JP3582207B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話等の通信装置に関し、さらに詳細には識別符号の設定に応じ、回線の接続方法を切り替えることのできる通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
Personal Handy-phone System(以下PHSという)や携帯電話の普及により、利用者はいつでも、どこでも、誰とでも通信が可能となってきた。このようなPHSの概要について、説明を行う。まず、図14を参照して構成について説明する。
【0003】
市内交換機2には加入者線を介して、多数の公衆電話12や一般電話14が接続されている。PHS用接続装置10も同様に加入者線を介して、市内交換機2に接続されている。PHS用接続装置10には複数の基地局16が接続されている。基地局16は無線通信を介して複数のPHS端末18と通信が可能である。市内交換機2は、市外交換機4,5を介し、他の市内交換機3と接続している。PHSサービス制御局6は共通線信号網により、多数の市内交換機2、3と接続している。他の市内交換機3にも一般加入電話13が接続されている。
【0004】
基地局16内には、PHS用接続装置10との通信を行う送受信部20と、各種の制御を行うCPU22と、無線通信を行うために信号の変換を行うTDMA/TDD処理部24と、無線送信及び受信を行うためのアンテナ部26と、記憶装置28とが設けられている。送受信部20はPHS用接続装置10と接続されている。アンテナ部26は、TDMA/TDD処理部24に接続されている。送受信部20と、CPU22と、TDMA/TDD処理部24と、記憶装置28とはバスを介して接続されている。CPU22は、記憶装置28の図示しない領域に記憶されているプログラムに従って各種の動作制御を行い、送受信部20やアンテナ部26から送受信する信号の解析や生成を行う。
【0005】
PHS端末18の内部には、基地局16から送信される信号を受信したり、信号の無線送信を行うアンテナ部30と、無線通信する信号の変換を行うTDMA/TDD処理部32と、各種データを記憶する記憶装置34と、各種の制御を行うCPU36と、信号を音声に変換するスピーカ38と、音声を信号に変換するマイク40と、ユーザがデータを入力するためのキーボード42とが設けられている。記憶装置34の内部には、無線通信の秘話性能を保持するために用いられる暗号キー50が記憶されている。
【0006】
アンテナ部30は、TDMA/TDD処理部32と接続されている。TDMA/TDD処理部32と、記憶装置34と、CPU36と、スピーカ38と、マイク40と、キーボード42はバスを介して接続されている。CPU36は、記憶装置34内の図示しない領域に記憶されるプログラムに従って、各種の動作制御を行う。
【0007】
続いて、図15を参照して、PHSの無線通信方法について説明する。これは、基地局16のTDMA/TDD処理部24及び、PHS端末18のTDMA/TDD処理部32における信号の変換方法を説明するものでもある。
【0008】
図15に示す様に、1サイクル(以下フレームと呼ぶ)5msを8個のブロック(以下スロットと呼ぶ)に時分割する。この内、#1Tから#4Tで示す4つのスロットを基地局16からPHS端末18への送信(下りと呼ぶ)に割り当て、#1Rから#4Rで示す4つのスロットをPHS端末18から基地局16への送信(上りと呼ぶ)に割り当てる。さらに、#1T、#1Rで示すスロットを制御チャンネルと呼び、他のスロットを通信チャンネルとする。PHSは相互通信を行うため、通信には上り下りに各1チャンネル必要である。すなわち、上記構成の通信方法では、1つの基地局16について3つの通信チャンネルを確保できることになる。
【0009】
各スロットは、図16に示す様に、240ビットで構成されるデータ(ビット)列を出力するように定められている。尚、種々の状態に応じて、どのビットがどのような意味を示すものであるかについても別に定められている。
【0010】
このような、アクセス方式及び伝送方式のことを、TDMA(Time DivisionMultiple Access)方式、TDD(Time Division Duplex)方式と呼ぶ。音声信号等を上記仕様の信号に変換したり、上記仕様の信号を音声信号に変換する機構が、TDMA/TDD処理部に該当する。
【0011】
続いて、図17を参照して、一般加入電話13からPHS端末18へ通話を行う具体的な手順について説明する。
【0012】
一般加入電話13から所望のPHS端末18の電話番号をダイヤルする(S120)。市内交換機3はこの電話番号を受け取り、PHS端末の電話番号であることを認識する。すると、市内交換機3はPHSサービス制御局6にこの電話番号のPHS端末18の位置情報を問い合わせる(S121)。PHSサービス制御局6は、市内交換機3より送られる電話番号に基づいて、PHS端末18の位置情報を検索し、この位置情報を市内交換機3に送信する(S122)。市内交換機3は、この位置情報に基づいて、PHS端末18が無線通信可能な基地局16が接続されているPHS用接続装置10まで通信回線を接続する(S123)。PHS用接続装置10は、PHS端末18が無線通信可能な基地局16に対して発呼を指示する(S124)。基地局16は、前述の制御チャンネル(#1T)を利用して、PHS端末18に対して発呼を行う(S125)。ここで、PHS端末18が応答すると、通話を開始し、課金処理が行われることになる(S126)。
【0013】
このようなPHS端末は小型・軽量であり、かつ無線通信を行うものであるため、無線通信が可能な範囲であるならば、どこへでも持ち運びができるようになった。それゆえ、どこでも、いつでも、だれとでも電話連絡を取り合えるようになり、情報交換が飛躍的に向上してきた。
【0014】
続いて、手順S122で利用するPHS端末の位置情報の設定方法について、図18を参照して説明する。
【0015】
基地局16は、制御チャンネルを利用して基地局毎に割り当てられた識別番号を、定期的に発信する(S130)。基地局16と通信可能なPHS端末18は、これを受信する(S131)。そして、記憶装置34の図示しない領域に記憶している基地局の識別番号と同じであるか比較する(S132)。ここで、同じ番号である場合(Yes)、PHS端末は移動していないので、なにもせず終了する。番号が異なる場合(No)、PHS端末18は移動したので、PHS端末18は制御チャンネルを利用して位置登録要求信号を送信する(S133)。この位置登録信号には、PHS端末18の識別信号も含まれている。また、位置登録要求信号を基地局16が受け取ると、基地局16はPHS端末に対して通信チャンネルを1つ与える。以後の通信は、通信チャンネルを利用して行われる。
