JP3581161B2 - オイルフィルター用濾紙 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、空隙率を殆ど一定に保ったまま比表面積を高めることによってエンジンオイル中に混入する微細なカーボン粒子等を高効率で吸着捕捉できるオイルフィルター用濾紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オイルフィルター用濾紙はパルプ等の材料が主として使用されているが、オイルに混入するカーボン粒子等を除去するためにはこれらの材料だけでは不充分で、チタン酸カリ等の短繊維状の無機物が併用されている。
これはパルプだけで対応すると、パルプ間の空隙を変化させてもオイルの通油抵抗とカーボン粒子等の捕捉率のバランスを充分に調整することが不可能なためで、短繊維状の無機物を使用することによって、はじめて圧力損失が増大せずカーボン粒子等の捕捉率の良い濾紙が得られるからである。
【0003】
従来から主として使用されているチタン酸カリは非常に高価であり、また発癌性等人体への安全性についても問題が残されている。このため、従来からこれに代わる短繊維状の無機物が渇望されていたが、満足し得る物性を備えたものは未だ提案されていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の課題を解決するものであって、ウィスカー状炭酸カルシウムを使用することによって圧力損失が増大せず、チタン酸カリ以上にカーボン粒子等の捕捉効率が良好なオイルフィルター用濾紙を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究の結果、基材繊維にウィスカー状炭酸カルシウムを配合することにより上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は濾紙部分を構成する基材繊維とともにウィスカー状炭酸カルシウムを含有してなる、エンジンオイル中に混入する微細なカーボン粒子を吸着捕捉できるオイルフィルター用濾紙を内容とするものである。
【0006】
本発明に用いられるウィスカー状炭酸カルシウム(以下、ウィスカー状炭カルと略記する。)としては、例えば特開平3−88714号、特開平4−321515号等に記載の方法で製造されるものを使用すればよい。ウィスカー状炭カルの表面は、チタン酸カリに比較して微細な起伏に富んでおり、そのためカーボン粒子等の吸着性に優れている。
例えば、ガラス繊維はパルプ等の基材繊維と併用すると非常に微細な空隙を有する濾紙を作ることができる。しかし、このような濾紙を使用しても、オイル中のカーボン粒子の捕捉効率は非常に低い。これはガラス繊維の表面が非常に平滑なため表面積が小さく、カーボン粒子を効果的に捕捉できないためである。従って、本発明におけるウィスカー状炭カルの表面状態は、非常に重要な要因である。本発明に用いられるウィスカー状炭カルは、長径5〜50μm、短径0.5〜3.0μm、より好ましくは長径8〜30μm、短径0.5〜2μmのものが用いられる。また、アスペクト比は10以上であることが望ましい。
【0007】
【作用】
本発明によれば、基材繊維間の空隙率に応じた低部分密度が形成できるとともに、ウィスカー状炭カルによって微細なカーボン粒子を効果的に捕捉することができる。またチタン酸カリは比重が4.2と大きいのに対してウィスカー状炭カルは2.65であり、本発明では重量でなく容量で効果に起因するため、チタン酸カリに比べ半分強の量で同一の表面積を保持することができる。
【0008】
また、当該技術分野で使用されているチタン酸カリは、その形状、成分等から発癌性等の人体への影響が問題視されているが、本発明に使用するウィスカー状炭カルは成分の99重量%までがCaCO3 であり、医薬品(胃酸の中和用等)、食品添加物等に広く使用されているCaCO3 と全く同一成分である。更に、形状はチタン酸カリと同様にウィスカー状であるが、このCaCO3 は水に少量可溶であり(チタン酸カリは不溶)、また弱酸で分解するため、たとえ気管から吸入し肺部に混入しても人体の肺胞部は弱酸であるので長く残留することはなく容易に分解するのである。これらのことを総合的に判断すれば、ウィスカー状炭カルはチタン酸カリに比べ人体に対しても安全であると考えられる。
【0009】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
実施例1
パルプを主体とした基材繊維に対して30重量%のウィスカー状炭カルを配合してオイルフィルター用濾紙を作製した。
【0011】
比較例1
実施例1のウィスカー状炭カルの代わりに同一容量になるようにチタン酸カリを配合(基材繊維に対して50重量%)した以外は全て実施例1と同様にしてオイルフィルター用濾紙を作製した。
【0012】
実施例1、比較例1で作製した濾紙についてカーボン粒子の捕捉率をテストした。得られた結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
表1の結果から、本発明のウィスカー状炭カルを配合した濾紙は、チタン酸カリを配合した濾紙に比べて少ない重量部で、より効率的にカーボン粒子を捕捉できることが分かる。尚、この時のオイルの圧力損失はほぼ同じであった。
【0015】
【発明の効果】
叙上のとおり、本発明は安価且つ人体に安全で、カーボン粒子等の捕捉率の向上したオイルフィルター用濾紙を提供することができる。
Claims (2)
- 濾紙部分を構成する基材繊維とともにウィスカー状炭酸カルシウムを含有してなる、エンジンオイル中に混入する微細なカーボン粒子を吸着捕捉できるオイルフィルター用濾紙。
- ウィスカー状炭酸カルシウムの長径が5〜50μm、短径が0.5〜3.0μmである請求項1記載のオイルフィルター用濾紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16625793A JP3581161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | オイルフィルター用濾紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16625793A JP3581161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | オイルフィルター用濾紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06346720A JPH06346720A (ja) | 1994-12-20 |
JP3581161B2 true JP3581161B2 (ja) | 2004-10-27 |
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JP16625793A Expired - Fee Related JP3581161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | オイルフィルター用濾紙 |
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Families Citing this family (2)
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JP2010179262A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Alps Manufacturing Co Ltd | 濾過器 |
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1993
- 1993-06-10 JP JP16625793A patent/JP3581161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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