JP3579986B2 - オゾン発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水処理などに用いられるオゾン化ガスを得るオゾン発生装置に係わり、長時間の運転が可能となるように改良されたその構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾン発生装置は、オゾンが持つ公知の殺菌力などを利用して水処理施設などにおいて広く使用されている。このような従来例のオゾン発生装置について、図5を用いて以下で説明する。ここで図5は、従来例のオゾン発生装置を模式化して周辺装置と共に示す構成図であり、(a)はその側面断面図を、(b)は図5(a)におけるA−A断面図である。図5において、9は、筐体7と、オゾン発生管8などを主体にして構成されたオゾン発生装置である。筐体7は、耐オゾン性を持つ金属材料としてステンレス鋼などが用いられており、この事例の場合には、円筒状をした胴部71と、胴部71の両開口端部のそれぞれに、平パッキン711を介して、ねじ等の図示しない締着手段を用いて装着された側板72,73で構成されている。胴部71の内面側には、少なくと1対の円板状の支持板74,74が互いに間隔を設けられて嵌め込まれている。胴部71の外面側には、側板73と一方の支持板74との中間位置に原料ガス91の供給口である配管接続体75が、側板72と他方の支持板74との中間位置にオゾン化ガス92の流出口である配管接続体76が、また、一方の支持板74と他方の支持板74とによって仕切られた領域の部位には冷却水93用の配管接続体77,78が、それぞれ装着されている。また、胴部71の外面側の側板73の付近には、周知のブッシング79が装着されている。
【0003】
オゾン発生管8は、この事例の場合には、円筒状をした接地側の電極体81と、電極体81の内面側にライニングなどによって形成されたガラス層などの誘電体層82と、誘電体層82を含む電極体81の内側に、ほぼ一様な空隙長さを持つ放電空隙8aを介して設置された高電圧側の電極体83とで構成されている。電極体81と電極体83とには、耐オゾン性を持つ導電材料としてステンレス鋼などが用いられており、また、電極体83は、両端面が端板によって塞がれた円管材が用いられ、その内部は冷却水951を通流させる冷却部としている。電極体83の外面側下部の両端部付近には、電極体83を、周方向にほぼ一様な空隙長さとされた放電空隙8aを介して電極体81の内側に設置するために、載置用の突起体831が形成されている。このオゾン発生管8は、電極体81の外面側でそれぞれの支持板74,74に形成されている貫通穴741に嵌め込まれることで、支持板74,74を介して筐体7に支持されている。
【0004】
支持板74,74の胴部71および電極体81と接する部位には、冷却水93のこの部位からの漏出を防止するために、図示しないOリング等の弾性シール体が装着されている。筐体7を構成している側板72には、冷却水951用のマニホールド721が装着されており、このマニホールド721と電極体83との間を結んで、冷却水951を通流させるためのチューブ99が配設されている。チューブ99には、4ふっ化エチレン樹脂材などの耐オゾン性を持つ電気絶縁材製のものが用いられており、マニホールド721と電極体83とのそれぞれには、チューブ99用の後記する図1、図2中に示された配管接続体が装着されている。
【0005】
周知の高周波電源94からオゾン発生装置9に供給される高周波交流電圧は、ブッシング79からオゾン発生装置9に取り込まれ、リード線791を介して高電圧側の電極体83に与えられている。高周波電源94の他端は接地電位点941に接続されており、筐体7はこの接地電位に接続されている。接地側の電極体81は、図示しないリード線によって筐体7と電気的に接続されることにより、接地電位に保持されている。オゾン発生装置9に供給される冷却水951には、低い電気伝導性を持つ水である純水が用いられており、この冷却水951は、ポンプ装置952、貯水槽953などからなる公知の純水供給系統95から供給されている。純水とされた冷却水951と,電気絶縁材製のチューブ99とが用いられていることによって、筐体7(接地側の電極体81と同電位である。)から高電圧側の電極体83に冷却水を供給する際の、冷却水951中を通流する電流値をごく僅かな値に抑制することができている。冷却水93は、接地電位となる部位に通流されるために電気絶縁性を持たせることを要しないので、この事例の場合には一般用の水が用いられている。原料ガス91としては、酸素,空気などが供給されている。
【0006】
従来例のオゾン発生装置9は前記の如く構成されており、配管接続体75から供給された原料ガス91は、側板73側の電極体81の開口から放電空隙8aに流れ込み、放電空隙8a中を通流した後、配管接続体76から流出される。配管接続体76の下流側には図示しない排気バルブが装着されており、この排気バルブの弁開度を調整することによって、オゾン発生装置9内の原料ガス91はその圧力値を約1.62×105 〔Pa〕に調整されている。このような圧力値を持つ原料ガス91が通流されているオゾン発生管8の電極体81と電極体83との間に、高周波電源94から供給された高周波交流電圧を印加すると、公知のことによって無声放電が発生し、これによって原料ガス91が持つ酸素の少なくとも一部がオゾン化されることになる。すなわち、オゾン発生管8においてオゾン化ガス92が生成されるのである。