【0016】
基地局16は、PHS用接続装置10を介して、PHSサービス制御局6へ位置登録信号を送信する(S134)。この位置登録信号には、PHS端末18の識別信号と基地局16の識別番号が含まれている。PHSサービス制御局6は、この位置登録信号に基づいて、図示しない記憶装置に記憶される位置情報を修正する(S135)。PHSサービス制御局6は、修正が終了すると登録完了を示す信号を送信する(S136)。基地局16は、この登録完了を示す信号を送信する。PHS端末18がこの登録完了を示す信号を受け取ると、記憶装置34の図示しない領域に記憶している基地局の識別番号を基地局16の識別番号に書き換える(S137)。そして、通信チャンネルを解放して、処理を終了する。
【0017】
このような動作を行うことにより、PHS端末がいる位置をPHSサービス制御局6が瞬時に把握することができる。この機構により、どこでも、いつでも、だれとでも、電話連絡が可能となる。
【0018】
ところが、どこでも、いつでも、だれとでも、電話連絡が可能であるが故に、例えば顧客との面談中であるとか、急用で手が離せない状況でも電話がかかってくることがある。これは利用者本人にとっても迷惑であるばかりか、着信を知らせるベルが応答するまで鳴り続けるため、周辺の他の人にも迷惑を及ぼすことになる。また、昨今社会問題にもなっているが、いたずら電話等が後を断たず、これへの対応も必要であった。
【0019】
このような状況に対応するため、従来より提案されている方法の一つに特開平02ー121555号明細書に記述されたような方法がある。この方法について図19、20を参照して概略を説明する。
【0020】
まず、図19を参照して従来装置の構成について説明する。電話装置100は一般電話回線に接続されている電話機である。電話装置100内部には、電話回線に接続するインターフェース102と、各種の制御を行うCPU104と、音声を信号に変換するマイク106と、信号を音声に変換するスピーカ108と、電話回線を通じて送信される発呼側のメッセージを記録する録音装置110と、記憶装置112とが構成されている。これらはバス114を介して接続されている。記憶装置112内部には、識別番号記憶部120とメッセージ記憶部122とが構成されている。
【0021】
CPU104は、記憶装置112の図示しない領域に記憶されるプログラムに従って動作し、種々の制御を行うことができる。例えば、電話回線を介して送られる信号をスピーカ108を介して音声として出力したり、マイク106を介して信号に変換された音声を電話回線に送信したりする。また、記憶装置112に記憶されたデータを処理することもできる。
【0022】
続いて、図20を参照して従来装置の具体的な動作について説明する。
【0023】
電話装置100のCPU104は着信があることを識別すると、記憶装置112内のメッセージ記憶部122に記憶されているメッセージを呼びだし、これを電話回線に送信する。尚、このメッセージにはパスワードの入力を要求する内容が含まれている。発呼側はこのメッセージを受信すると、メッセージの内容にしたがってパスワードの入力を行うことになる。CPU104は、発呼側が入力するパスワードを受信する(S101)。CPU104は、S101で入力されるパスワードと識別番号記憶部120に記憶される識別番号とを比較し、適切なパスワードが入力されたか否かを判定する(S102)。具体的には、入力されるパスワードと識別番号が一致するか否かを判定し、一致すれば適切なパスワードの入力があったと判定し、一部でも異なっていれば適切なパスワードではないと判定することになる。
【0024】
ここで、入力されたパスワードが適切ではないと判断されると(No)、CPU104は、メッセージ記憶部122に記憶される第二のメッセージを呼びだし、これを電話回線に送信する(S103)。この第二のメッセージには、本人は電話での応答ができないが発信者のメッセージを録音することはできるので、メッセージの入力を求める内容が含まれている。発呼側がメッセージの入力を行うと、CPU104はこのメッセージを録音装置110に記録保存する(S104)。そして、回線が切断されたか否かを判定し(S105)、回線が切断されると(YES)一連の処理を終了する。S105で回線が切断されていないときは、S104の手順に戻り録音を継続することになる。
【0025】
また、S102でパスワードが適切であると判断されると(YES)、CPU104は電話装置100内の図示しない領域に構成されたベルを鳴らす。これにより、電話装置100の利用者に対し、着信があったことを知らせる(S106)。CPU104は、ベルを鳴らす回数をカウントし、予め設定した回数ベルを鳴らしたか否かを判定する(S107)。ここで、所定回数鳴らしていないときは(No)、受信者が電話に応答したか否かを判断する(S108)。電話に応対した場合(YES)には、通常の通話処理を行う(S109)。そして、回線が切断されたか否かを判断し(S110)、切断されたら(YES)一連の処理を終了する。S107で、所定回数ベルを鳴らした場合(YES)には、S103の手順に進み、前述のような録音動作を実行する。S108で電話への応答が無い場合(No)には、S106の手順に戻り、再びベルを鳴らす。S110で回線の切断がされていないとき(No)は、S109の通話処理を継続することになる。
【0026】
このような方法により、着呼側の識別番号(パスワード)を認識している特別な発呼に対しては、着呼側に着信があることを知らせることで通常の通話を保証することができ、それ以外の不特定多数の発呼に対しては例えばメッセージ録音のような動作を行うことで、着呼側との通常の通話を拒否することができる。すなわち、発呼の識別番号を識別することで着呼に対して重要な連絡であるかを判断し、重要な連絡のみを着呼に対しては知らせることができるようになり、前述の問題を解決することができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、PHSの様に携帯可能な電話は様々な状況下で使用される。また、このPHSは比較的安価なシステムであるので、ビジネス分野だけではなく、一般家庭にも多く進出しており、利用される状況は非常に多岐にわたることになる。
【0028】
