JP3581608B2 - 薄肉鋳片鋳造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動する冷却体の表面に溶融金属を供給して凝固させる薄肉鋳片の鋳造装置に関し、双ドラム形式の連続鋳造装置などに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
薄肉鋳片の連続鋳造装置には双ドラム形式、単ドラム形式、ドラム−ベルト形式などがあり、これらはドラムやベルト等の移動する冷却体を鋳型の一部として備えたものである。
【0003】
図6には従来の双ドラム形式の連続鋳造装置の構成例を示す。同図に示すように、本双ドラム形式の連続鋳造装置では、移動する冷却体として図中に矢印で示すように互いに反対方向に回転する一対の冷却ドラム3を有している。冷却ドラム3の上方には溶融金属(溶湯)8を収容するタンディッシュ1が設けられている。タンディッシュ1の下端には注湯ノズル2が接続されており、この注湯ノズル2の先端(下端)は下方の湯溜まり部7まで延びている。湯溜まり部7は、一対の冷却ドラム3と、冷却ドラム3の軸方向両側に設けられた一対の短辺堰(サイド堰)6とによって形成されている。
【0004】
また、タンディッシュ1と冷却ドラム3との間には、湯溜まり部7を大気と遮断するためのシールチャンバ5が設けられている。シールチャンバ5にはシールガス供給管4が接続されており、このシールガス供給管4を介してシールチャンバ5内に窒素ガスなどのシールガスが連続的に供給されるようになっている。なお、図6中の10は冷却ドラム3の表面を清掃するためのクリーニングブラシである。
【0005】
この双ドラム形式の連続鋳造装置では、タンディッシュ1の溶融金属8が注湯ノズル2を経て湯溜まり部7に溜まり、回転する冷却ドラム3で冷却されて凝固することにより、薄肉鋳片(ストリップ)9が連続的に鋳造される。また、このときシールチャンバ6にはシールガス供給管4を介してシールガスが供給されるため、このシールガス雰囲気中で薄肉鋳片9が鋳造されることになる。
【0006】
そして、かかる連続鋳造装置において、薄肉鋳片9の表面を平滑にすることなどを目的として冷却ドラム3の表面に図7に示すような凹部(窪み)3−1を設けたものが、特公平5−23860号公報や特公平5−81346号公報などに開示されている。
【0007】
即ち、移動する冷却体である冷却ドラム3の表面に溶融金属8を供給し凝固させて薄肉鋳片9を連続的に鋳造する薄肉鋳片の連続鋳造方向において、特公平5−23860号公報では、「冷却ドラム3の表面に直径が0.1mm〜1.2mmの円形又は長円形の開口部を有する2μm〜100μm深さの凹部3−1を互いに接することなく設け、連続鋳造操業に際して、この冷却ドラム3の表面と供給される溶融金属8との境界部に金属に吸収されやすい窒素ガスと不活性ガスとの混合ガスを封入し、溶融金属8と凹部3−1との間におけるガスの過大滞留を抑制して各凹部3−1のガスギャップを分断させることを特徴とする薄肉鋳片の連続鋳造方法」を提供している。
【0008】
また、特公平5−81346号公報では、「内部に冷却機構を備え、且つ表面に凹部3−1を有する一対の冷却ドラム3の間に形成された湯溜まり部7に溶湯吸収性(可溶性)ガスと非吸収性(非可溶性)ガスとの混合ガスを供給して、かかる混合ガス雰囲気内で薄肉鋳片9を鋳造することを特徴とする薄肉鋳片の連続鋳造方法」を提供している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者(特公平5−23860号公報)の連続鋳造方法では、冷却ドラム3の表面に形成する凹部3−1の開口部形状を円形又は長円形に制限しており、しかも、凹部3−1を互いに接することなく設けることにより、凹部3−1と他の凹部3−1との間の部分と溶融金属8とが面接触するようにして当該接触部分にはガスが存在しないようにすることにより、ガスギャップを分断させている。
【0010】
