JP3586367B2 - 光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食缶あるいは飲料缶に用いられる金属缶用素材であるブリキ、ティンフリースチールなどの金属板は、製缶工程での環境対策、缶のフレーバー性(内容物の味、香りなどの保持性)向上および製缶工程省略等を目的として、2軸配向熱可塑性樹脂フィルムを被覆することが検討されてきた。例えば、ポリエステル樹脂フィルムを接着剤を用いることなく金属板に被覆する方法(特開平3−212433号公報)、2軸配向ポリエステル樹脂フィルムを特定の接着剤を用いて金属板に被覆する方法(特公昭63−13829号公報)などが開示されている。被覆された2軸配向ポリエステル樹脂フィルムは、缶の内容物側が2軸配向層、金属板との接着面側が無配向層の2層構造となり、耐食性と金属板との接着性の両者を満足する。2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの金属板への被覆工程において、加熱により、金属板側のフィルム面(層)の2軸配向が金属板との優れた接着性を示す無配向となり、その後の冷却により、内容物側のフィルム面(層)は耐食性に優れた2軸配向が維持される。その両者がうまくバランスすることで、耐食性、金属板との密着性や成形加工性を発現できる。
【0003】
この2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの被覆後の2軸配向度は、X線回折強度で求められる。例えば、(1)被覆後の2軸配向ポリエステル樹脂フィルムのX線回折強度を2Θ=15°〜30°の範囲で測定する。(2)2Θ=15°、2Θ=30°におけるX線回折強度を直線で結びベースラインとする。(3)2Θ=23°〜29°近辺にあらわれる最も高いピークの高さをベースラインより測定する。また、一般的に、2軸配向ポリエステル樹脂フィルム表面の2軸配向度として、面配向係数が用いられている。面配向係数は、被覆前または被覆後の2軸配向ポリエステル樹脂フィルム表面の縦方向、横方向および厚さ方向の屈折率をアッベの屈折率計で測定し、それぞれの屈折率をA、BおよびCとし、面配向係数N=(A+B)/2−Cから求められる。
【0004】
しかし、2軸配向度(X線回折強度)が同じ値であっても、2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板の特性が異なる場合がある。2軸配向度(X線回折強度)は、2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの厚さ方向の2軸配向度の合計量であり、合計量は同じでも厚さ方向の2軸配向度の分布(断面構造)が異なる場合があるためである。例えば、2軸配向度の合計量(X線回折強度)が同じ時、2軸配向度が厚さ方向に均一に分布した2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板のフィルムと金属板の接着性は、金属板との接着面側の2軸配向度が内容物側より小さい2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板より劣る。ここで、2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板から2軸配向ポリエステル樹脂フィルムを剥離して、そのフィルムの内容物側、金属板との接着面側の表面の面配向係数を測定することは可能である。しかし、被覆した2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの厚さ方向における配向度の傾斜、分布も耐食性やフィルムと金属板の接着性に密接に関係するため、面配向係数では不十分である。従って、被覆後の2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの2軸配向度の傾斜、分布(断面構造)を測定することは、その2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板の特性を明確にすることやその被覆工程(加熱・冷却条件)を適正化するために極めて重要である。
【0005】
2軸配向ポリエステル樹脂フィルムのような光学的異方性物質の断面構造の評価方法として、偏光顕微鏡で直交ニコル下において観察および写真撮影が行われているが、輝度あるいは干渉色が連続的に変化するために、観察者の主観による判断に頼られ、統一的かつ客観的な測定は困難である。光学的異方性物質の組織の定量的測定方法として、反射式偏光顕微鏡を用いて、偏光の振動面の方向を変えて反射光の光量を測定し、光学的異方性組織の配向方向を検出する方法(特公平6−63966号公報)が開示されている。しかし、この方法は光学的異方性物質の配向方向や光学的等方性物質中の光学的異方性物質の大きさ、形状、分布状態を測定する手段としては有効であるが、2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの厚さ方向の配向度の傾斜、分布を測定することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、2軸配向ポリエステル樹脂フィルムのような光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の厚さ方向の配向度の傾斜、分布(断面構造)を測定する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造を測定する方法に関して、種々の検討を行った結果、透過式偏光顕微鏡を用いて、試料を透過した偏光の振動面の方向を変えて透過光の光量を測定し、その光量の変化に基づいて、試料の複屈折の変化を検出することを利用する方法を新たに見出し、本発明を成し遂げたものである。
