JP3579622B2 - 反響抑圧における所望エコー抑圧量導出方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、2線4線変換系および拡声通話系などにおいて、ハウリングの原因および聴覚上の障害となるエコー信号を、通話品質上最適に抑圧するための所望エコー抑圧量の導出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、拡声通話系の模式図を示したものである。
図1において、1,3は送話用マイクロホン、2,4は受話用スピーカ、5,7は送話信号増幅器、6,8は受話信号増幅器、9は伝送路、10,11は送話者、12は受話者をそれぞれ表す。送話者10の発声した送話音声は、送話用マイクロホン1、送話信号増幅器5、伝送路9、受話信号増幅器8、受話用スピーカ4を経て送話者11に伝わる。この拡声通話系は、従来の電話通話系のように送受話器を手に持つ必要がないため、作業をしながらの通話が可能であったり、また、自然な対面通話を実現できるという長所を持ち、通信会議やテレビ電話、拡声電話機などに広く利用が進められている。
【0003】
一方、この通話系の欠点として、エコーの存在が問題となっている。すなわち、図1において、受話用スピーカ4から受話側に伝わった音声が、送話用マイクロホン3で受音され、送話信号増幅器7、伝送路9、受話信号増幅器6、受話用スピーカ2を経て送話側に再生される。送話者10および受話者12にとって、この現象は、自分の発声した音声が、受話用スピーカ2から再生されるというエコー現象であり、音響エコーなどと呼ばれている。このエコー現象は、拡声通話系において通話の障害や不快感などの悪影響を生じる。さらに、受話用スピーカ2から再生された音は、送話用マイクロホン1で受音されて信号の閉ループを形成する。そして、ループゲインが1より大きい場合にはハウリング現象が発生して、通話は不能となる。
【0004】
このような拡声通話系の問題点を克服するために、エコーキャンセラが利用されている。
図2は、その模式図を示したものであり、エコーキャンセラ21は大きく分けて適応フィルタ処理部22と損失挿入処理部23から構成される。
適応フィルタ処理部22は音響エコー経路のインパルス応答を推定し、疑似エコー信号を生成し、マイクロホン出力信号から差し引くことによりエコーの消去を行う。ここで適応フィルタは、音響エコー経路の経時変動に追従するために、適応アルゴリズムを用いてインパルス応答の推定を行う。適応アルゴリズムとはマイクロホン出力信号から疑似エコー信号を差し引いた誤差信号のパワーを最小になるような推定値を定めるアルゴリズムである。
【0005】
音声スイッチやエコーサプレッサなどの損失挿入処理部23は、適応フィルタによって消し去ることのできない残留エコーを回線に損失を挿入することにより抑圧する。
このような適応フィルタ処理部や損失挿入回路から構成されるエコーキャンセラの装置設計を行う際には、「エコーをどのレベルまで低減する必要があるのか。」すなわち、所望エコー抑圧量を決定することが重要となる。
【0006】
なぜなら、最適な所望エコー抑圧量が決定できれば、適応フィルタ処理部のタップ数の最適化を行うことが可能となり、タップ数不足による耳につく残留エコーの発生や、タップ数過剰によるハード規模の増大を防ぐことができるためである。また、損失挿入処理部においては、適応フィルタ処理部で消しきれなかった残留エコー分だけの損失挿入が可能となり、過剰な損失挿入による送話音声の劣化や背景雑音の不自然な断続感を防ぐことができるためである。
【0007】
これまで、帯域一括の所望エコー抑圧量については、ITU−T勧告のG.167などで検討が進んでいる。さらに、聴覚特性が周波数に依存した性質をもつため、周波数帯域毎の所望エコー抑圧量も、特開平11−122144号公報(特願平9−278444号)などで明らかにされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で述べた所望エコー抑圧量の決定方法の、全ては主観評価に依るものであるため、得られた実験値に客観生が乏しいという問題がある。