即ち、前者の連続鋳造方法では、冷却ドラム3と溶融金属8とが面接触しているので両者の接触面積が大きく、この接触面を介して溶融金属8から冷却ドラム3へ伝わる熱量が非常に大きいため、溶融金属8から冷却ドラム3への熱の流れを制限し且つ制御することが困難である。このため、冷却ドラム3の表面やその近傍が非常に高温になることがある。この場合、冷却ドラム3の表面やその近傍に繰り返し生じる温度サイクルの変化範囲が大きくなるため、冷却ドラム3の表面やその近傍に亀裂が発生し易い。冷却ドラム3に亀裂が発生すると、薄肉鋳片9の鋳造を継続することができなくなってしまう。
【0011】
また、後者(特公平5−81346号公報)の連続鋳造方法においても、凹部3−1が互いに接することなく設けられており、凹部3−1と他の凹部3−1との間の部分と溶融金属8とが面接触するようになっているため、やはり上記と同様な問題点を有している。
【0012】
従って本発明は上記の問題点に鑑み、冷却ドラムなどの移動する冷却体の表面と溶融金属との接触面積を減少させて、溶融金属から冷却体への熱の流れを制限し且つ制御することが可能な薄肉鋳片鋳造装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する発明の薄肉鋳片鋳造装置は、移動する冷却体の表面に溶融金属を供給するとともに冷却体の表面と溶融金属との間に吸収性ガスと非吸収性ガスとの混合ガスを供給して薄肉鋳片を鋳造する薄肉鋳片鋳造装置において、
冷却体の表面に凹部を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部同士が稜線を挟んで接し、この稜線が複数集まった凸部において、冷却体の表面と溶融金属とが線接触又は点接触するように構成し
冷却体表面の凹凸深さが40μm〜200μmの範囲となるようにし、
混合ガスにおける非吸収性ガスの体積比を常温で1%〜55%とし、
一個の凹部の大きさは、稜線に囲まれた範囲の直径が2mm以下であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態に係る薄肉鋳片の連続鋳造装置における冷却ドラムの表面の外観図、図2は図1に示す冷却ドラムの表面の一部を拡大して示す断面図である。また、図3は前記連続鋳造装置において吸収性ガスのみをシールガスとして用いた場合の作用を示す説明図、図4は前記連続鋳造装置において吸収性ガスと非吸収性ガスとの混合ガスをシールガスとして用いた場合の作用を示す説明図、図5は凹凸深さと熱流束低下率との関係を示すグラフである。
【0019】
なお、連続鋳造装置の全体的な構成については従来と同様とし、ここでの説明及び図示は省略する(図6参照参照)。
【0020】
<構成>
図1及び図2に示すように、本実施の形態の連続鋳造装置では、移動する冷却体である冷却ドラム3の表面に凹部14を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部14同士が稜線11を挟んで接し、この稜線11が複数集まった凸部15において、冷却ドラム3の表面と溶融金属8とが線接触又は点接触するように構成されている。
【0021】
つまり、図1には冷却体3の表面の一部の外観を示しており、この図中の線が凹凸の稜線11を表している。そして、稜線11で囲まれた部分が凹部14となっており、3本(3本以上の場合もある)の稜線11が集まっている部分が凸部15となっている。従って、冷却体3の表面と溶融金属8とが凸部15において線接触又は点接触するように幾何学的に規制されることになる(図3,図4参照、詳細後述)。また、凹部14に存在するシールガスと他の凹部14に存在するシールガスとが連結することは容認する。
【0022】
上記のような凹凸形状は、例えば直径1mm〜5mmの鋼球等の粒状物体を冷却体3の表面に衝突させる方法や、先端が球状或いは不規則な形状の凸部を形成した物体を冷却体3の表面に押し付ける方法などによって形成することができる。また、機械加工により筋状、格子状又は球状の加工を施す方法や放電加工による方法などによって凹凸を形成しても良い。
【0023】
なお、凹部14の開口部形状は特定形状(円形や長円形等)に限定するものではなく、図1に示すように様々な形状を有していてもよい。また、凹凸形状は図2に示すように不規則であってもよい。上記の粒状物体を冷却体3の表面に衝突させる方法によれば、このような不規則な形状の凹凸が形成される。
【0024】
