる方法などが提案されている。また、耐水性の良好な記録液としては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したものが好適だとされているが、臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり、大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては、溶剤回収等の必要性が問題となることがある。そこで、記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料を分散した記録液の開発も行われている。
【0009】
このようにインクジェット用受容体の耐水化およびインクそのものを耐水化する手段についてはさまざまな方法が提案されているがいずれも湿度に対して弱く、記録媒体を塗工、乾燥し巻きとる際にブロッキングを起こしこのままでは巻きとれない。また物理的にインク吸収を良くした例として特開平2−76775号公報にみられるように、シート状基材上に球状ポリマーをバインダー樹脂で接着してあるインク吸収層がある例の場合には良好な耐水性を与えることができるが、印刷物としての耐擦過性が良くなく基材からインク受容層ごと剥がれてしまう欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決するため、ブロッキング性、巻き取り性がよく強固でかつ耐水性があり、高印刷性で印刷品質特性が優れた掲示印刷用インクジェット印刷方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第一の発明は、プラスチックフィルムからなる支持体の片方の面に水性インク受理層を有し、他方の面に粘着層を有するインクジェット受容体に、平均粒径50〜300nmの樹脂粒子の周囲を有機顔料が覆ってなる着色粒子を水性の液体中に分散してなるインクを噴射する掲示印刷物用ジェット印刷方法であって、上記水性インク受容層の樹脂組成が、メチルメタクリレートとエチルアクリレートとカルボキシル基を有するラジカル重合可能な単量体を主成分とするポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体および結晶性セルロースを含有することを特徴とするジェット印刷方法である。
【0012】
第二の発明は、水性インク受容層の樹脂組成がメチルメタクリレートとエチルアクリレートとカルボキシル基を有するラジカル重合可能な単量体を主成分とするポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体の酸価が50〜80の範囲にあることを特徴とする第一発明の掲示印刷物用ジェット印刷方法である。
第三の発明は、水性インク中の有機顔料の平均粒径が10〜70nmであることを特徴とする第一発明の掲示印刷物用ジェット印刷方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明におけるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、軟質ポリ塩化ビニル系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられるが、支持体として上記のフィルムを使用して外壁や建装材としての利用を考える場合には、支持体の引っ張り弾性係数の小さいポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニル系フィルムやエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるフィルムが好適である。また、OHP用途の場合にはポリエステル系、すなわちポリエチレンテレフタレートフィルムがその光学特性、機械的特性、作業性の点から好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、必要に応じて各種表面処理、すなわちコロナ放電処理(空気中、窒素中、炭酸ガス中など)や易接着処理を施されたものである場合には、インク受理層の基材への密着や耐水性の点での改良が期待できる。更にOHP用途としての基材の光学特性は全光線透過率が80%以上であれば好ましい。
【0014】
また支持体フィルムは用途に応じて、透明、白色のものを適宜選択することができる。支持体を白色にするには、シリカ、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属酸化物、あるいは炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩のフィラーを混合してもよく、支持体を発泡体としてもよくこれらに限定されるものではない。軟質塩化ビニル系フィルムの場合には、熱安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを必要に応じて配合されていても良い。更に製品価値を高めるために種々添加剤が配合されても良く、本発明の目的を阻害しない範囲内であればこれを制限するものではない。
【0015】
上記可塑剤の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、オレイン酸、等の塩基性カルボン酸化合物と1価もしくは多価のアルコール化合物との低分子量エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アルキッド系可塑剤、エポキシ系可塑剤等で、自由に選択することができるが、耐候性、柔軟性保持性の点から、好ましくはポリエスル系可塑剤、アルキッド系可塑剤、エポキシ系可塑剤がよい。
