JP3584061B2 - 表示用積層シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、種々の物品に表示マークを付す上で有用な表示用積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品に表示マークを付すためのシートとして、耐熱性フィルム上に、着色樹脂層とホットメルト型接着剤層とが順次積層され、前記フィルムが着色樹脂層に対して剥離可能であるシート状の表示用複合材が提案されている(実公平4−30045号公報)。
【0003】
このような複合材は、耐熱性フィルム面から加熱してホットメルト接着剤層を物品に熱接着し、前記耐熱性フィルムを剥離することにより、物品に表示マークを付すことができる。なお、表示マークの鮮明性を高めるため、前記着色樹脂層は、透明性を有する場合が多い。
【0004】
しかし、前記シート状複合材では、種々の物品にホットメルト型接着剤層を熱接着しても、隠蔽性が小さいため、物品の色や模様などが樹脂層を通じて反映し、着色樹脂層によるマークを鮮明に表示することが困難である。一方、隠蔽度を高めるため、着色樹脂層の厚みを大きくしてもさほど隠蔽性が向上しない。また、樹脂層の着色剤の含有量を増加すると、隠蔽性を高めることができるものの、淡色系の色彩(例えば、白色、黄色、水色など)を鮮明に表示することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、物品の色や模様などの如何に拘らず、着色樹脂層によるマークを鮮明に表示できる表示用積層シートを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、模様などが施された物品又は模様を有する物品などに熱接着しても、物品の色や模様などを略完全に隠蔽でき、淡色であっても物品に鮮明なマークを付すことができる表示用積層シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、白色の隠蔽性樹脂層に着色樹脂層を積層すると、隠蔽性樹脂層により隠蔽性を高めることができるとともに、隠蔽性樹脂層の白色度により、着色樹脂層が淡色に着色されていても、鮮明なマークを形成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の表示用積層シートは、耐熱性を有する基材フィルムと、この基材フィルムに対して剥離可能に積層された着色樹脂層と、この着色樹脂層に積層されたホットメルト型接着剤層とを備えており、前記着色樹脂層とホットメルト型接着剤層との間には、白色系の隠蔽性樹脂層が介在するとともに、前記ホットメルト型接着剤層に含まれる樹脂は、着色樹脂層の樹脂よりも50〜100℃低い融点を有し、かつ前記ホットメルト型接着剤層は、ハロゲン含有量5〜55重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂、架橋剤及び架橋促進剤を含まない。この表示用積層シートにおいて、着色樹脂層、隠蔽性樹脂層およびホットメルト型接着剤層に含まれるポリマーは、同種または同系統のポリマーであってもよい。
【0009】
前記隠蔽性樹脂層は、樹脂と白色顔料、例えば、熱可塑性ポリウレタン/白色顔料=100/20〜500(重量比)程度の樹脂組成物(例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して酸化チタン25〜400重量部程度を含有する樹脂組成物)で構成でき、隠蔽性樹脂層の厚みは、例えば、5〜75μm(好ましくは20〜60μm)程度であってもよい。また、基材フィルムは耐熱性を有する透光性フィルムであってもよく、前記着色樹脂層の色は、透明性を有する有彩色であってもよい。
【0010】
なお、本明細書において、「耐熱性を有するフィルム」とは、ホットメルト型接着剤層の熱接着温度において、熱接着性を示さないフィルムを意味する。また、「融点」とは、示差走査熱量計(DSC)により昇温速度10℃/分で測定したときの融解最大ピーク温度(Tm )を意味する。
【0011】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の表示用積層シートの1例を示す断面図である。この表示用積層シートは、耐熱性を有する基材フィルム1と、このフィルムに積層された着色樹脂層2と、この着色樹脂層に積層され、白色に着色された隠蔽性樹脂層3と、この隠蔽性樹脂層に積層されたホットメルト型接着剤層4とで構成されている。
【0013】
前記基材フィルム1は、マーキング部位を視認可能とするため、透光性を有するのが好ましく、透光性を有する限り、透明又は半透明であってもよい。また、フィルムは、前記ホットメルト型接着剤層3の熱接着温度よりも高い耐熱性を有し、ホットメルト型接着剤層の熱接着温度において非熱接着性である。そのため、フィルム面から加熱することにより、ホットメルト型接着剤層3を物品に円滑に熱接着できる。
【0014】
このような基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂などで形成できる。好ましいフィルムには、耐熱性が大きくフィルム成形可能なポリマー、特にポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリアルキレンテレフタレートが含まれる。
【0015】
