JP3582618B2 - X線画像診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体のX線透過画像を透視,表示して、この透視した画像を見ながら、被検体の患部を特定する診断を行うX線画像診断装置に係り、特に予め透視しておいた複数枚のX線透視画像を保持しておき、これらの画像から表示画像を演算して、ノイズを少なくした透視終了時の画像を表示する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線画像診断装置について、図7を用いて説明する。
図7は、従来のX線画像診断装置の一例を示す構成図である。
【0003】
従来のX線画像診断装置は、ベッド2とX線管3とX線検出器4と支持器5とテレビカメラ6とA/D変換器7と画像処理部8と表示回路9と画像表示器10とX線制御部11と支持器制御部12とシステム制御部16と条件入力部17を有していた。
ベッド2は被検体1を寝載するもの、X線管3はX線源の一形態であって被検体1の方向にX線を発生するもの、X線検出器4は被検体1を挾んでX線管3と対向配置されX線管3からのX線を検出して光学画像に変換するイメージ・インテンシファイア(以下、I.I.、という)、支持器5はX線管3とX線検出器4と対向位置関係を支持するもの、テレビカメラ6は前記光学画像をビデオ信号に変換するもの、A/D変換器7はこのビデオ信号を透視画像データ(ディジタル)に変換するもの、画像処理部8はこの透視画像データをデータ処理して画像表示器10に表示される画像が診断に好適なようになるようにするもの、例えば、患部のX線吸収量に反映された画像値が所定の値域を有していたとき、この値域のみのデータ領域を抽出し、このデータ領域以外の領域を低い画素値として、この抽出したデータ領域を強調して表示するデータ処理を行うもの、表示回路9はこのデータ処理した透視画像データを画像表示器10に表示するために階調変換とD/A変換を行うもの、この階調変換は画像表示器10の表示できる階調が前記透視画像データのものと異なっているために行うもの、D/A変換は画像表示器10がディジタルである階調変換した透視画像データをそのまま表示できないので、ビデオ信号(アナログ)に変換することを行うもの、画像表示器10は、この変換したビデオ信号を表示画像として表示するもの、X線制御部11はX線管3に電源を供給するとともに、この電源の電圧,電流の条件を調整,制御するもの、支持器制御部12は支持器5と被検体1又はベッド2の高さに合わせてX線透視画像の拡大率などを調整,制御するもの、システム制御部16はテレビカメラ6と画像処理部8と表示回路9とX線制御部11と支持器制御部12とを制御するもの、条件入力部17はシステム制御部16が制御する各要素についての制御条件をオペレータが入力するものであった。
【0004】
近年ではカテーテルで透視しながら診断だけでなく治療も行うインターベンショナル・ラジオロジー(以下、IVR、という)呼ばれるものが行われるようになってきた。IVRはX線透視画像を見ながらカテーテルとこのカテーテルを導くガイドワイヤを経皮的に被検体1内に挿入して患部まで至らせて治療するものであった。この治療とは、例えば、悪性腫瘍には造影剤の代わりに抗ガン剤を注入してこの悪性腫瘍を破壊したり、大量出血部には止血剤を注入して止血したり、血栓部には溶栓剤を注入して血栓を溶したりするものであった。
このようなIVRにおいて、透視画像を見ながらカテーテルまたはガイドワイヤを操作するために、透視画像にこれらが鮮明に見えることは最も重要なことであった。
【0005】
ところが被検体の患部にカテーテルを至らせようとする過程で、例えば血管を経由する場合、これらの血管は幾つにも分岐しており、その分岐のうちのどこを通ればより速く患部に至らせることができるかなど、その分岐毎に透視を一時中断して検討することが行われていた。この検討はX線透視撮影を終了する直前の1枚の画像を画像表示器11に表示した状態(以下、フリーズ、という)で行う。しかし、このような1枚の画像は被検体1の低被曝を考えた低いエネルギーのX線で撮影されたものであるので、この低いエネルギーのX線を用いて透視したときに起こる特有のノイズ(以下、カンタムノイズ、という)が顕著となっていた。