【0016】
上記熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、亜硫酸鉛、亜リン酸鉛、ジブチルスズマレート、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズメルカプチド、ジオクチルスズマレート系安定剤、ジオクチルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメルカプチド系安定剤、スズ・ジオール誘導体、および、これらの複合体を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤としては、290〜400nm波長の光を吸収する化合物として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニルエステル系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系、桂皮酸系、アミノブタジエン系化合物等があるが、これらの材料を1種もしくは2種以上混合して使用しても良い。また上記帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エルテル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートアルキルホスフェート、第四級アンモニウムサルフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本発明の目的を達成するためには、メチルメタクリレートとエチルアクリレートの重量比で9/1〜2/8、好ましくは7/3〜6/4の範囲にあるのが好ましい。エチルアクリレートがこれより多いとブロッキングを起こしやすくなり、これより少ないとインク受容層の塗膜ワレを起こすことになる。この場合、インクの受容層の重要なファクターとして酸価があげられる。酸価の測定は、水酸化カリウムの滴定による方法が一般的である。酸価が高いとその分樹脂中に含有されるカルボン酸が多いため、水系のインク受容性はよくなるが、耐水性が悪くなる。一方、酸価が低いと水系のインク受容性は悪いが、受容層自身の耐水性は良好である。従って本発明は、メチルメタクリレートとエチルアクリレートの重量比が7/3〜6/4の場合で酸価が50〜80である場合に限り、インク受容力がよく印刷後の耐水性が良好な状態が発現するので好ましいが、必要に応じて例えばブロッキング防止、帯電防止などで本発明の目的を阻害しない範囲あれば他のモノマーを共重合したり各種添加剤を加えることができる。
【0018】
カルボキシル基を有するラジカル重合可能な単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を使用する。また必要に応じて共重合されるモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアマイド、N−メチル(メタ)アクリルアマイド、N−エチル(メタ)アクリルアマイド、N−メチロール(メタ)アクリルアマイド、N−ジエチル(メタ)アクリルアマイド、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルジエーテル、ビニルスルホン酸塩やそれらの塩を含有するモノマ−、ビニルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、アルキルマレイン酸モノエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。これらは常法によって共重合される。
【0019】
作成した樹脂溶液を目的とする支持体上に形成する方法は公知の方法が適用できる。例えばワイヤーバーコーチング、ロッドコーティング、グラビアダイレクトコーティング、グラビアリバースロールコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング、キスタッチグラビアリバースロールコーティングなどの方式が好ましいが、均一に塗工できる方法であればこれに限定されるものではない。また必要に応じて乾燥後マシンカレンダーやグロスカレンダー、スーパーカレンダーなどにより塗布面を平滑にしても良い。
【0020】
支持体上のインク受容層は、樹脂層のガラス転移点が50℃〜70℃、好ましくは60〜70℃の範囲にあるのが好ましい。形成したガラス転移点がこれより低いと乾燥塗膜が粘性を維持するため粉塵を吸着しやすくなり、ひいてはブロッキングを起こしやすくなることが予想できる。一方これよりガラス転移点が高いとインク受容層の塗膜ワレを起こすことになる。
【0021】
支持体上にインク受理層を形成するには、前記コーター等を使用して被記録媒体上に形成することが望ましい。支持体上に形成されるインク受理層と反対側の面に既に粘着剤層が形成されている場合には、インクジェットによる印刷後被着体に貼りつけて使用することができ、すなわち看板用途標示物として使用することができる。この場合支持体が軟質塩化ビニルである場合には屋外看板用途としての利用価値がある。
【0022】
また、本発明に使用されるインク中の有機顔料として具体的には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料、イソインドリノンエロー,イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料、チオインジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料が例示できる。
