JP3578755B2 - 押出成形方法及び押出成形装置 - Google Patents

押出成形方法及び押出成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層もしくは多層のゴムロールまたはゴムチューブを成形するための押出成形方法及び押出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単層もしくは多層のゴムロール・ゴムチューブは、ゴムコンパウンドを練り、必要に応じてゴムコンパウンドに脱気処理を行った後、ゴムコンパウンドを円筒状に加圧成形し、加硫を施すことにより製造される。
【0003】
単層ゴムロールを成形するための押出成形装置としては、図21に示す構造のものが知られている。
【0004】
すなわち、押出成形装置は、押出機51と、前記押出機51から供給されるゴムコンパウンドを円筒状に成形するための成形機52とから構成される。押出機51は、円筒状の押出部53と、前記押出部53内のゴムコンパウンド押出通路54内に配置され、回転自在なスクリューからなる押出手段55と、前記押出部53に複数のボルト56で連結され、先端に前記成形機52と連結するためのジョイントが形成された供給部57と、前記供給部57に穿設され、前記ゴムコンパウンド押出通路54と連通するコニカル状の排出口58と、前記ゴムコンパウンド押出通路54と前記排出口58の境界に配置され、ゴムコンパウンド中の異物を除去するための目皿59とを備える。
【0005】
成形機52は、上部に円柱形空洞部及び下部にコニカル状の空洞部を有する円筒形構造の成形機本体60を備える。上端付近に環状突起61を有する円筒形スリーブ62は、前記成形機本体60の空洞部内に挿入され、前記環状突起61が前記成形機本体60の上面にボルトで固定されている。前記スリーブ62は、下部の外周面にテーパ加工が施されており、このテーパ面はゴムコンパウンド案内壁63となる。下部外周面にテーパ加工が施されている円筒形マンドレルガイド64は、前記スリーブ62内に下端が前記スリーブ62から突出するように挿入されている。マンドレル64aは、前記マンドレルガイド64に上下動自在な状態で挿入されている。
【0006】
前記ゴムコンパウンド案内壁63及び前記案内壁63から突出したマンドレルガイド64の下端と前記成形機本体60の空洞部内面との間の空間は、上部の円筒形空間がゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合わせるための案内通路65となり、かつ下部の逆円錐状の空間が縮径加工通路66となる。また、前記縮径加工通路66の下部にはダイス部67が形成されている。
【0007】
ところで、前記成形機本体60は、側面に押出機51が連結される凹部が形成されている。円形のゴムコンパウンド導入口68は、前記凹部に前記案内通路65と連通するように穿孔されている。前記成形機本体60の前記凹部には前記押出機51の供給部57のジョイント69が連結されている。この連結により前記成形機本体51の前記導入口68は、前記押出機51の排出口58と連通する。
【0008】
このような押出成形装置を用いての単層ゴムロールの製造方法を説明する。まず、押出機51の押出部53にゴムコンパウンドを供給する。このゴムコンパウンドを押出手段であるスクリュー55を回転させてゴムコンパウンド押出通路54から目皿59に向けて押し出し、目皿59を通過させ、コンパウンド中の異物を除去する。次いで、ゴムコンパウンドを排出口58を通して成形機本体60の導入口68に流入させる。前記導入口68から案内通路65に流入したゴムコンパウンドは、図22に示すように二手に分かれて案内通路65を移動し、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。ひきつづき、前記円筒状のゴムコンパウンドを縮径加工通路66を下降させることにより所望の大きさまで径を小さくし、ダイス部67においてマンドレルガイド64に挿入されていたマンドレル64aを挿入すると共に仕上げの加圧成形を施し、ゴムロール70を得る。これに加硫を施すことにより単層ゴムロールが得られる。
【0009】
しかしながら、前述した図21に示すような押出成形装置を用いてゴムロールを製造すると、ゴムロールに組成むらが生じるという問題点がある。すなわち、ゴムコンパウンドに加わる応力は曲面付近を移動する際や、円筒状に継ぎ合わされる際に高くなるため、前述した押出成形装置のように継ぎ目の数が一つであると、ゴムコンパウンドが円筒状に加圧成形される際に継ぎ目付近のゴムコンパウンドに加わる応力が著しく高くなり、継ぎ目付近のゴムコンパウンドに変色、硬度変化もしくは亀裂が生じ、図23に示すようにゴムロール70に継ぎ目71が残存し(この継ぎ目はジョイントマークと呼ばれる)、ゴムロールの組成にむらが生じる。その結果、例えば塗布ロールにおいては劣化しやすくなったり、導電性ロールにおいては抵抗がばらつくという問題点を生じる。特に、ゴムコンパウンドに導電性フィラーか、もしくは硫黄が含まれていると、これらは継ぎ目に析出しやすいため、ジョイントマークがより明瞭に現れる。