すなわち、状況が変化するのに連れて、重要な情報の意味合いも変化し、連絡を取り合いたい相手も変わってしまう。具体的には、一般の業務中であるならば仕事に関係のある相手との通話は確保しておきたいが、重要な会議の最中には顧客からの連絡だけしか受けられないようにしておきたいとか、家庭に戻ったときには友人からの連絡を優先させたいというように、様々な状況変化によって要望に違いがあることが分かる。
【0029】
しかしながら、従来の装置ではこのように刻々変わる要望に対して、適切にかつ容易に対応がとれるものは存在しなかった。
【0030】
また、使用している状況が変わる毎に着呼側の識別番号(パスワード)を設定し直すことにより、それぞれの状況に応じた通信相手との通話を確保することが可能となる。例えば、仕事関係の通信相手にはAという識別番号を知らせておき、プライベートな通信相手にはBという識別番号を知らせておく。着呼側の通信装置の識別番号を、仕事中はAという識別番号に設定し、仕事が終わった時にBという識別番号に設定し直すことで、所望の通信相手との通話が確保できることが分かる。
【0031】
しかしながら、識別番号の入力は利用者が手で入力し直すため、入力ミスということが起こりかねず、所望の設定が行えない危険がある。また、設定をし直すという行為自体を忘れてしまうことすらある。すなわち、上記の方法では利用者の所望の動作の実行を確実に保証できるものではなかった。また、操作が繁雑で好ましくなかった。
【0032】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡易な操作によって、通話を優先したい相手と選択的に通信できるような通信装置を提供することを目的とする。また、このような動作を確実に実行できる通信装置の提供も目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の通信装置は、通信回線を通じて入力される識別符号を受信する受信手段と、予め設定されるパスワードを記憶するパスワード記憶手段と、通信回線の接続方法を設定する接続設定手段とを備えるものであって、パスワード記憶手段は複数のパスワードを記憶し、通信装置の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段が検出する位置情報に基づいて、前記パスワード記憶手段に記憶される複数のパスワードの内から、少なくとも1つを有効化するパスワード有効化手段とを備え、前記接続設定手段は、前記パスワード有効化手段が有効化するパスワードと前記受信手段が受信する識別符号とに基づいて、前記通信回線の接続方法を設定し、前記パスワード有効化手段は、前記位置検出手段が検出する位置情報と前記パスワードとの対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、前記位置検出手段が検出する位置情報と対応関係記憶手段に記憶される情報とを比較する対応関係比較手段とを備え、前記対応関係比較手段の比較結果に応じて、前記対応関係記憶手段に記憶される情報を修正する対応関係修正手段とを備えるものである。
【0034】
このような通信装置は、複数のパスワードの中からパスワード有効化手段により有効とするパスワードを選ぶことができるので、容易な操作でもって、通信装置のパスワードを選択できる。さらに、ここで、選択されたパスワードと、受信した識別符号とを比較して通信回線の接続方法を設定するものであるので、パスワード有効化手段で有効にしたパスワードに応じた接続方法となる。すなわち、容易な操作でもって、通信回線の接続方法を設定することができるので、通信装置の使用状況に応じた、通信回線の接続方法とすることができる。
【0035】
【0036】
また、通信装置の位置情報を利用することによって、通信装置の使用状況を判断することができる。すなわち、会社の近傍の位置情報であるのならば業務に利用中であるとか、自宅近傍の位置情報ならばプライベートな用途に利用中であると判断できる。このような判断に基づいて所望のパスワードを有効化し、そして通信回線の接続方法を設定するので、利用者に繁雑な操作を要求すること無く、所望の通信回線の接続方法を設定できるようになる。
【0037】
【0038】
更に、対応関係記憶手段に位置情報とパスワードとの関係を記憶し、位置検出手段が検出する位置情報と対応関係記憶手段に記憶される情報を対応関係比較手段で比較することにより、所望のパスワードを有効化することができる。さらに、対応関係修正手段により、対応関係記憶手段に記憶される情報を修正することができるので、利用者所望の関係とすることができる。
【0039】
また、この対応関係修正手段は対応関係比較手段の比較結果に基づいて修正を行うことができる。すなわち、新規に訪れた場所のように、未だ位置情報とパスワードの対応関係を設定していない場所と認識したときに、この対応関係を新しく設定することなどが行える。そのため、利用者はこの通信装置を利用しながら、位置情報とパスワードの関係をきずきあげることができるので、対応関係の設定の煩わしさを感じることが少なくなる。
【0040】
また、請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置の構成に対して、現在の月日、曜日、時間などを検出する日時検出手段を備え、パスワード有効化手段は日時検出手段が検出する時間情報に基づいて、パスワードの有効化を行うものである。
【0041】
このような通信装置は、時間情報を利用することによって、通信装置の使用状況を判断することができる。すなわち、土日曜日ならばプライベートな用途に利用中であるとか、平日の午前8時から午後5時までは業務に利用中であると判断できる。このような判断に基づいて有効化したパスワードを用いて、通信回線の接続方法を設定するので、利用者に繁雑な操作を要求すること無く、所望の通信回線の接続方法を設定できるようになる。
【0042】
また、請求項3記載の通信装置は、請求項2記載の通信装置の構成に対して、通信装置の利用者のスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段を備え、パスワード有効化手段は、日時検出手段が検出する時間情報とスケジュール記憶手段に記憶されるスケジュール内容とに基づいて、パスワードの有効化を行うものである。
【0043】
利用者が設定するスケジュール項目に基づいて、通信回線の接続方法を設定することができるため、利用者に新たな繁雑な操作を要求すること無く、利用者の様々な変化に対応した通信回線の接続方法を設定することができる。
【0044】
また、請求項4記載の通信装置は、請求項1から3のいずれかに記載の通信装置の構成に対して、接続設定手段の設定特性を記憶する設定特性記憶手段と、受信手段で受信する識別符号に基づいて、設定特性記憶手段に記憶される設定特性を修正する設定特性修正手段とを備えるものである。
