JP3581361B1 - 脳活動測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被験者の頭部に複数個の脳波センサを取り付けて該被験者の頭皮上電位を測定し、該測定頭皮上電位中のアルファ波成分を数値データに変換して各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値又は該平均値からのバリアンスを各脳波センサについて求め、これらの平均値又はバリアンスの頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力する。或いは、それぞれのセンサによって記録された電位の二乗を数秒にわたって平均し、これらの平均値のバリアンスを多数の基準者について求め、基準者集団についての該バリアンスの平均値と標準偏差を求めておき、個々の被験者の該バリアンスが基準者集団の該標準偏差のどの範囲にあるかによってランク付けをして、その値をセンサに相当する脳表面に割つけてマップを描く。これらのマップによりニューロン機能の局所的な劣化度を示す。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は脳活動測定装置に関し、特に老人性痴呆障害等の脳活動障害を判定するために脳活動を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
老人性痴呆に関しては、90歳では30%近くが痴呆状態になっているという統計もあり、これからの高齢化社会にとって大きな問題になりつつある。
これに伴い、このような痴呆障害をできるだけ早期に発見し重度の痴呆状態に至る前にその治療を行うことが望まれているが、この痴呆障害の測定(判定)は従来より下記に示すような方法で行われている。
【0003】
(1)長谷川式簡易知能評価スケール(HDS)
(2)国立精研式痴呆スクリーニング・テスト
(3)N式精神機能検査
(4)精神状態質問表(MSQ:Mental States Questionnaire)
(5)ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)法
(6)柄澤式「老人知能の臨床的判断基準」
(7)ファンクショナル・アセスメント・ステージング(FAST)法
(8)クリニカル・ディメンシア・レーティング(CDR)法
(9)GBSスケール
(10)N式老年者用精神状態尺度(NMスケール)
上記のような従来の痴呆症測定方法は、全て医師が被験者(患者)に対して問診する形式を採用しているため、次のような問題点があった。
【0004】
▲1▼聞き手が介在するため、その聞き手と被験者との固有の人間関係についての依存性が大きく、回答が常に客観的に正確に得られるとは限らず、判定結果にバラツキが生ずる。
▲2▼被験者がテストを繰り返す内に問診内容を学習してしまうことがあり、やはり客観的な判定結果が得られなくなる。
【0005】
▲3▼被験者が回答を拒否することもある。
▲4▼初期痴呆症については識別能が低い。
また、SPECT(Single Photon Emission Computing Tomography)やPET等を利用した方法は、放射性物質を血管内に注入し、それが脳内で放射線される放射線量計量の手がかりにするので、被爆があり、また診断コストが非常に高くなってしまう。
【0006】
そこで本願出願人は、安価で、非侵襲的、高感度、高信頼度で、しかも操作が簡単な脳活動測定(判定)方法及び装置を既に提案した(例えば、特許文献1参照。)。これを以下に説明する。
脳皮質内のニューロンが活動するときには起電力が発生し、皮質面に直角方向に電流が流れ、頭皮上に電位分布を発生する。この電位分布を脳内に仮定した一つの電流双極子で近似することができる。双極子がセンサ位置に発生する電位と測定電位との二乗誤差値をすべてのセンサについて平均した値が最小になるような双極子を等価双極子という。
【0007】
帯域を限定した脳波に対する等価双極子はセンサで記録された電位分布の間を通って頭皮上に滑らかな電位分布を作る。双極子度は等価双極子電位の近似度を表わしており、センサ位置でのこれら2種の電位の間の二乗誤差の平均値を最小にする。したがって双極子度は頭皮上電位の滑らかさの指標になる。皮質内ニューロン活動が一様であると双極子度は1に近いが、ニューロン活動に不均一が生じると、双極子度は減少する。双極子度の減少はニューロン活動の低下を表している。狭帯域脳波の双極子度は時間に関して概周期的に変動するので、そのピーク値の平均を平均双極子度という。
【0008】
そして平均双極子度には閾値があり、それを境にして正常と痴呆症の区別ができることが明らかになったので、これに基づいて痴呆症、特にアルツハイマー型痴呆の定量化が可能になり、ある正診率で正常と痴呆症を識別することが可能になった。
【0009】
双極子度のピーク値は時間的に揺らいでおり、ニューロン機能劣化に伴ってその標準偏差は増加する。このような標準偏差にも閾値があり、その閾値よりも標準偏差が大になるとアルツハイマー型痴呆症であると診断することができる。
