JP3578852B2 - マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム及び該燃料供給システムを持つガスタービン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム及び該燃料供給システムを持つガスタービンに関し、特に、マルチバーナ式燃焼器に簡単な構成を付加するのみで、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減する際の燃焼状態を一層安定化しかつ低NOx 燃焼を可能としたマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム及び該燃料供給システムを持つガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガスタービンを用いたコジェネレーションシステムにおけるNOx 低減策は緊要な課題とされ、一つの方法として燃焼器内部へ水あるいは蒸気を噴射することが行なわれてきた。しかし、NOx 規制強化に伴う噴射率の増加は、設備費や運転経費あるいはメンテナンス費の増加を引き起し、かつ、熱効率の低下等を招くことから、水あるいは蒸気の噴射によらない他の態様によるNOx 低減策が求められている。
【0003】
本出願人らは、NOx 規制強化に対応可能なガスタービン用の燃焼器について多くの研究と実験を行い、いわゆる「ドライ」で、しかも水や蒸気噴射よりも低いNOx レベルを達成できる新規なガスタービン用燃焼器として、マルチバーナ式燃焼器を開発し、すでに提案している(コ−ジェネレーションシンポジウム’95 発表抄録集、p55〜p68参照)。
【0004】
図3は該マルチバーナ式燃焼器の一例を説明する断面図であり、外筒1の内部にバーナ部10と内筒20とが配置され、内筒20の内部は燃焼室を構成する。バーナ部10は、中心部に位置するパイロットバーナPと、その周囲に位置する複数本(図示の実施例では8本)のメインバーナMとで構成される。各メインバーナMはスワーラ13下流部に燃料分散スポーク14を千鳥配置した構造であり、該燃料分散スポーク14に設けた多数の小孔(図示されない)より燃料を噴射し、下流部の混合通路15中で燃焼用空気と均一に混合させた後、主燃焼室21内で希薄予混合燃焼させる。
【0005】
さらに、主燃焼領域21の出口部近傍には複数本(図示の実施例では4本)の追い焚きバーナmを配置しており、該追い焚きバーナmは燃焼用空気の導入孔23の入口部に燃料を噴射し、空気と混合させて燃焼室内に供給する。追い焚き燃料は主燃焼領域21出口部近傍の高温の燃焼ガス中に供給されるため、通常では燃焼できないような希薄な混合気でも燃焼させることが可能となる。このため、この形式の燃焼器においては、追い焚き燃料の燃焼によるNOx の生成はほとんど生じることはなく、また、追い焚きを行なうことによって主燃焼領域21に供給される燃料は追い焚き燃料量だけ少なくなる。その結果、主燃焼領域21で生成されるNOx 量も減少し、タービンから排出されるNOx 量はさらに低減する。なお、図3において、24は点火プラグ、25は希釈空気孔である。
【0006】
図4はパイロットバーナP、メインバーナM群、及び追い焚きバーナm群の配置状態の一例を模式的に示す図であり、図示のように、この例では、パイロットバーナPの周囲に配置されるメインバーナM群は2本組の4つのグループ(M1〜M4)に分けられ、同一グループの2本のメインバーナは互いに対称の位置に配置されている。また、4本の追い焚きバーナmも90°の等しいピッチで配置されている。
【0007】
ところで、予混合燃焼では、NOx 生成量の空燃比に対する依存性が非常に大きく、低NOx でかつCOやTHC等の未燃成分の発生が少ない燃焼条件は、希薄燃焼限界の狭い空燃比範囲内に限られる。この範囲よりも燃料が増加するとNOx は急激に増加し、逆に減少するとCOやTHCの排出量が急激に増え、条件によっては燃焼が不安定となり失火が生じる。従って、ガスタービンの作動領域全般に渡って低NOx でかつ安定した燃焼を行なうためには、負荷変動にかかわらず混合気の空燃比を常に一定範囲内に保つような制御を行なうことが必要とされる。
【0008】
