JP3585869B2 - 取引支援設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品又は役務を提供する複数の提供者と、これら商品又は役務の提供を受ける複数の需要者との間で交わされる商取引を、コンピュータシステムを介して支援するための取引支援設備、情報処理装置及びマッチング支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットに代表される通信システムやコンピュータの発達で、近時、インターネットの情報性及びリアルタイム性を利用したサイバーオークションシステムあるいはサイバー競売(買)システムとも言うべきシステムが脚光を浴びつつある。このようなものとして、一つの商品又は役務に関して、複数の買い手がインターネットを利用して買値を提示し、最も高い価格を提示したものが商品を購入することができるといった通常のオークションシステムや、逆に一つの商品又は役務に関する買い希望について、複数の売り手がインターネットを利用して売り価格を提示し、その中から最も安い価格を提示したものが販売できるといった逆オークションシステムの他、他人の提示価格情報を見ることができないようにした入札タイプのもの等、これらのバリエーションに係る種々のものが考えられている。
【0003】
しかして、いずれのものも、従来の商慣行上当然のことながら、売り手と買い手との各提示価格が一致して(仲介手数料が差し引かれる場合もあるが)初めて取引が成立する点で一致する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシステムでは、1回の競売(買)において、一つの商品又は役務についての1組の売り手と買い手のみしか売買が成立しないため、取引成立確率が極めて低く、落札できなかった買い手又は売り手は、他のオークション等を探して再エントリしなければならないなど、取引成立までの手間と時間がかかってしまう場合が多い。また、過当競争に陥りやすく、健全な商取引を維持しにくいうえ、オークションのように、例えば買い手が最初の提示価格からどんどん価格を吊り上げていって最終的に落札した後、同種類の他の商品が再びオークションにかけられてもっと安い値で他の買い手に落札された場合に、その買い手に不満感や不公平感が残る場合もある。
【0005】
そこで、1回のオークションで、複数組の売り手と買い手との売買を成立させ、上述した問題点を解決することが容易には考えられるが、売り手と買い手の価格を一致させて取引を成立させるためには、各売り手又は各買い手の提示価格を変更可能なものとせざるを得ず、そうした場合に、どのような基準で売り手と買い手の双方に不満の残らない状態でマッチングさせるかのルールを定めることが極めて難しいものとなる。
【0006】
そこで本発明は、売り手と買い手との各提示価格が一致して初めて取引が成立するという従来の商取引の常識を覆し、提供者と需要者との間での提示価格が一致せずともマッチングさせるようにすることにより、1度のマッチングステップで複数組の取引が成立し得るようにした全く新しいものであって、従来の不具合を解決し、迅速かつ適正な商取引を可能とするとともに取引成立確率が非常に高くなるようにして、広く商取引界全体に貢献することを主たる目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、提供者及び需要者がそれぞれ使用する端末コンピュータと通信回線を介して接続したサーバコンピュータを備えてなるものであって、当該サーバコンピュータが、各提供者Xの端末コンピュータに入力された提供価格を含む提供条件データを受信して受け付け、それら提供条件データを当該提供者Xに関連付けて蓄積し、少なくとも前記条件入力に際しては提供価格を当該提供者X本人にのみ開示する提供条件受付手段1と、各需用者Yの端末コンピュータに入力された購買価格を含む購買条件データを受信して受け付け、それら購買条件データを当該需用者に関連付けて蓄積し、少なくとも前記条件入力に際しては購買価格を当該購買者Y本人にのみ開示する購買条件受付手段2と、それら蓄積された複数の提供条件データに含まれる提供価格と複数の購買条件データに含まれる購買価格とを比較して、個別の提供価格と購買価格とが一致しなくても、マッチングされるべき複数の購買価格の合計額から複数の提供価格の合計額を引いた差額がプラスとなる組み合わせで、それらの価格を含む複数の提供条件データと複数の購買条件データとをマッチングさせるマッチング手段4と、そのマッチングされた購買条件データと提供条件データのなかから、購買条件データを提示した個別の需要者Yと提供条件データを提示した個別の提供者Xとの間でそれら購買条件データに含まれる購買価格及び提供条件データに含まれる提供価格での取引を成立させるために何れかの提供条件データと何れかの購買条件データとを結びつける処理を行う。
【0008】
特にマッチング手段は、提供条件受付手段で蓄積された複数の提供条件データを、提供価格の低いものから順番に並べ替える第1の並べ替え手段と、購買条件受付手段で蓄積された複数の購買条件データを、購買価格の高いものから順番に並べ替える第2の並べ替え手段と、これら第1の並べ替え手段及び第2の並べ替え手段により並べ替えられた各条件データを先頭からそれぞれ等数抽出した場合の合計価格を提供条件データ及び購買条件データそれぞれについて算出する算出手段とを具備するものであり、この算出手段で算出された購買価格の合計額から提供価格の合計額を引いた差額がプラスとなる組み合わせの範囲内で、それらの価格を提示した複数の提供条件データと複数の需用条件データとをマッチングさせる処理を行うものである。
【0009】
ここで、「提供価格」とは、例えば100円とか千円とかのように、幅を有さない価格を言うのはもちろんのこと、100円以上200円以下といった幅を有する価格も含む。「購買価格」についても同様である。また、「提供者に関連づけて」とは、提供者に割り当てたパスワード等の識別子を利用して、その提供条件データを提供者本人に関連づけることのほか、例えば提供者が端末コンピュータを用いてアクセスしてきた場合に、その端末コンピュータに関連づけることも含む。「需要者に関連づけて」についても同様である。さらに、「取引を成立させる処理」とは、マッチングが成立したことを通知したり、決済の仲介を行ったりすることの他、取引そのものを成立させることも含んで、取引の成立に至る種々の処理の一部又は全部を行うことをいう。
