JP3584228B2 - アクリル酸エステル化合物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル酸エステル化合物、その製造方法およびその合成中間体となる含硫化合物に関する。さらには、該アクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物、該重合性組成物を重合して得られる硬化物、ならびに、光学部品に関する。
【0002】
本発明のアクリル酸エステル化合物は、分子内に特定のジチオラン環構造を有する新規化合物であり、光硬化可能な重合性組成物用のモノマーとして有用である。該重合性組成物を硬化して得られる光学部品は、光学特性、熱的特性、機械的特性が良好であり、且つ、生産性に優れ、高屈折率であり、矯正用眼鏡レンズを代表とする各種プラスチックレンズ、光情報記録媒体基板、液晶セル用プラスチック基板、反射防止膜や光ファイバーコーティング材料などの透明性コーティング材料、LED封止材料、歯科材料等として有用である。
【0003】
【従来の技術】
無機ガラスは、透明性に優れ、光学異方性が小さいなどの諸物性に優れていることから、透明性光学材料として広い分野で使用されている。しかしながら、重くて破損しやすいこと、生産性が悪い等の問題があり、近年、無機ガラスに代わる光学用樹脂(有機光学用材料)の開発が盛んに行われている。
【0004】
光学用樹脂として基本的に重要な特性は透明性である。現在までに、透明性のよい工業的な光学用樹脂として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ビスフェノールAポリカーボネート(BPA−PC)、ポリスチレン(PS)、メチルメタクリレート−スチレン共重合ポリマー(MS),スチレン−アクリロニトリル共重合ポリマー(SAN)、ポリ(4−メチルペンテン−1)(TPX)、ポリシクロオレフィン(COP)、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート(EGAC)、ポリチオウレタン(PTU)等が知られている。
【0005】
PMMAは透明性、耐候性に優れ、かつ成形性も良好である。しかしながら、屈折率(nd)が1.49と小さく、吸水性が大きいという欠点がある。
【0006】
BPA−PCは、透明性、耐熱性、耐衝撃性および高屈折性に優れるものの、色収差が大きく利用分野が限定される。
【0007】
PSおよびMSは、成形性、透明性、低吸水性および高屈折性に優れるものの、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に劣り光学用樹脂としてはほとんど実用化されていない。
【0008】
SANは比較的、屈折率が高く、機械的物性もバランスがよいとされているが、耐熱性にやや難があり(熱変形温度:80〜90℃)、光学用樹脂としてはほとんど使われていない。
【0009】
TPXおよびCOPは透明性、低吸水性、耐熱性に優れるものの、低屈折率(nd=1.47〜1.53)で耐衝撃性やガスバリヤー性や染色性が悪いという問題がある。
【0010】
EGACはジエチレングリコールビスアリルカーボネートをモノマーとする熱硬化性樹脂であり、汎用眼鏡レンズ用途には最も多く使用されている。透明性、耐熱性には優れ、色収差は極めて小さいものの、低屈折率(nd=1.50)で耐衝撃性に劣るという欠点がある。
【0011】
PTUは、ジイソシアネート化合物とポリチオール化合物との反応で得られる熱硬化性樹脂であり、超高屈折率眼鏡レンズ用途には最も多く使用されている。透明性、耐衝撃性、高屈折性に特に優れ、且つ色収差も小さく、極めて優秀な材料であるが、唯一、熱重合成形時間が長い(1日〜3日)という欠点があり、生産性の点で問題を残している。
【0012】
上記の生産性を高めるために短時間で重合、硬化を行う目的で、重合性化合物として臭素原子あるいは硫黄原子を含有するアクリル酸エステル化合物を用いて、光重合によって光学用レンズを得る方法(例えば、特開昭63−248811号公報、特開平3−217412号公報など)、含硫脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いて光学用レンズを得る方法(例えば、特開平3−215081号公報など)等が提案されている。
【0013】
しかしながら、これらの方法によると、得られる樹脂は光学用材料として使用される場合に決して満足されるものとは言えなかった。すなわち、例えば、重合性化合物(モノマー)の粘度が高く流動性が低いために濾過、モールドへの注入など操作の際に作業効率が低下するという問題があったり、あるいは、短時間での重合は可能となるものの、屈折率またはアッベ数が十分に高くなかったり、眼鏡レンズとして用いた場合、高屈折率のものは、脆くて割れやすかったり、比重の大きい等の問題があり、それらの問題を克服した材料の開発が強く望まれていた。
【0014】
以上のように、従来の光学用樹脂は優れた特徴を有しているものの、それぞれに克服すべき欠点を有しているのが現状である。このような状況下にあって、透明性、熱的特性、機械的特性が良好であり、且つ、作業性、生産性に優れた高屈折率の光学用樹脂の開発が切望されているのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述したような従来の光学用樹脂の欠点を解決し、透明性、熱的特性、機械的特性が良好であり、且つ、作業性、生産性に優れた高屈折率の光学用樹脂を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、
一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物に関する。
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族アルキル基または置換基を有していてもよい芳香族残基を表し、R3は水素原子またはアルキル基を表し、Aは2価の有機基を表し、Xは硫黄原子または酸素原子を表す。但し、Xが酸素原子である場合、R1は置換基を有していてもよい芳香族残基を表す)
【0019】
また、上記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物、該重合性組成物を重合して得られる硬化物、さらには、その硬化物からなる光学部品に関する。
【0020】
また、上記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物の製造方法であって、下記一般式(2)で表される含硫化合物をアクリル酸エステル化することを特徴する。特に、前記一般式(2)の化合物をハロプロピオン酸類またはその酸ハロゲン化物と反応させ、ハロプロピオン酸エステル化合物とした後、脱ハロゲン化水素して、アクリル酸エステル化することを特徴とする前記方法に関する。
【0021】
さらには、該アクリル酸エステル化合物の原料として有用な一般式(2)で表される含硫化合物に関する。
【0022】
【化5】
【0023】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族アルキル基または置換基を有していてもよい芳香族残基を表し、Aは2価の有機基を表し、Xは硫黄原子または酸素原子を表す。但し、Xが酸素原子である場合、R1は置換基を有していてもよい芳香族残基を表す)
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は、特定のジチオラン環構造を有することを構造上の特徴とする新規化合物である。
【0026】
一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族アルキル基または置換基を有していてもよい芳香族残基を表す。ここで、「芳香族アルキル基」及び「芳香族残基」とは、前者が芳香環がアルキル基を介して結合するのに対して、後者が芳香環の構成原子に直接結合していることを示し、これらの基中の芳香環がヘテロ原子を含有する芳香族性を有する複素環でもよいことを意味する。
【0027】
但し、一般式(1)中のXが酸素原子である場合には、R1は置換基を有していもよい芳香族残基を表す。
【0028】
R1または/およびR2が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、該アルキル基中に含まれる置換基として、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、芳香族アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、芳香族アルキルチオ基、アリールチオ基またはアリールチオアルキルチオ基などが挙げられる。
【0029】
R1または/およびR2が置換基を有していてもよい芳香族アルキル基または芳香族残基である場合、該芳香族アルキル基中または芳香族残基中の芳香環が置換されることが好ましい。かかる置換基として、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アリールチオアルキルチオ基またはハロゲン原子などが挙げられる。
【0030】
R1または/およびR2が置換基を有していてもよい芳香族アルキル基または芳香族残基中の芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素、またはチオフェン、ピリジン、ピロール、フラン、γ−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5−トリアジン、インドール、キノリン、プリン等の芳香族性を有する複素環などの環が挙げられる。
【0031】
一般式(1)における置換基R1およびR2は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の鎖状、環状またはこれらの組み合わせてなるアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の芳香族残基であり、
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の鎖状、環状またはこれらの組み合わせてなるアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜12の芳香族アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜12の芳香族残基である。
【0032】
かかる置換基R1およびR2の具体例としては、
水素原子、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、等の直鎖、分岐または環状のアルキル基、
ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、β−フェニルエチル基、等の置換または未置換の芳香族アルキル基、
フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、2−メチルチオフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、等の置換または未置換の芳香族残基などが例示される。
【0033】
該置換基R1および/またはR2として、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、フェニル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、4−フェニルフェニル基、α−ナフチル基またはβ−ナフチル基である。
【0034】
