JP3581069B2 - 移動通信システムにおける同期信号送出方法および移動通信システム - Google Patents

移動通信システムにおける同期信号送出方法および移動通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スペクトラム拡散を用いて多元接続を行う移動通信システムにおける同期信号送出方法および移動通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在普及している携帯電話のような移動通信システムでは、サービスエリア全体をセルと呼ばれる比較的小さな無線ゾーンに分割してサービスを行っている。このようなシステムは図1に示すように、分割された無線ゾーン、すなわち、セル110をカバーする複数の基地局111と、これら基地局との間に無線チャネルを設定して通信を行う移動局112により構成されている。
【0003】
基地局からある送信電力で送信された電波は減衰しながら空間を伝搬し受信点に到達する。電波が受ける減衰量は送信点と受信点の距離が遠くなるほど大きくなるという性質があるため、基本的に遠い基地局から送信されるとまり木チャネルは弱い受信レベルで、近い基地局から送信されるとまり木チャネルは強い受信レベルで受信される。現実には、伝搬損失の大小は距離だけではなく、地形や建造物などの状況により異なってくるため、移動局の移動に伴って各基地局からのとまり木チャネルの受信電力は大きく変動する。各基地局からのとまり木チャネルの受信レベルが常に変動する状況にあっては、所要の受信レベル以上となるとまり木は常に入れ替わっており、それまで受信していたとまり木の受信レベルが急に低くなり受信不能となったり、逆にそれまで受信不能だったとまり木の受信レベルが急に高くなり受信可能となったりする。基地局から送信される信号をよりよい品質で受信するためには、移動局は各基地局からのとまり木チャネルを常に監視し、最良の基地局を選択することが重要となる。
【0004】
直接拡散符号分割多元接続(Direct Sequence Code Division Multiple Access; DS−CDMA)方式は従来の情報データ変調信号を高速レートの拡散符号にて拡散する2次変調を行って情報伝送することで複数のユーザが同一の無線周波数帯を用いて通信を行う方式である。各ユーザの通信波は各ユーザ毎に割り当てられた拡散符号により識別される。本発明が対象とする移動通信システムでは、拡散に用いられる拡散符号は、繰り返し周期が情報シンボル周期と同一で全基地局に共通な短周期拡散符号と繰り返し周期が情報シンボル周期よりも長く基地局毎に異なるものが使用される長周期拡散符号との2種類の拡散符号の組み合わせにより構成されている。
【0005】
図2は本発明が対象とする移動通信システムの拡散符号の使用方法を説明するための概念図である。同図中、上段のレイヤは長周期で基地局毎に割り当てられる長周期拡散符号のレイヤを、下段のレイヤは全基地局に共通に用いられる短周期拡散符号のレイヤを示している。各基地局から送出される信号は、各基地局毎に割り当てられている長周期拡散符号を用いて識別される。
【0006】
図3は移動局において受信される各基地局からの信号のうちの、長周期拡散符号のタイミング関係を示す模式図である。本発明は基地局間の同期を必ずしも必要としない非同期の移動通信システムを対象としており、移動局において受信される長周期拡散符号のタイミングも各基地局毎にまちまちである。
【0007】
このような非同期のシステムでは、拡散符号及び位相ともに未知のとまり木を高速にサーチする必要がある。任意の位相を高速にサーチする方法は文献(Higuchi, Sawahashi, Adachi, ”Fast Cell Search Algorithm in Inter−Cell Asynchronous DS−CDMA Mobile Radio,” IEICE Trans. Commun., Vol. E81−B, No. 7, July 1998)に示されている。この方法では短周期拡散符号および長周期拡散符号で2重に拡散されるとまり木チャネルの一部に長周期拡散符号を用いずに短周期拡散符号のみで拡散される部分(マスクシンボル)を設けている。
【0008】
図4はとまり木チャネルの構造を説明するための概念図である。移動局はまず、全基地局で共通に使用される短周期拡散符号を用いて受信信号を逆拡散すると長周期拡散符号の種類に関わらず受信信号のマスクシンボルのタイミングでピークを検出できる(第1ステップ)、第1ステップで抽出したタイミングに基づきマスクシンボルと同一の位置に重畳されている長周期拡散符号グループコードを検出し、受信対象としている基地局が用いている長周期拡散符号がどのグループに属するかを同定する(第2ステップ)。第2ステップで決定したグループに属する長周期拡散符号の各々を用いて対象とする基地局が用いている長周期拡散符号を特定する(第3ステップ)。なお、この方法が適用されるシステムでは、多数存在する各々の長周期拡散符号はあらかじめグループ分けされている。