【0008】
本発明の特徴とするところは、
(1)光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化に基づいて該断面の厚み方向の複屈折分布を検出することを特徴とする光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法。
(2)光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変える方法としてパルスモーター駆動の偏光板を用い、この操作、光量検出、記録作業をパーソナルコンピューターで制御することを特徴とする(1)記載の光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法。
(3)複屈折既知の光学的異方性物質と断面構造を測定する光学的異方性を示す熱可塑性樹脂を同時に包埋した試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該光学的異方性物質と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、該光学的異方性物質の複屈折と該光量の変化とに基づいて該試料の厚さ(該樹脂の断面の垂直方向の長さ)を検出後、該試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該樹脂断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化と検出した該試料の厚さに基づいて該断面の厚み方向の複屈折分布を検出することを特徴とする(2)記載の光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法、
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詳細について述べる。
本発明の光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法は、光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化に基づいて該断面の複屈折を検出するものである。また、透過した光に対して偏光の振動方向を変える方法としてパルスモーター駆動の偏光板を用い、この操作、光量検出、記録作業をパーソナルコンピューターで制御するものである。
【0010】
複屈折とは、光学的異方性物質に光が入射する時、一般に2つの屈折光が現れる現象をいう。例えば、2軸配向ポリエステル樹脂フィルムは、フィルム平面方向の屈折率と厚さ方向の屈折率が異なり、2つの屈折率を有する。
【0011】
複屈折の検出方法を以下に示す。直線偏光を光学的異方性物質に入射させる時、その振動方向を光学的異方性物質の低屈折率方向と高屈折率方向に対して45°の角度にすると、高屈折率方向での光の振動が低屈折率方向よりも遅くなり、位相の遅れ(位相差)を生じる。この位相差はレターデーションと呼ばれ、光学的異方性物質の複屈折と光学的異方性物質を通過する光の光路長(光学的異方性物質の厚さ)の積と等しい((1)式)。(1)式から、複屈折は(2)式で算出され、レターデーションと光路長を求める必要がある。
【数1】
R=Δn×d … (1)
R :レターデーション(μm)
Δn:複屈折
d :光路長(試料厚さ)(μm)
【数2】
Δn=R/d … (2)
【0012】
光学的異方性物質のレターデーションを測定するためには、直線偏光を光学的異方性物質に入射させ、レターデーションを生じさせる。光学的異方性物質を通過後、直線偏光は楕円偏光となるが、その後、コンペンセーターを通過させることで、最初の直線偏光の振動方向に対してΘの角度を持った直線偏光となる。この時のΘは、(3)式で表され、Θを測定することにより、レターデーションを算出することができ、(2)式と(3)式から、複屈折は(4)式で算出される。また、Θは、透過光の光量が最小となるアナライザーの角度である。
【数3】
Θ=(180×R)/λ … (3)
Θ :コンペンセーター通過後の直線偏光の振動方向(deg)
λ :測定に使用した光の波長(μm)
【数4】
Δn=(Θ×λ/180)/d …(4)
【0013】
本発明の測定方法を図1、2を用いて、鋼板に加熱圧着された2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの断面構造の測定を例に説明する。図1は、本発明で使用される装置構成の1例である。図2は、透過式偏光顕微鏡1の構成の1例である。
【0014】
