JP3578920B2 - 自動車用シートバック - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用シートバック、特に自車が追突された時の乗員の頸椎を保護する自動車のシートバック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のかかる自動車のシートバックとしては、国際特許98/09838号公報に示すように、シートバックフレーム(9)と、該シートバックフレーム(9)の上端部に前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段(5)と、該支持手段(5)の上端部にステイ(27)を介して上下動自在に支持されてなるヘッドレスト(4)と、前記支持手段(5)の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受け得る受圧部材(10)と、前記シートバックフレーム(9)及び前記受圧部材(10)夫々に回転自在に軸支されてなる作動リンク(12)と、前記受圧部材(10)の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる。
【0003】
このため、例えば自車が追突された時、シートバック(3)には前側に向けての衝撃的な荷重が作用し、乗員による反動荷重が後ろ側に向けて作用する。即ち、シートバックフレーム(9)間に架設されたバックエレメント(20)及び受圧部材(10)に該荷重が作用する。その際、受圧部材(10)は後ろ側に移動することにより、支持手段(5)は、シートバックフレーム(9)の上辺部(24)を回動支点として回動し、その上端部に支持されたヘッドレスト(4)は、乗員の頭部に接近する方向に作動する。
【0004】
従って、自車が追突された時に、乗員の反動荷重でシートバック(3)が後ろ側に撓んでも、ヘッドレスト(4)が瞬時にして乗員の頭部に接近作動するので、乗員の頭部は、ヘッドレスト(4)に確実に受け止められ、乗員の頸部の保護が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、前記受圧部材(10)の後ろ側に着座した乗員によって蹴られるとか、ヘッドレスト(4)が前側方向に移動した時にその支持手段(5)が後ろ側に突出するおそれがあり、後席居住性の改善が求められている。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、受圧部材には後ろ側方向から荷重が加わらないようにすると共にヘッドレストが前側方向に移動した時にその支持手段が後ろ側に突出することのない自動車用シートバックを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シートバックフレームと、該シートバックフレームの上端部に前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段と、該支持手段の上端部に支持されてなるヘッドレストと、前記支持手段の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受け得る受圧部材と、前記シートバックフレーム側部及び前記受圧部材側部夫々が回転自在に連結されてなる作動リンクと、前記受圧部材の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる。前記受圧部材の後面には、該受圧部材を後ろ側からの荷重に耐え得ると共に縦断面形状が大要前記受圧部材に沿った形状に形成され且つその下端部は、曲面状に形成されてなるプロテクタを、該受圧部材に離間して配設してなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、FRを前側、RRを後ろ側、UPは上側、LWRは下側として説明する。
【0011】
図1乃至図10は、この発明の一実施形態を示すもので、符号1は自動車のシートバック、符号3はヘッドレストである。
【0012】
該シートバック1は、シートバックフレーム2と、該シートバックフレーム2の前後に配されてなるポリウレタンフォームなどより形成されてなるパッド32(図4参照)と、該パッド32を覆う布製などの表皮とより少なくとも形成される。図4に示す符号34は、エアバッグ装置である。
【0013】
前記シートバックフレーム2は、逆U字状に形成されてなり且つ一方が長く他方が短く(前記エアバッグ装置34の取付代確保のため)形成されてなるアッパフレーム2aと、該アッパフレーム2aの左右端部より垂下された位置に配設されてなる略左右対称形状のサイドフレーム2b、2b’と、該サイドフレーム2b、2b’の下端部間に架設されてなるアンダーフレーム2cとよりなる。
【0014】
前記サイドフレーム2b、2b’それぞれには、鉄板によりプレート状に形成されてなるブラケット5、5’が支持されている。該ブラケット5、5’それぞれには、作動リンク6、6’の一端部6a,6a’が、ボルト20、ブッシュ21により、前後FR,RR方向に回転自在なるように、それぞれ支持されている。該作動リンク6、6’それぞれの他端部6b,6b’間には、後述する受圧部材4の端部4a,4a’が、リベット22、ブッシュ21により回転自在に支持されている。
【0015】
