JP3580380B2 - クロマトグラフィ法で分離したサンプルの各スライスにおける測定に関連する変数の標準偏差を決定する方法 - Google Patents

クロマトグラフィ法で分離したサンプルの各スライスにおける測定に関連する変数の標準偏差を決定する方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、既に放棄された、同じ名称の、先行出願である、1994年1月27日出願の、米国特許連続番号第08/188,268号[発明者デイビッド・W.ショート(David W. Shortt )、譲受人ワイアット・テクノロジー・コーポレイション(Wyatt Technology Corporation)]の一部継続出願である。
【0002】
なお参考文献として以下の文献を参照した。
L.A.パパチアンおよびT.D.マーフィーの「HPSECにおける長短距離精度」J.Liq.Chrom.13(1)、25−49(1990年)
W.H.プレス、B.P.フラナリー、S,A.ツコルスキー、およびW.T.ベタリングの、「Cにおける数のレシピ」(ケンブリッジ・ユニバーシティ・プレス,ケンブリッジ、1988年)
ジョン・R.テイラーの「誤差分析の手引」(ユニバーシティ・サイエンス・ブックス、ミル・バレー、1982年)
B.H.ズィムの「光の散乱と、高分子溶液の動径分布関数」、J.Chem.Phys.16、1093−1099(1948年)
B.H.ズィムおよびW.H.ストックメイヤーの「ブランチおよびリングを含む鎖状分子の大きさ」、J.Chem.Phys.17、1301−1314(1949年)
L. A. Papazian and T. D. Murphy, “Long and short range precision in HPSEC,”J. Liq. Chrom.13 (1), 25−49 (1990)
W. H. Press, B. P. Flannery, S. A. Teukolsky, and W. T. Vetterling, Numerical Recipes in C,(Cambridge University Press, Cambridge, 1988 )
John R. Taylor, An Introduction to Error Analysis, (University Science Books, Mill Valley, 1982 )
B. H. Zimm, “The scattering of light and the radial distribution function of high polymer solutions, ”J. Chem. Phys. 16, 1093−1099(1948)
B. H. Zimm and W. H. Stockmayer,“The dimensions of chain molecules containing branches and rings,”J. Chem. Phys,17, 1301−1314 (1949)
【0003】
【発明の分野】
クロマトグラフィ法で分離した分子の報告された分子量の精度を予測できる方法を記載する。クロマトグラフィの分野に独特の専門用語のいくつかについて以下のように定義する。
【0004】
「ベースライン」という用語は、溶出ピーク前後のクロマトグラムの比較的平らな領域を指す。
【0005】
「カリブレーション曲線」という用語は、クロマトグラフィシステムをカリブレートするのに伝統的に必要とされる曲線で、通常は分子量対溶出容量または溶出時間の対数で表わしたものである。
【0006】
「クロマトグラム」という用語は、検出器の信号対溶出容量または溶出時間をグラフで表わしたものを指す。
【0007】
「クロマトグラフ」という用語は、サンプルの物理的特性に基づいて分離を行なうシステムを指す。
【0008】
「クロマトグラフィ」という用語は、物質の混合物を含むサンプルを、これら物質の物理的特性に敏感な技術によって分離することを指す。たとえば、サイズ排除クロマトグラフィすなわちSECは、流体力学的サイズによって分子を分離する。
【0009】
「溶出容量」という用語は、サンプルを注入してから検出器(単数または複数)を通過した溶媒の容量を指す。溶出容量は、溶出時間と溶媒の流量の積に等しい。
【0010】
「移動相」という用語はクロマトグラフィシステムを通って流れる溶媒を指す。
【0011】
ある分子の「分子量」とは、モル当りのグラム数で測定したその分子の質量を指す。たとえば、トルエン分子の分子量は、およそ92g/molである。
【0012】
「多分散度」という用語は、重量平均分子量の数平均分子量に対する比を指す。この多分散度は、常に1以上である。1という値は、単分散分布(すなわち等しい重量および数平均)を指す。この多分散度がそれぞれ1に近いかまたは1から離れているかによって、ポリマーを、狭い分布から広い分布まで特徴付けることができる。
【0013】