そのために、上記のマルチバーナ式燃焼器においては、運転負荷条件に合わせて、作動するバーナの本数を増減するようにしている。図5はそのための制御システムの一例を示す。燃料ガスGは燃料制御弁GCVを通過して燃料マニホールド50に入る。燃料マニホールド50は、パイロットバーナP、メインバーナMの4つのグループ(M1〜M4)、及び追い焚きバーナmの群(m)と、それぞれパイロット燃料供給ラインLp 及び主燃料供給ラインL1 〜L4 、Lm を介して接続しており、主燃料供給ラインL1 を除く他のそれぞれの燃料供給ラインには空気圧制御遮断弁VP 、V2 〜V4 、Vm が配置される。各空気圧制御遮断弁VP 、V2 〜V4 、Vm は、図示しないシーケンサからの信号により作動する空気マニホールド60に接続した5個の操作空気制御用の3方口電磁弁EVP 、EV2 〜EV4 、EVm により開閉操作される。
この制御システムは次のように操作される。
【0009】
(1)始動時
始動時には、ガスタービンの回転数が所定値、例えば5%に達すると、燃料制御弁GCVを開くと共に、バーナ制御ユニットにおいて、3方口電磁弁EVP を操作してパイロット燃料供給ラインLP の遮断弁VP を開く。これによって、パイロツトバーナPの燃料ラインLP と点火プラグ24に隣接する主バーナM1の燃料ラインL1 に燃料が流れ、着火が行なわれる。なお、燃料ラインL1 に遮断弁が設けられないのは、このガスタービンにおいて、運転中、最低2個のバーナ(M1、M1)は常時燃焼状態に置くことを前提としているためであり、必要な場合には、ここにも遮断弁が配置される。
【0010】
(2)定常運転時
図6は、定常運転時における各バーナの作動状態を説明するものであり、無負荷から35%負荷の間は、パイロットバーナPと2個の主バーナ(M1、M1)にのみ燃料が供給される(ステップ1)。35%負荷条件に達すると、3方口電磁弁EV2 を操作して主バーナM2への燃料供給ラインL2 の遮断弁V2 を開く(ステップ2)。60%負荷条件に達すると、3方口電磁弁EVP を操作してパイロット燃料ラインLP の遮断弁VP を閉じると同時に、3方口電磁弁EV3 を操作して主バーナM3への燃料供給ラインL3 の遮断弁V3 を開く(ステップ3)。75%負荷条件に達すると、3方口電磁弁EV4 を操作して主バーナM4への燃料供給ラインL4 の遮断弁V4 を開く(ステップ4)。87.5%負荷条件に達すると3方口電磁弁EVm を操作して追い焚きバーナmへの燃料供給ラインLm の遮断弁Vm を開き、パイロットバーナPを除く全てのバーナに燃料を供給する(ステップ5)。
【0011】
図7は、上記の燃料制御システムによる実機試験で得られた燃焼特性を示す。定格負荷(100%負荷)でのNOx 値は約60ppm(O2 =0%換算)で、目標値を十分にクリアしている。この値は追い焚きを用いない場合の約1/2であり、追い焚きによるNOx 低減効果の大きいことがわかる。また、70〜100%負荷範囲でNOx 値は60ppm以下となっており、広い範囲で低NOx 運転が可能となる。
【0012】
空燃比を制御する方法としては、従来、▲1▼可変静翼によりガスタービンの吸気流量を制御する、▲2▼圧縮機出口で抽気の量を制御する、▲3▼燃焼器に可変機構を設けて燃焼用空気量を制御する、等が行なわれているが、コジェネレーションシステム等に用いられる比較的小型のガスタービンでは、可変静翼を持たない場合が多く、また、ガスタービンそのものに構成が簡単でメンテナンスが容易なことが求められることから、図3に示す形式のマルチバーナ式燃焼器を用いて、上記のような制御を行ない、ガスタービンにかかる負荷(燃料流量)に応じて、作動する(燃料を供給する)バーナグループを切り換えることによって、ガスタービンにかかる負荷が変化しても、作動しているバーナの混合気の空燃比を一定範囲内に保つようにすることが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記の制御において、負荷に応じてバーナの作動本数を切り換える際に、その切り換え点では各バーナに供給される燃料流量がステップ状に変化し、図7に示すように、NOx 及び燃焼効率はステップ状に変化する。また、ステップ1、2、3のようにバーナ作動本数が少ない場合は、作動していないバーナを通過する空気によって燃焼反応が凍結される割合が増加するため、混合気の当量比を燃料過濃にしないと燃焼が不安定になる恐れがある。このため、作動バーナが2本、4本、6本の場合には、全てのバーナが作動している場合に比べてNOx 排出量が多くなりがちであり、また、燃焼効率が低い結果となる。さらに、バーナ作動本数が同じ状態のまま負荷を低減させると混合気の燃料濃度が希薄となるため燃焼効率が低下する。
【0014】
これらの理由から、図7に示す例のように、例えば75%負荷切り換え時(ステップ4)では、6本の主バーナ(M1、M2、M3)から排出するNOx 量はほぼ120ppmと目標値を超える場合が起こり得る。また、35%負荷切り換え時(ステップ2)及び60%負荷切り換え時(ステップ3)でも、NOx 値は目標値を大きく超えており、過度的状態とはいえ、より低NOx 条件での切り換えが望まれる。