【0010】
このようなものであれば、個別の提供価格と購買価格との一致、不一致に拘わらず複数の提供条件データと複数の購買条件データとの間での組み合わせでマッチングが行われるので、一度のマッチングで、複数組の取引を成立させることが簡単な手順で容易に可能となり、従来のサイバーオークションシステム等の欠点であった取引成立の困難性、希少性を打破できるうえ、取引成立に至る迅速性も担保できるようになる。加えて商品又は役務についての売買情報を一箇所に集中させ得るため、その情報を分析し、ビジネスの動向等に有効に活用することも可能になる。
【0011】
さらに、少なくとも条件入力の際には同業者のみならず相手側の個々の条件情報特に価格に関する情報を知ることができない状態にあり、このようにして受け付けた提供価格と購買価格を基にして複数の提供条件データと複数の購買条件データとをマッチングさせ、更にマッチングされた条件データを入力した複数の提供者と複数の需用者とを各々が提示した価格で取引を成立させるという、いわばダブルクローズドオークションともいうべき動作をコンピュータが自動的に行うようにしているので、需要者及び提供者双方にとって自身が最初に望んだ価格での取引を行うことができ、上述した従来のオークション等において残る不満感や不公平感を排除することができる。またこのことにより、価格に関する過当競争が生じにくく、健全な商取引も維持しやすくなる。さらに、取引成立に至る手続きを簡略化できるという利益も得られる。
【0012】
また、上述のようなマッチング手段を備えたものであれば、マッチング成立数が最も大きくなるような態様で提供条件データと需要条件データとをマッチングさせるような処理を行うことができる。
【0013】
その他にも、差額を最も大きくするように提供者と需要者とをマッチングさせたり、マッチングの成立した商品又は役務についての購買価格と提供価格との合計額を最も大きくするように提供者と需要者とをマッチングさせたり、前記手数料と差額との和を最も大きくするように提供者と需要者とをマッチングさせたりするようにすることもできる。
【0014】
なお、運営面から考えると、マッチング手段を、各提供者から提示された提供価格の合計額が各需用者から提示された購買価格の合計額を超えない範囲での組み合わせで、換言すれば購買価格の合計額から提供価格の合計額を引いた差額が0又はプラスとなる範囲内での組み合わせで、提供者と需要者とをマッチングさせるものとしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
この実施形態における取引支援設備は、物流に係る取引を支援促進するためのものであり、図2に示すように、物流に係る商品の提供者である物流業者X側及び当該商品の需要者である荷主Y側にそれぞれ設けられた情報処理装置たる端末コンピュータP1、P2とインターネット等の通信回線を介して双方向通信可能に接続された情報処理装置たるサーバコンピュータSRVにより構成される。
ここで物流業者Xとは、不特定多数の業者のうち、本設備を利用可能な者として登録されたもののことを指す。登録は、登録支援手段(図示しない)を利用して行われる。この登録支援手段は、前記不特定の業者が、例えばオンラインによりサーバコンピュータSRVにアクセスした場合に、その業者の基本情報の入力を要求し、その業者に、識別子たるIDを発行するとともに、このIDに関連付けて前記基本情報を記憶するものである。本実施形態では、配送に係る信頼性や品質を低下させないため、この登録に際して、業者の資格を検査することとしている。IDは、会社単位で一つを取得することもできれば、個人単位で一つを取得することもでき、種々の具体的態様に応じた取得が可能である。物流業者Xとして登録された後は、そのID及び必要に応じてパスワードを端末に入力することにより、本設備の利用が可能となる。
【0017】
荷主Yは、物流業者X同様、本設備を利用可能な者として登録された者のことを指す。なお、登録にあたっての手続やID取得等に関しても上述と同様であるので説明は省略する。
【0018】
次いで、この取引支援設備を構築するにあたって利用する機器構成について説明すると、端末コンピュータP1、P2は、いわゆるパーソナルコンピュータや、ファクシミリ装置、電話等も含む概念であり、実施に際しては、これらの機器が併用されることもあるが、本実施形態の以下の説明においては端末コンピュータP1、P2がパーソナルコンピュータである場合について説明する。なお、これら端末コンピュータP1、P2の所在は、国内に限られず、海外でも構わない。
【0019】
また、これら端末コンピュータP1、P2は、図3に示すように、キーボード101、マウス102等の入力手段、ディスプレイ104等の出力手段、HD等の記憶装置106、CPU103、内部メモリ105、通信インタフェース107等を備えたもので、WEBブラウザ等を有する。
【0020】
サーバコンピュータSRVは、WEBサーバ機能やデータベース機能等を備えたものであり、端末コンピュータP1、P2と略同様な機器構成を有してなる。なお、このサーバコンピュータSRVは、一箇所に集中させて設けてあるか、分散させて設けてあるかは問わないし、その所在は国内に限られず、海外でも構わない。
【0021】