【0010】
このようなことから、ゴムロールの組成をより均一なものにすることを目的にして押出成形装置のスリーブ62のゴムコンパウンド案内壁63を回転自在なものにし、かつその表面にスクリュー形状の溝を形成することが行われている。この装置によると、継ぎ目の数を前述した装置より多くでき、継ぎ目付近のコンパウンドに加わる応力を分散することができるものの、各継ぎ目に加わる応力はまだ高いため、この装置により得られたゴムロールには、案内壁のスクリュー形状がそのまま転写されたジョイントマークが現れる。例えば、ゴムコンパウンド案内壁を8条のスクリュー構造にすると、図24に示すようにゴムロール72の表面に8条のスクリュー構造をしたジョイントマーク73が現れる。
【0011】
ところで、単層のゴムチューブを成形するための押出成形装置としては、図25及び図26に示す構造のものが知られている。なお、前述した図21の押出成形装置と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0012】
この押出成形装置は、押出機74と、前記押出機74から供給されたゴムコンパウンドを円筒状に成形するための成形機75とを備える。
【0013】
成形機75は、内部に円柱形の空洞部76を有する。中央に開口され、後述する中子が挿着される円形穴77と、前記円形穴77を囲むように開口された4つのゴムコンパウンド通路78とを有する円板状の中子支持具79は、前記成形機75の円柱形空洞部76内に填め込まれている。また、前記中子支持具79と前記目皿59との間には隙間が形成されている。先端付近の外周面にテーパ加工が施されている円柱形の中子80は、末端が前記中子支持具79の円形穴77に固定されている。前記成形機75の空洞部76の末端は、ダイス部81である。
【0014】
以上説明した押出成形装置を用いての単層ゴムチューブの製造方法を説明する。まず、押出機74の押出部53にゴムコンパウンドを供給する。このゴムコンパウンドを押出手段であるスクリュー55を回転させてゴムコンパウンド押出通路54から目皿59に向けて押し出し、目皿59を通過させ、コンパウンド中の異物を除去する。次いで、ゴムコンパウンドを中子支持具79の4つのコンパウンド通路78を通過させることにより4つに分断した後、前記空洞部76内を移動させてダイス部81を通過させることにより円筒状に加圧成形し、ゴムチューブを得る。これに加硫を施すことにより単層ゴムチューブが得られる。
【0015】
しかしながら、この装置では、中子支持具79により4分割されたゴムコンパウンドを加圧して円形に継ぎ合わせるため、継ぎ目の数が4つと少なく、継ぎ目への応力集中が顕著に生じる。このため、図27に示すように、前記装置により得られた単層ゴムチューブ81には、ジョイントマーク82が4本現れる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムロール及びゴムチューブを作製することが可能な押出成形方法及び押出成形装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る押出成形方法は、単層または多層のゴムロールもしくはゴムチューブの押出成形方法において、ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せる工程と、前記円筒状ゴムコンパウンドを、前記円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転する攪拌手段に通過させることにより攪拌する工程と、前記円筒状ゴムコンパウンドに加圧成形を施す工程とを具備することを特徴とするものである。
【0018】
前記ゴムコンパウンドとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム共重合体(NBR)、エチレン―プロピレン―ターポリマー(EPDM)またはシリコーンポリマーを含むもの等を挙げることができる。
【0019】
本発明に係る押出成形方法によれば、ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せた後、前記円筒状のゴムコンパウンドを、前記円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転する攪拌手段に通過させることで攪拌することによって、継ぎ目に生じたゴムコンパウンドの組成ムラを拡散分解することができる。従って、このコンパウンドを加圧成形する際に特定箇所に応力が集中するのを緩和することができるため、ゴムロール及びゴムチューブにジョイントマークが現れるのを抑制することができる。その結果、組成の均一なゴムロール及びゴムチューブを得ることができる。
