JP3583412B2 - 使い捨てパンツ型おむつ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、幼児用、大人用、失禁者用として用いられる使い捨てパンツ型おむつに関し、更に詳しくは、連続的且つ高精度に製造できる、締結機構を備えた使い捨てパンツ型おむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、使い捨ておむつに関する種々の提案がなされている。これまで、使い捨ておむつといえばテープファスナーを使って着用者におむつをあてがう、いわゆるフラットタイプのおむつであったが、近年においては、予めブリーフ型に形成された、いわゆる「パンツ型おむつ」に関する種々の技術が提案されている。
【0003】
パンツ型おむつは、伸縮自在な一対のレッグ開口部とウエスト開口部が形成されており、パンツをはくようにして着用するだけで、着用者の体型にフィットするように構成されている。該パンツ型おむつは、立位の状態で着用させたり、着用者自らが上げ下げできるという点に特徴を有するため、幼児の「おむつ離れ」を促進するためのトイレットトレーニング用として、または失禁者等もしくは歩行可能な成人用として有用とされている。
【0004】
しかし、かかるパンツ型おむつには、下記▲1▼〜▲3▼等の問題点がある。
▲1▼着用中におむつ内部の排泄状態を確認することが容易でない。
▲2▼着用者とおむつのサイズがあわない場合に、調整が不可能である。
▲3▼廃棄の際に、丸めて封塞することができない。
【0005】
上記問題点を解決するために、感圧接着性テープやベルクロファスナー等を有する締結体を備え、おむつの腹側部と背側部とが着脱自在に接着されてなるパンツ型の使い捨ておむつが提案されており、例えば、本出願人による開平4−5826号公報、同4−7819号公報、特開平4−3563号公報が挙げられる。
【0006】
上記の締結体付きのパンツ型おむつは、上述の問題点を解消するものではあるが、上述の公報等には、これらのパンツ型おむつを連続的に製造する手段について、全く教示されておらず、連続的且つ高精度に製造することのできる、締結体付きのパンツ型おむつの開発が要望されていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、連続的且つ高精度に製造することのできる、締結体付き使い捨てパンツ型おむつを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び該トップシートと該バックシートとの間に配置され、着用者の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する吸収体を構成主体とし、締結体によってパンツ型に成形された、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有する使い捨てパンツ型おむつであって、上記締結体は、腹側の締結片と背側の締結片とを接合部にて接合・固定して形成されており、上記の腹側の締結片は、上記の背側の締結片と上記接合部にて接合・固定された本体と、テープ部分と、上記腹側部の上記バックシートに貼着されてなるターゲットゾーンとにより構成されており、上記の背側の締結片は、上記背側部のバックシートに貼着されており、上記テープ部分は、上記ターゲットゾーンに剥離自在に接着されており、上記の背側の締結片及び上記の腹側の締結片の上記本体は、上記ウエスト開口部の周囲方向に伸縮可能な素材で形成されていることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつを提供することにより上記目的を達成したものである
【0009】
【作用】
本発明の使い捨てパンツ型おむつによれば、完成度の高い締結体付き使い捨てパンツ型おむつを連続的且つ高精度に製造できる。
【0010】
【実施例】
以下に、添付図面の図1〜図5を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0011】
先ず、図1を参照して本発明の使い捨てパンツ型おむつについて説明する。
図1は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの一実施例を示す一部破断斜視図である。
【0012】
図1に示される使い捨てパンツ型おむつ1は、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3、及び該トップシートと該バックシートとの間に配置され、着用者の腹側に位置する腹側部4Aと背側に位置する背側部4Bとを有する吸収体4を構成主体とし、締結体10によってパンツ型に成形された、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6を有するおむつである。
【0013】
更に詳述すると、上記締結体10は、腹側の締結片10A,10Aと背側の締結片10B,10Bとを接合部11にて接合・固定して形成されており、更に、上記の腹側の締結片10A,10Aは、本体12と、テープ部分13と、上記バックシート3に貼着されてなるターゲットゾーン14とにより構成されている。
【0014】
また、ウエスト部7には、ウエスト開口部5,5に伸縮性を付与するための弾性部材9A,9Aが、レッグ部8,8には、レッグ開口部6,6に伸縮性を付与するための弾性部材9B,9Bが、それぞれ、上記トップシート2と上記バックシート3とにより挟持・固定されて配置されている。
【0015】
また、特に股下部分の防漏性を向上させるために、上記トップシート2のレッグ部8,8側に、立体ギャザー20が配置されている。
【0016】
また、上記締結片10Aにおけるテープ部分13には、その長さ方向の中央部分を突出させて摘みしろ15、15が形成されている。これにより、締結片10A,10Aの操作がワンタッチででき、おむつの取扱が容易となる。