「レイリー比」という用語は特定の角度でサンプルの溶液が散乱させた光の量に比例する量を指す。「過剰レイリー比」という用語は、移動相に起因する散乱を含まない、溶出分子によってのみ引起こされる散乱光のその部分のみを指す。
【0014】
「rms半径」は、分子の根平均自乗(root mean square)半径を指す。これは、平均自乗半径の平方根であり、分子の質量中心からの各分子セグメントの質量重み付け平均自乗距離である。
【0015】
「スライス」という用語は、時間におけるある瞬間にすべての検出器(光散乱および濃度)から収集したデータを指す。データは通常等しい時間間隔で収集される。
【0016】
【発明の背景】
液体クロマトグラフィ、および特に高速サイズ排除クロマトグラフィいわゆるHPSECは、ポリマーを特徴付ける上で便利なツールである。典型的には、サンプルを準備して、クロマトグラフ内に注入し、これらサンプルが分子を分離するカラムを押し通される。HPSECの場合、分子は流体力学的サイズによって分離され、すなわちより小さい分子はカラムの隙間により長くとどまる傾向にあるので、より大きな分子よりも遅れて溶出する。歴史的には、分離カラムと濃度感知検出器とを備えるクロマトグラフは、広範囲な分子量MWにわたるほとんど単分散の高分子スタンダードを用いてカリブレートされており、これは処理されかつ分析される不明のサンプルについてのものもひとくくりにしていた。この不明なサンプルに存在するMWはサンプルの各分離されたフラクションがクロマトグラフを通るのに要する時間を狭いカリブレーションスタンダードの対応する時間に相対的に測定したものから生成していた。移動相は通常一定の速度でクロマトグラフを押し通されるので、システムを通るサンプルの通過時間を、溶出した流体の累積容量、いわゆる溶出容量で等価に表わすことができる。
【0017】
カリブレーションに依存する技術には、偶然誤差および系統誤差の両方を生じる数多くの原因が含まれる。偶然誤差は、行なわれるクロマトグラフの各回の条件の変化やベースラインおよびピークの設定における差によって生じる。系統誤差にはいくつかの原因がある。まず、カリブレーション曲線自体が一般にMWの対数と溶出容量との間の関係に対する近似値にすぎない。このスタンダードのMW値には不確かさが含まれており、他のカリブレーション曲線に基づく測定からも多くの不確かさが生じている。第2に、カリブレーションスタンダードと未知の物質との間に存在するかもしれない配座の相異が、この未知の物質の真のMWに相当すると予想されるものとはかなりのずれを伴った溶出時間を生じさせ、これらの系統誤差をさらに悪化させかつその検出を全く困難なものにする。最後に、カリブレーションと測定との間にはいくらかの時間的間隔が経過することが避けられないため、流量や温度等のシステムパラメータにおけるドリフトが重要になる。
【0018】
ところが、スタンダードから生じる結果が不正確であったにもかかわらず、これらの測定が再現可能であるという点が依然としてこれらの方法を用いる重要な理由であった。実際、パパチアンとマーフィとがジャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィの1990年の論文で指摘したとおり、数ヵ月および数年にもわたる測定を経た同じサンプルを繰り返し分析することによって現われた結果の相対的な不確かさを予想する。これらの不確かさを利用して、カリブレーションの経過の安定性をモニタしかつカラム自体の劣化をモニタすることが可能である。しかし、この文献に報告されるHPSEC分離のほとんどすべての測定は、報告された結果に関する精度の予想なしにMWを提示している。収集したデータを処理するソフトウェアパッケージは、そのような精度を得ることは不可能であるという事実を全く無視して、6桁以上の有効数字で結果を報告している場合が多い。
【0019】
インライン光散乱検出器の到来によって、光散乱検出器と濃度検出器を組合せることで絶対的なMWおよびサイズならびに分布の測定を行なうことができるようになったため、カリブレートを行なう必要性はなくなった。分析されている未知の物質と同じ構成であることが稀な、カリブレーションスタンダード自体による結果の固有の不正確さはもはや最終的な結果に影響を与えることはなくなった。このことによって、上に述べた系統誤差の多くが解消されたが、依然として偶然誤差の問題が残る。インライン光散乱測定のうち、特にワイアット・テクノロジー・コーポレイションが、DAWNの登録商標で製造する光散乱検出器系により行なわれるように多くの同時角度を含むものは、一般に多くのデータを含むので、当然そのデータが1回のクロマトグラフィに基づく結果の精度の測定値を直接的に計算するのに十分かどうか考えてみることになる。このような量の収集データが随分前から利用可能であったにもかかわらず、これまでは精度の予測が可能であるということは認識されないままであった。これらのデータ収集の多くを検討したところ、これらの臨界的な数値をどのようにして発生させることができるかが明らかとなってきた。
【0020】
