JP3585293B2 - 軽量気泡コンクリートの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は石灰質原料及び珪酸質原料を主原料とし、鉄筋や金網(ラス網)などの補強筋で補強され、オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽量気泡コンクリート(以下、ALCパネルという)製品は、型枠中に鉄筋を所要量、所要形状に配列し、石灰質原料及び珪酸質原料を粉砕したものに適量の水、気泡剤等を加えて混合したスラリーを型枠に注入して発泡硬化させ、多孔質化したものをオートクレーブ養生して製造する。モルタルスラリーは型枠に注入後は、殆ど気泡を含まないが、ごく短時間で気泡剤が発泡し始め、スラリーは水和反応により徐々に硬化し始める。粘度上昇したスラリーは発生した気泡を安定に保持し、徐々に体積を増して所定の体積まで膨張する。
【0003】
型枠4内には、図11及び図12に示すように、水平方向に主筋1、垂直方向に副筋2から成る複数のU字筋構造の補強筋3が配置されている。モルタルスラリーの発泡終了直前に、スラリーの上面部は、型枠内に配置した補強筋3の最上部の主筋1を通過するときに、気泡剤によって発泡した小気泡の合一が著しく、補強筋3の最上部の主筋1の真上に気泡溜まりが生成し、著しい品質低下の原因となっていた。このため、特開昭63−256405号公報ではモルタルスラリーを型枠に注入後、発泡硬化中に棒状や板状のガス抜き片等をスラリー中に挿入し、補強筋上部に発生した粗大気泡を除去しようとするものであるが、一部は残留し、粗大気泡が部分的に残る問題があった。また特開昭64−9704号公報は挿入後長さ方向に水平移動することによってスラリー中に発生した気泡を除去しようとするものであるが、粗大気泡を充分除去することはできない。さらに特公平2−11552号公報は棒状のガス抜き片を振動させることにより粗大気泡のモルタル上面への浮上を促進させるものであるが、部分的に粗大気泡が残留する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような製造方法では、図10に示すように、補強筋たる主筋1付近に粗大気泡7が生じやすく、一部はモルタル粘度が低いうちにモルタル表面へ浮上し消滅するものの、殆どはそのまま残留して硬化するためそれが空隙となってパネルの外観や部分的な強度を悪化させる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は棒状回転体又は棒状振動体をモルタル中に挿入し、回転運動又は振動を加えることにより補強筋上部及びその近傍のモルタル粘度を低下させ、発生した粗大気泡をモルタル表面へ浮上させ易くし、なおかつ、棒状回転体又は棒状振動体の軸に対するモルタル上面方向への移動をも容易にすることにより粗大気泡を消滅させようとするものである。つまり、型枠内に配した補強筋の上部に蓄積する余分なガスを上方に逃し、パネル内部における粗大気泡の残存を減少させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、複数の補強筋が配置された型枠内に、軽量気泡コンクリート用モルタルスラリーを注入し、発泡させた後、補強筋の上部のモルタル中に棒状回転体を挿入すると共に、モルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入しつつ、回転運動を加えながら水平移動させ補強筋上部の粗大気泡を除去するものであり、複数の補強筋が配置された型枠内に、軽量気泡コンクリート用モルタルスラリーを注入し、発泡させた後、補強筋の上部のモルタル中に棒状振動体を挿入すると共に、モルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入しつつ、水平振動及び垂直振動の少なくとも一方を加えながら水平移動させ、補強筋上部の粗大気泡を除去するものである。
【0007】
【作用】
以上のような構成にすることにより、補強筋上部に発生した気泡溜まり中の余分のガスを上方に逃がすかあるいは小さな気泡に破壊分解することができ、気泡安定剤等を使用しなくともALCの品質を効率良く改善することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明をさらに詳細に説明する。図1は本発明の棒状回転体又は棒状振動体の差し込む位置を示す図である。図において、棒状回転体又は棒状振動体8には駆動手段が設けられており、その複数の棒状回転体又は棒状振動体8が補強筋3の位置に対応した間隔で支持フレーム8aに固定されている。この棒状回転体又は棒状振動体8は支持フレーム8a上を任意に移動して、その位置を調整できるようになされている構造が好ましい。支持フレーム8aには駆動手段の配線を取り付けることができる。