前記サイドフレーム2b、2b’のスプリングフック23、23’と前記作動リンク6、6’それぞれとの間には、コイル状のスプリング18、18が配されてなり、前記作動リンク6の他端部6b,6b’側を前側FRに、常時付勢してなる。
【0016】
該受圧部材4は、鉄板等の剛体により左右に延在されて長方形に形成され、その横断面は、図4に示すように、平面状の中央部4aと、前側FRに斜面状に形成されてなる第1段部4b、4b’を介して前記中央部4aより前側FRに配されてなる平面状の第1サイド部4c、4c’と、該第1サイド部4c、4c’から前側FRに迫り出して形成されてなるフランジ状の第2サイド部4e、4e’とより略コの字状に形成されて、前記パッド32の後面から離間されてなる。
【0017】
つまり、前記受圧部材4の横断面の形状は、乗員30の背中30aの圧力によって移動した最後部位置(図4に示す符号30c)のように、前記シートバックフレーム2の側部であるサイドフレーム2b、2b’に干渉しない形状に形成されてなる。
【0018】
また、前記受圧部材4の中央部4a、特に後述する支持手段としてのアーマチュアパイプ7の保持部8、8との間に位置する縦断面の上辺の形状は、図1乃至図3に示すように、後ろ側へ立ち上がる斜面部9が形成されてなる。
【0019】
前記受圧部材4の後面側には、該受圧部材4の後面の全てを覆う形状に形成されてなる合成樹脂製のプロテクタ31が配され、該プロテクタ31のクリップ31aが、前記受圧部材4に形成された開口4gに係合支持されてなる。
【0020】
該プロテクタ31は、前記受圧部材4を後ろ側RRからの荷重、例えば後席乗員が前席、つまり自席の後ろ側の面を蹴るなどの荷重に耐え得るように形成され且つ該プロテクタ31を、該受圧部材4に適宜離間した位置の受圧部材4そのものに配設してなる。また、プロテクタ31の縦断面形状は、上端部31bは受圧部材4に向けてフランジアップされ、大要31cは前記受圧部材4に沿った形状に形成され、下端部31dは、曲面状に形成されてなる。
【0021】
前記アッパフレーム2aの下側には、該アッパフレーム2aの肩部2aa,2aa’間に架設されたセカンドフレーム28が溶接により支持されている。該セカンドフレーム28の中央部には、ホルダーブラケット12が配されて、その両端部12a,12aが溶接により支持されてなる。該ホルダーブラケット12の中央部より左右に離間した位置に前側に迫り出して横断面でU字状に形成されてなる支持部12b,12bの内側には、合成樹脂製のアーマチュアホルダー11、11が配される。該アーマチュアホルダー11、11は、前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部に支持されるので、前記ホルダーブラケット12の支持部12b,12bで、アーマチュアホルダー11、11を介して前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8が、保持されることになる。
【0022】
前記アーマチュアパイプ7は、正面視で左右に並列されてなる垂直状の保持部8、8と、該保持部8、8の下端に形成されてなると共に前記受圧部材4の後面に前後に潰された断面形状をなしてガス溶接により支持されてなる折り返し部10とより略U字状に形成されてなる。
【0023】
前記保持部8、8は、正面視で、少なくともAF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されてなる。AF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されている、ということは、大人の体格のほとんどの乗員30のショルダーポイントより内側に保持部8、8が配されているということになるので、該乗員30が自車の追突により前記シートバックフレーム2の前側から荷重が加わっても、該乗員30のショルダーが干渉しないことになる。
【0024】
また、前記保持部8、8は、図1に示す側面視で、前記受圧部材4が保持部材8、8より前側に配されるように、前後に「く」の字状に形成されてなる。該折曲部8aは、前記ヘッドレスト3のステイ13の下端部に干渉しない近接した位置に形成され、内面は半径20ミリの曲面である。
【0025】
また、前記したように、該保持部8、8内には、合成樹脂製のアーマチュアホルダー11、11を介して前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下摺動自在に支持されてなる。前記保持部8、8の上端部には、該ステイ13、13の上下位置を制御可能なるヘッドレストホルダー14、14が保持されてなる。図示しない符号14aは、該ヘッドレストホルダー14、14の係合部であり、符号15は、ヘッドレスト3のフレームである。
【0026】
符号16は、前記サイドフレーム2b,2b’にフック17、17’を介して支持されてなるS字状のバネで、前記受圧部材4の下方の位置に配されてなる。
【0027】
前記保持部8の後面には、開口部19が形成されていて、該開口部19にねじ回しなどの工具を押し入れると、前記ヘッドレストホルダー14、14の開口部19に係合した図示しない係合部が押されて開口部19から離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる構造である。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0028】