正常な状況下では、クロマトグラフにおいて各検出器が平らなベースラインから立上がる単数または複数のピークを含む信号を出す。図1には、濃度感知検知器とともに光散乱検出器の1つから得られる信号が示されている。各スライスについてMWおよびrms半径を計算するためには、各角度の光散乱信号の、濃度信号に対する比を計算し、これらのデータを角度の関数としてのモデルに適合させる必要がある。適切なスケーリングを選べば、「インターセプト」と呼ばれる角度0でのこの適合度の数値がMWに関連し、かつ角度0での傾斜のインターセプトに対する比は平均自乗半径に関連する。これらの技術はたとえば1948年に始まるジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックスに見られるズィムによる文献等に詳しく開示されている。
【0021】
より詳細には、クロマトグラフによって分離された分子が、スライスiに対応する特定の容量で溶出すると仮定する。これらの分子は濃度cで溶解しており、この濃度は濃度感知検出器で測定することができる。また、これら分子は光を散乱させ、これはいくつかの角度θで光散乱検出器により測定することができる。分子から散乱した光は過剰レイリー比R(θ)で表わす。適度に低い濃度では、これら測定された過剰レイリー比は、以下のような関係で、重量平均分子量Mと第2のビリアル係数Aに関連している。
【0022】
【数5】
Figure 0003580380
【0023】
ここで量Kは以下の式で定義する光学パラメータである。
【0024】
【数6】
Figure 0003580380
【0025】
ただし、nが溶媒の屈折率を表わし、dn/dcが溶液の比屈折率増分を示し、λが入射光の真空波長を表わし、かつNがアボガドロ数を表わす。量P(θ)はスライスiに関する散乱関数または形状因子と呼ばれ、常に以下のようなsin(θ/2)の多項式で書き表わすことができる。
【0026】
【数7】
Figure 0003580380
【0027】
ただし<rは、スライスiに存在する分布を平均した散乱する分子の平均自乗半径である。これら分子が特定の形状のものであることがわかっている場合には、P(θ)の式を閉じた形式で書き表わすことができる。これら分子が、たとえば、多くのタイプのポリマー分子に一般的な、ランダムコイル近似式に従う場合には、散乱関数は以下のように書き表わすことができる。
【0028】
【数8】
Figure 0003580380
【0029】
ただしxは以下のとおりである。
【0030】
【数9】
Figure 0003580380
【0031】
計算は、式()の逆数式で行なってもよく、すなわち以下のようになる。
【0032】
【数10】
Figure 0003580380
【0033】
以下に説明する同じ分析技術のすべてが式()および(10)に当てはまる。
【0034】
極度に角度が小さかったり大きかったりする光散乱検出器は時として粒子からのノイズレベルが高かったりまたは迷光が原因で使用できないことがある。使用できる場合でも、これらの検出器は中間的角度のものよりも雑音が多い場合が多い。この雑音はベースラインやピークに現われる。濃度検出器の雑音レベルは、必ずしもそうでない場合もあるが、典型的には光散乱検出器のものよりも低い。
【0035】
理想的には、各スライスに対するMWおよびrms半径における不確かさを計算し、そこからピーク全体に相当する不確かさを、誤差伝搬の標準方法を用いて生成することができることが大変望ましい。これにより、同じサンプルを繰り返し測定することによって考えられる典型的なずれを統計的に予測することができる。このような計算によって、かなりの時間が節約できかつ測定の精度に関する独立した測定ができるようになる。残念ながら、1つのスライスに関連しての不確かさの測定には、各スライスが溶出するたびに繰り返し測定を行なう必要があると考えれらる。複数の数値を収集し、そこから標準的な統計的方法に従ってそれらに相当する標準偏差を計算するには、このような測定を十分長い期間にわたって行なう必要があるだろう。しかしながら、クロマトグラフ分離を行なう基本的な概念は溶出サンプルをスライスに分離し、その各々がサンプル全体に必要とする時間に比べて大変短い時間フレームに発生するという要件に基づいている。その変動を定量化するために、1つのスライスの測定を時間的に凍結することはできない。
【0036】
これらの明らかな矛盾にもかかわらず、本発明によって、クロマトグラフィ分離を用いる測定の精度をどのようにすればごく容易に予測することができるかが明らかになる。この方法は、ほとんど全般的に、インライン多角度光散乱検出器の好ましい実施例において収集されたデータの分析に焦点を当てているが、本発明は、測定に関し1、2、3またはそれ以上の角度を組込む他のタイプの光散乱検出器系に関して、当業者により確実に実施され得るものであり、また粘度量の測定および精度測定にも利用できる。
【0037】
【発明の簡単な説明】
