JP3583681B2 - 光位相シフタ並びにこれを用いた光フィルタ及び光スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信や光信号処理において用いられる光位相シフタ並びにこれを用いた光フィルタ及び光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長多重(WDM)通信システムは、光伝送路の伝送可能な波長帯域内に波長の異なる複数の光信号を多重させることで、伝送容量の増大を図った光通信システムである。このシステムにおいては、光路切替のスイッチング機能とともに、波長多重信号から特定の波長の光信号を分離したり合波したりする機能が基本的に重要である。
【0003】
WDM通信システムの中で波長多重信号から任意の1つの波長の光信号を取り出す用途には、波長可変光フィルタが用いられる。波長可変光フィルタとしては、アレイ導波路格子(AWG)の透過中心波長を、光導波路の熱光学(TO)効果を利用して可変とするAWG型熱光学波長可変光フィルタが、低損失でクロストークが小さい特長を持つため注目されている。
【0004】
発明者らは、ポリマ光導波路によるAWGのチップの温度を変化させることで9nmの透過波長可変範囲を得ている(S.Toyoda et al.”Polarization−independent low−crosstalkpolymeric AWG−based tunable filter operating around 1.55μm”,IEEE Photon.Tech.Lett.,vol.11(9),pp.1141−1143,1999参照)。
【0005】
さらに、可変波長範囲を広げ、応答速度を早くするために、AWGのチャネル導波路アレイに光位相シフタを設けることが提案されている(特開平5−323246号公報参照)。
【0006】
図1は前述した光位相シフタ付きAWG型波長可変光フィルタを示すもので、図中、1は入力ポート導波路、2は出力ポート導波路、3は光路長が互いに異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ、4は入力ポート導波路1とチャネル導波路アレイ3とを結ぶ第1の扇形スラブ導波路、5は出力ポート導波路2とチャネル導波路アレイ3とを結ぶ第2の扇形スラブ導波路、6は光位相シフタの形成部である。
【0007】
光位相シフタは、図2に示すように、チャネル導波路アレイ3と、該チャネル導波路アレイ3上に形成されたジグザグ形状のストリップ状薄膜ヒータ7とからなっている。
【0008】
ここで、ヒータ加熱による温度上昇をΔT、チャネル導波路アレイの等価屈折率をn、チャネル導波路アレイ中の隣接する2つのチャネル導波路上のヒータ長の差をΔL、回折次数をmとすると、透過中心波長の変化Δλは、
Δλ=(ΔL/m)(dn/dT)ΔT ……(1)
となる。
【0009】
設計上ΔLを大きくすることでより小さい温度変化、即ち少ないヒータ電力で同じ可変波長範囲が得られる。さらに、図3に示すように、逆符号の位相差を生じさせる薄膜ヒータ8,9を組み合わせて、両ヒータを切り替えることによる波長可変帯域の拡大が提案されている。
【0010】
図3の構造において、チャネル導波路アレイ中の各チャネル導波路と重なるヒータの長さを等差数列になるよう設計しても、ヒータが鋭角的に曲がる鋭角部分Aと鈍角的に曲がる鈍角部分Bとが位相差付与において等価な構造をなさないため、目的の光路長差は得られない。たとえ、熱拡散の計算等から偏差を補正しても、光導波路の厚みが変更となれば補正量が変わるので、ヒータも設計し直す必要が生じる問題がある。
【0011】
一方、WDM通信システムのクロスコネクトやアドドロップマルチプレクサには、光路切替用の光スイッチが必要となる。この用途には、可動部分が無く、挿入損失が低く、小型で集積化が容易な光導波路型熱光学光スイッチが有望視されている。小型の1×N熱光学光スイッチとしてアレイ導波路型光スイッチが提案されている。
【0012】