【0007】
なお、多量のオゾン化ガス92を供給できる能力を持つものとして、複数のオゾン発生管8が設置されたオゾン発生装置も知られており、この場合のオゾン発生管8の設置本数は、2本から数百本にまで及ぶものがある。なお、オゾン発生管8の設置本数が複数本である場合には、それぞれの支持板74に設けられる貫通穴741の個数は、オゾン発生管8の設置本数と同数にすることが一般である。また、その場合の冷却水951用のマニホールドは、純水供給系統95から冷却水951を受け取る側の流入口は,マニホールド721と同様に1個でよいが、オゾン発生管8に接続される冷却水951の流出口の個数は,オゾン発生管8の設置本数と同数にされることが一般である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術によるオゾン発生装置、例えば、オゾン発生装置9においては、オゾン化ガス92の供給に好適な装置であるのであるが、次記する事項が問題とされるようになってきている。すなわち、オゾン発生管8において無声放電が行われていると、無声放電によって生成されたイオンが電極体83の表面に衝突するので、電極体83の表面からは、電極体83に用いられている導電材料の構成材(用いられている導電材料がステンレス鋼である場合には、Fe,Cr,Niなどである。)が微細な金属粒子となって放出される。この現象は、スパッタ作用として知られている周知の現象である。
【0009】
電極体83からスパッタ作用により放出された金属粒子は、原料ガス91したがってオゾン化ガス92と共にオゾン発生管8内を通流して行く。そうして、この金属粒子の少なくと一部は、オゾン発生管8のオゾン化ガス92の流出部付近に配設されているチューブ99の表面に順次堆積されて、導電性の皮膜を形成することになる。導電性皮膜がその表面の全面を覆って形成されたチューブ99では、電極体83と筐体7との間に加わっている高周波電源94から供給された高周波交流電圧に従う値の電流が、この導電性皮膜中を通流することになる。この結果、導電性皮膜中を通流する電流によるジュール熱で導電性皮膜が発熱することによって、チューブ99が溶融するなどして損傷を受けるので、オゾン発生装置9の長時間の運転が不可能になる問題が発生している。
【0010】
この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、長時間の運転が可能なオゾン発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明では前述の目的は、1)両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、貫通穴が形成された端板を少なくと一方の端部に有すると共に,前記のチューブの外表面との間に空隙が形成できる内径寸法を有する筒状体を備え、この筒状体は、端板側をオゾン発生管のオゾン化ガス流出側に向けて前記のチューブの長さ方向の少なくとも一部を覆うように配設されてなる構成とすること、により達成される。
【0012】
そうして、オゾン発生管から流出されたオゾン化ガスは、筒状体が持つ端板に遮られることで、少なくとも筒状体が装着されている部位のチューブの表面部分には通流されない。これにより、オゾン化ガスと共にオゾン発生管から流出された金属粒子が、少なくとも筒状体が装着されている部位のチューブの表面部分には堆積されることが無くなる。または、2)両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、前記のチューブは、その長さ方向の少なくとも一部の外表面に剥離が容易な保護膜が形成されてなる構成とすること、により達成される。
【0013】
そうして、オゾン化ガスと共にオゾン発生管から流出された金属粒子は、この保護膜上に堆積されることになる。これによって導電性皮膜が保護膜上に形成されるのであるが、例えば、この導電性皮膜が保護膜上の全面に形成されるまでには至らない前の適切な時点でオゾン発生装置の運転を停止し、保護膜と共にこの導電性皮膜を除去することで、チューブのジュール熱による損傷を防止することが可能となる。または、3)両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、オゾン発生管のオゾン化ガス流出側と筐体とに挟まれた空間に設置されてオゾン化ガスにコロナ放電を発生させるコロナ放電発生装置を備え、前記のチューブは、このコロナ放電発生装置によるコロナ放電の発生域の外に,その長さ方向の少なくとも一部が配設されてなる構成とすること、により達成される。
【0014】