本発明の効果を考慮すると、該置換基R1として、フェニル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、4−フェニルフェニル基、α−ナフチル基またはβ−ナフチル基は、特に好ましい。
【0035】
一般式(1)において、R3は、水素原子またはアルキル基を表す。
該置換基R3として、好ましくは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子またはメチル基である。
【0036】
一般式(1)において、Aは2価の有機基を表す。
かかる有機基Aとして、好ましくは、酸素原子または硫黄原子を含有していてもよいアルキレン基であり、より好ましくは、炭素数1〜10の酸素原子または硫黄原子を含有していてもよいアルキレン基であり、さらに好ましくは、下記式(a)で表される基である。
【0037】
【化6】
【0038】
上記式(a)において、Bは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、好ましくは、メチレン基、1,2−エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基(1−メチル−1,2−エチレン基)を表す。
【0039】
上記式(a)において、Yは酸素原子または硫黄原子であり、好ましくは、硫黄原子である。
【0040】
上記式(a)において、mは1〜3の整数であり、好ましくは、1〜2の整数であり、より好ましくは、整数1である。
【0041】
上記式(a)において、nは0〜3の整数であり、好ましくは、0〜2の整数であり、さらに好ましくは、整数0または1であり、整数0は特に好ましい。
【0042】
一般式(1)において、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、好ましくは、硫黄原子である。
【0043】
本発明の各種所望の効果を得るためには、一般式(1)において、R1もしくはR2の一方が置換基を有していてもよい芳香族残基であることが好ましく、より好ましくは、Xが硫黄原子であり、かつ、R1が置換基を有していてもよい芳香族残基であり、R2が水素原子である。
【0044】
本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物としては、例えば、
4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−エチル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−プロピル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−ブチル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(3’−メチルフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2’−メチルフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェニルフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジメチル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
【0045】
4−(2−アクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
4−(3−アクリロイルチオプロピル)−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
4−アクリロイルチオメチルチオメチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−アクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(3−アクリロイルチオプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−[2−(アクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−アクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(3−アクリロイルチオプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(アクリロイルチオメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−アクリロイルチオエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(3−アクリロイルチオプロピルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(アクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−アクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(3−アクリロイルチオプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0046】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−アクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−アクリロイルチオプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(アクリロイルチオメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−アクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−アクリロイルチオプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−アクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−フリール−4−[2−(2−アクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(アクリロイルチオメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(アクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0047】
2−メチル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェニルフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
【0048】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−アクリロイルオキシエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−アクリロイルオキシプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(2−アクリロイルオキシメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−アクリロイルオキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−アクリロイルオキシプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−フリール−4−[2−(2−アクリロイルオキシエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(2−アクリロイルオキシメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(2−アクリロイルオキシメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0049】
4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
【0050】
2−メチル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−エチル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−プロピル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−ブチル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(3’−メチルフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2’−メチルフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−フェニルフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジメチル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−メタアクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン、
【0051】
4−(2−メタアクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
4−(3−メタアクリロイルチオプロピル)−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
4−メタアクリロイルチオメチルチオメチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(3−メタアクリロイルチオプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(3−メタアクリロイルチオプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(3−メタアクリロイルチオプロピルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(3−メタアクリロイルチオプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0052】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−メタアクリロイルチオエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−メタアクリロイルチオプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−メタアクリロイルチオプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−メタアクリロイルチオエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−フリール−4−[2−(2−メタアクリロイルチオエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(2−メタアクリロイルチオメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0053】