しかして本実施形態における取引支援設備は、図4に示すように、前記端末コンピュータP1、P2やサーバコンピュータSRVの記憶装置106に記憶させた所定のプログラムにしたがって、それらコンピュータP1、P2、SRVにおけるCPU103や周辺機器が作動することにより、提供条件受付手段たる物流業者用入力支援手段1、購買条件受付手段たる荷主用入力支援手段2、自動抽出手段3、マッチング手段4、売買支援手段5、差額管理手段6、繰越手段7、及び情報管理手段8としての機能を発揮する。ここで、物流業者用入力支援手段1は、物流業者側端末コンピュータP1から入力手段11(キーボード101等)及び提供条件送信手段12(通信インタフェース107等)を利用して送信された提供条件データを受信してサーバコンピュータSRVの記憶装置106に設定した提供条件蓄積部D1に蓄積するものである。また、荷主用入力支援手段2は、荷主側端末コンピュータP2から入力手段21(キーボード101等)及び購買条件送信手段22(通信インタフェース107等)を利用して送信された提供条件データを受信してサーバコンピュータSRVの記憶装置106に設定した購買条件蓄積部D2に蓄積するものである。なお、前記各条件データを、物流業者Xや荷主YからFAXや郵便により受け取るようにし、受け取った設備運営者等が、サーバコンピュータSRVに直接入力するようにしても構わない。その場合の物流業者用入力支援手段1、荷主用入力支援手段2の役割は、サーバコンピュータSRVの入力手段(キーボード101等)等を含むものとなる。
【0022】
また、物流業者X及び荷主Yは、自己の端末コンピュータP1、P2に専用のプログラムをインストールする必要はなく、例えば、ブラウザ等の汎用アプリケーションを利用しても構わない。
【0023】
次に、本実施形態に係る取引支援設備の作用及び利用方法について、上述した各手段の機能説明を兼ねて、以下に詳述する。
【0024】
まず、物流業者Xが、受注依頼のために、自己の端末コンピュータP1からログインすると、その画面に、図5に示すように、出発日、出発場所、到着日、到着場所、荷物形態、容量、配送提供価格、及び決定希望期限からなる提供条件の入力を促す提供条件入力ウィンドウW6が表示される。ここで、荷物形態とは、普通、特殊に分かれ、さらに特殊は、物品の特性(例えば生鮮食品や自動車等)に応じて複数に分かれている。そして、そのウィンドウW6を利用して、物流業者Xが提供条件データを入力し、右下のOKボタンをクリックする(エントリと称する)と、その提供条件データがサーバコンピュータSRVに送信され、その物流業者Xに関連付けて、前記提供条件蓄積部D1に記憶される。これが、物流業者用入力支援手段1の機能である。
【0025】
一方、荷主Yが発注依頼のために、自己の端末コンピュータP2からログインすると、その画面に、図6に示すように、出発日、出発場所、到着日、到着場所、荷物形態、容量、購買価格、及び決定希望期限からなる購買条件の入力を促す購買条件入力ウィンドウW7が表示される。そしてそのウィンドウW7を利用して、荷主Yが購買条件データを入力し、右下のOKボタンをクリックする(エントリと称する)と、その購買条件データがサーバコンピュータSRVに送信され、その荷主Yに関連付けて、前記購買条件蓄積部D2に記憶される。
【0026】
なお、この条件入力の際に各物流業者Xや荷主Yは、過去の同様な条件に係るマッチング情報や、価格の平均や分散などを参考にすることができる。これは、参考情報要求信号を入力することにより、情報管理手段8が各端末コンピュータP1、P2にその要求信号に対応した情報を出力することにより行われる。なお、ここで物流業者Xは価格を高めに設定する傾向があるので、前記参考値を予め平均や分散より所定価格低めに表示し、荷主Yは価格を低めに設定する傾向があるので、前記参考値を予め平均や分散より所定価格高めに表示するようにしてもよい。ここで情報管理手段8とは、本設備を介して取引された物流業務を全てデータ化し分析するためのものである。ただし、この条件入力に際して、各提供条件データに含まれる提供価格及び各購買条件データに含まれる購買価格については、それらを提示した物流業者X及び荷主Y本人にのみ開示するように構成してあり、物流業者Xや荷主Yは、条件入力の際に、同業者のみならず相手側の個々の条件情報を知ることができないクローズドシステムとなっている。
【0027】
このようにして、提供条件データ及び購買条件データが各条件蓄積部D1、D2に蓄積される一方で、これらを提示した物流業者Xと荷主Yとの取引を成立させるべく、ダブルクローズドオークションともいうべき動作をコンピュータが自動的に行う。
【0028】
詳述すれば、予め定めた決定日時、すなわちリミットタイム(例えば4月19日午前8時)になると、自動抽出手段3が、価格を除く配送条件(図7に示す)により特定される所定配送役務について、その決定日時以降の決定希望期限を提示している前記提供条件データ及び購買条件データのうちから、その配送条件を満たすものを抽出する。これは、マッチング手段4による組み合わせ決定がいつ行われるのかを明確にするためである。ここで配送条件とは、出発日、出発場所、到着日、到着場所、荷物形態、容量のことである。なお、リミットタイムは間欠的に複数設定してあるものとする。
【0029】
そしてこの自動抽出手段3によって、例えば、前記配送条件を満たす2つの購買条件データA、B及び5つの提供条件データA’、B’、C’、D’、E’が抽出されたとする(図8参照)。
【0030】
すると、マッチング手段4により、前記5つの提供条件データA’、B’、C’、D’、E’と2つの購買条件データA、Bとが比較され、提供価格と購買価格とが同一または購買価格の方が高くなるように組み合わされる。
【0031】
この組み合わせ方は複数通り考えられるところ、本実施形態では、所定の優先順位にしたがってその組み合わせ方を定める組み合わせ方設定手段41によって、より少ない数にまで絞りこまれるようにしてある。具体的に、物流の効率化を図るために、この組み合わせ方設定手段41が組み合わせ方を定める際のパラメータとして最も優先されるのが、売買成立数を多くすることである。次が、その組み合わせでの総提供価格と総購買価格との差額を大きくすることである。さらにその次が、エントリの早い物流業者又は荷主を優先的に選択することである。最後が入会登録の早い物流業者又は荷主を優先的に選択することである。
【0032】
この例では、購買条件データ数が2つで、提供条件データ数より少ないから、売買成立数の最大値は、購買条件データ数である2となる。そこで、まず売買成立数を最も多くするために、組み合わせ方設定手段41は、自動的に提供条件データA’、B’、C’、D’、E’から2つを選択し、購買条件データA、Bと組み合わせようとする。