そうして、コロナ放電発生装置の設置によってオゾン化ガスに含まれる金属粒子は、公知の電気集塵装置に用いられている原理に基づいて、帯電されることによってコロナ放電発生装置が持つ電極に向かう方向の電気力を受け、最終的にはこの電極に捕集されることになる。このために、チューブの長さ方向の少なくとも一部が配設されているコロナ放電の発生域の外には、金属粒子が大幅に除かれたオゾン化ガスが通流されることになる。したがって、この部位のチューブには、金属粒子の堆積される度合いが低減されるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、図5に示した従来例のオゾン発生装置およびその周辺装置と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図5で付した符号については、代表的な符号のみを記した。
【0016】
実施例1;図1は、請求項1に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置の主要部を模式化して示すその側面断面図である。図1において、1Aは、図5に示した従来例によるオゾン発生装置9に対して、筒状体3を追加して備えるようにしたオゾン発生装置である。筒状体3は、筒状をなしチューブ99の外表面との間に空隙が形成できる内径寸法を有する筒状部31と、筒状部31の一方の端部に形成され,チューブ99が通過できる寸法の貫通穴を持つ端板32と、端板32に連続されて形成され,チューブ99が通過できる寸法の貫通穴を持つ筒状をなした支持部33とを有している。この筒状体3に用いる素材は、耐オゾン性を有することで、セラミックス,ふっ素系樹脂材などであることが好ましいものである。
【0017】
オゾン発生装置1Aを示す図1中には、マニホールド721と高電圧側の電極体83との間を結んでチューブ99を配設する際に用いられる、配管接続体が示されている。これ等の配管接続体は、図5中にはその図示を省略されている。チューブ99は、マニホールド721に装着された配管接続体722と、電極体83の端部に装着された配管接続体832とにその端部を嵌め込んで装着されているのである。オゾン発生装置1Aの場合には、これに加えて、それぞれのチューブ99には、筒状体3が図示のように装着されている。すなわち、筒状体3は、オゾン化ガス92がオゾン発生管8から流出されてくる側に端板32が配置されるようにして、チューブ99に装着されるのである。なお筒状体3においては、支持部33が、筒状部31の内面側がチューブ99の外面に接触しないようにして筒状体3を保持している。
【0018】
図1に示す実施例では前述の構成としたので、課題を解決するための手段の項の第1項で説明したところにより、筒状体3が装着されている部位のチューブ99の表面部分にはオゾン化ガス92は通流されない。これにより、オゾン化ガス99と共にオゾン発生管8から流出された金属粒子によって、チューブ99の全面を覆う導電性皮膜が形成されるということは、オゾン発生装置1Aの場合には発生し得ないのである。この結果、従来技術の場合において発生していた導電性皮膜中を通流する電流のジュール熱で、チューブ99が損傷を受けることで、オゾン発生装置の長時間の運転が不可能になることが解消されるのである。
【0019】
実施例1における今までの説明では、筒状体3においては、筒状部31の内面側がチューブ99の外面に接触しないようにするために、前記の構造の支持部33を有するとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、支持部は、筒状部31の内面側の,反端板32側の端部付近に形成された突起部であってもよいものである。
【0020】
実施例2;図2は、請求項2に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置の主要部を模式化して示すその側面断面図である。図2において、図1に示した請求項1に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図2において、1Bは、図5に示した従来例によるオゾン発生装置9に対して、チューブ99の表面に剥離が容易な保護膜4を形成するようにしたオゾン発生装置である。保護膜4には、耐オゾン性を有することでふっ素樹脂系の塗布材を用いることが好ましいものである。チューブ99が4ふっ化エチレン樹脂材製である場合には、ふっ素樹脂系の塗布材を用いて形成された保護膜4は、チューブ99に対して適度の被着強度を持つと共に保護膜4をチューブ99から剥がそうとする場合には、比較的に容易に剥がすことが可能であることが発明者らによって確認されている。
【0021】
図2に示す実施例では前述の構成としたので、課題を解決するための手段の項の第2項で説明したところにより、オゾン化ガス92と共にオゾン発生管8から流出された金属粒子は、従来例のオゾン発生装置9の場合とは異なりチューブ99の表面に直接では無く、保護膜4上に堆積されることになる。したがって、オゾン発生装置1Bの場合には、導電性皮膜が保護膜4上に形成されるのではあるが、例えば、この導電性皮膜が保護膜4上の全面に形成されるまでには至らない前の適切な時点でオゾン発生装置1Bの運転を一時停止し、保護膜4と共にこの導電性皮膜を除去することで、チューブ99のジュール熱による損傷を防止することが可能となる。なお、オゾン発生装置1Bの運転の再開は、保護膜4が剥離されたチューブ99の表面に再び保護膜4を形成した後に行われることになる。