図1は、濃度感能性屈折率検出器信号2と、90度の光の散乱1を比較する典型的なクロマトグラムである。サンプルは、MWが、モル当りおよそ30,000グラムであるポリスチレンの狭い分布スタンダードであった。移動相はトルエンで、かつ100μLの注入容量のカラムの前に全体質量0.2mgが注入された。2つの比較的平らなベースライン領域3および4が、ピーク領域5の両側にある。発明はこれらの観察に基づくものである。
【0038】
分子量および大きさの計算には、図1に見られるとおり、信号がベースライン雑音よりもかなり大きい、ピーク領域5のみを使用する。言換えれば、ベースライン領域3および4は、MWおよびrms半径について何らの情報を含んでおらず、サンプルによって影響を受けていない。ベースライン領域3および4に対応する移動相に存在するものと異なると考えられるサンプルの雑音に寄与する要素は、サンプル自体と一緒に導入されたアグリゲートおよび集カイ岩のみであろう。サンプルがクロマトグラフィカラムを通過する分離プロセスのために、この種の疑集体は通常サンプル自体から分離されて、ピーク領域のクロマトグラムには寄与しない。
【0039】
サンプルとともに導入されるこの見かけ上の寄与の部分はカラムから取除かれているので、ベースライン領域3および4に存在する雑音の量はピーク領域5に存在するもののそのままの測定値である。ピークの存在をこれに加えたりこれから引いたりはしない。
【0040】
ベースライン領域の適切な分析によって多角度の装置における各光散乱検出器に関する標準偏差および濃度検出器に関する標準偏差を算出することができる。図2ではベースライン領域4を拡大して示している。90度の光散乱信号1は雑音が変動していることを明らかに示しており、屈折率信号2は、ドリフトがわずかでかつ雑音がほとんどないことを示している。
【0041】
これらのベースライン標準偏差をピーク領域5に当てはめることによって、誤差の伝搬と呼ばれる標準的な統計作業を通して濃度、MW、およびrms半径における標準偏差を計算することができる。こうして、ベースライン領域3および4は、MWおよびrms半径の値については何らの情報も与えないが、実際にはMWおよびrms半径の標準偏差についての決定に使用できる情報を含んでいる。
【0042】
雑音を支配する統計的なプロセスが、ある種の妥当な仮定に従うならば、MWおよびrms半径について得られたこれら標準偏差を、同じサンプルを何度もクロマトグラフを行なって発生すると考えられる変動の典型的なものと考えることができる。
【0043】
こうして、ベースライン領域3および4の両方ならびにピーク領域5を分析することによって、計算した量における標準偏差を得ることができる。歴史的には、ベースライン領域3および4のみを使用して分析前のデータから減算するベースラインの値を決定し、かつドリフティングや雑音のあるベースラインが、検出器やクロマトグラフ自体に関する問題を示していた。ベースライン雑音に固有の情報の統計的な重要性についてはこれまでかえりみられたことはなく、また何らの統計的な分析に使用されたこともなかったのである。
【0044】
後ほど詳細に説明するが、本件の方法については以下のような重要な利点がある。
【0045】
この方法によって、多角度の光散乱装置および濃度感能性検出器を利用するクロマトグラフィ溶出から各スライスでの濃度、MWおよびrms半径における標準偏差の計算が可能となる。利用できるLS検出器が1つしかない場合は、rms半径の値を計算することはできないし、かつMW値にも誤差が含まれる可能性がある。しかしながら、MWの結果の精度については依然として計算することができるであろう。
【0046】
この方法によって、ピークを規定するスライスの範囲でMWおよびrms半径の平均値における標準偏差を計算することができる。
【0047】
雑音がある光散乱検出器を自動的に識別し、計算結果からそれらの寄与する部分を自動的に除去することができる。
【0048】
この方法は、ランダムコイルに限らず、球形、剛性ロッド、何次かの単純多項式を含む分子構造のいずれの理論的モデルに適用してもよい。
【0049】
この方法はまたインライン粘度決定の測定および解釈に用いてもよい。
【0050】
【発明の説明】
この明細書の背景技術の説明の部分でも述べたとおり、生成した分子量またはサイズモーメントの精度計算は、誤差伝搬の仮定を利用しているために、各スライスでの分子量および濃度の標準偏差が測定されることを要件とする。この考え方にまつわる基本的な難点は、クロマトグラフィによる分離は経時的に連続的に変化しているため、同じスライスで光散乱および濃度信号を複数個測定することができない点である。ある特定のスライスでの信号の変動は、通常1つのスライスのデータを収集する時間よりも大きい時間フレームで発生するので、1つのスライスの時間フレーム内で多数の測定を行なおうとすれば一般的に全く同じ信号を何回も測定することになってしまう。同じスライスについて複数の測定が必要な場合には、何回も同じ注入を行なって、かつクロマトグラフが毎回変化しないようにしておく必要がある。