なお、透視終了時でないX線透視画像は30画像1秒で略リアルタイムに動画像表示しているので、これらの画像が残像加算効果によりX線透視画像のS/Nが改善されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、前記カンタムノイズにより、被検体の血管などと比較して数段細いカテーテルやガイドワイヤが見えにくくなるという課題があった。また、IVRを行わず、診断だけのときも、例えば消化官のように運動する臓器のX線透視には、この運動に伴う造影剤の動きを注視するためにフリーズを行っていたから、この動きが見えにくくなるという課題があった。
また、このカンタムノイズを低減するには、透視を終了せずに行う方法も考えられるが、この方法は被検体のX線被曝線量を増大してしまうという課題があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カンタムノイズの少ない透視画像を表示するX線画像診断装置を提供することにある。
【0008】
また、被検体のX線被曝線量を少なくするX線画像診断装置を提供することにある。
【0009】
上記目的は、透視画像を得る透視のためにX線を被検体に照射するX線源と、前記被検体の透過X線を検出データとして検出する検出器と、前記検出データを画像処理して透視画像データを出力する画像処理部と、前記透視の終了を入力する手段と、前記透視終了の入力に基づいて前記透視終了の直前に得られた複数枚の透視画像データから合成画像データを演算する手段と、前記合成画像データを表示する画像表示部とを備えたX線画像診断装置において、前記演算手段は、連続する複数の透視画像データ間の差を求め、該求められた差に基づき連続する透視画像データ間の前記被検体の体動による移動量を演算し、該演算された移動量に応じて透視画像データを選択し、該選択された透視画像データを用いて前記合成画像データを演算することで達成される。
【0010】
また、前記合成画像データの演算は、前記演算された移動量に応じて前記選択された透視画像データ同士を加算平均するか、重み付け加算平均するか、使用しないかの何れかを所定の条件設定によって行われてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のX線画像診断装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明のX線画像診断装置の概略構成例を示すブロック図、図2は図1の透視画像処理部の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図、図3は第1の実施の形態の透視終了入力から合成画像を表示するまでの工程の一例を示すフローチャート、図6は図1の透視終了信号発生部の回路例を示すブロック図である。
【0013】
初めに、本発明のX線画像診断装置の構成について、図1を用いて述べる。
本発明のX線画像診断装置は、ベッド2とX線管3とX線検出器4と支持器5とテレビカメラ6とA/D変換器7と画像処理部8と表示回路9と画像表示器 10とX線制御部11と支持器制御部12と透視終了信号発生部13と透視画像処理部14と切替器15とシステム制御部16と条件入力部17を有している。ベッド2は被検体1を寝載するもの、X線管3はX線源の一形態であって被検体1の方向にX線を発生するもの、X線検出器4は被検体1を挾んでX線管3と対向配置されX線管3からのX線を検出して光学画像に変換するI.I.、支持器5はX線管3とX線検出器4との対向位置関係を支持するもの、テレビカメラ6は前記光学画像を透視してビデオ信号に変換するもの、A/D変換器7はこのビデオ信号の透視画像データに変換するもの、画像処理部8はこの透視画像データをデータ処理するもの、表示回路9はこのデータ処理した透視画像データを階調変換とD/A変換を行うもの、画像表示器10はこのD/A変換した透視画像データを表示画像データとして表示するもの、X線制御部11はX線管3に電源を供給するとともに、この電源の電圧と電流の条件を調整,制御するもの、支持器制御部12は支持器5と被検体1又はベッド2の高さに合わせてX線透視画像の拡大率などを調整制御するもの、透視終了信号発生部13は条件入力部17の透視終了入力部17aのオペレータ入力に基づいて透視終了信号を発生するもの、透視画像処理部14はこの透視終了信号に基づいて透視が終了する直前の複数枚の透視画像データを格納して、これらの透視画像データから合成画像データを計算する際に何れのものを用いるかをこれらの透視画像データと画像表示して確認しながら選択し、これらの選択した透視画像データを加算演算するか、重み付け加算演算を選択して、この選択した演算を行って合成画像データを作成するもの、切替器15は画像処理部8のデータ処理した透視画像データと透視画像処理部14の合成画像データとのうちの一方を表示回路9に伝達するように切替えるもの、システム制御部16はテレビカメラ6と画像処理部8と表示回路9とX線制御部11と支持器制御部12と透視終了信号発生部13と透視画像処理部14と切替器15とを制御するもの、条件入力部17はシステム制御部16が制御する各要素についての制御条件をオペレータが入力するものであって、透視終了入力部17aと演算モード入力部17bを有するものである。