基材フィルム1の厚みは、前記着色樹脂層2およびホットメルト型接着剤層3のカッティングに際してフィルムが切断されない範囲であれば特に制限されず、例えば、20〜200μm(例えば、30〜150μm)、好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは50〜125μm(例えば、50〜100μm)程度である。
【0016】
前記着色樹脂層2および隠蔽性樹脂層3は、フィルム又は被膜形成能を有するポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマーなどのビニル単量体の単独または共重合体、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性エラストマーなどで形成できる。好ましいポリマーには、可撓性及び靭性の高い被膜を形成できる熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性エラストマーが含まれる。
【0017】
熱可塑性ポリウレタンは、例えば、ジイソシアネート成分(例えば、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなど)とジオール成分(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシジエトキシフェニル)プロパン、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールなど)との反応により得ることができる。
【0018】
着色樹脂層2の色相は、所望する表示マークの色に応じて適当に選択でき、染料や顔料などの着色剤で着色された黄色、赤色、紫色、緑色、青色、黒色、白色などのいずれであってもよい。また、着色樹脂層は単一色に限らず複数の色により模様が施されていてもよい。さらに、着色樹脂層は、部分的にまたは全体が不透明であってもよいが、通常、透明または半透明である場合が多い。着色樹脂層は、鮮明に表示するため、透明性を有する有彩色に着色されている場合が多い。
【0019】
前記基材フィルム1に対して着色樹脂層2は剥離可能である。剥離可能な着色樹脂層は、例えば、基材フィルムの被積層面を表面処理することなく、基材フィルム1に対して接着強度の小さな樹脂を含む着色樹脂組成物で形成できるだけでなく、着色樹脂層の剥離を容易にするため、フィルムの被積層面をシリコーンオイルやシリコーン樹脂などの離型剤で処理したり、サンドブラストなどによりエンボス加工し、着色剤で着色された樹脂組成物により形成することができる。好ましい方法には、低表面張力(例えば、20〜36ダイン/cm程度)や表層破壊が生じる表層を有する未処理の基材フィルム、離型剤による処理やエンボス加工が施された基材フィルムの被積層面に着色樹脂組成物を用いて着色樹脂層を形成する方法が含まれる。
【0020】
本発明では、前記着色樹脂層が淡色又は濃色のいずれに着色されていても、隠蔽性樹脂層により、着色樹脂層の色相及び彩度を鮮明に表示できる。そのため、着色樹脂層の着色剤の含有量は、広い範囲で選択でき、例えば、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.1〜100重量部程度であってもよく、1〜50重量部程度である場合が多い。
【0021】
白色に着色された隠蔽性樹脂層3は、白色系着色剤、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポンなどの白色顔料により着色された樹脂を用いることにより形成できる。隠蔽性樹脂層の色相は、着色樹脂層3の色相、彩度及び濃度に応じて、着色樹脂層の色相や彩度を鮮明に表示できる白色系であればよく、白色に限らず、灰色などであってもよい。
【0022】
隠蔽性樹脂層は、着色樹脂層の鮮明性を損わない範囲で選択でき、例えば、樹脂100重量部に対して、白色系着色剤10〜500重量部(例えば、20〜500重量部)、好ましくは25〜400重量部、さらに好ましくは50〜300重量部程度の樹脂組成物で構成できる。白色系着色剤の量が10重量部未満であると、樹脂と白色系着色剤との2つの成分で樹脂層を形成すると、隠蔽性が低下し易く、500重量部を越えると樹脂層の被膜の強度、弾力性及び可撓性などが低下し易い。
【0023】
なお、前記隠蔽性樹脂層は、膜強度を付与する上で有用である。また、隠蔽性樹脂層は、着色樹脂層とホットメルト型接着剤層との間に介在しているので、白色系着色剤の含有量が多く、弾力性や可撓性が小さくても、着色樹脂層およびホットメルト型接着剤とに熱可塑性ポリウレタンなどの柔軟性又は可撓性を有するポリマーを用いることにより、全体として表示マークに、高い柔軟性および可撓性を保持させることができる。
【0024】
前記隠蔽性樹脂層3に積層されたホットメルト型接着剤層4はホットメルト型接着剤に使用される種々のポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンなどのオレフィンまたはジエン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルやコポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612などのポリアミドやコポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマーなどで形成できる。
【0025】