【0009】
図1に示したように、棒状回転体又は棒状振動体8を差し込む位置は、補強筋3の最上部の主筋1の配置精度、棒状回転体又は棒状振動体8の差し込み精度を考慮しても主筋1の中心に対して±5mm以内であることが必要である。また、差し込む棒状回転体又は棒状振動体8の深さは主筋1の中心から上方に20mm以下に棒状回転体又は棒状振動体8先端が到達することが必要である。
【0010】
本発明に用いる補強筋は、主筋1と副筋2を格子状に溶接してなる1枚のものでも、主筋1と副筋2を格子状に溶接してなる1枚をU字形に折り曲げたものでも、主筋1と副筋2を格子状に溶接してなるもの2枚の間にスペーサーを入れて溶接した篭状のものでも、又はラス網状のもの等でもよい。また、補強筋に用いられる鉄筋の直径としては1〜10mmのものが好ましく、特に、2〜5mmのものが好ましい。鉄筋の直径が細すぎると軽量気泡コンクリートの曲げ強度が充分でなく、太すぎると補強筋上部の粗大気泡がさらに大きくなる。そして図11、図12に示すように複数の補強筋3を型枠4内に配置して固定する。型枠4に設置した固定した補強筋保持枠13に補強筋保持棒14が支持されており、該補強筋保持棒14によって補強筋3を保持し固定する。この状態の型枠内にALC用モルタルスラリーが注入される。なお、補強筋保持棒14はモルタルが硬化した後、回転させることにより簡単に取り外しができるようになされている。
【0011】
本発明の軽量気泡コンクリート用モルタルスラリーの組成としては、珪酸質原料、石灰質原料、水及び発泡剤等を主成分とするものからなり、たとえば、セメント、生石灰、珪石、石膏、解砕屑、水、金属アルミ等の組成からなるものが用いられ、適宜その割合を選択して使用する。図2は本発明の棒状回転体を示す正面図、図3は図2の棒状回転体に注水棒を並べた正面図、図4は攪拌羽根状の棒状回転体、図5は図4の棒状回転体に注入孔を設けたもの、図6は図5の底面図である。
【0012】
本発明で用いる棒状回転体又は棒状振動体とは、回転手段により回転する棒状回転体でも振動手段により振動する棒状振動体であってもよく、型枠に設置されている補強筋の主筋上部に発生した気泡を破壊しうる程度の大きさ、太さ、表面凹凸があればよい。前記棒状回転体とは、表面の形状が凹凸であり、ガスをモルタル上面に移動し易くするもので、図2、図3のような溝状螺旋形状のものあるいは図4、図5の様な撹拌羽根状であれば良く、特に、図2のようなドリルビットあるいは図4のようなスクリュウ型撹拌羽根などが好ましい。また、棒状回転体の回転軸の他端には駆動装置として、例えば、電動機、エンジン等が取り付けてあり、回転軸を通じて棒材先端に回転運動を伝達するものが好ましい。
【0013】
棒状回転体の直径としては3〜15mm程度が好ましく、特に、直径7〜11mmが好ましい。材質は、発泡硬化したモルタルスラリー粘度に耐え、変形しないものであればよい。棒状回転体の回転数の範囲は、200〜2000rpmが好ましい、特に、500〜1300rpmが好ましい。棒状回転体の回転数が低いとモルタルの粘度低下が充分でなく粗大気泡が若干残存し、また、回転数が高くなるとモルタル上部からの空気の巻き込みがあり部分的に粗大気泡が残存する。また、棒状回転体の回転方向は時計方向あるいは反時計方向のどちらでも良いが、粗大気泡の巻き上げ効果の大きい方が好ましい。
【0014】
前記棒状振動体とは、振動軸に対して垂直振動又は水平振動を行うときにガスがモルタル上面に移動し易くなるような形状のものであればよく、棒状あるいは棒状振動軸側面に振動腕を取り付けた構造のものが好ましい。この振動腕の形状としては平板、曲板、棒、算盤玉状等であればよく、平板としては長方形、正方形、菱形等が好ましい。
【0015】
垂直振動を行う振動体として例えば、図13に示すように、丸棒の長手方向に複数の板状や角状の振動腕17aが設けられ、丸棒の一端に起振器19が設けられた棒状振動体17が使用できる。振動腕17aは半径方向に2枚以上設けることが好ましい。そして棒状振動体17と平行な位置に、複数の注入口10が長手方向に設けられた注入棒11を同時に挿入して使用することができる。
【0016】
棒状振動体の垂直振動とは、振動方向が振動軸に対して垂直方向であり、その振幅、振動数は、粗大気泡の脱泡が認められる範囲が適当であり、振幅としては0.1mm〜10.0mmが好ましく、特に、0.5〜5.0mmが好ましい。振動数の範囲は、毎秒10回〜毎秒200回が好ましく、特に、毎秒30回〜毎秒100回が好ましい。垂直振動を与える駆動方法としては、例えば、棒状振動体の振動発生部に振動を与える起振器が内蔵されており、振動発生部が円筒形であり、その振動発生方式が偏心重錘方式、遊星運動方式等からなっているものが好ましい。