【0014】
次に、透視終了信号発生部13の構成について、図6を用いて述べる。
透視終了信号発生部13は、第1の否定論理素子131と第2の否定論理素子132と論理積素子133とDフリップフロップ素子134を有している。
第1の否定論理素子131は条件入力部17の透視終了入力部17aの入力に基づく信号(正論理)を反転するもの、第2の否定論理素子132は図示していないが、条件入力部17に設けられた透視開始入力部の入力に基づく信号(正論理)を反転するもの、論理積素子133は2入力であって、その一方の入力は反転された透視開始入力に基づく信号であり、他方の入力はシステム制御部16が立ち上げ時などに出力するリセット信号(負論理)(図中では、システムリセット信号という、上線部は負論理を示す)であるもの、Dフリップフロップ素子 134は、データ入力端子(D)とクロック入力端子(CK)を‘H’レベルとなるようにして、セット入力端子(SET)に反転した撮影終了入力に基づく信号を入力し、リセット入力端子(RESET)に論理積素子133の出力信号を入力して、出力端子(Q)の透視終了信号(正論理)を出力するものである。
【0015】
次に、第1の実施の形態の透視画像処理部14の構成について、図2を用いて述べる。
透視画像処理部14は、セレクタ140と画像メモリ群141(ここでは、4つの画像メモリとし、これらを141a〜141dとする)と演算部142と演算モードスイッチ143と画像メモリ切替器144と出力切替器145とコントローラ147とを有している。
セレクタ140は後段に接続される複数(ここでは4つ)の画像メモリ(141a〜141d)にそれぞれにフレーム周期信号入力に応じて同期している透視画像データ毎にこれらのデータを振り分けるもの、画像メモリ群141は複数の画像メモリ(ここでは、第1の画像メモリ141a〜第4の画像メモリ141dの4つ)からなり、前記振り分けた透視画像データを記憶するもの、演算部142はこれらの透視画像データのうちの少なくとも2つのものを演算モードスイッチ 143によって設定される選択設定値に基づいて選択し、この選択設定値とともに設定される加算平均または重み付け加算平均の演算の種類を設定される演算種類設定値に基づいて演算するもの、演算モードスイッチ143は条件入力部17に設けられた演算モード入力部17bの入力によって発生される演算モード信号に基づいた演算対象とする透視データ選択設定値と演算種類設定値を設定するもの、画像メモリ切替器144は画像メモリ群141の複数の画像メモリのうちの1つを選択して出力するもの、出力切替器145は演算部142の演算結果の出力と画像メモリ切替器144の出力とのうちの一方を合成画データ出力とするもの、コントローラ147は透視終了信号とフレーム同期信号との入力と演算モードスイッチ143の設定値とに応じて、セレクタ140と画像メモリ群141と演算部142と画像メモリ切替器144と出力切替器145とを制御するものである。
【0016】
次に、第1の実施の形態の透視終了入力から合成画像の表示までの工程について、図3を用いて述べる。
ステップ.101
オペレータが、条件入力部17の透視終了入力部17aを操作入力する(透視終了入力)。
ステップ.102
透視終了信号発生部13が、この操作入力の信号をDフリップフロップ134のSET端子に入力し、Q端子より透視終了信号を発生する(透視終了信号の発生)。
ステップ.103
透視画像処理部14のコントローラ147が、この透視終了信号が発生していることを認知する。次にコントローラ147が、セレクタ140と画像メモリ群141とを制御してX線の曝射を停止する直前の複数枚(ここでは4枚)の透視画像データをフレーム同期信号入力に基づいて振り分け、画像メモリ群141の第1の画像メモリ141a〜第4の画像メモリ141dにそれぞれ記憶させる。また、X線制御部11にはX線の曝射をこれらの透視画像データを記憶し終えたときに停止するように時遅れ回路を有している(信号「有」の認知)。