ポリオレフィンのうち、好ましいホットメルト接着性ポリオレフィンには、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸との共重合によるカルボン酸変性ポリオレフィン;無水マレイン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸無水物との共重合による酸無水物変性ポリオレフィン;アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステルとの共重合による(メタ)アクリル酸エステル変性ポリオレフィン;(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなどとの共重合によるグリシジル変性ポリオレフィン;酢酸ビニルなどのビニルエステルとの共重合によるビニル変性ポリオレフィンなどが例示される。
【0026】
好ましいホットメルト型接着剤層は、種々の物品に対して高い熱接着強度を示す熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性エラストマーを含んでいる。ホットメルト接着性の熱可塑性ポリウレタンは、前記と同様に、ジイソシアネート成分とジオール成分との反応により得ることができる。
【0027】
前記ホットメルト型接着剤層4に含まれる樹脂の融点は、着色樹脂層の樹脂よりも低ければよいが、着色樹脂層の樹脂よりも30℃以上、好ましくは50〜100℃低いのが好ましい。前記接着剤層と着色樹脂層の融点の差が30℃未満であると、熱接着に伴って着色樹脂層がフィルムに接着し、着色樹脂層からのフィルムの円滑な剥離が損なわれる場合がある。
【0028】
なお、ホットメルト型接着剤層の融点は、被着体としての物品の種類に応じて選択でき、例えば、60〜150℃、好ましくは80〜120℃程度であり、このような温度でホットメルト接着剤層を物品に熱接着できる。
【0029】
なお、前記着色樹脂層、隠蔽性樹脂層及びホットメルト型接着剤層は、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、難燃剤、充填剤などを含んでいてもよい。また、前記着色樹脂層及び/又は隠蔽性樹脂層は、前記着色剤に加えて、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料を含んでいてもよい。ホットメルト型接着剤層は、接着強度を損わない範囲で、種々の添加剤、例えば、粘着付与剤などを含んでいてもよく、必要に応じて着色していてもよい。
【0030】
前記着色樹脂層、白色樹脂層およびホットメルト型接着剤層の合計厚みは、カッティング性、接着強度および着色度を損なわない範囲で選択でき、通常、30〜200μm(例えば、50〜200μm)、好ましくは80〜175μm、さらに好ましくは100〜150μm程度である。前記複数層の合計厚みが30μm未満であると、表示マークの隠蔽度を大きくする場合、ホットメルト型接着剤層の厚みが相対的に小さくなり易く、接着強度が低下し易い。また、接着強度を大きくするため前記接着剤層の厚みを大きくすると、着色樹脂層と白色に着色された樹脂層による隠蔽性が小さくなりやすく、鮮明な表示ができなくなる場合がある。一方、200μmを越えると、着色樹脂層、白色に着色した樹脂層およびホットメルト型接着剤層のカッティング性が低下し易く、着色樹脂層がシャープに切れず、カッティング領域の周縁にバリが残存し易くなる。
【0031】
隠蔽性樹脂層の厚みは、着色樹脂層によるマークを鮮明に表示できる範囲で選択でき、例えば、5〜100μm(例えば、10〜75μm)、好ましくは20〜60μm、さらに好ましくは25〜50μm程度である。隠蔽性樹脂層の厚みが5μm未満であると、着色樹脂層によるマークの鮮明性が損われる場合があり、100μmを越えると、カッティング性、風合などを含めて表示マークの外観などを損う場合がある。
【0032】
前記各層の厚みの割合は、着色度や隠蔽度、接着強度を低下させない範囲で選択でき、着色樹脂層/隠蔽性樹脂層=1/4〜4/1、好ましくは2/1〜1/2程度である。また、着色樹脂層と隠蔽性樹脂層との合計厚みとホットメルト型接着剤層の厚みとの割合は、例えば、前者/後者=1/4〜4/1、好ましくは2/3〜3/2程度である。
【0033】
なお、前記着色樹脂層、隠蔽性樹脂層およびホットメルト型接着剤層に含まれるポリマーの種類は、高い接着強度で接合できる限り異なっていてもよいが、隣接する層間接着強度を高めるため、同種または同系統のポリマー、例えば、熱可塑性ポリウレタンであるのが好ましい。
【0034】
このような前記積層シートでは、物品を所定の位置に位置決めした後、フィルム面から熱を作用させることにより、ホットメルト型接着剤層を物品に熱接着できる。また、着色樹脂層からフィルムを剥離することにより、物品にマークを付すことができる。その際、白色樹脂層が隠蔽性を有するので、物品の色や柄がマーキング領域に反映することがなく、鮮明な表示が可能である。
【0035】
表示用積層シートは、慣用の方法、例えば、前記フィルムに、着色剤により着色した樹脂組成物と、白色系着色剤を含む樹脂組成物と、ホットメルト型接着剤用ポリマーを順次塗布することにより形成できるとともに、前記フィルムを構成するポリマーと、着色樹脂組成物と、白色系着色剤を含む樹脂組成物と、ホットメルト型接着剤用ポリマーとを、押出し成形や共押出し成形法などを利用してフィルムを成形することにより形成できる。また、前記塗布法と押出し成形法とを組合わせて積層シートを作製してもよく、このような方法では、着色樹脂層、隠蔽性樹脂層、ホットメルト型接着剤層のうち少なくとも1つの層は、塗布又は押出しラミネートにより形成してもよい。