【0015】
しかし、NOx 値の低い条件で切り換えようとすると、前記のように燃焼条件(燃焼効率)が悪化しており失火する危険性があることから、実機の運転では採用することができない。上記の例では2本のバーナを組として用い、一本の主燃料供給ラインから2本のバーナに同時に燃料を供給することから、供給される燃料流量の変化が大きくなり、このような弊害がもたらされるともいえる。8本のバーナにそれぞれ遮断弁を配置して切り換えステップ段数を増やすことにより、上記の不都合は回避可能であるが、個々の(8個の)バーナに遮断弁を設けてその切り換えシステムを構築することは、システムが複雑になりコストも高くなることから、現実的な解決策とはいえない。遮断弁ではなく流量調整弁あるいは可変オリフィスを各燃料供給ラインに配置することにより、前記不都合を解消することも理論的には可能であるが、技術的にもコスト的にも、採用できる解決策ではない。
【0016】
本発明の目的は、本出願人がすでに提案している前記したマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムに内在する前記のような不都合を、簡単な構成を付加することにより解決することにあり、より具体的には、失火を伴うことなくかつ低NOx 燃焼条件を維持した状態で、負荷条件に応じてバーナの作動本数を安定的に増減できるようにしたマルチバーナ式燃焼器の改良された燃料供給システムを提供することにある。
【0017】
また、本発明の目的は、前記改良された燃料供給システムにより制御されるマルチバーナ式燃焼器を持つガスタービンを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本発明は、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減するようにされたマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムであって、燃料マニホールドから各バーナへの主燃料供給ラインの少なくとも1つに、燃料マニホールドからのバイパス燃料ラインを接続し、該バイパス燃料ラインにはオリフィスを配置したことを特徴とする。
【0019】
該オリフィスは当該主燃料供給ラインの燃料流量の1/2流量となるように設定されることが望ましく、操作性及び構成の容易性から、固定オリフィスであることが望ましい。しかし、可変オリフィスであっても初期の目的は達成可能である。また、バーナの本数は2本以上であることを条件に任意であり、かつ、バーナの本数あるいは配置状態によっては、複数の主燃料供給ラインに該オリフィス付きのバイパス燃料ラインを接続するようにしてもよい。この場合には、構成的には複雑となるが、一層の着火の安定性がもたらされる。
【0020】
また、本発明は、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減するようにされたマルチバーナ式燃焼器を持つガスタービンであって、該マルチバーナ式燃焼器の燃料マニホールドから各バーナへの主燃料供給ラインの少なくとも1つには、燃料マニホールドからのバイパス燃料ラインが接続され、かつ、該バイパス燃料ラインにはオリフィスが配置されていることを特徴とガスタービンをも開示する。
【0021】
本発明によるマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムによれば、運転負荷条件に合わせて作動するバーナの本数を増加しようとするときには次のような制御を行なう。すなわち、負荷が増加して新たなバーナに点火する切り換え点(従来システムでの負荷値よりも低い値にセットされる)に達したとき、点火しようとするバーナに接続する主燃料供給ラインの遮断弁は閉じた状態で、該オリフィス付きのバイパス燃料ラインに配置した遮断弁を開く。それにより、バイパス燃料ラインに接続したバーナには該オリフィスで制限された量の燃料が供給される。オリフィスが1/2流量に制限される場合には、主燃料供給ラインの供給量の半分の量の燃料が供給される。その後、負荷が増加して所定値(従来システムでの負荷値あるいはそれよりも高い値にセットされる)に達したとき、バイパス燃料ラインを閉じて、所期の主燃料ラインの遮断弁を開く。
【0022】