【0017】
また水平振動を行う振動体として例えば、図14に示すように、長手方向に複数の円盤状の形状を有する振動腕18aが半径方向に設けられた棒状振動体18があげられる。この棒状振動体18にも一端に起振器19が設けてあり、振動腕18aを振動させることができる。更に、棒状振動体18と平行に位置させた複数の注入口10を有する注入棒11を同時に挿入してモルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入するとより好ましい。
【0018】
棒状振動体の水平振動とは、振動方向が振動伝達軸の長手方向であり、その振幅、振動数の範囲は、振幅が0.1mm〜3.0mm、振動数が毎秒1回〜50回が好ましく、特に、振幅が0.5mm〜2.0mm、振動数が毎秒10回〜30回が好ましい。水平振動を行う振動装置としては、例えば、振動伝達部の他端に起振器を取り付けた構成からなっているものが好ましい。
【0019】
本発明でモルタル中に注入するのは、水又はモルタルの粘度上昇を遅らせる水溶液であり、例えば、非イオン系の界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、日本乳化剤(株)の商品名:Newcol82、Newcol85)等や、アルキルスルフォン酸塩系(例えば、花王(株)の商品名:マイティー150、マイティーV2)、メラミン樹脂スルフォン酸塩系(例えば、日本合成ゴム(株)の商品名:ダイナフローG2)、ポリイソプレンスルフォン酸塩系(例えば、日本合成ゴム(株)の商品名:ダイナフロー105)、リグニンスルフォン酸塩系(例えば、日本製紙(株)の商品名:サンフロー、サンフローR)、ポリカルボン酸塩系(例えば、日本合成ゴム(株)の商品名:ダイナフローP)等のセメント減水剤といった種々の界面活性剤やセメント硬化遅延剤として使われるクエン酸等の水溶液、更に消泡剤として使われるシリコーン等の水溶液(例えば、花王(株)のアンチフォームEー200)等がある。
【0020】
また、水を使用する場合には、水系エマルジョンの形態で使用することができる。そのような水系エマルジョンとしてアクリル樹脂(例えば、旭化成工業(株)の商品名:モルタック)等がある。前述した製造方法における補強筋の近傍又は上部に注水する水等の量は、最上部の1本の主筋の上部に位置するモルタル(該主筋からモルタル表面までの該主筋投影部分に位置するモルタルをいう。)の体積1ml当たり0.005〜0.5mlの範囲で注入することが好ましく、特に0.005〜0.3mlが好ましい。水等の注入量がモルタルの体積1ml当たり0.005mlよりも少なくなると、重質化部の形成が不充分であり、またモルタルの体積1ml当たり0.5mlを越えると逆に補強筋の上部に粗大な空隙が生じたり、嵩減りの度合いが激しくなりパネルの上端部で外観が見苦しくなるという問題を生じる。
【0021】
なお、水溶液等を使用する場合は、1〜20wt%濃度(固形分濃度)に調節したものを上記の量使用すればよい。水又はモルタルの粘度上昇を遅らせる水溶液を補強筋上部及び周辺に添加する方法としては、棒状回転体又は棒状振動体先端あるいは棒状回転体又は棒状振動体と注水棒を平行に並べて挿入した棒材先端もしくは側面の穴等から注入するのが好ましい。例えば、図6のように棒状回転体12先端あるいは図3のように棒状回転体15と注水棒11を平行に並べて挿入した棒材先端もしくは側面の穴等から注入するのが好ましい。このとき注水棒11は回転体と同じ支持枠に取り付けてもよい。
【0022】
図15はアルミ粉を発泡剤として使用したモルタルを型枠に注入したときの発泡率と時間の関係の一例を示す図である。発泡率のカーブは、一般に初期に急激に立ち上がり、次第に緩やかになり飽和する。本発明における前記棒状回転体又は棒状振動体を差し込む時期は、型枠内のモルタルの発泡がほぼ完了した時点、即ち、発泡率カーブが飽和領域に達する時点(図15の例ではA点付近)から、モルタルが流動状態を維持している間までが好ましい。
【0023】
モルタル発泡がほぼ完了する時点は、発泡剤としてのアルミ粉の粒径、形状等により大幅に変化するが、通常モルタルを型枠に注入してから5分〜40分程度である。また、モルタルが流動状態を維持している期間はモルタル組成によって変化するが、通常モルタルを型枠に注入してから30分〜70分程度である。前記モルタルがほぼ完了する時点及び流動状態を維持している期間は使用するアルミ粉、モルタル組成が定まれば実験により簡単に求めることができる。なお、流動状態か否かは、例えば、モルタル中に棒状回転体又は棒状振動体を差し込んで水平に移動させ、その軌跡が直ちに消滅するか否かで判断できる。