<作用・効果>
上記構成の連続鋳造装置によれば、次のような作用・効果が得られる(図1〜図6参照)。
【0025】
薄肉鋳片9の連続鋳造時には、溶融金属8は冷却ドラム3の表面のシールガスを排除しつつ冷却ドラム3の表面に形成された凹凸をあたかも濡らすように前進していく。このため冷却ドラム表面の凸部15ではシールガスが排除されて溶融金属8と接触するが、冷却ドラム3の表面には凹部14があることと溶融金属8の表面張力の効果とにより、冷却ドラム表面の凹部14ではシールガスが薄層(ガスギャップ層)となって残存する。
【0026】
しかしながら、このときシールガスとして窒素ガスのような吸収性ガスのみをシールチャンバ5内に供給して薄肉鋳片9を鋳造した場合には、図3にこの場合の冷却ドラム3の表面と溶融金属8との位置関係を示すように、冷却ドラム表面の凹部14と溶融金属8との間のガスギャップ層22が非常に薄くなってしまう。なお、図3中の25は溶融金属8の冷却ドラム表面の凸部15との接触部、21は溶融金属8の冷却ドラム表面の稜線11との接触部、20は溶融金属8の冷却ドラム表面の凹部14との非接触部である。
【0027】
即ち、窒素ガスのような金属に吸収され易い吸収性ガスは速やかに溶融金属8中に吸収されるためにシールガスの圧力が減少し、これに伴って溶融金属8の表面が膨らんで冷却ドラム3の凹凸形状とほぼ同じ形状となるため、冷却ドラム表面の凹部14と溶融金属8との間のガスギャップ層22が非常に薄くなってしまう。このため、高温の溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動が速やかに行われて、冷却ドラム3の表面温度が著しく増加してしまう。その大きさは冷却ドラム3の物質、構造、鋳造パラメータによって異なるが、例えば420℃〜600℃以上にも達することがある。
【0028】
これに対し、シールガスとして吸収性ガス中に不活性性ガス(非吸収性ガス)を含有させた混合ガスをシールチャンバ5に供給して薄肉鋳片9を鋳造した場合には、図4にこの場合の冷却ドラム3の表面と溶融金属8との位置関係を示すように、冷却ドラム表面の凹部14と溶融金属8との間には充分な厚さのガスギャップ層22が保持される。なお、図4中の25は溶融金属8の冷却ドラム表面の凸部15との接触部であり、20は溶融金属8の冷却ドラム表面との非接触部である。
【0029】
即ち、冷却ドラム表面の凹部14と溶融金属8との間に挟まれたアルゴンガスなどの非吸収性ガスは溶融金属8に吸収されない或いは吸収されにくいため、その場に残留する。このため、冷却ドラム3の表面(凹部14)と溶融金属8との間に適当な間隔を生じさせることができる。その結果、溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動量が低減するので、冷却ドラム3の表面温度を例えば300℃〜450℃と低く保つことができるようになる。
【0030】
つまり、本実施の形態の連続鋳造装置では、冷却ドラム3の表面に凹部14を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部14同士が稜線11を挟んで接し、この稜線11が複数集まった凸部15において、冷却ドラム3の表面と溶融金属8とが線接触又は点接触するように構成したため、従来に比べて冷却ドラム3の表面と溶融金属8との接触面積が大幅に低減され、しかも、非吸収性ガスを適量含有した混合ガスを冷却ドラム3の表面と溶融金属8との間に供給することにより、冷却ドラム3の表面(凹部14)と溶融金属8との間に適当な間隔を生じさせることができるため、溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動量を低減して、冷却ドラム3の表面温度を低く保つことができるようになるとともに良好な鋳造を行うことができる。
【0031】