符号24はストッパラバー、25はバックボード引っ掛け用フレームである。
【0029】
次に、この実施形態に係る作動を説明する。
【0030】
図1に示すように、乗員30がシート26のシートクッション27に着座し、前記シートバック1に背中30aを凭れかけた通常の状態では、乗員30の頭部30bとヘッドレスト3との間には、若干の隙間Aがあり、乗員30の背中30aと受圧部材4とも若干の隙間Bが形成されている。尤も、該乗員30の背中30aと受圧部材4との間には、図示しないパッド32や表皮が介在されているが、乗員30からの荷重が受圧部材4に加わらない状態にある。
【0031】
この状態で、前記受圧部材4は、鉄板等剛体より構成されてなり、その横断面は、略コの字状に形成されて、前記パッド32の後面から離間されてなるので、乗員30による後ろ側RR方向への荷重が発生するまでパッド32を介して受圧部材4の存在感を与えない。つまり、異物感を乗員30に与えないことになる。
【0032】
前記受圧部材4の後面には、該受圧部材4を後ろ側RRからの荷重に耐え得るプロテクタ31を、該受圧部材4に離間して配設してなるので、後席乗員による後ろ側RRから前側FRへの荷重がプロテクタ31に加えられても、受圧部材4がどのような位置にあっても後席からの蹴飛ばしなどの荷重を受圧部材4に伝達されないことになり、受圧部材4を前側FRに移動させ得ない。つまり、自席乗員30の安全をより確保することになる。
【0033】
また、前記保持部8は、前記受圧部材4に対して前側に「く」の字状に形成されてなると共に前記折り返し部10の後面が前記プロテクタ31によって覆われてなるので、ヘッドレスト3を前側FRに移動させること、つまり、受圧部材4が、図5に示すように、後ろ側RRに移動した時に、受圧部材4及び折り返し部10が後ろ側RRに出っ張らない。つまり、後席乗員の安全をより確保することになる。
【0034】
前記プロテクタ31は、前記受圧部材4に保持されてなるので、該プロテクタ31と受圧部材4との間隔が決まっていて、後ろ側RRからの荷重へのチューニングが容易である。つまり、荷重値により両者の間隔を広げたり狭くしたりすることができる。
【0035】
前記プロテクタ31の縦断面形状は、大要31c前記受圧部材4に沿った形状に形成され且つその下端部31dは、曲面状に形成されてなるので、ヘッドレスト3を支持したアーマチュアパイプ7の保持部8、8の下端部が後ろ側RRに突出しても、該下端部31dが曲面状に形成されていることにより、後席乗員の安全がより保持される。
【0036】
自車が追突されて、着座した乗員30が二次衝突により後ろ側RRに押されてシートバック1のパッド32等が後ろ側RRに移動すると、該乗員30の背中30aによりパッド32等を介して受圧部材4が後ろ側RRに押される。乗員30による後ろ側RR方向への荷重によりパッド32等が後ろ側に移動しても、該荷重を受ける受圧部材4が剛体であるから、乗員30の背中30aによる後ろ側RR方向への荷重が確実にヘッドレスト3に伝達される。即ち、ヘッドレスト3の移動が、受圧部材4に荷重が加わると直ぐに移動するので、タイミングロスがない。また、受圧部材4の移動量が大きくなる。
【0037】
そして、後ろ側RRへの荷重に対して回転して上側UPに移動しようとするアーマチャパイプ7の保持部8の動きに対して、対向する位置に配されるパッド32の荷重点が、少なくともAF05%タイルマネキンによるショルダーポイントであるから、パッド32等がアーマチャパイプ7の保持部8に食い込むことはない。このため、保持部8の回転に伴う上昇は妨げられず、十分ヘッドレスト3の作動量を確保することができる。
【0038】
該受圧部材4を支持している作動リンク6が、ボルト20を中心に回転付勢され、作動リンク6の他端部6bが、図1に示す位置から図5に示す位置に移動されることで、該作動リンク6の他端部6bは、ボルト20を中心に上側UP及び後ろ側RR方向に回転される。
【0039】
こうして、作動リンク6の他端部6bが上側UP且つ後ろ側RRに回転すれば、アーマチュアパイプ7の下端部、つまり折り返し部10が上側UP且つ後ろ側RRに移動する。該移動に伴い、アーマチュアパイプ7の上端部、つまり保持部8、8の上端部8b、8bと共にヘッドレストホルダー14、14は、上側UP且つ前側FRに移動する。該移動により、前記ヘッドレスト3のスティ13も上側UP且つ前側FRに移動される。
【0040】
従って、保持部8、8、スティ13、13が、ホルダーブラケット12を中心に、共に移動する。該ステイ13、13に支持されたヘッドレスト3は、図5に示すように、乗員30の頭部30bに当接することになる。尚、図5では、ヘッドレスト3が乗員30の頭部30bに食い込んでいるように図示されているが、ヘッドレスト3は中央が凹んでおり、乗員30の頭部30bも周知のように横断面で略円柱状をなすので、食い込んでいる訳ではない。
【0041】
こうして、乗員30の上半身が後ろ側RRに移動することで、残される挙動をする乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されることになる。この時、前記受圧部材4の上辺に、後ろ側RRへ立ち上がる斜面部9が形成されてなるので、パッド32の後面に受圧部材4の傾斜面9が沿ってスムースに移動できる。換言すると、パッド32に受圧部材4が食い込み難いことになる。
