JP3580826B2 - 出射効率制御素子、投射型ディスプレイ装置、赤外線センサおよび非接触温度計 - Google Patents

出射効率制御素子、投射型ディスプレイ装置、赤外線センサおよび非接触温度計 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、出射効率制御素子、ならびにそれを用いた投射型のディスプレイ装置、赤外線センサおよび非接触温度計に関する。
背景技術
光変調装置は、入射光の強度を変調して出射する装置である。従来例として、米国特許第5,311,360号、およびO.Solgaardらの論文「Deformable Grating Optical Modulator」(Optics Letters,Vol.17,No.9,May 1,1992)に示されている光変調装置があった。この光変調装置は、光の回折効果を利用して光の強度変調を行うものであり、小型化が可能な上、ICプロセスで作製できるため一括大量生産できるという利点がある。
図32(a)は、上記米国特許および論文に示されている光変調装置の平面図であり、図32(b)は、図32(a)のK−K'線に沿った断面図を示すものである。
この光変調装置は、シリコン基板1001、シリコン基板1001の周辺領域上に形成されたシリコン酸化膜からなるスペーサ層1002、誘電体層1003を備えている。誘電体層1003は、複数の微細な誘電体梁1004にパターニングされており、誘電体梁1004は、スペーサ層1002に両端を支持された両持ち梁となって中空に浮いている。なお、誘電体層1003はシリコン・リッチのシリコン窒化膜からなり、残留応力がおよそ200MPaに低減されている。また、スペーサ層1002と誘電体層1003との厚みは、効率制御対象の光、つまりこの光変調装置への入射光の波長の4分の1に等しくなるように設定されている。
誘電体梁1004の間には、各誘電体梁1004の幅と等しい幅を有する開口部1005が形成されている。さらに、基板1001上には、電極としても機能するAl反射膜1006が設けられている。反射膜1006は、誘電体梁1004の表面上に形成されている上部反射鏡1007、開口部1005を通して基板1001表面上に形成されている下部反射膜1008からなる。上部反射膜1007と下部反射膜1008とにより反射形グレーティングが形成されている。
上述した構成を有する従来の光変調装置における光変調原理を図33(a)および(b)を参照しながら説明する。なお、これらの図面において、図32と同一の構成要素には同一の番号を附記し、説明を省略する。
図33(a)は、反射膜1006と基板1001との間に電圧を印加していない状態を示している。このとき、上部反射膜1007と下部反射膜1008との段差は、入射光波長の2分の1になっており、上部反射膜1007によって反射される光と、下部反射膜1008によって反射される光との光路差は1波長となって位相が揃う。したがって、反射形グレーティングは、入射した入射光1010に対して単なるミラーとして作用し、入射光1010は0次回折光1011となり、入射側へ反射される。
一方、反射膜1006と基板1001との間に電圧を印加した状態では、反射膜1006と基板1001とは、誘電体層1003および空気層1012を挟むコンデンサを形成し、反射膜1006は正電荷が、基板1001には負電荷がチャージされる。この電荷間に静電引力が作用するため、図33(b)に示すように、誘電体梁1004は湾曲し、基板1001に接触するまで引き寄せられる。このとき、上部反射膜1007と下部反射膜1008との表面の段差は、入射光の波長の4分の1となり、上部反射膜1007表面で反射する光と下部反射膜1008表面で反射する光の光路差は往復で2分の1波長となって位相が半波長ずれる。したがって、上部反射膜1007によって反射される光と下部反射膜1008によって反射される光とは互いに打ち消しあって0次回折光が消滅し、代わりに0次以外の回折光が出射するようになる。例えば、このとき、±1次回折光1013a、1013bは、それぞれ、41%の回折効率で発生する。以上のように、この光変調装置は、反射膜1006と基板1001とに印加する電圧のオン・オフにより、入射光を変調することが出来る。
しかしながら、上述した従来の光変調装置では、たかだかグレーティングのサイズまでのビーム径を有する入射光しか変調することができない。したがって、口径の大きな入射光を変調するためには、グレーティングのサイズを大きくする必要がある。しかし、グレーティングのサイズを大きくすると、半波長だけ、グレーティングを浮かせる工程でシリコン基板1001にグレーティングが付着しがちで、歩留まりよく作製することが困難であった。
本発明の目的は、ビーム径の大きな入射光の光量を変調することができ、かつ応答速度の速い光変調装置を提供すること、一様な回折効果を得ることができる出射効率制御素子を提供すること、ならびにこれらを用いたディスプレイ装置、赤外線センサ、および非接触温度計を提供することである。
発明の開示
本発明の光変調装置は、入射した光の光量を変調する出射効率制御手段と、該光を該出射効率制御手段に集光する第1の集光手段と、該出射効率制御手段によって光量を変調された該光を出力する第2の集光手段と、を備えており、該第1および第2の集光手段は、該出射効率制御手段に対向して配置されており、そのことにより上記目的を達成する。
ある実施形態では、前記出射効率制御手段は、反射形の光学素子である。
ある実施形態では、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、基板の同一の面上に形成されている。
ある実施形態では、前記光変調装置は、対向する第1の面および第2の面を有する透明基板をさらに備えており、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、該透明基板の該第1の面上に形成されており、該出射効率制御手段は、該透明基板の該第2面上に形成された反射形の光学素子である。
ある実施形態では、前記出射効率制御手段は、前記透明基板の前記第2面上に形成された、第1電極として機能する透明電極と、該透明電極上に形成された第1のグレーティングと、該透明電極上に形成されたスペーサ層と、該スペーサ層上に両端を支持され、第2電極として機能する部分を有する複数本の梁から形成された第2のグレーティングと、を備えており、該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該透明電極と該第2のグレーティングとの距離を変化させ、それによって、前記第1の集光手段によって集光された前記光が前記第2の集光手段に出射する効率を制御する。前記出射効率制御手段は、前記第1のグレーティング上に設けられた絶縁層をさらに有していてもよい。
ある実施形態では、前記第1と第2の集光手段は同一形状であり、前記出射効率制御手段は、該第1の集光手段の中心と該第2の集光手段の中心とを結ぶ直線の中央からの、該第1の集光手段および該第2の集光手段が形成されている平面に対する垂線と、該出射効率制御手段が形成される平面との交点を中心として配置されている。
ある実施形態では、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、厚さ方向の断面が徐々に小さくなる相似形の楕円形状であり、その長軸方向に配列されている。好ましくは、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段が形成されている面の垂直方向に対する、該第1の集光手段への前記光の光軸の入射角をθとしたときに、前記楕円の長軸の短軸に対するサイズ比は、1/cosθである。
ある実施形態では、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、バイナリ/マルチレベル構造の回折型マイクロレンズである。
ある実施形態では、前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、矩形の開口を有する正方形のレンズであり、前記出射効率制御手段の前記第2のグレーティングにおいて、該複数本の梁の間隔は、該梁の長手方向に沿って徐々に大きくなる。前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなってもよい。好ましくは、前記出射効率制御手段の前記第1のグレーティングおよび前記第2のグレーティングは、グレーティング周期の最も小さい部分が、前記入射光の波長の7倍以上となるように設計されている。さらに好ましくは、前記レンズの1辺の長さをL、焦点距離をfとし、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と前記レンズの光軸とがなす角度をθとした場合、前記第1のグレーティングおよび前記第2のグレーティングは、グレーティング周期の最も大きい部分が、前記入射光の波長の7(2f+Ltanθ)/(2f−Ltanθ)倍以上となるように設計されている。また、前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の長さが等しくてもよい。
ある実施形態では、前記出射効率制御手段は、可動鏡である。
本発明の他の局面によれば、ディスプレイ装置が提供される。該ディスプレイ装置は、光源と、該光源から出射した光を、互いに異なる波長域を有する複数の色光に分離する分離手段と、該複数の色光の光路上にそれぞれ設けられており、該複数の色光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、該複数の光変調装置によって変調された該複数の色光を結像する結像レンズと、を備えており、該複数の光変調装置のそれぞれは、該複数の色光のうちの対応した色光の光量を変調する、アレイ状に配列された複数の出射効率制御手段と、アレイ状に配列された複数の集光素子を有する集光手段と、を備えており、該対応する色光は、該集光手段の光軸に対して斜め方向から該集光手段に入射して該出射効率制御手段に集光され、変調された該対応する色光は、該集光手段を介して斜め方向に出力される。
ある実施形態において、前記色光が前記集光手段に入射する入射角と、該色光が該集光手段から出力される角度とは等しく、前記複数の出射効率制御手段が配列されている間隔と、該集光手段において前記複数の集光素子が配列されている間隔とは等しく、該複数の出射効率制御手段は、該集光手段に対して、該色光が入射する方向が該集光手段の光軸に対して傾いている方向に配列間隔の半分ずらせて配置されている。
ある実施形態において、前記複数の出射効率制御手段のそれぞれは、前記集光手段の前記複数の集光素子のうちの隣り合う一対の集光素子に対向するように配置されており、該一対の集光素子の1つから前記対応する色光を受け取り、該一対の集光素子の他の1つに、変調された該対応する色光を出力する。
ある実施形態において、前記複数の出射効率制御手段は、m行n列の2次元アレイ状に配置されており、前記集光手段において、前記複数の集光素子は(m+1)行n列の2次元アレイ状に配置されており、第k行の出射効率制御手段は、第k行の集光素子および第(k+1)行の集光素子に対応するように配置されている。
ある実施形態において、前記複数の光変調装置は、前記集光手段が形成された第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とを有する透明基板を備えており、前記出射効率制御手段は、該第2の面に形成された反射形の光学素子である。前記複数の出射効率制御手段のそれぞれは、前記透明記板の前記第2の面に設けられた、第1電極として機能する透明電極と、該透明電極上に形成された第1のグレーティングと、該透明電極上に形成されたスペーサ層と、該スペーサ層上に両端を支持され、第2電極として機能する部分を有する複数本の梁から形成された第2のグレーティングと、を備えており、該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該透明電極と該第2のグレーティングとの距離を変化させ、それによって、前記対応する色光が前記集光手段に出射する効率を制御してもよい。
ある実施形態において、前記複数の集光素子は、それぞれ厚さ方向に対する断面が徐々に小さくなる相似形の楕円形状である。好ましくは、前記集光手段が形成されている平面の垂直方向に対する、前記対応する色光が該集光手段に入射する光軸の角度をθとしたときに、前記楕円の長軸の短軸に対するサイズ比は、1/cosθである。
ある実施形態において、前記分離手段は、青色光を反射し、その他の光を透過する第1の分離素子と、緑色光を反射し、その他の光を透過する第2の分離素子と、赤色光を反射しその他の光を透過する第3の分離素子とを備えている。前記第1の分離素子によって反射される光の波長帯域幅は、前記第2の分離素子および前記第3の分離素子のそれよりも小さくてもよい。あるいは、前記第3の分離素子によって反射される光の波長帯域幅は、前記第1の分離素子および前記第2の分離素子のそれより大きくてもよい。あるいは、反射される光の波長帯域幅は、前記第3の分離素子、前記第2の分離素子および前記第1の分離素子の順に小さくなってもよい。好ましくは、前記分離手段は、前記光源から出射した前記光を、前記第1の分離素子、前記第2の分離素子、前記第3の分離素子の順に通過させる。
ある実施形態では、前記複数の光変調装置のそれぞれは、前記出射効率制御手段の制御回路をさらに備えており、該出射効率制御手段のそれぞれの前記第2電極と、該制御回路の接続電極とはソルダバンプで接続されている。
ある実施形態では、前記複数の光変調装置のそれぞれは、前記透明基板の前記集光手段および前記複数の出射効率制御手段が形成された領域以外の領域に設けられた光吸収手段をさらに備えている。前記光吸収手段は、前記複数の集光素子のそれぞれの周辺にも設けられていてもよい。
ある実施形態では、前記出射効率制御手段は、前記対応する色光の0次回折光を出射する。
ある実施形態では、前記複数の出射効率制御手段は、可動鏡アレイである。
ある実施形態では、前記集光手段は、バイナリ/マルチレベル構造の回折型マイクロレンズアレイである。
ある実施形態では、前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の間隔は、該梁の長手方向に沿って徐々に大きくなる。前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなってもよい。また、前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の長さが等しくてもよい。
本発明の他の局面によれば、出射効率制御素子が提供される。該出射効率制御素子は、入射した光の光量を変調して出射させる出射効率制御素子であって、第1電極として機能する部分を有するプレートと、該プレート上に形成されたスペーサ層と、該スペーサ層上に両端を支持され、かつ第2電極として機能する部分を有する互いに平行でない複数本の梁からなるグレーティングと、を備えており、該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該グレーティングと該プレートとの距離を変化させ、それによって該光の出射効率を制御する。
ある実施形態では、前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に徐々に大きくなる。前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなってもよい。また、前記複数本の梁の長さが全て等しくてもよい。
ある実施形態では、前記グレーティングの前記複数本の梁は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときには同一平面上に並び、電圧が印加されているときには1本おきに前記プレート側に引き寄せられ、それによって前記出射効率を制御する。前記複数本の梁が密に並び、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときにはミラーとして作用してもよい。
ある実施形態では、前記入射光の波長をλ、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と該入射光の光軸とのなす角度をθとしたときに、前記グレーティングの動作距離が、mを整数として、mλ/(4cosθ)となるように設定されている。
ある実施形態では、前記入射光の波長をλ、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と該入射光の光軸とのなす角度をθとしたときに、前記梁の厚さが、mを整数として、mλ/(4cosθ)となるように設定されている。
ある実施形態では、本発明の出射効率制御素子は、前記プレートの表面および前記グレーティングの表面に形成された反射膜をさらに備えている。