アルファ波に関する平均双極子度Dαはアルツハイマー病の進行に伴って減少し、両側頭葉から頭頂葉にかけての脳血流量が平均双極子度Dαと正の相関を持って減少することがSPECTによって確かめられた。これは初期のアルツハイマー病に特徴的な傾向である。
【0010】
被験者の頭部を球形状と仮定すると双極子度の計算が非常に簡単になる。この方法は、計算が非常に簡単になり、またMMSE法のように判定結果にバラツキが生じることも少なく、さらにはSPECT法などに比べてコストが大幅に低減でき、さらに正常と異常の識別感度が向上する。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−248087号公報(要約、図1)
【0012】
【発明がしようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1の場合には、被験者の脳の全体的な平均値による機能劣化は識別可能であっても、劣化の位置情報が無いため頭部のどの部位において機能劣化が進行しているのかを判定することができないという問題があった。
【0013】
従って、本発明は、頭部のどの部分において機能劣化が進行しているのかを示すことのできる能活動測定装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る脳活動測定装置は、被験者の頭部に複数個の脳波センサを取り付けて該被験者の頭皮上電位を測定し、該測定頭皮上電位中のアルファ波成分を数値データに変換して各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値を各脳波センサについて求めることによって脳機能劣化の位置情報を得ることができるので、センサ位置での脳機能劣化に関係する上記二乗誤差を内挿して二乗誤差の頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力することを特徴としている。
【0015】
すなわち、上記の特許文献1と同様に、被験者の頭部に取り付けた脳波センサによって測定された頭皮上電位から図1に示すような双極子度を上記の従来技術と同様に求める。この場合の双極子度は全サンプリング時点(同図の例では512サンプル)について求める。
【0016】
ただし本発明においては、このようにして求めた双極子度のデータそのものを使用するのではなく、双極子度のピーク発生時点(同図P1、P2・・・・P70)を求める。サンプル毎の各双極子度を求める際には、等価双極子による頭皮上電位と実際に測定した頭皮上電位との二乗誤差が既に得られているので、各ピーク発生時点における二乗誤差を取り出し、一定の時間範囲内についての平均値を求める。
【0017】
そして、このような二乗誤差の指定時間範囲での平均値を各脳波センサについて求めると、頭部の平面内に位置する各脳波センサにおける二乗誤差の平均値が求められるので、図2に示すように、これらの平均値の頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力する。
【0018】
これにより、一定の時間範囲内における被験者の脳活動の空間的な様子が分かる。
すなわち、脳皮質のニューロン機能が劣化している部分では皮質面上の電流分布が不均一になるので、等価双極子による頭皮上電位分布からのずれが、その部分で局所的に大きくなる。これが、上記のようにして求めた等高線マップにおける濃密な部分である。
【0019】
この等高線マップは、色が濃くなるに従って値が低くなるものであり、太線A及びBで示した領域がSPECTによって求めた血流量の低下部分で、すなわち脳活動の機能劣化位置と一致している。
すなわち、図3(1)に示すように極めて正常な被験者について得られる等高線マップは外側に向って滑らかに凸状態となっているが、痴呆症が始まると、同図(2)に示すように、大脳皮質神経細胞のモザイク的な劣化により、皮質面で不均一になるので、その結果として、頭皮上電位の等電位線は部分的に内側に向って凸状態となる歪んだ等電位線部分▲1▼〜▲5▼となっている。
【0020】
同図(2)の被験者について、SPECTによって計測した脳血流低下量を標準脳にマップしたのが、同図(3)に示されており、同図(2)に示した内側に向かって凸状態となっている部分▲1▼〜▲5▼と対応していることが分かる。
このように、各サンプル時点での測定電位に対する双極子度は、時間的に波打つので、極大値のみを捉えてその発生時点における各センサ位置での測定値と双極子電位の二乗誤差を計算し、等高線マップを描いた。この等高線マップは局所的なニューロン活動の不活性化を示している。この等高線マップは時間的に変動するので、与えられた一定時間範囲内での二乗誤差の時間的な平均値を求めて、頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを描いたのが上記の発明である。
【0021】
一方、例えば、脳梗塞により局所的に脳機能が劣化すると、劣化位置が固定しているので、等高線マップの時間的な動きは少ない。従って、平均値だけでは、アルツハイマーによるものか、脳梗塞による血管性痴呆かの区別はつかないが、等高線マップの動きを見るとこれらは区別できる。この動きの存在を見るためには、センサ位置での二乗誤差の平均値の代わりに、この平均値の周りの該二乗誤差の変動を表すバリアンス(分散)を用いればよい。