ステップ.104
コントローラ147が、画像メモリ切替器144と出力切替器145を制御して、第1の画像メモリ141aの透視画像データを合成画像データとして出力させる。システム制御部16が、切替器15と表示回路9を制御して、この第1の画像メモリ141aの透視画像データを画像表示器10に表示させる(第1の画像メモリ内容表示)。
ステップ.105
コントローラ147が、前ステップと同様に、第2の画像メモリ141bの透視画像データを出力させる。システム制御部16が、前ステップと同様に、この第2の画像メモリ141bの透視画像データを表示させる。この表示は、前ステップの第1の画像メモリ141aのものと連続して表示させ、これらが被検体の体動によってどの程度移動しているかをオペレータが見る(第2の画像メモリ内容表示)。
ステップ.106
コントローラ147が、前ステップと同様に、第3の画像メモリ141cの透視画像データを出力させる。システム制御部16が、前ステップと同様に、この第3の画像メモリ141cの透視画像データを表示させる。この表示は、前記第1の画像メモリ141aのものと前記第2の画像メモリ141bのものとを連続して表示させ、これらが被検体の体動によってどの程度移動しているかをオペレータが見る(第3の画像メモリ内容の表示)。
ステップ.107
コントローラ147が、前ステップと同様に、第4の画像メモリ141dの透視画像データを出力させる。システム制御部16が、前ステップと同様に、この第4の画像メモリ141dの透視画像データを表示させる。この表示は、前記第1の画像メモリ141aのもの乃至前記第3の画像メモリ141cのものとを連続して表示させ、これらが被検体の体動によってどの程度移動しているかをオペレータが見る(第4の画像メモリ内容の表示)。
ステップ.108
オペレータが、前記第1の画像メモリ141aから前記第4の画像メモリ141dまでの被検体の体動による移動の程度を見て、それぞれの移動量が小さいものであれば、4つの透視画像データともに使用して加算平均する旨の入力を演算モード入力部17bに選択入力をする。また、移動量が大きいものがあれば、その透視画像データは使用しない旨の入力を同様に選択入力をする。さらに、移動量が中程度のものでカンタムノイズを除去するものに有効であると認められるときは、移動量の影響が出にくいように、重み付け加算平均に用いる選択入力を演算モード入力部17bにする。演算モードスイッチ143が、これらの選択入力のうちの1つを設定値として設定する(画像データ選択入力)。
ステップ.109
コントローラ147が、この設定値に基づいて演算部142を次のように演算させる。ここで第1の画像メモリ141aの画像データを代表してAとして、また第2の画像メモリ141bをB,第3の画像メモリ141cをC,第4の画像メモリ141dをD,演算結果をZとする。
(1)4枚の画像の移動量が何れも小さい場合の演算
Z=(A+B+C+D)/4
(2)A,B,Cの画像の移動量が何れも小さく、Dの移動量が大きい場合の演算
Z=(A+B+C)/3 (Dは使用しない)
(3)A,Bの画像の移動量が何れも小さく、C,Dの移動量が大きい場合の演算
Z=(A+B)/2 (C,Dは使用しない)
(4)Dを基準としてA,B,Cの移動量がそれぞれ中程度である場合の重み付け演算の例
Z=(4A+3B+2C+D)/10
次に、コントローラ147が出力切替器145を制御して、このような演算結果Zを合成画像データとして出力する(画像データ演算)。
ステップ.110
システム制御部16が、切替器15と表示回路9を制御して、この合成画像データを画像表示器10に表示する(合成画像表示)。
【0017】
次に、第2の実施の形態の透視画像処理部14について、図面を用いて説明する。
図4は図1の透視画像処理部の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図、図5は第2の実施の形態の透視終了入力から合成画像を表示するまでの工程の一例を示すフローチャートである。
【0018】
第2の実施の形態の透視画像処理部14は、図4に示すように、セレクタ140と画像メモリ群141(ここでは、4つの画像メモリとし、これらを141a〜141dとする)と演算部142と演算モードスイッチ143と演算モード決定部146とコントローラ147とを有している。