このような過程は、実際には実行不可能な安定性および再現性を求めているといえ、というのも様々なスライスが正確に重なっておりかつクロマトグラフィの条件が変化していないことを知ることは極めて難しいと考えられる。パパチアンおよびマーフィによる文献には、時間的経過に従って、すなわち長期間にわたって多数行なった注入から得られたデータに依存してどのように平均値が出されるかが記載されている。しかしながら、このやり方はある物理的量の精度の決定にしか使用できない。ある特定のポリマースタンダードに関しては、溶出ピーク(たとえば重量平均分子量)に関する様々な平均値をそれぞれの測定によって決定し得る。このように生成した平均値の変動源は、一般にデータを収集するのに使用されるタイムフレームにわたってクロマトグラフィの状態を一定に維持することが不可能に近いため、ほとんど判別することができない。どの方法によってもスライスごとの精度というものはこれまで決定されることがなかったが、測定の際に特定のポリマーの溶出ピークについての平均分子量の精度を予測したいと思っても、本件発明の以前には、寄与するスライスデータの変動を決定する方法がなかったため、不可能であった。
【0051】
これらの点を明らかにするため、N個のスライスのデータが収集されるある期間に溶出するクロマトグラフィのピークの重量平均分子量について考える。重量平均分子量は、以下のように定義される。
【0052】
【数11】
Figure 0003580380
【0053】
各ci およびMi の通常1回の測定では事前の関連誤差がないため、何度も注入を行なわずかつ実験を繰り返さないとすれば、Mw 自体の精度をどのように測定できるというのであろうか?下の式(12)は、どのようにして式(11)の生じたMi の各々についての関連する標準偏差σMiを、伝搬誤差を計算するための通常の方法に従って計算することができるかを示ている。伝統的には、特定のクロマトグラフィスライスiでの分子量の精度を決定する必要があれば、標準的なやり方というのは、そのi番目のスライスLijの光散乱信号およびその同じスライスでの濃度信号cijをM回繰り返し測定する(j=1からM)ことであろう。これら複数の測定値から、平均光散乱信号Lavgiおよびその標準偏差σLiならびに類似する濃度平均cavgiおよびその関連標準偏差σciをまず計算する。これら平均値の比Lavgi/cavgiから、そのi番目のスライスに関する分子量Miを計算する。このi番目のスライスに関する分子量の標準偏差は標準的な誤差伝搬のアルゴリズムを用いて以下のとおり算出することになる。
【0054】
【数12】
Figure 0003580380
【0055】
この結果を濃度cavgiの各標準偏差σciと組合せ、式(11)の重量平均分子量Mwの標準偏差を標準的な誤差伝搬のアルゴリズムを用いて計算することができる。
【0056】
しかしながら、実験的な観点からは、各スライスでの個々の寄与エレメントの標準偏差を決定する方法が知られていなかったために、上のやり方は常に不可能であると思われていた。本発明は、事実上不可能な繰り返し実験を行なう必要なく、各スライスで測定される物理量すべてに関し各検出された変数の標準偏差を予測する方法を開示する。この方法には、屈折率検出器、紫外線検出器および蒸気質量検出器等の様々な濃度検出器や光散乱検出器および粘度検出器等が含まれる。これらの標準偏差がわかれば、従来技術の誤差伝搬アルゴリズムを利用してすべての生成した量に対する精度の予測値を得ることができる。これはその必要性が長年にわたって認識されていたにもかかわらず、今日まで実現がされなかった重要な発明である。
【0057】
本発明の主要な要件は、比較的測定が簡単なベースライン領域での変動が、測定が大変困難な1つのスライスの反復測定における変動に等価であるという認識にある。これは、クロマトグラフィシステムに注入されたサンプルの塵埃、アグリゲートおよび残がいといった成分がサンプルの分子元素から一般に分離されることによる。サンプルの主成分が存在するクロマトグラフィの領域からこれらの成分を大部分取除くことなる。一方、移動相自体にこれら雑音を発生する物質が分布している場合には、これらの物質は分解されないまま残り、カラムの後でさえ連続的に溶出するので、等価な態様で分離したサンプルの各スライスに寄与する。ベースライン自体はスライス内の対応する測定値の決定における不確かさを引起こすこれらの物質のすべてを反映する。また、ベースラインは検出器のドリフトや電子雑音にまつわる雑音の要素のすべてを反映する。したがって、ベースライン領域における変動は1つのスライスの繰り返し測定における変動に等価である。このベースライン領域を慎重に測定することによって、分離したサンプルの各々およびすべてのスライスに影響を与える雑音の量を決定することができる。
【0058】
本発明の応用をいくつかのステップに分解することができる。各ステップの説明を以下に行なう。