【0045】
このような通信装置は、通信回路の接続方法を定める設定特性を設定特性記憶手段に記憶しているので、この設定特性記憶手段の記憶内容を修正することで、利用者所望の設定方法とすることができる。さらに、この修正を行う設定特性修正手段は、受信手段が受信する識別符号に基づいて修正を行うことができる。すなわち、このような通信装置に送信する送信者の所望の識別符号に基づいて、通信装置の通信回路接続方法を設定できるようになる。
【0046】
例えば、このような識別符号の設定が必要な通信装置が増加すると、その通信機の数だけパスワードが存在することになる。このような通信装置との通信を望む送信者は、そのパスワードの数だけ、記憶している必要がある。記憶する情報が多くなるということは、送信者にとって非常に困難なことでもある。
【0047】
上記通信装置は、受信手段が受信する識別信号に基づいて、通信回路の接続特性を修正できるので、送信者の所望の識別信号の利用を受け付けることができる。このような通信装置との通信を行う際に、送信者は所望の識別符号を利用することができるようになるため、送信者側に繁雑な設定を必要としなくなり、利用しやすくなる。
【0048】
また、請求項5記載の通信装置は、請求項1から4のいずれかに記載の通信装置の構成に対して、複数のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、メッセージ記憶手段に記憶されるメッセージを選択するメッセージ選択手段と、メッセージ選択手段で選択したメッセージを送信するメッセージ送信手段とを備えており、メッセージ選択手段は、接続設定手段に基づいて選択を行うものである。
【0049】
このような通信装置は、種々の通信回路の接続に応じて、適切なメッセージを選択し、これを送信することができるため、このような通信装置に送信してきた送信者に対し、この通信装置がどのような状態になっているのかを容易に知らせることができる。すなわち、送信者側にとって利用しやすい通信装置とすることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1を参照して本発明の第一の実施の形態例の構成について説明する。尚、従来技術で説明した図14と同一の構成要素については、同一番号を付することでその具体的な説明は省略する。
【0051】
PHS端末18の内部には、基地局16から送信される信号を受信したり、信号の無線送信を行うアンテナ部30と、無線通信する信号の変換を行うTDMA/TDD処理部32と、各種データを記憶する記憶装置34と、各種の制御を行うCPU36と、信号を音声に変換するスピーカ38と、音声を信号に変換するマイク40と、ユーザがデータを入力するためのキーボード42と、PHS端末18の制御モード(後述の選択モードA〜Cを含む)を設定するためのモードキー44と、音声信号を録音する録音装置46とが構成されている。記憶装置34の内部には、無線通信の秘話性能を保持するために用いられる暗号キー50と、パスワード記憶手段としてのパスワード記憶部52と、メッセージ記憶手段としてのメッセージ記憶部54と、対応関係記憶手段としての位置識別記憶部56とが構成されている。
【0052】
アンテナ部30は、TDMA/TDD処理部32と接続されている。TDMA/TDD処理部32と、記憶装置34と、CPU36と、スピーカ38と、マイク40と、キーボード42と、モードキー44と、録音装置46はバスを介して接続されている。CPU36は記憶装置34内に記憶された図示しないプログラムに従って、各種の動作制御をおこなうことができる。
【0053】
続いて、図2を参照して本発明の第一の実施の形態例における動作について説明する。
【0054】
PHS端末18に着信があると、CPU36は自機(PHS端末18)の位置を、従来例でも示したように、基地局を識別することによって認識する(S1)。尚、この動作は、従来例の図18の手順S137で行った、記憶装置34内の図示しない領域に記憶される基地局の識別番号を参照することで行ってもよい。尚、この手順が位置検出手段に該当する。また、この基地局の識別番号が本発明の位置情報に該当する。
【0055】
続いて、CPU36は、S1で求めた位置情報に基づいてパスワードを選択する(S2)。この手順は、以下の様な動作を行う。位置識別記憶部56は、図3に示す様な構成となっており、複数の選択モードA〜Cそれぞれに対し、いくつかの識別番号が対応付けられている。すなわち、CPU36は、S1で認識した識別番号と同じ番号となる識別番号が含まれる選択モードを読み取る。図3の例に従えば、例えば123456という識別番号をS1で認識すると、CPU36は選択モードAと認識し、987654という識別番号をS1で認識すると、CPU36は選択モードCと認識する。さらに、位置識別記憶部56に記憶された識別信号に該当するものが無い場合には、後述する修正モードに入る。
【0056】
尚、図3のAに記憶される各識別番号は、例えば利用者の勤務先の本社の近傍に設置される基地局の識別番号となっており、同様に、Bに記憶される各識別番号は本社以外の会社施設の近傍に設置される基地局の識別番号が、Cに記憶される各識別番号は自宅の近傍に設置される基地局の識別番号がそれぞれ記憶されている。すなわち、それぞれの選択モードに対応する領域に記憶される識別番号は、位置に応じたなんらかの情報を共有する組となっている。
【0057】
CPU36はここで、認識した選択モードに基づいて、パスワード記憶部52からいくつかのパスワードを選択する。パスワード記憶部52は、図4に示す様な構成となっており、選択モードA〜Cそれぞれに対し、いくつかのパスワードが対応付けられている。すなわち、選択モードAが選択されていると、パスワードIとして4567が、パスワードIIとして456*が選択される。他のモードのときには図4に示したようなパスワードがそれぞれ選択されることになる。ここで、*は0から9までのいずれのあたいでも良いことを示す記号である。また、allは全ての数値をパスワードとして認めることを示す記号である。
【0058】
このような動作を手順S2で行うことにより、パスワードI及びパスワードIIを選択することができる。このような動作がパスワード選択手段に該当する。
【0059】
図1に戻り、手順S2以降の動作の説明を続ける。
【0060】