【0022】
平均値の等高線マップからニューロンの局所的な機能劣化が検知されたが、このバリアンスの値が小さいときには、脳梗塞による局所的脳機能劣化の可能性が大きいと判断できることになる。
なお、頭皮上の電位分布から脳表面にマップする方法は既に知られている方法を用いればよい。
【0023】
上記のように双極子度や等価双極子を用いて脳内のニューロン活動を測定する装置の他、本発明では、測定した頭皮上電位に対して標準偏差という概念を用いることにより等高線マップを生成し、以て脳活動を測定することも可能である。
このため本発明では、基準者の頭部に取り付けた複数個の脳波センサによって頭皮上電位を測定してその中のアルファ波成分を数値データに変換し、各センサについて、該数値データから指定測定時間内の短い時間区間毎の二乗平均値を求め、該二乗平均値の該指定時間内における規格化された標準偏差を求めると共に、該規格化標準偏差を複数の基準者について求めて、それらの平均値とこの平均値に対する基準者間標準偏差を求めて保存しておき、被験者について同様にして求めた規格化標準偏差が、該基準者の規格化標準偏差平均値から隔たっているレベルを該基準者間標準偏差に基づき且つ該基準者の規格化標準偏差平均値の正側か負側かで異ならせて判別することを特徴とした脳活動測定装置が提供される。
【0024】
すなわち、本発明では基準者(例えば脳活動が正常であると認められる者)の脳波データを予め取っておき、このデータと、被験者について取得した脳波データとを、標準偏差に関連させて比較して脳活動の判別を行おうとするものである。
【0025】
このため、まず基準者の頭部に複数個の脳波センサを上記と同様に取り付け、この脳波センサによって測定した頭皮上電位から数値データを求める。
そして、この数値データに基づき、各センサ毎に次のようなデータを求めて保存しておく。
【0026】
すなわち、該数値データから一定の測定時間(指定期間)内の短い時間区間毎に二乗平均値を求め、これらの二乗平均値の上記の指定時間内における規格化(正規化)された標準偏差を求める。この規格化された標準偏差を求めるに当たっては、上記の短い時間区間毎の二乗平均値を指定時間内において平均し、この平均値の回りの標準偏差を求めると共に、この標準偏差を上記の平均値で割ることにより、求められることとなる。なお、このように標準偏差そのものではなく、規格化された標準偏差を求めるのは、脳波の振幅の影響を排除するためである。
【0027】
このようにして求めた規格化された標準偏差は一人の基準者に対するものであるので、多数の基準者における該規格化された標準偏差を求め、これらの平均値とこの平均値に対する標準偏差(基準者間標準偏差)を求めて保存しておく。
このようにして基準者の基準データが得られた後、今度は被験者についての比較データを求める。
【0028】
すなわち、被験者についても同様にして指定測定時間内の短い時間区間毎に二乗平均値を求め、これらの二乗平均値の指定時間内における規格化された標準偏差を求める。
そして、このようにして求めた被験者の規格化された標準偏差が、上記のように求めた基準者の規格化された標準偏差の平均値からどの程度隔たっているかを示すレベルを、上記の基準者間標準偏差に基づいて判別する。
【0029】
この場合、基準者の規格化された標準偏差の平均値から隔たっているレベルを該平均値の正側と負側で異ならせる。
このようにして、被験者の規格化された標準偏差が、基準者の規格化された標準偏差平均値から遠ざかれば遠ざかるほど、ニューロン活動が基準者より異常に不安定な部位か(該平均値の正側の場合)、或いは異常に安定した部位か(該平均値の負側の場合)を識別することが可能になる。
【0030】
なお、各レベルを、頭皮上のセンサ位置に対応して予め求めた脳表面上の位置に射影すると共にそれらを補間して該脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して着色することも可能である。
このように、それぞれのセンサによって記録された電位の二乗を数秒にわたって平均し、これらの平均値のバリアンスを多数の基準者について求め、基準者集団についての該バリアンスの平均値と標準偏差を求めておき、個々の被験者の該バリアンスが基準者集団の該標準偏差のどの範囲にあるかによってランク付けをして、その値をセンサに相当する脳表面に割つけてマップを描く。これらのマップによりニューロン機能の局所的な劣化度を示す。
【0032】
本発明では、さらにコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することができる。このプログラムは、脳活動を測定するために、被験者の頭部に複数個の脳波センサを取り付けて測定した該被験者の頭皮上電位中のアルファ波成分の数値データに基づいて各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭皮上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値又は該平均値からのバリアンスを各脳波センサについて求め、これらの平均値又はバリアンスの頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力する手順を備えている。