ある実施形態では、本発明の出射効率制御素子は、前記プレートと前記グレーティングとの間に形成された絶縁膜をさらに備えている。また、本発明の出射効率制御素子は、前記絶縁層の表面および前記グレーティングの表面に形成された反射膜をさらに備えていてもよい。
本発明の他の局面によると、赤外線センサが提供される。該赤外線センサは、赤外光を集光するレンズと、焦電体と、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射する、上述のような構成を有する出射効率制御素子と、を備えている。
ある実施形態では、前記焦電体は矩形である。
ある実施形態では、前記レンズは、開口が矩形である。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子は、前記プレートの主面に対する法線が、前記レンズの光軸に平行とはならないように傾斜して配置されている。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子の前記グレーティングによって回折された回折光のうち0次回折光だけを前記焦電体に入射し、前記0次回折光以外の回折光を前記焦電体に入射させないように、前記出射効率制御素子が配置されている。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子の前記グレーティングと前記プレートとの距離の変化により、前記0次回折光の光量が変化する。
ある実施形態では、前記赤外線センサは、開口部を有する封止体をさらに備えており、該封止体は、前記出射効率制御素子および前記焦電体を内蔵している。前記レンズは、前記封止体の前記開口部に設けられていてもよい。
ある実施形態では、前記レンズは、回折型レンズである。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子の前記グレーティングの周期は、その最も小さい部分が、前記赤外光の波長の7倍以上である。また、前記レンズの1辺の長さをL、焦点距離をfとし、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と前記レンズの光軸とがなす角度をθとした場合、前記グレーティングの周期は、その最も大きい部分が、前記赤外光の波長の7(2f+Ltanθ)/(2f−Ltanθ)倍以上であってもよい。
ある実施形態では、前記プレートの主面に平行で、かつ前記グレーティングに垂直な方向が前記レンズの光軸に垂直となるように前記出射効率制御素子が配置されている。
本発明の他の局面によれば、赤外線センサが提供される。該赤外線センサは、入射した赤外光の少なくとも一部を出射する、上述のような構成を有する出射効率制御素子と、焦電体と、該出射効率制御素子と該焦電体との間に設けられており、該出射効率制御素子から出射された該赤外光を該焦電体に集光するレンズと、を備えている。
ある実施形態では、前記焦電体は矩形である。
ある実施形態では、前記レンズは開口が矩形である。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子は、前記プレートの主面に対する法線が前記レンズの光軸に平行とはならないように、傾斜して配置されている。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子の前記グレーティングによって回折された回折光のうち0次回折光だけを前記焦電体に入射し、前記0次回折光以外の回折光を前記焦電体に入射させないように、前記出射効率制御素子が配置されている。
ある実施形態では、前記出射効率制御素子の前記グレーティングと前記プレートとの距離の変化により、前記0次回折光の光量が変化する。
ある実施形態では、前記赤外線センサは、開口部を有する封止体をさらに備えており、該封止体は、前記出射効率制御素子および前記焦電体を内蔵する。
ある実施形態では、前記レンズは、該レンズの位相変調量に応じた凹凸を有しており、Si、Ge、GaAs、InP、GaP、ZnSe、およびZnSからなる群から選択された材料から形成されている。
ある実施形態では、前記プレートの主面に平行で、かつ前記グレーティングに垂直な方向が前記レンズの光軸に垂直となるように前記出射効率制御素子が配置されている。
本発明のさらに他の局面によれば、入射した光の光量を変調して出射する、2次元アレイ状に配置された複数の出射効率制御素子を有する出射効率制御素子アレイが提供される。該複数の出射効率制御素子のそれぞれは、第1電極として機能する部分を有するプレートと、前記プレート上に形成されたスペーサ層と、
前記スペーサ層上に両端を支持されなかつ第2電極として機能する部分を有する互いに平行でない梁からなるグレーティングと、を備えており、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、前記グレーティングと前記プレートとの距離を変化させ、それによって、該光が出射する効率を制御する。
本発明のさらに他の局面によれば、赤外線センサが提供される。該赤外線センサは、赤外光を集光するレンズと、焦電体と、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射する、上述の構成を有する出射効率制御素子アレイとを備えている。
本発明のさらに他の局面によれば、上述した構成を有する赤外線センサの駆動方法が提供される。該方法は、前記複数の出射効率制御素子を順次動作させ、それによって得られる前記焦電体からの出力信号を順次検出する工程と、該検出された該焦電体からの該出力信号に基づいて、2次元的な赤外光強度分布を時系列情報として検出する工程とを包含する。
本発明のさらに他の局面によれば、赤外線センサが提供される。該赤外線センサは、入射した赤外光の少なくとも一部を出射する、上述の構成を有する出射効率制御素子アレイと、焦電体と、該出射効率制御素子と該焦電体との間に設けられており、該出射効率制御素子から出射された該赤外光を該焦電体に集光するレンズとを備えている。
本発明のさらに他の局面によれば、上述の構成を有する赤外線センサの駆動方法が提供される。該方法は、前記複数の出射効率制御素子を順次動作させ、それによって得られる前記焦電体からの出力信号を順次検出する工程と、該検出された該焦電体からの該出力信号に基づいて、2次元的な赤外光強度分布を時系列情報として検出する工程とを包含する。
本発明のさらに他の局面によれば、非接触温度計が提供される。該非接触温度計は、赤外光を集光するレンズと、開口を有する筺体と、該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、該筺体内に設けられた焦電体と、該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、該筺体内に設けられており、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する、上述の構成を有する出射効率制御素子とを備えている。好ましくは、前記接触式温度測定手段は、熱電対である。
本発明のさらに他の局面によれば、非接触温度計が提供される。該非接触温度計は、開口を有する筺体と、該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、該筺体内に設けられた焦電体と、該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、該筺体内に設けられており、該開口を通して入射した赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する、上述の構成を有する出射効率制御素子と、該出射効率制御素子から出射された該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射するレンズとを備えている。好ましくは、前記接触式温度測定手段は、熱電対である。
本発明のさらに他の局面によれば、非接触温度計が提供される。該非接触温度計は、赤外光を集光するレンズと、開口を有する筺体と、該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、該筺体内に設けられた焦電体と、該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、該筺体内に設けられており、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する、上述の構成を有する出射効率制御素子アレイとを備えている。好ましくは、前記接触式温度測定手段は、熱電対である。
本発明のさらに他の局面によれば、非接触温度計が提供される。該非接触温度計は、開口を有する筺体と、該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、該筺体内に設けられた焦電体と、該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、該筺体内に設けられており、該開口を通して入射した赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する請求項71に記載の出射効率制御素子と、該出射効率制御素子から出射された該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射するレンズと、を備えている。好ましくは、前記接触式温度測定手段は、熱電対である。
本発明のさらに他の局面によれば、上述の構成を有するディスプレイ装置の製造方法が提供される。該製造方法は、前記複数の光変調装置を作製する工程と、前記光源、前記分離手段、該複数の光変調装置および前記結像レンズを配置し、組み立てる工程と、を包含しており、該複数の光変調装置を作製する工程は、透明基板の第1の面上に前記集光手段を形成する工程と、該第1の面に対向する該透明基板の第2の面上に、駆動用の接続部をそれぞれが有している前記複数の出射効率制御手段を形成する工程と、該複数の出射効率制御手段を駆動する駆動回路に、該駆動用の接続部を接続する工程と、該駆動用の接続部と該駆動回路との接続不良があるときに、該接続不良に対応する接続部にレーザ光を照射することによって、該接続不良をリペアする工程と、を包含している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態における光変調装置の構成を示す図であり、(a)は下面から見た透視図、(b)は側面図である。
図2は、図1のA−A'線に沿った断面図である。
図3は、回折形の楕円マイクロレンズの一例を示しており、(a)は平面図、(b)は、(a)のマイクロレンズのうちの1つのレンズの断面図である。
図4は、実施の形態1における出射効率制御素子の作製工程を説明する図である。
図5は、出射効率制御素子として可動鏡を用いた光変調装置の構成を示す図である。
図6は、本発明の第2の実施の形態における光変調装置の構成を示す下面からみた透視図である。
図7は、本発明の実施の形態3におけるディスプレイ装置の構成を概略的に示す図である。
図8は、図7のディスプレイ装置における光変調装置の構成を示す図であり、(a)は上面透視図、(b)は断面図である。
図9は、図7のディスプレイ装置における、出射効率制御素子を駆動する駆動回路と光変調装置との接続の様子を示す図である。
図10は、実施の形態3における出射効率制御素子の0次回折効率(反射光の出射効率)の波長依存特性を示す図である。
図11は、配列された複数個の矩形のマイクロレンズのアレイと開口率との関係を示す図である。
図12は、本発明の第4の実施形態における出射効率制御素子を用いた赤外線センサの構成を示す斜視図である。
図13は、図12の赤外線センサの側面図である。
図14は、図12の赤外線センサのレンズの平面図である。
図15は、焦電体上のスポット形状の例を示す図であり、(a)は、従来の円形レンズを用いて焦電体上に入射光を集光した場合を、(b)は、レンズを矩形とした場合を示している。
図16は、第4の実施形態における出射効率制御素子の構成を示しており、(a)は平面図、(b)は、(a)のB−B'線に沿った断面図である。
図17は、図16の出射効率制御素子の製造工程を説明する図である。
図18は、図16の出射効率制御素子の動作を説明する図である。
図19は、本発明の実施の形態5のディスプレイ装置における光変調装置の構成を示しており、(a)は上面透視図、(b)は断面図である。
図20は、図19のディスプレイ装置における、出射効率制御素子を駆動する駆動回路と光変調装置との接続の様子を示す図である。
図21は、実施の形態5における出射効率制御素子のグレーティング形状を模式的に示す図である。
図22は、本発明の実施の形態6における出射効率制御素子の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E'線に沿った断面図を示している。
図23は、本発明の実施の形態7における出射効率制御素子の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F'線に沿った断面図である。
図24は、図23の出射効率制御素子の製造工程を説明する図である。
図25は、図23の出射効率制御素子の動作を説明する図である。
図26は、本発明の実施の形態8における赤外線センサの構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は、直線G−G'を含み、かつy−z平面に平行な面上から−x方向を見たときの図である。
図27は、本発明の実施の形態9における赤外線センサの構成を示す図である。
図28は、図27の赤外線センサにおける出射効率制御素子アレイの構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のH−H'線に沿った断面図、(c)は(a)のI−I'線に沿った断面図である。
図29は、実施の形態9における、出射効率制御素子アレイを用いて光源(熱源)の2次元強度分布を測定する手段の構成を示す図である。
図30は、本発明の実施の形態10における赤外線センサの構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は直線J−J'を含み、かつy−z平面に平行な面上から−x方向を見たときの図である。
図31は、本発明の実施の形態11の非接触温度計の構成を示す断面図である。
図32は、従来の光変調装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のK−K'線に沿った断面図である。
図33は、従来の光変調装置における光変調原理を説明する図である。
図34は、回折形の楕円マイクロレンズアレイの平面図である。
図35は、可動鏡アレイを用いた光変調装置の構成を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
(実施の形態1)
図1(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第1の実施の形態における光変調装置の構成を示す下面から見た透視図および側面図であり、図2は、図1のA−A'線に沿った断面図である。
本実施の形態における光変調装置は、図1に示すように、例えば、厚さ2mmのガラス等の透明基板1の表面である第1面に、第1の集光手段としてのマイクロレンズ3a、および、第2の集光手段としてのマイクロレンズ3bが形成されている。マイクロレンズ3aおよび3bは、隣接して設けられた同一形状のレンズである。
透明基板1の第1面に対向する第2面上には、反射形の出射効率制御素子2が形成されている。出射効率制御素子2は、レンズ3aの中心とレンズ3bの中心とを結ぶ直線の中央(レンズの隣接点)から、レンズを形成した平面(第1面)に対する垂線と、出射効率制御素子2が設けられる面(第2面)との交点を中心として配置されている。すなわち、本実施の形態では、マイクロレンズ3a,3bの中点の真下に、出射効率制御素子2を配置している。
本実施の形態では、マイクロレンズ3a、3bとして、口径1mmの円形レンズを用いた。このような円形レンズは、どのような方法によって作製してもよいが、本実施の形態では、基板1上にレジストを塗布し、レジスト軟化温度以上でベーキングすることによってレジストフローを生じさせ、表面張力により山形にするという方法で作製した。