図4は光位相シフタ付きアレイ導波路型光スイッチを示すもので、図中、11は共通ポート導波路、12は分岐ポート導波路、13は光路長が互いに等しい複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ、14は共通ポート導波路11とチャネル導波路アレイ13とを結ぶ第1の扇形スラブ導波路、15は分岐ポート導波路12とチャネル導波路アレイ13とを結ぶ第2の扇形スラブ導波路、16は光位相シフタの形成部である。
【0013】
前記構成において、共通ポート導波路11に入力された信号光は、第1のスラブ扇形導波路14を経てチャネル導波路アレイ13の各導波路に分配される。チャネル導波路アレイ13の各導波路が光路長差を持たないために、信号光は第2の扇形スラブ導波路15を経て複数の分岐ポート導波路12の中央の導波路へ集光する。この際、光位相シフタを動作させると集光位置が移動し、信号光が出力する分岐ポート導波路を選択することができる。
【0014】
ここでも、図3に示した構造の光位相シフタが用いられるが、光スイッチの場合も、鋭角部分Aと鈍角部分Bとが等価でないために生じる特性の悪化の問題は、前述した波長可変光フィルタの場合と同様である。
【0015】
鋭角部分Aと鈍角部分Bとが等価でないために生じる特性の悪化の問題を解決するため、図5に示すように、チャネル導波路アレイ13の各チャネル導波路上を往復するレイアウト構造の薄膜ヒータ17を用いた方式が提案されている。
【0016】
一般に、チャネル導波路アレイは、20μm程度の間隔を隔てて配置された100本程度の光導波路で構成される。ここで、ΔLを100μmとすると、ヒータ総延長は500mmにもなる。幅15μm、厚さ1μmの金薄膜ヒータを用いると、ヒータ抵抗は約800Ωに達する。1W程度の加熱電力でも約30Vの駆動電圧となり、駆動電圧が高いために使い難いという問題があった。図5に示すようなレイアウトのヒータの幅は、光導波路同士の間隔の半分以上には広げることはできないため、印加電圧を低下させるには限界があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
クロストークの低いAWG型波長可変光フィルタやアレイ導波路型光スイッチを実現するために、チャネル導波路アレイの各チャネル導波路に正確に等差数列的な光路長差を与えられるヒータ構造、低電圧で駆動するヒータ抵抗を有するヒータ構造の開発が必要である。
【0018】
本発明の目的は、複数のチャネル導波路に正確に等差数列的な光路長差を与えることができ、かつ低電圧駆動が可能な光位相シフタ並びにこれを用いた光フィルタ及び光スイッチを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の請求項1では、複数のチャネル導波路と、該複数のチャネル導波路上に設けられたヒータとからなる光位相シフタにおいて、ヒータは、複数のチャネル導波路に沿ってそれぞれ設けられ、その長さが隣接するチャネル導波路に対応するもの同士の間で隣接する一方向に向かって減少または増加し、各チャネル導波路上に略三角形状に配置される複数の加熱ヒータ部と、隣接する加熱ヒータ部の一端同士を1つ置きに接続し、該一端同士で接続されない隣接する加熱ヒータ部の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部とからなる第1のヒータと、複数の加熱ヒータ部における長さの減少または増加する方向が逆である点を除いて第1のヒータと同様な構成を有し、第1のヒータに近接して設けられた第2のヒータとよりなり、第1及び第2のヒータのそれぞれにおいて、各チャネル導波路に対応する加熱ヒータ部と接続ヒータ部との接続部における鋭角部分と鈍角部分の数が同数である光位相シフタを提案する。
【0020】
また、本発明の請求項2では、第1または第2のヒータのいずれか一方をその中央部においてチャネル導波路と直交する方向に2分し、この際、切断された加熱ヒータ部のうち一端同士あるいは他端同士で接続されていない隣接する加熱ヒータ部同士を接続するとともに、該接続部位が外側に位置するように前記2分されたヒータを2分されないヒータの両側に配置した請求項1記載の光位相シフタを提案する。
【0021】