【0023】
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、137、138、147、148、151、153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175,176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0024】
本発明のインクジェット用記録液は、有機顔料を、分散剤と必要に応じて下記一般式の化合物とともに水に微細分散してなる有機顔料の分散液と、平均粒径50〜300nmの樹脂粒子の分散液とを混合攪拌することにより製造される。
一般式 P−〔X−Y−Z−N(R)R 〕n
(但し、式中、Pは有機色素残基、複素環残基または芳香族多環化合物残基、Xは、S、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せからなる2価の結合基、Yは直接結合、−NR−(但し、RはHまたは炭素数1〜18のアルキル基)、−O−から選ばれる2価の結合基、Zは炭素数1〜6のアルキレン基,R、Rはそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、またはRとRとで複素環を形成してもよく、該複素環は置換基を有していてもよく、nは1〜3の整数を示す。)
【0025】
分散剤としては、各種界面活性剤、低分子量の分散剤、親水性官能基と疎水性官能基とを有する樹脂系の分散剤等が用いられる。界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
【0026】
アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が例示できる。
【0027】
非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等の非イオン性活性剤が例示できる。
【0028】
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が例示できる。有機顔料の水への微細分散は、サンドミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、パールミル,超音波分散機等の分散機を用いる方法にて行うことができる。
【0029】
有機顔料をさらに微細化するためには、有機顔料を水溶性無機塩、水溶性溶剤および必要に応じて一般式の化合物とともに混練し、水に分散したのち、水溶性無機塩および水溶性溶剤を除去して有機顔料の分散液を製造することが好ましい。該方法では水溶性無機塩を破砕助剤とし、有機顔料の一次粒子を機械的に細かくする。具体的には、有機顔料と水溶性無機塩と必要に応じて下記一般式化合物の混合物に湿潤剤として少量の水溶性溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、水中に投入しハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次に、スラリーのろ過、水洗を繰り返して水溶性無機塩と水溶性溶剤を除去する。
【0030】
一般式におけるXとして具体的には、−SO− 、−CO−、−CH−、−CHS−、−CHO−、−O−、−COO−、−NH−、−CHNHCOCH−、またはこれらの組合せが挙げられるが、なかでも−SO−、−CO−、−CH−が好ましい。また、RとRとで形成される複素環の炭素以外の構成元素とてはN、O、Sが挙げられる。なお、有機顔料と上記一般式化合物におけるP、すなわち有機色素残基,複素環残基または芳香族多環化合物残基とは、通常色相の関係から同一の系のものが組み合わされ、特に青色顔料に対してはフタロシアニン系残基、赤色顔料に対してはキナクリドン系残基、黄色顔料に対してはベンズイミダゾール系残基のものを組み合わせることが好ましいが、必ずしも一致している必要はない。
【0031】
また,上記一般式化合物は,ニーダー処理時の湿潤剤として用いる水溶性溶剤に一部可溶であることが好ましく、可溶性でないときには、一般式化合物に希薄な酸を加えて中和処理等を行い可溶性にすることが好ましい。酸としては、酢酸、塩酸、硫酸等が使用できる。
さらに,本発明においては上記一般式で示される化合物を二種類以上を併用することもできる。
【0032】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
【0033】
水溶性溶剤は、特に限定されないが、ニーダー処理時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点の溶剤が好ましい。
例えば、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0034】
有機顔料を水溶性無機塩、水溶性溶剤および必要に応じて一般式の化合物とともに混練する際には、分散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良い。また、2種以上の有機顔料を混合して微細分散しても良い。得られた有機顔料の分散液と平均粒径50〜300nmの樹脂粒子の分散液とを、必要に応じて水、水性溶剤および分散剤とともに混合攪拌することにより、樹脂粒子の周囲を有機顔料が覆ってなる着色粒子を、水性の液体中に分散してなるインクジェット用記録液が得られる。混合攪拌は、通常の羽を用いた攪拌機のほか、高速の分散機、乳化機等の混合攪拌機により行うことができる。