即ち、適当に非吸収性ガスの含有量(体積比)を調整して溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動量を特定することができるようになるので、単位時間当りの鋳造重量を比較的高い水準で確保しつつ、冷却ドラム3への熱負荷を少なくして冷却ドラム3の表面及びその近傍の温度上昇を小さくするこのができる。そして、このように冷却ドラム3の表面及びその近傍の温度上昇を小さくするこのができることから、冷却ドラム3の表面近傍に繰り返し生じる温度サイクルの変化範囲を小さくすることができるようになるため、冷却ドラム3の表面及びその近傍の亀裂発生を防止する、或いは、亀裂発生までの総鋳造量を多くすることができるようになる。
【0032】
また、この場合、非吸収性ガスの含有量を調整することにより、冷却ドラム3の表面(凹部14)と溶融金属8との間隔を変化させて、溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動量を変化させることができるため、鋳造時の冷却ドラム3に作用する熱負荷を任意に調整することもできる。なお、このような非吸収性ガスの含有量調整による溶融金属8から冷却ドラム3への熱移動量の調整は、鋳造中にも行うことができる。
【0033】
また、冷却ドラム3の凹凸深さ(凸部と凹部の高さの差)が大きくなればなるほど、非吸収性ガスの含有量に関わらず(含有量を少なくしても増加させても)鋳造性を良好に維持することができることが分かった。
【0034】
なお、図5に示す試験の結果から、冷却体3の表面の凹凸深さは、40μm〜200μmの範囲が適当であった。即ち、図5に示すように凹凸深さが40μm以下の領域では薄肉鋳片9に割れが発生し、凹凸深さが200μm以上の領域では過大偏析が発生した。
【0035】
また、試験の結果、混合ガス(シールガス)における非吸収性ガスの体積比は常温で1%〜55%の範囲が適当であった。
【0036】
更に、試験の結果、一個の凹部14の大きさは、稜線11に囲まれた範囲の直径を2mm以下とした場合に薄肉鋳片9の鋳造性に対して良好であった。
【0037】
〔実施例〕
ここで、具体的な実施例について説明する。
【0038】
▲1▼ 内部に冷却水を通して表面に接する溶融金属を冷却する一対の水冷ドラム(冷却ドラム)を用い、これらの水冷ドラムが互いに反対方向に回転する双ドラム形式の薄肉鋳片連続鋳造装置を用いた。
▲2▼ 水冷ドラムの表面には、直径2.5mmの鋼球を衝突させることによって図1及び図2に例示するような凹凸を形成した。
▲3▼ 溶融金属として、18Cr−8Niオーステナイト系ステンレス鋼を用いた。
▲4▼ 鋳造速度は、平均30m/min〜80m/minとした。
▲5▼ 鋳造中にはクリーニングブラシによる水冷ドラム表面の清掃を行った。
【0039】
この実施例の結果を〔表1〕に示す。同表に示すように、吸収性ガスである窒素ガスと非吸収性ガスであるアルゴンガスとの混合ガス(シールガス)におけるアルゴンガスの体積比が1%〜55%の何れの場合(No1〜No8)にも、アルゴンガスの体積比が0%の場合(No9,No10)に比べて、溶融金属8から冷却ドラム3に伝達される平均熱流束が低減されている。
【0040】
【表1】
Figure 0003581608
【0041】
本実施例のように、水冷ドラムの表面に鋼球を衝突させて図1及び図2に例示するような凹凸を形成することにより、水冷ドラムの表面と溶融金属との接触面積を非常に小さくする(線接触又は点接触にする)とともに、シールガス中に不活性ガス(非吸収性ガス)を混入して、水冷ドラムの表面(凹部)と溶融金属との間隔を保持することにより、溶融金属から水冷ドラムへの熱移動量を低減して水冷ドラムに与える熱負荷は小さくなる。
【0042】
また、凹凸深さが大きくなると、少ない非吸収性ガス量でも、溶融金属から水冷ドラムへの熱移動量を大きく低減することができるという効果も有している。
【0043】
これによって、水冷ドラムの表面近傍に繰り返し生じる温度サイクルの変化範囲を小さくなったため、熱疲労亀裂などの発生を防止する、或いは、熱疲労亀裂などの発生を著しく低減することができるようになった。
【0044】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態と共に具体的に説明したように、発明の薄肉鋳片鋳造装置は、移動する冷却体の表面に溶融金属を供給するとともに冷却体の表面と溶融金属との間に吸収性ガスと非吸収性ガスとの混合ガスを供給して薄肉鋳片を鋳造する薄肉鋳片鋳造装置において、