CPU36は、メッセージ記憶部54の図示しない領域に記憶されるメッセージを呼びだし、これを送信する(S3)。このメッセージの中には、発呼側に識別番号の入力を促す内容が含まれている。このメッセージに応じて発呼側が識別番号の入力を行うと、CPU36は、これを受け取り、記憶装置34の図示しない領域に記憶する(S4)。尚、この動作が受信手段に該当する。
【0061】
CPU36は、手順S2で選択したパスワードIとパスワードII、及び手順S4で受信した識別番号に基づいて、通信回線の接続方法を設定する。すなわち、識別番号がパスワードIに該当するならば接続モードIとし、識別番号がパスワードIに該当しないがパスワードIIに該当する場合は接続モードIIとし、それ以外は接続モードIIIとする(S5)。この動作が接続設定手段に該当する。
【0062】
各接続モードはそれぞれ以下の様な通信回路の接続方法である。
【0063】
S5で、接続モードIIIと判定されると(モードIII)、CPU36は、メッセージ記憶部54に記憶されるメッセージIIIを選択する。メッセージ記憶部54は図5に示す様な構成となっており、選択モードとメッセージを対応付けて記憶するものである。接続設定手段に該当するS5で選択した選択モードに対応するメッセージが選択されることになる(S6)。尚、この動作がメッセージ選択手段の1つに該当する。そして、このメッセージを送信する(S7)。尚、この動作がメッセージ送信手段の1つに該当する。そして、処理を終了する。
【0064】
すなわち、接続モードIIIは、「大変恐縮ですが、この電話はお繋ぎできません。」というメッセージの送信終了を待って通信回路を切断する、という通信回線の接続方法である。
【0065】
S5で、接続モードIIと判定されると(モードII)、CPU36は、メッセージ記憶部54に記憶されるメッセージIIを選択する(S8)。この動作もメッセージ選択手段の1つに該当する。そして、S8で選択したメッセージを送信する(S9)。この動作もメッセージ送信手段の1つに該当する。尚、このメッセージは例えば、「ただ今電話に応対できませんので、メッセージの録音をどうぞ。」というように、発呼側にメッセージの録音を促す内容のものである。
【0066】
そして、CPU36は録音装置46を制御し、送信される音声信号の録音を行う(S10)。CPU36は、回線が切断されたか否かを常に判断する(S11)。S11で回線が切断されていない場合には(No)、S10に戻り録音を続ける。S11で切断したと判断したときは(Yes)、処理を終了する。
【0067】
すなわち、接続モードIIは、発呼側のメッセージを録音装置で録音するという通信回線の接続方法である。
【0068】
S5で、接続モードIと判定されると(モードI)、CPU36は、メッセージ記憶部54に記憶されるメッセージIを選択する(S12)。この動作もメッセージ選択手段に該当する。そして、S12で選択したメッセージを送信する(S13)。この動作もメッセージ送信手段に該当する。尚、このメッセージは例えば、「電話を繋ぎますので、このまましばらくお待ちください。」という内容であり、しばらくの間、待機してもらう内容である。
【0069】
CPU36は、PHS端末18の図示しないベルを鳴らし、PHS端末18の利用者に着信があったことを知らせる(S14)。続いて、ベルを鳴らした回数が所定回数に達したか否かを判定する(S15)。所定回数に達していない場合には(No)、PHS端末18が応答したか判断する。すなわち、オフフックの状態になったか否かを判定する(S16)。ここで、応答した場合には(Yes)、通常の通話処理を開始する(S17)。そして、CPU36は、回線が切断したか否かを判定し(S18)、切断された場合には(Yes)、処理を終了する。
【0070】
ここで、手順S15で所定回数ベルを鳴らしても応答が無い場合には(Yes)、S8の手順に移る。すなわち、接続モードIIに移行する。また、手順S16で応答が無い場合には(No)、S14の手順に戻り引き続き、着呼を知らせるベルを鳴らす。さらに、手順S18で回線が切断されていない場合には(No)、S17の通話処理を繰り返すことになる。
【0071】
すなわち、接続モードIは通常の通話処理を行うことができる通信回線の接続方法である。
【0072】
また、本発明は選択モードA〜Cの切り替えが、前述のように自動的に行なわれるものに限定するものではない。例えば、モードキー44の操作によって、利用者の意図に応じて選択モードを切り換えるものであってもよい。すなわち、モードキー44には、図示しない領域に選択モードA〜Cそれぞれに対応するスイッチが設けられている。利用者は、モードキー44を設定したい選択モードに合わせることにより、いつでも、どこでも所望の選択モードを設定することができる。
【0073】
以上のような、構成や動作を行うことによって以下の様な効果を期待することができる。まず、例えば、重要な連絡相手には4567という識別番号を知らせておき、その他の仕事の関係者には4560という識別番号を知らせておくことにする。また、プライベートな相手には7777という識別番号を知らせることにする。
【0074】
通常の業務中においては、モードキー44の操作により、選択モードがBになるようにしておくと、4567、4560といういずれかの識別番号を認識している仕事の関係者との通話を確保し、他の通信相手はメッセージを録音させることができる。また、来客中のように電話を受け付けたくないときは、選択モードをAになるようにすると、仕事の関係者の中でも4567という重要な識別番号を知っている人との通話のみを確保し、他の仕事関係者の通話はメッセージの録音にすることができる。
【0075】
また、仕事が終了した場合は、選択モードをCになるようにすることにより、プライベート中はプライベートな連絡相手との通話を確保し、他はメッセージの録音にすることができる。
【0076】
このように、PHS端末の利用者の状況に応じてパスワードを選択するので、利用者の立場に沿った電話連絡をとれるようになる。
【0077】
また、このパスワードの選択は、前述の実施の形態の手順S1及びS2で示したように、基地局の位置情報に基づいて行うこともできる。すなわち、会社近傍にある基地局の識別番号を認識している場合には、選択モードBとなるようにする。さらに、本社近傍にある基地局の識別番号を認識している場合には、選択モードAとなり、自宅近傍の基地局の識別番号を認識している場合には、選択モードがCになるようすることができる。このように、PHS端末の位置を検出し、この位置情報に基づいてパスワードの選択を行うようにすることにより、利用者自身が、パスワードの選択の切り替えを一々行う必要が無くなる。すなわち、操作が簡易になり、パスワードの切り替えの忘れにより、所望の動作が行えなくなるという不具合を取り除くことができる。
