JP3578903B2 - Brushless DC motor and brushless DC motor drive control method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレス直流モータに関し、特に電源から供給される電力を効率よく利用するようにしたブラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレス直流モータはブラシ付の直流モータに比べると、機械的接点を持たないため長寿命であると同時に電気的雑音も少ない。この利点のため、近年では高信頼性が要求される産業用機器や映像・音響機器に広くブラシレス直流モータが使用されている。
【0003】
従来のブラシレス直流モータにおいては、出力電圧が一定の直流電源から供給される電圧を電圧制御トランジスタなどを用いて可変制御し、例えば回転速度に応じた電圧をモータに供給していた。したがって、モータ駆動に利用される有効電圧は常に直流電源の電圧よりも低く、直流電源電圧と実際にモータに供給される電圧との差はほとんど電圧制御トランジスタのコレクタ損失(熱損失)となり、その結果、電力効率を低下させていた。
【0004】
ブラシレス直流モータの電力効率を向上するために、電圧制御トランジスタをスイッチング制御することにより電圧制御トランジスタのコレクタ損失を低減する方法がいくつか提案されている。
【0005】
そのうちの一例では、直流電源の一端と固定子巻線の電流給電端子との間の電流路を形成する第1の駆動トランジスタ群を、電流指令と位置信号に応じて電流制御する。そして、直流電源の他端と電流給電端子との間の電流路を形成する第2の駆動トランジスタ群を、第1の駆動トランジスタ群の動作電圧の最小電圧が所定の基準電圧に等しくなるように制御する。さらに電圧制御用のスイッチングトランジスタを、第2の駆動トランジスタ群の動作電圧が所定の基準電圧に等しくなるようにオン・オフ制御する。このようにして、モータに供給される電圧が制御される。このような制御を行うことにより、モータの電力効率を大幅に改善している(例えば、特開昭58−198189公報参照)。
【0006】
上記のような構成は、エミッタを共通接続した差動トランジスタのベース入力に位置信号を与えて差動切換を行うので、固定子巻線の駆動電流は安定に切換えられる。しかし、固定子巻線に流れる駆動電流は通電幅が電気角でほぼ120度の矩形波状となり、急峻にオン・オフされる。このため、振動・騒音を発生しやすくなる。
【0007】
固定子巻線の相切換を滑らかに行うために、ある相から次の相に電流切換を行う際、2相に同時に電流を通電させる期間が存在する、いわゆるオーバラップ駆動を行う方法がある(例えば、特開昭62−221894号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術において、第1及び第2の駆動トランジスタ群をオーバラップ駆動し、電力効率を向上するため(電力損失を低減するため)に第1及び第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の残り電圧を低減してトランジスタの動作電圧を低減すると、今度は電流切換が滑らかに行われず、駆動電流波形に歪みが発生し、この状態でモータを駆動すると振動・騒音を発生する(この問題の詳細については、後述する発明の実施の形態の中で図7を用いて説明を加える)。すなわち、滑らかな駆動電流の相切換と電力損失の低減とを両立させるのは困難である。
【0009】
本発明は上述のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、振動・騒音が少なく、かつ電力効率に優れたブラシレス直流モータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のブラシレス直流モータの発明は、複数の磁極を有する回転子と、複数相の固定子巻線と、前記回転子の回転位置を検出するための複数のホール素子と、前記複数のホール素子の出力から複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、直流電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段とを備え、前記第1及び第2の基準電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に電流が流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、かつ、その大きさが前記回転子の回転速度に応じて変化するように構成されている。
【0011】
このような構成により、第1の駆動トランジスタ群及び第2の駆動トランジスタ群を構成するそれぞれの複数の駆動トランジスタにおいて、駆動電流の相切換が行われている相切換期間では、対応する駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号合成手段の出力する複数相の位置信号と回転子の回転速度に応じて高めに切換えて駆動トランジスタの飽和を防止し、その一方、駆動電流の相切換の完了している1相通電期間では、駆動電流を流している駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低く設定することができる。
【0012】
したがって、1相通電期間では駆動トランジスタでの電力損失を低く抑えることができ、一方、相切換期間では、駆動トランジスタに十分な動作電圧が与えられることから駆動電流の相切換が滑らかに行われ、モータの振動・騒音がきわめて低減される。このようにして、振動・騒音が少なく、かつ、電力効率に優れたブラシレス直流モータを実現することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のブラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、その大きさは前記回転子の回転速度に略比例して連続的に大きくなるよう構成とした。
【0014】
これにより、モータの高速回転にともなって生じるリップル分を小さくして、より滑らかな相切換を行うことができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のブラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準電圧が連続的に変化し、前記相切換通電状態では2相に流れる電流を略等しくなる時点を頂点とする三角波状に変化させる構成とした。
【0016】
この構成では、相切換通電状態で高めに切換える第1及び第2の基準電圧を対称的な三角波状に変化させるので、固定子巻線に誘起される逆起電力の影響を低減して駆動電流の相切換動作をさらに滑らかに行うことができ、したがって、ブラシレス直流モータの駆動時の振動・騒音を一層低減することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のブラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準電圧が前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化する構成とした。
【0018】
固定子巻線への電流供給の大小変化に応じて第1及び第2の基準電圧を変えるため、駆動電流の変化にかかわらず、常に電流切換が滑らかに行われ、駆動電流の波形歪みを発生しない状態でモータを駆動することができる。その結果、電力効率に優れ、かつ振動・騒音が少ない効果が一層高まる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のブラシレス直流モータにおいて、前記位置信号合成手段は、前記複数のホール素子の各出力を増幅する複数のバッファ増幅器と、前記複数のバッファ増幅器の各出力の差を生成する複数の減算回路とから構成され、前記第1及び第2の基準電圧は、前記位置信号合成手段が出力する複数相の位置信号と前記バッファ増幅器の出力を波形整形した整形信号とから生成されるようにした。
【0020】
これにより、簡単な回路構成で第1及び第2の基準電圧を生成することができる。
【0021】
請求項6記載のブラシレス直流モータの発明は、複数の磁極を有する回転子と、複数相の固定子巻線と、前記回転子の回転位置を検出するための複数のホール素子と、前記複数のホール素子の出力から複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、直流電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、を備え、前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、かつ、少なくとも前記回転子を高速で回転させるときには、前記電圧変換手段の出力電圧の波形が略平坦になるように前記第1の基準電圧と第2の基準電圧の大きさを変化させるようにした。
【0022】
これにより、高速回転時においても、駆動電流の相切換動作が波形歪みなしに滑らかに行われるので、振動,騒音が非常に少ないモータ駆動が実現される。
【0023】
請求項7記載の発明では、請求項6記載のブラシレス直流モータの発明において、高速回転時における前記第1及び第2の基準電圧のレベルを低速回転時のレベルよりも高くするようにした。
【0024】
この構成により、高速回転時においても、前記電圧変換手段の出力電圧(トランジスタ群の動作電圧)のリップル分がきわめて抑制され、平坦な波形が得られる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項6のブラシレス直流モータの発明において、前記第1及び第2の基準電圧が連続的に変化し、前記相切換通電状態では2相に流れる電流が略等しくなる時点を頂点とする三角波状に変化する構成とした。
【0026】
この三角波状の基準電圧のレベルを最適化することによって、固定子巻線に生じる逆起電力の影響を低減して、なめらかな相切換を行うことができる。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項6記載のブラシレス直流モータの発明において、前記第1及び第2の基準電圧が前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化する構成とした。
【0028】
これにより、固定子巻線への電流供給の大小変化に応じて第1及び第2の基準電圧を変えるため、駆動電流の変化にかかわらず、常に電流切換が滑らかに行われ、駆動電流の波形歪みを発生しない状態でモータを駆動することができる。
【0029】
請求項10記載の発明は、請求項6記載のブラシレス直流モータの発明において、前記位置信号合成手段は、前記複数のホール素子の各出力を増幅する複数のバッファ増幅器と、前記複数のバッファ増幅器の各出力の差を生成する複数の減算回路とから構成され、前記第1及び第2の基準電圧は、前記位置信号合成手段が出力する複数相の位置信号と前記バッファ増幅器の出力を波形整形した整形信号とから生成される構成とした。
【0030】
これにより、簡単な回路構成によって第1及び第2の基準電圧を発生することができる。
【0031】
請求項11記載のブラシレス直流モータの駆動制御方法の発明では、複数のホール素子から出力される回転子の回転位置を示す信号に基づいて複数相の位置信号を生成し、その位置信号を用いて、固定子巻線の2相に同時に電流が流れる相切換状態のときにその他の状態に比べて電圧値が増大する第1及び第2の基準電圧を生成し、その第1及び第2の基準電圧をそれぞれ第1及び第2のオペアンプの非反転端子に入力し、その第1及び第2のオペアンプの負帰還ループに前記固定子巻線に給電するための給電端子を含めることにより前記給電端子の電圧を前記第1及び第2の基準電圧に基づいて制御し、これにより、前記給電端子を介して前記固定子巻線に電流を供給する第1及び第2の駆動トランジスタ群における所望の動作電圧を確保するようにした。
【0032】
これにより、固定子巻線の相切換タイミングにおいて駆動トランジスタ群の必要な(所望の)動作電圧が確保されて、滑らかな相切換が行え、また、電力損失の低減も実現される。
【0033】
請求項12記載の発明は、請求項11のブラシレス直流モータの駆動制御方法の発明において、前記第1及び第2の基準電圧の生成に際し、モータの回転速度に応じて電圧値を変化させるようにした。
【0034】
これにより、高速回転時でもトランジスタの電流増幅率の低下を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるブラシレス直流モータの具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
図1に本発明の実施形態によるブラシレス直流モータの回路構成を示す。
【0037】
図1において、27は複数の磁極を有する永久磁石回転子、11,12,13は回転子27との間に所定の空隙ができるように設けられた固定子巻線、5aは第1の駆動トランジスタ群、5bは第2の駆動トランジスタ群、20は直流電源、4は直流電源20から可変出力の直流電圧を得るスイッチング制御方式の電圧変換回路である。
【0038】
第1の駆動トランジスタ群5aは3個のNPN型の駆動トランジスタ21,22,23からなり、各駆動トランジスタ21,22,23はそれぞれ固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cと電圧変換回路4の負極側端子(GND)との間の電流路に介装されている。また第2の駆動トランジスタ群5bは3個のPNP型の駆動トランジスタ24,25,26からなり、各駆動トランジスタ24,25,26はそれぞれ電圧変換回路4の正極側端子と固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cとの間の電流路に介装されている。
【0039】
図1左端に位置する1,2,3は、回転子27との間に所定の空隙ができるように配置された3個のホール素子である。30は、3個のホール素子1,2,3の直流電源、31,32,33はバッファ増幅器であり、各ホール素子1,2,3の差動出力に比例した出力H1,H2,H3を出力する。41,42,43は減算回路である。
【0040】
減算回路41は、バッファ増幅器31の出力H1と、バッファ増幅器33の出力H3とを入力し、これらの差(H1−H3)に比例する電流Ip1を出力する。減算回路42は、バッファ増幅器32の出力H2とバッファ増幅器31の出力H1とを入力し、これらの差(H2−H1)に比例する電流Ip2を出力する。減算回路43は、バッファ増幅器33の出力H3とバッファ増幅器32の出力H2とを入力し、これらの差(H3−H2)に比例する電流Ip3を出力する。各出力電流Ip1,Ip2,Ip3は3相の位置信号となる。バッファ増幅器31,32,33と減算回路41,42,43とで位置信号合成回路40が構成されている。