【0020】
本発明に係る押出成形方法は、前記攪拌工程を行う前もしくは後か、あるいは前記攪拌工程の前後に、円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドの径を縮めるための縮径加工を施すことを許容する。
【0021】
本発明に係る押出成形装置は、単層または多層のゴムロール及びゴムチューブを成形するための押出成形装置において、
ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合わせるための案内通路と、前記円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドの径を縮めるための縮径加工通路と、前記縮径加工通路を通過した円筒状ゴムコンパウンドに加圧成形を施すためのダイス部とを具備し、
前記案内通路内あるいは前記縮径加工通路内に、円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転することにより前記円筒状ゴムコンパウンドを攪拌する攪拌手段を配置したことを特徴とする。
【0022】
このような押出成形装置によれば、案内通路で円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドを、円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転する攪拌手段で攪拌することによって、継ぎ目に生じた組成ムラを拡散分解することができる。従って、このコンパウンドがダイス部において加圧成形される際に特定箇所に応力が集中するのを緩和することができるため、ゴムロール及びゴムチューブにジョイントマークが現れるのを抑制することができる。その結果、組成の均一なゴムロール及びゴムチューブを得ることができる。
【0023】
本発明に係る押出成形方法及び押出成形装置で使用される攪拌手段には、例えば、羽根の翼面がゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜している羽根車か、あるいは筒形の回転体か、もしくは突起を有する回転軸を挙げることができる。
【0024】
1.羽根車
この羽根車は、ゴムコンパウンドが羽根車を通過することにより回転する。
【0025】
羽根の翼型は、円筒状ゴムコンパウンドの通過により羽根車が回転して円筒状ゴムコンパウンドを攪拌できる限り、如何なる種類のものでも採用することができる。一例として、断面形状が平坦な板形状をなすもの、断面形状が流線形であるもの等を挙げることができる。中でも、断面形状が流線形である羽根が好ましい。
【0026】
羽根の枚数は、1〜60枚の範囲内にすることが好ましい。羽根の枚数が60枚を超えると、ゴムコンパウンドが羽根車を通過する際の抵抗が高くなる恐れがある。より好ましい枚数は、2〜40の範囲内である。なお、羽根の枚数が少ない場合、羽根を回転させる力が弱くなって羽根車が回転しなくなる恐れあるため、羽根の翼面のゴムコンパウンド進行方向に対する傾き角度を大きくし、羽根車の回転力を高めることが望ましい。一方、羽根の枚数が多い場合、羽根を回転させる力を多く取れるため、羽根の翼面のゴムコンパウンド進行方向に対する傾き角度を小さくすることが好ましい。
【0027】
羽根の翼面(ゴムコンパウンド導入側の翼面)の接線とゴムコンパウンド進行方向とのなす角は、2〜80度の範囲内にすることが好ましい。なす角を2度未満にすると、羽根車が回転しなくなる恐れがある。一方、なす角が80度を超えると、ゴムコンパウンドの移動が羽根で遮られて羽根車が回転しなくなる恐れがある。より好ましいなす角は、30〜80度の範囲内である。
【0028】
羽根車の回転を円滑にするには、羽根を回転軸の円周方向に等分間隔に配置することが好ましい。
【0029】
前記羽根の先端面と通路の壁面との間隙は、前記通路の横断面の外周直径の0.1〜30%に相当することが好ましい。間隙が前記範囲を外れると、羽根車が円滑に回転しなくなる恐れがある。また、間隙が30%を超えると、羽根車の回転によりゴムコンパウンド全体を攪拌することが困難になって組成ムラを解消されなくなる恐れがある。間隙のさらに好ましい範囲は、前記通路の横断面の直径の0.1〜10%である。但し、横断面の外周直径が測定される通路は、任意の箇所ではなく、間隙を目的の値に設定する領域を対象とする。
【0030】
2.回転体
この回転体は、駆動源を備える。
【0031】
回転体の形状としては、例えば、円筒形状、多角形筒形状(例えば、三角筒形状、矩形筒形状)、楕円筒形状等にすることができる。中でも、円筒状の回転体が好ましい。
【0032】