1.スライスiでの各光散乱検出器からの信号R(θ)および濃度検出器からの信号cは塵埃、短期間のドリフト、微粒子等による固有の雑音レベルを有している。これは、インライン粘度検出器を使用した場合にも当てはまる。この雑音は一般に検出器ごとに規模が異なる。まず、各光散乱検出器からの信号の「標準偏差」と呼ばれる雑音レベルを決定する。図1は、90度の光散乱信号1と、濃度信号2とを示す。領域5における単数または複数のクロマトグラフィのピークは、どのような形にでもなり得るので、雑音レベルを見つけるのには適していない。しかしながら、ピークから離れたベースライン領域3および4は、比較的平らであり、かつ検出器信号の標準偏差を決定するのに使用される。90度の光散乱信号1と濃度信号2における典型的な雑音変動を図2に見ることができ、図2は、ベースライン領域4を拡大して示す。ベースライン領域は、分析者が選択するかまたは適当なコンピュータアルゴリズムによって決定することができる。いずれにしても、各検出器に関するベースライン領域は最小自乗法を用いて適切なモデルに適合される。これらベースライン領域においてはデータは比較的一定しているので、うまく適合できるはずである。プレス他による「数のレシピ」という文献にあるもののような数の分析を標準的に扱えば、よく適合した仮定によって得るべきデータ点の標準偏差の予測が可能になることがわかる。
【0059】
コンピュータアルゴリズムの好ましい実施例では、データの最初のフラクションまたは領域を適切なベースラインモデルに適合させる。1つの可能な選択としてはデータの最初の10%または100データポイントのうち小さい方を3次多項式に適合させることがある。このプロセスをデータの最後の10%または100データポイントのうち小さい方に関して繰り返し行なうことができる。データのこれらの端の領域だけを適合させることで、これら領域がベースラインデータのみを含みかつ単数または複数のピークが先行するベースライン領域の後および引続くベースライン領域の前に溶出する可能性が最大となる。これら双方の端の領域を適合させかつより小さい標準偏差をとることでこの方法ははずれ値の点には鈍感になる。ピークのある部分が偶然含まれている場合でも、3次多項式を使用することによってこの方法が適用できる。典型的には、データの組は500−2000ポイント以上を含むことになるので、この方法は通常これらベースラインの適合に際し少なくとも50ポイントを使用することになる。したがって、3次多項式はこれらのデータ点の間では評価できるほどには変動しないことになる。適合されるポイントの数を100まで限定することによって計算時間が短く保たれる。この自動的な方法は、分析者による介入を必要としておらず、むしろベースラインデータの少なくとも10%または100ポイントがサンプルピーク領域の前後いずれかで収集されることを仮定する。
【0060】
10%、100データポイントという特定的な選択、両方の端の領域を使用すること、および3次多項式の使用は妥当ではあるが、ユーザがこれらのパラメータのいずれかまたはすべてを特定できかつ標準偏差を決定するために多項式以外のモデルの使用を含む他のオプションが可能である点を強調しておきたい。異なる選択を行なえば異なる実験的条件に対してこの方法をよりよくするかもしれないが、これらすべての可能な選択は本発明の代替的な実施例にすぎない。
【0061】
このベースライン適合の過程は光散乱装置における各検出器に対して一度かつ濃度検出器に関して一度それぞれ行なわれる。
2.各ピークにおける各スライスiに関して、好ましいコンピュータ分析で、各角度θに関する光散乱信号の濃度信号に対する比R(θ)/Kを計算する。ステップ1で既に決定した過剰レイリー比R(θ)および濃度信号cにおける標準偏差から、テイラーによる文献に記載されるような誤差伝搬の標準的統計方法を使用して各角度に関する比R(θ)/Kにおける標準偏差を得る。たとえば、2つの量aおよびbを、それぞれの不確かさσおよびσがある場合、比a/bおよびその関連する不確かさについて以下のように示すことができる。
【0062】
【数13】
Figure 0003580380
【0063】
3.次に、各角度に関する比R(θ)Kがステップ2で生成した標準偏差を用いて予測される光散乱の適切な理論的モデルに適合される。入力データにおける標準偏差がわかっている場合には、非線形のモデルを含むどのモデルにもデータを適合させるための標準的な数値方法が存在する。このような方法はプレス他による先ほども述べた文献に記載されている。順序決めされたデータの対(x,y)、yにおける不確かさσおよびモデルy(x)では、データとモデルとの間の偏差は最小自乗法に従って計算される。「カイスクエア」と呼ばれる量χは以下の式により計算される。
【0064】
【数14】
Figure 0003580380
【0065】
この量はこのモデルにおける様々なパラメータを調節することによって最小にされる。モデルy(x)が、たとえばy(x)がxの多項式である場合など、そのパラメータにおいて線形であれば、最小化は1つの工程で完了する。モデルが非線形である場合には反復方法が用いられる。いずれの場合も、χの最小値とともに最も適合するパラメータおよびその不確かさが得られる。