【0041】
減算回路41,42,43は、それぞれ3つの出力電流が得られるように構成されている。つまり、電流信号Ip1,Ip2,Ip3、これらの電流信号と同極性の電流信号Ip1’,Ip2’,Ip3’、及び極性を反転した電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”の3種類の出力電流が得られる。
【0042】
そのうち、電流信号Ip1,Ip2,Ip3は3相の位置信号に相当し、ダイオード54,55,56により負極性側のみが取り出されて電流g,i,eとなり、第1の分配回路6aに入力される。また、分岐した出力電流Ip1,Ip2,Ip3は、ダイオード51,52,53により正極性側のみが取り出されて電流d,f,hとなり、第2の分配回路6bに入力される。
【0043】
駆動トランジスタ21,22,23の各ベースには、第1の分配回路6aによって生成された3相の電流信号g’,i’,e’がそれぞれ供給され、駆動トランジスタ21,22,23の電流を制御する。同様に、駆動トランジスタ24,25,26の各ベースには、第2の分配回路6bによって生成された3相の電流信号d’,f’,h’がそれぞれ供給され、駆動トランジスタ24,25,26の電流を制御する。NPN型トランジスタ21,22,23のベースには流し込む方向の電流が加えられ、PNP型トランジスタ24,25,26のベースには引き出す方向の電流が加えられる。
【0044】
図1中、57は電流検出抵抗であり、3相の固定子巻線11,12,13に流れる電流を電圧に変換する。36は第1の比較制御回路であり、指令端子50に入力される指令信号と電流検出抵抗57に得られた電圧とを比較する。その結果得られた制御信号CLは第1の分配回路6aに与えられ、入力された位置信号g,i,eの大きさを制御して電流信号g’,i’,e’を生成する。これらの電流信号g’,i’,e’が駆動トランジスタ21,22,23の電流を制御することにより、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電流の大きさが制御される。
【0045】
図1において、7は第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23の最小動作電圧Lを検出する第1の動作電圧検出回路、9は第2の比較制御回路34に基準電圧を供給する第1の基準電圧発生回路、37はバッファ増幅器31,32,33の各出力H1,H2,H3を波形整形し、整形信号D1,D2,D3を出力する整形回路である。
【0046】
第1の基準電圧発生回路9は、減算回路41,42,43のそれぞれ3つの出力電流のうちのそれぞれ1つずつの出力電流Ip1”,Ip2”,Ip3”と整形回路37の整形信号D1,D2,D3と指令端子60に入力される切換信号とから基準電圧E1を形成する。
【0047】
第2の比較制御回路34は、第1の基準電圧発生回路9が発生する第1の基準電圧E1と第1の動作電圧検出回路7が出力する最小動作電圧Lとを比較する。その結果、得られた制御信号CUは第2の分配回路6bに与えられ、入力された位置信号d,f,hの大きさを制御して電流信号d’,f’,h’を生成する。これらの電流信号d’,f’,h’が駆動トランジスタ24,25,26の電流を制御することにより、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電流の大きさが制御される。
【0048】
図1中、8は第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26の最小動作電圧Uを検出する第2の動作電圧検出回路であり、10は電圧変換回路4に対する電圧制御回路35に第2の基準電圧E2を供給する第2の基準電圧発生回路である。第2の基準電圧発生回路10は、減算回路41,42,43のそれぞれ3つの出力電流のうちのそれぞれ1つずつの出力電流Ip1’,Ip2’,Ip3’と整形回路37の整形信号D1,D2,D3と指令端子60に入力される切換信号とから基準電圧E2を生成する。
【0049】
電圧制御回路35は第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2と第2の動作電圧検出回路8に得られた最小動作電圧Uとを比較し、制御信号CSを電圧変換回路4に出力する。電圧変換回路4は、直流電源20の正極端子から固定子巻線11,12,13に至る給電路に直列に挿入され、電圧制御回路35の制御信号CSに応じて電圧変換回路4の出力電圧VMを制御するように構成されている。
【0050】
電圧変換回路4は、直流電源20の正極端子から固定子巻線11,12,13に至る給電路に直列に挿入された給電制御用スイッチングトランジスタ101と、電圧制御回路35からの制御信号CSに基づいてスイッチングトランジスタ101をオン・オフ制御するスイッチング制御回路100と、環流ダイオード105と、インダクタンスコイル106と、平滑コンデンサ107によって構成されている。
【0051】
電圧制御回路35には、第2の動作電圧検出回路8により得られた最小動作電圧Uに応じた制御信号CSを生成する。スイッチング制御回路100はこの制御信号CSに対応したパルス信号によってスイッチングトランジスタ101をオン・オフ制御する。これによって、電圧変換回路4は直流電源20の電圧VSを出力電圧VMに変換して出力し、第2の駆動トランジスタ群5bに供給する。なお、スイッチング制御回路100は、例えば200kHzの三角波電圧信号を発生する三角波発生回路と、電圧制御回路35の制御信号CSを三角波電圧信号と比較するコンパレータなどの周知の回路を用いて構成することもできる。
【0052】
このような構成によれば、位置信号合成回路40の出力する位置信号により第1の駆動トランジスタ群5aと第2の駆動トランジスタ群5bとがそれぞれ分配制御され、固定子巻線11〜13に流れる電流の相切換が順次に行われ、回転子27が回転駆動される。
【0053】
このとき、比較制御回路(オペアンプ)34の非反転端子に第1の基準電圧発生回路9が発生する第1の基準電圧E1が入力され、比較制御回路34の反転端子に第1の動作電圧検出回路7が出力する最小動作電圧Lが入力されることにより、比較制御回路34の出力端,第2の分配回路6b,第2の駆動トランジスタ群5b,第1の動作電圧検出回路7を介する負帰還制御ループが形成され、比較制御回路34の非反転端子と反転端子とは仮想接地されるため、第1の駆動トランジスタ群5aのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(つまり、各トランジスタ21〜23のコレクタ電圧)が第1の基準電圧発生回路9の出力する基準電圧E1に等しくなるように第2の駆動トランジスタ群に流れる電流が制御されることになる。
【0054】
同様に、電圧制御回路(オペアンプ)35の非反転端子には第2の基準電圧E2が供給され、電圧制御回路35の反転端子には第2の動作電圧検出回路8が出力する最小動作電圧Uが入力されることにより、電圧制御回路35の出力端,電圧変換回路4,第2の駆動トランジスタ群5b,第2の動作電圧検出回路8を介して負帰還制御ループが形成され、電圧制御回路35の非反転端子と反転端子とは仮想接地されることから、第2の駆動トランジスタ群5bのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(つまり、各トランジスタ24〜26のコレクタ電圧)が第2の基準電圧発生回路10の出力する基準電圧E2に等しくなるように電圧変換回路4の直流出力電圧が制御されることになる。
【0055】
そして、第1の駆動トランジスタ群5aと第2の駆動トランジスタ群5bのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号合成回路40の出力する複数相の位置信号と回転子27の回転速度に応じて変化させる。すなわち、第1の駆動トランジスタ群5a及び第2の駆動トランジスタ群5bを構成するそれぞれの複数の駆動トランジスタにおいて、駆動電流の相切換が行われている「相切換期間」では対応する駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号合成回路40の出力する複数相の位置信号と回転子の回転速度に応じて高めに切り換え、逆起電力の影響による駆動トランジスタ群5a,5bの動作電圧不足を解消して、滑らかな駆動電流の相切換を実現する。
【0056】
一方、駆動電流の相切換の完了している「1相通電期間」では、駆動電流を流している駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低く設定して、駆動トランジスタの電力損失を低く抑える。このようにして、図1の構成によって、オーバーラップ駆動における電力損失を抑制しつつ、滑らかな相切換を行って、電力効率に優れ、かつ振動,騒音が少ないブラシレス直流モータが実現される。
【0057】
次に、図1における第1の動作電圧検出回路7の具体的な回路例を図3を用いて説明する。
【0058】
図3において、81,82,83,84はダイオードであり、それぞれのアノード端子が共通接続され、ダイオード81,82,83のカソード端子はそれぞれ3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cに接続されている。85は抵抗であり、その一端は接地され、他端にダイオード84のカソード端子が接続されている。86は定電流源であり、ダイオード81,82,83,84のアノード共通端子に一定電流を供給している。87はこの第1の動作電圧検出回路7の出力端子である。電流給電端子A,B,Cに接続されている3個のダイオード81,82,83のうちカソード電位の最も低いダイオードがオンになると、ダイオードのアノード共通端子の電位はオン状態のダイオードの順方向電圧分だけカソード電位より高くなる。定電流源86の出力電流はダイオード84を介して抵抗85にも供給される。したがって、抵抗85にはアノード共通端子の電位よりダイオードの順方向電圧分だけ下降した電圧が発生する。したがって、3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cのうち最小の電圧である最小動作電圧Lが第1の動作電圧検出回路7の出力端子87から出力される。
【0059】
つぎに、図1における第2の動作電圧検出回路8の具体的な回路例を図4に示す。図4において、91,92,93はダイオードであり、それぞれのカソード端子が共通接続されている。ダイオード91,92,93のアノード端子はそれぞれ3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cに接続されている。94はPNP型のトランジスタであり、エミッタは抵抗96を介してスイッチング制御方式の電圧変換回路4の出力電圧VMに接続され、コレクタは抵抗95を介して接地されている。
【0060】
トランジスタ94のベースはダイオード91,92,93の共通接続されたカソード端子に接続されている。97は定電流源であり、ダイオード91,92,93のカソード共通端子とトランジスタ94のベースから一定電流を引き出している。98はこの第2の動作電圧検出回路8の出力端子である。
【0061】
電流給電端子A,B,Cに接続されている3個のダイオード91,92,93のうち、アノード電位の最も高いダイオードだけがオンになると、ダイオード91,92,93のカソード共通端子の電位はオン状態のダイオードの順方向電圧分だけアノード電位より低くなる。トランジスタ94のベースはダイオード91,92,93のカソード共通端子に接続され、トランジスタ94のエミッタ・ベース間の電圧はオン状態のダイオード順方向電圧にほぼ等しいので、トランジスタ94のエミッタ電位VEは電流給電端子A,B,Cのうち最も高い電位とほぼ等しくなる。
【0062】
抵抗96の一端は電圧変換回路4の出力電位VMに接続されているので、抵抗96には電位差(VM−VE)に応じた電流が流れ、この電流とほぼ等しい電流がトランジスタ94のコレクタに流れる。したがって、抵抗95と抵抗96の抵抗値を等しく選べば抵抗95の両端には、抵抗96の両端と同じ(VM−VE)の電位差を発生する。したがって、電圧変換回路4の出力電圧VMと3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cのうちの最も高い電位VEとの差(VM−VE)、すなわち電流給電端子A,B,Cのうち電圧変換回路4の出力電圧VMとの差が最も小さい最小動作電圧Uが第2の動作電圧検出回路8の出力端子98から出力される。
【0063】
図1において、第1の分配回路6aは1種の乗算器で構成されており、入力された位置信号g,i,eを第1の比較制御回路36の制御信号CLに応じて大きさを変化させた電流信号g’,i’,e’を出力する。これらの3相の電流信号g’,i’,e’は、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23の各ベースに与えられ、駆動トランジスタ21,22,23の電流を制御する。第1の比較制御回路36は指令端子50に入力される指令信号と電流検出抵抗57に得られた電圧とを比較し、得られた制御信号CLを第1の分配回路6aに与える。このようにして、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電流の大きさは、指令端子50に入力される指令信号に応じて制御される。
【0064】
図1において、第2の分配回路6bも1種の乗算器で構成されている。第2の分配回路6bに入力された位置信号d,f,hは、第2の比較制御回路34の出力である制御信号CUに応じて大きさが変えられ、電流信号d’,f’,h’が出力される。3相の電流信号d’,f’,h’は、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26の各ベースに与えられ、駆動トランジスタ24,25,26の電流を制御する。
【0065】
第2の比較制御回路34は第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第1の動作電圧検出回路7により得られた最小動作電圧Lとを比較し、その結果である制御信号CUを第2の分配回路6bに出力する。第2の分配回路6bが出力する電流信号d’,f’,h’は駆動トランジスタ24,25,26のベースに入力され、第2の駆動トランジスタ群5bの出力電流を制御する。この結果、3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの最小電圧が基準電圧E1に等しくなるように制御される。
【0066】