【0009】
ところで、上述のように移動通信システムは多数の基地局により構成されており、さらに指向性を有するアンテナを用いて扇型のエリアをカバーするセクタにより、各セルは構成されており、移動局は非常に多数のセクタからの信号を受信する必要がある。また、各セクタから送出された信号は周囲の建物などに反射して移動局に到達するため、各セクタからの信号にはそれぞれ遅延波が存在する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように移動局は非常に多数の信号に対して、長周期拡散符号の同定やタイミング同期を行う必要があり、このことが周辺セルサーチや基地局選択のための移動局の負荷を増大させ、あるいは、基地局の選択精度を低くしてしまうという重大な問題点があった。
【0011】
そこで本発明の目的は、上記問題点に鑑み、移動局における長周期拡散符号同定およびタイミング同期の負荷を低く抑え、かつ、基地局選択の精度を高く保つことができる移動通信システムにおける同期信号送出方法および移動通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号を基地局から送出する際に、前記長周期拡散符号により拡散されない信号の送出タイミングを、複数の基地局間で一致させる移動通信システムにおける同期信号送出方法であって、前記長周期拡散符号群を複数のグループに分け、前記長周期拡散符号により拡散されない信号の送出タイミングを、同一のグループに属する長周期拡散符号を使用するセクタの基地局間で一致させることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、拡散符号を用いて信号を広帯域に拡散することにより相互に通信を行う複数の基地局と移動局を有し、前記基地局が、繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、前記複数の基地局が、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号を同一タイミングで送出する移動通信システムであって、前記長周期拡散符号群を複数のグループに分け、同一のグループに属する長周期拡散符号を使用するセクタの基地局は、前記長周期拡散符号により拡散されない信号を同一タイミングで送出することを特徴とする。
【0018】
複数の基地局からの同期信号の送出タイミングを揃えることは、移動局において受信すべき同期信号の数を減少させるように作用する。また、複数の基地局から送出された信号がほぼ同一のタイミングで受信されるため、受信電力が増大し、移動局における検出精度が向上する、あるいは、ある一定の精度を得るための検出時間がより短時間になるよう作用する。
【0019】
同一セル内の複数のセクタに対応する複数の基地局からの同期信号の送出タイミングを揃えることは、移動局から各セクタへの伝搬環境が非常に近い基地局からの送出タイミングを揃えることに相当し、上述の信号数の減少あるいは受信電力の増大の効果をより高いものにするよう作用する。
【0020】
同一のグループに属する長周期拡散符号を使用する複数の基地局からの同期信号の送出タイミングを揃えることは、長周期拡散符号のグループ符号の検出精度についても、信号数が減少し、受信電力が増大するように作用する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図5は本発明の第1の実施形態を説明する概念図である。同図の左側では互いに隣接する3つのセルが存在する場合の例を示しており、各セルはそれぞれ3つのセクタにより構成されている。ひとつのセクタに対応してひとつの基地局が設置されておりそれぞれBS1〜BS9で示している。
【0023】
各基地局は、繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号(マスクシンボルによって断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号)を送出する。
【0024】
一方、図5の右側は、各基地局からの送信信号のマスクシンボルのタイミング関係を示している。同一セルに属するセクタの基地局は同一のタイミングでマスクシンボルを送出するよう設定される。同一セルに属するセクタの基地局間では共通のタイミングソースを用いることが容易であり、マスクシンボルの送出タイミングは一致する。
【0025】