【0033】
さらに本発明では、脳活動を測定するために、基準者の頭部に取り付けた複数個の脳波センサによって頭皮上電位を測定してその中のアルファ波成分を数値データに変換し、各センサについて、該数値データから指定測定時間内の短い時間区間毎の二乗平均値を求め、該二乗平均値の該指定時間内における規格化された標準偏差を求めると共に、該規格化標準偏差を複数の基準者について求めて、それらの平均値とこの平均値に対する基準者間標準偏差を求めて保存しておき、被験者について同様にして求めた規格化標準偏差が、該基準者の規格化標準偏差平均値から隔たっているレベルを該基準者間標準偏差に基づき且つ該基準者の規格化標準偏差平均値の正側か負側かで異ならせて判別する手順をコンピュータに実行させるためのプログラムも提供される。
【0034】
このプログラムでは、各レベルを、頭皮上のセンサ位置に対応して予め求めた脳表面上の位置に射影すると共にそれらを補間して該脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して着色することも可能である。
本発明ではさらに、上記のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体も提供される。
【0035】
なお、上記の一定時間範囲の平均値又はバリアンスをさらに全時間範囲について求め、これらの平均値又はバリアンスの等高線マップを作成して出力することも可能である。
さらに、該双極子度として、該データの内の所定周波数成分を抽出すると共に頭部内に仮定した1つ以上の電流双極子が各脳波センサの位置に作る電位分布と各データによって示される各脳波センサの測定電位との二乗誤差の平均値が最小になる1つ以上の等価双極子を決定したときの近似度を示す値を用いることもできる。この場合の頭部は球状モデルを採用することができる。
【0036】
また、上記の脳波センサの代わりに脳磁センサを用い、該電位の代わりに磁場を用いてもよい。
該頭皮上電位を端末装置で検出し、該データを通信回線を経由して計算センターに送り、該計算センターが該データから該マップを作成し、該通信回線を介して該端末装置に送り返してもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明に係る脳活動測定装置の一実施例を示したものである。
この実施例では、まず、頭部1に例えば21個前後の脳波センサ又は脳磁センサ(電極)群21〜221(以下、符号2で総称することがある)を装着して脳内神経活動に基づく電位を測定するか、或いは、予めセンサを配置したキャップを被る。なお、この場合のセンサ2は、International 10-20 standardによって決められた位置に配置する。
【0038】
センサ2からの測定電位は増幅器3及びマルチプレクサ4を介してアナログ/ディジタル変換器(A/D)5に供給され、ディジタル化された測定電位(脳波)データは入力インタフェース(I/F)15を介してコンピュータ10に供給される。なお、入力インタフェース15では該データを予め指定した周波数帯域(例えばアルファ波)を持つ成分のみをディジタル・フィルタリング処理を行って取り出して以下の処理を行うことが出来る。
【0039】
コンピュータ10内ではCPU11がバス12を介してROM13、RAM14、入力インタフェース15、及び出力インタフェース16に接続されている。上記ROM13は等価双極子を求める上記のプログラム等を記憶した媒体であり、RAM14はディジタイザー23、キーボード24、A/D変換器5からの脳波データを記憶するメモリである。
【0040】
なお、この脳波データは、図5に示すように、この場合のみデータ転送端末装置として動作するコンピュータ10のインタフェース17から、インターネット等の通信回線41を経由して演算装置としての計算センター42に送り、ここで解析した結果を再び通信回線14を経由して臨床現場のコンピュータ10に送り返し、CRT31又はプリンタ32などの出力装置において出力して医師が診断の材料とするように構成してもよい。この場合は、プログラムとその記録媒体は計算センターに装備される。
【0041】
また、入力インタフェース15には、図1又は図2に示したグラフの特性データを格納した外部記憶装置25が接続され、出力インタフェース16にはコンピュータ10の演算結果(痴呆度としてのMMSE値)を表示するCRT等の表示装置31と表示装置31に表示されたデータや波形を記憶するプリンタ32が出力装置として接続されている。なお、外部記憶装置25は用いずに、全てROM13にプログラム等を格納しておいてもよい。
【0042】
処理例 (1)
上述の構成における本実施例の動作を図6に示すフローチャートにより以下に説明する。