同様にして、電圧制御回路35は、第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2と第2の動作電圧検出回路8で得られた最小動作電圧Uとを比較し、その結果である制御信号CSを電圧変換回路4のスイッチング制御回路100に出力する。スイッチング制御回路100はスイッチングトランジスタ101を制御して直流電源20の出力電圧VSを調整し、出力電圧VMとして第2の駆動トランジスタ群5bに出力する。したがって、出力電圧VMと3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧差が第2の基準電圧E2に等しくなるように制御される。すなわち、第2のトランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の最小動作電圧が基準電圧E2に等しくなるように制御される。
【0067】
図2は、上述のようなブラシレス直流モータが定常回転状態にあるときの位置信号合成回路40の動作に関する各部の信号波形を示している。図2(1)は、固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力波形a,b,cを示し、図2(2)はホール素子1,2,3の差動出力をバッファ増幅器31,32,33で増幅した後の出力波形H1,H2,H3を示す。出力波形H1,H2,H3はそれぞれ120度ずつ位相がずれている。また、出力波形H1,H2,H3は、それぞれの逆起電力波形a,b,cに対して位相が30度ずつ進んでいる。
【0068】
図2(3)は、減算回路41,42,43の出力電流波形Ip1,Ip2,Ip3であり、3相の位置信号となる。図2(4)は、減算回路41,42,43の出力電流Ip1’,Ip2’,Ip3’の負極性側をダイオード51,52,53でカットした電流波形d,f,hを示し、図2(5)は、出力電流Ip1,Ip2,Ip3の極性を反転した電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”の正極性側をダイオード54,55,56でカットした電流波形g,i,eを示す。図2(6),(7),(8)は、バッファ増幅器31,32,33の出力H1,H2,H3を波形整形した整形信号D1,D2,D3をそれぞれ示す。整形信号D1,D2,D3の立ち上がりエッジはバッファ増幅器31,32,33の各出力H1,H2,H3の立ち上がり側のゼロクロス点に対応し、整形信号D1,D2,D3の立ち下がりエッジは各出力H1,H2,H3の立ち下がり側のゼロクロス点に対応している。
【0069】
以上のような信号処理により得られた信号で本発明のブラシレス直流モータを駆動したときの各部の信号波形を図5に示す。また、比較のために、従来のブラシレス直流モータにおける同様の信号波形を図6及び図7に示す。
【0070】
図6は、従来のブラシレス直流モータにおけるつぎの問題を説明するために用いられる。基準電圧E1及びE2を十分大きく設定したとき、固定子巻線11,12,13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icは相切換期間において滑らかに変化する歪みのない台形波状の電流となる。しかしその反面、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を大きく設定することになるので各駆動トランジスタでの電力損失が大きくなる。
【0071】
一方、図7は、従来のブラシレス直流モータにおけるつぎの問題を説明するために用いられる。電力損失を抑えるために基準電圧E1及びE2を十分小さい値E1’,E2’に設定したときは、駆動トランジスタが飽和領域で動作することになり、エミッタ・コレクタ間の動作電圧が不足するため、固定子巻線11,12,13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icが相切換期間で歪みを生じるようになる。
【0072】
図6は、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2を十分大きな一定電圧に設定したときの各部の信号波形を示している。
【0073】
図6において、a,b,cは固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力であり、VA,VB,VCは3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧波形である。また、g’,i’,e’は第1の分配回路6aから第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23のベースに流し込まれる台形波状の3相の電流信号であり、d’,f’,h’は第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26のベースから第2の分配回路6bへ引き出される台形波状の3相の電流信号である。Ia,Ib,Icは3相の固定子巻線11,12,13に通電される台形波状の駆動電流である。
【0074】
駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26はそれぞれ電気特性が揃ったトランジスタを使用するので、基準電圧E1及びE2の大きさを十分大きく設定した場合は、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧も十分大きいので、それぞれのトランジスタの電流増幅率(hfe)は十分に大きくばらつきも少ない。したがって、3相の固定子巻線11,12,13の駆動電流Ia,Ib,Icは、駆動トランジスタ21,22,23のベースに入力される台形波状の3相の電流信号g’,i’,e’及び駆動トランジスタ24,25,26のベースに入力される台形波状の3相の電流信号d’,f’,h’を等しく電流増幅することができる。その結果、歪みのない正確な台形波状の駆動電流Ia,Ib,Icを3相の固定子巻線11,12,13に供給することができる。
【0075】
図6に示す期間(1)においては、ベースから引き出される電流信号d’が大きいので駆動トランジスタ24はオンになる。これに対して、ベースから引き出される電流信号f’,h’は零であるので駆動トランジスタ25,26はオフとなる。また、ベースに流し込まれる電流信号g’は零であるので駆動トランジスタ21はオフとなる。このように、縦続接続された駆動トランジスタ24,21の同時オンが防止される。
【0076】
そして、ベースに流し込まれる電流信号i’が次第に減少する駆動トランジスタ22のオン状態は次第に減少し、ベースに流し込まれる電流信号e’が次第に増加する駆動トランジスタ23のオン状態は次第に増加する。そして一対の駆動トランジスタ22,23の総合導通量は一定に保たれる。したがって、駆動トランジスタ24から固定子巻線11に流し込まれた電流Iaは中性点oで固定子巻線12,13に分流され、固定子巻線12には電流Ibが流れ 、固定子巻線13には電流Icが流れる。固定子巻線12,13に流れる駆動電流Ib,Icは駆動トランジスタ22,23を介して引き出される。
【0077】
図6の期間(1)において、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26のうち、オンとなっているのは駆動電流Iaを流す駆動トランジスタ24のみであり、この駆動トランジスタ24については1相通電期間T1となっている。また、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,22,23のうち、2つの駆動トランジスタ22,23がオンとなっていて、駆動電流Ib,Icの相切換が行われているので、これらの駆動トランジスタ22,23については、相切換期間T2となっている。
【0078】
また、図6の期間(2)においては、ベースから引き出される電流信号d’が次第に減少するので駆動トランジスタ24のオン状態が次第に低下し、固定子巻線11に流し込まれる駆動電流Iaは次第に減少する。一方、ベースから引き出される電流信号f’が次第に増加するので駆動トランジスタ25のオン状態が次第に増大し、固定子巻線12に流し込まれる駆動電流Ibは次第に増加する。そして2つの駆動電流の合計(Ia+Ib)は一定である。固定子巻線11,12へ駆動トランジスタ24,25を介して流し込まれる駆動電流Ia,Ibは中性点oで合流し、固定子巻線13には駆動電流Ic(=Ia+Ib)が流れる。この駆動電流Icは駆動トランジスタ23を介して引き出される。
【0079】
期間(2)において、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,22,23のうち、オンとなっているのは駆動電流Icを流す駆動トランジスタ23のみであり、この駆動トランジスタ23については1相通電期間T1となっている。また、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26のうち、2つの駆動トランジスタ24,25がオンとなっていて、駆動電流Ia,Ibの相切換が行われているので、これらの駆動トランジスタ24,25については相切換期間T2となっている。
【0080】
期間(1),(2)以外の期間においても同様の動作が行われる。
【0081】
以上のように、第1の基準電圧E1と第2の基準電圧E2を十分大きく設定した場合は、各駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧も十分大きくそれぞれの電流増幅率(hfe)が十分に大きいので、3相の固定子巻線11,12,13に対して相切換期間T2においても切り換えが滑らかな歪みのない台形波状の駆動電流Ia,Ib,Icを供給することができる。
【0082】
しかしながら、基準電圧E1と基準電圧E2の大きさを十分大きく設定し、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を大きく設定した場合、駆動トランジスタでの電力損失が大きくなるという問題がある。
【0083】
そこで、モータ駆動の電力効率を高めるためには、つぎに述べるように、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ小さく設定する必要がある。
【0084】
図7は、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを十分小さい電圧E1’,E2’に設定したときの各部の信号波形を示している。
【0085】
図7において、a,b,cは固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力であり、図6と同一の波形である。VA,VB,VCは3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧波形を示し、それぞれの電圧の値は図6に比べて低くなっている。Ia,Ib,Icは、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2を小さい電圧に設定したときの3相の固定子巻線11,12,13に供給されるほぼ台形波状の駆動電流である。
【0086】
図7に示す期間(1)において、固定子巻線11に駆動トランジスタ24から流し込まれる電流Iaは、図6と同様に一定の電流である。一方、固定子巻線11に流し込まれた電流Iaが中性点oで固定子巻線12,13に分流し、固定子巻線12(電流Ib)から固定子巻線13(電流Ic)へ電流の相切換が行われるとき、固定子巻線12,13に流れる電流を制御する駆動トランジスタ22,23は、基準電圧E1’の大きさを十分小さく設定しているため、飽和領域で動作している。したがって、駆動トランジスタ22,23の電流増幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7のVA,VB,VCにほぼ等しい)に依存する。その結果、固定子巻線12,13に流れる駆動電流Ib,Icは、電流切換が滑らかに行われないことに起因する波形歪みを生ずる。すなわち、駆動トランジスタ24についての1相通電期間T1では駆動電流Iaに歪みは発生しないが、駆動トランジスタ22,23についての相相切換期間T2においては駆動電流Ib,Icに歪みが発生する。
【0087】
同様に、図7に示す期間(2)においては、固定子巻線11,12へそれぞれ駆動トランジスタ24,25から流し込まれる駆動電流Ia,Ibの合計(Ia+Ib)は一定であり、これらの電流Ia,Ibは中性点oで合流し、固定子巻線13に電流Ic(=Ia+Ib)が流れる。この電流Icは固定子巻線13から駆動トランジスタ23を介して引き出される。
【0088】
図7の期間(2)では、固定子巻線13から駆動トランジスタ23を介して引き出される電流Icは、図6と同様に一定の電流波形である。一方、固定子巻線11(駆動電流Ia)から固定子巻線12(駆動電流Ib)へ電流の相切換が行われるときは、固定子巻線11,12に流れる電流を制御する駆動トランジスタ24,25のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、基準電圧E2’の大きさを十分小さく設定しているため、駆動トランジスタ24,25は、期間(2)においてはトランジスタの飽和領域で動作している。したがって、駆動トランジスタ24,25の電流増幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7のVM−VA,VM−VBにほぼ等しい)に依存する。その結果、固定子巻線11,12に流れるそれぞれの駆動電流Ia,Ibは、電流切換が滑らかに行われず、駆動電流Ia,Ibは波形歪みを発生する。すなわち、駆動トランジスタ23についての1相通電期間T1では駆動電流Icに歪みは発生しないが、駆動トランジスタ24,25についての相切換期間T2においては駆動電流Ia,Ibに歪みが発生する。
【0089】
期間(1),(2)以外の期間においても同様の動作が行われる。すなわち、電力損失を抑えるために基準電圧E1及び基準電圧E2を十分小さく設定したときは、駆動トランジスタが飽和領域で動作することになり、エミッタ・コレクタ間の動作電圧が不足するため、固定子巻線11,12,13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icが相切換期間T2において歪みを生じ、このような状態でモータを駆動すると振動・騒音を発生する。
【0090】
このような問題を解決するために、本発明のブラシレス直流モータでは、図5に示すような各部の信号波形が得られるように制御する。つまり、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを、固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力a,b,cのタイミングに同期して連続的に変化させるように構成している。
【0091】