なお、本実施形態では、円形のマイクロレンズを用いているが、マイクロレンズの形状はこれに限られない。例えば、矩形、あるいは楕円形のレンズを用いることもできる。また、回折形のマイクロレンズ、あるいは非球面レンズを、フォトリソグラフィや、エッチング、堆積等の半導体プロセスを用いて作製してもよい。図3(a)に、回折形の楕円マイクロレンズの一例の平面図を示す。また、図3(b)に、図3(a)のマイクロレンズの1つをx−z平面で切ったときの断面図を示す。図3(b)に示すような断面が階段形状のバイナリ/マルチレベル構造の回折形マイクロレンズは、通常の半導体プロセスで用いられるフォトリソグラフィとエッチング/薄膜堆積を繰り返して一括して大量作製することができる。このため、量産性および作製精度に優れたマイクロレンズを得ることができる。
例えば、ビーム径が0.9mmの入射光4は、その光軸が図1(b)に示すz軸方向からの角度θ1(例えば、20.2゜)でマイクロレンズ3aに入射し、基板1内の光軸の入射角θ(例えば、13.3゜)で基板1を進行し、出射効率制御素子2に集光される。ここで、入射光4は反射されて(反射角θ、例えば13.3゜)、マイクロレンズ3bでコリメートされ、光軸の出射角度θ1(例えば、20.2゜)で、出射光5として出力される。
また、本実施の形態では、透明基板1の表面のマイクロレンズ3aおよび3bと出射効率制御素子2が形成された領域以外の領域には、光吸収部材6を設けている。光吸収部材6は、入射する光の波長に対して光吸収作用のある膜、例えばカーボンまたはフタロシアニン化合物を、ポリイミドやPMMA等の高分子に混ぜて塗布することによって作製した。しかし、光吸収部材6の構成および作製方法はこれには限られず、入射光の波長に対して光吸収効果がある色素等の有機膜を蒸着してもよい。このような光吸収部材6を設けることにより、基板内1および基板外からの迷光を除去し、出射光5のS/Nを向上させるという効果がある。
本実施の形態では、マイクロレンズ3aおよび3bの周辺部にも光吸収部材6を設けている。このような構成により、通常基板1との表面張力によりレンズ特性が劣化しがちであるマイクロレンズの周辺部を用いずに、レンズ特性が良好な領域のみを第1および第2の集光手段として使用することができるという効果がある。
出射効率制御素子2の平面構造は、図1(a)に透視して示しており、例えばサイズは100μm×100μmである。以下に、図2および4を参照しながら、出射効率制御素子2の構造および作製工程を説明する。なお、以下の出射効率制御素子2の構造の説明では、基板1の裏面(第2面)から見て述べるため、上下の言い回しは、図2中の上下関係と逆になる。
まず、図4(a)に示すように、透明基板1の一つの表面上に、第1の電極として機能する透明導電膜7および反射膜8をこの順に形成する。本実施の形態では、厚さ2mmのガラス基板を基板1として用いて、その上に、透明導電膜7として厚さ500ÅのITO膜を形成し、反射膜8として、厚さが例えば4000ÅのAl膜を形成した。
続いて、反射膜8上にレジストマスク(図示せず)を形成し、エッチングを行って反射膜8を適切な形状にパターニングして、図4(b)に示すように第1のグレーティング8aを形成する。その後、図4(c)に示すように、グレーティング8aを覆って、厚さL2の絶縁層9を形成する。本実施形態では、絶縁層9として厚さ0.086μmのSiO2層を形成した。この絶縁層9は、第1のグレーティング8aと後述する第2のグレーティング8bとのショートを防ぐために用いられる。
さらに、絶縁層9上に、図4(d)および図4(e)に示すように犠牲層10および反射膜8'を形成する。本実施形態では、犠牲層10としては、厚さ0.3μmのポリイミド層を形成し、反射膜8'としては、厚さが例えば4000ÅのAl膜を形成した。この犠牲層10は、スペーサ層として機能する。次いで、反射膜8'上にレジストマスク(図示せず)を形成し、エッチングを行って反射膜8'を適切な形状にパターニングして、図4(f)に示すように、第2の電極として機能する第2のグレーティング8b、および電極8cを形成する。第2のグレーティング8bは、両端が犠牲層(スペーサ層)10上に支持されている複数本の梁として形成されており、電極8cに電気的に接続されている。最後に、犠牲層10を除去する。これによって、第2のグレーティング8bと絶縁層9との間には、距離L3の空間が形成される。
第1電極7と第2電極8bとに電圧を印加すると、静電力により、第2のグレーティング8bがSiO2層9に密着し、その結果、第1および第2のグレーティング8a、8bの間隔が変化する。これにより、基板1側からの入射光でも、出射効率を制御することができる。
SiO2層9の膜厚L2、および第2のグレーティング8bとSiO2層9との間の空間部の距離L3は、SiO2層9の屈折率をn(例えば1.5)、入射光4の波長をλ(例えば0.5μm)としたときに、L2=λ/(4ncosθ)、L3=λ/(4cosθ1)を満足するように設定されている。したがって、図2(a)に示す電圧を印加しない状態では、入射光4側から見た第1のグレーティング8aと第2のグレーティング8bとの距離が1/2波長となり、往復で光の位相が整合することになる。つまり、出射効率制御素子2は、電圧無印加時にはミラーと同じ役割を果たし、0次回折光である反射光5のみが生じる。一方、図2(b)に示す電圧印加時には、第1のグレーティング8aと第2のグレーティング8bとの距離が1/4波長になるため、往復で逆位相となって反射光は打ち消しあい、±1次回折光11a、11bが生じるというものである。すなわち、反射光5の強度、または±1次回折光11a、11bの光の強度変調ができることになるが、本実施の形態では、反射光(0次回折光)に注目して、反射光の変調に用いた。
本発明の光変調装置は、入射光4をマイクロレンズ3aにより集光して、出射効率制御素子2上に照射し、0次回折光である反射光をマイクロレンズ3bによりコリメートして、出射光5として出力する。これにより、入射光4および出射光5のビーム径よりも非常に小さい面積の出射効率制御素子2を用いて、出射する光の効率を変調することができる。上述したようにして作製した100μm×100μmのサイズの出射効率制御素子2では、第2のグレーティング8bを浮かせる工程で、第2のグレーティング8bがSiO2層9に付着することも少なく、歩留まりよく作製することができた。
また、グレーティング部分のサイズが小さくなったことにより、応答速度を向上させることもできる。
さらに、本実施の形態の光変調装置においては、上述したように、透明基板1の裏表面に、マイクロレンズ3a、3b、および出射効率制御素子2をモノリシックに集積化している。したがって、構造的にも安定した光変調装置を得ることができる。
また、マイクロレンズを用いて出射効率制御素子2上に入射光を集光させる場合、マイクロレンズの焦点上に出射効率制御素子2を正確に配置する必要がある。しかし、本実施の形態の光変調装置では、透明基板1の厚みをマイクロレンズの焦点距離に対応するようにしておけば、マイクロレンズと出射効率制御素子2との距離を正確に設定することが容易となり、精度よく組立ができる。
なお、出射効率制御素子と、出射効率制御素子上に入射光を集光させるための集光手段とを別々の基板上に作製して、それらを組み合わせても動作可能である。また、従来の光変調装置と、マイクロレンズを組み合わせても、一体化はできないが動作は可能である。
さらに、本実施の形態で用いた反射形の出射効率制御素子の代わりに、透過形で機能する出射効率制御素子とミラー等の反射手段とを組み合わせたものを、マイクロレンズ等の第1および第2の集光手段とともに用いてもよい。
また、出射効率制御素子として、本実施の形態では、回折を利用したグレーティング構造の素子を用いたが、これに限らず、光の出射効率を制御することができるような素子であればよい。例えば、静電力で制御できるようなマイクロミラー構造の可動鏡でもよい。
図5に、出射効率制御素子として可動鏡を用いた光変調装置の一例の断面構成を示す。この光変調装置では、一表面に可動鏡24が設けられた基板20と、第1および第2の集光手段としてのマイクロレンズ3a、3bが一表面に設けられた透明基板22とが、可動鏡24およびマイクロレンズ3a、3bを内側にして対向するように配置されている。各可動鏡24は、上述したグレーティング構造の出射効率制御素子2と同様に、隣接するマイクロレンズ3a、3bの中点の真下に配置されており、マイクロレンズ3aから入射してきた光4を反射して、反射光5としてマイクロレンズ3bから出射する。このような構成の光変調装置では、光の反射のみを利用して光変調を行っている。このため、出射効率は、入射光4の波長には依存せず、使いやすいという利点がある。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における光変調装置の基本構成を示す下面からみた透視図である。図6において、図1に示している構成要素と同じ構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態の光変調装置は、出射効率制御素子2に光を集光させる第1の集光手段、および出射効率制御素子2からの光を出力する第2の集光手段の構造のみが、上記実施の形態1の光変調装置とは異なる。実施の形態1では、第1、第2の集光手段として、円形のマイクロレンズ3a、3bを用いていたが、本実施の形態では、楕円形のマイクロレンズ3'a、3'bが長軸を隣接するように設けられている。
楕円形のマイクロレンズ3'a、3'bは、それぞれ、厚さ方向の断面が徐々に小さくなる相似形の楕円形状であり、入射光の入射角をθ1としたとき、楕円の長軸の短軸に対するサイズ比が1/cosθ1になるように設計されている。
このように、マイクロレンズ3'a、3'bを入射角に応じた楕円形状にすることにより、マイクロレンズに斜めに入射する光に対して生じる収差を減少させ、良好に光変調させることができるという効果がある。
本実施の形態では、例えばθ1=35゜で、楕円の長軸の短軸に対するサイズ比は、例えば1.22とした。このような大きな入射角においても、良好に機能させることができた。特に、楕円形マイクロレンズとしては、作製上の点から、図3(a)および(b)に示したようなバイナリ/マルチレベル構造の回折形の楕円マイクロレンズが適している。
(実施の形態3)
続いて、図7〜図10を参照しながら、本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイ装置を説明する。なお、これらの図面において、図1〜図6に示されている構成要素と同じ構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図7は、本実施の形態におけるディスプレイ装置の構成を概略的に示すものであり、図8(a)および(b)は、図7のディスプレイ装置における光変調装置の基本構成を示す上面透視図および断面図である。また、図9は、図7のディスプレイ装置における、出射効率制御素子を駆動する駆動回路と光変調装置との接続の様子を示す図である。図10は、本実施形態における出射効率制御素子の0次回折効率(反射光の出射効率)の波長依存特性を示している。
図7に示すように、本発明のディスプレイ装置は、光源201、ダイクロイックミラー202a、202b、202c、202dおよび202e、3つの光変調装置203a、203bおよび203c、ミラー204、ならびにスクリーン上に像を結像する投影レンズ205を有している。光源201は、例えば、メタルハライドランプやキセノンランプ等の白色光源である。光源201から出射された白色光は、特定の波長域の光のみを選択的に反射するダイクロイックミラー202a、202bおよび202cによって、青色光、緑色光および赤色光に分離され、各色光に対して設けられた光変調装置203a、203bおよび203cに入射する。ここで各色光は、表示すべき画像に応じて光変調される。変調された各色光は、ダイクロイックミラー202dおよび202eによって1つの光に合成され、投影レンズ205によってスクリーン(図示せず)上に投影される。
以下、本実施の形態のディスプレイ装置の動作を説明する。
まず、光源201から平行光として出射された光は、青色光(例えば0.41〜0.49μmの波長域の光)を選択的に反射するダイクロイックミラー202aに入射する。ここで、青色光Bだけが反射されて90度向きを変え、光変調装置203aに入射する。光変調装置203aは、制御回路(図示せず)によって各画素毎にスイッチングされており、入射光は画素毎に変調され、0次回折光である反射光が出射する画素と、出射しない画素ができる。変調された青色光B'は、ダイクロイックミラー202aと同様に青色光を選択的に反射するダイクロイックミラー202eに入射して、ここで光路を折り曲げられて、他の光と合成され、結像レンズ205によりスクリーン(図示せず)上に結像される。
ダイクロイックミラー202aを透過した緑色光と赤色光のうち、緑色光Gは、緑色光(例えば0.5〜0.6μmの波長域の光)を選択的に反射するダイクロイックミラー202bにより反射されて90度向きを変え、光変調装置203bに入射する。変調された緑色光B'は、ダイクロイックミラー202bと同様に緑色光を選択的に反射するダイクロイックミラー202dにより90度向きを変え、他の色と合成され、投影レンズ205により結像される。
ダイクロイックミラー202bを透過した赤色光Rは、赤色光(例えば0.6〜0.7μmの波長域の光)を選択的に反射するダイクロイックミラー202cによって光路を90度曲げられ、光変調装置203cに入射し、空間変調される。変調された赤色光R'は、ミラー204により光路を折り曲げられて、レンズ205により結像され、その結果、スクリーン上では3原色が混色されてカラー画像が形成される。
各光変調装置では、図8(a)および(b)に示すように、透明基板1の表面である第1面上には、アレイ状に配列された複数の集光手段、例えば口径40μmのマイクロレンズ3"が、例えば40μmの周期で、隣り合うように形成されており、第1面に対向する透明基板1の第2面上には、アレイ状に配列された複数の出射効率制御素子2'が、例えば40μmの周期で形成されている。本実施の形態では、各出射効率制御素子2'のサイズを20μm×20μmとした。
本実施形態においても、マイクロレンズによって光を出射効率制御素子2'上に集光させるので、出射効率制御素子2'のサイズをマイクロレンズの口径よりも小さくすることができる。その結果、各出射効率制御素子2'の周りに、出射効率制御素子2'を駆動するための配線の引き回しや、制御回路を構成することができ、デッドスペースを減らすことができる。したがって、実質的に、開口率を上げ、光利用効率を向上させることができる。
本実施の形態の各光変調装置では、実施の形態1で述べた出射効率制御素子において、SiO2層の膜厚、および空間部(第2のグレーティングとSiO2層との間)の距離を入射光の波長に応じて最適化したものを用い、これをアレイ状に配列している。具体的には、本実施の形態では、青色光用の光変調装置203aの設計波長を0.45μm、緑色光用の光変調装置203bの設計波長を0.55μm、赤色光用の光変調装置203cの設計波長を0.65μmとした。
各光変調装置は、図8(b)に示すように、ダイクロイックミラーから入射してくる光4がマイクロレンズ3"の光軸に対して斜めに入射し、かつ、その隣のマイクロレンズから、入射角と同じ角度で、光軸に対して斜めに出射するように配置されている。また、各光変調装置において、出射効率制御素子2'とマイクロレンズ3"との配列間隔を等しくし、出射効率制御素子2'のアレイとマイクロレンズ3"のアレイとを、入射光の傾いている方向(図8(b)におけるx方向)にお互いに配列間隔の半分ずらせて配置している。
このような配置により、本発明の光変調装置では、各出射効率制御素子2'に光4を入射させる第1の集光手段としてのマイクロレンズは、x方向において隣接する出射効率制御素子2'からの光5を出射させる第2の集光手段を兼ねることになる。したがって、上記実施の形態1で述べたように、本発明の出射効率制御素子はx方向に隣接するマイクロレンズを2つ必要とすることになるが、それをディスプレイ装置の光変調装置においてアレイ状に配置する場合には、マイクロレンズの個数は、アレイに含まれる出射効率制御素子の個数に、y方向1列分の個数だけ増加させるだけでよい。
例えば、640(x方向)×480(y方向)個の画素に対応させるためには、出射効率制御素子2'は、640(x方向)×480(y方向)個を配列させる必要がある。しかし、マイクロレンズ3"は、641(x方向)×480(y方向)個を配列させるだけでよく、マイクロレンズの個数増加の割合は、わずか0.16%である。このように、本発明のディスプレイ装置では、隣接するマイクロレンズを対にして用いる構成ではありながら、ほとんどマイクロレンズの個数の増加を伴う必要がないため、製造が楽であるという効果がある。
本実施の形態のディスプレイ装置では、アレイ状に配列されたマイクロレンズ3"および出射効率制御素子2'を、それぞれ透明基板1の表面および裏面に一体化することにより光変調装置を作製している。したがって、安定した構造の光変調装置を得ることができる。特に、マイクロレンズ3"の焦点距離と透明基板1の厚さとを一致させておくことによって、容易に、マイクロレンズ3"の焦点上に出射効率制御素子2'を正確に配置することができ、良好な変調特性を実現することができる。