図6は本発明の第2の実施形態を説明する概念図である。同図の左側では互いに隣接する3つのセルが存在する場合の例を示しており、各セルはそれぞれ3つのセクタにより構成されている。ひとつのセクタに対応してひとつの基地局が設置されておりそれぞれBS1〜BS9で示している。また同図では、各セクタが用いている長周期拡散符号が属するグループが区別できるように、各セクタを白抜き/網掛け/縦線で塗りつぶしている。同一の模様で塗られたセクタは同一のグループに属する長周期拡散符号を使用していることを示している。なお、図では一例として、3つのグループを用いた場合について示している。グループAに属する基地局をBS1,3,8で示し、グループBに属する基地局をBS4,5,9で示し、グループCに属する基地局をBS2,6,7で示す。各基地局は、繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号(マスクシンボルによって断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号)を送出する。なお、前記長周期拡散符号群は、上述した3つのグループに分けられている。
【0026】
一方、図6の右側は、各基地局からのマスクシンボルのタイミング関係を示している。グループAに属する長周期拡散符号を用いている基地局は、BS1,3,8であり、グループBに属する長周期拡散符号を用いている基地局は、BS4,5,9であり、グループCに属する長周期拡散符号を用いているBS2,6,7であり、同じグループに属する長周期拡散符号を用いている基地局は同一のタイミングでマスクシンボルを送出するよう設定される。この場合、異なるセルに設置された基地局間で相互にタイミングを合わせるため、外部にタイミングソースを設ける。これは例えば、GPS(Global Positioning System)を用いる方法や、有線伝送路を経由して互いに同期をとる方法など様々なものが適用可能であるが、どのような方法により同期をとるかということは本発明の効果には全く影響を与えず、どのような方法を採ったとしても同様の効果が得られる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数の基地局からの同期信号の送出タイミングを揃えることによって、移動局において受信すべき同期信号の数を減少させることができる。また、複数の基地局から送出された信号がほぼ同一のタイミングで受信されるため、受信電力が増大し、移動局における検出精度が向上させることができる、あるいは、ある一定の精度を得るための検出時間をより短時間にすることができる。さらに、同一のグループに属する長周期拡散符号を使用する複数の基地局からの同期信号の送出タイミングを揃えることによって、長周期拡散符号のグループ符号の検出精度についても、信号数を減少させ、受信電力を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動通信システムの概念を示す図である。
【図2】本発明が対象とする移動通信システムの拡散符号の使用方法を説明するための概念図である。
【図3】移動局において受信される各基地局からの信号のうちの、長周期拡散符号のタイミング関係を示す模式図である。
【図4】とまり木チャネルの構造を説明するための概念図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を説明する概念図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を説明する概念図である。
【符号の説明】
BS1〜BS9 基地局

Claims (2)

  1. 繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号を基地局から送出する際に、前記長周期拡散符号により拡散されない信号の送出タイミングを、複数の基地局間で一致させる移動通信システムにおける同期信号送出方法であって、
    前記長周期拡散符号群を複数のグループに分け、前記長周期拡散符号により拡散されない信号の送出タイミングを、同一のグループに属する長周期拡散符号を使用するセクタの基地局間で一致させることを特徴とする移動通信システムにおける同期信号送出方法。
  2. 拡散符号を用いて信号を広帯域に拡散することにより相互に通信を行う複数の基地局と移動局を有し、前記基地局が、繰り返し周期が情報シンボル周期と等しく各基地局が共通に用いる短周期拡散符号群と、繰り返し周期が情報シンボルよりも長く基地局ごとに異なる長周期拡散符号群とを使用して、前記複数の基地局が、情報シンボルを2重に拡散し断続的に前記長周期拡散符号により拡散されない信号を同一タイミングで送出する移動通信システムであって、
    前記長周期拡散符号群を複数のグループに分け、同一のグループに属する長周期拡散符号を使用するセクタの基地局は、前記長周期拡散符号により拡散されない信号を同一タイミングで送出することを特徴とする移動通信システム。
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