図5に示すように、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1は、逆起電力a,b,cの各信号が正から負へ変化するタイミングから徐々に増大し、逆起電力a,b,cのうちの2つが交叉する点を頂点としてそれ以後は徐々に減少するように変化する。一方、第2の基準電圧発生回路10が発生する第2の基準電圧E2は、逆に逆起電力a,b,cの各信号が正から負へ変化すタイミングから徐々に増大し、逆起電力a,b,cのうちの2つが交叉する点を頂点としてそれ以後は徐々に減少するように変化する。
【0092】
つぎに、本発明のブラシレス直流モータを低速及び高速で回転させたときの各部の信号波形を図8に示す。比較のために、本発明のブラシレス直流モータを低速で回転させたときの各部の信号波形図を図8(1)に示す。これは図5に示した波形図と同一で、VA,VB,VCは電流給電端子A,B,Cの電圧波形を示し、VMは電圧変換回路4の出力電圧波形を示す。図8(1)において電圧変換回路4の出力電圧VMのリップル分は、極めて平坦な波形となっている。図8(2)は、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを上記の低速回転時と同じ設定で、本発明のブラシレス直流モータを高速で回転させたときの各部の信号波形を示す。固定子巻線11,12,13のそれぞれに誘起される逆起電力a,b,cの大きさは、回転子27の回転速度に比例して増大するので、電流給電端子A,B,Cの電圧波形VA,VB,VCも増大する。
【0093】
その結果、電圧変換回路4の出力電圧VMの大きさも増大する。ところが、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを高速回転時にも低速回転時と同じ設定にしているため、図8(2)に示す電圧変換回路4の出力すべき出力電圧VMのリップル分は、図8(1)に示す出力電圧VMのリップル分に比べて増大している。なお、図8において、横軸は電気角ωtで示しているため低速回転時と高速回転時とで波形の周期が同じように記されているが、実際は回転速度に反比例して波形の周期は短くなる。
【0094】
電圧変換回路4は、出力電圧VMをできるだけ平滑化するために、一般に、動作周波数に対してインダクタンスの大きいインダクタンスコイル106と、静電容量の大きな平滑コンデンサ107を含んで構成されるため、電圧変換回路4の出力電圧の制御帯域は低くなるため、図8(2)のVMに示すような出力電圧のリップルの発生には十分追従することができず、電圧変換回路4の出力電圧には位相遅れを生じ、最悪の場合、電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の山の部分(1周期に6回)と出力電圧VMの波形の谷の部分とが重なるようになる。
【0095】
電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の山の部分と出力電圧VMの波形の谷の部分とが重なると、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23及び第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の電圧が十分確保されないためトランジスタの電流増幅作用は行われず、駆動電流Ia,Ib,ICに波形歪みを発生する。このような状態でモータを駆動すると振動・騒音を発生するため、従来では電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の山の部分と出力電圧VMの波形の谷の部分とが重ならないように第1の駆動トランジスタ群5a及び第2の駆動トランジスタ群5bのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分な余裕を設けて高めに設定していた。その結果として、低速及び高速回転の前範囲において振動・騒音の少ない、電力効率に優れたブラシレス直流モータを実現することができなかった。
【0096】
このような問題を解決するために、本実施の形態のブラシレス直流モータは、高速回転時には、第1及び第2の駆動トランジスタ群5a,5bにおいて、それぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きくし、その大きさは高速回転時には低速回転時よりも大きくなるように制御する。
【0097】
つまり、モータの回転速度に応じて、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを高速回転時には低速回転時よりも高く設定させるように構成している。
【0098】
モータの高速回転時において、基準電圧E1と基準電圧E2を低速回転時の設定から変更したときの各部の信号波形を図8(3)に示す。図8(3)より、出力電圧VMのリップル分は極めて平坦な波形となっていることが分かる。このように基準電圧E1と基準電圧E2を低速及び高速回転時に応じて変更することにより、一般に制御帯域の低い電圧変換回路4を用いても低速及び高速回転時においても振動・騒音の少ない、電力効率に優れたブラシレス直流モータを実現することができる。
【0099】
以下、このような基準電圧E1及び基準電圧E2を発生させる具体回路とその動作について詳しく説明する。
【0100】
図9は、本発明のブラシレス直流モータにおける第1の基準電圧発生回路9の一例を示し、図10は定常回転状態における各部の信号波形を示す。図9において、111,112,113はダイオードであり、それぞれカソード端子が共通接続され、切換回路120の入力端に接続されている。切換回路120は2つの出力端を有し、片方の出力端Xには抵抗114aが接続され、他方の出力端Yには抵抗114bが接続されている。抵抗114aと抵抗114bの他端はそれぞれ共通接続され、基準電圧源115の低めに設定された基準電圧E1’を介して接地されている。切換回路120は指令端子60に入力される切換信号が”L”レベルのときは切換スイッチは出力端Xに接続され、切換信号が”H”レベルのときは切換スイッチは出力端Yに接続される。ダイオード111,112,113の各アノード端子は、スイッチ回路116,117,118の一端と接続され、スイッチ回路116,117,118の他端は接地されている。
【0101】
図9において、121,122,123は、2入力のアンド回路であり、片方の入力端子には、整形回路37で得られた整形信号D1,D2,D3をそれぞれのインバータ回路124,125,126で反転した反転信号が入力されている。2入力のアンド回路121,122,123の他方の入力端子には、それぞれ整形信号D3,D1,D2が入力されている。
【0102】
スイッチ回路116,117,118は、アンド回路121,122,123の出力が”H”レベルのときに閉じ、”L”レベルのときに開くように構成されている。そして、ダイオード111,112,113の各アノード端子には、それぞれ減算回路31,32,33が出力する電流信号Ip1,Ip2,Ip3の極性を反転した電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”が入力される。また、符号119は第1の基準電圧発生回路9の出力端子であり、基準電圧E1が出力される。
【0103】
つぎに、図9に示す第1の基準電圧発生回路9の動作を、回転子27が定常回転している場合について、図10の波形図を参照しながら説明する。図10(1)は、減算回路31,32,33から第1の基準電圧発生回路9に入力される電流信号波形Ip1”,Ip2”,Ip3”を示し、図10(2),(3),(4)は、整形回路37が出力する整形信号波形D1,D2,D3を示している。図10(5),(6),(7)は、図9のアンド回路121,122,123の出力波形(2入力の論理積)を示す。図10(8)は、第1の基準電圧発生回路9の出力端子119より出力される基準電圧信号波形E1を示す。
【0104】
スイッチ回路116,117,118は、図10(5),(6),(7)に示す信号で開閉されるので、第1の基準電圧発生回路9に入力される電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”は、それぞれスイッチ回路116,117,118が開いているときのみダイオード111,112,113を介して切換回路120に流れる。
【0105】
切換回路120の指令端子60に入力される切換信号が”L”レベルのときは、切換スイッチは出力端Xに接続されているので、切換回路120に入力された電流は抵抗114aに流れる。その結果、第1の基準電圧発生回路9の出力端子119には、基準電圧源115の基準電圧E1’に、ダイオード111,112,113を介して通電される電流により抵抗114aで発生する電圧降下分を加算した電圧が発生し、図10(8)の実線で示すような山形の基準電圧信号波形E1が出力される。
【0106】
切換回路120の指令端子60に入力される切換信号が”H”レベルのときは、切換スイッチは出力端Yに接続されるので、切換回路120に入力された電流は抵抗114bに流れる。今、抵抗114bの大きさを抵抗114aよりも大きく選んでおくと、出力端子119には、基準電圧源115の基準電圧E1’に、ダイオード111,112,113を介して通電される電流により抵抗114bで発生する電圧降下分を加算した電圧が発生し、図10(8)の点線で示すような山形の基準電圧信号波形E1が出力される。
【0107】
つぎに、本発明のブラシレス直流モータにおける第2の基準電圧発生回路10の一例を図11に示す。また、定常回転状態における各部の信号波形を図12に示す。
【0108】
図11において、131,132,133はダイオードであり、それぞれカソード端子が共通接続され、切換回路140の入力端に接続されている。切換回路140は2つの出力端を有し、片方の出力端Xには抵抗134aが接続され、他方の出力端Yには抵抗134bが接続されている。抵抗134aと抵抗134bの他端はそれぞれ共通接続され、基準電圧源135の低めに設定された基準電圧E2’を介して接地されている。切換回路140は指令端子60に入力される切換信号が”L”レベルのときは切換スイッチは出力端Xに接続され、切換信号が”H”レベルのときは切換スイッチは出力端Yに接続される。ダイオード131,132,133の各アノード端子は、スイッチ回路136,137,138と接続され、スイッチ回路136,137,138を介して接地されている。141,142,143は2入力のアンド回路であり、片方の入力端子には、整形回路37で得られた整形信号D1,D2,D3が入力され、他方の入力端子には、整形信号D3,D1,D2をインバータ回路144,145,146で反転した反転信号が入力されている。
【0109】
スイッチ回路136,137,138は、アンド回路141,142,143の出力によって開閉され、出力が”H”レベルのときに閉じ、”L”レベルのときに開くように構成されている。そして、ダイオード136,137,138の各アノード端子には、それぞれ減算回路31,32,33が出力する電流信号Ip1’,Ip2’,Ip3’が入力される。139は第2の基準電圧発生回路10の出力端子で、基準電圧信号E2が出力される。
【0110】
つぎに、図11に示す第2の基準電圧発生回路10の動作を、回転子27が定常回転している場合について、図12の波形図を参照して説明する。図12(1)は、減算回路31,32,33から第2の基準電圧発生回路10に入力される電流信号波形Ip1’,Ip2’,Ip3’を示し、図12(2),(3),(4)は、整形回路37が出力する整形信号波形D1,D2,D3を示す。図12(5),(6),(7)は、図11のアンド回路141,142,143の出力波形(2入力の論理積)を示す。図12(8)は、第2の基準電圧発生回路10の出力端子139より出力される基準電圧信号波形E2を示す。スイッチ回路136,137,138は、図11(5),(6),(7)に示す信号で開閉されるので、第2の基準電圧発生回路10に入力される電流信号Ip1’,Ip2’,Ip3’は、それぞれのスイッチ回路136,137,138が開いているときのみダイオード131,132,133を介して切換回路140に流れる。
切換回路140の指令端子60に入力される切換信号が”L”レベルのときは、切換スイッチは出力端Xに接続されているので、切換回路140に入力された電流は抵抗134aに流れる。その結果、第2の基準電圧発生回路10の出力端子139には、基準電圧源135の基準電圧E2’に、ダイオード131,132,133を介して通電される電流により抵抗134aで発生する電圧降下分を加算した電圧が発生し、図12(8)の実線で示すような山形の基準電圧信号波形E2が出力される。
【0111】
切換回路140の指令端子60に入力される切換信号が”H”レベルのときは、切換スイッチは出力端Yに接続されるので、切換回路140に入力された電流は抵抗134bに流れる。今、抵抗134bの大きさを抵抗134aよりも大きく選んでおくと、出力端子139には、基準電圧源135の基準電圧E2’に、ダイオード131,132,133を介して通電される電流により抵抗134bで発生する電圧降下分を加算した電圧が発生し、図12(8)の点線で示すような山形の基準電圧信号波形E2が出力される。
【0112】
図10(8)及び図12(8)より明らかなように、第1の基準電圧発生回路9から出力される第1の基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10から出力される第2の基準電圧E2とは位相が180度ずれている。
【0113】
図5に示す期間(1)においては、図6で説明したのと同様に、ベースから引き出す電流信号d’が大きいので駆動トランジスタ24はオンとなるのに対して、引き出す電流信号f’,h’は零であるので駆動トランジスタ25,26はオフとなる。また、ベースに流し込む電流信号g’は零であるので駆動トランジスタ21はオフとなり、縦続接続された2つの駆動トランジスタ24,21の同時オンを防止する。そして、ベースに流し込む電流信号i’が次第に減少する駆動トランジスタ22のオン状態は次第に低下し、流し込む電流信号e’が次第に増加する駆動トランジスタ23のオン状態は次第に増大し、2つの駆動トランジスタ22,23の総合導通量は一定に保たれる。したがって、固定子巻線11には駆動トランジスタ24より駆動電流Iaが流し込まれ、この駆動電流Iaは中性点oで固定子巻線12,13に分流される。そして、固定子巻線12には駆動電流Ibが流れ、固定子巻線13には駆動電流Icが通電される。これらの駆動電流Ib,Icは駆動トランジスタ22,23を介して引き出される。
【0114】
期間(1)において、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26のうちオンとなっているのは駆動電流Iaを流す1つの駆動トランジスタ24のみであり、この駆動トランジスタ24については1相通電期間T1となっている。この駆動トランジスタ24についての1相通電期間T1においては、固定子巻線11に流し込まれる駆動電流Iaは一定の値を保っている。この1相通電期間T1においては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基準電圧は、低めに設定された基準電圧E2’となり、駆動トランジスタ24のエミッタ・コレクタ間の動作電圧が低いので電力損失は少ない。