また、各光変調装置では、透明基板1の表面のマイクロレンズ3"および出射効率制御素子2'が設けられている領域以外の領域には、光吸収部材6を設けている。本実施の形態では、光吸収部材6は、使用波長に対して光吸収作用のある膜、例えばカーボンまたはフタロシアニン化合物を、ポリイミドやPMMA等の高分子に混ぜて塗布することによって作製した。しかし、光吸収部材6の構成および作製方法はこれには限られず、使用波長に対して光吸収効果がある色素等の有機膜を蒸着してもよい。このような光吸収部材6を設けることにより、基板内1および基板外からの迷光を除去し、出射光5のS/Nを向上させるという効果がある。
本実施の形態では、マイクロレンズアレイの各レンズ3"の周辺部にも光吸収部材6を設けている。このような構成により、通常、基板1との表面張力によりレンズ特性が劣化しがちであるマイクロレンズ周辺部を用いずに、レンズ特性が良好な部分のみを使用することができるという効果がある。
また、マイクロレンズ3"の形状は円形には限られず、矩形、あるいは楕円形のレンズを用いてもよい。図11に、配列された複数個の矩形のマイクロレンズのアレイを示す。図11(a)〜(c)に示すように、マイクロレンズの形状および配列を変更することによって、デッドスペースを減らし、開口率を向上させることができることがわかる。
楕円形のマイクロレンズのアレイは、光変調装置への入射角および出射角が大きい場合に有効である。楕円形マイクロレンズアレイの例を、図34に示す。楕円形のマイクロレンズの使用により、マイクロレンズの光軸に対して斜めに入射する光に対して生じる収差を減少させ、良好に光変調させることができる。さらに、楕円形マイクロレンズは、入射光4の入射角をθ1としたときに楕円の長軸の短軸に対するサイズ比が1/cosθ1となるように設計することが好ましい。
また、円形レンズをマイクロレンズ3"として用いる場合、マイクロレンズ3"は、例えばレジストを基板1上に塗布し、レジスト軟化温度以上でベーキングすることによってレジストフローを生じさせ、表面張力によって山形にするという方法で作製することができるが、それ以外の方法によって作製してもよい。あるいは、例えばフォトリソグラフィ、エッチング、堆積等の通常の半導体プロセスによって作製した回折形レンズ、あるいは非球面レンズをマイクロレンズ3"として用いてもよい。
本発明のディスプレイ装置では、光変調装置の出射効率制御素子2'のアレイを駆動するための駆動回路を専用のIC12で構成し、このIC12を、図9に示すように、ソルダバンプ13によって、各出射効率制御素子2'の電極部2'aに電気的に接続している。このような構成にすることによって、非常にコンパクトで、安定なデバイスにすることができる。特に、出射効率制御素子2'アレイ駆動用の回路が専用のICになっているため、出射効率制御素子2'のアレイとの接続が容易である。
また、このような構成においては、うまく接続されていないソルダバンプ13と出射効率制御素子2'があっても、容易にリペアすることができる。出射効率制御素子2'の上面側にある透明基板1およびマイクロレンズアレイが、ともに光を透過するからである。具体的には、接続不良の出射効率制御素子2'の上面から、YAGレーザ光やCO2レーザ光等のレーザ光を、接続できていない電極部に照射し、アニールしてリペアする。
次に、図7および図10を参照しながら、各光変調装置の変調特性と、光源201から各色光を分離していく順序との関係を説明する。
本実施の形態の光変調装置203a、203bおよび203cは、それぞれ、図10(c)、(b)および(a)に示すような、変調特性を有しており、本発明者は、波長が短くなるにつれて、変調できる消光比は低下する傾向にあることを発見した。このため、青色光に対応したB用の光変調装置203aに入射する波長帯域を、本来は0.40〜0.50μm(帯域幅0.1μm)にすべきところを、例えば、0.41〜0.49μm(帯域幅0.08μm)になるように、第1のダイクロイックミラー202aで制限し、そうすることによって、B用の光変調装置203aの変調特性、特に消光比を向上させるようにした。
しかし、波長帯域を制限すると光パワの低下が生じてしまう。したがって、本実施の形態のディスプレイ装置においては、光源201から出射した光を、まず第1に、青色光を選択的に反射するダイクロイックミラー202aに入射させることによってこれを防止している。この理由は、ダイクロイックミラーを光が通過すると、通過域の波長の光でも、多少吸収されるためである。
G用およびR用の光変調装置203b、203cの入射波長帯域は、通常で、特に制限しなかった(帯域幅0.1μm)が、消光比を向上させるためには、G用の光変調装置の入射波長帯域はわずかに、例えば0.505〜0.595μm(帯域幅0.09μm)に制限するほうが望ましい。この場合、緑色に対応するダイクロイックミラー202bを2番目におく構成により、帯域制限による光パワの低下を防止することができる。
このように、本実施の形態のディスプレイ装置では、各光変調装置の変調特性を考慮して、各色光を選択的に反射するダイクロイックミラーと光変調装置とを配置している。
さらに、本実施の形態では、光の回折を利用したグレーティング構造の出射効率制御素子を有する光変調装置を用いたディスプレイ装置を説明したが、本発明はこれには限られない。例えば、図35に示すような、静電力で制御できるようなマイクロミラー構造の可動鏡24をアレイ状に配列した光変調装置を用いてもよい。この場合、各可動鏡24は、光の回折は利用せずに、反射のみを利用して出射光を制御する。したがって、可動鏡を用いた光変調装置では、その変調特性は、入射する光の波長には依存しない。その結果、3つの光変調装置を、各色光の波長域に合わせて設計する必要がなく、同一の仕様のものを用いることができる。
以上説明したように、本発明の光変調装置では、出射効率制御素子と集光手段とを組み合わせて用いることにより、出射効率制御素子の面積を減らすことができる。このため、応答速度が速く、製造が容易なビーム径の大きな入射光を変調できる光変調装置を実現することができる。さらに、この光変調装置を用いることによって、光利用効率の大きい投射型のディスプレイ装置を実現することができる。
(実施の形態4)
続いて、本発明の出射効率制御素子のさらに他の実施の形態を、それを適用した赤外線センサを例として説明する。
上記実施の形態1〜3では、出射効率制御素子のグレーティングの形状を矩形にしているが、本実施の形態4では、台形のグレーティング形状を採用している。以下、図面を参照しながら、本実施の形態4を説明する。
図12および図13は、本発明の第4の実施形態における出射効率制御素子を用いた赤外線センサの基本的構成を示した斜視図、および側面図である。本実施の形態の赤外線センサ100は、出射効率制御素子101、焦電体103、レンズ105を有している。出射効率制御素子101および焦電体103は、図13に示すように、筺体111内に収容されており、レンズ105は、筺体111の上面に取り付けられている。レンズ105は、例えば、図13に示すような断面形状を有するシリコンからなる正方形開口の回折形レンズであり、赤外線センサ100に入射した光107を集光する。出射効率制御素子101は、レンズ105により集光される光107の光路上に、レンズ105の取り付け面に平行な面から角度θ2だけ傾斜して配置されている。焦電体103は、出射効率制御素子101から出射される光の少なくとも一部が焦電体103に入射するように配置されている。
図14は、図12および図13に示されるレンズ105の平面図を示したものである。図14に示すように、本実施形態の赤外線センサ100においては、レンズ105の開口形状は例えば正方形であり、例えばその断面が4段階の階段形状からなる回折形レンズである。図14に示すように、本実施形態では正方形形状の4隅にまで回折格子を形成することで、レンズ開口部の面積を大きくして、光利用効率を向上させている。
一方、図12に示すように、焦電体103は、一般に、その製造の容易性やコストの面から矩形形状を成しているが、例えば一般的な円形形状のレンズで入射光を集光すると、焦電体上のスポット形状もやはり円となる。図15に、焦電体103上のスポット形状の例を示す。図15(a)は、従来の円形レンズを用いて焦電体上に入射光を集光した場合を示している。図15(a)からも明らかなように、焦電体の四隅の部分にはデッドスペースとなり光が入射しないため、焦電体全体を有効活用することができなかった。
一方、図15(b)は、本実施の形態4のようにレンズ105を矩形とした場合のスポット形状を示している。焦電体103上に結ばれるスポットは、図15(b)のように円形レンズを用いた場合よりもサイズが小さい矩形となり、面積の小さい焦電体で済むため、コストが低減できるという効果がある。具体的には、焦電体上に光を集光するレンズを矩形レンズとすることで、焦電体は、面積比で25%小さくすることができた。また同時に、焦電体全体に光を入射することが可能となり、赤外線センサからの出力信号レベルでは、従来値より25%以上大きくすることができた。
ところで、本実施の形態4のように、矩形の開口を有するレンズを用いると、図12に示すように、出射効率制御素子101上に入射される光のスポット形状は台形になる。本実施の形態では、例えばレンズ105のサイズを□3mm、焦点距離を6mm、傾斜角θ2を45゜とし、レンズ105と焦電体103との例えばちょうど中間の位置に出射効率制御素子101を配置している。したがって、スポット形状は、レンズ105に近い側の辺(下底)が長さ2.0mm、レンズ105から遠い側の辺(上底)が長さ1.2mm、高さ(z方向)が2.3mmの台形となっている。
図16(a)に本実施の形態4の出射効率制御素子101の平面図を、図16(b)に、図16(a)のB−B'線に沿った断面図を示している。
出射効率制御素子101の基板121は、例えばSiウェハーを熱酸化して熱酸化膜を0.1μm形成した後、減圧化学気相成長法(以下、LPCVDと表記)によりシリコン窒化膜を0.2μm堆積して、絶縁層を形成したものである。この基板121上には、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜からなるスペーサ層123が形成されている。さらにその上には、弾性体層125が形成されている。本実施の形態4では、弾性体層125は、残留応力を低減したシリコン窒化膜から形成した。梁126は、図16(b)に示すように、弾性体層125をパターニングして形成されたものであり、その上に上部反射膜127が形成されている。基板121上には下部反射膜128が形成されている。これらの反射膜127および128は、例えば、厚さ0.1μmのAuから形成される。このような構成の出射効率制御素子101に、集光赤外光115が入射すると、出射効率制御素子101上には、図16(a)に示すように、台形状の入射光スポット129が形成される。
図16(a)に示すように、本実施の形態4では、出射効率制御素子101は台形形状である。これは先に述べたように矩形レンズを用いることで出射効率制御素子101上の光のスポット129の形状が図16(a)に示すような台形になることに対応したものである。本実施の形態4では、前述したようにスポット129の形状は、上底が1.2mm、下底が2.0mmというようにy方向の幅が変化する。このため、従来の出射効率制御素子のように互いに平行な梁からなるグレーティングでは、スポットの上底付近と下底付近で、スポット内にある梁の本数が変化してしまい、これによって生じる回折現象が上下位置で不均一になり、その結果、変調効率が低下してしまっていた。これに対して、本実施の形態の出射効率制御素子101では、グレーティングを構成する梁126の周期をスポット129の形状に合わせて変化させることによって、スポット129内の梁の本数が一定になるようにし、均一な回折現象を発生させることで回折効率が低下しないようにしている。
次に、図17を参照しながら、出射効率制御素子101の製造工程の一例を説明する。なお、図17において図16と同一の構成要素には同一の番号を附記し、説明を省略する。
まず、絶縁膜がその上に形成された基板121を作製する。基板としては、例えばシリコン基板等が用いられる。本実施の形態では、シリコン基板を用いて、それを熱酸化することによって0.1μmの酸化膜を形成した後、さらにLPCVDによりシリコン窒化膜を0.5μm堆積した。
続いて、図17(a)に示すように、この基板121上に、例えばLPCVDによって、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜からなるスペーサ層123を形成する。スペーサ層123の厚みは、出射効率制御素子に入射する光の波長をλとして、λ/(4cosθ2)で与えられる。本実施形態は、入射光の波長λを10μmとしている。なお、θ2は、レンズが取り付けられている面と平行な面に対する出射効率制御素子101の傾斜角、すなわち光が出射効率制御素子に入射する角度であり、本実施の形態では、上述したようにθ2=45゜としている。したがって、本実施の形態では、リンを多量にドープしたシリコン酸化膜を、LPCVDによって厚さ3.5μmに堆積した。
次に、図17(b)に示すように、スペーサ層123上に、厚さがλ/(4cosθ2)で与えられる弾性体層125を形成する。本実施の形態では、シリコンの含有比を増すことで膜に残留する引張応力を例えば200MPa以下に低減したシリコン窒化膜を、LPCVDによって3.5μmの厚さに形成した。
続いて、弾性体層125上にレジストをスピンコート塗布し、露光・現像を行って、図17(c)に示すようにレジストマスク131を形成する。次いで、ドライエッチングにより、弾性体層125をパターニングし、梁126および開口部132を形成する。その後レジスト131を除去し、さらに、バッファード・フッ酸を用いた等方性のウエット・エッチングによって、スペーサ層123を開口部132から梁126の下まで除去して、図17(e)に示すように、梁126を中空に浮いた状態にする。このようにして、梁126を、両端がスペーサ層123上に支持されている両持ち梁とする。
最後に、この状態の基板の上に、例えば厚さ0.1μmのAuからなる反射膜を蒸着して、図17(f)に示すように、上部反射膜27および下部反射膜28を形成する。以上の工程により出射効率制御素子のグレーティング構造が完成する。
以上のように構成された出射効率制御素子の動作について、図18を参照しながら説明する。なお、図18において、図17と同一の構成要素には同一の番号を附記し、説明を省略する。
本実施の形態4の出射効率制御素子101は、上部反射膜127と基板121との間に印加する電圧をオン・オフすることで動作する。図18(a)は、上部反射膜127と基板121の間に電圧を印加していない状態を示しており、梁126は中空に浮いた状態となって梁126と基板121との間には空気層137が形成されている。このとき、上部反射膜127の表面と下部反射膜128の表面との段差は、例えば変調対象の光135が出射効率制御素子101に入射する入射角をθ2(図13参照)とし、光135の波長をλとすると、λ/(2cosθ2)で表される値に設定されている。
例えば本実施の形態4では、θ2=45゜、λ=10μmとしているので、その値は7.0μmとしている。このとき、上部反射膜127で反射する光と下部反射膜128で反射する光との位相差は、往復で1波長分の2πとなり位相が揃う。したがって、出射効率制御素子101は単なるミラーとして作用し、入射光135は0次回折光136となり、入射側へ反射される。
次に、図18(b)に示すように、上部反射膜127と基板121との間に電圧を印加すると、上部電極である上部反射膜127、および下部電極である基板121は、空気層137と基板121の表面に形成されている絶縁層(図示せず)とを挟むコンデンサを形成し、上部反射膜127には例えば正電荷が、基板121には例えば負電荷がチャージされる。この電荷間に静電引力が作用するため、図18(b)に示すように、梁126は、基板121の表面に接触するまで基板121側に引き寄せられる。このとき、上部反射膜127の表面と下部反射膜128の表面との段差は、λ/(4cosθ2)で与えられる値に設定されており、例えば本実施の形態4では3.5μmとしている。したがって、上部反射膜127の表面で反射する光と下部反射膜128の表面で反射する光との位相差は、往復で半波長分のπとなるため、互いに打ち消しあって、0次回折光が消滅し、代わりに0次以外の回折光が出射するようになる。例えば、図18(b)に示すように、電圧を上部反射膜127および基板121の間に印加したときには、±1次回折光138aおよび138bが、それぞれ41%の回折効率で発生する。