2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆鋼板を50%塩酸に浸漬し、鋼板を溶解して2軸配向ポリエステル樹脂フィルムを単離する。2軸配向ポリエステル樹脂フィルムは12時間以上減圧乾燥した後、幅約1mm、長さ約15mmに切り出し、エポキシ樹脂にて包埋する。エポキシ樹脂が十分に硬化後、ミクロトーム(日製産業製ウルトラミクロトーム)にて2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの平面方向(長さ方向)に厚さ1〜5μmに切り出す。切り出した試料は、プレパラートとカバーガラスに試料断面がそれぞれのガラス面に接触するように挟む。プレパラートとカバーガラス間に挟んだ試料を透過式偏光顕微鏡1のステージ12にセットする。ポラライザーとアナライザーの目盛が0(直交ニコル)となっていることを確認する。試料をセットしたステージ12を回転させて、試料が最も明るく見える対角位にする。この時、光源9から出た光は干渉フィルター10(λ=0.546μm)を通過して単色光となり、ポラライザー11を通過して直線偏光となり、試料の断面の垂直方向に照射する。試料を通過した光は楕円偏光となり、セナルモン型コンペンセーター13通過後に最初の直線偏光にΘの角度を持った直線偏光となり、アナライザー14を通過して、カメラ2へ送られる。
【0015】
次に、ステップ角度を例えば1〜5°で、アナライザー14をパルスモーター駆動装置5で回転させ、各ステップ角毎の偏光角と画像4(例えば、画素の分割数は512×480ドット)をパーソナルコンピューター6に接続した入力画像メモリ3に記憶させる。各画素毎に光量の最小となる偏光角Θを求め、最小光量画像と偏光角Θデータ画像を作成する。求めた偏光角Θデータと切り出した試料の厚さ(光路長d)を元に(4)式から各画素毎の複屈折を求める。複屈折の画像より、複屈折にしきい値を設け、色分けしてパソコンモニター7上にカラー表示する。
【0016】
また、図3に示すように、横軸に試料の断面の厚さ、縦軸に複屈折をとった厚さと複屈折の関係(厚さ方向の複屈折の傾斜、分布)を表すグラフを作成し、パソコンモニター7上に表示する。この時の複屈折は、幅方向のある特定の位置の厚さ方向の画素の複屈折、あるいは任意に指定した幅の厚さ方向の複屈折の平均値とすることができ、測定の目的や測定対象物の性質等により任意に定められる。さらに、測定する光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の大きさ、測定倍率、測定面積(幅)等は、特に限定されるものではなく、測定対象物の性質、測定の目的により任意に定められる。また、求めた複屈折データやレターデーションデータ等を用い、市販の表計算ソフトでグラフを作成することもできる。
【0017】
(4)式で複屈折を求める時の光路長dは、ミクロトームの設定値を切り出した厚さと考えて用いても良いが、実際の切り出した厚さは、設定値±0.5μm程度のばらつきがあり、複屈折の値の精度が劣る可能性がある。また、ミクロトームで切り出した試料の縦横は数mm程度のため、簡単に厚さを測定するのは困難である。基準材となるものを用いて、切り出した試料の光路長dを求める方法として次の方法が挙げられる。測定の対象とする光学的異方性を示す熱可塑性樹脂と一緒に複屈折既知の光学的異方性物質(例えば、複屈折Δn=α)をエポキシ樹脂に包埋して、例えば、設定値βμmとしたミクロトームで切り出した後、複屈折既知の光学的異方性物質の透過光の光量の最小となる偏光角Θを測定し、そのΘと光路長d=βを用いて、(4)式から複屈折Δnを求める。そして、複屈折Δn=αとなる試料を光路長d=βとして、一緒に包埋した対象物の測定用試料として用いる方法がある。この方法では、複屈折の値の精度は高くなるが、複数枚の試料の切り出したが必要となる場合があり、煩雑で作業性が低下する。
【0018】
本発明では、複屈折既知の光学的異方性物質と断面構造を測定する光学的異方性を示す熱可塑性樹脂を同時に包埋した試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該光学的異方性物質と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、該光学的異方性物質の複屈折と該光量の変化とに基づいて該試料の厚さ(該樹脂の断面の垂直方向の長さ)を検出後、該試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該樹脂断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化と検出した該試料の厚さに基づいて該断面の複屈折を検出するものである。
【0019】
すなわち、測定の対象とする光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の小片と一緒に複屈折既知の光学的異方性物質(例えば、複屈折Δn=α)をエポキシ樹脂に包埋して、例えば、設定値γμmとしたミクロトームで切り出した後、請求項1、2に係る本発明方法により、フィルム試料中の光学的異方性物質について、透過光の光量の最小となる偏光角Θを測定して、そのΘと複屈折Δn=αを用いて、(4)式から光路長d=γを求める。その求めた光路長d=γを用いて請求項1、2に係る方法により一緒に包埋した対象物の厚み方向における複屈折を検出することができる。この方法を用いることで、複屈折の値の精度も高く、かつ、切り出す試料は1枚で良いため、作業性も大幅に向上する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