【0115】
また、期間(1)において、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,22,23のうち、2つの駆動トランジスタ22,23がオンとなっていて、駆動電流Ib,Icの相切換が行われているので、これらの駆動トランジスタ22,23については相切換期間T2となっている。この相切換期間T2においては、第1の基準電圧発生回路9が出力する基準電圧は、低めに設定された基準電圧E1’に山形の電圧信号が加算された高めの基準電圧E1となり、駆動トランジスタ22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は十分に大きい。
【0116】
したがって、図7の場合のように駆動トランジスタ22,23の電流増幅率(hfe)がトランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7のVB,VCにほぼ等しい)に依存するといったことはない。また、電流給電端子B,Cの電圧VB,VCの波形が滑らかになるため、固定子巻線12,13に流れるそれぞれの駆動電流Ib,Icは電流切換が滑らかに行われることになり、相切換期間T2であっても波形歪みが発生しない。
【0117】
また、図5に示す期間(2)において、図6で説明したのと同様に、ベースから引き出される電流信号d’が次第に減少するので駆動トランジスタ24のオン状態が次第に低下し、固定子巻線11に流し込まれる駆動電流Iaは次第に減少する。一方、ベースから引き出される電流信号f’が次第に増加するので駆動トランジスタ25のオン状態が次第に増大し、固定子巻線12に流し込まれる駆動電流Ibは次第に増加する。2つの駆動電流の合計(Ia+Ib)は一定である。固定子巻線11,12へそれぞれ駆動トランジスタ24,25を介して流し込まれる駆動電流Ia,Ibは中性点oで合流され、固定子巻線13には駆動電流Ic(=Ia+Ib)が流れ、この駆動電流Icは駆動トランジスタ23を介して引き出される。
【0118】
期間(2)において、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,22,23のうち、オンとなっているのは駆動電流Icを流す駆動トランジスタ23のみであり、この駆動トランジスタ23については1相通電期間T1となっている。この1相通電期間T1においては、固定子巻線13に流れる駆動電流Icは一定の値を保っている。この1相通電期間T1においては、第1の基準電圧発生回路9が出力する基準電圧は、低めに設定された第1の基準電圧E1’となり、駆動トランジスタ23でのエミッタ・コレクタ間の動作電圧が低いので電力損失は少ない。
【0119】
また、期間(2)において、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26のうち、2つの駆動トランジスタ24,25がオンとなっていて、駆動電流Ia,Ibの相切換が行われているので、これらの駆動トランジスタ24,25については相切換期間T2となっている。これら駆動トランジスタ24,25についての相切換期間T2においては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基準電圧は、低めに設定された第2の基準電圧E2’に山形の電圧信号が加算された高めの第2の基準電圧E2となり、駆動トランジスタ24,25のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は十分に大きなものとなる。したがって、図7の場合のように駆動トランジスタ24,25の電流増幅率(hfe)がトランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7のVM−VA,VM−VBにほぼ等しい)に依存するといったことはなく、また、電流給電端子A,Bの電圧VA,VBの波形も滑らかになる。その結果、固定子巻線11,12に通電されるそれぞれの駆動電流Ia,Ibは電流切換が滑らかに行われることになり、相切換期間T2であっても、駆動電流Ia,Ibには波形歪みが発生しない。
【0120】
期間(1),(2)以外の期間においても同様の動作が行われる。
【0121】
以上のように構成することにより、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,22,23で、固定子巻線11,12,13の駆動電流の相切換の行われる相切換期間T2においては、第1の基準電圧発生回路9から高めの第1の基準電圧E1を出力することによって駆動トランジスタ21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分高く設定して飽和領域での動作を避ける一方、相切換の完了した1相通電期間T1においては、駆動トランジスタ21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、もともと低めに設定されていた第1の基準電圧E1’の出力に基づいて十分低く設定される。
【0122】
同様に、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26の駆動電流の相切換の行われる相切換期間T2においては、第2の基準電圧発生回路10から高めの第2の基準電圧E2を出力することによって駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分高く設定して飽和領域での動作を避ける一方、相切換の完了した1相通電期間T1においては、駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、もともと低めに設定されていた第2の基準電圧E2’の出力に基づいて十分低く設定される。
【0123】
また、本発明のブラシレス直流モータを高速で回転させたときには、図1に示す指令端子60には”H”レベル切換信号が入力され、切換回路120及び切換回路140の切換スイッチはそれぞれ出力端Yに接続されるので、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1及び第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2は、それぞれ図10(8)及び図12(8)に点線で示すように山形の電圧波形となり、この山形部分の大きさを、モータの高速回転時には低速回転時よりも高くするので、電圧変換回路4の出力すべき出力電圧VMのリップル分は極めて平坦な波形となる。
【0124】
以上の説明から明らかなように、第1の基準電圧発生回路9と第2の基準電圧発生回路10から基本的に低めに設定された基準電圧E1’と基準電圧E2’をそれぞれ出力することにより、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を小さく設定することができるので、駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑えることができる。しかも、高めの基準電圧E1及び高めの基準電圧E2として、固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力a,b,cのタイミングに同期して山形に変化させた信号を出力することにより、固定子巻線11,12,13の駆動電流の相切換動作が波形歪みの発生なしに滑らかに行われるので、振動・騒音が非常に少ないブラシレス直流モータの駆動が可能となる。
【0125】
また、本発明のブラシレス直流モータを高速で回転させたときには、指令端子60には”H”レベルの切換信号が入力され、第1の基準電圧発生回路9と基準電圧発生回路10から基準電圧E1及び基準電圧E2それぞれの電圧波形の山形部分の大きさを、モータの高速回転時には低速回転時よりも高くして、電圧変換回路4の出力すべき出力電圧VMのリップル分を極めて平坦な波形にすることができるので、低速及び高速回転時においても固定子巻線11,12,13の駆動電流の相切換動作が波形歪みの発生なしに滑らかに行われるので、振動・騒音が非常に少ないブラシレス直流モータの駆動が可能となる。
【0126】
なお、図8(1)及び図8(3)に示したモータの低速及び高速回転における電圧変換回路4の出力すべき出力電圧VMは、どちらの場合にもリップル分の極めて少ない平坦な波形となるように基準電圧E1及び基準電圧E2の電圧波形の山形部分の大きさを決定したが、モータの高速回転時のみ出力電圧VMがリップル分の極めて少ない平坦な波形となるようにしてもよい。
モータが低速で回転しているときは電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形のリップル周波数は低く、電圧変換回路4の出力電圧の制御帯域よりも十分に低いので、出力電圧VMは電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形のリップルに十分追従することができる。したがって、電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形のリップル周波数が電圧変換回路4の出力電圧の制御帯域よりも高くなる高速回転時のみ出力電圧VMはリップル分の極めて少ない平坦な波形となるように基準電圧E1及び基準電圧E2の電圧波形の山形部分の大きさを決定してもよい。この場合は、モータの低速回転時の基準電圧E1及び基準電圧E2の電圧波形の山形部分の大きさを図5に示したE1,E2の波形よりも小さく設定できるので、駆動トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧をさらに小さく設定することができるので、駆動トランジスタでの電力損失をさらに小さく抑えることができる。
【0127】
なお、図9に示した第1の基準電圧発生回路9及び図11に示した第2の基準電圧発生回路10では、切換回路120及び切換回路140の切換スイッチはモータの低速及び高速回転に応じて2段階にだけ切換えるように構成したが、モータの回転速度に応じて何段階にも切換えてもよい。さらには切換回路120及び切換回路140を設けることなしに抵抗114及び抵抗134の抵抗値を回転速度に応じて連続的に増加するように構成してもよい。
【0128】
また抵抗114及び抵抗134の抵抗値を固定しておいて第1の基準電圧発生回路9に入力される電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”及び第2の基準電圧発生回路10に入力される電流信号波形Ip1’,Ip2’,Ip3’の大きさを回転速度に応じて連続的に増加するように構成してもよい。
【0129】
なお、図9に示した第1の基準電圧発生回路9及び図11に示した第2の基準電圧発生回路10では、低めに設定された基準電圧E1’及び基準電圧E2’の大きさは一定としたが、第1の駆動トランジスタ群5a及び第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ21,22,23,24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を固定子巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化させるように構成し、供給電流が大きくなったときには基準電圧信号E1’及び基準電圧信号E2’の大きさを増加するように構成してもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、固定子巻線11,12,13から流れ出す駆動電流の合計を電流検出抵抗57で検出し、駆動電流の合計が一定となるように制御することにより駆動電流Ia,Ib,Icの波形が台形波状になるように構成したが、台形波状の駆動電流に限らず固定子巻線11,12,13から流れ出す駆動電流の合計を変調(例えば、特開昭61−150695公報参照)することにより駆動電流Ia,Ib,Icの波形を正弦波状となるように構成してもよい。
【0131】
また、本発明は、上記実施の形態のような3相のモータに限らず、4相以上のモータにも適用することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明のブラシレス直流モータによれば、第1の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を第1の基準電圧発生回路の出力する基準電圧に等しくなるように第2の駆動トランジスタ群の通電電流を制御し、また第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を第2の基準電圧発生回路の出力する基準電圧に等しくなるように電圧変換回路の直流出力電圧を制御し、第1の駆動トランジスタ群と第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号合成回路の出力する複数相の位置信号とホール素子の各出力を増幅するバッファ増幅器の出力を波形整形した整形信号に応じて変化させ、1相通電期間では、駆動電流を通電している駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低く設定するように構成しているので、その駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑えることができる。
【0133】
さらに、駆動電流の相切換の行われている相切換期間では、対応する駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をモータの回転速度に応じて変化させ、高めに切り換えているので、固定子巻線の駆動電流の相切換動作を滑らかに行い、ブラシレス直流モータを振動・騒音の非常に少ない状態で駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るブラシレス直流モータの回路図
【図2】図1のブラシレス直流モータを構成する位置信号合成回路及び整形回路の動作を説明するための各部の信号波形図
【図3】図1のブラシレス直流モータにおける第1の動作電圧検出回路の一例を示す回路図
【図4】図1のブラシレス直流モータにおける第2の動作電圧検出回路の一例を示す回路図
【図5】図1のブラシレス直流モータにおいて駆動トランジスタの動作電圧を位置信号に応じて変化させたときの動作を説明するための各部の信号波形図
【図6】従来のブラシレス直流モータにおいて電力損失が大きくなるという問題を説明するための各部の信号波形図
【図7】従来のブラシレス直流モータにおいて第1の基準電圧及び第2の基準電圧を低く設定したときに相切換期間において固定子巻線の駆動電流に波形歪みが発生する問題を説明するための各部の信号波形図