冷却体の表面に凹部を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部同士が稜線を挟んで接し、この稜線が複数集まった凸部において、冷却体の表面と溶融金属とが線接触又は点接触するように構成し、冷却体表面の凹凸深さが40μm〜200μmの範囲となるようにし、混合ガスにおける非吸収性ガスの体積比を常温で1%〜55%とし、一個の凹部の大きさは、稜線に囲まれた範囲の直径が2mm以下であることを特徴とする。
【0045】
従って、発明の薄肉鋳片鋳造装置によれば、冷却体の表面に凹部を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部同士が稜線を挟んで接し、この稜線が複数集まった凸部において、冷却体の表面と溶融金属とが線接触又は点接触するように構成したため、従来に比べて冷却体の表面と溶融金属との接触面積が大幅に低減され、しかも、非吸収性ガスを適量含有した混合ガスを冷却体の表面と溶融金属との間に供給することにより、冷却体の表面(凹部)と溶融金属との間に適当な間隔を生じさせることができるため、溶融金属から冷却体への熱移動量を低減して、冷却体の表面温度を低く保つことができるようになるとともに良好な鋳造を行うことができる。
【0046】
即ち、適当に非吸収性ガスの含有量(体積比)を調整して溶融金属から冷却体への熱移動量を特定することができるようになるので、単位時間当りの鋳造重量を比較的高い水準で確保しつつ、冷却体への熱負荷を少なくして冷却体の表面及びその近傍の温度上昇を小さくするこのができる。そして、このように冷却体の表面及びその近傍の温度上昇を小さくするこのができることから、冷却体の表面近傍に繰り返し生じる温度サイクルの変化範囲を小さくすることができるようになるため、冷却体の表面及びその近傍の亀裂発生を防止する、或いは、亀裂発生までの総鋳造量を多くすることができるようになる。
【0047】
なお、凹部の開口部形状は特定形状(円形や長円形等)に限定するものではなく、様々な形状を有していてもよい。また、凹凸形状は不規則であってもよい。また、凹凸に存在するシールガスと他の凹部に存在するシールガスとが連結することは容認する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄肉鋳片の連続鋳造装置における冷却ドラムの表面の外観図である。
【図2】図1に示す冷却ドラムの表面の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】前記連続鋳造装置において吸収性ガスのみを用いた場合の作用を示す説明図である。
【図4】前記連続鋳造装置において吸収性ガスと非吸収性ガスとの混合ガスを用いた場合の作用を示す説明図である。
【図5】凹凸深さと熱流束低下率との関係を示すグラフである。
【図6】従来の双ドラム形式の連続鋳造装置の構成図である。
【図7】従来の冷却ドラム表面の凹凸形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ
2 注湯ノズル
3 冷却ドラム
4 シールガス供給管
5 シールチャンバ
6 短辺堰(サイド堰)
7 湯溜まり部
8 溶融金属
9 薄肉鋳片
10 クリーニングブラシ
11 稜線
14 凹部
15 凸部

Claims (1)

  1. 移動する冷却体の表面に溶融金属を供給するとともに冷却体の表面と溶融金属との間に吸収性ガスと非吸収性ガスとの混合ガスを供給して薄肉鋳片を鋳造する薄肉鋳片鋳造装置において、
    冷却体の表面に凹部を重なり合うようして形成することにより、隣接する凹部同士が稜線を挟んで接し、この稜線が複数集まった凸部において、冷却体の表面と溶融金属とが線接触又は点接触するように構成し
    冷却体表面の凹凸深さが40μm〜200μmの範囲となるようにし、
    混合ガスにおける非吸収性ガスの体積比を常温で1%〜55%とし、
    一個の凹部の大きさは、稜線に囲まれた範囲の直径が2mm以下であることを特徴とする薄肉鋳片鋳造装置。
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