従来の燃料供給システムにおけるバーナ増加時での燃料流量の変化量を1とした場合、上記の操作で本発明によるバイパス燃料ラインを開閉することにより、0.5の流量変化量を得ることが可能となり、なだらかな流量変化でもって、バーナの作動本数の増加操作を終えることができる。そのために、例えば、2、4、6、8本と2本ずつ増加させる場合であっても、各バーナに供給される燃料流量の変化は、バーナの作動本数を1本ずつ増やした場合と同等になる。それにより、失火の危険性は回避され、同時に切り換え前のNOx 値が規制値をオーバーしない範囲での切り換えが可能となる。
【0023】
さらに、バーナの作動本数を減少する場合にも、同様の手順を繰り返すことにより、失火の危険性は回避され、NOx 値も低減可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図3〜図7に基づき説明したマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムに本発明によるバイパス燃料ラインを付加する場合を例にとり説明する。図1は本発明によるマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムの一実施例を説明する回路図であり、基本的には図5に示した燃料制御システムと同じものであり、その一つの主燃料供給ラインL4 に本発明によるバイパス燃料ラインBLが接続されている。従って、図5に示される各部材と同じ部材には同じ符号を付すにとどめ、詳しい説明は省略する。
【0025】
この実施例において、前記バイパス燃料ラインBLは一端は燃料マニホールド50に接続し、他端は主燃料供給ラインL4 にその遮断弁V4 の下流位置で接続している。さらに、バイパス燃料ラインBLには遮断弁VBとその下流にオリフィスRが配置され、該遮断弁VBは、図示しないシーケンサからの信号により作動する空気マニホールド60に接続した操作空気制御用の3方口電磁弁EVBにより開閉操作される。
【0026】
図2は、図1に示した燃料制御システムを、図7の燃焼特性を得た実機試験に用いたと同じマルチバーナ式燃焼器に用いて実機実験した場合の燃焼特性を示している。図2を参照して、本発明による燃料制御システムの制御について説明する。この例において、バイパス燃料ラインBLは主燃料供給ラインL4 に接続しており、ステップ3(メインバーナ6本作動)の状態からステップ4(メインバーナ8本作動)への切り換わり時での制御となる。
【0027】
前記したように、メインバーナ6本作動(6M)の状態で高い燃焼効率を得ようとすると、NOx 発生率は基準値(目標値)を超えてしまう。NOx 発生値が目標値以下の時点Aで、残り2本のバーナ(M4)に接続する主燃料供給ラインL5 を開くと、燃焼効率が低いために失火の恐れがある。
【0028】
そこで、本発明による燃料制御システムにおいては、前記Aの時点(NOx 値が目標値以下の範囲)でバイパス燃料ラインBLに設けた遮断弁VBを開く。それにより、バイパス燃料ラインBLに設けたオリフィスRの開度に比例する流量変化が先ず得られる。オリフィスRの開度を主燃料供給ラインL4 の燃料流量の1/2流量となるように設定する場合には、バーナの作動本数があたかも6本+1本であるかの状態が得られ、従来のシステムにおける6本→8本の場合に比較して、燃料流量の変化率を低くすることができる。それにより、低NOx 燃焼に加え、失火が生じる恐れを回避できる。
【0029】
その後、負荷が増加して所定値B(従来システムでの切り換え負荷値あるいはそれよりも幾分高い値)に達した時点で、バイパス燃料ラインBLの遮断弁VBを閉じて、主燃料供給ラインL4 の遮断弁V4 を開き、バーナ作動本数8本の運転を行なう。この際の流量変化率はバーナ1本分であり、また、高い燃焼効率が得られていることから失火の恐れはなく、NOx 生成量も目標値以下に維持される。
【0030】
上記のとおり、本発明による改良された燃料制御システムは、従来の燃料制御システムにバイパス燃料ラインBLとその制御手段を追加するのみで構築可能であり、複雑な構成を必要としない。従って、高いコストを必要とせずまた操作もメンテナンスも容易となる。また、本発明による改良された燃料制御システムを持つマルチバーナ式燃焼器及び該燃焼器を用いたガスタービン燃焼器においては、負荷変動に伴い作動バーナ切り換えを所定の空燃比を維持した状態で容易に遂行可能となり、NOx 生成量を目標値以下に維持することも容易となる。また、失火の発生も回避できる。
【0031】