セレクタ140は後段に接続される複数(ここでは4つ)の画像メモリ(141a〜141d)にそれぞれにフレーム同期信号入力に応じて同期している透視画像データ毎にこれらのデータを振り分けるもの、画像メモリ群141は複数の画像メモリ(ここでは、第1の画像メモリ141a〜第4の画像メモリ141dの4つ)からなり、前記振り分けた透視画像データを記憶するもの、演算部142はこれらの透視画像データのうちの少なくとも2つのものを演算モードスイッチ 143によって設定される選択設定値に基づいて選択し、この設定値とともに設定される加算平均または重み付け加算平均の演算の種類を設定される演算種類設定値に基づいて演算するもの、演算モードスイッチ143は演算種類決定部146に発生される演算モード信号に基づいた演算対象とする透視画像データ選択設定値と演算種類設定値を設定するもの、演算モード決定部146は演算部142に少なくとも2つの画像データどうしを減算することができたとき、この減算の結果より連続する2画像データの移動量を検出するとともに、この検出に基づいて演算モードスイッチ143を設定するもの、コントローラ147は透視終了信号とフレーム同期信号との入力と演算モードスイッチ143の設定値に応じて、セレクタ140と画像メモリ群141と演算部142とを制御するものである。
【0019】
発明者は、上記検出とこの検出に基づく演算モードの決定について、次のような法則に則ればよいことを検証した。
例えば、2枚の28 ビット(256階調)の画像データの個々の画素データの差の値が−64(26 )以下または+64以上となったとき、その画素には移動点と判定し、これ以外は非移動点と判定する。この移動点に対応する画素数が画像を構成する全画素数の30%以下であれば移動量が小,30%〜70%で移動量が中,70%以上で移動量が大とする。また、重み付け加算平均に用いる場合は前記30%〜70%の大きさに応じて比例する。即ちこれを一般化すれば
【外1】
ビット画像データに対し、差の値を
【外2】
とすればよい。但し、nは2以上の整数とする。
【0020】
次に、第2の実施の形態の透視終了入力から合成画像の表示までの工程について、図5を用いて述べる。
ステップ.201
オペレータが、条件入力部17の透視終了入力部17aを操作入力する(透視終了入力)。
ステップ.202
透視終了信号発生部13が、この操作入力の信号をDフリップフロップ134のSET端子に入力し、Q端子より透視終了信号を発生する(透視終了信号の発生)。
ステップ.203
透視画像処理部14のコントローラ147が、この透視終了信号が発生していることを認知する。次にコントローラ147が、セレクタ140と画像メモリ群141とを制御して、X線の曝射を停止する直前の複数枚(ここでは4枚)の透視画像データをフレーム同期信号に基づいて振り分け、画像メモリ群141の第1の画像メモリ141a〜第4の画像メモリ141dにそれぞれ記憶させる。また、X線制御部11にはX線の曝射をこれらの透視画像データを記憶し終えたときに停止するように時遅れ回路を有している(信号「有」の認知)。
ステップ.204
演算部142が、2つの連続した透視画像データの各画素データ毎に引き算する。例えば、第2の画像メモリの内容(透視,画像データ)から第1の画像メモリの内容を引き算する。同様に、第3の画像メモリの内容から第2画像メモリの内容、第4の画像メモリの内容から第3の画像メモリの内容を同様に引き算する。演算モード決定部146が、これらの引き算の値に基づいて画像を構成する全画素数に対する移動点の画素数の割合を算定するとともに、この割合が30%以下であれば加算平均とし、30%〜70%であれば重み付け加算平均とし、70%以上であれば使用しない決定をして、演算モードスイッチ143にこの決定に基づく設定値を設定する(演算モードの決定)。
ステップ.205
コントローラ147が、この設定値に基づいて演算部142をステップ.109で述べたように演算させ、この演算結果を合成画像データとして出力する(画像データ演算)。
ステップ.206
システム制御部16が、切替器15と表示回路9を制御して、この合成画像データを画像表示器10に表示する(合成画像表示)。
【0021】
上記第2の実施の形態では、透視終了入力があった後の透視画像データの差をフィードバックして演算モードを決定していたが、通常のX線透視中にあっては、切替器15を画像処理部8からの透視画像データが表示回路9に伝達するように設定するとともに、透視画像処理部14の演算部142が透視画像データのフレームが1つ更新する毎にそれぞれ連続する2つの透視画像データの引き算を行っておいて、演算モード決定部146がこの引き算の値に基づき移動点の割合の算定と演算モードの決定を行ってもよい。