【0022】
この実施例2によるオゾン発生装置1Bは、前記のオゾン発生装置1Aと対比すると、オゾン発生装置1Aと同等の作用・効果を有しながら、セラミックス,ふっ素系樹脂材などを使用することで比較的に高価なものとなる筒状体3を使用しないので、その製造原価を低減することができるとの特長を備えることが可能となるものである。
【0023】
実施例3;図3は、請求項3に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置を模式化して周辺装置と共に示すその側面断面図である。図3において、1Cは、図5に示した従来例によるオゾン発生装置9に対して、筐体7に替えて筐体5を用いると共に、コロナ放電発生装置6を備えるようにしたオゾン発生装置である。筐体5は、従来例のオゾン発生装置9が備える筐体7に対して、胴部71,側板72に替えて、胴部51,側板52を用いるようにしている。胴部51は、従来例の筐体7が有する胴部71に対して、オゾン化ガス92の流出側のオゾン発生管8の端部の付近に、マニホールド721が取り付けられていることが相異している。また、側板52は、従来例の筐体7が有する側板72に対して、マニホールド721の替わりにコロナ放電発生装置6を装着するようにしている。
【0024】
コロナ放電発生装置6は、周知のブッシング61と、放電極62と、1対の捕集極63,63とで構成されている。ブッシング61は、外面側から側板52に装着され、筐体5の内側に突き出させて放電極62を支持している。1対の捕集極63,63は、放電極62を中央に挟さむような位置に対峙させて装着されている。放電極62は公知の直流高圧電源装置69のマイナス極に、捕集極63,63は直流高圧電源装置69のプラス極に接続される。また、オゾン発生装置1Cの場合には、チューブ99は、オゾン化ガス92の流出側の高電圧側の電極体83の端部に装着された図示しない配管接続体(前記の図1中に示した配管接続体832と同一のものである。)と、胴部51に取り付けられたマニホールド721に装着された図示しない配管接続体(前記の図1中に示した配管接続体722と同一のものである。)との間を結んで、ほぼ直角状に曲げられて配設される。これにより、チューブ99の長さ方向のかなりの部分は、後記するコロナ放電の発生域の外に配設されることになる。
【0025】
次に、オゾン発生装置1Cにおけるコロナ放電発生装置6の働きを、図4を用いて説明する。ここで図4は、オゾン化ガス中の金属粒子の捕集を行う原理を説明する説明図である。放電極62と、それぞれの捕集極63,63との間に図4中に示したように直流高圧電源装置69から供給された直流高電圧を印加すると、周知のごとく放電極62と捕集極63,63との間にコロナ放電が生じる。その結果、相対的に強い電界強度値が得られる放電極62の近傍部に在るオゾン化ガス92が電離を起こし、正電荷と負電荷とが生成される。この電離が起こる領域の外周囲を、図4中では一点鎖線で示しており、以降この領域を電離領域と呼ぶことにする。
【0026】
この電離領域内に在るオゾン化ガス92に含まれる金属粒子は、電離で生成された正電荷または負電荷が付着されて、正または負に帯電される。帯電された金属粒子は、正電荷または負電荷に働く公知のクーロン力によって、正に帯電されたものは放電極62に、また、負に帯電されたものは捕集極63,63に、それぞれ引きつけられて捕集される。コロナ放電発生装置6によって上記のごとくに行われる金属粒子の捕集は、周知の電気集塵装置の集塵原理と同一である。したがって、電離領域を通過したオゾン化ガス92中に含まれる金属粒子の量は、大幅に低減されることになるのである。
【0027】
図3に示す実施例では前述の構成としたので、課題を解決するための手段の項の第3項で説明したところにより、コロナ放電発生装置6のコロナ放電領域を通過後におけるオゾン化ガス92に含まれる金属粒子の含有量は、大幅に低減されることになる。さらに、オゾン発生装置1Cの場合には、チューブ99の反オゾン発生管8側の端部は、胴部51に取り付けられたマニホールド721に接続されるので、チューブ99の長さ方向のかなりの部分は、コロナ放電発生装置6による電離領域の外に配設されることになっている。この部位のオゾン化ガス92に含まれる金属粒子の含有量は、前記したごとく極めて少なくなっているので、この部位のチューブ99に堆積される金属粒子の量は、従来例のオゾン発生装置9の場合と比較して大幅に低減されるのである。この結果、従来技術の場合において発生した導電性皮膜中を通流する電流のジュール熱で、チューブ99が損傷を受けることで、オゾン発生装置の長時間の運転が不可能になることが解消されるのである。
【0028】
この実施例3によるオゾン発生装置1Cは、前記のオゾン発生装置1Bと対比すると、オゾン発生装置1Bと同等の作用・効果を有しながら、オゾン発生装置1Bの場合に必要な保護膜4の剥離と再形成のために、行わなければならない装置の運転停止が不要となるので、長時間の連続運転ができるとの特長を備えることが可能となるものである。