【0042】
この状態で、前記受圧部材4の横断面は、乗員30の背中30aの圧力によって移動した最後部位置で、図4に示すように、前記シートバックフレーム2の側部であるサイドフレーム2b、2b’に干渉しないことになる。
【0043】
また、前記保持部8の後ろ側の開口部19に、ねじ回しなどの工具を押し入れると、前記ヘッドレストホルダー14、14の開口部19に係合した図示しない係合部が押されて開口部19から離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0044】
また、前記ヘッドレストホルダー14、14に、前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下移動自在に支持されてなるので、乗員30の頭部30bの位置に適宜ヘッドレスト3を合致させることができる。
【0045】
また、前記作動リンク6と前記シートバックフレーム2のサイドフレーム2bとの間に、前記受圧部材4を前側FRに付勢してなるスプリング18が支持されてなるので、乗員30の背中30aによる後ろ側RRへの押す力が加えられない状態では、スプリング18により受圧部材4は前側FRにある。即ち、該受圧部材4を下端に支持したアーマチュアパイプ7の保持部8、8の上端に支持されたヘッドレスト3は、シーソの原理で後ろ側RRの位置に収まるので、乗員30の居住性を損なうことがない。
【0046】
前記アーマチュアパイプ7は、保持部8、8と折り返し部10とによりU字状をなす実施形態に限らず、例えば、折り返し部10が存在せずに、保持部8、8の下端部がそのまま受圧部材4に溶接により支持されるものであっても良い。
【0047】
前記作動説明で、乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されるとしたが、ヘッドレスト3の移動と、シートバック1の移動とは、相対的なものであり、乗員30の背中30aによってシートバック1が後ろ側RRに移動しても、乗員30の頭部30bに対してヘッドレスト3が移動せず、その位置に保持されることで、乗員30の頭部30bが保護されるものと説明されるものも含むものである。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、前記受圧部材の後面には、該受圧部材を後ろ側からの荷重に耐え得るプロテクタを、該受圧部材に離間して配設してなるので、後席乗員による後ろ側からの荷重が発生しても、受圧部材を前側に移動させ得ない。つまり、自席乗員の安全をより確保することになる。
【0049】
また、ヘッドレストを前側に移動させること、つまり、受圧部材を後ろ側に移動させても、ヘッドレストの支持手段が後ろ側に突出するのが、妨げられる。つまり、後席乗員の安全をより確保することになる。
【0050】
また、前記プロテクタは、前記受圧部材に保持されてなるので、該プロテクタと受圧部材との間隔が決まっていて、後ろ側からの荷重へのチューニングが容易である。つまり、荷重値により両者の間隔を広げたり狭くしたりすることができる。
【0051】
更に、前記プロテクタの縦断面形状は、大要前記受圧部材に沿った形状に形成され且つその下端部は、曲面状に形成されてなるので、ヘッドレストの支持手段の下端部が後ろ側に突出しても、該曲面状に形成されていることにより、後席乗員の安全がより保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るシートバックを示す断面図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1の要部を示す斜視図。
【図4】図1のSA−SA線に沿った断面図。
【図5】図1のプロテクタの取付状態を示す拡大説明図。
【図6】図4の矢視Bにかかる受圧部材とプロテクタの正面図。
【図7】図6のSCーSC線に沿った断面図。
【図8】図6のSDーSD線に沿った断面図。
【図9】図6のSEーSE線に沿った断面図。
【図10】図1の作動実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 シートバック
2 シートバックフレーム
2a シートバックフレームのアッパフレーム
2b シートバックフレームのサイドフレーム
3 ヘッドレスト
4 受圧部材
6 作動リンク
6a 作動リンクの一端部
6b 作動リンクの他端部
7 支持手段としてのアーマチュアパイプ
8 アーマチュアパイプの保持部
10 アーマチュアパイプの折り返し部
13 ヘッドレストのステイ
29 バックボードトリムブラケット
30 乗員
30a 乗員の背中
30b 乗員の頭部
31 プロテクタ
FR 前側
RR 後ろ側
UP 上側
LWR 下側