2−メチル−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−フェニルフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−メタアクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオラン、
【0054】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−メタアクリロイルオキシエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−メタアクリロイルオキシプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(2−メタアクリロイルオキシメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−メタアクリロイルオキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−メタアクリロイルオキシプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−メタアクリロイルオキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−フリール−4−[2−(2−メタアクリロイルオキシエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(2−メタアクリロイルオキシメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(2−メタアクリロイルオキシメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン
などが示されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は、一般式(2)で表される含硫化合物を原料として、反応それ自体は公知の各種エステル化法によって、好適に製造される。すなわち、下記一般式(2)で表される含硫化合物に対して、
▲1▼(メタ)アクリル酸類[例えば、(メタ)アクリル酸、その酸ハロゲン化物またはそのエステル誘導体など]を反応させて、(メタ)アクリル酸エステル化する方法(例えば、特開昭64−26613号公報、特開昭64−31759号公報、特開昭63−188660号公報などに記載の方法);
▲2▼ハロプロピオン酸類(例えば、3−クロロプロピオン酸、3−ブロモプロピオン酸、3−クロロ−2−メチルプロピオン酸、3−ブロモ−2−メチルプロピオン酸など)またはその酸ハロゲン化物を反応させ、ハロプロピオン酸エステル化合物とした後、脱ハロゲン化水素して、アクリル酸エステル化する方法(例えば、特開平10−204056号公報、特開平2−172968号公報、特開平2−172969号公報、特開平4−29967号公報などに記載の方法); などを代表的な具体例とする公知の各種エステル化方法によって、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は製造される。
【0056】
【化7】
(式中、R1、R2、AおよびXは前記に同じ)
【0057】
上記方法の中でも、本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を製造する方法として、前記後者▲2▼の方法はより好ましい。
【0058】
この方法の中でも下記反応経路に示す方法、すなわち、前記一般式(2)で表される含硫化合物とハロプロピオン酸類の酸ハロゲン化物を反応させて、ハロプロピオン酸エステル化合物(3)を得た後、該ハロプロピオン酸エステル化合物(3)を塩基の存在下に脱ハロゲン化水素して、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を製造する方法は、さらに好ましい。
【0059】
【化8】
(上式中、R1、R2、R3、AおよびXは前記に同じであり、Z1およびZ2はそれぞれ塩素原子または臭素原子を表す)
【0060】
以下、本方法について、さらに詳しく述べる。
初めに、一般式(2)で表される含硫化合物とハロプロピオン酸類の酸ハロゲン化物との反応により、ハロプロピオン酸エステル化合物(3)を製造する方法について詳しく述べる。
【0061】
かかる反応の際、上記一般式(2)で表される含硫化合物に対して作用させるハロプロピオン酸類(例えば、3−クロロプロピオン酸、3−ブロモプロピオン酸、3−クロロ−2−メチルプロピオン酸、3−ブロモ−2−メチルプロピオン酸など)の酸ハロゲン化物の使用量は、特に制限するものではないが、通常、該含硫化合物1モルに対して、0.1〜5モルであり、好ましくは、0.2〜3モルであり、より好ましくは、0.5〜2モルある。ハロプロピオン酸類の酸ハロゲン化物の使用量として、0.8〜1.5モルであることは、特に好ましい。
【0062】
反応は、無溶媒で行ってもよく、あるいは反応に対して不活性溶媒中で行ってもよい。かかる溶媒としては、反応不活性な溶媒であれば特に限定するものではなく、例えば、水、有機溶媒あるいはこれらの混合系で行ってもよい。該有機溶媒としては、n−ヘキサン、ベンゼンまたはトルエン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソクロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の極性溶媒などが例示される。これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を併用しても差し支えない。
【0063】
反応温度は特に制限はなく、通常、−78〜150℃の範囲であり、好ましくは、−20〜120℃であり、より好ましくは、0〜100℃である。
【0064】
反応時間は反応温度にも依存するが、通常、数分〜100時間であり、好ましくは、30分〜50時間であり、より好ましくは、1〜20時間である。また、公知の分析手段(例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、IRなど)により反応率を確認しながら、任意の反応率で反応を停止することも可能である。
【0065】
かかる反応は、無触媒下、副生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素など)を、反応系外に除去しながら行ってもよく、あるいは、脱ハロゲン化水素剤を用いて行ってもよい。
【0066】
該脱ハロゲン化水素剤としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の有機塩基、あるいは、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機塩基などが例示される。
【0067】
かかる脱ハロゲン化水素剤の使用量としては、特に制限はないが、上記一般式(2)で表される含硫化合物1モルに対して、0.05〜10モルであり、好ましくは、0.1〜5モルであり、より好ましくは、0.5〜3モルである。
【0068】
次に、ハロプロピオン酸エステル化合物(3)を塩基の存在下に脱ハロゲン化水素して、本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を製造する方法について、詳しく述べる。
【0069】
この反応に用いる塩基としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、アニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トルイジン、アニシジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の有機塩基、あるいは、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機塩基などが例示される。
【0070】
かかる塩基の使用量としては、特に制限はないが、ハロプロピオン酸エステル化合物(3)1モルに対して、0.05〜10モルであり、好ましくは、0.1〜5モルであり、より好ましくは、0.5〜3モルである。
【0071】
反応は、無溶媒で行ってもよく、あるいは反応に対して不活性溶媒中で行ってもよい。かかる溶媒としては、反応不活性な溶媒であれば特に限定するものではなく、例えば、水、有機溶媒あるいはこれらの混合系で行ってもよい。
【0072】
該有機溶媒としては、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の極性溶媒などが例示される。これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を併用しても差し支えない。
【0073】
反応温度は特に制限はなく、通常、−78〜150℃の範囲であり、好ましくは、−20〜120℃であり、より好ましくは、0〜100℃である。
【0074】
反応時間は反応温度にも依存するが、通常、数分〜100時間であり、好ましくは、30分〜50時間であり、より好ましくは、1〜20時間である。また、公知の分析手段(例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、IRなど)により反応率を確認しながら、任意の反応率で反応を停止することも可能である。
【0075】
上述した反応経路においては、一段階目のハロプロピオン酸エステル化反応の後に中間体である一般式(3)で表されるハロプロピオン酸エステル化合物を一旦、取り出した後、二段階目の脱ハロゲン化水素を行う段階的な方法であってもよく、あるいは、該ハロプロピオン酸エステル化合物を途中で取り出すことなく、一段階(one−pot)で次の脱ハロゲン化水素反応を行う方法のうち、いずれの方法であっても差し支えない。
【0076】
本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を製造する際に、反応中あるいは反応後において生成物の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することは好ましいことである。
【0077】
かかる重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、ハイドロキノン、フェノチアジン等の公知の各種化合物を例示することができる。
【0078】
重合禁止剤の使用量は特に制限はないが、反応系中の原料混合物あるいは反応生成物に対して、通常、0.001〜5質量%であり、好ましくは、0.05〜3質量%であり、より好ましくは、0.01〜1質量%である。
【0079】
反応終了後、生成物である本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は、公知の操作、処理方法(例えば、中和、溶媒抽出、水洗、分液、溶媒留去など)により後処理されて単離される。前述の方法で得られた一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物は、さらに必要に応じて、公知の方法(例えば、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーあるいは活性炭処理など)により分離、精製して、より高純度の化合物として単離される。
【0080】
本発明の一般式(2)で表される含硫化合物は新規化合物であり、前述した通り、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物の合成中間体となる。