【0078】
さらに、パスワードを複数設定できるようにすることにより、通常の通話、録音メッセージ、通話の拒否といった様々な対応を使い分けることができる。
【0079】
上記の様に、様々な通信相手に対して、利用者の状況に応じた、種々の対応(通信回路の接続方法)をとれるようになる。これは、常に受け身でしかなかった着呼側が主体的に発呼側を選択できるようになることを意味する。
【0080】
続いて、図6を参照して、前述のS2の手順で触れた修正モードについて説明する。まず、基地局の識別番号を受信する(S20)。これは、図2のS1の手順と同様であり、位置検出手段に該当する。ここで、識別された位置情報は例えば777777という信号であるとする。続いて、前述のように対応関係記憶手段である位置識別記憶部56に記憶される識別番号と比較する(S21)。この動作が対応関係比較手段に該当する。位置識別記憶部56には図3に示す様な識別番号が記憶されているので、S21は該当無しと判断し、以後、前述の修正モードにはいる(No)。まず、CPU36は、図示しないアラームを鳴らし、利用者に対して未登録の位置にいることを知らせる。利用者はキーボード42を介して、所望の選択モードを設定する。すなわち、プライベートな場所であるなら選択モードCを、仕事に関係ある場所ならば選択モードBを設定することになる(S22)。そして、CPU36は、S20で受信した基地局の識別番号を、S22で選択した選択モードに対応する位置識別記憶部56の領域に書き込む(S23)。例えば、S22で選択モードBが設定されると、位置識別記憶部56は図3から図7の状態に修正されることになる。尚、このS22、S23の手順が対応関係修正手段に該当する。
【0081】
S21で該当する識別番号がある場合には(Yes)、S22、S23の手順は行われない。
【0082】
このような動作を行うことによって、以下の様な効果がある。PHS端末は現在の位置情報を常に識別し、既に選択モードが設定された場所であるか否かを判定する。既に設定されていない場所にくると、自動的に選択モードの設定を求めることができるので、どこにいても常に利用者の所望の選択モードを設定することができる。また、一度設定した場所は、記憶保存されるので、1つの場所に対して一度だけ設定すれば良いので、ユーザの操作もそれほど繁雑になることはない。
【0083】
また、本発明のPHS端末を新規に購入した場合など、修正モードが頻繁に発生する時は、以下の様な動作を行ってもよい。例えば、モードキー44を用いて連続登録モードなるものを設定する。これは、予め選択モードのいずれかを選択する手順が含まれる。連続登録モードになっている場合には、前述のS22における選択モードの設定が省略される。S23では、S20で受信した識別番号と、前述の連続登録モード設定時に登録した選択モードとに基づいて、位置識別記憶部56を修正する。
【0084】
このような動作を行うと、利用者は所望の選択モードを設定したい地域を、歩き回るだけで自然に位置識別記憶部56の設定を行うことができ、利用者の操作の繁雑性はより軽減することになる。
【0085】
続いて、本発明の第二の実施の形態例について説明する。まず、図8を参照して構成について説明する。尚、図1と同一の構成については同一の番号を付すことで説明を省略する。
【0086】
PHS端末18の内部には、文字や記号などを視覚的に表示する表示部62と、日時検出手段としての時計を含むカレンダー回路64が含まれている。また、記憶装置34の内部には、スケジュール記憶手段としてのスケジュール管理記憶部60と、パスワード記憶手段としてのスケジュール項目対応表53と、設定特性記憶手段としての接続方法記憶部55とが構成されている。TDMA/TDD処理部32と、記憶装置34と、CPU36と、スピーカ38と、マイク40と、キーボード42と、モードキー44と、録音装置46と、表示部62と、カレンダー回路64はバスを介して接続されている。
【0087】
続いて、図9を参照して、スケジュール管理記憶部60について説明する。スケジュール管理記憶部60は、日付と時間からなる記憶領域に、所定のスケジュール項目を記憶するものである。例えば図9の例では、4月24日には、午前8時から午後4時までゴルフの予定が組まれていることが分かる。
【0088】
続いて、図10を参照してパスワード記憶手段としてのスケジュール項目対応表53について説明する。スケジュール項目対応表53には、パスワードとしての接続順位と、種々のスケジュール項目の対応関係が記憶されている。すなわち、経営会議やプレゼンテーションは、接続順位Iを示すパスワードが割り当てられ、ゴルフやパーティーには接続順位IIIを示すパスワードが割り当てられていることが分かる。
【0089】
続いて、図11を参照して、設定特性記憶手段としての接続方法記憶部55について説明する。接続方法記憶部55には、パスワードとしての種々の接続順位と、受信手段が受信する識別番号としての電話番号との対応関係が記憶されている。つまり、パスワードとして設定された接続順位を参照して接続方法記憶部55の記憶内容を検索し、受信手段が受信する発呼側の電話番号が含まれているか否かにより、通信回線の接続方法を設定することになる。
【0090】
続いて、図12を参照して第二の実施の形態の動作について説明する。
【0091】
PHS端末18に着信があると、CPU36は、カレンダー回路64の時刻を調べ現在の日時を認識する(S30)。これが、日時検出手段に該当する。CPU36は、S30で検出した時間情報に基づいてスケジュール管理記憶部60を検索する。そして、その時刻に該当するスケジュール項目を認識する(S31)。例えば、4月24日の午後1時ならば、ゴルフというスケジュール項目を認識することになる。そして、そのスケジュール項目に基づいてスケジュール項目対応表53を検索し、パスワードとしての接続順位を設定する(S32)。すなわち、この例では接続順位IIIがパスワードとして設定される。尚、この手順がパスワード選択手段に該当する。
【0092】
続いて、CPU36は発呼側の電話番号を識別する。これは、発呼側に発呼側の電話番号の入力を要求し、その入力を受信することで識別してもよい(S33)。尚、この手順は受信手段に該当する。また、発呼側の電話番号は識別符号に該当することになる。そして、パスワードとしての接続順位と識別符号としての発呼側の電話番号を参照して、接続方法記憶部55を検索する。そして、接続方法の設定を行う(S34)。この設定は以下の様な方法で行ってもよい。例えば、接続順位の値が小さい程優先度が高いとする。この時、S32で与えられるパスワードとしての接続順位以上の接続順位が、接続方法記憶部55において与えられている電話番号だけ通話を許可する様にしてもよい。すなわち、接続順位IIIが設定されている場合には、図11で示す11個の電話番号からの通話だけ選択的に受信し、他の電話番号からの通話は回線を切断してもよい。具体的な通信回線の接続方法の説明は第一の実施の形態例で説明したので省略する。尚、S34が接続設定手段に該当する。