前記回転体の形状が円筒形である場合、前記回転体の外周面と通路の壁面との間隙は、前記通路の横断面の外周直径の2〜50%に相当することが好ましい。これは次のような理由によるものである。間隙を2%未満にすると、ゴムコンパウンドが間隙を通過する際の抵抗が高くなる恐れがある。また、回転体が円滑に回転しなくなる恐れがある。一方、間隙が50%を超えると、ゴムコンパウンド全体を攪拌できなくなって組成ムラが解消されなくなる恐れがある。間隙のより好ましい範囲は2〜30%で、さらに好ましい範囲は1〜10%である。但し、横断面の外周直径が測定される通路は、任意の箇所ではなく、間隙を目的の値に設定する領域を対象とする。
【0033】
前記回転体の形状が円筒形である場合、前記回転体の外周面の長さは、前記回転体の外周面と通路の壁面との間隙の5〜50倍に相当する大きさにすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。外周面の長さを間隙の5倍より低くすると、ゴムコンパウンドを全体的に攪拌できなくなって組成ムラが解消されなくなる恐れがある。一方、外周面の長さを間隙の50倍より高くすると、ゴムコンパウンドが間隙を通過する際の抵抗が高くなる恐れがある。外周面長さのより好ましい範囲は、回転体の外周面と通路の壁面との間隙の5〜30倍に相当することが望ましい。
【0034】
3.回転軸
この回転軸は、駆動源を備える。
【0035】
突起の形状は、例えば、円柱、楕円柱、多角形柱(例えば、三角柱、四角柱)等にすることができる。
【0036】
突起の数は、1〜100個の範囲内にすることが好ましい。突起の数が100個を超えると、ゴムコンパウンドが攪拌手段を通過する際の抵抗が高くなる恐れがある。より好ましい突起数は、2〜40の範囲内である。
【0037】
円筒状ゴムコンパウンドを均一に攪拌するには、突起を回転軸の円周方向に等分間隔に配置することが好ましい。
【0038】
前記突起の先端面と通路の壁面との間隙は、前記通路の横断面の直径の0.1〜30%に相当することが好ましい。間隙を0.1%未満にすると、回転軸が円滑に回転しなくなる恐れがある。一方、間隙が30%を超えると、ゴムコンパウンド全体を攪拌できなくなって組成ムラを解消されなくなる恐れがある。間隙のさらに好ましい範囲は、前記通路の横断面の直径の0.1〜10%である。但し、横断面の外周直径が測定される通路は、任意の箇所ではなく、間隙を目的の値に設定する領域を対象とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明に係る押出成形方法は、単層または多層のゴムロールもしくはゴムチューブの押出成形方法において、ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せる工程と、前記円筒状ゴムコンパウンドを、前記円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転する攪拌手段に通過させることにより攪拌する工程と、前記円筒状ゴムコンパウンドに加圧成形を施す工程とを具備する。
【0040】
以下、本発明に係わる方法で使用される押出成形装置の第1例(以下、第1の押出成形装置と称す)を図1〜図4を参照して説明する。
【0041】
図1は本発明に係わる第1の押出成形装置を示す断面図、図2は図1の押出成形装置の攪拌手段がスリーブに装着されている状態を示す斜視図、図3は図1の押出成形装置の攪拌手段を示す斜視図、図4は図1のA部を示す拡大断面図である。
【0042】
すなわち、押出成形装置は、押出機1と、前記押出機1から供給されるゴムコンパウンドを円筒状に成形するための成形機2とから構成される。
【0043】
成形機2は、上側壁面にゴムコンパウンド導入口3が穿孔された円筒形の成形機本体4を備える。前記成形機本体4には、前記押出機1が前記押出機1内のゴムコンパウンド排出口1aと前記ゴムコンパウンド導入口3が連通するように取り付けられている。円筒形のホルダー5は、前記成形機本体4内に起端が前記成形機本体4から突出した状態で固定されている。前記ホルダー5の先端付近は、テーパ加工が施され、このテーパ面はゴムコンパウンド案内内壁として機能する。先端付近にテーパ加工が施されている円筒形のスリーブ6は、前記ホルダー5内に両端が前記ホルダー5から突出した状態で保持金具7により固定されている。また、前記スリーブ6は、後述するマンドレルガイドにボルト8で固定されている。前記ホルダー5のテーパ面並びに前記ホルダー5から突出したスリーブ6外周面(以下、ゴムコンパウンド案内内壁と称す)と、この内壁と対向する成形機本体4内周面(ゴムコンパウンド案内外壁)との間に形成された円筒状の空間は、前記押出機1から供給されたゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合わせるための案内通路として機能する。先端付近にテーパ加工が施されている円筒形マンドレルガイド9は、前記スリーブ6内に両端が前記スリーブ6から突出した状態で固定されている。マンドレル10は、前記マンドレルガイド9内に往復動自在な状態で挿入されている。
【0044】
