JP3581462B2 - 予混合バーナ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は低ＮＯｘ 予混合ガスタービン燃焼器等に適用される予混合バーナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
低ＮＯｘ ガスタービン燃焼器には、一次空気と燃料ガスを予め混合してバーナに供給し、予混合稀薄燃焼を行わせるものがある。この種予混合バーナの従来例を図３及び図４に基づいて説明する。図３は縦断面図、図４は図３のＩＶ−ＩＶ断面図である。
【０００３】
燃料ノズル１には複数本（図の場合４本）の枝管２が同一断面内で放射方向に延びて一体に形成され、天然ガス等のガス燃料は矢印の方向に流れて、燃料噴口３からホルダー４内へ噴出する。ホルダー４内では矢印の方向に流れる一次空気と混合し、スワーラ５で旋回が与えられて、一次空気とガス燃料との予混合が促進される。
【０００４】
なお混合を一層促進するために、バーナを長くし、またホルダー４の入口やスワーラ５の前部にはベルマウス６が設けられた構造となっており、この点は一般の予混合バーナと変わらない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術には次のような問題点があった。
【０００６】
即ち、燃料と一次空気の混合が十分に行われず、局部的に過濃域が発生し、このため均一な稀薄燃焼が行なわれず、局部高温燃焼によるＮＯｘ が発生した。
【０００７】
また、前記局部的な過濃域の発生により火炎が不安定となって、燃焼振動が発生する場合があり、この振動は燃焼によって熱的に駆動される低サイクル自励振動で、圧力変動を誘起し、甚だしいときには燃焼器やタービン翼を損傷する場合がある。
【０００８】
本発明はこのような従来のものにおける問題点を解消し、燃料と空気の混合の均一化を図り、燃焼の安定化を促進するものを提供することを課題とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、燃料ノズルの軸方向で異った断面に、同燃料ノズルの燃料供給部を共通にして放射方向に延びる夫々複数本の燃料噴射用枝管を配設し、各枝管には上流方向に開口する複数の燃料噴口を設けると共に下流側に接続してそれぞれスタビライザを設置した予混合バーナを提供し、このように燃料ノズルの燃料供給部を共通にした枝管を複数断面に分散することにより、枝管設置断面における空気流路を確保し、枝管による空気抵抗や空気偏流の発生を減少させると共に、上流に向けて開口した燃料噴口から燃料を空気流に対抗して噴射することにより、空気偏流への影響を小さくして燃料と空気との混合を促進し、しかも前記各枝管の下流側に接続してスタビライザを設置したことにより、枝管後流渦の発生を抑制し、渦による混合抑制を防止させるものである。
【００１０】
また、本発明は前記発明において、前記スタビライザは、各枝管の全長に亘って延び、空気の流れ方向の幅は発生渦の直径に対応する大きさとなっている予混合バーナを提供し、このような大きさのスタビライザにより各枝管において後流渦の発生は抑制され、この種渦に起因して予混合が抑制されるという心配もないものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図１及び図２に基づいて説明する。
【００１２】
図１は本実施の形態に係る予混合ノズルの断面を、また、図２は図１のＩＩ−ＩＩ断面を示す。なお、図３及び図４により先に説明した従来の装置と同等の部位については、図中同一の符号を付して示し、説明を簡単にした。
【００１３】
１は燃料ノズルで、その上流側の断面には、互に１８０°離れた位置に２本の燃料噴射用の枝管２が配設され、また下流側の他の断面には、前記枝管２と９０°位相を変えた位置に２本の他の枝管２′が配設されている。
【００１４】
夫々の枝管２，２′には、各枝管毎に３個の燃料噴口３が上流側に開口して設けられている。
【００１５】
この燃料噴口３は、ここでは燃料の流れに真向から対向する角度、即ち燃料流れに対し０°の角度のものを示しているが、この角度は０°〜４５°の範囲から選んで設定することができる。
【００１６】
７はスタビライザで、夫々の枝管２，２′の下流側に配置されている。同スタビライザ７は枝管２，２′の全長に亘って延びており、かつ空気の流れ方向での幅Ａは、発生渦の直径に対応する大きさとなっている。また、各枝管２，２′に夫々３個宛開口した燃料噴口３は、空気の流れる環状流路を面積で等分割するように半径方向の位置を決められている。
【００１７】
本実施の形態のものは、上記したように燃料噴射用の枝管２，２′が上流側の枝管２と下流側の枝管２′に分かれ、同一断面をふさがないようにしているので、枝管２，２′が設置された夫々の断面位置で空気流路が十分に確保され、枝管２，２′の存在による空気抵抗や空気偏流の発生が抑制される。
【００１８】
また、上記枝管２，２′に設けられた燃料噴口３は、空気流に対向して開口し、かつ空気流の面積を等分するように位置を選んで設置されているので、この燃料噴口３から供給される燃料は、空気と均一な混合が促進される。
【００１９】
なお、発明者らの経験によれば、この燃料噴口３は、空気流の供給条件、燃料の性状等に応じ、前記したように空気流に対し０°〜４５°の範囲内から開口角度を選ぶことができるものである。
【００２０】
更にまた、上記枝管２，２′の下流に配置したスタビライザ７により枝管２，２′の後流渦の発生は抑制され、この種渦に起因して予混合が抑制されるという心配もないものである。
【００２１】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【００２２】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、予混合バーナでの燃料と空気の混合が均一に行なわれるので、後続する燃焼においてＮＯｘ の発生も大巾に減少し、燃焼振動等の発生も抑制され、ガスタービンの環境対策と信頼性を大巾に向上することができたものである。