なお、実際には、各梁126の両端のスペーサ層123上に固定されている部分(図16(a)におけるC部およびD部)の付近では、梁126は、完全に基板121まで引き寄せられない。このため、図16(a)に示すように、入射光スポット129に対して梁126を上下に長くし、これらの不完全動作部に光が入らないようにして変調率の低下を防いでいる。
以上の動作により、本実施の形態4の出射効率制御素子101では、印加電圧のオン・オフにより0次回折光の強度を変調することが可能である。
次に、本実施の形態4における出射効率制御素子101のグレーティング部分の形状、特にグレーティングの周期の設定を説明する。本実施の形態4の赤外線センサ100では、平行光ではなく、集光光を出射効率制御素子101に入射させている。このため、出射効率制御素子101のグレーティング部分のうち、y方向の中央部ではほぼ100%の0次回折効率が得られる(電圧オフ時)が、y方向の周辺部では図16(b)に角度βで示すように入射の角度が傾くため、次第に回折効率が減少することを本発明者らは見いだした。同じ理由により、電圧オン時では、グレーティング周辺部で0次回折効率が0%から増大し、全体として光量の変化量幅は低下する。しかしながら、グレーティングの周期Λが入射光の波長λの7倍以上(Λ/λ≧7)であれば、斜め入射でも回折効率の変化は小さく、集光光の入射は、赤外線センサ100として問題がないことを本発明者らは発見した。このため、本実施の形態4では、図16(a)のC部における最小のΛは、例えば70μmとしている。
さらに、前述したように本実施の形態4では、グレーティングの周期Λを入射光スポットの形状に合わせて変化させている。具体的には、レンズ105の焦点距離をf、正方形レンズ105の1辺の長さをLとすると、図16(a)のD部におけるグレーティングの周期Λは、C部における周期Λの少なくとも(2f+Ltanθ2)/(2f−Ltanθ2)倍以上であるようにしている。例えば、本実施の形態4では、f=6mm、L=3mm、θ2=45゜であるので、D部におけるグレーティングの周期Λを、C部における周期Λの1.67倍である117μm以上としている。
以上のように出射効率制御素子101を構成することで、台形形状の光スポットに対しても、グレーティングのどの部分でも均一に回折が行われ、高い変調効率を得ることができた。
図32および図33に示した従来の出射効率制御素子では、上部反射膜の表面と下部反射膜の表面との段差を、使用波長の1/2、1/4と変化させ、入射角を0゜、すなわち垂直に光を入射させることで入射光の変調を行っている。しかし、このような構成では、出射効率制御素子に対して垂直に光を入射させるために入射光と0次回折光の分離が難しく、0次以外の回折光を出射光として利用していたため、光の利用効率が極めて低かった。また、上述した従来の出射効率制御素子において、出射効率制御素子を傾けて光を斜めから入射させ、0次回折光を利用しようとすると、駆動時の位相差が適切な値とならないため、変調効率が低下してしまうことを、本発明者らは発見した。
これに対して、本実施の形態4の出射効率制御素子では、上部反射膜127と下部反射膜128との段差を、入射角θ2の値に応じて、それぞれ、λ/(2cosθ2)、λ/(4cosθ2)に設定している。これにより、変調効率を低下させずに0次回折光を容易に分離できるようになった。
以上説明したように、本実施の形態の出射効率制御素子では、グレーティング部分において一様な回折効果を得ることができ、部分的に変調特性が劣化するようなことはない。また、グレーティングの形状(上部反射膜と下部反射膜との段差、および梁の周期等)を、出射効率制御素子に光が入射する条件、つまり入射角、入射光がグレーティング上で形成するスポットの形状等に応じて設計し、光を出射効率制御素子に対して垂直方向からではなく、斜め方向から入射させている。その結果、変調効率を低下させることなく、容易に0次回折光を出射光として得ることができるようになる。したがって、この出射効率制御素子を用いることにより、光利用効率が高く、かつ高感度の小型赤外線センサを提供することが可能である。
本実施の形態4では、出射効率制御素子に入射光を集光させるレンズが矩形の開口を有し、グレーティングの形状が、集光される光スポットの形状に合わせて台形に設計されている場合を特に説明している。しかし、レンズの形状、およびグレーティングの形状はこれには限られない。出射効率制御素子上の入射光スポット内の梁の本数が異なるような他の形状の開口のレンズであっても、そのスポット形状に合わせてグレーティングの形状を設定してやれば良いことは言うまでもない。さらに、グレーティングの長手方向での周期の変化は、特に1次関数的である必要はなく、出射効率制御素子上での入射光スポット形状によって最適な形状を表す関数を適宜選べばよい。
(実施の形態5)
次に、本発明の第5の実施の形態におけるディスプレイ装置を説明する。本実施の形態におけるディスプレイ装置は、光変調装置の構成が異なる点を除いては、上記実施の形態3で述べたディスプレイ装置と同様の構成を有している。したがって、ディスプレイ装置の概略構成に関する説明は省略する。
図19(a)および(b)は、本実施形態のディスプレイ装置における光変調装置の上面透視図および断面図である。また、図20に、本実施の形態における出射効率制御素子を駆動する駆動回路と光変調装置との接続の様子を示し、図21には、本実施の形態における出射効率制御素子のグレーティング形状を模式的に示す。
図19(a)および(b)に示すように、この光変調装置は、アレイ状に配置された複数の集光手段としての矩形の回折形レンズ105'、および同じ配列間隔(周期)のアレイ状に配置された複数の出射効率制御素子101'を有している。回折形レンズ105'のアレイは、図19(b)に示すように、透明基板121aの上面に形成されており、出射効率制御素子101'のアレイは、透明基板121aの下面、つまり回折形レンズアレイが形成されている面に対向する面上に形成されている。本実施の形態では、厚さ2mmのガラス基板の上面に、開口形状が正方形であって、断面形状が4段階の階段形状からなる、1辺が40μmの回折形レンズを周期40μmのアレイ状に形成し、下面に、サイズが20μm×20μmの出射効率制御素子101'を周期40μmで形成した。また、本実施の形態では、上記実施の形態4と同様に、正方形形状の四隅にまで回折格子を形成することで、レンズ開口部の面積を大きくして、光利用効率を向上させている。
さらに、回折形レンズ105'のアレイと、出射効率制御素子101'のアレイとは、回折形レンズ105'の光軸に対して入射光が傾いている方向(本実施の形態5では、x方向)に、配列間隔の半分ずつずらして配置されている。つまり、x方向に隣接する2つの回折形レンズ105'のレンズ中心同士を結ぶ直線の中点の真下に、出射効率制御素子101'が配置されている。したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態3と同様に、1つの出射効率制御素子101'に対して入射光135を集光させる回折形レンズ105'は、x方向における隣の出射効率制御素子101'からの出射光136をコリメートして出力する第2の集光手段としても機能することになる。矩形の回折形レンズ105'は、例えば、フォトリソグラフィとエッチング/薄膜堆積を繰り返して一括して作製される。
矩形レンズ105'のアレイを用いたことにより、上記実施の形態3とは違い、基板121aのレンズ105'が設けられている面には光吸収部材を設ける必要はない。また、例えば、上記実施の形態3のように基板上に形成した円形マイクロレンズを集光手段として用いる場合には、基板との表面張力により特性が劣化しがちであったレンズの周辺部に光が入射しないように、光吸収部材をレンズの周辺部に設けることが好ましいが、本実施の形態では回折形レンズを用いているので、その必要もない。
このように、本実施の形態では、出射効率制御素子101'上に入射光を集光させるための集光手段として、矩形の回折形レンズ105'を用いている。このため、出射効率制御素子101'上に形成される光スポットの形状は台形となり、上記実施の形態3のようにグレーティング周期が一定である出射効率制御素子を用いた場合には、一様な回折効果を得ることができない。したがって、本実施の形態では、出射効率制御素子101'のグレーティングの周期を入射光のスポット形状にあわせて変化させ、それによりグレーティングの形状を図21に示すような台形としている。
グレーティングの平面形状は、上記実施の形態4で述べたようにして設計される。例えば、梁の長さは、梁の両端部近傍の完全に基板側には引き寄せられない部分には光が入射しないように設定されている。これにより、出射効率制御素子101'の不完全動作部に光が入射することに起因する変調率の低下を防ぐことができる。また、グレーティングの周期Λは、入射光の波長λの7倍以上(Λ/λ≧7)となるように設計されている。さらに、グレーティング周期は、回折形レンズ105'が1辺の長さがLの正方形のレンズであり、その焦点距離がfであるものとすると、入射光スポットの台形の下底に対応する位置でのグレーティング周期が、台形の上底に対応する位置における周期の少なくとも(2f+Ltanθ2)/(2f−Ltanθ2)倍以上となるように設定されている。このようにグレーティングの平面形状を設計することにより、台形形状のスポットを形成するようなレンズを集光手段として用いた場合であっても、グレーティングのどの部分でも均一に回折が行われ、高い変調効率を得ることができた。
本実施の形態で用いた出射効率制御素子101'は、グレーティングの平面形状を除いては、実施の形態1および3の出射効率制御素子と同様の構成を有している。したがって、出射効率制御素子101'の作製は、実施の形態1で述べた作製工程とほぼ同様の工程によって行われる。
本実施の形態においても、出射効率制御素子101'を駆動するための駆動回路を、専用のIC12で構成している。したがって、出射効率制御素子アレイと、駆動回路とを容易に接続することができる。この駆動回路IC12は、図20に示すようにソルダバンプ13によって、各出射効率制御素子101'の電極部101'aに接続される。このような構成にすることによって、非常にコンパクトで、安定なデバイスとすることができる。
また、このような構成においては、出射効率制御素子101'の上面側に位置している透明基板1および回折形レンズのアレイが、ともに光を通過させるので、仮に、うまく接続されていないソルダバンプ13と出射効率制御素子101'があっても、容易にリペアすることができる。具体的には、接続不良の出射効率制御素子101'の上面から、YAGレーザやCO2レーザ等からのレーザ光を、接続できていない電極部に照射し、アニールしてソルダバンプ13と接続する。
本実施の形態のディスプレイ装置では、矩形の回折形レンズ105'によって出射効率制御素子101'上に光を集光させている。したがって、出射効率制御素子101'のサイズを、ビーム径および回折形レンズ105'のサイズよりも小さくすることができる。その結果、各出射効率制御素子101'の周りに、出射効率制御素子101'を駆動するために必要な配線(電極部101'aを含む)の引き回しや、制御回路を構成することができ、デッドスペースを減らすことができる。したがって、実質的に、開口率および光利用効率を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では出射効率制御素子101'のグレーティング部分の平面形状を台形としている。このため、梁が互いに平行であるようなグレーティング形状を採用した場合に比べると、デットスペースをさらに減らすことができ、開口率および光利用効率の向上に有効である。
(実施の形態6)
続いて、図22を参照しながら、本発明の実施の形態6における赤外線センサを説明する。
本実施の形態6の赤外線センサは、出射効率制御素子の構造のみが実施の形態4の赤外線センサと異なる。このため、以下の説明では、赤外線センサの概略構成についての説明は省略し、出射効率制御素子についてのみ述べる。
図22は、本実施の形態6の出射効率制御素子の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E'線に沿った断面図を示している。
図22(b)に示すように、本実施の形態6の出射効率制御素子190は、基板192を有しており、その上に反射形のグレーティングが形成されている。基板192は、例えばSi基板を熱酸化して熱酸化膜を0.1μm形成した後、LPCVDによりシリコン窒化膜を0.2μm堆積して、絶縁層を形成したものである。基板192の上には、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜からなるスペーサ層193が形成されている。その上には、弾性体層194およびそれを所定の形状にパターニングして形成された梁195が設けられている。弾性体層194は、例えば残留応力を低減したシリコン窒化膜からなる。梁195上には上部反射膜196が形成されている。さらに、基板192上には、梁195を形成する際に同時に形成された開口部199を通して形成された下部反射膜197が形成されている。反射膜196および197は、例えば厚さ0.1μmのAuからなっている。
このような構成の出射効率制御素子190において、入射した集光赤外光191は、図22(a)に示すような形状のスポット198を形成する。
図22(a)から理解されるように、本実施の形態6の出射効率制御素子190は、図16に示す実施の形態4の出射効率制御素子とは、梁195と開口部199によって構成されるグレーティングの平面形状が異なっている。本実施の形態6の出射効率制御素子190の特徴は、グレーティングの周期を梁の長手方向に沿って大きくし、かつ全ての梁195の長さを等しくした点にある。このような出射効率制御素子190の一例として、図22には、梁195の両端が共に同じ点を中心とする円周上にある場合を示している。
実施の形態4の出射効率制御素子では、図16(a)からわかるように梁の長さが一定でないので、電圧印加時には長い梁から順に吸引され、電圧除去時には逆に長い梁ほど復元が遅くなる。その結果、光のオン・オフの立ち上がり、立ち下がりの過渡的な時間が大きくなり、駆動周波数を大きくすることができない。このため、例えば出射効率制御素子を有する赤外線センサによって短時間で高精度に測定を行う場合などには、高速に出射効率制御素子を駆動する必要があるが、実施の形態4の出射効率制御素子では、高速動作に限界があるため、赤外線センサとしての精度に限界が生じていた。
これに対して、本実施の形態6の出射効率制御素子190では、全ての梁195の長さが等しいので、電圧印加時・電圧除去時には完全に同時に梁が動作する。このため、光のオン・オフの動作を極めて短時間に行うことが可能である。この結果、出射効率制御素子の高周波数での駆動が可能となり、本実施の形態6の出射効率制御素子190を用いた赤外線センサでは、高精度の検出を行うことが可能となった。
本実施の形態6では、例えば出射効率制御素子190の梁195の両端が共に同じ点を中心とする円周上にある場合を示したが、梁195の長さが等しければ両端はどの様な曲線上にあってもよい。例えば、いずれか一端の各梁195の幅方向中心を1本の直線上に配置することで、同じサイズの光スポットを変調できる出射効率制御素子のサイズを小さくすることが可能である。
なお、本実施の形態6では、赤外線センサを例として、グレーティングを構成する全ての梁の長さが等しい出射効率制御素子を説明したが、本発明はこれには限られない。例えば、上記実施の形態5で述べたようなディスプレイ装置の光変調装置の出射効率制御素子において、グレーティングを構成する全ての梁の長さを等しくした場合にも、同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
(実施の形態7)
続いて、図23〜図25を参照しながら、本実施の形態7の赤外線センサを説明する。本実施の形態7の赤外線センサは、出射効率制御素子の構造のみが上記実施の形態4の赤外線センサと異なる。このため、赤外線センサの概略構成についての説明は省略し、出射効率制御素子の構造のみを説明する。
図23(a)は、本実施の形態7の出射効率制御素子200の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F'線に沿った断面図である。図23(b)に示すように、本実施の形態7の出射効率制御素子200は、基板221を有しており、その上に反射形のグレーティングが設けられている。基板221は、例えばSi基板を熱酸化して熱酸化膜を0.1μm形成した後、LPCVDによりシリコン窒化膜を0.2μm堆積して、絶縁層を形成したものである。基板221の上には、第1ポスト222が設けられている。第1ポスト222は、例えば、LPCVDにより多結晶シリコンを堆積し、パターニングすることによって形成されたものである。また、基板221の周辺部には、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜からなるスペーサ層223が設けられている。