図6に前述した本発明の請求項2に対応する光位相シフタの構造を示す。図中、20は第1のヒータ、30は第2のヒータ、E1,E2はヒータ加熱用電源である。
【0022】
第1のヒータ20は、チャネル導波路アレイ3を構成する複数のチャネル導波路に沿ってそれぞれ設けられ、その長さが隣接するチャネル導波路に対応するもの同士の間で隣接する一方向に向かって減少または増加(ここでは図面下方に向かって減少)し、各チャネル導波路上に略三角形状に配置される複数の加熱ヒータ部21と、隣接する加熱ヒータ部21の一端同士を1つ置きに接続し、該一端同士で接続されない隣接する加熱ヒータ部21の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部22とからなっている。
【0023】
また、第2のヒータ30は、長さの減少または増加する方向が逆(ここでは図面下方に向かって増加)である点を除いて前記複数の加熱ヒータ部21と同様な複数の加熱ヒータ部31と、前記複数の接続ヒータ部22と同様な複数の接続ヒータ部32とからなっているが、ここではその中央部においてチャネル導波路アレイ3を構成するチャネル導波路と直交する方向に2分し、この際、切断された加熱ヒータ部31のうち一端同士あるいは他端同士で接続されていない隣接する加熱ヒータ部31同士を接続するとともに、該接続部位が外側に位置するように第1のヒータ20の両側に配置している。
【0024】
前記構成によれば、第1のヒータ20及び第2のヒータ30とも、チャネル導波路アレイ3を構成する各チャネル導波路においてヒータ折り返し領域の鋭角部分Aと鈍角部分Bとが同数となり、各チャネル導波路は等価に加熱されることになり、位相誤差は生じない。また、各ヒータの幅は最大、隣接するチャネル導波路間の幅程度まで大きくすることができる。
【0025】
なお、図6では第2のヒータ30を2つに分けて配置したが、1つのものとして、ちょうど第1のヒータ20の上下を逆転させたような形状のものとして配置しても良い(請求項1)。但し、この場合は、チャネル導波路に沿う方向に対する第1及び第2のヒータを合わせた全体の長さがより長くなる。
【0026】
また、前記課題を解決するため、本発明の請求項3では、複数のチャネル導波路と、該複数のチャネル導波路上に設けられたヒータとからなる光位相シフタにおいて、ヒータは、複数のチャネル導波路と直交する方向にそれぞれ設けられ、その長さが隣接するもの同士の間で隣接する一方向に向かって1つ置きに減少または増加し、その一端が任意のチャネル導波路に対して同一の距離に配置される複数の加熱ヒータ部と、隣接する長さが異なる加熱ヒータ部の一端同士を接続し、隣接する長さが同一の加熱ヒータ部の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部とからなる第1のヒータと、複数の加熱ヒータ部における長さの減少または増加する方向が逆である点を除いて第1のヒータと同様な構成を有し、第1のヒータに近接して設けられた第2のヒータとよりなり、第1及び第2のヒータのそれぞれにおいて、接続ヒータ部は加熱ヒータ部の一端同士及び他端同士をそれぞれ直線的に接続する光位相シフタを提案する。
【0027】
図7に前述した本発明の請求項3に対応する光位相シフタの構造を示す。図中、40は第1のヒータ、50は第2のヒータ、E1,E2はヒータ加熱用電源である。
【0028】
第1のヒータ40は、チャネル導波路アレイ3を構成する複数のチャネル導波路と直交する方向にそれぞれ設けられ、その長さが隣接するもの同士の間で隣接する一方向に向かって1つ置きに減少または増加(ここでは図面右方に向かって増加)し、その一端が任意のチャネル導波路に対して同一の距離に配置される複数の加熱ヒータ部41と、隣接する長さが異なる加熱ヒータ部41の一端同士を接続し、隣接する長さが同一の加熱ヒータ部41の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部42とからなっている。
【0029】