【００２３】
また、本発明によれば、スタビライザの有効活用により流体流れ中に不必要な渦流の発生を抑制して前記燃料と空気の混合の均一化を一層確かなものとし、前記同様にガスタービンの環境対策と信頼性の向上をより確実なものとすることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の１形態に係る予混合バーナの断面図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ断面図。
【図３】従来の予混合バーナを示す断面図。
【図４】図３のＩＶ−ＩＶ断面図。
【符号の説明】
１ 燃料ノズル
２，２′ 燃料噴射用枝管
３ 燃料噴口
７ スタビライザ
【発明の属する技術分野】
本発明は低ＮＯｘ 予混合ガスタービン燃焼器等に適用される予混合バーナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
低ＮＯｘ ガスタービン燃焼器には、一次空気と燃料ガスを予め混合してバーナに供給し、予混合稀薄燃焼を行わせるものがある。この種予混合バーナの従来例を図３及び図４に基づいて説明する。図３は縦断面図、図４は図３のＩＶ−ＩＶ断面図である。
【０００３】
燃料ノズル１には複数本（図の場合４本）の枝管２が同一断面内で放射方向に延びて一体に形成され、天然ガス等のガス燃料は矢印の方向に流れて、燃料噴口３からホルダー４内へ噴出する。ホルダー４内では矢印の方向に流れる一次空気と混合し、スワーラ５で旋回が与えられて、一次空気とガス燃料との予混合が促進される。
【０００４】
なお混合を一層促進するために、バーナを長くし、またホルダー４の入口やスワーラ５の前部にはベルマウス６が設けられた構造となっており、この点は一般の予混合バーナと変わらない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術には次のような問題点があった。
【０００６】
即ち、燃料と一次空気の混合が十分に行われず、局部的に過濃域が発生し、このため均一な稀薄燃焼が行なわれず、局部高温燃焼によるＮＯｘ が発生した。
【０００７】
また、前記局部的な過濃域の発生により火炎が不安定となって、燃焼振動が発生する場合があり、この振動は燃焼によって熱的に駆動される低サイクル自励振動で、圧力変動を誘起し、甚だしいときには燃焼器やタービン翼を損傷する場合がある。
【０００８】
本発明はこのような従来のものにおける問題点を解消し、燃料と空気の混合の均一化を図り、燃焼の安定化を促進するものを提供することを課題とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、燃料ノズルの軸方向で異った断面に、同燃料ノズルの燃料供給部を共通にして放射方向に延びる夫々複数本の燃料噴射用枝管を配設し、各枝管には上流方向に開口する複数の燃料噴口を設けると共に下流側に接続してそれぞれスタビライザを設置した予混合バーナを提供し、このように燃料ノズルの燃料供給部を共通にした枝管を複数断面に分散することにより、枝管設置断面における空気流路を確保し、枝管による空気抵抗や空気偏流の発生を減少させると共に、上流に向けて開口した燃料噴口から燃料を空気流に対抗して噴射することにより、空気偏流への影響を小さくして燃料と空気との混合を促進し、しかも前記各枝管の下流側に接続してスタビライザを設置したことにより、枝管後流渦の発生を抑制し、渦による混合抑制を防止させるものである。
【００１０】
また、本発明は前記発明において、前記スタビライザは、各枝管の全長に亘って延び、空気の流れ方向の幅は発生渦の直径に対応する大きさとなっている予混合バーナを提供し、このような大きさのスタビライザにより各枝管において後流渦の発生は抑制され、この種渦に起因して予混合が抑制されるという心配もないものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図１及び図２に基づいて説明する。
【００１２】
図１は本実施の形態に係る予混合ノズルの断面を、また、図２は図１のＩＩ−ＩＩ断面を示す。なお、図３及び図４により先に説明した従来の装置と同等の部位については、図中同一の符号を付して示し、説明を簡単にした。
【００１３】
１は燃料ノズルで、その上流側の断面には、互に１８０°離れた位置に２本の燃料噴射用の枝管２が配設され、また下流側の他の断面には、前記枝管２と９０°位相を変えた位置に２本の他の枝管２′が配設されている。
【００１４】
夫々の枝管２，２′には、各枝管毎に３個の燃料噴口３が上流側に開口して設けられている。
【００１５】
この燃料噴口３は、ここでは燃料の流れに真向から対向する角度、即ち燃料流れに対し０°の角度のものを示しているが、この角度は０°〜４５°の範囲から選んで設定することができる。
【００１６】
７はスタビライザで、夫々の枝管２，２′の下流側に配置されている。同スタビライザ７は枝管２，２′の全長に亘って延びており、かつ空気の流れ方向での幅Ａは、発生渦の直径に対応する大きさとなっている。また、各枝管２，２′に夫々３個宛開口した燃料噴口３は、空気の流れる環状流路を面積で等分割するように半径方向の位置を決められている。
【００１７】
本実施の形態のものは、上記したように燃料噴射用の枝管２，２′が上流側の枝管２と下流側の枝管２′に分かれ、同一断面をふさがないようにしているので、枝管２，２′が設置された夫々の断面位置で空気流路が十分に確保され、枝管２，２′の存在による空気抵抗や空気偏流の発生が抑制される。
【００１８】
また、上記枝管２，２′に設けられた燃料噴口３は、空気流に対向して開口し、かつ空気流の面積を等分するように位置を選んで設置されているので、この燃料噴口３から供給される燃料は、空気と均一な混合が促進される。
【００１９】
なお、発明者らの経験によれば、この燃料噴口３は、空気流の供給条件、燃料の性状等に応じ、前記したように空気流に対し０°〜４５°の範囲内から開口角度を選ぶことができるものである。