【0081】
一般式(2)において、R1、R2、AおよびXは、先に説明した一般式(1)におけるR1、R2、AおよびXと同じ意味を表す。
【0082】
本発明の一般式(2)で表される含硫化合物としては、例えば、
4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−エチル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−プロピル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−n−ブチル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(3’−メチルフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2’−メチルフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェニルフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジメチル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、
【0083】
4−(2−メルカプトエチル)−1,3−ジチオラン、
4−(3−メルカプトプロピル)−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−メルカプトエチル)−1,3−ジチオラン、
4−メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−メルカプトエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(3−メルカプトプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−(2−メチル−2−メルカプトエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
4−[2−(メルカプトメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メルカプトエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(3−メルカプトプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−(2−メチル−2−メルカプトエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(メルカプトメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メルカプトエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(3−メルカプトプロピルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[3−(2−メチル−2−メルカプトエチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(メルカプトメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メルカプトエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(3−メルカプトプロピルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
4−[2−メチル−2−(2−メチル−2−メルカプトエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0084】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−メルカプトエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−メルカプトプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(メルカプトメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−メルカプトエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−メルカプトプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−メルカプトエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
【0085】
2−フリール−4−[2−(2−メルカプトエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(メルカプトメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(メルカプトメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
【0086】
2−メチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェニルフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−フェノキシフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−メチルチオフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(2,4,6−トリメチルチオフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−クロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(4’−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(α−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−(β−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2−メチル−2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
2,2−ジフェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン、
【0087】
2−(4−メチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジチオラン、
2−α−ナフチル−4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−ジチオラン、
2−フェニル−4−(ヒドロキシメチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−メトキシフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(4−ブロモフェニル)−4−(2−ヒドロキシプロピルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−(チオフェン−2−イル)−4−(2−メチル−2−ヒドロキシエチルチオ)メチル−1,3−ジチオラン、
2−フリール−4−[2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル]−1,3−ジチオラン、
2−(4−メチルチオフェニル)−4−[3−(ヒドロキシメチルチオ)プロピル]−1,3−ジチオラン、
2−β−ナフチル−4−[2−メチル−2−(ヒドロキシメチルチオ)エチル]−1,3−ジチオランなどが示されるが、
本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
【0088】
上記一般式(2)においてXが酸素原子である化合物は、反応それ自体は公知の方法[例えば、Journal of Chemical Society(C)、415〜419頁(1966年)などに記載の方法]と同様にして、好適に製造される。
【0089】
すなわち、例えば、公知化合物である2,3−ジメルカプトプロパノールに対して、酸触媒の存在下にホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)を作用させる方法によって、一般式(2)において、R1=水素原子、R2=水素原子であり、Aが−CH2−基であり、Xが酸素原子である化合物は製造される。
【0090】
同様な方法により以下に示すように、下記式(4)で表されるジメルカプト化合物に対して、酸触媒(例えば、プロトン酸またはルイス酸など)の存在下に下記式(5)で表されるカルボニル基含有化合物を反応させることにより、一般式(2)においてXが酸素原子である含硫ヒドロキシ化合物は製造される。
【0091】
【化9】
(上記式中、R1、R2、AおよびXは、前記に同じ)
【0092】
本発明の一般式(2)においてXが硫黄原子である含硫チオール化合物は、一般式(2)においてXが酸素原子である含硫ヒドロキシ化合物を原料として用いて、反応それ自体は公知の方法に従って分子中のヒドロキシ基をチオール基へと変換することで、好適に製造される。
【0093】
すなわち、例えば、一般式(2)においてXが酸素原子であるヒドロキシ化合物を、Xが硫黄原子であるチオール(メルカプト)化合物へと変換するには、公知の方法、例えば、Journal of American Chemical Society,68巻,頁2103〜2104(1946年)、Journal of Organic Chemistry,27巻,頁93〜95(1962年)、Organic Synthesis,V,頁401〜403(1963年)などに記載の方法によって、好適に実施される。
【0094】
すなわち、一般式(2)におけるXが酸素原子であるヒドロキシ化合物を、例えば、塩化水素、臭化水素などと作用させヒドロキシ化合物をハロゲン化合物へ誘導した後、該ハロゲン化合物に対してチオ尿素を反応させてチオロニウム塩として、次いで、アンモニア水、水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて加水分解する方法により、本発明の一般式(2)においてXが硫黄原子であるチオール化合物は好適に製造される。
【0095】
次に、本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物について詳しく説明する。
【0096】
本発明の重合性組成物は、必須成分として、本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物、ならびに、重合開始剤を含有する。重合開始剤は、光、熱などによって重合性化合物の重合を開始する化合物であり、後述するような各種公知の重合開始剤が使用される。
【0097】
本発明の重合性組成物において、上記アクリル酸エステル化合物は単独で用いてもよく、あるいは、一般式(1)に包含される異なるアクリル酸エステル化合物を2種以上併用しても差し支えない。
【0098】
さらに本発明の重合性組成物は、所望の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含有する以外に、公知の重合性を有する化合物(光または/及び熱重合性モノマーまたはオリゴマー等)を含有していても差し支えない。