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用シートバック、特に自車が追突された時の乗員の頸椎を保護する自動車のシートバック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のかかる自動車のシートバックとしては、国際特許98/09838号公報に示すように、シートバックフレーム(9)と、該シートバックフレーム(9)の上端部に前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段(5)と、該支持手段(5)の上端部にステイ(27)を介して上下動自在に支持されてなるヘッドレスト(4)と、前記支持手段(5)の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受け得る受圧部材(10)と、前記シートバックフレーム(9)及び前記受圧部材(10)夫々に回転自在に軸支されてなる作動リンク(12)と、前記受圧部材(10)の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる。
【0003】
このため、例えば自車が追突された時、シートバック(3)には前側に向けての衝撃的な荷重が作用し、乗員による反動荷重が後ろ側に向けて作用する。即ち、シートバックフレーム(9)間に架設されたバックエレメント(20)及び受圧部材(10)に該荷重が作用する。その際、受圧部材(10)は後ろ側に移動することにより、支持手段(5)は、シートバックフレーム(9)の上辺部(24)を回動支点として回動し、その上端部に支持されたヘッドレスト(4)は、乗員の頭部に接近する方向に作動する。
【0004】
従って、自車が追突された時に、乗員の反動荷重でシートバック(3)が後ろ側に撓んでも、ヘッドレスト(4)が瞬時にして乗員の頭部に接近作動するので、乗員の頭部は、ヘッドレスト(4)に確実に受け止められ、乗員の頸部の保護が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、前記受圧部材(10)の後ろ側に着座した乗員によって蹴られるとか、ヘッドレスト(4)が前側方向に移動した時にその支持手段(5)が後ろ側に突出するおそれがあり、後席居住性の改善が求められている。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、受圧部材には後ろ側方向から荷重が加わらないようにすると共にヘッドレストが前側方向に移動した時にその支持手段が後ろ側に突出することのない自動車用シートバックを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シートバックフレームと、該シートバックフレームの上端部に前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段と、該支持手段の上端部に支持されてなるヘッドレストと、前記支持手段の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受け得る受圧部材と、前記シートバックフレーム側部及び前記受圧部材側部夫々が回転自在に連結されてなる作動リンクと、前記受圧部材の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる。前記受圧部材の後面には、該受圧部材を後ろ側からの荷重に耐え得ると共に縦断面形状が大要前記受圧部材に沿った形状に形成され且つその下端部は、曲面状に形成されてなるプロテクタを、該受圧部材に離間して配設してなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、FRを前側、RRを後ろ側、UPは上側、LWRは下側として説明する。
【0011】
図1乃至図10は、この発明の一実施形態を示すもので、符号1は自動車のシートバック、符号3はヘッドレストである。
【0012】
該シートバック1は、シートバックフレーム2と、該シートバックフレーム2の前後に配されてなるポリウレタンフォームなどより形成されてなるパッド32(図4参照)と、該パッド32を覆う布製などの表皮とより少なくとも形成される。図4に示す符号34は、エアバッグ装置である。
【0013】
前記シートバックフレーム2は、逆U字状に形成されてなり且つ一方が長く他方が短く(前記エアバッグ装置34の取付代確保のため)形成されてなるアッパフレーム2aと、該アッパフレーム2aの左右端部より垂下された位置に配設されてなる略左右対称形状のサイドフレーム2b、2b’と、該サイドフレーム2b、2b’の下端部間に架設されてなるアンダーフレーム2cとよりなる。
【0014】
前記サイドフレーム2b、2b’それぞれには、鉄板によりプレート状に形成されてなるブラケット5、5’が支持されている。該ブラケット5、5’それぞれには、作動リンク6、6’の一端部6a,6a’が、ボルト20、ブッシュ21により、前後FR,RR方向に回転自在なるように、それぞれ支持されている。該作動リンク6、6’それぞれの他端部6b,6b’間には、後述する受圧部材4の端部4a,4a’が、リベット22、ブッシュ21により回転自在に支持されている。
【0015】
前記サイドフレーム2b、2b’のスプリングフック23、23’と前記作動リンク6、6’それぞれとの間には、コイル状のスプリング18、18が配されてなり、前記作動リンク6の他端部6b,6b’側を前側FRに、常時付勢してなる。
【0016】
該受圧部材4は、鉄板等の剛体により左右に延在されて長方形に形成され、その横断面は、図4に示すように、平面状の中央部4aと、前側FRに斜面状に形成されてなる第1段部4b、4b’を介して前記中央部4aより前側FRに配されてなる平面状の第1サイド部4c、4c’と、該第1サイド部4c、4c’から前側FRに迫り出して形成されてなるフランジ状の第2サイド部4e、4e’とより略コの字状に形成されて、前記パッド32の後面から離間されてなる。