ひとつめの問題は、主観評価で得られた実験値は、その実験が行われた拡声通話環境、例えば、音響特性、伝送特性などに依存した値となる。これでは、想定したエコーキャンセラを使用する拡声通話環境であれば支障がないが、ひとつでもその特性が異なる拡声通話環境には適用できない。つまり、様々な拡声通話環境に見合う値を求めるためには、その全ての拡声通話環境で主観評価を行う必要があり、それは、現実的には不可能である。しかし、拡声通話の利用環境は、従来の会議室から、家庭内、雑踏、自動車内などと多様化しており、様々な環境での所望エコー抑圧量を決定する必要がある。
【0009】
ふたつめの問題は、主観評価では、評定者の評価結果を用いて所望エコー抑圧量を決定している。しかし、利用者の多様化もあるため、限られた評定者だけの評価では一般性という点で問題が生じる。また、より正確に求めるためには、統計的に十分な多数の評定者が必要となってしまう。
このように、主観評価では、様々な拡声通話環境および利用者に対する最適な所望エコー抑圧量を求めることは困難である。主観評価で得られた実験値を用いて、所望エコー抑圧量を決定した場合、先に述べたような適応フィルタの動作や損失挿入を最適に行うことができないため、ハード規模の増大や、通話品質の劣化を引き起こしてしまう。
【0010】
そこで、本発明の目的は、様々な拡声通話環境においてそれぞれの個別の環境に見合った、また、利用者に対しても普遍的な所望エコー抑圧量を導出できるような客観的な方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
所望エコー抑圧量を客観的に導出するためには、拡声通話環境の音響特性、伝送特性および拡声通話を行う利用者の聴覚特性の全てを定量的に扱う必要がある。すなわち、音響特性と伝送特性に対しては、様々な利用環境で異なるため、導出の際にはパラメータとして代入を行う。また、聴覚特性は、様々な利用者をカバーできるように、公知とされる聴覚特性のデータを用いる。
【0012】
本発明は、様々な拡声通話環境の特性のパラメータと、公知とされている聴覚特性のデータを用い、客観的に所望エコー抑圧量を導出することを最大の特徴とする。従来技術では、様々な拡声通話環境の全てに対して主観評価ができない、主観評価を行う評価者に結果が依存するという問題が発生したが、本発明は客観的な評価ができる点で異なる。
【0013】
【作用】
本発明において、拡声通話環境の音響特性、伝送特性をパラメータとして用いているため、様々な利用環境に見合う所望エコー抑圧量をそれぞれ個別に導出することができる。一方、公知とされている聴覚特性を用いて所望エコー抑圧量を導出するため、利用者に依らず、かつ、聴覚的に最適な値を決定することができる。したがって、最適な所望エコー抑圧量を導出することが可能となり、本発明の目的である様々な通話環境において個別に、その利用者に対しても普遍的に所望エコー抑圧量を導出できるようになる。さらに、こうして求めた所望エコー抑圧量を用いて損失挿入処理部を制御すれば、エコーキャンセラの装置設計においては、小型経済化や通話品質の向上を促すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明のエコーキャンセラ21の構成を示す。
エコーキャンセラ21は、適応フィルタ処理部22と損失挿入処理部23および適応フィルタ処理部22に接続されたマイクロホン3とスピーカ4とから構成される。
また、損失挿入処理部23は、マスカーおよびマスキー判別手段30、周波数分析手段A31、周波数分析手段B32、所望エコー抑圧量(=挿入損失量)決定部33、損失挿入手段34、周波数合成手段35から構成される。(ここで、マスカーとは、受話音声のみならず、送話音声、受話音声および周囲雑音を含む受話者が聴取する全ての音であり、また、マスキーとは(残留)エコーを示す。)
適応フィルタ処理部22はエコー経路のインパルス応答を推定し、疑似エコー信号を生成し、マイクロホン出力信号から差し引くことによりエコーの消去を行う。
【0015】