【0035】
本発明のインクジェット用記録液には、着色粒子を強固に定着させるために水溶性樹脂を用いることもできる。水溶解性樹脂としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の水に溶解する樹脂を挙げることができる。水溶解性樹脂は、記録液中に5重量%以下の範囲で用いることが好ましい。5重量%を越えて用いると、記録液の吐出安定性を低下させることがある。
【0036】
本発明のインクジェット用記録液は、水および必要に応じて水性溶剤を含む水性の液体を媒体とする。水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水を用いる。水性溶剤は、記録液のノズル部分での乾燥、記録液の固化を防止し、安定な記録液の噴射およびノズルの経時での乾燥を防止するために、単独ないし混合して記録液の0〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0037】
水性溶剤としては,エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等を例示できる。
【0038】
また、記録液の紙での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類も用いることができる。記録液の被印刷体が紙のような浸透性のある材料のときには、紙への記録液の浸透をはやめ見掛けの乾燥性を早くするため、浸透剤を加えることができる。
浸透剤としては、水性溶剤として例示したジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル、アルキレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等を用いることができる。これらは、記録液の5重量%以下の使用量で十分な効果があり、これよりも多いと印字の滲みを起こし好ましくなくなる。
【0039】
本発明の記録液には、黴の発生を防止するために、防黴剤を記録液の0.05〜1.0重量%の範囲で添加することができる。防黴剤としては,デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が用いられる。
【0040】
また、ノズル部での金属の析出や記録液中で不溶解性物の析出等を防止するために、キレート剤を記録液の0〜0.5重量%の範囲で用いることができる。キレート剤は記録液中の金属イオンを封鎖するものであり、具体的には、エチレンジアミンテトラアセティックアシド、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのジアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩等が挙げられる。
【0041】
また、記録液のpHを調整し、記録液の安定ないし記録装置中の記録液配管との安定性を得るため、アミン、無機塩、アンモニア等のpH調整剤、リン酸等の緩衝液を用いることができる。また、記録液の循環、移動、あるいは記録液の製造時の泡の発生を防止するため、消泡剤を添加することもできる。
さらに、色相の調整,濃度の付与等を目的として、耐水性,耐光性に問題の無いような形にて、染料を用いることができる。染料の使用によって顔料の分散安定性を悪くすることもあるので、使用量は顔料の40重量%以下、さらには25重量%以下に止めることが好ましい。染料としては、分散染料、油溶性染料等の水不溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料等をレーキ化により不溶化した染料、反応性染料、含金属染料等が用いられる。染料は、無機塩の除去された精製染料が好ましい。
【0042】
その他の添加剤として、尿素、ジメチル尿素等を加えることもできる。記録液は、記録装置の方式にもよるが、粘度0.8〜15cps(25℃)の液体として調整することが好ましい。表面張力は、25〜60dyn/cmが好ましい。pHは、特に制約されないが4〜12の範囲であり、7〜10の中性ないし弱アルカリ性が好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
「マゼンタインキの製造」
キナクリドン系赤顔料100部と分散助剤である塩化ナトリウム500部とポリエチレングリコール300を100部ニーダに仕込み、6時間混練した。次にハイスピードミキサーにて約1時間攪拌してスラリー状とした。濾過、水洗を8回繰り返して平均粒子径80nmの水性赤顔料スラリーIを得た。
【0044】
サンドミルに下記の原料を入れて2時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作製した。
水性赤顔料スラリーI(固形分50%) 50.0部
アクリル樹脂水溶液(平均粒子径300nm、酸価60) 3.0部
pH調整剤 0.1部
非イオン性活性剤 1.0部
精製水 50.0部
グリセリン 6.0部
【0045】
「シアンインキの製造」
銅フタロシアニン顔料100部、塩化ナトリウム500部、青色顔料分散剤(P−〔CHNH(CHN(CH、Pは銅フタロシアニン残基)50部およびポリエチレングリコール(東京化成社製「ポリエチレングリコール300」)100部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練し、ハイスピードミキサーで撹拌してスラリー状とした。濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコールを除き、固形分50%、平均粒子径70nmの水性青顔料スラリーIIを得た。