さらに、出射効率制御素子200は、弾性体層224と、それを所定の形状にパターニングして形成された第2ポスト225および梁226とを有している。第2ポスト225は、第1ポスト222上に設けられている。本実施の形態7では、弾性体層224を、残留応力を低減したシリコン窒化膜から形成した。第2ポスト225上には、反射膜227が形成されており、梁226上には反射膜228が形成されている。これらの反射膜227、228は、例えば厚さ0.1μmのAuからなっている。
次に、図24を用いて、本実施の形態7の出射効率制御素子200の製造工程の一例を説明する。なお、図24において、図23と同一の構成要素には同一の番号を附記し、説明を省略する。以下、図24に従って、製造工程を順次説明する。
まず、シリコン基板を例えば熱酸化して0.1μmの酸化膜を形成した後、さらに、例えばLPCVDによりシリコン窒化膜を0.5μm堆積して絶縁層を形成して基板221を作製する。続いて、この基板221上に、例えばLPCVDにより例えば多結晶シリコンを堆積し、例えばドライエッチングによりパターニングして、図24(a)に示すように、第1ポスト222を形成する。
この状態の基板221上に、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜を例えばLPCVDにより堆積して、図24(b)に示すように、スペーサ層223を形成する。その後、ドライエッチングにより基板221を全面にわたってエッチングし、図24(c)に示すように表面を平坦化する。なお、このときの第1ポスト222およびスペーサ層223の厚みは、共にλ/(4cosθ2)となるようにし、本実施の形態7では例えば3.5μmとしている。
続いて、シリコンの含有比を増すことで膜に残留する引張応力を例えば200MPa以下に低減したシリコン窒化膜を例えばLPCVDにより成膜して、弾性体層224を形成する。弾性体層224の厚みは任意であるが、本実施の形態7では、2μmとしている。さらに、図24(d)に示すように、弾性体層224をパターニングして第2ポスト225と梁226とを形成する。
次に、例えばバッファード・フッ酸によりスペーサ層223を第2ポスト225と梁226の隙間からウェット・エッチングして、梁226の下のスペーサ層223まで除去し、両持ち梁を形成する。その後、厚さ0.1μmのAuから成る反射膜を蒸着にて成膜し、反射膜227、228を形成する。以上の工程により図23に示す構造の出射効率制御素子200が完成する。
以上のように構成された出射効率制御素子200の動作について、図25を用いて説明する。なお、図25において、図23および図24と同一の構成要素には、同一番号を附記し説明を省略する。
本実施の形態7の出射効率制御素子200は、反射膜228を上部電極とし、基板221を下部電極とし、これらの間に印加する電圧をオン・オフすることで実施の形態4の出射効率制御素子と同様の原理で動作する。図25(a)は電圧を印加していない状態を示している。このとき、梁226は中空に浮いた状態となって、反射膜227と反射膜228とは同一平面上にある。このため、出射効率制御素子200は単なるミラーとして作用し、入射光231は反射光232となり、入射側へ反射される。
次に、上部電極228および下部電極221の間に電圧を印加すると、実施の形態4で述べた原理と同様にして、図25(b)に示すように、梁226は、静電引力によって、基板221の表面に接触するまで引き寄せられる。このとき、反射膜227の表面と反射膜228の表面との段差はλ/(4cosθ2)で与えられる値に設定されている。本実施の形態7では、3.5μmとしている。なお、λは入射光231の波長であり、θ2は出射効率制御素子200への入射光231の入射角である。このとき、反射膜227の表面で反射する光と反射膜228の表面で反射する光との位相差は、往復で半波長分のπとなるため、互いに打ち消しあって、反射光が消滅し、代わりに0次以外の回折光が出射するようになる。例えばこのとき、図25(b)に示す±1次回折光233a、233bは、それぞれ、41%の回折効率で発生する。
以上の動作により、本実施の形態7の出射効率制御素子200では、印加電圧のオン・オフにより反射光強度を変調することが可能である。
上述した実施の形態4の出射効率制御素子では、電圧のオン・オフのいずれの状態でも回折現象により光の変調を行っていたため、例えば変調対象の光の波長帯域が広い場合には回折効率が低下してしまっていた。しかしながら、本実施の形態7の出射効率制御素子200では、電圧印加時には、実施の形態4と同様に回折現象により変調を行っているものの、電圧を印加していないときには鏡面反射により入射された光のほぼ100%が出射されるため、全体としての変調率を高くすることが可能である。また、本実施の形態7の構成によれば弾性体層224の厚みを任意に選ぶことができるため、この厚みを薄くすることが可能である。その結果、上部電極として機能する反射膜228と、下部電極として機能する基板221との間の距離を小さくすることができ、さらに梁226の変形に要するエネルギも小さくなることから、駆動電圧を小さくすることができる。
以上、本実施の形態7の出射効率制御素子は、電圧オフ時の光の出射を0次回折ではなく鏡面反射とすることで、波長帯域の広い入射光に対しても高い変調率を得ることができる。さらに、弾性体層の厚みを薄くすることが可能なため、低電圧の駆動が可能である。
なお、ここでは、赤外線センサを例として本実施の形態の出射効率制御素子を説明している。しかし、本実施の形態の出射効率制御素子は、赤外線センサに限らず、例えば、上記実施の形態3および5で述べたように、ディスプレイ装置の光変調装置に適用することもできる。
(実施の形態8)
続いて、図26を参照しながら、本実施の形態8の赤外線センサを説明する。本実施の形態8によれば、出射効率制御素子を小さくすることができ、そこから発せられる電磁ノイズが無視できないほど大きくなった場合でも焦電体はその影響を受けず、また光源(熱源)との距離が比較的近距離でしかもあまり変化せず、しかも光源が比較的小さい場合に高い信号レベルを得ることが可能な赤外線センサを提供することができる。
図26は、本実施の形態8の赤外線センサ300の構成を示す図であり、(a)は赤外線センサ300の側面図、(b)は、直線G−G'を含み、かつy−z平面に平行な面上から−x方向を見たときの図である。
図26(a)および(b)に示すように、赤外線センサ300は、出射効率制御素子342、焦電体343、レンズ344、およびスペーサ345を有しており、これらは筺体346に収容されている。スペーサ345は、図26(a)に示すように、点熱源(光源)341からの光が出射効率制御素子342に入射する際の入射角θ2を決定する。筺体346は、その上面に入射窓347を有している。入射窓347は、例えばシリコン基板に帯域透過波長フィルタを形成したものである。
本実施の形態8の赤外線センサ300と上述した実施の形態4の赤外線センサとの違いは、光源341とレンズ344の間に出射効率制御素子342を配置している点にある。この配置では、例えばレンズ344を導電性材料から形成することで、レンズ344に電磁シールドとしての効果をもたすことができる。このため、特に出射効率制御素子342の小型化にともない梁が短くなった場合に、梁を変形させるための駆動電圧が高くなり、その結果電磁ノイズ等が発生しても、焦電体343が受ける影響を遮断することができる。この場合には、例えばレンズ344は、Si、Ge、GaAs、InP、GaP、ZnSe、またはZnS等から形成することができる。また、レンズ344は、レンズの位相変調量に応じた凹凸を有していてもよい。
レンズ344は、光源341が無限遠に位置しているのではなく、図26(a)に示すように入射窓347から距離dの位置にあるものとして、設計されている。このようにレンズ344の設計を行うことで、光源341から放射される光のうち、焦電体343上に集光される光の割合が大きくなり、光の利用効率が高くなり、焦電体343から出力される信号のレベルも高くなる。また焦電体343は、レンズ344によって入射光が集光される位置から、図26(a)に示す△fだけx軸方向にシフトした位置に、配置されている。こうすることで、焦電体343上に均一に光を入射させることができ、極端に集光されて焦電体343上の一部の領域のみに強い光エネルギが照射され、焦電体343からの信号出力が低下してしまうことがないようにしている。
さらに本実施の形態8では、実施の形態4と同様の理由により、焦電体343全体に光が入射するように、レンズ344の形状を矩形形状としている。このため、出射効率制御素子342上の光のスポット形状は、実施の形態4の出射効率制御素子上に形成されるスポット形状とは逆向き、つまり図26における+z側に狭い台形となる。そこで実施の形態4と同様の理由によって、出射効率制御素子342のグレーティング形状を、図26(b)に示すように+z側が狭い台形形状としている。これにより、出射効率制御素子342上に照射された光を一様に回折することができる。
上述したように各構成要素を配置した赤外線センサ300は、実施の形態4の赤外線センサとほぼ同様に動作する。つまり、出射効率制御素子342の上下電極に印加する電圧のオン・オフによって出射効率制御素子342を駆動し、それにより焦電体343への光の入射・非入射を切り換える。これによって、光のチョッピングが達成され、焦電体343から信号が出力され、光源341の有無やそこからの光の強度を知ることが可能となる。
本実施の形態8では、出射効率制御素子300から発せられる電磁ノイズが無視できない程大きい場合や、赤外線センサ300に対する光源の位置が比較的一定していて、特にその大きさが小さい場合、光利用効率が高く、それ故きわめて高感度の赤外線センサを提供することが可能である。
(実施の形態9)
続いて、図27〜29を参照しながら、本発明の実施の形態9の出射効率制御素子を赤外線センサに用いた場合を例として説明する。本実施の形態9の出射効率制御素子は、例えばこれを赤外線センサに用いた場合、赤外線強度を2次元的に測定することが可能となるものである。従来は、このような2次元の赤外線強度測定には、例えば焦電体を2次元アレイに配置して個々の焦電体の出力情報から2次元強度分布を得ていた。しかながらこのような方法では、焦電体が多数必要となり、価格が極めて高価になると言う問題点を有していた。
図27は、本実施の形態9の赤外線センサ400の構成を示す図である。図27に示すように、赤外線センサ400は、出射効率制御素子アレイ453、これに入射光451を集光するレンズ452、出射効率制御素子アレイ453からの光を受け取る焦電体454、および入射光451が出射効率制御素子アレイ453に入射する角度θ2を決定するスペーサ455を有している。本実施の形態9の赤外線センサ400は、1つの出射効率制御素子の代わりに、出射効率制御素子アレイ453を用いている点のみが上記実施の形態4とは異なっているので、この点についてのみ説明する。
図28は、出射効率制御素子アレイ453の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のH−H'線に沿った断面図、(c)は(a)のI−I'線に沿った断面図である。図28(a)〜(c)からわかるように、本実施の形態9における出射効率制御素子アレイ453は、基本的には、実施の形態4の出射効率制御素子をアレイ状に配置した構造である。
図28(b)および(c)に示すように、出射効率制御素子アレイ453は、その上にグレーティングのアレイが設けられた基板461を有している。本実施の形態9では、基板461として、電圧印加のための図示しない配線等をシリコン基板上に形成したものを用いた。基板461の周辺部には、例えばリンを多量にドープしたシリコン酸化膜から形成されたスペーサ層463が設けられている。さらにその上には、弾性体層464が、例えば残留応力を例えば200MPa以下の引張応力に低減したシリコン窒化膜から形成されて設けられている。
上部反射膜466および下部反射膜467は、例えばAuを0.1μm蒸着して形成したものである。基板461上には、図28(b)および(c)に示すように下部電極468が形成されている。この下部電極468は、例えばリンを多量にドープしてシート抵抗を例えば20Ω・cmまで小さくしたポリシリコン膜をLPCVDにより0.5μm、基板461に堆積し、パターニングしたものである。なお、下部電極468は、前述した基板461の図示しない電圧印加のための配線と接続され、その個々に電圧を印加することができるようにしている。また、上部電極も兼ねる上部反射膜466は、これら下部電極468に印加される電圧に対しある一定の電位差を有するバイアス電位にあり、例えば接地されている。以上のような構成の出射効率制御素子アレイ453においては、個々の下部電極468に例えば0〔V〕、+30〔V〕といった電圧を切り換えて印加することにより、個々の出射効率制御素子を駆動することが可能となる。
次に、図29を用いて、出射効率制御素子アレイ453を用いて、光源(熱源)の2次元強度分布を測定する手段の一例について説明する。ここでは、出射効率制御素子アレイの一例として、4×4個の出射効率制御素子がマトリクス状に配置されたアレイ473を考える。なお、説明のため、図29に示すように、左から順にa、b、c、d列とし、上から順に1、2、3、4行とする。以下、例えば人体の様に2次元的に強度分布を有する熱源471の2次元的強度分布を得る方法を順次説明していく。
(1)出射効率制御素子アレイ473のa1部の出射効率制御素子のみを駆動し、光変調を行うことで、a1部に入射している例えば赤外光の強度が、焦電体474により検出される。
(2)次に、a2部の出射効率制御素子のみを同様にして駆動して光変調を行い、a2部の赤外光強度を検出する。
(3)以下、同様にしてa3部からd4部まで順次駆動する出射効率制御素子を切り換えていく。
以上の手順により、ある瞬間の情報とはならないが、2次元的な赤外光強度分布を時系列的な信号情報として検出することができる。例えば、本実施の形態9では、信号検出に必要な時間が5msecである焦電体474を用いたため、例えば16×16の素子群からなるアレイでは、1画面分の情報を得るのにおよそ1.3秒の時間が必要であった。
なお、本実施の形態9の出射効率制御素子アレイでは、2次元の強度分布を矩形の領域で得るために矩形のレンズを用いているが、このとき、上述した実施の形態4と同様の理由で、出射効率制御素子アレイに入射する光のスポット形状は台形となる。このため、図27〜図29に示すように、出射効率制御素子アレイの平面形状も同様に台形としている。このようにアレイ形状をスポット形状に適合させることにより、個々の出射効率制御素子に入射する光のエネルギ量を一定とすることができるため、正確な強度分布測定が可能である。
以上のように、本実施の形態9の赤外線センサは、極めて安価な2次元赤外線センサを提供でき、極めて有用なものである。なお、広い領域を検出したり、または精細に検出をするために出射効率制御素子の数を増やしたい場合、測定時間があまりに長い場合これを短縮するために、本実施の形態9で述べた赤外線センサをさらに複数個並べ、それぞれを同時に駆動するといった工夫も考えられる。
(実施の形態10)
以下、図30を参照しながら、本実施の形態10における赤外線センサを説明する。
図30は、本実施の形態10における赤外線センサ500の構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は直線J−J'を含み、かつy−z平面に平行な面上から−x方向を見たときの図である。
図30に示すように、赤外線センサ500は、配列された複数の出射効率制御素子のアレイ582、焦電体583、レンズ584、およびスペーサ585を有しており、これらは上面に入射窓587が設けられた筺体586内に収容されている。スペーサ585は、出射効率制御素子アレイ582に、光源581からの光が入射する際の入射角θ2を決定する。光源581は、比較的小さな面積の2次元的強度分布を有している。本実施の形態10では、レンズ584として、正方形形状のシリコン基板に回折形レンズを形成したものを用いている。また、入射窓587としては、例えばシリコン基板に帯域透過波長フィルタを形成したものが用いられ得る。図30からわかるように、本実施の形態10の赤外線センサ500は、上記実施の形態8の赤外線センサにおいて、1個の出射効率制御素子を用いる代わりに、実施の形態9と同様にアレイ状に配列した複数個の出射効率制御素子を用いたものである。
本実施の形態10の赤外線センサ500は、実施の形態4の赤外線センサと同様にして、出射効率制御素子アレイ582と焦電体583との間にレンズ584を配置し、レンズ584を例えば導電性のあるシリコンを材料とすることで出射効率制御素子アレイ582から発せられる電磁ノイズを遮断することができる。また、比較的小さい領域の光の強度分布を測定する際にその光利用効率が高いため、高感度で2次元強度分布を測定することが可能である。