【0066】
本件の場合には、特定のスライスiに対して、順序決めされた対[sin2 (θj /2)、Ri (θj)K*i ]から入力データがなる。モデルは式()または式(10)の右辺に適切なP(θj)を選択したものから構成される。数値解法によって、モデルパラメータ、すなわち分子量Mi と平均自乗半径<r2 >iを調節することによりデータとモデルとの間の偏差が最小になる。各スライスに関し適合を行なう場合に、大きい標準偏差を伴う順序決めがされた対は小さな標準偏差を伴うものに比べて重要度が比較的低い。したがって、雑音がある光散乱検出器は全体の適合に対して重要度が減るように自動的に重み付けされる。その結果、MWおよび平均自乗半径に最もよく適合した値ならびにそのMWおよび平均自乗半径における標準偏差が得られる。rms半径を得るためには、この平均自乗半径の平方根をとる。
4.データに系統誤差が含まれていない場合には、ステップ3で得られたχ2 の値は、適合において使用された角検出器の数と適合されたパラメータの数との間の差として定義される自由度を表わす数におよそ等しいことになる。一方、光散乱データに系統誤差が存在する場合、または選択したモデルがデータに対し不適切なものであった場合、選択したモデルは、それが指し示すべきデータおよび計算標準偏差を示さず、χ2の値は自由度の数よりも大きくなってしまう。好ましいコンピュータ分析は、各角度に対し同じ係数ですべての光散乱標準偏差を増大させることによってこのことを説明し、χ2を強制的に自由の度合の数に等しくする。このことによって計算されたMWおよびrms半径における標準偏差は効果的に増大する。これはまた、選ばれたデータがデータを十分表わしているということを暗示的に仮定する。ステップ2から4までは各ピークにおいて各スライスについて行なわれる。
5.各ピークに対しMWおよび平均自乗半径の様々なモーメントまたは重み付け平均を得るために、各スライスについて濃度、MW、および平均自乗半径を組合せるための標準的な式が存在する。誤差伝搬の標準的統計的技術を用いて、ステップ3で各スライスについて得られた標準偏差を使用してモーメントの各々における標準偏差を計算する。このステップはすべてのスライスデータを分析した後に各ピークについて1回行なわれる。当然、上に述べた質量および半径のモーメント以外に必要とされ得るスライスの結果の他の機能的な組合せが存在し得る。選択されたピーク領域内での濃度、MW、および平均自乗半径
の値のいずれかのこのような機能的組合せの精度について同様に計算することができる。
【0067】
本発明の真に新規な追加的要素はステップ1および4である。ステップ2、3および5は、単に標準的な数の分析方法を光散乱に応用したものである。
【0068】
本件発明を、光散乱と濃度測定を組合せて使用し、クロマトグラフィ法で分離したサンプルの測定について応用するやり方について集中的に説明したが、この方法は粘度等の他のオンライン測定技術についても十分に同様に適用できる。粘度の場合には、粘度計がその溶液の比粘度に比例する信号を生成する。比粘度の濃度に対する比を計算することによって、サンプルの固有粘度を決定することができる。明らかに、本発明の方法をこの技術に応用して固有の粘度の値に関する精度の予測を行ないかついわゆるユニバーサルカリブレーション曲線と呼ばれるものを参照してMWの値および流体力学的分子半径の値の精度予測を行なうことができる。同様に、粘度および光散乱等の技術の他の組合せに関しても、寄与する信号の各々およびそこから派生する対応の計算量および標準偏差に本発明を応用して、分子量およびサイズを生成し、その精度についても同様に計算することができる。
【0069】
データ分析およびクロマトグラフィの分野の当業者には明らかなとおり、発明の実施について私が挙げた基本的な要素から逸脱することなく、私が発明しかつ記載した方法の多くの自明な変形が存在するが、これらの変形のすべてが本明細書中に記載した私の発明の自明な実施例であり、かつ先行する特許請求の範囲に含まれることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】90度の光散乱信号を濃度検出器信号と重ねて示す典型的なクロマトグラムの図であり、前後のベースライン領域およびピークがはっきり現われた図である。
【図2】典型的な雑音の変動を含む図1の後のベースライン領域4の拡大図である。
【符号の説明】
1…90度の光散乱信号
2…濃度検出器信号
3、4…ベースライン領域
5…ピーク領域

Claims (11)

  1. 光散乱検出器および濃度検出器から集められたデータを使用して分子量測定値の精度を判定する方法であって、
    A)サンプルをカラムまたは他の分離手段内に注入するステップと、
    B)溶出サンプルが通過する光散乱検出器手段および濃度検出器手段を提供するステップと、
    C)結果として得られたクロマトグラフィのトレースの各々において、上記のように分離されたサンプルに対応するピーク領域(5)を線引きするステップとを含み、前記トレースの各点は、前記溶出サンプルの収集スライスに対応し、さらに、