【0029】
実施例3における今までの説明では、オゾン発生装置1Cが備える筐体5は、胴部51にマニホールド721が取り付けられているとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、側板52にマニホールド721が取り付けるようにしてもよく、その場合には、電極体83の端部に装着された配管接続体と、側板52に取り付けられたマニホールド721に装着された配管接続体との間にわたってチューブ99を配設する際に、このコロナ放電発生装置6による電離領域の外に、その長さ方向の少なくとも一部が配置されるように、弛みを持たせるなどして配設するようにすることが好ましいものである。
【0030】
【発明の効果】
この発明においては、前記の課題を解決するための手段の項で述べた構成とすることにより、次記する効果を奏する。すなわち、前記の課題を解決するための手段の項の第1項で述べた構成とすることにより、オゾン発生管から流出されるオゾン化ガスは、筒状体が持つ端板に遮られてその部位のチューブの表面部分には通流されないので、この部位のチューブには金属粒子が堆積されることは無くなる。これによりオゾン発生装置の長時間の運転が可能になる。また、前記の課題を解決するための手段の項の第2項で述べた構成とすることにより、保護膜をチューブから除去すれば導電性皮膜も保護膜と共に一体に除去されることになる。したがって、適切な時点で保護膜を除去することで、チューブのジュール熱による損傷が防止されて前記項と同等の効果を得ることが可能になると共に、前記項よりもその製造原価を低減することが可能になる。また、前記の課題を解決するための手段の項の第3項で述べた構成とすることにより、オゾン化ガスに含まれる金属粒子はコロナ放電発生装置に捕集されるので、コロナ放電発生装置を通過したオゾン化ガスでは、その金属粒子の含有量が低減される。そうして、この部位に配設されたチューブには金属粒子の堆積される度合いが低減されることになる。これにより、前記項と同等の効果を得ることが可能になると共に、前記項の場合と対比すると、堆積された金属粒子を除去するための運転の一時停止を不要とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置の主要部を模式化して示すその側面断面図
【図2】請求項2に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置の主要部を模式化して示すその側面断面図
【図3】請求項3に対応するこの発明の一実施例によるオゾン発生装置を模式化して周辺装置と共に示すその側面断面図
【図4】オゾン化ガス中の金属粒子の捕集を行う原理を説明する説明図
【図5】従来例のオゾン発生装置を模式化して周辺装置と共に示す構成図であり、(a)はその側面断面図、(b)は図6(a)におけるA−A断面図
【符号の説明】
1 オゾン発生装置
2 筐体
71 胴部
72 側板
721 マニホールド
73 側板
8A オゾン発生管
84 電極体
91 原料ガス
951 冷却水
99 チューブ
Claims (3)
- 両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、貫通穴が形成された端板を少なくと一方の端部に有すると共に,前記のチューブの外表面との間に空隙が形成できる内径寸法を有する筒状体を備え、この筒状体は、端板側をオゾン発生管のオゾン化ガス流出側に向けて前記のチューブの長さ方向の少なくとも一部を覆うように配設されてなることを特徴とするオゾン発生装置。
- 両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、前記のチューブは、その長さ方向の少なくとも一部の外表面に剥離が容易な保護膜が形成されてなることを特徴とするオゾン発生装置。
- 両端が開口された筒状をなし内面側に誘電体層が形成された接地側の電極体と,冷却水が通流される冷却部を内部に有して柱状をなし接地側の電極体の内側に空隙を介して配置される高電圧側の電極体とを有するオゾン発生管と、少なくとも1本のオゾン発生管を内蔵すると共に原料ガスの供給口およびオゾン化ガスの流出口とを有する筐体と、筐体に設置された冷却水用のマニホールドと、マニホールドと高電圧側の電極体との間にわたって配設されて高電圧側の電極体に冷却水を供給するための電気絶縁材製のチューブとを備え、高電圧側の電極体と接地側の電極体との間に交流電圧が印加されたオゾン発生管に原料ガスを通流させることで原料ガスをオゾン化してオゾン化ガスを得てなるオゾン発生装置において、オゾン発生管のオゾン化ガス流出側と筐体とに挟まれた空間に設置されてオゾン化ガスにコロナ放電を発生させるコロナ放電発生装置を備え、前記のチューブは、このコロナ放電発生装置によるコロナ放電の発生域の外に,その長さ方向の少なくとも一部が配設されてなることを特徴とするオゾン発生装置。
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