(実施の形態11)
以下、図31を参照しながら、本実施の形態11における非接触温度計を説明する。図31は、本実施の形態11の非接触温度計600の断面を示す構成図である。図31に示すように、非接触温度計600は、出射効率制御素子641、焦電体643、レンズ645、および、例えば熱電対等の接触式温度測定手段149を有しており、これらは筺体646内に収容されている。出射効率制御素子641としては、上記実施の形態4、6および7で述べた出射効率制御素子のいずれを用いてもよく、あるいは上記実施の形態9で述べた、配列された複数個の出射効率制御素子のアレイであってもよい。ここでは、上記実施の形態4の出射効率制御素子を用いた場合を例として非接触温度計600を説明する。また、本実施の形態11では、レンズ645として、シリコンからなる正方形開口の回折形レンズを用いている。非接触温度計600は、さらに遮閉体647を有している。この遮蔽体647は、筺体646のレンズ645が取り付けられている面上に機械的に可動な状態で取り付けられており、温度測定対象(図示せず)からレンズ645に入射する赤外光650を遮蔽する。
以下、図31に従って非接触温度計600の測定原理について述べる。図31(a)は、遮閉体647によりレンズ645を遮閉している状態を示しており、入射赤外光650は非接触温度計600の内部には入射しない。このとき、出射効率制御素子641を動作することにより焦電体643に生じる信号は、遮閉体647の温度に対応したものとなる。接触式温度測定手段(熱電対)649は、本実施の形態11では、例えば筺体646の内壁に配置されており、筺体646の温度を接触式に測定している。
なお、原理的には接触式温度測定手段649は遮閉体647に配置されているのが望ましい。しかし、後述するように、本実施の形態11では、遮閉体647は機械的動作を伴うため、その上に接触式温度測定手段649を配置すると、機構的に複雑となり、しかも耐久性にも劣る。このため、本実施の形態11では、筺体646の温度を遮閉体647の温度として測定している。本発明者らの測定では、遮閉体647と筺体646との温度差は、本実施の形態11の非接触温度計600の精度である0.1℃より十分小さく、実用上問題のない温度差であった。
図31(b)は、遮閉体647がレンズ645を遮閉していない状態である。このような状態は、例えば、手動により遮蔽体647をスライドさせることで実現される。このとき、入射赤外光650は、レンズ645を介して非接触温度計600の内部に入射し、出射効率制御素子641を実施の形態4で述べた原理により駆動することによって、入射赤外光650の強度を焦電体643からの信号として検出することができる。一般に、物体の輻射率が一定の場合、物体から発せられる赤外光の強度は物体温度の4乗に比例するため、このときの測定信号強度、図31(a)に示す状態での焦電体643からの出力信号強度、および接触式温度測定手段649による検出信号から、温度測定対象(図示せず)の温度を計算することが可能となる。
以上のように、本実施の形態11の非接触温度計600では、入射赤外光650の変調を出射効率制御素子641で行うことにより、非接触温度計600の大きさを小型化することが可能な上、低消費電力が達成される。また、出射効率制御素子641は、実施の形態4で述べたように梁が微小動作することで出射効率を変調するので、駆動時に音が発生しないという利点がある。近年、人体の鼓膜の温度を非接触で測定することで体温を測定する鼓膜体温計が開発されているが、本実施の形態11の非接触温度計600は、この様な用途に用いた場合でも駆動時に音が発生しないため、使用に際する不快感を伴わないという大きな利点がある。
なお、本実施の形態11では、出射効率制御素子として、上記実施の形態4の出射効率制御素子を用いた場合を例として説明を行ったが、用途に応じて、実施の形態6または実施の形態7で述べた出射効率制御素子、または実施の形態9で述べた出射効率制御素子アレイを用いても良いことは言うまでもない。例えば、実施の形態9で述べた出射効率制御素子アレイを用いれば、非接触で2次元の温度分布を測定することが可能となる。また、レンズと出射効率制御素子の配置についても、実施の形態8または実施の形態10で述べたように、被測定物に対応して適応可能であることは言うまでもない。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明の光変調装置では、出射効率制御素子と集光手段とを組み合わせて用いることにより、出射効率制御素子上の光照射面積を減らし、それにより出射効率制御素子の小型化を実現している。これにより、応答速度が速く、製造が容易な、ビーム径の大きな入射光を変調できる光変調装置を実現することができる。また、このような光変調装置を投射型のディスプレイ装置に適用すれば、光利用効率の大きい投射型のディスプレイ装置を実現することができる。
また、本発明の出射効率制御素子では、グレーティング部分の平面形状が、出射効率制御素子上に形成される入射光スポットの形状に応じて設計されている。例えば、グレーティングを構成する梁の周期を、その長手方向に1次関数的に変化する形状とすれば、入射赤外光の出射効率制御素子上のスポット形状が台形となっても、台形スポットの上下でそこに含まれる梁の本数を一定にすることができ、一様な回折効果を得ることができる。これにより、光が一様に回折されないことに起因する変調特性の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の出射効率制御素子では、全ての梁の長さを等しくしている。これにより、全ての梁を、電圧印加・除去時に完全に同時に動作させることができるので、光のオン・オフの駆動を高速に行うことが可能となり、高周波での駆動が可能となる。したがって、このような出射効率制御素子を、例えば赤外線センサに適用した場合には、短時間で高精度の検出を行うことが可能である。
上述したようにして平面形状が設計されたグレーティングを有する出射効率制御素子は、本発明のディスプレイ装置に適用することもできる。例えば集光手段として矩形開口のレンズを用いるときには、光変調装置における出射効率制御素子のグレーティングの平面形状は、梁の間隔が長手方向に沿って1次関数的に変化する台形に設計することになる。
さらに、本発明の出射効率制御素子を赤外線センサに適用する場合には、出射効率制御素子をレンズと焦電体との間に配置すれば、例えば矩形開口のレンズを用いたときに出射効率制御素子上でのスポット形状が台形となっても、変調特性が劣化しない。またこの場合、焦電体上に結ばれるスポットは、円形開口のレンズの場合よりもサイズが小さい矩形となり、焦電体全体に光を入射することが可能となり、しかも面積の小さい焦電体で済むため、コストを低減することができる。同時に従来より高い信号レベルを得ることができるため、センサ全体として、超小型・高感度の赤外線センサを実現することができる。
あるいは、本発明の出射効率制御素子を用いた赤外線センサにおいて、出射効率制御素子から出射された光を、レンズを用いて焦電体に集光する構成とすることで、センサからほぼ一定距離の点光源からの出射光を、高い効率で利用することができる。また、このような構成において、さらにレンズを矩形開口のものとし、そのレンズによって形成されるスポット形状に合わせた平面形状のグレーティングを有する出射効率制御素子を用いることにより、レンズの面積利用効率も高められるため、近距離用の小型・高感度の赤外線センサを実現することができる。
また、本発明の出射効率制御素子を2次元アレイ状に配置する場合、例えばスポット形状が台形形状等であるためにスポット内で光の強度分布に違いがあるときには、それに合わせて出射効率制御素子アレイ全体も台形形状とすることにより、個々の出射効率制御素子に入射する光のエネルギー総量を等しくすることができる。また、上述したように複数個の出射効率制御素子を2次元アレイ状に配列して赤外線センサに組み込んだ場合、出射効率制御素子を順次動作させ、そのときの焦電体からの出力信号を順次検出することにより、2次元的な赤外光強度分布を時系列情報として検出することが可能であり、極めて安価な2次元赤外線センサを提供することが可能である。
さらに、本発明の出射効率制御素子は、非接触温度計にも適用することができる。この場合、まず、遮閉体によって非接触温度計の筺体内に赤外光が入射しないようにした状態で出射効率制御素子を駆動して焦電体から発せられる信号を検出し、その一方で、筺体内に配備した接触式温度測定手段により温度を測定する。その後、遮閉体を開放して非接触温度計の筺体内に赤外光が入射する状態で、出射効率制御素子を駆動して焦電体から発せられる信号を検出する。上述した2つの状態において焦電体から発せられた信号、および接触式温度測定手段が測定した温度によって、測定対象物の温度を、非接触で、極めて正確に測定することが可能である。

Claims (84)

  1. 入射した光の光量を変調する出射効率制御手段と、
    該光を該出射効率制御手段に集光する第1の集光手段と、
    該出射効率制御手段によって光量を変調された該光を出力する第2の集光手段と、
    を備えており、該第1および第2の集光手段は、該出射効率制御手段に対向して配置されており、該光は、該第 1の集光手段に斜め入射する光変調装置。
  2. 前記出射効率制御手段は、反射形の光学素子である、請求項1に記載の光変調装置。
  3. 前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、基板の同一の面上に形成されている、請求項1に記載の光変調装置。
  4. 前記光変調装置は、対向する第1の面および第2の面を有する透明基板をさらに備えており、
    前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、該透明基板の該第1の面上に形成されており、該出射効率制御手段は、該透明基板の該第2面上に形成された反射形の光学素子である、請求項1に記載の光変調装置。
  5. 前記出射効率制御手段は、
    前記透明基板の前記第2面上に形成された、第1電極として機能する透明電極と、
    該透明電極上に形成された第1のグレーティングと、
    該透明電極上に形成されたスペーサ層と、
    該スペーサ層上に両端を支持され、第2電極として機能する部分を有する複数本の梁から形成された第2のグレーティングと、
    を備えており、
    該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該透明電極と該第2のグレーティングとの距離を変化させ、それによって、前記第1の集光手段によって集光された前記光が前記第2の集光手段に出射する効率を制御する、請求項1に記載の光変調装置。
  6. 前記出射効率制御手段は、前記第1のグレーティング上に設けられた絶縁層をさらに有している、請求項5に記載の光変調装置。
  7. 前記第1と第2の集光手段は同一形状であり、
    前記出射効率制御手段は、該第1の集光手段の中心と該第2の集光手段の中心とを結ぶ直線の中央からの、該第1の集光手段および該第2の集光手段が形成されている平面に対する垂線と、該出射効率制御手段が形成される平面との交点を中心として配置されている、請求項3に記載の光変調装置。
  8. 前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、厚さ方向の断面が徐々に小さくなる相似形の楕円形状であり、その長軸方向に配列されている、請求項3に記載の光変調装置。
  9. 前記第1の集光手段および前記第2の集光手段が形成されている面の垂直方向に対する、該第1の集光手段への前記光の光軸の入射角をθとしたときに、前記楕円の長軸の短軸に対するサイズ比は、1/cosθである、請求項8に記載の光変調装置。
  10. 前記出射効率制御手段は、可動鏡である、請求項1に記載の光変調装置。
  11. 前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、バイナリ/マルチレベル構造の回折型マイクロレンズである、請求項3に記載の光変調装置。
  12. 前記第1の集光手段および前記第2の集光手段は、矩形の開口を有する正方形のレンズであり、前記出射効率制御手段の前記第2のグレーティングにおいて、該複数本の梁の間隔は、該梁の長手方向に沿って徐々に大きくなる、請求項5に記載の光変調装置。
  13. 前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなる、請求項12に記載の光変調装置。
  14. 前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の長さが等しい、請求項12に記載の光変調装置。
  15. 前記出射効率制御手段の前記第1のグレーティングおよび前記第2のグレーティングは、グレーティング周期の最も小さい部分が、前記入射光の波長の7倍以上となるように設計されている、請求項12に記載の光変調装置。
  16. 前記レンズの1辺の長さをL、焦点距離をfとし、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と前記レンズの光軸とがなす角度をθとした場合、前記第1のグレーティングおよび前記第2のグレーティングは、グレーティング周期の最も大きい部分が、前記入射光の波長の7(2f+Ltanθ)/(2f−Ltanθ)倍以上となるように設計されている、請求項15に記載の光変調装置。
  17. 光源と、
    該光源から出射した光を、互いに異なる波長域を有する複数の色光に分離する分離手段と、
    該複数の色光の光路上にそれぞれ設けられており、該複数の色光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、
    該複数の光変調装置によって変調された該複数の色光を結像する結像レンズと、
    を備えており、該複数の光変調装置のそれぞれは、
    該複数の色光のうちの対応した色光の光量を変調する、アレイ状に配列された複数の出射効率制御手段と、
    アレイ状に配列された複数の集光素子を有する集光手段と、
    を備えており、該対応する色光は、該集光手段の光軸に対して斜め方向から該集光手段に入射して該出射効率制御手段に集光され、変調された該対応する色光は、該集光手段を介して斜め方向に出力される、ディスプレイ装置。
  18. 前記色光が前記集光手段に入射する入射角と、該色光が該集光手段から出力される角度とは等しく、
    前記複数の出射効率制御手段が配列されている間隔と、該集光手段において前記複数の集光素子が配列されている間隔とは等しく、
    該複数の出射効率制御手段は、該集光手段に対して、該色光が入射する方向が該集光手段の光軸に対して傾いている方向に配列間隔の半分ずらせて配置されている、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  19. 前記複数の出射効率制御手段のそれぞれは、前記集光手段の前記複数の集光素子のうちの隣り合う一対の集光素子に対向するように配置されており、該一対の集光素子の1つから前記対応する色光を受け取り、該一対の集光素子の他の1つに、変調された該対応する色光を出力する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  20. 前記複数の出射効率制御手段は、m行n列の2次元アレイ状に配置されており、前記集光手段において、前記複数の集光素子は(m+1)行n列の2次元アレイ状に配置されており、第k行の出射効率制御手段は、第k行の集光素子および第(k+1)行の集光素子に対応するように配置されている、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  21. 前記複数の光変調装置は、前記集光手段が形成された第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とを有する透明基板を備えており、前記出射効率制御手段は、該第2の面に形成された反射形の光学素子である、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  22. 前記複数の出射効率制御手段のそれぞれは、
    前記透明記板の前記第2の面に設けられた、第1電極として機能する透明電極と、
    該透明電極上に形成された第1のグレーティングと、
    該透明電極上に形成されたスペーサ層と、
    該スペーサ層上に両端を支持され、第2電極として機能する部分を有する複数本の梁から形成された第2のグレーティングと、
