JP3585279B2 - 回転刃ホルダ固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、たとえば、紙、プラスチックフィルムなどの連続ウエブを複数条にスリットするスリッタにおいて、その回転刃のホルダを回転軸に固定する回転刃ホルダ固定装置に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
回転刃式スリッタでは、紙、プラスチックフィルムなどの連続ウエブが多数の回転刃に導かれる。回転刃は間隔を置いて配置され、回転軸に支持され、回転軸と一体的に回転する。したがって、各回転刃が連続ウエブに作用し、連続ウエブが複数条にスリットされる。そのスリット幅は回転刃の間隔に対応する。したがって、各回転刃を回転軸に沿って移動させ、あらかじめ回転刃の間隔を調整し、これによって連続ウエブのスリット幅を選定することができる。連続ウエブのスリット幅を随時変更することもできる。
【0003】
各回転刃に上刃と下刃が使用されることも多い。この場合、上刃は薄い環状のもので、これを回転軸に直接取り付けることはできない。したがって、普通、円筒状ホルダの外周に上刃が取り付けられ、ホルダが回転軸に嵌合される。ホルダは軸方向割りみぞを有する。さらに、ホルダの割りみぞの両側部分のうち、一方側の部分に透孔が形成され、他方側の部分にねじ孔が形成され、締付ビスが透孔に挿入され、ねじ孔にねじ合わされる。したがって、締付ビスによってホルダを締め付け、その内径を減少させ、これを回転軸に固定することができる。したがって、各上刃を回転軸と一体的に回転させ、これによって連続ウエブをスリットすることができる。
【0004】
さらに、上刃およびホルダを回転軸に沿って移動させ、これによって上刃の間隔を調整することもできる。したがって、連続ウエブのスリット幅を適宜選定することができ、随時変更することもできる。しかしながら、従来はその作業にともなう問題があった。ホルダを回転軸に沿って移動させるには、その固定状態を一旦解除する必要があるが、ホルダの固定後、締付ビスをゆるめても、それによってホルダの内径が拡大されるわけではなく、その固定状態は解除されない。このため、マイナスドライバをホルダの割りみぞに差し込み、これによってホルダの内径を拡大し、その固定状態を解除し、ホルダを回転軸に沿って移動させていたが、マイナスドライバを差し込んだ状態でホルダを移動させねばならず、面倒である。しかも、各上刃毎に、マイナスドライバをその割りみぞに差し込まねばならず、その作業は容易ではないという問題があったものである。
【0005】
【発明の目的】
したがって、この発明は、上刃などの回転刃のホルダにおいて、締付ビスによってホルダを締め付け、その内径を減少させ、ホルダを回転軸に固定することができ、締付ビスをゆるめると、それだけでホルダの内径が拡大され、その固定状態が解除され、ホルダを回転軸に沿って移動させることができるようにすることを目的としてなされたものである。
【0006】
【発明の構成】
この発明によれば、軸方向割りみぞを有する円筒状ホルダの外周に環状回転刃を取り付け、前記ホルダを回転軸に嵌合するとともに、前記ホルダの割りみぞの両側部分のうち、一方側の部分に透孔を形成し、他方側の部分にねじ孔を形成し、締付ビスを前記透孔に挿入し、前記ねじ孔にねじ合わせ、前記締付ビスによって前記ホルダを締め付け、その内径を減少させ、前記ホルダを前記回転軸に固定するようにした装置において、ストッパを前記ホルダに設け、前記透孔に固定し、前記締付ビスのヘッドにその軸方向に対向させるとともに、前記ストッパの中央に前記締付ビスのヘッドよりも小さい開孔を形成し、前記開孔から前記締付ビスを操作し、前記ストッパによって前記締付ビスの変位を制限するようにしたことを特徴とする回転刃ホルダ固定装置が提供される。
【0007】
【実施例の説明】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0008】
図1において、これはスリッタの回転刃である。このスリッタでは、回転刃として上刃1と下刃2が使用され、多数の上刃1が間隔を置いて配置され、その回転軸3に支持され、回転軸3と一体的に回転する。下刃2についても、多数の下刃2が間隔を置いて配置され、その回転軸に支持されており、回転軸と一体的に回転する。さらに、紙、プラスチックなどの連続ウエブが上刃1と下刃2間に導かれ、上刃1と下刃2によって連続ウエブがスリットされる。したがって、連続ウエブを複数条にスリットすることができ、そのスリット幅は上刃1および下刃2の間隔に対応する。
【0009】