また、第2のヒータ50は、長さの減少または増加する方向が逆(ここでは図面右方に向かって減少)である点を除いて前記複数の加熱ヒータ部41と同様な複数の加熱ヒータ部51と、前記複数の接続ヒータ部42と同様な複数の接続ヒータ部52とからなっている。
【0030】
前記構成によれば、第1のヒータ40及び第2のヒータ50とも、チャネル導波路アレイ3を構成する各チャネル導波路に対するヒータ折り返し領域の熱的に非等価な部分がないため、各チャネル導波路は等価に加熱されることになり、位相誤差は生じない。ここで、各チャネル導波路において、ヒータ直下の部分とヒータが直上にない領域が存在するが、接続ヒータ部42,52の長さを適当に調節すれば、熱拡散により、ヒータ直下の部分とヒータが直上にない領域とを均一な温度に保つことができる。また、各ヒータの幅は最大、隣接するチャネル導波路間の2倍幅程度まで大きくすることができる。
【0031】
また、前記課題を解決するため、本発明の請求項4では、チャネル導波路アレイ上に請求項1乃至3いずれか記載の光位相シフタを構成するヒータを設けたアレイ導波路格子型波長可変光フィルタを提案する。
【0032】
また、前記課題を解決するため、本発明の請求項5では、チャネル導波路アレイ上に請求項1乃至3いずれか記載の光位相シフタを構成するヒータを設けたアレイ導波路型光スイッチを提案する。
【0033】
【発明の実施の形態】
【0034】
【実施の形態1】
図8は本発明の光位相シフタ付きAWG型波長可変光フィルタの実施の形態の一例、ここでは図6に示した光位相シフタを応用した例を示すもので、図中、従来例と同一構成部分は同一符号をもって表す。即ち、1は入力ポート導波路、2は出力ポート導波路、3はチャネル導波路アレイ、4は第1の扇形スラブ導波路、5は第2の扇形スラブ導波路、61,62は光位相シフタの形成部である。
【0035】
光位相シフタの形成部61には図6に示したヒータ20が設けられ、光位相シフタの形成部62には図6に示したヒータ30が設けられている。
【0036】
ここで、チャネル導波路アレイ3中の導波路の本数は120本、チャネル導波路アレイ3中の各導波路の間隔は25μm、チャネル導波路アレイ3中の隣接する導波路の長さの差は62.4μm、回折次数は60、チャネル導波路アレイ3中の隣接する導波路におけるヒータの長さの差ΔLは100μmとした。
【0037】
屈折率1.494の重水素化シリコーン樹脂をコアに、屈折率1.485の重水素化シリコーン樹脂をクラッドに用いて、上記設計の光導波路を作製した。シリコーン樹脂光導波路の作成方法は「熱光学デバイス」(特開平10−319445号公報)記載の方法に準じた。コア断面サイズは7μm×7μm、下層クラッド厚、コア上の上部クラッド厚は、それぞれ20μm、12μmとした。導波路上に金薄膜をスパッタ法で形成し、フォトリソグラフィ及びドライエッチング法を用いて上記設計の幅18μm、厚さ2μmストリップ状の薄膜ヒータを作製した。ヒータ抵抗は第1及び第2のヒータとも240Ωであった。
【0038】
波長1.55μm帯のASE広帯域光源及び光スペクトルアナライザをそれぞれ入出力ポートに接続してフィルタ特性を測定した。ヒータに電力を与えない場合の波長フィルタ特性は、透過中心波長1550nm、挿入損失5.5dB、クロストーク−32dB(1550±0.8nm)であった。
【0039】
第1のヒータに加熱電力を与えた時、透過中心波長は与えた電力に対して−8nm/Wの割合で変化した。一方、第2のヒータに加熱電力を与えた時は、8nm/Wの割合であった。加熱電力を0〜1.8Wに設定することで、透過中心波長を1536〜1564nmの範囲で制御できることを確認した。また、透過中心波長変化に伴う挿入損失及びクロストークの顕著な増加は認められなかった。
【0040】
【実施の形態2】
図9は本発明の光位相シフタ付きAWG型波長可変光フィルタの実施の形態の他の例、ここでは図7に示した光位相シフタを応用した例を示すもので、図中、63,64は光位相シフタの形成部であり、光位相シフタの形成部63には図7に示したヒータ40が設けられ、光位相シフタの形成部64には図7に示したヒータ50が設けられている。
【0041】