まず、頭部1に示されたセンサ群2を配置した後(ステップS1)、図示しない電源を“オン”してコンピュータ10を初期状態に設定する(ステップS2)。
【0043】
次に、各種演算用のプログラム及び信号処理用のプログラム等を外部記憶装置20から読み出してコンピュータ10内のRAM14に格納する(ステップS3)。この様なプログラムはコンピュータ10内の不揮発性メモリであるROM13内に予め記憶して置いてもよい。
【0044】
次に、頭部1に載置した21個のセンサ21〜221から脳内神経活動に基づく電位測定を一定のサンプリング時間間隔で行う(ステップS4)。これは、図1に示した例では、5秒間の一定時間範囲を、約10ms間隔で512サンプリングしており、この一定時間範囲を2分間繰り返すものである。
【0045】
この後、アルファ波等の特定周波数帯域にピークを有する脳波成分をディジタルフィルタ処理を行って分離する(ステップS5)。
次に、マップを作成するための全サンプリング時間範囲を指定する(ステップS6)。これは、上述の如く、図1に示した1つのサンプリング時間範囲(5秒間)を2分間に渡って指定するものである。
【0046】
そして、全サンプリング時間範囲(2分間)が終了したか否かを判定し(ステプS7)、終了しない間は下記のステップS8〜S11を繰り返し実行する。
まず、ステップS8においては、サンプリングされた頭皮上測定電位の全てについて等価双極子を計算する。
【0047】
すなわち、このステップS8においては、上述したように、コンピュータ10のCPU11は、頭部内の所定位置に仮定した例えば1つの電流双極子が発生する頭皮上の各電極位置の電位(Vc)を計算し、ステップS4で測定した電位(Vm)との二乗誤差の平均値を求め、この二乗誤差平均値を最小とするような電流双極子の位置とモーメントを求め、この二乗誤差が基準値以下に収束するまでこのような処理を繰り返し、二乗誤差が収束して基準値以下になったとき、この位置の電流双極子を等価双極子としてその位置をRAM14に記憶する。
【0048】
上記の演算過程で求めた二乗誤差は、やはりRAM14に記憶しておく。これは各センサ21〜221毎に行う。
この後、双極子度を計算する(ステップS9)。すなわち、等価双極子が、実測された電位に対してどの程度近似しているかを示す双極子度d(この時点では未だ平均値ではない。)を次式(1)及び(2)に示すように計算する。
【0049】
【数1】
【0050】
【数2】
【0051】
なお、上記の式(1)及び(2)においては、Mはセンサ2の数を示し、また、Vma及びVcaはそれぞれ測定値及び計算値の平均値を示している。正常被験者については双極子度d≒1である。
このようにして、10ms毎にサンプリングされた頭皮上測定電位の各々について求められた双極子度dについてのピークを検出する(ステップS8)。これは、図1に示したように、5秒間の1つのサンプリング時間範囲内で生じたピークP1〜P70を、この5秒間が終了した後に一旦RAM14に記憶しておくことにより検出することができる。
【0052】
そして、このピーク発生時点の上記二乗誤差をRAM14から読み出すと共に、その合計の平均値を、各センサ毎に、1つのサンプリング時間範囲内(5秒間)で求める(ステップS10)。
すなわち、これは、例えば図1におけるピークP30において、等価双極子を算出する過程で求められた、21個のセンサ21〜221による測定電位と等価双極子による頭皮上電位との二乗誤差を流用して、1つの時間範囲内の各センサ毎の平均値を算出する。すなわち、図1の例で言えば、ピークP1〜P70についてそれぞれ求めた二乗誤差の平均値を各センサ毎に算出するものである。
【0053】
なお、この平均値の代わりに、上述の如く、該一定時間範囲(5秒間)における該平均値からの該二乗誤差のバリアンスを用いてもよい。以下同様である。
このようにして、21個のセンサ21〜221によって測定された頭皮上電位と等価双極子による頭皮上電位との二乗誤差の平均値(バリアンス)が求められることとなるので、これらの平均値(バリアンス)についてセンサ間の値を例えばスプライン曲線やバイリニア(双一次)曲線によって補間し、等高線マップを作成する(ステップS11)。図2の各センサ間に存在する線はこの等高線を示しており、これを記憶しておく(ステップS11)。
【0054】
このようにして等高線マップを1つの時間範囲について求めた後、ステップS7に戻った場合、全時間範囲が終了していなければステップS8〜S11を繰り返し、全時間範囲が終了した時点で全時間範囲内での各センサの平均値(バリアンス)についてやはり図2に示したような等高線マップを作成して出力する(ステップS12)。
【0055】
なお、点線のステップS13に示すように、全時間範囲を実行する前に各5秒毎の等高線マップが作成されているので、これをステップS12とは別に出力させることも可能である。
すなわち、ニューロン機能欠損部は脳の特定部位に固定しているのではなく、時間的に変動しており、その変動の仕方にも脳疾患に関する情報が含まれているので、電子カルテに動画として等電位マップの動きをアニメーションとして示すことができる。
【0056】