【図8】(1),(2),(3)はそれぞれ、図1のブラシレス直流モータにおいて駆動トランジスタの動作電圧を位置信号とモータの回転速度に応じて変化させたときの動作を説明するための各部の信号波形図
【図9】図1のブラシレス直流モータにおける第1の基準電圧発生回路の一例を示す回路図
【図10】図8に示す第1の基準電圧発生回路の動作を説明するための各部の信号波形図
【図11】図1のブラシレス直流モータにおける第2の基準電圧発生回路の一例を示す回路図
【図12】図10に示す第2の基準電圧発生回路の動作を説明するための各部の信号波形図
【符号の説明】
1,2,3……ホール素子
4……電圧変換回路
5a……第1の駆動トランジスタ群
5b……第2の駆動トランジスタ群
6a……第1の分配制御回路
6b……第2の分配制御回路
9……第1の基準電圧発生回路
10……第2の基準電圧発生回路
11,12,13……固定子巻線
27……回転子
40……位置信号合成回路[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a brushless DC motor, and more particularly, to a brushless DC motor that efficiently uses electric power supplied from a power supply.
[0002]
[Prior art]
Brushless DC motors have no mechanical contacts and therefore have a longer life and less electrical noise than DC motors with brushes. Because of this advantage, brushless DC motors are widely used in industrial equipment and video / audio equipment that require high reliability in recent years.
[0003]
In a conventional brushless DC motor, a voltage supplied from a DC power supply having a constant output voltage is variably controlled using a voltage control transistor or the like, and a voltage corresponding to, for example, a rotation speed is supplied to the motor. Therefore, the effective voltage used for driving the motor is always lower than the voltage of the DC power supply, and the difference between the DC power supply voltage and the voltage actually supplied to the motor is almost equal to the collector loss (heat loss) of the voltage control transistor. As a result, the power efficiency has been reduced.
[0004]
In order to improve the power efficiency of the brushless DC motor, several methods have been proposed for reducing the collector loss of the voltage control transistor by switching-controlling the voltage control transistor.
[0005]
In one example, the first drive transistor group forming the current path between one end of the DC power supply and the current supply terminal of the stator winding is current-controlled according to the current command and the position signal. Then, the second drive transistor group forming the current path between the other end of the DC power supply and the current supply terminal is adjusted so that the minimum operating voltage of the first drive transistor group becomes equal to a predetermined reference voltage. Control. Further, the on / off control of the switching transistor for voltage control is performed so that the operating voltage of the second driving transistor group becomes equal to a predetermined reference voltage. In this way, the voltage supplied to the motor is controlled. By performing such control, the power efficiency of the motor is significantly improved (for example, see Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-198189).
[0006]
In the above configuration, since the differential switching is performed by applying the position signal to the base input of the differential transistor having the emitter commonly connected, the driving current of the stator winding can be switched stably. However, the drive current flowing through the stator winding has a rectangular waveform having a conduction width of approximately 120 degrees in electrical angle, and is rapidly turned on and off. For this reason, vibration and noise are easily generated.
[0007]
In order to smoothly perform the phase switching of the stator winding, there is a method of performing a so-called overlap drive in which there is a period in which current is supplied to two phases at the same time when current is switched from one phase to the next phase ( See, for example, JP-A-62-221894.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described prior art, the first and second driving transistor groups are overlap-driven to improve the power efficiency (to reduce power loss) between the emitter and the collector of the first and second driving transistor groups. When the operating voltage of the transistor is reduced by reducing the remaining voltage of the transistor, the current switching is not smoothly performed this time, and the drive current waveform is distorted. When the motor is driven in this state, vibration and noise are generated (this problem Details will be described with reference to FIG. 7 in an embodiment of the invention described later). That is, it is difficult to achieve both smooth drive current phase switching and reduction in power loss.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-described conventional problems, and has as its object to provide a brushless DC motor having less vibration and noise and having excellent power efficiency.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The invention of a brushless DC motor according to
[0011]
With such a configuration, in each of the plurality of drive transistors forming the first drive transistor group and the second drive transistor group, during the phase switching period in which the drive current is switched, the corresponding drive transistor The operating voltage between the emitter and the collector is switched to a higher value in accordance with the multi-phase position signal output from the position signal synthesizing means and the rotation speed of the rotor to prevent saturation of the drive transistor, and, on the other hand, to switch the phase of the drive current. In the completed one-phase energizing period, the operating voltage between the emitter and the collector of the driving transistor that is flowing the driving current can be set as low as possible.
[0012]
Therefore, power loss in the driving transistor can be suppressed low during the one-phase energizing period. On the other hand, in the phase switching period, a sufficient operating voltage is applied to the driving transistor, so that the phase switching of the driving current is performed smoothly, Motor vibration and noise are significantly reduced. In this way, it is possible to realize a brushless DC motor with less vibration and noise and excellent power efficiency.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the first aspect, the first and second reference voltages are respectively shifted from one phase of a stator winding in the first and second drive transistor groups. In the phase switching energized state in which the current is switched to the two phases and the two phases flow simultaneously, the phase switching energized state is larger than the one-phase energized state in which the current flows only in one phase, and the magnitude is continuously proportional to the rotation speed of the rotor. It was configured to be large in size.