攪拌手段としての羽根車11は、前記案内通路の出口付近に配置されている。前記羽根車11は、前記スリーブ6に固定されたボールベアリング12に回転自在な状態で取り付けられている。前記羽根車11には、平板型の羽根13が回転軸13aの外周面の同一円周上に等間隔を隔てて配置されている。羽根13の数は、1〜60枚にすることが好ましい。各羽根13の翼面(ゴムコンパウンドが導入される側の翼面)は、ゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜している。その傾斜角度θ(翼面の接線とゴムコンパウンド進行方向とのなす角)は、2〜80度の範囲内にすることが好ましい。また、各羽根13の先端面と前記ホルダー4のゴムコンパウンド案内外壁との間には隙間が設けられている。隙間の大きさLは、案内通路のうち羽根車11が存在する領域の横断面の外周直径rの0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。
【0045】
ゴムコンパウンド案内外壁となる傾斜した内周面14を有する円筒形の第1のゴムコンパウンド案内部材15は、前記成形機本体4に前記内周面14と成形機本体4のゴムコンパウンド案内外壁とが繋がるように嵌め合わされている。前記第1のゴムコンパウンド案内部材15は、前記成形機本体4に固定されているホルダー16により支持されている。円筒形の第2のゴムコンパウンド案内部材17は、先端部の平坦な内周面がダイス部18として機能すると共に、ダイス部18より後方の傾斜した内周面19がゴムコンパウンド案内外壁として機能する。前記第2のゴムコンパウンド案内部材17は、前記第1のゴムコンパウンド案内部材15にその内周面19が内周面14と繋がるように嵌め合わされている。前記第2のゴムコンパウンド案内部材17は、前記第1のゴムコンパウンド案内部材15に固定されているホルダー20により支持されている。
【0046】
ゴムコンパウンド案内外壁(前記第1のゴムコンパウンド案内部材15の内周面14並びに前記第2のゴムコンパウンド案内部材17の内周面19からなる)と、この外壁と対向するゴムコンパウンド案内内壁(前記スリーブ6のテーパ面、前記スリーブ6から突出したマンドレルガイド10の外周面及び前記マンドレル10外周面からなる)との間に形成された円筒状の空間は、先端に向かうに従って径が小さくなっており、前記羽根車11により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドの径を縮めるための縮径加工通路として機能する。
【0047】
次に、前述した第1の押出成形装置の動作を前述した図1〜図4及び図5を参照して説明する。
【0048】
図5は図1の押出成形装置の攪拌手段の動作を説明するための模式図である。
【0049】
押出機1のゴムコンパウンド排出口1aから成形機2のホルダー4のゴムコンパウンド導入口3に供給されたゴムコンパウンドRは、図2の実線の矢印で示すように、二手に分かれて案内通路を移動した後、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。
【0050】
次いで、この円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRは、羽根車11の羽根13の翼面に当接し、それにより生じる反力で羽根車11が回転し、羽根車11によりゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目の組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。羽根車11により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されてマンドレル11に被覆されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムロール21を得ることができる。このゴムロール21に加硫を施すことにより単層ゴムロールが得られる。
【0051】
なお、前述した図1〜図5においては、攪拌手段を案内通路の出口付近に配置したが、出口付近に限らず、ゴムコンパウンドが円筒状に継ぎ合わされた地点以降に配置することができる。また、攪拌手段は、縮径加工通路内に配置しても良い。
【0052】
また、前述した図1〜図5においては、攪拌手段をゴムコンパウンド案内内壁に取りつけた例を説明したが、攪拌手段は、ホルダー4の内周面(ゴムコンパウンド案内外壁)に取り付けることができる。この一例を図6に示す。なお、図6では、前述した図1〜図5で説明したのと同様な部材については、前述した図1〜図5と同様な符号を付して説明を省略する。
【0053】