【0036】
なお、表示用積層シートがロール状である場合、フィルムとホットメルト型接着剤層との接着を防止するため、前記フィルムの外面(すなわち着色樹脂層2が積層される面と反対側の面)は、シリコーンオイルやシリコーン樹脂などの離型剤で処理したり、サンドブラストなどによりエンボス加工するのが好ましい。
【0037】
本発明の表示用積層シートは、ホットメルト型接着剤を利用して熱接着可能な用途の物品にマーキングする上で有用であるだけでなく、白色に着色した隠蔽性樹脂層が物品の表面が有する色柄をほぼ完全に隠蔽できるので、マークを鮮明に表示する上で有用である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の表示用積層シートは、隠蔽性樹脂層上に着色樹脂層が形成されているので、物品の色や模様などの如何に拘らず、着色樹脂層によるマークを鮮明に表示できる。また、ホットメルト型接着剤層を利用して模様などが施された物品又は模様を有する物品などに熱接着しても、物品の色や模様などを隠蔽できるので、着色樹脂層が淡色であっても、物品に鮮明なマークを付すことができる。
【0039】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0040】
実施例1〜11および比較例1
シリコーンオイルで処理された厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、熱可塑性ポリウレタン(大日精化工業(株)製、商品名レザミンME−3119LP(A))100重量部に対して、シアニン系着色剤(大日精化工業(株)製、商品名セイカセブンALT 09−517)55重量部を含む着色樹脂組成物、熱可塑性ポリウレタン(大日精化工業(株)製、商品名レザミンME−3119LP(A))100重量部に対して、酸化チタン系着色剤(大日精化工業(株)製、商品名セイカセブンALT 09−515)25〜400重量部を含む隠蔽性樹脂組成物を順次コーティングにより積層し、ホットメルト接着性ポリマー(ダイセル化学工業(株)製、商品名サーモライト6501)を押出しラミネートにより、前記隠蔽性樹脂層上に積層した。なお、各層の積層に際して、隠蔽性樹脂層を形成するための樹脂組成物の組成割合(重量比)および隠蔽性樹脂層の厚み(μm)を下記のように変化させた。着色樹脂層の厚みは30μm、ホットメルト型接着剤層の厚みは50μmであった。
【0041】
比較例2
隠蔽性樹脂組成物を用いることなく、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
【0042】
そして、隠蔽性をJIS K 5400 7.2に準じて測定した。すなわち、黒色域と白色行とが隣接する基材のうち、隣接領域に跨る領域にフィルムを、加熱加圧することにより熱接着し、黒色域と白色行におけるそれぞれの色差(L,a,b)をフィルム上から色差計で測定した。各領域での色差の平均△Lab=(L2 +a2 +b2 )1/2 を算出し、黒色域と白色域との色差の差を求めた。そして、色差平均の黒色域と白色域との差に基づいて、以下の基準で評価した。結果を表に示す。
【0043】
黒色域と白色域との差が2未満:隠蔽性が高い(○)
黒色域と白色域との差が2以上:隠蔽性が低い(×)
【0044】
【表1】
表より明らかなように、実施例1〜11のシートでは、下地、すなわち物品の色や模様などが表示マークの品質に悪影響を及ぼすことがなく、鮮明に表示できる。これに対して、比較例のシートは、物品の色や模様の影響を受け、鮮明に表示することが困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の表示用積層シートの1例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:フィルム
2:着色樹脂層
3:隠蔽性樹脂層
4:ホットメルト型接着剤層
Claims (5)
- 耐熱性を有する基材フィルムと、この基材フィルムに対して剥離可能に積層された着色樹脂層と、この着色樹脂層に積層されたホットメルト型接着剤層とを備えた表示用積層シートであって、前記着色樹脂層とホットメルト型接着剤層との間に、白色系の隠蔽性樹脂層が介在するとともに、前記ホットメルト型接着剤層に含まれる樹脂が、着色樹脂層の樹脂よりも50〜100℃低い融点を有し、かつ前記ホットメルト型接着剤層が、ハロゲン含有量5〜55重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂、架橋剤及び架橋促進剤を含まない表示用積層シート。
- 着色樹脂層、隠蔽性樹脂層およびホットメルト型接着剤層に含まれるポリマーが、同種または同系統のポリマーである請求項1記載の表示用積層シート。
- 隠蔽性樹脂層が、熱可塑性ポリウレタン100重量部に対して白色顔料20〜500重量部の樹脂組成物で構成されている請求項1記載の表示用積層シート。
- 隠蔽性樹脂層の厚みが、5〜75μmである請求項1記載の表示用積層シート。
- 基材フィルムが、耐熱性を有する透光性フィルムであり、着色樹脂層の色が、透明性を有する有彩色であり、前記着色樹脂層とホットメルト型接着剤層との間に、熱可塑性樹脂100重量部に対して酸化チタン25〜400重量部の樹脂組成物で構成された厚み20〜60μmの白色系の隠蔽性樹脂層が介在する請求項1記載の表示用積層シート。
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