[0014]
This makes it possible to reduce the amount of ripple caused by the high-speed rotation of the motor, thereby performing smoother phase switching.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the first aspect, the first and second reference voltages are continuously changed, and the current flowing in the two phases is substantially equal in the phase switching energized state. It is configured to change in a triangular wave shape with the vertex at the top.
[0016]
In this configuration, the first and second reference voltages, which are switched higher in the phase switching energized state, are changed in a symmetrical triangular waveform, so that the effect of the back electromotive force induced in the stator winding is reduced to reduce the drive current. Can be performed more smoothly, so that the vibration and noise at the time of driving the brushless DC motor can be further reduced.
[0017]
According to a fourth aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the first aspect, the first and second reference voltages change in accordance with a command signal for commanding a current supply to the stator winding. .
[0018]
Since the first and second reference voltages are changed in accordance with the magnitude of the current supply to the stator winding, the current is always smoothly switched regardless of the change in the drive current, resulting in a drive current waveform distortion. It is possible to drive the motor in a state where it is not performed. As a result, the effect of being excellent in power efficiency and reducing vibration and noise is further enhanced.
[0019]
According to a fifth aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the first aspect, the position signal synthesizing means includes a plurality of buffer amplifiers for amplifying respective outputs of the plurality of Hall elements, and respective outputs of the plurality of buffer amplifiers. And a plurality of subtraction circuits for generating a difference between the first and second reference voltages, wherein the first and second reference voltages are shaped signals obtained by shaping waveforms of a plurality of phase position signals output by the position signal synthesizing means and an output of the buffer amplifier. And generated from
[0020]
Thus, the first and second reference voltages can be generated with a simple circuit configuration.
[0021]
The brushless DC motor according to
[0022]
Thereby, even at the time of high-speed rotation, the phase switching operation of the drive current is performed smoothly without waveform distortion, so that the motor drive with very little vibration and noise is realized.
[0023]
According to a seventh aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the sixth aspect, the levels of the first and second reference voltages during high-speed rotation are higher than the levels during low-speed rotation.
[0024]
With this configuration, even at the time of high-speed rotation, the ripple of the output voltage of the voltage conversion means (the operating voltage of the transistor group) is extremely suppressed, and a flat waveform can be obtained.
[0025]
According to an eighth aspect of the present invention, in the brushless DC motor of the sixth aspect, the first and second reference voltages are continuously changed, and the currents flowing in the two phases are substantially equal in the phase switching energized state. It is configured to change in a triangular wave shape with the time point as the top.
[0026]
By optimizing the level of the triangular reference voltage, the effect of the back electromotive force generated in the stator winding can be reduced, and smooth phase switching can be performed.
[0027]
According to a ninth aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the sixth aspect, the first and second reference voltages change according to a command signal for commanding a current supply to the stator winding. And
[0028]
As a result, the first and second reference voltages are changed in accordance with the magnitude of the current supply to the stator winding, so that the current is always smoothly switched regardless of the change in the drive current, and the waveform of the drive current is changed. The motor can be driven in a state where no distortion occurs.
[0029]
According to a tenth aspect of the present invention, in the brushless DC motor according to the sixth aspect, the position signal synthesizing means includes a plurality of buffer amplifiers for amplifying respective outputs of the plurality of Hall elements, and a plurality of buffer amplifiers. And a plurality of subtraction circuits for generating a difference between the outputs. The first and second reference voltages are obtained by shaping the waveforms of the multi-phase position signal output by the position signal synthesizing means and the output of the buffer amplifier. It is configured to be generated from the shaping signal.
[0030]
Thus, the first and second reference voltages can be generated with a simple circuit configuration.
[0031]
In the brushless DC motor drive control method according to the eleventh aspect, a plurality of phase position signals are generated based on the signals indicating the rotational position of the rotor output from the plurality of Hall elements, and the position signals are used. Generating first and second reference voltages whose voltage values increase in a phase switching state in which a current simultaneously flows through the two phases of the stator winding as compared with other states, and generating the first and second reference voltages. A voltage is input to the non-inverting terminals of the first and second operational amplifiers, respectively, and the negative feedback loops of the first and second operational amplifiers include a power supply terminal for supplying power to the stator winding. Is controlled based on the first and second reference voltages, whereby a desired operation in the first and second drive transistor groups for supplying a current to the stator winding via the power supply terminal is performed. Secure voltage Was to so that.
[0032]
As a result, a required (desired) operating voltage of the drive transistor group is secured at the phase switching timing of the stator winding, smooth phase switching can be performed, and power loss can be reduced.
[0033]
According to a twelfth aspect of the present invention, in the driving control method for a brushless DC motor according to the eleventh aspect, when the first and second reference voltages are generated, a voltage value is changed according to a rotation speed of the motor. did.
[0034]
Thus, it is possible to prevent a decrease in the current amplification factor of the transistor even during high-speed rotation.
[0035]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments of a brushless DC motor according to the present invention will be described with reference to the drawings.
[0036]
FIG. 1 shows a circuit configuration of a brushless DC motor according to an embodiment of the present invention.
[0037]
In FIG. 1,
[0038]
The first
[0039]
1, 3, and 3 are three Hall elements arranged so as to form a predetermined gap with the
[0040]
The subtraction circuit 41 receives the output H1 of the
[0041]
Each of the
[0042]
Of these, the current signals Ip1, Ip2, Ip3 correspond to three-phase position signals, and only the negative side is taken out by the
[0043]
The three-phase current signals g ′, i ′, and e ′ generated by the first distribution circuit 6a are supplied to the bases of the driving
[0044]
In FIG. 1,
[0045]
In FIG. 1,
[0046]
The first reference
[0047]
The second
[0048]
In FIG. 1,
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
The
[0052]
According to such a configuration, the first
[0053]
At this time, the first reference voltage E1 generated by the first reference
[0054]
Similarly, the second reference voltage E2 is supplied to the non-inverting terminal of the voltage control circuit (operational amplifier) 35, The minimum operating voltage U output from the second operating
[0055]
Then, the operating voltage between the emitter and the collector of the first
[0056]
On the other hand, in the “one-phase conduction period” in which the phase switching of the drive current is completed, the operating voltage between the emitter and the collector of the drive transistor through which the drive current is flowing is set as low as possible to reduce the power loss of the drive transistor. suppress. In this manner, the configuration of FIG. 1 realizes a brushless DC motor that is excellent in power efficiency and has less vibration and noise by performing smooth phase switching while suppressing power loss in overlap driving.
[0057]
Next, a specific circuit example of the first operating
[0058]
In FIG. 3,
[0059]
Next, FIG. 4 shows a specific circuit example of the second operating
[0060]
The base of the
[0061]
When only the diode having the highest anode potential among the three
[0062]
Since one end of the
[0063]
In FIG. 1, the first distribution circuit 6a is composed of one type of multiplier, and the size of the input position signals g, i, and e is changed according to the control signal CL of the first
[0064]
In FIG. 1, the
[0065]
The second
[0066]
Similarly, the
[0067]
FIG. 2 shows signal waveforms of various parts relating to the operation of the position
[0068]
FIG. 2C shows output current waveforms Ip1, Ip2, and Ip3 of the
[0069]
FIG. 5 shows signal waveforms at various parts when the brushless DC motor of the present invention is driven by signals obtained by the above-described signal processing. For comparison, FIGS. 6 and 7 show similar signal waveforms in a conventional brushless DC motor.
[0070]
FIG. 6 is used to explain the following problem in the conventional brushless DC motor. When the reference voltages E1 and E2 are set sufficiently high, the drive currents Ia, Ib, and Ic flowing through the
[0071]
On the other hand, FIG. 7 is used to explain the following problem in the conventional brushless DC motor. When the reference voltages E1 and E2 are set to sufficiently small values E1 'and E2' in order to suppress power loss, the driving transistor operates in the saturation region, and the operating voltage between the emitter and the collector becomes insufficient. The drive currents Ia, Ib, Ic flowing through the
[0072]
FIG. 6 shows a signal waveform of each part when the reference voltage E1 generated by the first reference
[0073]
In FIG. 6, a, b, and c are back electromotive forces induced in the
[0074]
Since the driving
[0075]
In the period (1) shown in FIG. 6, the
[0076]
Then, the ON state of the driving
[0077]
In the period (1) in FIG. 6, among the three
[0078]
In the period (2) of FIG. 6, the current signal d 'drawn from the base gradually decreases, so that the ON state of the
[0079]
In the period (2), of the three
[0080]
Similar operations are performed in periods other than the periods (1) and (2).
[0081]
As described above, when the first reference voltage E1 and the second reference voltage E2 are set sufficiently high, the operating voltage between the emitter and the collector of each driving transistor is also sufficiently large, and the respective current amplification factors (hfe) are sufficiently large. Therefore, trapezoidal drive currents Ia, Ib, and Ic can be supplied to the three-
[0082]
However, when the magnitudes of the reference voltages E1 and E2 are set sufficiently large and the operating voltages between the emitters and collectors of the driving
[0083]
Therefore, in order to increase the power efficiency of the motor drive, it is necessary to set the operating voltages between the emitters and collectors of the
[0084]
FIG. 7 shows a case where the magnitudes of the reference voltage E1 generated by the first reference
[0085]
7, a, b, and c are back electromotive forces induced in the
[0086]
In the period (1) shown in FIG. 7, the current Ia flowing into the stator winding 11 from the
[0087]
Similarly, in period (2) shown in FIG. 7, the sum (Ia + Ib) of drive currents Ia and Ib flowing from
[0088]
In the period (2) in FIG. 7, the current Ic drawn from the stator winding 13 via the
[0089]
Similar operations are performed in periods other than the periods (1) and (2). That is, when the reference voltage E1 and the reference voltage E2 are set sufficiently small in order to suppress the power loss, the drive transistor operates in the saturation region, and the operating voltage between the emitter and the collector becomes insufficient. The drive currents Ia, Ib, Ic flowing through the
[0090]
In order to solve such a problem, in the brushless DC motor of the present invention, control is performed so that signal waveforms of respective parts as shown in FIG. 5 are obtained. That is, the magnitude of the reference voltage E1 generated by the first reference
[0091]
As shown in FIG. 5, the reference voltage E1 generated by the first reference
[0092]
Next, FIG. 8 shows signal waveforms at various parts when the brushless DC motor of the present invention is rotated at low speed and high speed. For comparison, FIG. 8A shows a signal waveform diagram of each part when the brushless DC motor of the present invention is rotated at a low speed. This is the same as the waveform diagram shown in FIG. 5, where VA, VB, and VC indicate the voltage waveforms of the current supply terminals A, B, and C, and VM indicates the output voltage waveform of the
[0093]
As a result, the magnitude of the output voltage VM of the
[0094]
In order to smooth the output voltage VM as much as possible, the
[0095]
When the peaks of the envelope waveforms of the voltage waveforms VA, VB, and VC overlap with the valleys of the waveform of the output voltage VM, the driving
[0096]
In order to solve such a problem, the brushless DC motor according to the present embodiment has a structure in which the first and second
[0097]
In other words, the magnitude of the reference voltage E1 generated by the first reference
[0098]
FIG. 8 (3) shows signal waveforms of various parts when the reference voltage E1 and the reference voltage E2 are changed from the settings at the time of low-speed rotation when the motor rotates at high speed. FIG. 8C shows that the ripple of the output voltage VM has an extremely flat waveform. As described above, by changing the reference voltage E1 and the reference voltage E2 according to the low-speed and high-speed rotations, the electric power with little vibration and noise can be obtained even when the
[0099]
Hereinafter, a specific circuit for generating the reference voltage E1 and the reference voltage E2 and its operation will be described in detail.