ここで、チャネル導波路アレイ3中の導波路の本数は120本、チャネル導波路アレイ3中の各導波路の間隔は25μm、チャネル導波路アレイ3中の隣接する導波路の長さの差は62.4μm、回折次数は60、チャネル導波路アレイ3中の隣接する導波路におけるヒータの長さの差ΔLは100μmとした。
【0042】
光導波路及びヒータの材料、構造、作製法は実施の形態1と同様である。但し、ヒータ幅は45μmとした。ヒータ抵抗は第1及び第2のヒータとも120Ωであった。
【0043】
波長1.55μm帯のASE広帯域光源及び光スペクトルアナライザをそれぞれ入出力ポートに接続してフィルタ特性を測定した。ヒータに電力を与えない場合の波長フィルタ特性は、透過中心波長1550nm、挿入損失5.5dB、クロストーク−32dB(1550±0.8nm)であった。
【0044】
第1のヒータに加熱電力を与えた時、透過中心波長は与えた電力に対して−8nm/Wの割合で変化した。一方、第2のヒータに加熱電力を与えた時は、8nm/Wの割合であった。加熱電力を0〜1.8Wに設定することで、透過中心波長を1536〜1564nmの範囲で制御できることを確認した。また、透過中心波長変化に伴う挿入損失及びクロストークの顕著な増加は認められなかった。
【0045】
【実施の形態3】
図10は本発明の光位相シフタ付きアレイ導波路型光スイッチの実施の形態の一例、ここでは図7に示した光位相シフタを応用した例を示すもので、図中、従来例と同一構成部分は同一符号をもって表す。即ち、11は共通ポート導波路、12は分岐ポート導波路、13はチャネル導波路アレイ、14は第1の扇形スラブ導波路、15は第2の扇形スラブ導波路、65,66は光位相シフタの形成部である。
【0046】
光位相シフタの形成部65には図7に示したヒータ40が設けられ、光位相シフタの形成部66には図7に示したヒータ50が設けられている。
【0047】
ここで、チャネル導波路アレイ13中の導波路の本数は120本、チャネル導波路アレイ13中の各導波路の間隔は20μm、チャネル導波路アレイ13中の隣接する導波路におけるヒータの長さの差ΔLは80μmとした。分岐ポート導波路12の本数は16本、スラブ導波路14,15の長さは6mmとした。
【0048】
各ヒータはそれぞれ5ブロックに分割し、第1のヒータ同士及び第2のヒータ同士はそれぞれ並列に外部結線した。光導波路及びヒータの材料、構造、作製法は実施の形態1と同様である。但し、ヒータ幅は45μmとした。ヒータ抵抗は第1及び第2のヒータとも70Ωであった。
【0049】
波長1.55μmのLD光源及び光パワーメータをそれぞれ共通ポート、分岐ポートに接続してスイッチ特性を測定した。第1または第2のヒータに0.3〜5.0Wの加熱電力を与えたところ、16本の分岐ポートを順次透過状態とすることができた。全分岐ポート中で、最大挿入損失は4.5dB、最大クロストークは−38dBであり、1×16光スイッチとして働いていることが確認できた。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低消費電力でクロストークの低い波長可変光フィルタや1×N光スイッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光位相シフタ付きアレイ導波路格子型波長可変光フィルタを示す平面図
【図2】従来の光位相シフタの一例を示す平面図
【図3】従来の光位相シフタの他の例を示す平面図
【図4】光位相シフタ付きアレイ導波路型光スイッチを示す平面図
【図5】従来の光位相シフタのさらに他の例を示す平面図
【図6】本発明の光位相シフタの一例を示す平面図
【図7】本発明の光位相シフタの他の例を示す平面図
【図8】本発明のアレイ導波路格子型波長可変光フィルタの実施の形態の一例を示す平面図
【図9】本発明のアレイ導波路格子型波長可変光フィルタの実施の形態の他の例を示す平面図
【図10】本発明のアレイ導波路型光スイッチの実施の形態の一例を示す平面図
【符号の説明】