上刃1は薄い環状のもので、円筒状ホルダ4の外周にそれが取り付けられており、ホルダ4は回転軸3に嵌合されている。さらに、カラー5がホルダ4に取り付けられ、リング状スプリング6がカラー5と上刃1間に設けられ、スプリング6によって上刃1が弾性保持されている。
【0010】
図2に示すように、ホルダ4は軸方向割りみぞ7を有する。さらに、ホルダ4の割りみぞ7の両側部分8,9のうち、一方側の部分8に透孔10が形成され、他方側の部分9にねじ孔11が形成され、締付ビス12が透孔10に挿入され、ねじ孔11にねじ合わされている。さらに、締付ビス12にヘッド13が設けられ、透孔10に環状肩が形成されており、その肩にヘッド13が係合する。したがって、締付ビス12を一方向に回転させ、締付ビス12によってホルダ4を締め付け、その内径を減少させることができ、ホルダ4を回転軸3に固定することができる。したがって、各上刃1を回転軸3と一体的に回転させ、これによって連続ウエブをスリットすることができるものである。
【0011】
さらに、ストッパ14がホルダ4に設けられている。この実施例では、透孔10にねじみぞが形成され、ストッパ14として環状体が使用され、これが透孔10にねじ込まれ、固定されており、ストッパ14は締付ビス12のヘッド13にその軸方向に対向する。さらに、ストッパ14の中央に開孔15が形成されている。開孔15は締付ビス12のヘッド13よりも小さい。
【0012】
なお、下刃2は一定幅の環状のもので、その回転軸に適宜取り付けられているのは従来と同様である。
【0013】
したがって、この装置において、たとえば、マイナスまたはプラスドライバをストッパ14の開孔15に挿入すると、マイナスまたはプラスドライバを締付ビス12のヘッド13に係合させることができる。したがって、ストッパ14の開孔15から締付ビス12を操作することができ、マイナスまたはプラスドライバによって締付ビス12を回転させることができる。
【0014】
さらに、上刃1およびホルダ4を回転軸3に沿って移動させるとき、マイナスまたはプラスドライバをストッパ14の開孔15に挿入し、締付ビス12を逆方向に回転させ、これによって締付ビス12をゆるめると、締付ビス12がねじ孔11内で後退する。さらに、透孔10内において、締付ビス12のヘッド13がストッパ14に押し付けられ、ストッパ14によって締付ビス12の変位が制限される。したがって、締付ビス12によってホルダ4の割りみぞ7が開かれ、その内径が拡大され、これによってホルダ4の固定状態が解除される。
【0015】
したがって、締付ビス12をゆるめると、それだけでホルダ4の内径が拡大され、その固定状態が解除されるものである。したがって、ホルダ4を回転軸3に沿って移動させ、上刃1の間隔を任意に調整することができる。その作業は容易である。その後、マイナスまたはプラスドライバをストッパ14の開孔15に挿入し、締付ビス12によってホルダ4を締め付け、これを回転軸3に固定することができる。したがって、連続ウエブのスリット幅を適宜選定することができ、随時変更することもできる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、上刃1などの回転刃のホルダ4において、締付ビス12によってホルダ4を締め付け、その内径を減少させ、ホルダ4を回転軸3に固定することができる。さらに、締付ビス12をゆるめると、それだけでホルダ4の内径が拡大され、その固定状態が解除される。したがって、ホルダ4を回転軸3に沿って移動させ、回転刃の間隔を任意に調整することができ、その作業は容易であり、所期の目的を達成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置の横断面図である。
【符号の説明】
1 上刃
3 回転軸
4 ホルダ
7 割りみぞ
10 透孔
11 ねじ孔
12 締付ビス
13 ヘッド
14 ストッパ
15 開孔

Claims (1)

  1. 軸方向割りみぞを有する円筒状ホルダの外周に環状回転刃を取り付け、前記ホルダを回転軸に嵌合するとともに、前記ホルダの割りみぞの両側部分のうち、一方側の部分に透孔を形成し、他方側の部分にねじ孔を形成し、締付ビスを前記透孔に挿入し、前記ねじ孔にねじ合わせ、前記締付ビスによって前記ホルダを締め付け、その内径を減少させ、前記ホルダを前記回転軸に固定するようにした装置において、ストッパを前記ホルダに設け、前記透孔に固定し、前記締付ビスのヘッドにその軸方向に対向させるとともに、前記ストッパの中央に前記締付ビスのヘッドよりも小さい開孔を形成し、前記開孔から前記締付ビスを操作し、前記ストッパによって前記締付ビスの変位を制限するようにしたことを特徴とする回転刃ホルダ固定装置。
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