    D)結果として得られたクロマトグラフィのトレースの各々において、上記のように分離されたサンプルが存在しない領域に対応するベースライン領域を識別するステップと、
    E)該濃度検出器および各光散乱検出器によって生成された、サンプルの存在しないベースライン領域(3、4)を線引きするステップとを含み、上記の線引きされた領域は比較的平らであり、さらに、
    F)前記ベースライン領域の関数依存性を、溶出時間j、または、等価的に、上記のように線引きされた各前記サンプルが存在しないベースライン領域についての溶出体積jの関数として仮定するステップと、
    G)前記線引きされたベースライン領域(3、4)内で検出されたデータ点のベースライン標準偏差値を、その中の選択された前記関数依存性につき、該濃度検出器に対してはscj、および、各光散乱検出器に対してはsij、として、計算するステップとを含み、i=1〜Nであり、Nは光散乱検出器の数であり、さらに、
    H)i=1〜Nである前記計算されたベースライン標準偏差値scjおよびsijを、それぞれ、前記ピーク領域(5)を通じた各濃度検出器および光散乱検出器のスライス値の標準偏差に帰属させるステップと、
    I)各スライスjおよび検出器iについて、誤差伝搬の標準的な統計手法を使用して、比Rj(qi)/K*jの標準偏差を計算するステップとを含み、cjはピーク領域(5)内のスライスjで測定された濃度値であり、Rj(qi)は検出器iに対する対応するスライスjで計算された過剰レイリー比であり、K*は光学パラメータ4p20 2(dn/dc)2l0 -4A -1 であり、(dn/dc)はサンプル−溶質の組合せの屈折率増分であり、n0は入射光の真空波長l0における溶媒の屈折率であり、NAはアボガドロ数であり、さらに、
    J)各スライスにおける前記計算された比の角度変化の関数依存性y(χ)を、
    Figure 0003580380
    として選択するステップを含み、
    Figure 0003580380
    であり、さらに、
    K)最小自乗法に従って各スライスjにおけるχj 2を最小にするステップを含み、ここで
    Figure 0003580380
    であり、値χijは、それらの計算された標準偏差によって重み付けられ、パラメータMj、<r2>j、αj2、および、選択された場合、Pj<qi>の高次パラメータを変化させることにより、各スライスにおけるχj 2の最小値を算出し、さらに、
    L)χj 2の最小値に対応するMjおよび<r2>jの値を、スライスjにおける分子の分子量および平均自乗半径として選択するステップを含む、方法。
  2. 前記濃度検出器が屈折率検出器として提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記濃度検出器が紫外線検出器として提供される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記濃度検出器が蒸気質量検出器として提供される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記形状因子Pj<qi>は、ランダムコイルモデルに対して
    Figure 0003580380
    である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記ベースライン領域の前記関数依存性が多項式である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記多項式がゼロ次数である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記多項式が3次多項式である、請求項6に記載の方法。
  9. 前記ベースライン領域(3、4)が前記分離されたサンプルの前記ピーク領域(5)の一方側または他方側で収集されたベースラインの少なくとも10%からなる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記ベースライン領域が前記ピーク領域(5)の各側に位置する2つの部分(3,4)からなり、両部分が別個に分析されて2つの別個のベースライン標準偏差が得られ、その小さい方が前記分離されたサンプルの前記クロマトグラフィピーク内の各前記スライスにおける前記検出された信号の前記ベースライン標準偏差に等しく設定される、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. すべての光散乱標準偏差は、χj 2の値を自由度の数と等しくするために、各角度について同じ係数で増加される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法
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