マスカーおよびマスキー判別手段30に送話入力信号(送話音声s)、残留エコーe,受信入力信号(周囲雑音n,受話信号x)の各信号を入力してマスカーおよびマスキーの判別を行う。 周波数分析手段A31は受話入力信号を周波数分析(周波数領域に変換)し、また、周波数分析手段B32は(残留)エコーeを周波数分析(周波数領域に変換)する。そして、周波数分析手段A31と周波数分析手段B32とマスカーおよびマスキー判別手段30の各出力信号に基づいて各周波数毎にマスカーの計算、エコーの計算、マスキングしきい値の計算および所望エコー抑圧量の計算を行い、所望エコー抑圧量を決定し、損失挿入手段34に出力する。損失挿入手段34は回線に所望の損失を挿入して適応フィルタ処理部22で消し去ることのできない残留エコーを各周波数毎に残留エコーに作用し聴覚的に聞こえないレベルに抑制(消去)する。そして、周波数合成手段35により周波数合成して送信出力信号とする。
【0016】
図4において所望エコーの抑圧量の導出方法を説明する。
所望エコーの抑圧量の導出方法は、大きく分けてマスカーの計算、エコーの計算、マスキングしき値の計算、所望エコー抑圧量の計算に分けられる。
はじめに、マスカーの計算とエコーの計算について説明する。
(マスカーの計算)
a−1:エコーのマスカーとなり得る信号は、自分側の音声(x)、相手側の音声(s)、周囲雑音(n)などであり、これら各信号を入力する。
a−2:これらのマスカーに拡声通話環境のパラメータである音響特性、伝送特性が付加する。具体的には、エコーは利用者の耳元で検知されるため、全てのマスカーの発生源からそれを検知する利用者耳元までの音響特性(インパルス応答)を全てのマスカーに畳み込む。
a−3:また、通信網を通り利用者に検知されるマスカーに対しては、その伝送特性である伝送遅延、伝送損失、伝送路周波数特性を付加する。こうして、様々な利用環境に対する特性をパラメータとして導入して、マスキーの計算を行う
(エコーの計算)
b−1〜b−3:(残留)エコー(マスキー)の計算についても同様に行う。
(マスキングしきい値の計算)
次に、マスキングしきい値の計算を行う。本発明では、32 kHzサンプリングでの計算方法について述べる。
c−1:はじめに全てのマスカーmiを1024サンプルのフレームに切り取る。iは離散時間を表す。そのフレームに切り取ったサンプルに1024点のハミング窓を掛ける。
【0017】
mwi =mi ×〔0.5−0.5cos(2π(i−0.5)/1024)〕
ハミング窓を掛けたサンプルをFFTを用いて周波数領域に変換する。FFTによって得られた値の極座標表現を計算し、振幅成分および位相成分をmrw、mfwとする。
c−2:しきい値計算を行う各領域において、エネルギー(帯域別マスカーエネルギー)の計算を行う。ここで、領域値であるwlowb (領域で最も低い周波数成分)、whighb (領域で最も高い周波数成分)の組合せは、MPEG(ISO 11172−3)の聴覚心理モデルIIの表D.3aで示される値に従う。なお、それらの組合せ表を図5に示す。(図5において、16kHzの帯域の音声を32kHzの標本化周波数で標本化した場合、1024サンプルのフレームに切り取ると、16kHzの帯域の音声に対しては513サンプルとなる。これを1〜49の領域(領域計算の指標b)に分けた各領域のwlow,whighとバーク値bvalを図5に示す。)
mb =Σmrw 2 (w=wlowbからwhighb)
c−3: 他帯域への影響(ある帯域(領域)のマスカーが他の帯域(領域)のマスキーに与える影響)の計算を行う。
【0018】
広がり関数を用いて、分割したエネルギーを畳み込む。
mcbb =Σmbb ×sprdng f(bvalbb,bvalb)(bb=1からbmax)
bvalbは、領域中央のバーク値で、その値は図5に示す。広がり関数は、先に述べた聴覚心理モデルIIのD.2.3節で定義された以下の関数を用いる。
tmpx=1.05(j−i)
x=8×min((tmpx−0.5)2 −2(tmpx−0.5),0)
tmpy=15.811389+7.5(tmpx+0.474)−17.5(1.0+(tmpx+0.474)2)0.5
if(tmpy<−100)then(sprdngf(i,j)=0) else(sprdngf(i,j)=10(x+tmpy)/10)
c−4:同時マスキングしきい値(ある瞬間のマスキングしきい値)の計算
逆正規化したエネルギーを計算する。
【0019】
mnb=mcbb×rnormb
正規化定数は以下の式で計算する。
rnormb =1/{Σsprdngf(bvalbb,bvalb)}(bb=0からbmax)