【0033】
しかしながら、提供条件データA’は、購買条件データA、Bの購買価格のどれよりも高い提供価格7.1万円を提示しているため、これら購買条件データA、Bのどれとも売買は成立しない。つまり、もし提供条件データA’を選ぶと、売買成立数は1つとなってしまうため、この提供条件データA’は選択されない(図9参照)。
【0034】
したがって、組み合わせ方設定手段41は、提供条件データB’、C’、D’、E’のうちから2つを選択することになる。これであれば、どれが選択されても必ず売買成立数を2つにすることができる。
【0035】
次に組み合わせ方設定手段41は、第2の優先パラメータである総提供価格と総購買価格との差額を大きくすべく、提供条件データB’、C’、D’、E’のうちから2つを選択する。しかして差額を大きくするには、より低い価格を提示しているものを選べばよい。本例では、最も低い提供価格6.0万円を提示している提供条件データE’は必ず選ばれるとして、提供条件データC’、D’の2つが、次に低い提供価格6.3万円を提示しているため、これらのいずれかを選ばなければならないこととなる。
【0036】
そこで組み合わせ方設定手段41は、前記第3の優先パラメータにしたがって、提供条件データC’、D’を提示した物流業者Xのうちからエントリの早いものを選び、極めて稀であるがそのエントリが同日同時刻であれば、前記第4の優先パラメータにしたがって、入会登録の早い方を選ぶ。
【0037】
この結果、図10に示すように、提供条件データC’、E’が選ばれたとする。しかして、これら提供条件データC’、E’と購買条件データA、Bとを組み合わせようとすると、図11に示すように、▲1▼(A−C’、B−E’)、▲2▼(A−E’、B−C’)の2通りが考えられるが、これは、ランダムにどちらにしてもよいし、例えば高い価格同士を組み合わせるなど、さらにパラメータを定め、最終的に必ず唯一の組み合わせ方が設定されるようにしてもよい。
【0038】
その後、売買支援手段5によって、提供条件データ及び購買条件データに係る物流業者Xと荷主Yとの間で、各々が提示した提供価格及び購買価格にしたがって、前記配送役務に係る取引が成立するように種々の支援が行われる。
【0039】
具体的にこの売買支援手段5は、まずマッチングが成立し組み合わせが設定された物流業者Xと荷主Yそれぞれの端末コンピュータP1、P2にマッチングが成立した旨の情報を送信することにより通知し、物流業者Xと荷主Yとの間で自動契約を締結し、請求業務等を行う。また、この売買支援手段5は電子決済機能を有する会計代行手段51を備えており、この会計代行手段51によって、荷主Yからその提示価格(Aに係る荷主からは7万円、Bに係る荷主からは6.8万円)の引き落としが行われ、物流業者Xには、引き落とし後、所定期間内に振込み業務(C’に係る物流業者からは6.3万円、E’に係る物流業者からは6万円)が行われる。
【0040】
また、この取引によって生じた購買価格と提供価格との差額は、前記差額管理手段6によって記憶され、例えばシステムの向上や維持に充当のために出力されるが、その他、当該物流業者X及び当該荷主Yとの間で分割したり、あるいは、この記憶し出力された差額の一部又は全部を用いて購買価格の方が提供価格より下回るようなデータ同士をマッチングさせ、マッチング成立数を増加させるようにしても構わない。
【0041】
一方、マッチング手段4による組み合わせが決まらなかった提供条件データA’、B’、D’は、それらのマッチング決定希望期限の過ぎるまでは、繰越手段7によって、自動抽出手段3による抽出対象に再度自動的に加えられる。本実施形態では1時間毎に抽出及び組み合わせ決定を行っているため、1時間毎に、前記配送条件を満たす新たな購買条件データが蓄積されれば、それらとの間で再度マッチングが行われることになる。
【0042】
また、マッチング決定希望期限を過ぎても、なお組み合わせが決まらなかった場合において、物流業者X又は荷主Yが、条件面においてどの程度まで譲歩すれば取引相手が見つかるのかを知ることができれば、条件再入力の際に極めて便利である。そこで、本実施形態では、物流業者X又は荷主Yがその端末コンピュータP1、P2を利用して所定の要求信号を入力できるようにし、その要求信号によって、その物流業者X又は荷主Yが提示した提供条件又は購買条件について、該条件を満たさないが所定範囲内にある相手方の条件の一部又は全部に係る情報を出力するあいまい検索手段81を設けている。なお、このあいまい検索手段81を情報管理手段8の一構成要素として位置付けている。
【0043】
詳述すれば、このあいまい検索手段81は、提供条件データ又は購買条件データの出発地と目的地とを結んだ地域から、所定距離内又は所定所要時間内で到達できる範囲内にある出発地及び目的地を要件とする相手方の条件の一部又は全部に係る情報を出力するものである。
【0044】
例えば、図12,欄131に示すように、物流業者Xが提供条件として出発場所が大阪で到着場所が名古屋を提示している場合に、このあいまい検索手段81を用いて検索すると、出発場所又は到着場所が、若干遠回りするかあるいはその道筋にある購買条件を提示している荷主Yをその購買条件と共に表示する(図12,欄132参照)。なお、ここで荷主Yの購買価格については表示しない。
【0045】
したがって、このような構成によれば、売り手と買い手との価格が一致して(もちろん一定の仲介手数料を取られる場合もあるが)初めて取引が成立するという従来の入札システムあるいはオークションシステムにおける既成概念を完全に覆し、複数の物流業者Xと複数の荷主Yとが参入して同時に個々の取引を成立させることに加えて、物流業者Xと荷主Yと間での提示価格が一致しなくとも各自が提示した価格で取引を成立させるため、多くの取引成立が見込まれ、従来のオークションシステムの欠点であった取引成立の困難性、希少性を打破できる。その一方で、物流業者Xは自己の提示した配送提供価格で、また荷主Yも自己の提示した購買価格での取引が成立するので、各々にとって不満の残らないものとすることができる。