【0099】
上記重合性組成物中に含まれる一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物の量は、特に制限はないが、通常、重合性組成物全体の質量に対して10質量%以上であり、好ましくは、20質量%以上であり、より好ましくは、30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。
【0100】
本発明の重合性組成物に使用する重合開始剤としては、特に限定するものではなく、公知の熱によって重合開始する化合物(熱重合開始剤)または光によって重合を開始する化合物(光重合開始剤)を使用することができる。
【0101】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、4−フェニルベンゾフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メチルベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−N,N,N−メチルベンゼンメタナミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[(2−(1−オキソ−2−プロペノキシ)エチル)ベンゼンメタナミニウムブロミド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、
2−イソプロピルチオキサトン、4−イソプロピルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、
2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ 9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2−ベンゾイルメチレン−3−メチルナフト(1,2−d)チアゾリンなどのカルボニル化合物;
【0102】
ベンジル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジオン(通称、カンファーキノン)、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、α−オキソベンゼン酢酸メチルエステルなどのジカルボニル化合物;
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1,1−ジクロロアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノールプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、
3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロパノイル)−9−ブチルカルバゾールなどのアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−(4−n−プロピルフェニル)ホスフィンオキシドなどのアリルホスフィンオキシド系化合物;
4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブトキシエチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチルエステル、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,5’−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロペンタノンなどのアミノカルボニル化合物;
【0103】
2,2,2−トリクロロ−1−(4’−tert−ブチルフェニル)エタン−1−オン、2,2−ジクロロ−1−(4−フェノキシフェニル)エタン−1−オン、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリール)エチリジン]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−フリールエチリジン]トリアジンなどのハロゲン化合物;
9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、η−5−2−4−(シクロペンタジエニル)(1,2,3,4,5,6,η)−(メチルエチル)−ベンゼン]鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、ビス(5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピル−1−イル)フェニル]チタニウムなどの公知の化合物を例示することができる。これらは単独で使用することも、あるいは、2種以上を併用してもよい。
【0104】
該光重合開始剤の使用量は、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物100質量部に対して、0.001〜50質量部であり、好ましくは、0.01〜30質量部であり、より好ましくは、0.1〜10質量部であり、さらに好ましくは、0.2〜5質量部である。
【0105】
熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート、tert−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物ならびにアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などを例示することができる。
【0106】
該熱重合開始剤の使用量は、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物100質量部に対して、通常、0.001〜50質量部であり、好ましくは、0.01〜30質量部であり、より好ましくは、0.1〜10質量部であり、さらに好ましくは、0.2〜5質量部である。
【0107】
本発明の重合性組成物に用いる重合性の化合物として、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物以外の、公知の重合性を有する化合物としては、
例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−n−ブチル−O−(メタ)アクリロイルオキシエチルカーバメート、アクリロイルモルホリン、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロイルオキシフェニル)プロパン、ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)メタン、ビス(4−メタアクリロイルオキシフェニル)メタン、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシ)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−メタアクリロイルオキシ)フェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−メタアクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)メタン、ビス(4−メタアクリロイルオキシエトキシフェニル)メタン、ビス[4−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]メタン、[4−(2−メタアクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−メタアクリロイルオキシエトキシ)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−メタアクリロイルオキシプロポキシ)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニルスルフォン、4,4’−ビス(2−メタアクリロイルオキシエトキシ)フェニルスルフォン、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニルスルフォン、4,4’−ビス(2−メタアクリロイルオキシプロポキシ)フェニルスルフォンなどの二官能(メタ)アクリレート類;
【0108】
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリスイソシアヌレート、(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシ)シランなどの多官能(メタ)アクリレート類;
【0109】
フェニルグリシジルエーテル、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(通称、ビスフェノールF)ジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)ジグリシジルエーテル、4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルフィドジグリシジルエーテル、4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン(通称、ビスフェノールS)ジグリシジルエーテル、4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどの1価または2価以上のエポキシ化合物に対して、(メタ)アクリル酸化合物を作用させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールザイロック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂に対して(メタ)アクリル酸化合物を作用させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート類等;
【0110】
ビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、ジイソプロベニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル化合物類;
エチレングリコールジアリルカーボネート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル基含有化合物類など各種公知の重合性モノマー;
あるいは、ポリウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類、ポリエーテル(メタ)アクリレート類など各種公知の重合性オリゴマー等が例示される。
【0111】
これらの使用量は、本発明の効果をより達成するために、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物100質量部に対して、通常、300質量部以下であり、好ましくは、200質量部以下であり、より好ましくは、100質量部以下である。
【0112】
本発明の重合性組成物の製造方法として、具体的には、本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を用い、所望により上記の公知の各種重合性化合物を併用して、さらに上記重合開始剤を添加した後、混合・溶解させることにより得られる。該重合性組成物は、必要に応じて重合前に不溶物、異物などを濾過により除去して、さらに減圧下で十分に脱泡して重合、硬化に使用される。