    を備えており、該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該透明電極と該第2のグレーティングとの距離を変化させ、それによって、前記対応する色光が前記集光手段に出射する効率を制御する、請求項21に記載のディスプレイ装置。
  23. 前記複数の集光素子は、それぞれ厚さ方向に対する断面が徐々に小さくなる相似形の楕円形状である、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  24. 前記集光手段が形成されている平面の垂直方向に対する、前記対応する色光が該集光手段に入射する光軸の角度をθとしたときに、前記楕円の長軸の短軸に対するサイズ比は、1/cosθである、請求項23に記載のディスプレイ装置。
  25. 前記分離手段は、青色光を反射し、その他の光を透過する第1の分離素子と、緑色光を反射し、その他の光を透過する第2の分離素子と、赤色光を反射しその他の光を透過する第3の分離素子とを備えている、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  26. 前記第1の分離素子によって反射される光の波長帯域幅は、前記第2の分離素子および前記第3の分離素子のそれよりも小さい、請求項25に記載のディスプレイ装置。
  27. 前記第3の分離素子によって反射される光の波長帯域幅は、前記第1の分離素子および前記第2の分離素子のそれより大きい、請求項25に記載のディスプレイ装置。
  28. 反射される光の波長帯域幅は、前記第3の分離素子、前記第2の分離素子および向記第1の分離素子の順に小さくなる、請求項25に記載のディスプレイ装置。
  29. 前記光源から出射した前記光を、前記第1の分離素子、前記第2の分離素子、前記第3の分離素子の順に通過させる、請求項25に記載のディスプレイ装置。
  30. 前記複数の光変調装置のそれぞれは、前記出射効率制御手段の制御回路をさらに備えており、該出射効率制御手段のそれぞれの前記第2電極と、該制御回路の接続電極とはソルダバンプで接続されている、請求項22に記載のディスプレイ装置。
  31. 前記複数の光変調装置のそれぞれは、前記透明基板の前記集光手段および前記複数の出射効率制御手段が形成された領域以外の領域に設けられた光吸収手段をさらに備えている、請求項21に記載のディスプレイ装置。
  32. 前記光吸収手段は、前記複数の集光素子のそれぞれの周辺にも設けられている、請求項31に記載のディスプレイ装置。
  33. 前記出射効率制御手段は、前記対応する色光の0次回折光を出射する、請求項22に記載のディスプレイ装置。
  34. 前記複数の出射効率制御手段は、可動鏡アレイである、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  35. 前記集光手段は、バイナリ/マルチレベル構造の回折型マイクロレンズアレイである、請求項22に記載のディスプレイ装置。
  36. 前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の間隔は、該梁の長手方向に沿って徐々に大きくなる、請求項22に記載のディスプレイ装置。
  37. 前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなる、請求項36に記載のディスプレイ装置。
  38. 前記第2のグレーティングにおいて、前記複数の梁の長さが等しい、請求項36に記載のディスプレイ装置。
  39. 入射した光の光量を変調して出射させる出射効率制御素子であって、
    第1電極として機能する部分を有するプレートと、
    該プレート上に形成されたスペーサ層と、
    該スペーサ層上に両端を支持され、かつ第2電極として機能する部分を有する互いに平行でない複数本の梁からなるグレーティングと、
    を備えており、該第1電極と該第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、該グレーティングと該プレートとの距離を変化させ、それによって該光の出射効率を制御する、出射効率制御素子。
  40. 前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に徐々に大きくなる、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  41. 前記グレーティングの周期が、該グレーティングの長手方向に1次関数的に大きくなる、請求項40に記載の出射効率制御素子。
  42. 前記複数本の梁の長さが全て等しい、請求項40に記載の出射効率制御素子。
  43. 前記グレーティングの前記複数本の梁は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときには同一平面上に並び、電圧が印加されているときには1本おきに前記プレート側に引き寄せられ、それによって前記出射効率を制御する、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  44. 前記複数本の梁が密に並び、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときにはミラーとして作用する、請求項43に記載の出射効率制御素子。
  45. 前記入射光の波長をλ、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と該入射光の光軸とのなす角度をθとしたときに、前記グレーティングの動作距離が、mを整数として、mλ/(4cosθ)となるように設定されている、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  46. 前記入射光の波長をλ、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と該入射光の光軸とのなす角度をθとしたときに、前記梁の厚さが、mを整数として、mλ/(4cosθ)となるように設定されている、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  47. 前記プレートの表面および前記グレーティングの表面に形成された反射膜をさらに備えている、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  48. 前記プレートと前記グレーティングとの間に形成された絶縁膜をさらに備えている、請求項39に記載の出射効率制御素子。
  49. 前記絶縁層の表面および前記グレーティングの表面に形成された反射膜をさらに備えている、請求項48に記載の出射効率制御素子。
  50. 赤外光を集光するレンズと、
    焦電体と、
    該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射する、請求項39に記載の出射効率制御素子と、
    を備えている赤外線センサ。
  51. 前記焦電体は矩形である、請求項50に記載の赤外線センサ。
  52. 前記レンズは、開口が矩形である、請求項51に記載の赤外線センサ。
  53. 前記出射効率制御素子は、前記プレートの主面に対する法線が、前記レンズの光軸に平行とはならないように傾斜して配置されている、請求項50に記載の赤外線センサ。
  54. 前記出射効率制御素子の前記グレーティングによって回折された回折光のうち0次回折光だけを前記焦電体に入射し、前記0次回折光以外の回折光を前記焦電体に入射させないように、前記出射効率制御素子が配置されている、請求項50に記載の赤外線センサ。
  55. 前記出射効率制御素子の前記グレーティングと前記プレートとの距離の変化により、前記0次回折光の光量が変化する、請求項50に記載の赤外線センサ。
  56. 前記赤外線センサは、開口部を有する封止体をさらに備えており、該封止体は、前記出射効率制御素子および前記焦電体を内蔵している、請求項50に記載の赤外線センサ。
  57. 前記レンズは、前記封止体の前記開口部に設けられている、請求項56に記載の赤外線センサ。
  58. 前記レンズは、回折型レンズである請求項50に記載の赤外線センサ。
  59. 前記出射効率制御素子の前記グレーティングの周期は、その最も小さい部分が、前記赤外光の波長の7倍以上である、請求項52に記載の赤外線センサ。
  60. 前記レンズの1辺の長さをL、焦点距離をfとし、前記出射効率制御素子の前記プレートの主面に対する法線と前記レンズの光軸とがなす角度をθとした場合、前記グレーティングの周期は、その最も大きい部分が、前記赤外光の波長の7(2f+Ltanθ)/(2f+Ltanθ)倍以上である、請求項52に記載の赤外線センサ。
  61. 前記プレートの主面に平行で、かつ前記グレーティングに垂直な方向が前記レンズの光軸に垂直となるように前記出射効率制御素子が配置されている請求項50に記載の赤外線センサ。
  62. 入射した赤外光の少なくとも一部を出射する、請求項39に記載の出射効率制御素子と、
    焦電体と、
    該出射効率制御素子と該焦電体との間に設けられており、該出射効率制御素子から出射された該赤外光を該焦電体に集光するレンズと、
    を備えている赤外線センサ。
  63. 前記焦電体は矩形である、請求項62に記載の赤外線センサ。
  64. 前記レンズは開口が矩形であることを特徴とする請求項63に記載の赤外線センサ。
  65. 前記出射効率制御素子は、前記プレートの主面に対する法線が前記レンズの光軸に平行とはならないように、傾斜して配置されている、請求項62に記載の赤外線センサ。
  66. 前記出射効率制御素子の前記グレーティングによって回折された回折光のうち0次回折光だけを前記焦電体に入射し、前記0次回折光以外の回折光を前記焦電体に入射させないように、前記出射効率制御素子が配置されている、請求項62に記載の赤外線センサ。
  67. 前記出射効率制御素子の前記グレーティングと前記プレートとの距離の変化により、前記0次回折光の光量が変化する、請求項62に記載の赤外線センサ。
  68. 前記赤外線センサは、開口部を有する封止体をさらに備えており、該封止体は、罰記出射効率制御素子および前記焦電体を内蔵する、請求項62に記載の赤外線センサ。
  69. 前記レンズは、該レンズの位相変調量に応じた凹凸を有しており、Si、Ge、GaAs、InP、GaP、Znse、およびZnSからなる群から選択された材料から形成されている、請求項62に記載の赤外線センサ。
  70. 前記プレートの主面に平行で、かつ前記グレーティングに垂直な方向が前記レンズの光軸に垂直となるように前記出射効率制御素子が配置されている請求項62に記載の赤外線センサ。
  71. 入射した光の光量を変調して出射する、2次元アレイ状に配置された複数の出射効率制御素子を有する出射効率制御素子アレイであって、該複数の出射効率制御素子のそれぞれは、
    第1電極として機能する部分を有するプレートと、
    前記プレート上に形成されたスペーサ層と、
    前記スペーサ層上に両端を支持されなかつ第2電極として機能する部分を有する互いに平行でない梁からなるグレーティングと、
    を備えており、
    前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を調整することにより、前記グレーティングと前記プレートとの距離を変化させ、それによって、該光が出射する効率を制御する、出射効率制御素子アレイ。
  72. 赤外光を集光するレンズと、
    焦電体と、
    該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射する、請求項71に記載の出射効率制御素子アレイと、
    を備えている赤外線センサ。
  73. 入射した赤外光の少なくとも一部を出射する、請求項71に記載の出射効率制御素子アレイと、
    焦電体と、
    該出射効率制御素子と該焦電体との間に設けられており、該出射効率制御素子から出射された該赤外光を該焦電体に集光するレンズと、
    を備えている赤外線センサ。
  74. 請求項72に記載の赤外線センサの駆動方法であって、
    前記複数の出射効率制御素子を順次動作させ、それによって得られる前記焦電体からの出力信号を順次検出する工程と、
    該検出された該焦電体からの該出力信号に基づいて、2次元的な赤外光強度分布を時系列情報として検出する工程と
    を包含する、赤外線センサの駆動方法。
  75. 請求項73に記載の赤外線センサの駆動方法であって、
    前記複数の出射効率制御素子を順次動作させ、それによって得られる前記焦電体からの出力信号を順次検出する工程と、
    該検出された該焦電体からの該出力信号に基づいて、2次元的な赤外光強度分布を時系列情報として検出する工程と
    を包含する、赤外線センサの駆動方法。
  76. 赤外光を集光するレンズと、
    開口を有する筺体と、
    該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、
    該筐体内に設けられた焦電体と、
    該筐体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、
    該筐体内に設けられており、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する請求項39に記載の出射効率制御素子と、
    を備えている非接触温度計。
  77. 前記接触式温度測定手段は、熱電対である、請求項76に記載の非接触温度計。
  78. 開口を有する筺体と、
    該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、
    該筺体内に設けられた焦電体と、
    該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、
    該筐体内に設けられており、該開口を通して入射した赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する請求項39に記載の出射効率制御素子と、
    該出射効率制御素子から出射された該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射するレンズと、
    を備えている非接触温度計。
  79. 前記接触式温度測定手段は、熱電対である、請求項78に記載の非接触温度計。
  80. 赤外光を集光するレンズと、
    開口を有する筺体と、
    該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、
    該筺体内に設けられた焦電体と、
    該筐体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、
    該筺体内に設けられており、該レンズによって集光された該赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する請求項71に記載の出射効率制御素子アレイと、
    を備えている非接触温度計。
  81. 前記接触式温度測定手段は、熱電対である、請求項80に記載の非接触温度計。
  82. 開口を有する筐体と、
    該開口を遮蔽・開放する遮蔽体と、
    該筐体内に設けられた焦電体と、
    該筺体の側壁上に設けられた接触式温度測定手段と、
    該筺体内に設けられており、該開口を通して入射した赤外光を受け、該赤外光の少なくとも一部を出射する請求項71に記載の出射効率制御素子と、
    該出射効率制御素子から出射された該赤外光の少なくとも一部を該焦電体に対して出射するレンズと、
    を備えている非接触温度計。
  83. 前記接触式温度測定手段は、熱電対である、請求項82に記載の非接触温度計。
  84. 請求項17に記載のディスプレイ装置の製造方法であって、
    前記複数の光変調装置を作製する工程と、
    前記光源、前記分離手段、該複数の光変調装置および前記結像レンズを配置し、組み立てる工程と、
    を包含しており、該複数の光変調装置を作製する工程は、
    透明基板の第1の面上に前記集光手段を形成する工程と、
    該第1の面に対向する該透明基板の第2の面上に、駆動用の接続部をそれぞれが有している前記複数の出射効率制御手段を形成する工程と、
    該複数の出射効率制御手段を駆動する駆動回路に、該駆動用の接続部を接続する工程と、
    該駆動用の接続部と該駆動回路との接続不良があるときに、該接続不良に対応する接続部にレーザ光を照射することによって、該接続不良をリペアする工程と、
    を包含している、ディスプレイ装置の製造方法。
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