【0046】
そして、物流業界において「荷物は必ず配送する」という絶対要件も、この取引成立数が多く見込まれるという点、及び現実に物流業者Xの方が多いという点を鑑みれば、確実に満たすことができる。
【0047】
さらに本実施形態では、物流業者Xや荷主Yは他の者が提示した価格を知ることなく且つ各自の提示価格も他者に知られることなく自らの希望価格を提示する、いわばダブルクローズドシステムを採用しているため、既存のオークションシステムのもう一つの欠点である過当競争や不正競争を極めて有効に抑制できる。
【0048】
また、価格提示が双方から行われ、互いの取引相手はマッチング手段4により自動的に決定されるため、既存の個別契約型物流の解消を図れる。すなわち、従来の荷主主導による配送価格設定体系から、物流業者Xからのオンデマンド型(要求型)の価格設定体系に移行することとなり、元請け的物流企業のない健全なオープンマーケットを実現することができる。なお、これら自動抽出手段3やマッチング手段4による組み合わせ決定は、コンピュータというブラックボックスで行われるため、少なくともそのアルゴリズムを物流業者及び荷主に開示しておくことが、無用な疑問や紛争を避ける上では好ましい。
【0049】
さらに、従来のオークションでは、売買の成立で終了するものであるため、落札できなかった物流業者又は荷主は、再び他のオークションに入札しなければならないという手間がかかったが、本システムの利用によりこれを解消し、自動的に次のマッチングに参加させて、再エントリの手間を削減するとともに、極めて高い確率で仕事を得ることができる。
【0050】
加えて、本設備を介して取引された物流業務を全てデータ化し分析することの可能な情報管理手段8を有しているため、それぞれの物流業者Xの情報として、車両個別に走行距離、走行時間、走行経費、燃費、環境負荷値等も容易に算出できる。したがって、ISO基準に基づいた文書管理等も同時にできるようになる。
【0051】
なお、本実施形態は種々の変更が可能である。例えば、上述した組み合わせ方設定手段の優先パラメータとして、総提供価格と総購買価格との差額を大きくすることに代えて、購買価格と提供価格との総額が最も大きくなることとしてもよい。前者の場合は、物流業者側にとってはなるべく低い提供価格を提示し、荷主側にとってはなるべく高い購買価格を提示する方が、マッチング手段によって選ばれる可能性が高くなることを示しており、適正な競争原理に従っているということができる。一方、後者の場合であれば、物流業者側にとっても、購買価格を上回らないと考えられる範囲内で、なるべく高い提供価格を提示した方が選ばれる可能性が高くなることを示している。すなわち、このようにすれば、品質を無視した不当に低い提供価格を提示するような物流業者を排除することができ、配送役務に係る品質管理についての向上を図りやすくなる。
【0052】
その他、例えば、購買条件データと提供条件データとをそれぞれ購買価格と提供価格とを高いもの順にそれぞれ並べ、購買価格が提供価格を上回るか同一である限り、先頭から順に結びつけていってもよい。また、決定日時を固定せず、同一の配送条件を満たす購買条件データあるいは提供条件データが所定数蓄積された時点でマッチングを行うようにするなど、種々変形が可能なのは言うまでも無い。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。
【0053】
この実施形態における取引支援設備は、一般の商取引を支援促進するためのものであり、第1実施形態と同様、図2に示すように、提供者X側及び需要者Y側にそれぞれ設けられた端末コンピュータP1、P2とインターネット等の通信回線を介して接続したサーバコンピュータSRVによって構成される。
【0054】
ここで提供者Xとは、不特定多数の業者のうち、本設備を利用可能な者として登録されたもののことを指し、需要者Yは、本設備を利用可能な者として登録された者のことを指す。なお、登録にあたっての手続やID取得等に関して第1実施形態と同様であるので説明は省略する。また、この取引支援設備を構築するにあたって利用する機器は、パーソナルコンピュータ等の端末コンピュータP1、P2や、サーバコンピュータSRV等であるが、これらについても第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0055】
さらに、本実施形態では、前記第1実施形態同様、前記端末コンピュータP1、P2やサーバコンピュータSRVの記憶装置106に記憶させた所定のプログラムにしたがって、それらコンピュータP1、P2、SRVにおけるCPU103や周辺機器が作動することにより、図13に示すように、提供条件受付手段たる提供者用入力支援手段1、購買条件受付手段たる需要者用入力支援手段2、自動抽出手段3、マッチング手段4、売買支援手段5、及び差額管理手段6としての機能が発揮されるようにしてある。また、提供者X及び需要者Yは、自己の端末コンピュータP1、P2に専用のプログラムをインストールする必要はなく、例えば、ブラウザ等の汎用アプリケーションを利用できるようにしても構わない。
【0056】
次に、上述した各手段について、図13〜図17を参照して説明する。
【0057】
提供者用入力支援手段1は、提供業者側端末コンピュータP1から入力手段11(キーボード101等)及び提供条件送信手段12(通信インタフェース107等)を利用して送信された提供条件データを受信してサーバコンピュータSRVの記憶装置106に設定した提供条件蓄積部D1に蓄積するものである。また、需要者用入力支援手段2は、需要者側端末コンピュータP2から入力手段21(キーボード101等)及び購買条件送信手段22(通信インタフェース107等)を利用して送信された提供条件データを受信してサーバコンピュータSRVの記憶装置106に設定した購買条件蓄積部D2に蓄積するものである。なお、各条件データを、提供者Xや需要者YからFAXや郵便により受け取るようにし、受け取った設備運営者等がサーバコンピュータSRVに直接入力するようにした場合は、提供者用入力支援手段1、需要者用入力支援手段2の役割は、サーバコンピュータSRVの入力手段(キーボード101等)等を含むものとなる。