【0113】
また、重合性組成物を製造する際には、所望に応じて、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色顔料(例えば、シアニングリーン、シアニンブルー等)、染料、流動調節剤、無機充填剤(例えば、タルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等)、などの公知の各種添加剤を添加することも可能である。
【0114】
本発明の硬化物ならびに該硬化物からなる光学部品は、上記重合性組成物を重合、硬化して得られるものである。これらの方法として、従来から公知の各種方法が採用され好適に実施されるが、代表的には、上述のように得られた重合性組成物をモールド中に注入し、熱または光によって開始されるラジカル重合反応を用いた注型重合などが挙げられる。
【0115】
該モールドは、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等からなるガスケットを介した鏡面研磨した二枚の鋳型により構成される。鋳型としては、ガラスとガラス、ガラスとプラスチック板、ガラスと金属板等の組み合わせの鋳型が挙げられる。また、ガスケットとしては、上記の軟質熱可塑性樹脂(ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等)を用いる以外に、2枚の鋳型をポリエステル粘着テープ等で固定してもよい。また、鋳型に対して、離型処理など公知の処理方法を行ってもよい。
【0116】
ラジカル重合反応としては、前述したように、熱による重合反応(熱重合)、紫外線などの光による重合反応(光重合)、ガンマ線による重合反応等を利用する方法、あるいは、これらの複数を組み合わせた方法などが例示される。
【0117】
光による重合を行った場合、硬化終了後、鋳型を離型させて得られた硬化物または該硬化物からなる光学部品を、内部の応力、歪みを取り除くなどの目的でアニール処理してもよい。
【0118】
これらの方法の中で、熱重合は数時間から数十時間を要するのに対して、紫外線などによる光重合は数秒〜数分で硬化が可能であり、本発明の光学部品の製造時における生産性を高める点を考慮すると、好ましい方法である。
【0119】
熱重合を行う場合、重合温度は重合開始剤の種類など重合条件によって影響されるので、限定されるものではないが、通常、25〜200℃、好ましくは、50〜170℃である。
【0120】
光学レンズの成形方法としては、上述したように、例えば、光または/および熱による注型重合を行いレンズを得る方法が挙げられる(例えば、特開昭60−135901号公報、特開平10−67736号公報、特開平10−130250号公報など)。
【0121】
すなわち、前述の方法により製造された本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物を、必要に応じて、適当な方法で脱泡を行った後、モールド中に注入し、通常、光照射して重合させる方法により、好適に実施される。また熱による重合では、低温から高温へ徐々に加熱して重合させる方法により、好適に実施される。
【0122】
得られた光学レンズは、硬化後、必要に応じて、アニール処理を施されてもよい。さらに必要に応じて、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、防曇性付与あるいはファッション性付与の目的で、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理(例えば、フォトクロミックレンズ化処理など)など公知の各種物理的または化学的処理を施されてもよい。
【0123】
光ディスクや光磁気ディスクの基板の成形方法としては、例えば、前記の方法で得られる一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を含む重合性組成物を、ディスク基板用型キャビティ内に注入し、これをラジカル重合方法等で重合させ、必要に応じて後熱処理する方法(特開昭58−130450号公報、同58−137150号公報、同62−280008号公報など)、両面ガラス型内で光重合する方法(特開昭60−202557号公報)、真空注型または注液完了後、加圧して液状樹脂を熱重合させる方法(特開昭60−203414号公報)など、従来から公知の方法などが挙げられる。
【0124】
本発明の上記重合性組成物を光重合して得られる硬化物、該硬化物からなる光学部品は、重合、硬化に要する時間が数分から数時間であり、既存のポリジエチレングリコールジアリルカーボネート、ポリチオウレタンに代表される熱硬化性の光学用樹脂と比較して短時間で重合、成形が可能であって、生産性が高いことが特徴の一つである。
【0125】
さらに、本発明の硬化物および光学部品は、透明性、機械的特性、熱的特性が良好であり、且つ、公知の光重合性モノマーと比較して高屈折率であるという特徴を有している。該光学部品としては、例えば、矯正用眼鏡レンズを代表とする各種プラスチックレンズ、光情報記録媒体基板、液晶セル用プラスチック基板、光ファイバーコーティング材料などが具体的な形態として挙げられる。
【0126】
本発明の一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物は、分子内に環状チオアセタール構造を有する新規化合物であり、矯正用眼鏡レンズなどを代表とする光学部品用の樹脂原料モノマーとして、非常に有用な化合物である。
【0127】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0128】
▲1▼ 一般式(2)で表される含硫化合物の合成
製造例1〔4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランの合成〕
Journal of Chemical Society (C)、415〜419頁(1966年)に記載の方法に従って行った。すなわち、攪拌装置、冷却管を取り付けたガラス製1リットル反応器中に30%ホルムアルデヒド水溶液250mlおよびジオキサン250mlを秤取し、これらの混合物に対して、攪拌下、2,3−ジメルカプトプロパノール186g(1.5モル)を加えた。硫酸1gをさらに加えた後、窒素雰囲気下、90〜100℃で6時間加熱攪拌して反応させた。ガスクロマトグラフィーにより原料が消失し反応が終了したことを確認した後、減圧下に溶媒を留去した。クロロホルムで抽出し、さらに水洗して得られた有機層から溶媒を留去して、目的物の4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン 133g(0.98モル)を得た。
収率65%
純度>99%(ガスクロマトグラフィー分析による面積法)
沸点:124〜125℃/266kPa(2mmHg)
EI−MS:136(M)
【0129】
実施例1〔4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)においてR1=水素原子、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
攪拌装置、冷却管を取り付けたガラス製500ml容の反応器中に、チオ尿素38.0g(0.50モル)、48%臭化水素酸88g(臭化水素0.5モル相当)を入れた。この混合物に対して、製造例1で合成した4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン68g(0.50モル)を60℃で35分かけて滴下した。さらに、80℃で4時間、反応させてチウロニウム塩化した。反応溶液を高速液体クロマトグラフィーにより分析して、原料のヒドロキシ化合物が消失していることを確認し、反応混合物に対して18%アンモニア水300gを50℃で10分かけて滴下し、さらに50℃で2時間反応させて、チウロニウム塩を加水分解した。トルエン200gを加えて分液、抽出した後、廃水相が中性になるまでトルエン相を水洗し、その後、トルエン相を取り出し、トルエンを減圧下、40℃で留去して黄色透明液体の粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒としてトルエンを使用)により精製して、無色液体の下記式(2−1)に示される4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン 61g(0.40モル)を得た。
収率=80%、純度>99%(ガスクロマトグラフィー分析による面積法)
EI−MS:152(M)
【0130】
【化10】
【0131】
実施例2〔2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)において、R1=フェニル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
攪拌装置、冷却管を取り付けたガラス製1リットル反応器中に2,3−ジメルカプトプロパノール 50.0g(0.40モル)、98%硫酸 0.44g(0.004モル)およびジオキサン 80gを秤取し、該混合溶液に対して、ベンズアルデヒド 46.8g(0.442モル)を、25℃で、30分を要して滴下した。さらに70℃で5時間攪拌して反応が完了した後、反応物を水500gに排出し、トルエンで抽出した。有機層(トルエン溶液)を水層が中性になるまで水洗、分液を繰り返した後、有機層を取り出した。トルエンを減圧下に留去、濃縮したところへ、n−ヘキサンを加えて静置して、析出した結晶を濾過して取り出した。さらにトルエン/ヘキサン(重量比=60/40)で洗浄して、白色結晶として下記式(2−2)に示される2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン 72.2gを得た。
収率 85%
純度 99%(ガスクロマトグラフ面積百分率法により算出)
・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3 ):
2.25(t,1H)、3.40〜4.20(m,5H)、5.65(d,1H)、7.20〜7.55(5H)
EI−MS : 212(M)
【0132】
【化11】
【0133】
実施例3 〔2−(α−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)において、R1=α−ナフチル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=酸素原子である化合物〕
実施例2において、ベンズアルデヒドを使用する代りに、α−ホルミルナフタレンを使用する以外は実施例2に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−3)に示される2−(α−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 262(M)
【0134】
【化12】
【0135】
実施例4 〔2−(β−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)において、R1=β−ナフチル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=酸素原子である化合物〕
実施例2において、ベンズアルデヒドを使用する代りに、β−ホルミルナフタレンを使用する以外は実施例2に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−4)に示される2−(β−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 262(M)
【0136】
【化13】
【0137】