領域計算の指標bから、周波数上の指標wに変換する。
mbw=mnb /(whighb−wlowb+1)
c−5:継時マスキング(ある瞬間の音が次の瞬間に与えるマスキング)しきい値を計算する。
c−6:可聴レベルとの比較・マスキングしきい値の決定
同時マスキングしきい値mbwと可聴エネルギーしきい値absthrwと比較し、大きい値をマスキングしきい値thrwとする。
【0020】
thrw=max(mbw,absthrw)
ここで、可聴エネルギーしきい値absthrwの値は、MPEG(ISO 11172−3)の聴覚心理モデルIIの表D.4aで示される値に従う。なお、それらの表を図6に示す。
(図6には、指標に対する絶対しきい値(可聴エネルギーしきい値absthrw)を示す。)
(エコーエネルギー の計算)
d−1:通信環境パラメータを付加したエコーのエネルギーを計算する。エコーeiを1024サンプルのフレームに切り取る。そのフレームに切り取ったサンプルに、1024点のハミング窓を掛ける。
【0021】
ewi =ei ×〔0.5−0.5cos(2π(i−0.5)/1024)〕
ハミング窓を掛けたサンプルをFFTを用いて周波数領域に変換する。FFTによって得られた値の極座標表現を計算し、振幅成分および位相成分をerw、efwとする。
d−2:しきい値計算を行う各領域において、エネルギーの計算を行う。
【0022】
eb=Σerw 2 (w=wlowbからwhighb)
(所望エコー抑圧量の計算)
e−1: 先に決定したマスキングしきい値thrwとエコーのエネルギーeb の差を取り、エコー検知量edvを計算する。
edv=eb −thrw
e−2: 最後にエコー検知量から本フレームの所望エコー抑圧量dlを決定する。
【0023】
dl=0.8×edv+8.4
以上の計算を各フレーム毎に行い、得られたデータ集合の統計的に信頼のおける区間の最大値を周波数帯域毎の所望エコー抑圧量とする。
このような計算を行うため、想定する拡声通話環境に合わせた音響特性や伝送特性のパラメータを代入することにより、様々な環境での所望エコー抑圧量を求めることができる。また、人間の聴覚の公知のデータを用いて計算しているため、求められた所望エコー抑圧量は、一般性があり、様々な利用者に対して、適当な値となっている。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、エコー信号をマスキングする全てのマスカー信号からマスキングしきい値を求め、そのマスキングしきい値とエコー信号から、所望エコー抑圧量を導出、すなわち、拡声通話環境をパラメータとして代入し、聴覚特性のデータを用いて所望エコー抑圧量を導出している。そのため、様々な拡声通話環境に見合った、かつ、様々な利用者に対して一般的な所望エコー抑圧量の導出ができ、この導出した所望エコー抑圧量を反響抑圧方法および反響抑圧装置に適用してエコーを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡声通話系の模式図。
【図2】エコーキャンセラの模式図。
【図3】本発明の反響消去装置の構成図。
【図4】本発明の一実施例に係わる所望エコー抑圧量導出方法のフローを示す図。
【図5】しきい値計算の領域値をまとめた表。
【図6】可聴エネルギーしきい値をまとめた表。
【符号の説明】
1,3 送話用マイクロホン
2,4 受話用スピーカ
5,7 送話信号増幅器
6,8 受話信号増幅器
10,11 送話者
12 受話者
21 エコーキャンセラ
22 適応フィルタ処理部
23 損失挿入処理部
30 マスカーおよびマスキー判別手段
31,32 周波数分析手段A,B
33 所望エコー抑圧量決定部
34 損失挿入手段
35 周波数合成手段
Claims (2)
- 第1の側の音響信号をマイクロホンで受音して第2の側に伝送路を介して伝達して第2の側でスピーカから拡声して再生し、
第2の側の音響信号をマイクロホンで受音して第1の側に伝送路を介して伝達して第1の側でスピーカから拡声して再生する
拡声通話系において、
第1の側の受音位置に伝送路を介さずに伝わる第1の側の音響信号
および
第1の側の受音位置に伝送路を介して伝わる第2の側の音響信号
と共に