【0046】
サンドミルに下記の原料を入れ3時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作製した。
水性青顔料スラリーII(固形分50%) 30.0部
アクリル樹脂水溶液(平均粒子径250nm、酸価80) 3.0部
非イオン性活性剤 1.0部
精製水 50.0部
グリセリン 6.0部
上記インクジェット用濃縮記録液 13.7部
非イオン性活性剤 0.2部
アクリル樹脂エマルジョン 2.5部
エチレングリコール 10.0部
防黴剤 0.15部
pH調整剤 0.02部
精製水 63.53部
【0047】
「イエローインキの製造」
ベンズイミダゾロン顔料100部、塩化ナトリウム500部、黄色顔料分散剤(P−〔CHNH(CHN(CH、Pはベンズイミダゾール残基)50部およびポリエチレングリコール(東京化成社製「ポリエチレングリコール300」)100部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練し、ハイスピードミキサーで撹拌してスラリー状とした。濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコールを除き、固形分50%、平均粒子径50nmの水性黄顔料スラリーIIIを得た。
サンドミルに下記の原料を入れ3時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作製した。
水性黄顔料スラリーIII(固形分50%) 30.0部
アクリル樹脂水溶液(平均粒子径100nm、酸価50) 3.0部
非イオン性活性剤 1.0部
精製水 50.0部
グリセリン 6.0部
下記の原料を混合したのち1μmのメンブランフィルターで濾過し、更に0.45μmのメンブランフィルターで濾過して記録液を製造した。
上記インクジェット用濃縮記録液 13.5部
非イオン性活性剤 0.2部
アクリル樹脂エマルジョン 2.2部
エチレングリコール 10.0部
防黴剤 0.15部
pH調整剤 0.02部
精製水 63.53部
このイエロー記録液、マゼンタ記録液、シアン記録液をそれぞれ10部ずつ採取し、エプソン社製MJ700V2Cのカラーインクカートリッジにセットした。
【0048】
「ブラックインキの製造」
MICROJET M−800(オリエント化学工業)カーボンブラック水性分
散体(平均粒子径60nm、固形分20%) 13.5部
非イオン性活性剤 0.2部
アクリル樹脂エマルジョン(平均粒子径50nm、酸価60) 2.2部
エチレングリコール 10.0部
防黴剤 0.15部
pH調整剤 0.02部
精製水 63.53部
このブラック記録液を10部ずつ採取し、エプソン社製MJ700V2Cのブラックインクカートリッジにセットした。
【0049】
受容層用塗工液の作成
メチルメタアクリレート 54.7部
エチルアクリレート 25.8部
アクリル酸 8.6部
2−ヒドロキシエチルメタアクリレ−ト 10.9部
これらを1リッター丸底フラスコに入れ、イソプロピルアルコール66.2部の存在下、窒素ガス雰囲気下で反応温度80度で均一に撹拌しながら、過酸化ベンゾイルを0.1部イソプロピルアルコール69.9部に溶解した重合開始剤溶液を3時間かけて滴下し、重合させ、更にアンモニア9.6部、水24.2部加え塗工剤樹脂溶液とした。合成した樹脂の物性は次の通りであった。
酸価67、ガラス転移点62度、溶液のpHは10.5、固形分37.0%、粘度1230cpsであった。
更に下記の結晶セルロースの分散液を作成した。
旭化成工業社製「セオラスSC−701」 10.0部
精製水 90.0部
これらをエースホモジナイザー(日本精機(株)製)で10,000rpm、5分間撹拌し、結晶セルロースの分散液とした。
【0050】
合成した樹脂溶液40部、精製水20部、ジメチルエタノールアミン2.0部、ジアセトンアルコール20部に結晶セルロース分散液24部加え、再度ホモジナイザーで10,000rpm、1分間分散後、一昼夜静置しインクジェットインク受容層用塗工液とした。
【0051】
この樹脂溶液を、軟質塩ビシート:ダイナカルDC1001(東洋インキ製造(株)製)上にグラビアコーターで乾燥膜厚が25μになるよう塗工し、インクジェット用記録媒体を得た。
【0052】
このインクジェット記録媒体に前記のインクジェットインクをエプソン社製MJ700V2Cにて印刷したところ、インクの境目がにじまないフルカラーの印刷物を得ることができた。更にこの印刷物を水に浸漬し、水中で擦ったが印刷面は全く傷がつかない耐水性が良好な印刷物を得ることができた。更に印刷物の耐光試験をみるべく半年に亘り沖縄暴露試験を行ったところ、暴露前と暴露後の基材の黄変が認められなかったため、掲示印刷物としても実用に十分耐えうる品質であることが確認できた。
【0053】
実施例2
支持体を軟質塩ビシートから低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製GF−1)に変えた以外は実施例1と同様の試験を行ったところ、インクの境界も鮮やかでかつ水中での擦過試験でも塗膜ハガレがなく、耐水性も良好で沖縄暴露試験においても黄変のない印刷物を得ることができた。
【0054】
実施例3