実施例5 〔2−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランの合成; 一般式(2)において、R1=チオフェン−2−イル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=酸素原子である化合物〕
実施例2において、ベンズアルデヒドを使用する代りに、2−ホルミルチオフェンを使用する以外は実施例2に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−5)に示される2−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 218(M)
【0138】
【化14】
【0139】
実施例6〔2−フェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)においてR1=フェニル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
実施例1において、製造例1で合成した4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する代りに、実施例2で製造した2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−6)に示される2−フェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランを得た。
・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3 ):
1.68(dt,1H)、2.80〜3.58(m,4H)、3.97(dm,1H)、5.65(d,1H)、7.20〜7.53(5H)
EI−MS : 228(M)
【0140】
【化15】
【0141】
実施例7〔2−(α−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)においてR1=α−ナフチル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
実施例1において、製造例1で合成した4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する代りに、実施例3で製造した2−(α−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−7)に示される2−(α−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 278(M)
【0142】
【化16】
【0143】
実施例8 〔2−(β−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(2)において、R1=β−ナフチル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
実施例1において、製造例1で合成した4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する代りに、実施例4で製造した2−(β−ナフチル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−8)に示される2−(β−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 278(M)
【0144】
【化17】
【0145】
実施例9 〔2−(チオフェン−2−イル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランの合成; 一般式(2)において、R1=チオフェン−2−イル基、R2=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物〕
実施例1において、製造例1で合成した4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する代りに、実施例5で製造した2−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオランを使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様にして行い、下記式(2−9)に示される2−(チオフェン−2−イル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS : 234(M)
【0146】
【化18】
【0147】
▲2▼一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物の合成
実施例10[4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=水素原子、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物]
攪拌装置、冷却管をつけたガラス製500ml反応容器に、実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)91.2g(0.60モル)を秤取し、これに対して3−クロロプロピオン酸クロリド80.0g(0.63モル)を40℃で15分要して滴下した。さらに40℃で8時間、攪拌して反応させた後、該反応混合物溶液に対してトルエン200gを加え溶解させ、分液漏斗に移液して3質量%炭酸水素ナトリウム水溶液300gで3回洗浄した。その後、純水300gで水層が中性になるまで洗浄した後、有機層(トルエン溶液)を取り出し、トルエンを減圧下、留去して無色透明液体の4−(3−クロロプロピオニルチオ)メチル−1,3−ジチオラン 119gを得た。
【0148】
次いで、ガラス製1リットル反応容器に、上記のようにして得られた4−(3−クロロプロピオニルチオメチル)−1,3−ジチオラン 119g(0.49モル)をアセトン200gに溶解させた溶液に対して、トリエチルアミン74g(0.73モル)を25℃で1時間要して滴下した。その後、25℃で6時間、攪拌して反応させた後、該反応混合物に対して、トルエン400gと水400gを加えて、トルエン相を分液抽出して取り出した。該トルエン溶液を5質量%塩酸水で洗浄後、さらに水相が中性になるまで水洗した後、減圧下、トルエンを留去して、粘性のある無色透明液体として下記式(1−1)に示される目的化合物の4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン 99g(0.48モル)を得た。
【0149】
収率=80%
純度>99%(液体クロマトグラフィー分析による面積法)
EI−MS; 206(M)
【0150】
【化19】
【0151】
実施例11 [2−フェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=フェニル基、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物]
上記実施例10において、反応原料として実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)を使用する代りに、実施例6で製造した2−フェニル−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−6)を使用する以外は、実施例10に記載の方法と同様にして行い、下記式(1−2)に示される目的化合物の2−フェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランを得た。
・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3 ):
3.22〜3.55(m,4H)、4.08(dm,1H)、
5.68〜5.77(m,2H)、6.35〜6.40(d,2H)、7.25〜7.55(5H)
EI−MS: 282(M)
【0152】
【化20】
【0153】
該化合物の粘度を測定したところ、200mPa・s(200cPoise)以下を示し、比較的低粘性で流れ易く、濾過や移液などの作業時の取り扱い性が容易である。
【0154】
実施例12 [2−(α−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=α−ナフチル基、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物]
上記実施例10において、反応原料として実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)を使用する代りに、実施例7で製造した2−(α−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−7)を使用する以外は、実施例10に記載の方法と同様にして行い、下記式(1−3)に示される目的化合物の2−(α−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS: 332(M)
【0155】
【化21】
【0156】
実施例13 [2−(β−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=β−ナフチル基、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物]
上記実施例10において、反応原料として実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)を使用する代りに、実施例8で製造した2−(β−ナフチル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−8)を使用する以外は、実施例10に記載の方法と同様にして行い、下記式(1−4)に示される目的化合物の2−(β−ナフチル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS: 332(M)
【0157】
【化22】
【0158】
実施例14 [2−(チオフェン−2−イル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=チオフェン−2−イル基、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=硫黄原子である化合物]
上記実施例10において、反応原料として実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)を使用する代りに、実施例9で製造した2−(チオフェン−2−イル)−4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−9)を使用する以外は、実施例10に記載の方法と同様にして行い、下記式(1−5)に示される目的化合物の2−(チオフェン−2−イル)−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオランを得た。
EI−MS: 288(M)
【0159】
【化23】
【0160】
実施例15 [2−フェニル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオランの合成;一般式(1)においてR1=フェニル基、R2=水素原子、R3=水素原子、A=−CH2−基、X=酸素原子である化合物]