【0017】
上記使い捨てパンツ型おむつ1における、上記トップシート、上記バックシート、上記吸収体及び上記弾性部材の材料としては、従来公知のものを特に制限されずに用いることができる。
【0018】
また、上記締結体10は、少なくともウエスト開口部の周囲方向に伸縮可能な素材を備えており、具体的には、上記締結片10B及び上記締結片10Aの本体12を上記周囲方向に伸縮可能な素材で形成している
【0019】
また、上記締結片10Aのテープ部分13は、感圧接着性テープ、ベルクロファスナー等を用いて形成するのが好ましく、該感圧接着性テープやベルクロファスナーとしては、着用中にターゲットゾーン14から自然に剥離しない強度を有しており、平面における水平引張強度が、幅1インチあたり通常600〜5000g、好ましくは1000〜3000gである材料等を好ましく用いることができる。
また、上記ターゲットゾーン14としては、用いたテープ部分13の材料に対応した材料、即ち、上記テープ部分13として、感圧接着性テープを用いた場合には剥離紙、ベルクロファスナー(雄)を用いた場合にはベルクロファスナー(雌)等を用いることができる。
【0020】
そして、上記使い捨てパンツ型おむつの使用時には、上記締結体10は、加工機から排出された時点で既に、上記ターゲットゾーン14と上記テープ部分13とにより接着自在(剥離自在)に接着されているので、パンツ型のおむつとして使用されるが、テープ部分13をターゲットゾーン14から外すことにより、従来のフラットタイプのおむつと同様に取り扱うことができる。また、着用中においてサイズ等に不具合があった場合には、上記テープ部分13の位置を調節することにより、容易に調整することができる。
【0021】
一方、着用者からパンツ型おむつ1を外す場合には、好ましくはテープ部分13をターゲットゾーン14から剥すか、もしくは上記締結体10の接合部11を引き裂くことにより外すことができる。テープ部分13を剥した場合には、使用済みのパンツ型おむつを丸めて封塞した後廃棄できるので、廃棄が容易である。
【0022】
次いで、図2を参照して、本発明の使い捨てパンツ型おむつの製造方法について説明する。ここで、図2は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの製造方法を示す製造工程の概略図である。
【0023】
図2に示すように、本実施例の使い捨てパンツ型おむつの製造方法は、下記工程a)〜d)を含む。
a)トップシート連続体52及びバックシート連続体53を、それぞれの長手方向に向けて移送しながら、該トップシート連続体52と該バックシート連続体53との間に、多数の吸収体4を、それぞれ所定間隔をおいて長手方向に向けて直列に配置し且つ該吸収体4の腹側部4A同士又は背側部4B同士が互いに対向するように配置して、トップシート連続体52、バックシート連続体53及び多数の吸収体4からなるおむつウェブ連続体51を形成する工程。
b)上記おむつウェブ連続体51における、上記吸収体4の腹側部4Aが対向した部分の両サイド及び背側部4Bが対向した部分の両サイドそれぞれの所定位置に、それぞれ締結片10A,10A,10B,10Bを配置固定する工程。
c)上記おむつウェブ連続体51を隣接する吸収体4の中間でその幅方向に切断して、多数のおむつウェブ50を形成する工程。
d)上記おむつウェブ50をその流れ方向と直交する方向に二つ折りにし、腹側部の締結体10A,10Aと背側部の締結体10B,10Bとを接合・固定して、締結体10を形成する工程。
【0024】
上記工程a)〜d)の順序について説明すると、上述の製造方法においては、上記工程a)に平行して上記工程b)を行っており、次いで、上記工程c)、上記工程d)の順序で行っている。
【0025】
更に、各工程毎に詳細に説明する。
上記工程a)においては、先ず、上記トップシート連続体52をその内表面(おむつにおける吸収体4側の面)を上にして、またバックシート連続体53をその外表面(おむつにおける表面)を上にして、それぞれの長手方向であるD1,D2方向に向けて移送する。
また、吸収体4は、着用者の背側に当接する背側部4B同士、また腹側に当接する腹側部4A同士が向かい合うように、その長手方向に対して腹側部4Aと背側部4Bとを交互に形成した吸収体連続ウェブ54を、その長手方向であるD3方向に移送しながら所定位置で切断することにより、砂時計形状に形成されて供給される。そして、各吸収体4を、おむつ1枚分のピッチに合わせて、且つ所定間隔をおいて、移送中の上記トップシート連続体52とバックシート連続体53との間に配置し、両シート連続体52,53を接着して、おむつウェブ連続体51を形成する。
この際、上記吸収体4は、最終製品であるおむつの所定位置に配置されるように、おむつウェブ連続体における配置位置に関して位相合わせをするのが好ましい。
【0026】
上記b)工程においては、先ず、上記工程a)に先立っておむつ2枚分に必要な幅長さを有する締結片10Bを、吸収体4の背側部が対向した部分における上記トップシート連続体52の内表面に、おむつ2枚分のピッチで間欠的にその一部分を接着して、配置固定する。
また、同時に、吸収体4の腹側部が対向した部分における上記バックシート連続体53の外表面に、おむつ2枚分に必要な幅長さを有するターゲットゾーン14を、おむつ2枚分のピッチで間欠的に接着する。
そして、上記a)工程の終了後に、上記本体12と摘みしろ15が形成されたテープ部分13とを一体化してなる、おむつ2枚分に必要な幅長さを有する複合ウェブ10A’を、上記ターゲットゾーン14に位相を合わせて接着し、おむつの腹側の締結片10Aを配置固定する。
【0027】
上記工程c)においては、上記工程b)の終了後、上記おむつウェブ連続体51を隣接する各吸収体4の中間で切断して、多数のおむつウェブ50を形成する。
【0028】