結晶セルロースをセオラスSC−701からアビセルRC−591(旭化成工業(株)製)に変えた以外は実施例1と同様の試験を行ったところ、インクの境界も鮮やかでかつ水中での擦過試験でも塗膜ハガレがなく、耐水性も良好で沖縄暴露試験においても黄変のない印刷物を得ることができた。
【0055】
比較例1
下記の樹脂を合成した。
メチルメタアクリレート 62.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 23.0部
メタクリル酸 15.0部
これらを1リッター丸底フラスコに入れ、イソプロピルアルコール66.2部の存在下、窒素ガス雰囲気下で反応温度80度で均一に撹拌しながら、過酸化ベンゾイルを0.1部、イソプロピルアルコール69.9部に溶解した重合開始剤溶液を3時間かけて滴下し、重合させ、更にジメチルアミノエタノール8.5部、水25.3部加え塗工剤樹脂溶液とした。合成した樹脂の物性は次の通りであった。
酸価98、ガラス転移点53度、溶液のpHは8.5、固形分36.5%、粘度560cpsであった。
あとは、セルロース分散液を作成し、インクジェット用受容層のための塗工液を作成し、実施例1と同じ方法にてインクジェット受容層を作成し、2色重ねの印刷試験を実施したところ、インクの乾燥が悪く、かつ水中での擦過試験では塗工膜が支持体である塩ビから簡単に剥がれ落ちてしまい実用に耐えなかった。
【0056】
比較例2
下記の樹脂を合成した。
スチレン 70.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 17.0部
アクリル酸 13.0部
これらを1リッター丸底フラスコに入れ、イソプロピルアルコール66.2部窒素ガス雰囲気下で反応温度80度で均一に撹拌しながら、過酸化ベンゾイルを0.1部、イソプロピルアルコール69.9部に溶解した重合開始剤溶液を3時間かけてて滴下し、重合させ、更にアンモニア12.1部、水21.7部加え塗工剤樹脂溶液とした。合成した樹脂の物性は次の通りであった。
酸価100、ガラス転移点60度、溶液のpHは8.5、固形分37.2%、粘度1000cpsであった。
あとは、セルロース分散液を作成し、インクジェット用受容層のための塗工液を作成し、実施例1と同じ方法にてインクジェット受容層を作成し、2色重ねの印刷試験を実施したところ、インクの乾燥が悪く、かつ水中での擦過試験では塗工膜が支持体である塩ビから簡単に剥がれ落ちてしまい実用に耐えなかった。
【0057】
印刷状態については、記録液をインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製「MJ700V2C)のカートリッジに入れて記録を行い,記録物の印字状態を目視評価した。
良:ドット抜け、インクの滲みなし。
不良:ドット抜け、インクの滲みなし。
耐水性については、記録した記録物を乾燥後、24時間水に浸漬した時のインクのにじみ、流れだしの有無を水中にて指の腹で擦るいわゆるラビングテストを行い目視にて評価した。
【0058】
良:インキのにじみ、流れだしなし。及び塗膜面の膜ハガレなし。
不良:インキのにじみ、流れだしあり。及び塗膜面の膜ハガレあり。
基材への塗膜の密着性は、インクでの印刷前に碁盤目クロスカットを行い、1センチ平方メートルあたり100個にカットしたマスを作成し、ニチバン製セロファンテープにて180°ピールテストを行い良否を判定した。
良 :剥離なし。
不良:部分剥離含む前面剥離あり。
耐光性は、沖縄にて掲示前と半年掲示後の暴露試験を被記録材料のみとフルカラーベタ印刷試験片をミノルタ色彩色差計CR−100にて計測した。
【0059】
良 :色差ΔEが6を越えないもの。
不良:色差ΔEが6を越えてしまったもの。
【0060】
【表1】
Figure 0003586960
【0061】
【発明の効果】
本発明により,水を媒体としたインクジェットインクを噴射して得た印刷物が印刷性がよく、かつ基材への密着性が良好で、更に印刷直後の耐水性に優れた被記録媒体を得ることができたこと、および耐光性のよい水性顔料インキとの組み合わせで、耐水性がありオフィス用途以外の屋外看板用途及びマーキング材料として、ラミネートなどの後処理なしで実用に耐えうる掲示印刷物を作成することができた。

Claims (3)

  1. プラスチックフィルムからなる支持体の片方の面に水性インク受理層を有し、他方の面に粘着層を有するインクジェット受容体に、平均粒径50〜300nmの樹脂粒子の周囲を有機顔料が覆ってなる着色粒子を水性の液体中に分散してなるインクを噴射する掲示印刷物用ジェット印刷方法であって、上記水性インク受容層の樹脂組成がメチルメタクリレートとエチルアクリレートとカルボキシル基を有するラジカル重合可能な単量体を主成分とするポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体および結晶性セルロースを含有することを特徴とするジェット印刷方法。
  2. 水性インク受容層の樹脂組成がメチルメタクリレートとエチルアクリレートとカルボキシル基を有するラジカル重合可能な単量体を主成分とするポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体の酸価が50〜80の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の掲示印刷物用ジェット印刷方法。
  3. 水性インク中の有機顔料の平均粒径が10〜70nmであることを特徴とする請求項1記載の掲示印刷物用ジェット印刷方法。
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