【0017】
つまり、前記受圧部材4の横断面の形状は、乗員30の背中30aの圧力によって移動した最後部位置(図4に示す符号30c)のように、前記シートバックフレーム2の側部であるサイドフレーム2b、2b’に干渉しない形状に形成されてなる。
【0018】
また、前記受圧部材4の中央部4a、特に後述する支持手段としてのアーマチュアパイプ7の保持部8、8との間に位置する縦断面の上辺の形状は、図1乃至図3に示すように、後ろ側へ立ち上がる斜面部9が形成されてなる。
【0019】
前記受圧部材4の後面側には、該受圧部材4の後面の全てを覆う形状に形成されてなる合成樹脂製のプロテクタ31が配され、該プロテクタ31のクリップ31aが、前記受圧部材4に形成された開口4gに係合支持されてなる。
【0020】
該プロテクタ31は、前記受圧部材4を後ろ側RRからの荷重、例えば後席乗員が前席、つまり自席の後ろ側の面を蹴るなどの荷重に耐え得るように形成され且つ該プロテクタ31を、該受圧部材4に適宜離間した位置の受圧部材4そのものに配設してなる。また、プロテクタ31の縦断面形状は、上端部31bは受圧部材4に向けてフランジアップされ、大要31cは前記受圧部材4に沿った形状に形成され、下端部31dは、曲面状に形成されてなる。
【0021】
前記アッパフレーム2aの下側には、該アッパフレーム2aの肩部2aa,2aa’間に架設されたセカンドフレーム28が溶接により支持されている。該セカンドフレーム28の中央部には、ホルダーブラケット12が配されて、その両端部12a,12aが溶接により支持されてなる。該ホルダーブラケット12の中央部より左右に離間した位置に前側に迫り出して横断面でU字状に形成されてなる支持部12b,12bの内側には、合成樹脂製のアーマチュアホルダー11、11が配される。該アーマチュアホルダー11、11は、前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部に支持されるので、前記ホルダーブラケット12の支持部12b,12bで、アーマチュアホルダー11、11を介して前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8が、保持されることになる。
【0022】
前記アーマチュアパイプ7は、正面視で左右に並列されてなる垂直状の保持部8、8と、該保持部8、8の下端に形成されてなると共に前記受圧部材4の後面に前後に潰された断面形状をなしてガス溶接により支持されてなる折り返し部10とより略U字状に形成されてなる。
【0023】
前記保持部8、8は、正面視で、少なくともAF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されてなる。AF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されている、ということは、大人の体格のほとんどの乗員30のショルダーポイントより内側に保持部8、8が配されているということになるので、該乗員30が自車の追突により前記シートバックフレーム2の前側から荷重が加わっても、該乗員30のショルダーが干渉しないことになる。
【0024】
また、前記保持部8、8は、図1に示す側面視で、前記受圧部材4が保持部材8、8より前側に配されるように、前後に「く」の字状に形成されてなる。該折曲部8aは、前記ヘッドレスト3のステイ13の下端部に干渉しない近接した位置に形成され、内面は半径20ミリの曲面である。
【0025】
また、前記したように、該保持部8、8内には、合成樹脂製のアーマチュアホルダー11、11を介して前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下摺動自在に支持されてなる。前記保持部8、8の上端部には、該ステイ13、13の上下位置を制御可能なるヘッドレストホルダー14、14が保持されてなる。図示しない符号14aは、該ヘッドレストホルダー14、14の係合部であり、符号15は、ヘッドレスト3のフレームである。
【0026】
符号16は、前記サイドフレーム2b,2b’にフック17、17’を介して支持されてなるS字状のバネで、前記受圧部材4の下方の位置に配されてなる。
【0027】
前記保持部8の後面には、開口部19が形成されていて、該開口部19にねじ回しなどの工具を押し入れると、前記ヘッドレストホルダー14、14の開口部19に係合した図示しない係合部が押されて開口部19から離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる構造である。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0028】
符号24はストッパラバー、25はバックボード引っ掛け用フレームである。
【0029】
次に、この実施形態に係る作動を説明する。
【0030】
図1に示すように、乗員30がシート26のシートクッション27に着座し、前記シートバック1に背中30aを凭れかけた通常の状態では、乗員30の頭部30bとヘッドレスト3との間には、若干の隙間Aがあり、乗員30の背中30aと受圧部材4とも若干の隙間Bが形成されている。尤も、該乗員30の背中30aと受圧部材4との間には、図示しないパッド32や表皮が介在されているが、乗員30からの荷重が受圧部材4に加わらない状態にある。