1:入力ポート導波路、2:出力ポート導波路、3,13:チャネル導波路アレイ、4,14:第1の扇形スラブ導波路、5,15:第2の扇形スラブ導波路、11:共通ポート導波路、12:分岐ポート導波路、20,40:第1のヒータ、21,31,41,51:加熱ヒータ部、22,32,42,52:接続ヒータ部、30,50:第2のヒータ、61,62,63,64,65,66:光位相シフタの形成部、A:鋭角部分、B:鈍角部分、E1,E2:ヒータ加熱用電源。

Claims (5)

  1. 複数のチャネル導波路と、該複数のチャネル導波路上に設けられたヒータとからなる光位相シフタにおいて、
    ヒータは、
    複数のチャネル導波路に沿ってそれぞれ設けられ、その長さが隣接するチャネル導波路に対応するもの同士の間で隣接する一方向に向かって減少または増加し、各チャネル導波路上に略三角形状に配置される複数の加熱ヒータ部と、隣接する加熱ヒータ部の一端同士を1つ置きに接続し、該一端同士で接続されない隣接する加熱ヒータ部の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部とからなる第1のヒータと、
    複数の加熱ヒータ部における長さの減少または増加する方向が逆である点を除いて第1のヒータと同様な構成を有し、第1のヒータに近接して設けられた第2のヒータとよりなり、
    第1及び第2のヒータのそれぞれにおいて、各チャネル導波路に対応する加熱ヒータ部と接続ヒータ部との接続部における鋭角部分と鈍角部分の数が同数である
    ことを特徴とする光位相シフタ。
  2. 第1または第2のヒータのいずれか一方をその中央部においてチャネル導波路と直交する方向に2分し、この際、切断された加熱ヒータ部のうち一端同士あるいは他端同士で接続されていない隣接する加熱ヒータ部同士を接続するとともに、該接続部位が外側に位置するように前記2分されたヒータを2分されないヒータの両側に配置したことを特徴とする請求項1記載の光位相シフタ。
  3. 複数のチャネル導波路と、該複数のチャネル導波路上に設けられたヒータとからなる光位相シフタにおいて、
    ヒータは、
    複数のチャネル導波路と直交する方向にそれぞれ設けられ、その長さが隣接するもの同士の間で隣接する一方向に向かって1つ置きに減少または増加し、その一端が任意のチャネル導波路に対して同一の距離に配置される複数の加熱ヒータ部と、隣接する長さが異なる加熱ヒータ部の一端同士を接続し、隣接する長さが同一の加熱ヒータ部の他端同士を接続する複数の接続ヒータ部とからなる第1のヒータと、
    複数の加熱ヒータ部における長さの減少または増加する方向が逆である点を除いて第1のヒータと同様な構成を有し、第1のヒータに近接して設けられた第2のヒータとよりなり、
    第1及び第2のヒータのそれぞれにおいて、接続ヒータ部は加熱ヒータ部の一端同士及び他端同士をそれぞれ直線的に接続する
    ことを特徴とする光位相シフタ。
  4. 少なくとも1本の入力ポート導波路と、少なくとも1本の出力ポート導波路と、光路長が互いに異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイと、前記入力ポート導波路とチャネル導波路アレイとを結ぶ第1の扇形スラブ導波路と、前記出力ポート導波路とチャネル導波路アレイとを結ぶ第2の扇形スラブ導波路とを備えたアレイ導波路格子型波長可変光フィルタにおいて、
    チャネル導波路アレイ上に請求項1乃至3いずれか記載の光位相シフタを構成するヒータを設けた
    ことを特徴とするアレイ導波路格子型波長可変光フィルタ。
  5. 少なくとも1本の共通ポート導波路と、複数の分岐ポート導波路と、光路長が互いに等しい複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイと、前記共通ポート導波路とチャネル導波路アレイとを結ぶ第1の扇形スラブ導波路と、前記分岐ポート導波路とチャネル導波路アレイとを結ぶ第2の扇形スラブ導波路とを備えたアレイ導波路型光スイッチにおいて、
    チャネル導波路アレイ上に請求項1乃至3いずれか記載の光位相シフタを構成するヒータを設けた
    ことを特徴とするアレイ導波路型光スイッチ。
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