なお、上記の実施例では、21個のセンサ(電極)を用いているが、さらに電極数を増やせば局在化の精度を向上させることができる。また頭皮上電位分布を大脳皮質面に投影して同様な図を頭皮図面上に描くこともできる。この場合には、例えば大脳皮質面上の電位分布を頭皮上の指定された電極位置の電位に変換する伝達行列の逆行列を用いればよい。
【0057】
また、上記の演算は全てデータファイル化してオフライン処理により行うこともできる。
処理例 (2)
次に、上記のような双極子度や等価双極子を用いずに等高線マップを作成する実施例について、図7に示したフローチャート図に沿って以下に説明する。
【0058】
まず、図6に示したステップ4と同様に、センサ(電極)2で電位測定を行う。この場合、センサは例えば21個であるが、図7のフローは各センサについてそれぞれ独立して実行される。
従って、21個のセンサの内のjセンサを例に取ると、このjセンサにおける基準者(正常者)の頭皮上電位uj(t)を測定して記録する(ステップS21)。
【0059】
この後、図6のステップS5と同様に、デジタルフィルターにより例えば5〜15Hz成分を抽出する(ステップS22)。
このようにして得られた数値データをまず指定時間(例えば2分間)内において、τ秒(例えば2秒)毎に区切り、二乗平均値を算出する(ステップS23)。
【0060】
この場合の二乗平均値<uj(0)2>,<uj(τ)2>,<uj(2τ)2>・・・<uj(60τ)2>は、図示のように、各2秒間の中で抽出される例えば400サンプルについて、ステップS23の中に図示した式(1)に従って算出される。
そして、これらの二乗平均値<uj(0)2>,<uj(τ)2>,<uj(2τ)2>・・・<uj(60τ)2>の平均値mjを求めると共に、この平均値mjの回りの標準偏差σjsを求める共に、これを上記の平均値mjで割算することにより、規格化された標準偏差σjを算出する(ステップS24)。
【0061】
なお、このように、求めた標準偏差σjsを平均値mjで割算するのは、脳波の振幅の影響を排除して、各脳波データを正規化するためである。
このようにして求めた規格化標準偏差σjは唯一人の基準者の脳波データであるので、このデータの正確度をより高めるため、多数の基準者について規格化標準偏差σjを求めると共に、それらの平均値Sjと、この平均値Sjの回りの標準偏差sj(基準者間標準偏差)を算出する(ステップS25)。
【0062】
これにより、ステップS25の中に図示した如く、基準者に関する規格化標準偏差σjの分布の中に、その平均値Sjとその標準偏差sjを示すことが可能となる。そして、今まで求めたデータはjセンサ1個のデータであるのでこれを全てのセンサ(例えば上記の如く21個のセンサ)について平均値Sjとその標準偏差sjの組合わせ(S1,s1),(S2,s2),・・・,(S21,s21)を求めて基本データベースとして保存しておく(ステップS26)。但し、上述の如く、本発明は各センサ毎に処理が行われるものである。
【0063】
この後、被験者の脳波データ判定に進む。
すなわち、まず被験者についても、上記のステップS21〜S24を経由することにより、被験者の規格化された標準偏差Σjを算出する(ステップS27)。
そして、このようにして求めた被験者の規格化標準偏差Σjが、上記のステップS25で求めた正常者の規格化標準偏差の平均値Sjからどの程度隔たっているか、且つ平均値Sjの正側が負側かを標準偏差sjにより判別する(ステップS28)。
【0064】
すなわち、このステップS28において図示されているように、基準者の規格化標準偏差平均値Sjを中心として、標準偏差sj毎に被験者の規格化標準偏差Σjが隔たっているレベル(1)〜(6)が判別できることになる。
このステップS28に示した例の場合には、
Sj<Σj<Sj+sj
の区間(1)は特に異常性が認められないレベル0とする。そして、Sjから遠ざかるにつれて、
Sj+sj≦Σj<Sj+2sj・・・レベル+1(区間(2):矢印で示した区間)
Sj+2sj≦Σj<Sj+3sj・・・レベル+2(区間(3))
・・・・・・
と判定する。従って、正側のレベルが大きくなる程、基準者の平均値Sjから遠ざかるので、基準者より脳波の不安定性が大きく異常であると判断できることになる。
【0065】
一方、平均値Sjの負側の区間(4),(5),(6)・・・・に関しては、区間(4)は区間(1)と同様に異常性が認められないレベル0とする。
そして、Sjから遠ざかるにつれて、
Sj−σ≧Σj>Sj−2σ・・・レベル−1(区間(5))
Sj−2σ≧Σj>Sj−3σ・・・レベル−2(区間(6))
・・・・・・
と判定する。この場合、負側にレベルが大きくなる程、基準者の場合よりも脳波の不安定性が少ないが、基準者の平均値Sjから遠ざかるので、これも異常な状態と認められることになる。
【0066】
このようにして脳活動のレベル判定が可能であるが、これを一般的に示すと、 Sj+asj<Σj<Sj+(a+1)sjの関係を満たすセンサを、a=0,1,2,3,・・・について区別して、正側のaというレベルを付ける。またSj−bsj<Σj<Sj−(b+1)sjに相当するセンサに、負側のbというレベルを付けることが可能になる。