【００２０】
更にまた、上記枝管２，２′の下流に配置したスタビライザ７により枝管２，２′の後流渦の発生は抑制され、この種渦に起因して予混合が抑制されるという心配もないものである。
【００２１】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【００２２】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、予混合バーナでの燃料と空気の混合が均一に行なわれるので、後続する燃焼においてＮＯｘ の発生も大巾に減少し、燃焼振動等の発生も抑制され、ガスタービンの環境対策と信頼性を大巾に向上することができたものである。
【００２３】
また、本発明によれば、スタビライザの有効活用により流体流れ中に不必要な渦流の発生を抑制して前記燃料と空気の混合の均一化を一層確かなものとし、前記同様にガスタービンの環境対策と信頼性の向上をより確実なものとすることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の１形態に係る予混合バーナの断面図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ断面図。
【図３】従来の予混合バーナを示す断面図。
【図４】図３のＩＶ−ＩＶ断面図。
【符号の説明】
１ 燃料ノズル
２，２′ 燃料噴射用枝管
３ 燃料噴口
７ スタビライザ
Claims (2)
- 燃料ノズルの軸方向で異った断面に、同燃料ノズルの燃料供給部を共通にして放射方向に延びる夫々複数本の燃料噴射用枝管を配設し、各枝管には上流方向に開口する複数の燃料噴口を設けると共に下流側に接続してそれぞれスタビライザを設置したことを特徴とする予混合バーナ。
- 前記スタビライザは、各枝管の全長に亘って延び、空気の流れ方向の幅は発生渦の直径に対応する大きさとなっていることを特徴とする請求項１に記載の予混合バーナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29820995A JP3581462B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 予混合バーナ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29820995A JP3581462B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 予混合バーナ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09137919A JPH09137919A (ja) | 1997-05-27 |
| JP3581462B2 true JP3581462B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=17856633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29820995A Expired - Fee Related JP3581462B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 予混合バーナ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3581462B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1239219A4 (en) * | 1999-12-15 | 2003-03-12 | Osaka Gas Co Ltd | LIQUID DISTRIBUTOR, COMBUSTION DEVICE, GAS TURBINE ENGINE AND HEATING POWER SYSTEM |
| US20080276622A1 (en) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Thomas Edward Johnson | Fuel nozzle and method of fabricating the same |
| US7908863B2 (en) * | 2008-02-12 | 2011-03-22 | General Electric Company | Fuel nozzle for a gas turbine engine and method for fabricating the same |
| US20110023494A1 (en) | 2009-07-28 | 2011-02-03 | General Electric Company | Gas turbine burner |
| JP2011075173A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Hitachi Ltd | 燃焼器 |
| CN104110698B (zh) * | 2014-07-09 | 2017-11-07 | 北京华清燃气轮机与煤气化联合循环工程技术有限公司 | 一种用于燃气轮机燃烧室的预混合喷嘴 |
| CN108716694A (zh) * | 2018-06-06 | 2018-10-30 | 西北工业大学 | 一种低污染燃烧室的贫预混旋流喷嘴及全环燃烧室 |
-
1995
- 1995-11-16 JP JP29820995A patent/JP3581462B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09137919A (ja) | 1997-05-27 |
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Legal Events
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