【0024】
前記の様に棒状回転体又は棒状振動体を最上部の主筋の真上に差し込んだ後、主筋の長さ方向に水平に移動する事によって、主筋の真上に生成した気泡溜まり中の余分なガスを上方に逃がすかあるいは小さい気泡に破壊分解する。前記棒状回転体又は棒状振動体は、主筋列毎に主筋の間隔に合わせて支持片に取り付け、各接点に存在する気泡を一列づつ除去していってもよいし、前記支持片を複数個、支持フレームに取り付け、複数列の主筋上部を一度に処理しうるようにしてもよい。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【実施例1】
図11に示した通り、補強筋を等間隔に配置し、型枠に固定した。上記型枠4に、珪石40重量%、セメント25重量%、生石灰7重量%、石膏2重量%、解砕屑26重量%としたものを100重量部に水70重量部、アルミ0.06重量部を添加混練したALC用モルタルスラリーを注入した。モルタルを型枠に注入後35分経過したときに、図3の棒状回転体15と注水棒11を主筋1の真上に挿入した。注水棒11の側面の注水口10から水2重量部(この量は型枠中の最上部主筋1の1本の上部に位置するモルタル体積1ml当たり0.015mlの水溶液に相当する。)を注入しながら棒状回転体1で回転運動を与え、主筋1に平行に直線移動させつつ、主筋上部の気泡溜まりを除去し、モルタルの流動性が維持している39分後までに終了した。前記ALC用モルタルが所定の硬度に達した後、図7のY−Y’のところをピアノ線により切断し、オートクレーブ養生した。
【0030】
得られたALC表面には図9のように重質化部分9が並んでおり、粗大気泡の露出は見られず、好ましいものであった。このALCを図7のX−X’線で切断し、切断面を観察したところ、切断面を観察したところ、図8に示したように主筋1の上部が重質化した以外は内部にもほとんど粗大気泡は生成されていなかった。
【0031】
【実施例2】
珪石50重量%、普通ポルトランドセメント35重量%、生石灰10重量%、石膏5重量%としたものを100重量部に水70重量部、アルミ0.06重量部を混練して、ALC用モルタルスラリーを作った。このALC用モルタルスラリーを幅600mm、長さ600mm、高さ600mmの型枠に注入後30分経過したときに、図3の棒状回転体1を、主筋1の真上に挿入した。注水棒の側面の注水口10からポリアルキルスルホン酸ソーダ(商品名:マイティ150 花王(株)製)2.0%水溶液1重量部(この量は型枠中の最上部主筋1の1本の上部に位置するモルタル体積1ml当たり0.01mlの水溶液に相当する。)を注入しながら回転運動を与え、主筋に平行に直線移動させつつ、主筋上部の気泡溜まりを除去し、モルタルの流動性が維持している40分後までに終了した。前記ALC用モルタルが所定の硬度に達した後、ピアノ線により切断し、オートクレーブ養生した。
【0032】
得られたALC表面には粗大気泡の露出は見られず、好ましいものであった。このALCを実施例1と同様にして切断し、切断面を観察したところ、内部にも粗大気泡は生成されていなかった。
【0033】
【実施例3】
珪石30重量%、普通ポルトランドセメント30重量%、生石灰6重量%、石膏5重量%、解砕屑29重量%としたものを100重量部に水70重量部、アルミ0.06重量部を混練して、ALC用モルタルスラリーを作った。このALC用モルタルスラリーを幅600mm、長さ600mm、高さ600mmの型枠に注入後35分経過したとき、図5のスクリュウ型撹拌羽根16を、主筋1の真上に挿入した。スクリュウ型撹拌羽根16先端からポリアルキルスルホン酸ソーダ(商品名:マイティ150 花王(株)製)の1.8%水溶液1重量部(この量は型枠中の最上部主筋1の1本の上部に位置するモルタル体積1ml当たり0.01mlの水溶液に相当する。)を注入しながら回転運動を与え、主筋に平行に直線移動させつつ、主筋上部の気泡溜まりを除去し、モルタル流動性が維持している40分後までに終了した。前記ALC用モルタルが所定の硬度に達した後、ピアノ線により切断し、オートクレーブ養生した。
【0034】
得られたALC表面には粗大気泡の露出は見られず、好ましいものであった。このALCを実施例1と同様にして切断し、切断面を観察したところ、内部にも粗大気泡は生成されていなかった。
【0035】
【実施例4】