【0067】
次に、各レベルにおいて、規格化標準偏差Σjの値を、上記の実施例と同様に補間して脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して着色することも可能である(ステップS29)。このためには、頭皮上のセンサ位置を標準脳の表面上に射影することが可能である。例えば、図8に示すように、頭部1の中心(こめかみを結んだ位置)と頭皮上電極2とを結ぶ線が脳6の表面と交わる点を電極2の射影値とすればよい。
【0068】
すなわち、正側レベルaが割り当てられたセンサの規格化標準偏差Σjの値を補間してマップを作り、例えば赤色に着色する。また、負側レベルbが割り当てられたセンサの規格化標準偏差Σjの値を補間してマップを作り、例えば青色に着色する。そして、a,bの値に応じて色を濃くすることにより、図9に示したような頭皮上のセンサ位置を脳の表面に射影することが可能となる。
【0069】
このようにして、赤い領域はニューロン活動の不安定性が大きい領域(Sjより正側に遠ざかる領域)で、青い領域は正常よりもニューロン活動が安定している領域(Sjより負側に遠ざかる領域)になっており、SPECTでは得られない情報が簡単に得られることになる。
【0070】
例えば、抗痴呆薬では、赤色領域と青色領域に対する効果の違いが明瞭に現れることがある。今後の薬物療法とリハビリによる痴呆症治療には威力が発揮されるものと期待される。
このように、ニューロン活動はシナプスの活動に支えられているので、シナプスそのものの機能とニューロン細胞体の機能を分離する可能性をも持っている。これまでに非侵襲的に直接的に観測できなかった脳活動についての新規な情報を得ることが可能となる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る脳活動測定装置並びにプログラムとその記録媒体によれば、被験者の頭部に複数個の脳波センサを取り付けて該被験者の頭皮上電位を測定し、該測定頭皮上電位中のアルファ波成分を数値データに変換して各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値又は該平均値からのバリアンスを各脳波センサについて求め、これらの平均値又はバリアンスの頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力するように構成したので、頭部の平面的な情報が得られ、その機能劣化の位置を特定することが可能となる。
【0072】
従って、脳の部位毎の効果判定が短時間にでき、また、時間的な変動情報も得ることができるので、「まだらボケ」のような時間的に症状が変化する疾患の判定にも用いることができる。従って、ニューロン機能欠陥とシナプス機能欠陥とを識別できる可能性を有している。
【0073】
さらには、双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の該平均値からのバリアンスを用いて頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成することにより、アルツハイマーによるものか、脳梗塞による血管性痴呆によるものかの判別が可能となる。
【0074】
さらには、多数の基準者の数値データから基準者の規格化された標準偏差の平均値とその基準者標準偏差を求め、被験者の数値データによる規格化された標準偏差が、該平均値から隔たっているレベルを該基準者間標準偏差に基づき且つ該基準者の規格化標準偏差平均値の正側か負側かで異ならせて判別することにより、ニューロン活動の不安定領域又はニューロン活動が正常者よりも安定はしているが異常性が認められる領域を判別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脳活動測定装置及びそのプログラムと記録媒体を実現するために、頭部を球形状と仮定とし、単一の等価双極子を用いた時の双極子度を示したグラフ図である。
【図2】本発明により求めた頭皮上電位の等高線マップ図である。
【図3】本発明により求めた頭皮上電位の等高線マップ図とSPECT画像との対比図である。
【図4】本発明の実施例を示したブロック図である。
【図5】本発明の変形例を示したブロック図である。
【図6】本発明に用いる演算装置の処理手順例(1)を示したフローチャート図である。
【図7】本発明に用いる演算装置の処理手順例(2)を示したフローチャート図である。
【図8】上記の処理手順(2)による脳表面上の分布を行うためのセンサ射影点を示した頭部側面断面図である。
【図9】上記の処理手順(2)による脳表面上の分布をレベル毎に示した図である。
【符号の説明】
1 被験者の頭部
2,21〜221 脳波(脳磁)センサ群
3 増幅器
5 A/D変換器
6 脳
7 頭部の中心点
8 センサの射影点
10 コンピュータ
11 CPU
13 ROM(プログラム記録媒体)
14 RAM
15,16,17 インタフェース
24 キーボード
25 外部記憶装置
31 CRT
32 プリンタ
41 通信回線
42 計算センター