第1の側の受音位置で受音される第1の側の音響信号に起因するエコーを抑圧するエコー抑圧方法に用いる所望エコー抑圧量を求める方法であって、
第1の側のマイクロホンで受音され、伝送路を介して第2の側に到達した受信入力信号、および第2の側のマイクロホンで受音されたエコー以外の送信入力信号をマスカー信号(エコー以外の信号)とし、第2の側のスピーカから再生音響信号中の第2の側のマイクロホンで受音されたエコーをマスキー信号とし、
それぞれのマスカー信号の発生源から第1の側の受音位置までの伝達特性をそれぞれのマスカー信号に畳み込み、
マスキー信号の発生源から第1の側の受音位置までの伝達特性をマスキー信号に畳み込み、
伝達特性を畳み込んだマスカー信号を周波数領域に変換し、人間の聴覚特性によりあらかじめ決めた複数の周波数帯域毎にエネルギーを計算し、これに基づいてマスキングしきい値を求め、
全ての帯域について、人間の聴覚特性により決まるあらかじめ用意された可聴レベルとマスキングしきい値とを比較し、これらのうち大きい方の値をその帯域の総合マスキングしきい値とし、
伝達特性を畳み込んだマスキー信号を周波数領域に変換し、前記あらかじめ決めた複数の周波数帯域毎にエネルギーを計算し、これらを各帯域のエコーエネルギーとし、
各帯域について、総合マスキングしきい値とエコーエネルギーの差を求め、これらをそれぞれ各帯域毎のエコー検知量とし、
各帯域のエコー検知量から所望エコー抑圧量を求めることを特徴とする反響抑圧における所望エコー抑圧量導出方法。 - 第1の側の音響信号をマイクロホンで受音して第2の側に伝送路を介して伝達して第2の側でスピーカから拡声して再生し、
第2の側の音響信号をマイクロホンで受音して第1の側に伝送路を介して伝達して第1の側でスピーカから拡声して再生する
拡声通話系において、
第1の側の受音位置に伝送路を介さずに伝わる第1の側の音響信号
および
第1の側の受音位置に伝送路を介して伝わる第2の側の音響信号
と共に
第1の側の受音位置で受音される第1の側の音響信号に起因するエコーを抑圧する反響抑圧装置における所望エコー抑圧量を求める装置であって、
第1の側のマイクロホンで受音され伝送路を介して到達した受信入力信号、第2の側のマイクロホンで受音された送信入力信号が入力され、マスカー信号(エコー以外の信号)およびマスキー信号(エコー)を抽出するマスカーおよびマスキー判別手段と
それぞれのマスカー信号の発生源から第1の側の受音位置までの伝達特性をマスカーおよびマスキー判別手段よりのそれぞれのマスカー信号に畳み込む手段と、
マスキー信号の発生源から第1の側の受音位置までの伝達特性をマスカーおよびマスキー判別手段よりのマスキー信号に畳み込む手段と、
伝達特性が畳み込まれたマスカー信号が入力され、この信号を周波数領域に変換し、人間の聴覚特性によりあらかじめ決めた複数の周波数帯域毎にエネルギーを計算し、これに基づいてマスキングしきい値を求める手段と、
全ての帯域について、人間の聴覚特性により決まるあらかじめ用意された可聴レベルとマスキングしきい値とが入力され、これらを比較し、これらのうち大きい方の値をその帯域の総合マスキングしきい値とする手段と、
伝達特性が畳み込まれたマスキー信号が入力され、この信号を周波数領域に変換し、前記あらかじめ決めた複数の周波数帯域毎にエネルギーを計算し、これらを各帯域のエコーエネルギーとする手段と、
各帯域について、総合マスキングしきい値とエコーエネルギーの差を求め、これらをそれぞれ各帯域毎のエコー検知量とする手段と、
各帯域のエコー検知量から所望エコー抑圧量を求める手段とを具備する反響抑圧装置における所望エコー抑圧量導出装置。
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JP27007799A JP3579622B2 (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 反響抑圧における所望エコー抑圧量導出方法及びその装置 |
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JP2001094480A JP2001094480A (ja) | 2001-04-06 |
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