【0058】
ここで所定の商品又は役務は、例えば「テレビ」のように取引において最低限必要な普通名称のみで包括的に提示される場合もあれば、「25型○○社製液晶テレビ」のように複数項目が入り、より具体的に提示される場合もある。
【0059】
自動抽出手段3は、予め間欠的に複数定めた決定日時、すなわちリミットタイムにおいて、前記提供条件データ及び購買条件データのうちから、その決定日時を含む提供希望期間又は購買希望期間を提示しているものを抽出するものである。本実施形態では、このリミットタイムは、自動的に定間隔で次々更新されるようにしている。
【0060】
マッチング手段4は、この自動抽出手段3により抽出した提供条件データと購買条件データとを比較し、その提供価格と購買価格とが同一または購買価格の方が高くなるように提供者Xと需要者Yとを組み合わせるものである。
【0061】
売買支援手段5は、このマッチング手段4によって組み合わせが決定された提供者Xと需要者Yとの間で、各々が提示した提供価格及び購買価格にしたがって、当該所定商品又は役務の売買が行われるように支援するものである。
【0062】
差額管理手段6は、この売買支援手段5を利用して行われる売買により生じる購買価格と提供価格との差額を記憶し出力するなどの管理を行うものである。
【0063】
このような構成の本設備を利用して、所定商品に係る取引成立に至るまでの流れの一例を、以下に簡単に説明する。
【0064】
提供者Xは、自己の端末コンピュータP2からログインし、提示された例えばパソコンといった商品について、所定の提供条件入力画面を見ながら、提供価格及び提供希望期間を含む提供条件を入力する(図14,ステップS1〜ステップS3)。この際に、条件参照手段によって、その商品に関して、例えば過去における個々の取引決定価格やその平均価格等、種々の情報を参照することができるようにしてもよい。
【0065】
一方、需要者Yも同様に自己の端末コンピュータP1からログインし、所定の購買条件入力画面を見ながら、購買価格及び購買希望期間を含む購買条件を入力する(図14,ステップS1〜ステップS3)。この際に、条件参照手段によって、その商品に関して、例えば過去における個々の取引決定価格やその平均価格等、種々の情報を参照することができるようにしてある。なお、提供希望期間及び購買希望期間とは、取引成立が決定される期間である場合の他、商品が提供者から実際に発送される期間、あるいは商品が需要者に実際に届く期間をも含めたものとする場合もある。
【0066】
ここで理解のための一例として、図15に示すように、商品たるパソコンについて、5つの購買条件データA、B、C、D、Eがエントリされ、3つの提供条件データイ、ロ、ハがエントリされたとする。なお、これらA〜E及びイ〜ロのうち、その希望期間の末時しか示していないものは、希望期限のみを限定したものである。
【0067】
そして、所定のリミットタイム(例えばAM11:00)になると、自動抽出手段3によってそのリミットタイムを含む提供又は購買希望期間を提示している提供条件データ及び購買条件データが抽出される(図14,ステップS4、ステップS5)。ここでは、Dの提示した購買希望期間が12:00〜18:00であり、リミットタイムから外れているため、これは除外され、図16に示すように、購買条件データA、B、C、E及び提供条件データイ、ロ、ハが抽出される。
【0068】
次に、マッチング手段4により、これら提供条件データと購買条件データとが比較され、その提供価格と購買価格とが同一または購買価格の方が高くなるように提供者Xと需要者Yとが組み合わされる。この場合、その組み合わせ方は、複数存在するため、どれにするか選択する必要がある。そこで本実施形態では、この組み合わせ方について、少なくとも提示された条件のうちから一定の優先順位をもって決定する組み合わせ方設定手段41をマッチング手段4に具備させることとしている。例えば本実施形態で組み合わせ方設定手段は、最大の組み合わせ数が得られることを最も優先させるため、組み合わせ方を、第22図▲1▼〜▲4▼に示すように、4通り算出する。そしてここからさらに、エントリの順番や提示価格の大小等、種々の優先条件を経ていずれか1つの組み合わせ(例えば▲3▼)を選ぶこととなる。
【0069】
そして売買支援手段5によって、これら組み合わせが決定された提供者Xと需要者Yとの間で、各々が提示した提供価格及び購買価格にしたがって、当該所定商品又は役務の売買が行われるように支援する。具体的には、組み合わせが決定された提供者Xと需要者Y端末コンピュータP1、P2への通知、決済手続や配送手配が自動的に行われる。
【0070】
また、この取引によって生じた購買価格と提供価格との差額は、例えばシステムの運営に充当等のために前記差額管理手段6によって記憶され出力されるが、その他、この差額管理手段6で記憶・出力した差額を、当該需要者Y及び当該提供者Xとの間で分割したり、当該需要者Y及び当該提供者Xとの間で分割したりするようにしても構わない。
【0071】
一方、前記自動抽出手段3によって抽出されなかったり、マッチング手段4により組み合わせ相手が選択されなかった提供条件データ及び購買条件データは、次のリミットタイムにおいて、再び自動抽出手段3の選択対象とされるようにしている。
【0072】
さらに本実施形態では、取引が成立して初めて、需要者Y及び提供者Xは相手を知ることができるが、取引の成立後にも相手の提示した価格は知ることはできないようにしてある。また、需要者Y及び提供者Xが購買価格あるいは提供価格を入力する際に、他の需要者Yや他の提供者Xの提示条件に係る個別情報を知ることができないようにしてある。このように、提供者X及び需要者Yが、取引成立相手のみを知ることができるダブルクローズドシステムを採用しているのは、第1実施形態同様であり、その他第1実施形態の構成を第2実施形態に適用しても構わない。
【0073】