すなわち、ホルダー4のゴムコンパウンド案内外壁の一部を切り欠いて形成された空間内には、ボールベアリング12が配置されている。攪拌手段としての羽根車11aは、ボールベアリング12に回転自在な状態で取り付けられている。前記羽根車11aには、平板型の羽根13が回転軸13aの内周面の同一円周上に等間隔を隔てて配置されている。羽根13の数は、1〜60枚にすることが好ましい。各羽根13の翼面(ゴムコンパウンドが導入される側の翼面)は、ゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜している。その傾斜角度θ(翼面の接線とゴムコンパウンド進行方向とのなす角)は、2〜80度の範囲内にすることが好ましい。また、各羽根13の先端面と前記スリーブ6のゴムコンパウンド案内内壁との間には隙間が設けられている。隙間の大きさは、案内通路における羽根車11aが存在する領域の横断面の外周直径の0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。
【0054】
このような攪拌手段において、羽根車11aの回転軸の内側を円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドが通過すると、ゴムコンパウンドが羽根の翼面に当接し、それにより生じる反力で羽根車11aが回転するため、ゴムコンパウンドを攪拌することができる。
【0055】
二層以上の多層のゴムロールを形成する際には、前述した図1〜図5に示すようなゴムコンパウンド案内内壁に攪拌手段が設けられた成形機2で内部層を形成し、前述した図6に示すようなゴムコンパウンド案内外壁に攪拌手段が設けられた成形機2で表面層を形成すると良い。
【0056】
また、前述した図1〜図5においては、ベアリングとしてボールベアリングを使用する例を説明したが、羽根車に導入されたゴムコンパウンドにより羽根車が回転するように設定できる限り、様々なベアリングを使用することができる。例えば、滑り軸受を用いることができる。ここでの滑り軸受には、潤滑剤のような油膜を挟んで互いの面が滑り運動するものの他に、互いの面が油膜を介さずに直に接した状態で滑り運動するものを使用することが可能である。
【0057】
また、前述した図1〜図5においては、成形機本体4の上側壁面にゴムコンパウンド導入口3を穿設し、この導入口3に押出機1のゴムコンパウンド排出口1aを接続した構造(クロスヘッド)にしたが、ゴムコンパウンド排出口,導入口、案内通路、縮径加工通路及びダイス部までが一直線上に配置される構造(ストレートヘッド)にしても良い。
【0058】
また、前述した図1〜図6においては、ゴムロール成形用の押出成形装置の例を説明したが、図7及び図8に示すように、スリーブ6内にマンドレルガイド9及びマンドレル10を配置する代わりに、円筒形の中子22を配置すると、ゴムチューブを成形することができる。なお、図7はゴムコンパウンド案内内壁に攪拌手段が取り付けられたゴムチューブ成形用押出成形装置を示す断面図で、図8はゴムコンパウンド案内外壁に攪拌手段が取り付けられたゴムチューブ成形用押出成形装置を示す断面図である。図7、図8では、前述した図1〜図6で説明したのと同様な部材については、前述した図1〜図6と同様な符号を付して説明を省略する。
【0059】
この図7及び図8に示す押出成形装置によれば、押出機1のゴムコンパウンド排出口1aから成形機2のホルダー4のゴムコンパウンド導入口3に供給されたゴムコンパウンドRは、二手に分かれて案内通路を移動した後、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。
【0060】
次いで、この円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRは、羽根車11もしくは羽根車11aの羽根の翼面に当接し、それにより生じる反力で羽根車11もしくは羽根車11aが回転し、羽根車11もしくは羽根車11aによりゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目の組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。羽根車11もしくは羽根車11aにより攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムチューブ23を得ることができる。このゴムチューブ23に加硫を施すことにより単層ゴムチューブが得られる。
【0061】
次いで、本発明に係る方法で使用される押出成形装置の第2例(以下、第2の押出成形装置と称す)を図9〜図13を参照して説明する。図9は本発明に係わる第2の押出成形装置を示す斜視図、図10は図9の押出成形装置を示す断面図、図11は図10の攪拌手段がスリーブに取り付けられた状態を示す斜視図、図12は図10の押出成形装置におけるXII−XII線に沿う断面図、図13は図10のB部を示す拡大断面図である。なお、図9〜図13では、前述した図1〜図5で説明したのと同様な部材については、前述した図1〜図5と同様な符号を付して説明を省略する。