上記の説明は本発明によるマルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムの一実施例の説明にすぎず、他に多くの変形例が存在する。先ず、マルチバーナ式燃焼器のバーナ本数は8本に限ることなく任意であり、また、2本のバーナが対となって点火される形式であることも必須でない。追い焚きバーナも必須でない。さらに、図2では、バイパス燃料ラインBLを主燃料供給ラインL4 に接続するものとして示したが、これは、主燃料供給ラインL4 が最大負荷時に作動するようにされたバーナ群(すなわち、最後に点火されるバーナ群)への燃料供給ラインであるためであり、他の燃料供給ラインが最大負荷時に作動するバーナに接続する場合には、その燃料供給ラインに接続するように配置する。バイパス燃料ラインBLに遮断弁とオリフィスの双方を配置することも必須でなく、流量調整弁等のように可変流量を得ることのできる手段であれば、それのみでも所期の目的は達成可能である。
【0032】
また、上記の説明では、本発明の制御を6本から8本への切り換わり時に適用した場合を説明したが、2本から4本、4本から6本のように他のステップでの切り換わり時にも同様に適用できることは理解されよう。それにより、定格負荷に至るまでの制御での、低NOx 燃焼及び失火の回避が可能となる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムに簡単な構成を付加するのみで、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減する際の燃焼状態を一層安定化しかつ低NOx 燃焼を可能とすることができ、ガスタービンを用いたコジェネレーションシステムにおけるNOx 低減策としてきわめて有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料供給システムを説明する図。
【図2】本発明による燃料供給システムを実機に提要した場合の運転状態を示す図。
【図3】マルチバーナ式燃焼器を説明する断面図。
【図4】マルチバーナ式燃焼器のバーナの配置を説明する模式図。
【図5】従来の燃料供給システムを説明する図。
【図6】マルチバーナ式燃焼器のバーナの切り換え状態を説明する図。
【図7】従来の燃料供給システムを実機に提要した場合の運転状態を示す図。
【符号の説明】
50…燃料マニホールド、60…空気マニホールド、LP 、L1 〜L4 、Lm …燃料供給ライン、VP 、V2 〜V4 、Vm …遮断弁、EVp 、EV2 〜EV4 、EVm …3方口電磁弁、P…パイロットバーナ、M1〜M4…メインバーナ、m…追い焚きバーナ、BL…バイパス燃料ライン、VB…バイパス燃料ライン用遮断弁、R…オリフィス、EVB…バイパス燃料ライン操作空気制御用の3方口電磁弁
Claims (4)
- 中心部に位置するパイロットバーナと、その周囲に位置する予混合燃焼用の複数本のメインバーナとで構成され、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減するようにされた予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システムであって、燃料マニホールドから各メインバーナへの主燃料供給ラインの少なくとも1つに、燃料マニホールドからのバイパス燃料ラインを接続し、該バイパス燃料ラインには遮断弁と当該主燃料供給ラインの燃料流量の1/2流量となるように設定できるオリフィスを配置したことを特徴とする予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム。
- 該オリフィスは固定オリフィスであることを特徴とする請求項1記載の予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム。
- 該オリフィスは可変オリフィスであることを特徴とする請求項1記載の予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器の燃料供給システム。
- 中心部に位置するパイロットバーナと、その周囲に位置する予混合燃焼用の複数本のメインバーナとで構成され、負荷条件に応じてバーナの作動本数を増減するようにされた予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器を持つガスタービンであって、該予混合燃焼型マルチバーナ式燃焼器の燃料マニホールドから各メインバーナへの主燃料供給ラインの少なくとも1つには、燃料マニホールドからのバイパス燃料ラインが接続され、該バイパス燃料ラインには遮断弁と当該主燃料供給ラインの燃料流量の1/2流量となるように設定できるオリフィスが配置されていることを特徴とするガスタービン。
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