【0022】
また、上記実施の形態では、画像処理部8の透視画像データを表示回路9に透視画像処理部14を通さずに高速に伝達できる切替器15を備えた構成で説明したが、この切替器15を有さず、透視画像処理部14を画像処理部8と表示回路9との間に挿入した構成としてもよい。
【0023】
以上述べたように、透視終了信号発生部13が、前記透視終了の入力に基づいて透視終了信号を発生し、透視画像処理部14が、この透視終了信号に基づき透視終了直前に透視した複数枚の透視画像データから合成画像データを演算するので、透視画像データのカンタムノイズを低減するから、本発明の目的を達成することができる。また、前記透視終了時には、被検体へのX線曝射を行わないから、X線被曝量を少なくできる。
【0024】
また、第2の実施の形態は、第1のものと比べると画像データの表示による移動量の確認と演算モードの入力を要さないので、より使い勝手のよいX線画像診断装置を提供できる。
【0025】
また、上記第1の実施の形態では、透視終了直前の複数枚の透視画像データを得ることで説明したが、透視をいつ終了するか、即ち透視終了信号がいつ発生するのか分らないので、透視終了信号が発生しなくとも、予め複数枚の透視画像から合成画像を演算しておいてもよい。ただし、被検体の対象部位の大きさが著しく異なるあるいは被検体の動きが激しい部位については、第2の実施の形態を用いる方が好適である。
【0026】
以上述べた実施の形態のあらゆる形態と組み合わせが、本発明の目的を達成できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線画像診断装置の概略構成例を示すブロック図。
【図2】図1の第1の実施の形態の透視画像処理部の概略構成例を示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態の工程例を示すフローチャート。
【図4】図1の第2の実施の形態の透視画像処理部の概略構成例を示すブロック図。
【図5】第2の実施の形態の工程例を示すフローチャート。
【図6】図1の透視終了信号発生部の概略構成例を示すブロック図。
【図7】従来のX線画像診断装置の概略構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
13 透視終了信号発生部
14 透視画像処理部
140 セレクタ
141 画像メモリ群
142 演算部
143 演算モードスイッチ
144 画像メモリ切替器
145 出力切替器
146 演算モード決定部
147 コントローラ
15 切替器
17 条件入力部
17a 透視終了入力部
17b 演算モード入力部
Claims (2)
- 透視画像を得る透視のためにX線を被検体に照射するX線源と、前記被検体の透過X線を検出データとして検出する検出器と、前記検出データを画像処理して透視画像データを出力する画像処理部と、前記透視の終了を入力する手段と、前記透視終了の入力に基づいて前記透視終了の直前に得られた複数枚の透視画像データから合成画像データを演算する手段と、前記合成画像データを表示する画像表示部とを備えたX線画像診断装置において、前記演算手段は、連続する複数の透視画像データ間の差を求め、該求められた差に基づき連続する透視画像データ間の前記被検体の体動による移動量を演算し、該演算された移動量に応じて透視画像データを選択し、該選択された透視画像データを用いて前記合成画像データを演算することを特徴とするX線画像診断装置。
- 前記合成画像データの演算は、前記演算された移動量に応じて前記選択された透視画像データ同士を加算平均するか、重み付け加算平均するか、使用しないかの何れかを所定の条件設定によって行われることを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
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JP30047495A JP3582618B2 (ja) | 1995-10-26 | 1995-10-26 | X線画像診断装置 |
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-
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