なお、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、提供条件及び購買条件として、所定幅をもたせた価格を受け付けるようにしてもよい。しかしてこの場合であれば、マッチング手段は、これら提供条件データと購買条件データとを比較し、少なくともその購買価格の最低額が、提供価格の最高額と同一または高くなるように提供者と需要者とを組み合わせるようにしておけばよい。
【0074】
また、一回のマッチングステップにおいてマッチングされるべき各購買条件データの合計した購買価格が、各提供条件データの合計した提供価格よりも高くなるか又は同一となるようにしてもよい。
【0075】
具体的には、第18図に示すように、4つの購買条件データA、B、C、Dと、5つの提供条件データA’、B’、C’、D’、E’とがエントリされた場合を考えてみる。
【0076】
まず、上述した第2実施形態のマッチング方法によりマッチングを行った場合には、第23図▲1▼に示すように、マッチングした購買条件データと提供条件データ毎に、その提供価格が購買価格を越えないようにするため、CとD’及びDとE’(この組合せは他にも考えられる)との2組の取引が成立することとなる。
【0077】
次に本変形例に係る方法を適用した場合を考えてみる。この場合は、まず提供条件データA’、B’、C’、D’、E’を、提供価格の低いものから順に並べ替える(第1の並べ替え手段に相当、図19,ステップS11)。その一方で、購買条件データA、B、C、Dを、購買価格の高いものから順番に並べ替える(第2の並べ替え手段に相当、図19,ステップS12)。
【0078】
そして、これら並べ替えられた各条件データを先頭からそれぞれ等数であってできるだけ多く抽出し(図19,ステップS13)、抽出した合計価格をそれぞれ算出する(算出手段に相当、図19,ステップS14)。この場合であれば、購買条件データがA、B、C、Dの4つであるので、4つを抽出する。提供条件データは最も高い価格を提示したA’が外される。そして、これら合計価格を比較し(図19,ステップS15)、マッチングされるべき各購買条件データの合計した購買価格が、各提供条件データの合計した提供価格よりも高くなるか又は同一となれば(図19,ステップS16)、処理を終了する。ここで前記条件が満たされない場合には、各データの中から最も高い価格を提示した提供条件データと最も低い価格を提示した購買条件データを排除し(図19,ステップS17)、残ったものが前記条件を満たすまで同一の手順を繰り返す。
【0079】
本例では、最初の4つを抽出し比較した時点で、図18▲2▼に示すように、マッチングされるべき購買条件データA〜Dの合計した購買価格は21.8万円となり、マッチングされるべき提供条件データB’〜E’の合計した提供価格は21.5万円となって、マッチングされるべき各購買条件データの合計した購買価格が、各提供条件データの合計した提供価格よりも高くなるか又は同一となるようにするという条件を満たす。
【0080】
したがって、これら提供条件データB’、C’、D’、E’と、購買条件データA、B、C、Dとのマッチングを成立させる。
【0081】
しかして、どの提供条件データをどの購買条件データに結びつけるかについては種々の組合せが考えられるところ、本実施形態では、データAとB’、BとC’、CとD’、DとE’との4組の取引を成立させる。ここで高い購買価格を提示したものほど、高い提供価格を提示したものと結びつけるようにしているのは、高価格を提示しているものほど内在的に品質の高さを保証あるいは要求しているといったことが考えられ、不公平感やトラブル等をできるだけ回避できると考えられるからである。なお、この他に高い購買価格を提示したものと、低い提供価格を提示したものと結びつけるなど、種々の組合せ方が考えられるのはいうまでもない。
【0082】
その他に、例えば、購買条件データと提供条件データとをそれぞれ購買価格と提供価格とを高いもの順にそれぞれ並べ、購買価格の合計額が提供価格の合計額を上回るか同一である限り、先頭から順に結びつけていってもよい。
【0083】
したがって、このようなものであれば、より多くの取引を成立させることができ、しかもマッチングアルゴリズムが極めて簡単になることからマッチング速度がさらに向上するので、需要者及び提供者の双方にとってより好ましいものとなる。なお、上述した第1の並べ替え手段、第2の並べ替え手段、算出手段を有した独立したマッチング支援装置を設けても良い。
【0084】
さらに、この考え方を拡張し、複数回に亘るマッチングステップにおいてマッチングされるべき各購買条件データの合計した購買価格が、各提供条件データの合計した提供価格よりも高くなるか又は同一となるようにすれば、取引成立数が増える点でより好ましい。
【0085】
なお、このような変形例の場合、購買価格より高い提供価格を提示した提供条件データB’、C’に係る提供者Xは、他の提供者Xに比べ、得をしていると考えられる。そこで、このような提供者には、その提供者に関連づけてポイントを加算し、その後のエントリの際に、そのポイントに応じた何らかのハンデ、例えば、マッチングにおける優先順位が下がるといったことを行ってもよい。もちろん需要者Yについても同様である。また、差額に制限を設け、不当に高い価格を提示した提供者や不当に低い価格を提示した需要者に対しては、上記マッチング成立の条件が満たされたとしても、マッチング成立を認めないようにしてもよい。
【0086】
その他、本発明は、上述した図示例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々変更が可能である。
【0087】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、売り手と買い手との価格が一致して(もちろん一定の仲介手数料を取られる場合もあるが)初めて取引が成立するという従来の入札システムあるいはオークションシステムにおける既成概念を完全に覆し、対象となる商品又は役務について、複数の提供者と複数の需要者とが参入して同時に個々の取引を成立させることに加えて、提供者と需要者と間での提示価格が一致しなくとも、複数の需用者が提示した購買価格の合計額が複数の提供者が提示した提供価格の合計額を超えない範囲での組み合わせで複数の購買条件データと複数の提供条件データとをマッチングさせることによって取引を成立させるため、多くの取引成立が見込まれ、従来のオークションシステム等の欠点であった取引成立の困難性、希少性を打破できる。