珪石40重量%、普通ポルトランドセメント30重量%、生石灰10重量%、石膏5重量%、養生屑15重量%としたものを100重量部に水70重量部、アルミ0.06重量部を混練して、ALC用モルタルスラリーを作った。このALC用モルタルスラリーを幅600mm、長さ600mm、高さ600mmの型枠に注入後30分経過したとき、図3の棒状回転体15を、主筋1の真上に挿入した。注水棒の側面の注水口10からポリイソプレンスルホン酸(商品名:Z−105 日本合成ゴム(株)社製)の1.5%水溶液1.2重量部(この量は型枠中の最上部主筋1の1本の上部に位置するモルタル体積1ml当たり0.02mlの水溶液に相当する。)を注入しながら回転運動を与え、主筋に平行に直線移動させつつ、主筋上部の気泡溜まりを除去し、モルタルの流動性が維持している35分後までに終了した。前記ALC用モルタルが所定の硬度に達した後、ピアノ線により切断し、オートクレーブ養生した。
【0036】
得られたALC表面には粗大気泡の露出は見られず、好ましいものであった。このALCを実施例1と同様にして切断し、切断面を観察したところ、内部にも粗大気泡は生成されていなかった。
【0037】
【0038】
【0039】
【比較例1】
実施例1の方法において、棒材を主筋上部に挿入し、気泡溜まり除去を行った以外は全て同様の方法でALCを作製した。得られたALC表面からは主筋に沿って粗大気泡の露出が観察されなかった。これを実施例1と同様にして切断し、切断面を観察したところ、パネル内部には粗大気泡が残存していることがわかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は棒状回転体又は棒状振動体をモルタル中に挿入すると共に、モルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入しつつ、水平移動することにより補強筋上部及びその近傍に発生した粗大気泡をモルタル表面へ浮上させ易くし、粗大気泡を殆ど残留することなく消滅させられる。つまり、型枠内に配した補強筋の上部に蓄積した気泡溜まりを簡単に除去でき、表面近傍の巣や内部の粗大気泡が少なくなり、パネルの意匠性に優れると共に、内部に残存する空洞も少なくなるのでパネル端部の強度が優れたパネル製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒状回転体又は棒状振動体の差し込む位置を示す図である。
【図2】本発明の棒状回転体を示す正面図である。
【図3】本発明の棒状回転体及び注水棒を示す正面図である。
【図4】本発明の棒状回転体の他例を示す正面図である。
【図5】本発明の先端に注水構造を持つ棒状回転体を示す正面図である。
【図6】図5の底面図である。
【図7】補強筋が埋設されたパネルを示す断面図である。
【図8】図7のX−X’で切断した断面図である。
【図9】図7のY−Y’で切断した断面図である。
【図10】従来のパネルを主筋に対して垂直方向に切断した断面図である。
【図11】型枠に補強筋を配し、主筋に対して水平方向から見た断面図である。
【図12】型枠に補強筋を配し、主筋に対して垂直方向から見た断面図である。
【図13】本発明で垂直振動を行う棒状振動体及び注水棒を示す正面図である。
【図14】本発明で水平振動を行う棒状振動体及び注入棒を示す正面図である。
【図15】型枠に注入されたモルタルの発泡率と時間の関係の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 主筋
2 副筋
3 補強筋
4 型枠
5 モルタル
6 モルタルスラリー
7 気泡溜まり
8 棒状回転体又は棒状振動体
8a 支持フレーム
9 重質化部分
10 注水口
11 注水棒
12 羽根
13 補強筋保持枠
14 補強筋保持棒
15 溝状螺旋棒状回転体
16 撹拌羽根状回転体
17 垂直振動を行う棒状振動体
17a 振動腕
18 平行振動を行う棒状振動体
18a 振動腕
19 起振器
Claims (2)
- 複数の補強筋が配置された型枠内に、軽量気泡コンクリート用モルタルスラリーを注入し、発泡させた後、補強筋の上部のモルタル中に棒状回転体を挿入すると共に、モルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入しつつ、回転運動を加えながら水平移動させ補強筋上部の粗大気泡を除去することを特徴とする軽量気泡コンクリートの製造方法。
- 複数の補強筋が配置された型枠内に、軽量気泡コンクリート用モルタルスラリーを注入し、発泡させた後、補強筋の上部のモルタル中に棒状振動体を挿入すると共に、モルタル粘度上昇を遅らせるための水又は水溶液を注入しつつ、水平振動及び垂直振動の少なくとも一方を加えながら水平移動させ、補強筋上部の粗大気泡を除去することを特徴とする軽量気泡コンクリートの製造方法。
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