表1に示すポリエステル樹脂被覆鋼板を50%塩酸に浸漬し、鋼板を溶解してポリエステル樹脂を単離後、12時間以上減圧乾燥した。図1の構成の装置により、単離した熱可塑性ポリエステル樹脂の断面構造(厚さ方向の複屈折の分布)を測定した。実施例5は、被覆前の2軸配向ポリエステル樹脂フィルムを測定した。測定結果を図4〜11に示す。本発明の測定方法を用いることで、X線回折強度や面配向係数が同じでも、断面構造に違いがあることがわかる。実施例8(図11)は、本測定で得られた複屈折データを元に、表計算ソフト「Excel 」(Microsoft 社製)を用いて作成したグラフを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【0023】
【発明の効果】
本発明により光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の厚さ方向の複屈折(配向度)の傾斜、分布(断面構造)を測定することが可能になり、断面構造と特性の関係を定量的に評価できる。また、2軸配向ポリエステル樹脂フィルム被覆金属板において、被覆後の2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの断面構造とその特性の関係から、被覆工程の適正化や特性向上への指針を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定装置の構成の1例を示す図である。
【図2】透過式偏光顕微鏡の構成の1例を示す図である。
【図3】2軸配向ポリエステル樹脂フィルムの断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)の1例を示す図である。
【図4】実施例1の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図5】実施例2の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図6】実施例3の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図7】実施例4の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図8】実施例5の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図9】実施例6の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図10】実施例7の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【図11】実施例8の測定から得た断面構造のグラフ(複屈折/厚さ)である。
【符号の説明】
1 透過式偏光顕微鏡
2 カメラ
3 画像メモリ
4 ビデオモニター
5 パルスモーター駆動装置
6 パーソナルコンピューター
7 パソコンモニター
8 インターフェース
9 光源
10 干渉フィルター
11 ポラライザー
12 ステージ
13 セナルモン型コンペンセーター
14 アナライザー
Claims (3)
- 光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化に基づいて該断面の厚み方向の複屈折分布を検出することを特徴とする光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法。
- 光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変える方法としてパルスモーター駆動の偏光板を用い、この操作、光量検出、記録作業をパーソナルコンピューターで制御することを特徴とする請求項1記載の光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法。
- 複屈折既知の光学的異方性物質と断面構造を測定する光学的異方性を示す熱可塑性樹脂を同時に包埋した試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該光学的異方性物質と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、該光学的異方性物質の複屈折と該光量の変化とに基づいて該試料の厚さ(該樹脂の断面の垂直方向の長さ)を検出後、該試料の該樹脂の断面の垂直方向に、偏光板を通過し直線偏光にした光を照射し、該樹脂断面と非線形光学物質を透過した光に対して偏光の振動方向を変えて透過光の光量を測定し、測定面を複数画素に分割し、各画素における該光量の変化と検出した該試料の厚さに基づいて該断面の複屈折を検出することを特徴とする請求項2記載の光学的異方性を示す熱可塑性樹脂の断面構造の測定方法。
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