【0088】
さらに、条件入力の際には同業者のみならず相手側の個々の条件情報を知ることができず、他方、各自が提示した条件も他者に知られることがないうえに、このような提供価格と購買価格に基づいて複数の提供条件データと複数の購買条件データとをマッチングさせ、更にマッチングされた複数の提供条件データと複数の購買条件データとを各々が含む価格で取引を成立させるという、ダブルクローズドオークションともいうべき動作をコンピュータが自動的に行うようにしているので、需要者及び提供者双方にとって自身が最初に望んだ価格での取引を行うことができ、上述した従来のオークション等において残る不満感や不公平感を排除することができる。需要者及び提供者双方にとって自身が望んだ価格での取引を行うことができることは、価格に関する過当競争を抑制し、健全な商取引も維持しやすくなるという効果も得られる。
【0089】
以上のようなことから、例えば需要者がサイバーモール内の各商店にアクセスしたり、逆に提供者が個々のアクセス者にメール等のアピールをしたりする必要がなくなるため、その簡便性や使いやすさは際立ったものとなる。加えてその商品又は役務についての売買情報が一箇所に集中するため、その情報を分析し、ビジネスの動向等に有効に活用することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の全体構成図。
【図2】本発明の第1実施形態における取引支援設備のシステム構成図。
【図3】同実施形態におけるコンピュータシステム構成図。
【図4】同実施形態における取引支援設備を示す機能ブロック図。
【図5】同実施形態における提供条件入力ウィンドウを示す画面説明図。
【図6】同実施形態における購買条件入力ウィンドウを示す画面説明図。
【図7】同実施形態におけるマッチング手段の動作を説明する例示説明図。
【図8】同実施形態におけるマッチング手段の動作を説明する例示説明図。
【図9】同実施形態におけるマッチング手段の動作を説明する例示説明図。
【図10】同実施形態におけるマッチング手段の動作を説明する例示説明図。
【図11】同実施形態におけるマッチング手段の動作を説明する例示説明図。
【図12】同実施形態におけるあいまい検索手段による検索結果画面を示す画面説明図。
【図13】同実施形態における取引支援設備を示す機能ブロック図。
【図14】本発明の第2実施形態における商取引決定の流れを示す概略フローチャート。
【図15】同実施形態における自動抽出過程及びマッチング過程を示す説明図。
【図16】同実施形態における自動抽出過程及びマッチング過程を示す説明図。
【図17】同実施形態における自動抽出過程及びマッチング過程を示す説明図。
【図18】本発明の変形例におけるマッチング過程を示す説明図。
【図19】同変形例におけるマッチング過程を示すフローチャート。
【符号の説明】
X…提供者(物流業者)
Y…需要者(荷主)
1…提供条件受付手段(物流業者用入力支援手段、提供者用入力支援手段)
2…購買条件受付手段(荷主用入力支援手段、需要者用入力支援手段)
4…マッチング手段
5…処理手段(売買支援手段)

Claims (1)

  1. 商品又は役務それぞれについて、提供を希望する複数の提供者と購買を希望する複数の需要者との間での取引を支援するために、提供者及び需要者がそれぞれ使用する端末コンピュータと通信回線を介して接続したサーバコンピュータからなるものであって、
    前記サーバコンピュータが、提供条件受付手段と、購買条件受付手段と、マッチング手段と、処理手段とを具備するものであり、
    前記提供条件受付手段が、前記提供者の端末コンピュータに入力された提供価格を含む提供条件データを受信して受け付け、それら提供条件データを当該提供者に関連付けて蓄積し、少なくとも前記条件入力に際しては前記提供価格を当該提供者本人にのみ開示するものであり、
    前記購買条件受付手段が、前記需要者の端末コンピュータに入力された購買価格を含む購買条件データを受信して受け付け、それら購買条件データを当該需用者に関連付けて蓄積し、少なくとも前記条件入力に際しては前記購買価格を当該購買者本人にのみ開示するものであり、
    前記マッチング手段が、各商品又は役務ごとについて、前記蓄積された複数の提供条件データを、提供価格の低いものから順番に並べ替える第1の並べ替え手段と、前記蓄積された複数の購買条件データを、購買価格の高いものから順番に並べ替える第2の並べ替え手段と、これら第1の並べ替え手段及び第2の並べ替え手段により並べ替えられた各条件データを先頭からそれぞれ等数抽出した場合の合計価格を提供条件データ及び購買条件データそれぞれについて算出する算出手段とをさらに具備し、これら並べ替えられた複数の提供条件データに含まれる提供価格の合計額と複数の購買条件データに含まれる購買価格の合計額とを比較して、個別の提供価格と購買価格とが一致しない場合でも、前記算出手段で算出された複数の購買価格の合計額から複数の提供価格の合計額を引いた差額がプラスとなる組み合わせの範囲内で、前記複数の提供条件データと複数の購買条件データとをマッチングさせるものであり、
    前記処理手段が、前記マッチング手段でマッチングされた複数の提供条件データと複数の購買条件データのなかから、購買条件データを提示した個別の需要者と提供条件データを提示した個別の提供者との間でそれら購買条件データに含まれる購買価格及び提供条件データに含まれる提供価格での取引を成立させるために何れかの提供条件データと何れかの購買条件データとを結びつける処理を行うものであることを特徴とする取引支援設備。
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