【0031】
この状態で、前記受圧部材4は、鉄板等剛体より構成されてなり、その横断面は、略コの字状に形成されて、前記パッド32の後面から離間されてなるので、乗員30による後ろ側RR方向への荷重が発生するまでパッド32を介して受圧部材4の存在感を与えない。つまり、異物感を乗員30に与えないことになる。
【0032】
前記受圧部材4の後面には、該受圧部材4を後ろ側RRからの荷重に耐え得るプロテクタ31を、該受圧部材4に離間して配設してなるので、後席乗員による後ろ側RRから前側FRへの荷重がプロテクタ31に加えられても、受圧部材4がどのような位置にあっても後席からの蹴飛ばしなどの荷重を受圧部材4に伝達されないことになり、受圧部材4を前側FRに移動させ得ない。つまり、自席乗員30の安全をより確保することになる。
【0033】
また、前記保持部8は、前記受圧部材4に対して前側に「く」の字状に形成されてなると共に前記折り返し部10の後面が前記プロテクタ31によって覆われてなるので、ヘッドレスト3を前側FRに移動させること、つまり、受圧部材4が、図5に示すように、後ろ側RRに移動した時に、受圧部材4及び折り返し部10が後ろ側RRに出っ張らない。つまり、後席乗員の安全をより確保することになる。
【0034】
前記プロテクタ31は、前記受圧部材4に保持されてなるので、該プロテクタ31と受圧部材4との間隔が決まっていて、後ろ側RRからの荷重へのチューニングが容易である。つまり、荷重値により両者の間隔を広げたり狭くしたりすることができる。
【0035】
前記プロテクタ31の縦断面形状は、大要31c前記受圧部材4に沿った形状に形成され且つその下端部31dは、曲面状に形成されてなるので、ヘッドレスト3を支持したアーマチュアパイプ7の保持部8、8の下端部が後ろ側RRに突出しても、該下端部31dが曲面状に形成されていることにより、後席乗員の安全がより保持される。
【0036】
自車が追突されて、着座した乗員30が二次衝突により後ろ側RRに押されてシートバック1のパッド32等が後ろ側RRに移動すると、該乗員30の背中30aによりパッド32等を介して受圧部材4が後ろ側RRに押される。乗員30による後ろ側RR方向への荷重によりパッド32等が後ろ側に移動しても、該荷重を受ける受圧部材4が剛体であるから、乗員30の背中30aによる後ろ側RR方向への荷重が確実にヘッドレスト3に伝達される。即ち、ヘッドレスト3の移動が、受圧部材4に荷重が加わると直ぐに移動するので、タイミングロスがない。また、受圧部材4の移動量が大きくなる。
【0037】
そして、後ろ側RRへの荷重に対して回転して上側UPに移動しようとするアーマチャパイプ7の保持部8の動きに対して、対向する位置に配されるパッド32の荷重点が、少なくともAF05%タイルマネキンによるショルダーポイントであるから、パッド32等がアーマチャパイプ7の保持部8に食い込むことはない。このため、保持部8の回転に伴う上昇は妨げられず、十分ヘッドレスト3の作動量を確保することができる。
【0038】
該受圧部材4を支持している作動リンク6が、ボルト20を中心に回転付勢され、作動リンク6の他端部6bが、図1に示す位置から図5に示す位置に移動されることで、該作動リンク6の他端部6bは、ボルト20を中心に上側UP及び後ろ側RR方向に回転される。
【0039】
こうして、作動リンク6の他端部6bが上側UP且つ後ろ側RRに回転すれば、アーマチュアパイプ7の下端部、つまり折り返し部10が上側UP且つ後ろ側RRに移動する。該移動に伴い、アーマチュアパイプ7の上端部、つまり保持部8、8の上端部8b、8bと共にヘッドレストホルダー14、14は、上側UP且つ前側FRに移動する。該移動により、前記ヘッドレスト3のスティ13も上側UP且つ前側FRに移動される。
【0040】
従って、保持部8、8、スティ13、13が、ホルダーブラケット12を中心に、共に移動する。該ステイ13、13に支持されたヘッドレスト3は、図5に示すように、乗員30の頭部30bに当接することになる。尚、図5では、ヘッドレスト3が乗員30の頭部30bに食い込んでいるように図示されているが、ヘッドレスト3は中央が凹んでおり、乗員30の頭部30bも周知のように横断面で略円柱状をなすので、食い込んでいる訳ではない。
【0041】
こうして、乗員30の上半身が後ろ側RRに移動することで、残される挙動をする乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されることになる。この時、前記受圧部材4の上辺に、後ろ側RRへ立ち上がる斜面部9が形成されてなるので、パッド32の後面に受圧部材4の傾斜面9が沿ってスムースに移動できる。換言すると、パッド32に受圧部材4が食い込み難いことになる。
【0042】
この状態で、前記受圧部材4の横断面は、乗員30の背中30aの圧力によって移動した最後部位置で、図4に示すように、前記シートバックフレーム2の側部であるサイドフレーム2b、2b’に干渉しないことになる。
【0043】
また、前記保持部8の後ろ側の開口部19に、ねじ回しなどの工具を押し入れると、前記ヘッドレストホルダー14、14の開口部19に係合した図示しない係合部が押されて開口部19から離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0044】