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (13)
- 被験者の頭部に取り付けられて該被験者の頭皮上電位を測定する複数個の脳波センサと、各脳波センサの出力信号中のアルファ波成分を数値データに変換して各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭皮上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値又は該平均値からのバリアンスを各脳波センサについて求め、これらの平均値又はバリアンスの頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成する演算装置と、該等高線マップを出力する出力装置と、を備えたことを特徴とする脳活動測定装置。
- 請求項2において、
該演算装置が、該一定時間範囲の平均値又はバリアンスをさらに全時間範囲について求め、これらの平均値又はバリアンスの等高線マップを作成することを特徴とする脳活動測定装置。 - 請求項1において、
該頭部が球状モデルであることを特徴とした脳活動測定装置。 - 基準者又は被験者の頭部に取り付けられて頭皮上電位を測定する複数個の脳波センサと、各脳波センサの出力信号中のアルファ波成分を数値データに変換し、各センサについて、該数値データから指定測定時間内の短い時間区間毎の二乗平均値を求め、該二乗平均値の該指定時間内における規格化された標準偏差を求めると共に、該規格化標準偏差を複数の基準者について求めて、それらの平均値とこの平均値に対する基準者間標準偏差を求めて保存しておき、被験者について同様にして求めた該規格化標準偏差が、該基準者の規格化標準偏差平均値から隔たっているレベルを該基準者間標準偏差に基づき且つ該基準者の規格化標準偏差平均値の正側か負側かで異ならせて判別する演算装置と、を備えたことを特徴とする脳活動測定装置。
- 請求項4において、
該演算装置が、各レベルを、頭皮上のセンサ位置に対応して予め求めた脳表面上の位置に射影すると共にそれらを補間して該脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して着色することを特徴とした脳活動測定装置。 - 請求項1から5のいずれか1つにおいて、
該脳波センサ及び該出力装置を端末装置に設けると共に該演算装置を計算センターに設け、該端末装置と該計算センターとを通信回線を介して接続したことを特徴とする脳活動測定装置。 - 脳活動を測定するために、
被験者の頭部に複数個の脳波センサを取り付けて測定した該被験者の頭皮上電位中のアルファ波成分の数値データに基づいて各サンプリング時点についての双極子度を求め、該双極子度のピーク発生時点における等価双極子による頭皮上電位と該測定頭皮上電位との二乗誤差の一定時間範囲内の平均値又は該平均値からのバリアンスを各脳波センサについて求め、これらの平均値又はバリアンスの頭皮上又はこれに対応する脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して出力する手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 請求項7において、
該一定時間範囲の平均値又はバリアンスをさらに全時間範囲について求め、これらの平均値又はバリアンスの等高線マップを作成して出力することを特徴としたプログラム。 - 請求項7において、
該双極子度が、該頭部内に仮定した1つ以上の電流双極子が各脳波センサの位置に作る電位分布と各データによって示される各脳波センサの測定電位との二乗誤差の平均値が最小になる1つ以上の等価双極子を決定したときの近似度を示すことを特徴としたプログラム。 - 請求項7において、
該頭部が球状モデルであることを特徴としたプログラム。 - 脳活動を測定するために、
基準者の頭部に取り付けた複数個の脳波センサによって頭皮上電位を測定してその中のアルファ波成分を数値データに変換し、各センサについて、該数値データから指定測定時間内の短い時間区間毎の二乗平均値を求め、該二乗平均値の該指定時間内における規格化された標準偏差を求めると共に、該規格化標準偏差を複数の基準者について求めて、それらの平均値とこの平均値に対する基準者間標準偏差を求めて保存しておき、被験者について同様にして求めた規格化標準偏差が、該基準者の規格化標準偏差平均値から隔たっているレベルを該基準者間標準偏差に基づき且つ該基準者の規格化標準偏差平均値の正側か負側かで異ならせて判別する手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 請求項11において、
各レベルを、頭皮上のセンサ位置に対応して予め求めた脳表面上の位置に射影すると共にそれらを補間して該脳表面上の分布に関する等高線マップを作成して着色することを特徴としたプログラム。 - 請求項7から12のいずれか1つに記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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