[0100]
FIG. 9 shows an example of the first reference
[0101]
In FIG. 9,
[0102]
The
[0103]
Next, the operation of the first reference
[0104]
The
[0105]
When the switching signal input to the
[0106]
When the switching signal input to the
[0107]
Next, an example of the second reference
[0108]
In FIG. 11,
[0109]
The
[0110]
Next, the operation of the second reference
When the switching signal input to the
[0111]
When the switching signal input to the
[0112]
As is clear from FIGS. 10 (8) and 12 (8), the first reference voltage E1 output from the first reference
[0113]
In the period (1) shown in FIG. 5, similarly to FIG. 6, the current signal d 'drawn from the base is large, so that the
[0114]
In the period (1), only one of the three
[0115]
In the period (1), two of the three
[0116]
Therefore, unlike the case of FIG. 7, the current amplification factor (hfe) of the driving
[0117]
In the period (2) shown in FIG. 5, the current signal d 'drawn from the base gradually decreases in the same manner as described with reference to FIG. 6, so that the ON state of the
[0118]
In the period (2), of the three
[0119]
In the period (2), two of the three driving
[0120]
Similar operations are performed in periods other than the periods (1) and (2).
[0121]
With the above configuration, the three
[0122]
Similarly, during the phase switching period T2 during which the switching of the driving currents of the three driving
[0123]
When the brushless DC motor of the present invention is rotated at a high speed, an "H" level switching signal is input to the
[0124]
As is clear from the above description, the first reference
[0125]
When the brushless DC motor of the present invention is rotated at a high speed, an "H" level switching signal is input to the
[0126]
Note that the output voltage VM to be output from the
When the motor is rotating at a low speed, the ripple frequency of the envelope waveforms of the voltage waveforms VA, VB and VC is low and sufficiently lower than the control band of the output voltage of the
[0127]
In the first reference
[0128]
The current signals Ip1 ", Ip2", Ip3 "input to the first
[0129]
In the first reference
[0130]
Further, in the above embodiment, the total of the drive currents flowing out of the
[0131]
Further, the present invention is not limited to the three-phase motor as in the above embodiment, and can be applied to a four-phase motor or more.
[0132]
【The invention's effect】
As described above, according to the brushless DC motor of the present invention, the second operating transistor sets the operating voltage between the emitter and the collector of the first driving transistor group to be equal to the reference voltage output from the first reference voltage generating circuit. The DC output voltage of the voltage conversion circuit is controlled such that the current flowing through the driving transistor group is controlled and the operating voltage between the emitter and the collector of the second driving transistor group becomes equal to the reference voltage output from the second reference voltage generating circuit. And a buffer amplifier for amplifying the operating voltage between the emitter and the collector of the first driving transistor group and the second driving transistor group and a multi-phase position signal output from the position signal synthesis circuit and each output of the Hall element. The output is changed according to the shaping signal obtained by shaping the waveform. During one-phase energizing period, the driving current between the emitter and collector of the driving transistor that is energizing the driving current is changed. Since configured to set as possible voltage low, it is possible to reduce the power loss in the driving transistor.
[0133]
Further, during the phase switching period in which the phase switching of the driving current is performed, the operating voltage between the emitter and the collector of the corresponding driving transistor is changed according to the rotation speed of the motor, and the operating voltage is switched to a higher value. The phase switching operation of the line drive current is performed smoothly, and the brushless DC motor can be driven with very little vibration and noise.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram of a brushless DC motor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a signal waveform diagram of each part for explaining the operation of a position signal synthesizing circuit and a shaping circuit constituting the brushless DC motor of FIG.
FIG. 3 is a circuit diagram showing an example of a first operating voltage detection circuit in the brushless DC motor of FIG.
FIG. 4 is a circuit diagram showing an example of a second operating voltage detection circuit in the brushless DC motor of FIG.
FIG. 5 is a signal waveform diagram of each part for describing an operation when an operating voltage of a driving transistor is changed according to a position signal in the brushless DC motor of FIG. 1;
FIG. 6 is a signal waveform diagram of each section for explaining a problem that power loss increases in a conventional brushless DC motor.
FIG. 7 is a diagram for explaining a problem that waveform distortion occurs in a driving current of a stator winding during a phase switching period when a first reference voltage and a second reference voltage are set low in a conventional brushless DC motor. Signal waveform diagram of each part
FIGS. 8 (1), (2), and (3) each explain the operation of the brushless DC motor of FIG. 1 when the operating voltage of the drive transistor is changed according to the position signal and the rotation speed of the motor. Signal waveform diagram of each part for
9 is a circuit diagram showing an example of a first reference voltage generation circuit in the brushless DC motor of FIG.
FIG. 10 is a signal waveform diagram of each section for explaining the operation of the first reference voltage generation circuit shown in FIG. 8;
11 is a circuit diagram showing an example of a second reference voltage generation circuit in the brushless DC motor of FIG.
FIG. 12 is a signal waveform diagram of each unit for describing the operation of the second reference voltage generation circuit shown in FIG.
[Explanation of symbols]
1,2,3 ... Hall element
4. Voltage conversion circuit
5a: First drive transistor group
5b... Second drive transistor group
6a: First distribution control circuit
6b: second distribution control circuit
9 first reference voltage generation circuit
10 second reference voltage generating circuit
11, 12, 13 ... stator winding
27 ... Rotor
40 position signal synthesis circuit
Claims (12)
複数相の固定子巻線と、
前記回転子の回転位置を検出するための複数のホール素子と、
前記複数のホール素子の出力から複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、
直流電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、
前記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、
前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧を検出する第1の動作電圧検出手段と、
前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、
前記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、
前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧を検出する第2の動作電圧検出手段と、
前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段と、
前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、を備え、
前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、かつ、その大きさが前記回転子の回転速度に応じて変化するように構成されたことを特徴とするブラシレス直流モータ。A rotor having a plurality of magnetic poles,
A multi-phase stator winding;
A plurality of Hall elements for detecting the rotational position of the rotor,
Position signal combining means for generating a plurality of phase position signals from outputs of the plurality of Hall elements,
Voltage conversion means for obtaining a variable output DC voltage from a DC power supply;
A first drive transistor group including a plurality of transistors forming a current path between one of the output terminal pair of the voltage conversion means and a power supply terminal of each phase of the stator winding;
First operating voltage detecting means for detecting a minimum operating voltage of the first driving transistor group;
First distribution control means for distributing and controlling a current flowing through the first drive transistor group in accordance with a command signal for instructing current supply to the stator winding and an output of the position signal synthesizing means;
A second drive transistor group including a plurality of transistors forming a current path between the other of the output terminal pair of the voltage conversion means and a power supply terminal of each phase of the stator winding;
Second operating voltage detecting means for detecting a minimum operating voltage of the second driving transistor group;
A second distribution for distributing and controlling a current flowing through the second driving transistor group so that a minimum operating voltage of the first driving transistor group matches a first reference voltage in accordance with an output of the position signal synthesizing means; Control means;
Voltage control means for controlling an output voltage of the voltage conversion means so that a minimum operation voltage of the second drive transistor group matches a second reference voltage,
The first and second reference voltages are in a phase switching energized state in which current switching is performed from one phase of the stator winding to the next phase in the first and second driving transistor groups, respectively, and simultaneously flows in two phases. Is larger than a one-phase energized state in which a current flows through only one phase, and the magnitude thereof changes according to the rotation speed of the rotor.
複数相の固定子巻線と、
前記回転子の回転位置を検出するための複数のホール素子と、
前記複数のホール素子の出力から複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、
直流電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、
前記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、
前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧を検出する第1の動作電圧検出手段と、
前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、
前記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、
前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧を検出する第2の動作電圧検出手段と、
前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段と、
前記第2の駆動トランジスタ群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、を備え、
前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、かつ、少なくとも前記回転子を高速で回転させるときには、前記電圧変換手段の出力電圧の波形が略平坦になるように前記第1の基準電圧と第2の基準電圧の大きさを変化させることを特徴とするブラシレス直流モータ。A rotor having a plurality of magnetic poles,
A multi-phase stator winding;
A plurality of Hall elements for detecting the rotational position of the rotor,
Position signal combining means for generating a plurality of phase position signals from outputs of the plurality of Hall elements,
Voltage conversion means for obtaining a variable output DC voltage from a DC power supply;
A first drive transistor group including a plurality of transistors forming a current path between one of the output terminal pair of the voltage conversion means and a power supply terminal of each phase of the stator winding;
First operating voltage detecting means for detecting a minimum operating voltage of the first driving transistor group;
First distribution control means for distributing and controlling a current flowing through the first drive transistor group in accordance with a command signal for instructing current supply to the stator winding and an output of the position signal synthesizing means;
A second drive transistor group including a plurality of transistors forming a current path between the other of the output terminal pair of the voltage conversion means and a power supply terminal of each phase of the stator winding;
Second operating voltage detecting means for detecting a minimum operating voltage of the second driving transistor group;
A second distribution for distributing and controlling a current flowing through the second driving transistor group so that a minimum operating voltage of the first driving transistor group matches a first reference voltage in accordance with an output of the position signal synthesizing means; Control means;
Voltage control means for controlling an output voltage of the voltage conversion means so that a minimum operation voltage of the second drive transistor group matches a second reference voltage,
The first and second reference voltages are in a phase switching energized state in which current switching is performed from one phase of the stator winding to the next phase in the first and second driving transistor groups, respectively, and simultaneously flows in two phases. Is larger than the one-phase energized state in which current flows only in one phase, and at least when the rotor is rotated at a high speed, the first voltage is output so that the waveform of the output voltage of the voltage conversion means becomes substantially flat. A brushless DC motor, wherein the magnitudes of a reference voltage and a second reference voltage are changed.
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