また、前記ヘッドレストホルダー14、14に、前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下移動自在に支持されてなるので、乗員30の頭部30bの位置に適宜ヘッドレスト3を合致させることができる。
【0045】
また、前記作動リンク6と前記シートバックフレーム2のサイドフレーム2bとの間に、前記受圧部材4を前側FRに付勢してなるスプリング18が支持されてなるので、乗員30の背中30aによる後ろ側RRへの押す力が加えられない状態では、スプリング18により受圧部材4は前側FRにある。即ち、該受圧部材4を下端に支持したアーマチュアパイプ7の保持部8、8の上端に支持されたヘッドレスト3は、シーソの原理で後ろ側RRの位置に収まるので、乗員30の居住性を損なうことがない。
【0046】
前記アーマチュアパイプ7は、保持部8、8と折り返し部10とによりU字状をなす実施形態に限らず、例えば、折り返し部10が存在せずに、保持部8、8の下端部がそのまま受圧部材4に溶接により支持されるものであっても良い。
【0047】
前記作動説明で、乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されるとしたが、ヘッドレスト3の移動と、シートバック1の移動とは、相対的なものであり、乗員30の背中30aによってシートバック1が後ろ側RRに移動しても、乗員30の頭部30bに対してヘッドレスト3が移動せず、その位置に保持されることで、乗員30の頭部30bが保護されるものと説明されるものも含むものである。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、前記受圧部材の後面には、該受圧部材を後ろ側からの荷重に耐え得るプロテクタを、該受圧部材に離間して配設してなるので、後席乗員による後ろ側からの荷重が発生しても、受圧部材を前側に移動させ得ない。つまり、自席乗員の安全をより確保することになる。
【0049】
また、ヘッドレストを前側に移動させること、つまり、受圧部材を後ろ側に移動させても、ヘッドレストの支持手段が後ろ側に突出するのが、妨げられる。つまり、後席乗員の安全をより確保することになる。
【0050】
また、前記プロテクタは、前記受圧部材に保持されてなるので、該プロテクタと受圧部材との間隔が決まっていて、後ろ側からの荷重へのチューニングが容易である。つまり、荷重値により両者の間隔を広げたり狭くしたりすることができる。
【0051】
更に、前記プロテクタの縦断面形状は、大要前記受圧部材に沿った形状に形成され且つその下端部は、曲面状に形成されてなるので、ヘッドレストの支持手段の下端部が後ろ側に突出しても、該曲面状に形成されていることにより、後席乗員の安全がより保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るシートバックを示す断面図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1の要部を示す斜視図。
【図4】図1のSA−SA線に沿った断面図。
【図5】図1のプロテクタの取付状態を示す拡大説明図。
【図6】図4の矢視Bにかかる受圧部材とプロテクタの正面図。
【図7】図6のSCーSC線に沿った断面図。
【図8】図6のSDーSD線に沿った断面図。
【図9】図6のSEーSE線に沿った断面図。
【図10】図1の作動実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 シートバック
2 シートバックフレーム
2a シートバックフレームのアッパフレーム
2b シートバックフレームのサイドフレーム
3 ヘッドレスト
4 受圧部材
6 作動リンク
6a 作動リンクの一端部
6b 作動リンクの他端部
7 支持手段としてのアーマチュアパイプ
8 アーマチュアパイプの保持部
10 アーマチュアパイプの折り返し部
13 ヘッドレストのステイ
29 バックボードトリムブラケット
30 乗員
30a 乗員の背中
30b 乗員の頭部
31 プロテクタ
FR 前側
RR 後ろ側
UP 上側
LWR 下側
Claims (1)
- シートバックフレームと、該シートバックフレームの上端部に前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段と、該支持手段の上端部に支持されてなるヘッドレストと、前記支持手段の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受け得る受圧部材と、前記シートバックフレーム側部及び前記受圧部材側部夫々が回転自在に連結されてなる作動リンクと、前記受圧部材の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる自動車用シートバックにおいて、
前記受圧部材の後面には、該受圧部材を後ろ側からの荷重に耐え得ると共に縦断面形状が大要前記受圧部材に沿った形状に形成され且つその下端部は、曲面状に形成されてなるプロテクタを、該受圧部材に離間して配設してなることを特徴とする自動車用シートバック。
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