【0093】
このような、動作を行うことにより、以下のような効果がある。まず、利用者が設定したスケジュールに基づいて、通話する相手先を選択できるので、重要な電話以外を受け取りたくない時には、受け取らないで済むようになる。また、この切り替えをスケジュールに基づいて行うので、利用者の様々に変化する状況に適切にあわせることができる。
【0094】
また、識別番号として発呼側の電話番号を利用するので、発呼側はどの識別番号を入力すれば良いのか迷わなくても済む。すなわち、発呼側は着呼側のパスワードを意識する必要が無くなる。
【0095】
続いて、発呼側の識別番号としての電話番号を、PHS端末に登録する手順について図13を参照して説明する。
【0096】
まず、PHS端末18の利用者は、こちらから電話をかけることにより所望の相手と通話を行う。通話の相手を電話Xと記述する。PHS端末18は所定の操作により、電話Xに対し、識別番号の登録を要求する(S40)。電話Xから要求に応じて識別番号が入力される(S41)。この手順が受信手段に該当する。その後、PHS端末18のキーボードを利用して、利用者が望む電話Xの接続順位を設定する(S42)。S41で得た識別番号と、S42で入力した接続順位に基づいて、接続方法記憶部55の記憶内容を修正する(S43)。すなわち、接続方法記憶部55のS42で入力した接続順位に対応する領域に、S41で得た識別番号を書き加えることになる。尚、この手順が設定特性修正手段となる。
【0097】
このような動作を行うことにより、発呼側が望む識別番号を設定できることが分かり、発呼側にとっての操作性が向上する。また、上記手法ではPHS端末18の利用者は、発呼側が入力した識別番号に対応する接続順位を設定するだけであり、発呼側の識別番号には操作を加えない。すなわち、PHS端末18の利用者に対しても、発呼側の識別番号の機密が保持できる。
【0098】
さらに、上記実施の形態例では、識別番号として発呼側の電話番号を例に取り上げて説明したが、これに限定されるものではないことはいうまでもない。また、上記実施形態では電話に具体化したものとして説明したが、通信機能を備えたパーソナルコンピュータや情報携帯端末やFAXや文書処理装置等にも採用することができる。また、通信の伝送路に関しても無線伝送方式の他に有線伝送方式で採用することができる。通信する信号形式に関してもデジタル、アナログ両方に採用できる。特に、無線伝送方式を採用するならば、チャンネル数の増大を見込める点から時分割多重化方式だけでなく符号分割多重化方式、いわゆるスペクトラム拡散方式等を採用することができる。
【0099】
要するに、通信機能を有する機器一般に採用できる。勿論、携帯型の機器であれば本発明によるメリットは大きい。
【0100】
【発明の効果】
上記のような構成及び動作により、請求項1記載の通信装置は、複数のパスワードの中からパスワード有効化手段により有効とするパスワードを選ぶことができるので、容易な操作でもって通信装置のパスワードを選択できる。さらにここで、選択されたパスワードと、受信した識別符号とを比較して通信回線の接続方法を設定するものであるので、パスワード有効化手段で有効にしたパスワードに応じた接続方法となる。すなわち、容易な操作でもって通信回線の接続方法を設定することができるので、通信装置の使用状況に応じた通信回線の接続方法とすることができる。
【0101】
また、通信装置の位置情報を利用することによって、通信装置の使用状況を判断することができる。すなわち、会社の近傍の位置情報であるのならば業務に利用中であるとか、自宅近傍の位置情報ならばプライベートな用途に利用中であると判断できる。このような判断に基づいて所望のパスワードを有効化し、そして通信回線の接続方法を設定するので、利用者に繁雑な操作を要求すること無く、所望の通信回線の接続方法を設定できるようになる。
【0102】
更に、対応関係記憶手段に位置情報とパスワードとの関係を記憶し、位置検出手段が検出する位置情報と対応関係記憶手段に記憶される情報を対応関係比較手段で比較することにより、所望のパスワードを有効化することができる。さらに、対応関係修正手段により、対応関係記憶手段に記憶される情報を修正することができるので、利用者所望の関係とすることができる。
【0103】
また、この対応関係修正手段は対応関係比較手段の比較結果に基づいて修正を行うことができる。すなわち、新規に訪れた場所のように、未だ位置情報とパスワードの対応関係を設定していない場所と認識したときに、この対応関係を新しく設定することなどが行える。そのため、利用者はこの通信装置を利用しながら、位置情報とパスワードの関係をきずきあげることができるので、対応関係の設定の煩わしさを感じることが少なくなる。
【0104】
また、請求項2記載の通信装置は、日時検出手段にて検出する時間情報によって、通信装置の使用状況を判断することができる。すなわち、土日曜日ならばプライベートな用途に利用中であるとか、平日の午前8時から午後5時までは業務に利用中であると判断できる。このような判断に基づいて有効化したパスワードを用いて、通信回線の接続方法を設定するので、利用者に繁雑な操作を要求すること無く、所望の通信回線の接続方法を設定できるようになる。
【0105】
また、請求項3記載の通信装置は、利用者が設定するスケジュール項目に基づいて、通信回線の接続方法を設定することができるため、利用者に新たな繁雑な操作を要求すること無く、利用者の様々な状況の変化に対応した通信回線の接続方法を設定することができる。
【0106】
また、請求項4記載の通信装置は、通信回路の接続方法を定める設定特性を設定特性記憶手段に記憶しているので、この設定特性記憶手段の記憶内容を修正することで、利用者所望の設定方法とすることができる。さらに、この修正を行う設定特性修正手段は、受信手段が受信する識別符号に基づいて修正を行うことができる。すなわち、このような通信装置に送信する送信者の所望の識別符号に基づいて、通信装置の通信回路接続方法を設定できるようになる。
【0107】