上記工程d)においては、上記おむつウェブ50を、その長手方向に直交する方向、即ち、上記おむつウェブ50の長手方向の全長を2分するように二つに折り畳み、次いで、対向する締結片10A,10Bの側縁部分を接合・固定する。接合・固定の方法としては、熱融着シール、超音波シール、接着剤による固定、圧着ほか従来公知の方法を、特に制限なく、使用することができる。
【0029】
次に、上記工程a)〜d)以外の工程について、経時的な順序に沿って説明する。
【0030】
上述の製造方法においては、上記工程a)〜d)に先立ち、先ず、e)上記レッグ開口部6用の弾性部材9B,9B及び上記ウエスト開口部5用の弾性部材9A,9Aを張設する工程を行っている。
【0031】
更に説明すると、上記工程e)は、図2に示すように、所定の長さのウエスト開口部5用の弾性部材9Aを、トップシート連続体52の内表面上にその幅方向に向けて、また、所定の長さのレッグ開口部6用の弾性部材9Bを、トップシート連続体52の内表面上の両サイド部分にその長手方向に向けて、おむつ1枚分のピッチをあけて間欠的に且つ伸長状態で接着する工程である。
また、弾性部材9A,9B及び締結片10A,10Bは、バックシート連続体53の内表面に接着されてもよい。まれに、弾性部材9A,9Bは、バックシート連続体53とトップシート連続体52との間でない箇所に接着される。
【0032】
従って、上記工程e)の後に行う上記工程a)及び上記工程b)において、吸収体4は、となり合う弾性部材9A、9Aの間に配置されるように、また、ターゲットゾーン14と締結片10Bはおむつ1枚分の長さだけずれて接着されるように、それぞれのおむつウェブ連続体における配置位置に関して、位相合わせをするのが好ましい。
【0033】
また、上記工程c)の前には、上記おむつウェブ51の股ぐりの部分を、着用者の体型を考えた形状に切断して、レッグ部8,8を形成する工程〔以下、「工程g)」という〕を行っている。
【0034】
また、上記工程d)の終了後に、f)接合・固定した上記締結体の外側を切り揃える工程を行い、おむつウェブの見栄えをよくしている(図示せず)。
【0035】
また、特に図示していないが、上述の製造方法においては、上記工程b)に前後して、トップシート2の表面に、立体ギャザー20を形成する工程を有する。
【0036】
次に、図3を参照して、本発明の使い捨てパンツ型おむつの別の製造方法を示す。尚、特に詳述しない点については、上述した図2に示す製造方法と同様である。ここで、図3は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの別の製造方法を示す製造工程の概略図である。
図3に示す製造方法は、上述した図2に示す製造方法における工程g)及び工程b)を、上記工程a)の前に行う方法である。
【0037】
尚、本発明の使い捨てパンツ型おむつは、上記実施例に制限されないことはいうまでもなく、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の形態を選択することができる。
例えば、締結片の形状、ターゲットゾーンの形状は本発明の範囲内で任意に選択可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の使い捨てパンツ型おむつは、締結体を備え使い捨てパンツ型おむつであり、上述の如く構成されているため、連続的且つ高精度に製造することができ、実用に供し極めて有効である。更に、本発明の使い捨てパンツ型おむつは、製造誤差の影響を受けにくい工程で加工する、即ち、製品の加工を腹側部同士、背側部同士が交互に対向してなる連続したウェブを用いて行うので、製作精度の良い締結体を備えパンツ型おむつとして得ることができ、締結体の取付位置のコントロールが容易で、歩留まりも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの一実施例を示す一部破断斜視図である。
【図2】図2は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの製造方法を示す製造工程の概略図である。
【図3】図3は、本発明の使い捨てパンツ型おむつの別の製造方法を示す製造工程の概略図である。
【符号の説明】
1 使い捨てパンツ型おむつ
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
10 締結体
10A 腹側の締結片
10B 背側の締結片
11 接合部
12 本体
13 テープ部分
14 ターゲットゾーン
15 摘みしろ

Claims (1)

  1. 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び該トップシートと該バックシートとの間に配置され、着用者の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する吸収体を構成主体とし、締結体によってパンツ型に成形された、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有する使い捨てパンツ型おむつであって、
    上記締結体は、腹側の締結片と背側の締結片とを接合部にて接合・固定して形成されており、
    上記の腹側の締結片は、上記の背側の締結片と上記接合部にて接合・固定された本体と、テープ部分と、上記腹側部の上記バックシートに貼着されてなるターゲットゾーンとにより構成されており、
    上記の背側の締結片は、上記背側部のバックシートに貼着されており、
    上記テープ部分は、上記ターゲットゾーンに剥離自在に接着されており、
    上記の背側の締結片及び上記の腹側の締結片の上記本体は、上記ウエスト開口部の周囲方向に伸縮可能な素材で形成されていることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつ。
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