上記実施例10において、反応原料として実施例1で製造した4−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン(2−1)を使用する代りに、実施例2で製造した2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジチオラン(2−2)を使用する以外は、実施例10に記載の方法と同様にして行い、下記式(1−6)に示される目的化合物の2−フェニル−4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジチオランを得た。
・270MHz 1H−NMR δ(CDCl3 ):
3.30〜3.55(m,2H)、4.00〜4.55(m,3H)、5.75(s,1H)、5.85〜5.90(dd,1H)、6.10〜6.20(dd,1H)、6.40〜6.50(d,1H)、7.20〜7.60(5H)
EI−MS: 266(M)
【0161】
【化24】
【0162】
▲3▼一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を用いた重合性組成物の製造およびその硬化による硬化物の製造
以下の実施例および比較例において製造した硬化物または光学部品(レンズ)の物性評価(透明性、熱的特性、機械的特性)を以下の方法により行った。
・外観:目視により色味、透明性を確認した。
・屈折率、アッベ数:プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で測定した。
・耐熱性: TMA(針侵入法)を用いて硬化物のガラス転移温度を測定した。
・耐衝撃性:中心厚1.5mmのマイナスレンズの中心部に、高さ127cmから28.7gの鉄球を落下させて、割れの有無を調べた。
【0163】
実施例16
上記実施例10で得られたアクリル酸エステル化合物(4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン)30gに対して、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(「Darocur−1173」、チバ社製登録商標)150mgを添加して、よく混合し溶解させた。得られた液体を十分に減圧下、脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に注入した。メタルハライドランプ(80W/cm)を使用して紫外線を60秒間、照射して重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、成形された硬化物をモールドから取り出した。
【0164】
得られた硬化物は、無色透明で光学歪みは観察されなかった。屈折率(nd)は1.660、アッベ数36(νd)であった。
【0165】
実施例17〜21
以下、上記実施例16において、実施例10で得られたアクリル酸エステル化合物(4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン)を使用する代りに、前記実施例11〜15で製造したアクリル酸エステル化合物を使用し、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを使用する代りに、2,4,6−トリメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)を使用する以外は、実施例16と同様にして、重合組成物の調製およびその重合、硬化を行った。
【0166】
硬化物の屈折率、アッベ数を測定した結果を下記表1に示す。
【0167】
【表1】
【0168】
本発明のアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物は、光照射によって開始される重合反応によって短時間で重合、硬化可能であり、得られる硬化物の屈折率は非常に高い。
【0169】
実施例22
前記実施例11で得られたアクリル酸エステル化合物(2−フェニル−4−アクリロイルチオメチル−1,3−ジチオラン) 24g、トリメチロールプロパントリメタアクリレート 3gおよびビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタアクリレート 3gを混合して得られる混合物に対して、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)30mgを添加して、よく混合し溶解させて、粘度の低い液体状の重合性組成物を調製した。得られた該組成物を十分に減圧下、脱泡した後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に注入した。メタルハライドランプ(120W/cm)を使用して紫外線を60秒間、照射して重合を行った。その後、室温まで徐々に冷却したところで硬化物をモールドから取り出した後、さらにイナートオーブン中にて130℃で2時間加熱してアニールを行った。
【0170】
得られた硬化物は、無色透明で光学歪みは観察されなかった。屈折率(nd)は1.655、アッベ数33(νd)であった。
【0171】
硬化物のガラス転移温度は視力矯正用眼鏡レンズとして使用するに際して実用上問題ない程度にあり、また、耐衝撃性は良好であった。
【0172】
比較例1
実施例22において、重合性化合物として本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を使用する代わりに、公知(特開平3−217412号公報に記載)のアクリル酸エステル化合物である1,4−ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン24gおよび2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン6gを使用する以外は、実施例22に記載の方法と同様にして、重合性組成物を調製し、レンズを作製した。
【0173】
該レンズは無色透明であり、屈折率(nd)は1.588、アッベ数(νd)は39であった。
【0174】
比較例2
実施例22において、重合性化合物として本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を使用する代わりに、公知化合物(特開平3−215801号公報の実施例1で使用されている化合物)である2−メタアクリロイルオキシメチル−1,4−ジチアンを使用する以外は、実施例22に記載の方法と同様にして、重合性組成物を調製し、硬化物を作製した。該硬化物は無色透明であり、屈折率(nd)は1.590、アッベ数(νd)は43であった。
【0175】
比較例3
実施例22において、重合性化合物として本発明の一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物を使用する代わりに、公知化合物(特表平12−509075号の本文明細書中61頁に記載されている化合物)である6−メタアクリロイルオキシ−1,4−ジチアシクロヘプタンを使用する以外は、実施例22に記載の方法と同様にして、重合性組成物を調製し、硬化物を作製した。該硬化物は無色透明であり、屈折率(nd)は1.545、アッベ数(νd)は43.5であった。
【0176】
本発明のアクリル酸エステル化合物は従来公知のモノマーと比較して低粘度であることから、重合性組成物の調製時または該重合性組成物を用いて光学部品を作製する際において、流動し易く取り扱い時の作業性に優れる。
【0177】
また、本発明のアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物は、光照射よって重合開始する化合物(重合開始剤)によって短時間で重合、硬化が可能であり、生産効率よく硬化物またはレンズなどの光学部品が得られる。得られる硬化物またはレンズは、耐熱性、耐衝撃性などの物性面で実用上問題なく、公知のアクリル酸エステル化合物と比較して、高屈折率である。
【0178】
【発明の効果】
本発明のアクリル酸エステル化合物は、光硬化可能な重合性組成物用のモノマーとして、光学用材料、歯科用材料などの用途において非常に有用である。該重合性組成物を硬化して得られる光学部品は、短時間で重合、硬化および成形が可能(高生産性)であり、熱的特性、機械的特性は良好であり、且つ、高屈折率であって、矯正用眼鏡レンズを代表とする各種プラスチックレンズ、光情報記録媒体基板、液晶セル用プラスチック基板、光ファイバーコーティング材料等として有用である。
【0179】
また、本発明により、前記アクリル酸エステル化合物の原料として非常に有用な一般式(2)で表される含硫化合物を提供することが可能となった。
Claims (8)
- 一般式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物。
前記アルキル基が有しても良い置換基が、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、芳香族アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、芳香族アルキルチオ基、アリールチオ基及びアリールチオアルキルチオ基から選択され、
前記芳香族アルキル基又は芳香族残基はその芳香環に置換基を有していても良いものであり、該置換基がアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アリールチオアルキルチオ基及びハロゲン原子から選択され、
R3は水素原子またはアルキル基を表し、Aは2価の有機基を表し、Xは硫黄原子または酸素原子を表す。但し、Xが酸素原子である場合、R1は前記の置換基を有していてもよい芳香族残基を表す) - 式(1)において、R1が前記の置換基を有していてもよい芳香族残基を表し、Aが−(CH2)m−(mは1から3の整数)であり、Xが硫黄原子である請求項1記載のアクリル酸エステル化合物。
- 請求項1または請求項2記載のアクリル酸エステル化合物を含有する重合性組成物。
- 請求項3記載の重合性組成物を重合して得られる硬化物。
- 請求項4記載の硬化物からなる光学部品。
- 下記一般式(2)で表される含硫化合物をアクリル酸エステル化する請求項1または2記載のアクリル酸エステル化合物の製造方法。
前記アルキル基が有しても良い置換基が、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、芳香族アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、芳香族アルキルチオ基、アリールチオ基及びアリールチオアルキルチオ基から選択され、
前記芳香族アルキル基又は芳香族残基はその芳香環に置換基を有していても良いものであり、該置換基がアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アラルキルオキシ 基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アリールチオアルキルチオ基及びハロゲン原子から選択され、
Aは2価の有機基を表し、Xは硫黄原子または酸素原子を表す。但し、Xが酸素原子である場合、R1は前記の置換基を有していてもよい芳香族残基を表す) - 一般式(2)において、R1が前記の置換基を有していてもよい芳香族残基を表し、Aが−(CH2)m−(mは1から3の整数)であり、Xが硫黄原子である請求項6記載の製造方法。
- 前記アクリル酸エステル化は、前記一般式(2)の化合物をハロプロピオン酸類またはその酸ハロゲン化物と反応させ、ハロプロピオン酸エステル化合物とした後、脱ハロゲン化水素して、アクリル酸エステル化することを特徴とする請求項6または7に記載の製造方法。
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