例えば、このような識別符号の設定が必要な通信装置が増加すると、その通信機の数だけパスワードが存在することになる。このような通信装置との通信を望む送信者は、そのパスワードの数だけ、記憶している必要がある。記憶する情報が多くなるということは、送信者にとって非常に困難なことでもある。
【0108】
この通信装置は、受信手段が受信する識別信号に基づいて、通信回路の接続特性を修正できるので、送信者の所望の識別信号の利用を受け付けることができる。このような通信装置との通信を行う際に、送信者は所望の識別符号を利用することができるようになるため、送信者側に繁雑な設定を必要としなくなり、利用しやすくなる。
【0109】
また、請求項5記載の通信装置は、種々の通信回路の接続に応じて、適切なメッセージを選択し、これを送信することができるため、このような通信装置に送信してきた送信者に対し、この通信装置がどのような状態になっているのかを容易に知らせることができる。すなわち、送信者側にとって利用しやすい通信装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態例の動作を説明するフローチャート図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態例における位置識別記憶部の構成を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態例におけるパスワード記憶部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態例におけるメッセージ記憶部の構成を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態例における修正モードの動作を説明するフローチャート図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態例における修正モードで、修正された位置識別記憶部の構成を示す図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態例の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第二の実施の形態例におけるスケジュール管理記憶部の構成を説明する図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態例におけるスケジュール項目対応表の構成を示す図である。
【図11】本発明の第二の実施の形態例における接続方法記憶部の構成を示す図である。
【図12】本発明の第二の実施の形態例の動作を説明するフローチャート図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態例において、発呼側の識別信号を登録する動作を説明するフローチャート図である。
【図14】従来のPHSの構成を示すブロック図である。
【図15】PHSにおける通信方法を説明する図である。
【図16】PHS通信におけるデータ構成を説明する図である。
【図17】PHSにおける着信動作を説明するフローチャート図である。
【図18】PHSにおける位置登録動作を説明するフローチャート図である。
【図19】従来の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図20】従来の通信装置の動作を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
18 PHS端末
34 記憶装置
36 CPU
44 モードキー
46 録音装置
52 パスワード記憶部
53 スケジュール項目対応表
54 メッセージ記憶部
55 接続方法記憶部
56 位置識別記憶部
60 スケジュール管理記憶部
64 カレンダー回路
Claims (5)
- 通信回線を通じて入力される識別符号を受信する受信手段と、
予め設定されるパスワードを記憶するパスワード記憶手段と、
通信回線の接続方法を設定する接続設定手段とを備えた通信装置において、
前記パスワード記憶手段は、複数のパスワードを記憶し、
通信装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出する位置情報に基づいて、前記パスワード記憶手段に記憶される複数のパスワードの内から、少なくとも1つを有効化するパスワード有効化手段とを備え、
前記接続設定手段は、前記パスワード有効化手段が有効化するパスワードと前記受信手段が受信する識別符号とに基づいて、前記通信回線の接続方法を設定し、
前記パスワード有効化手段は、前記位置検出手段が検出する位置情報と前記パスワードとの対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、前記位置検出手段が検出する位置情報と対応関係記憶手段に記憶される情報とを比較する対応関係比較手段とを備え、
前記対応関係比較手段の比較結果に応じて、前記対応関係記憶手段に記憶される情報を修正する対応関係修正手段と
を備えることを特徴とする通信装置。 - 月日、曜日、時間などを検出する日時検出手段を備え、
前記パスワード有効化手段は、前記日時検出手段が検出する時間情報に基づいて、前記パスワードの有効化を行うことを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 通信装置の利用者のスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段を備え、
前記パスワード有効化手段は、前記日時検出手段が検出する時間情報と、前記スケジュール記憶手段に記憶される内容とに基づいて、前記パスワードの有効化を行うことを特徴とする請求項2記載の通信装置。 - 前記接続設定手段の設定特性を記憶する設定特性記憶手段と、
前記受信手段で受信する識別符号に対応して、前記設定特性記憶手段に記憶される設定特性を修正する設定特性修正手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。 - 複数のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されるメッセージを選択するメッセージ選択手段と、
前記メッセージ選択手段で選択したメッセージを送信するメッセージ送信手段とを備え、
前記メッセージ選択手段は、前記接続設定手段の動作に基づいて、メッセージの選択を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の通信装置。
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