【0062】
この第2の押出成形装置では、攪拌手段として前述した羽根車11の代わりに、複数の円柱形突起24を有する回転するスリーブ6を使用する。複数(例えば、8個)の円柱形突起24は、案内通路の出口付近のスリーブ6外周面に互いに等間隔を隔てて配置されている。伝導手段である被動平歯車25は、前記スリーブ6の基端付近の外周面に嵌め込まれ、保持金具26で前記スリーブ6に固定されている。駆動手段としてのモータ27が連結された駆動平歯車28は、前記被動歯車25に噛み合わされている。
【0063】
先端付近にテーパ加工が施されている円筒形マンドレルガイド29は、前記スリーブ6内に両端が前記スリーブ6から突出するように挿入され、起端の外周面に形成された突起30が前記スリーブ6に嵌め込まれている。マンドレルガイド29の回転を防止するための回り止め31は、リング状の保持具32と、前記保持具32に連結されたL字状の固定具33とから構成される。前記回り止め31は、保持具32が前記マンドレルガイド29に嵌め込まれ、かつ固定具33の先端が前記ホルダー5に固定されている。
【0064】
図13に示すように、各突起24の先端面と前記ホルダー4のゴムコンパウンド案内外壁との間には隙間が設けられている。隙間の大きさLは、案内通路における突起24が存在する領域の横断面の外周直径rの0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。
【0065】
次に、前述した第2の押出成形装置の動作を前述した図9〜図13を参照して説明する。
【0066】
押出機1のゴムコンパウンド排出口1aから成形機2のホルダー4のゴムコンパウンド導入口3に供給されたゴムコンパウンドRは、図11の実線の矢印で示すように、二手に分かれて案内通路を移動した後、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。
【0067】
また、前記モータ27を駆動し、駆動平歯車28を回転させて被動平歯車25を回転させることによって、複数の突起24を持つスリーブ6、すなわち攪拌手段を図11の点線の矢印で示すように回転させる。
【0068】
円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRが前記攪拌手段に導入されると、円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転している突起24により円筒状ゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目の組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。攪拌手段により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されてマンドレル11に被覆されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムロール34を得ることができる。このゴムロール34に加硫を施すことにより単層ゴムロールが得られる。
【0069】
なお、前述した図9〜図13においては、攪拌手段を案内通路の出口付近に配置したが、出口付近に限らず、ゴムコンパウンドが円筒状に継ぎ合わされた地点以降に配置することができる。また、攪拌手段は、縮径加工通路内に配置しても良い。さらに、前述した図9〜図13においては、突起を回転軸の同一円周上に等間隔で配置したが、突起は、回転軸にランダムに配置することができる。
【0070】
また、前述した図9〜図13においては、攪拌手段をゴムコンパウンド案内内壁に取りつけた例を説明したが、攪拌手段は、ホルダー4の内周面(ゴムコンパウンド案内外壁)に取り付けることができる。この一例を図14に示す。なお、図14では、前述した図9〜図13で説明したのと同様な部材については、前述した図9〜図13と同様な符号を付して説明を省略する。
【0071】
すなわち、ホルダー4のゴムコンパウンド案内外壁の一部を切り欠いて形成された空間内には、被動かさ歯車35が配置されている。8つの円柱形突起24は、被動かさ歯車35に互いに等間隔を隔てて嵌め込まれている。各突起24の先端面と前記スリーブ6のゴムコンパウンド案内内壁との間には隙間が設けられている。隙間の大きさLは、案内通路における突起24が存在する領域の横断面の外周直径rの0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。駆動手段としてのモータ36が連結された駆動かさ歯車37は、前記被動かさ歯車35に噛み合わされている。マンドレルガイド29の回転を防止するための回り止め38は、一端が前記マンドレルガイド29に固定され、かつ他端が前記スリーブ6に固定されている。
【0072】
二層以上の多層のゴムロールを形成する際には、前述した図9〜図13に示すようなゴムコンパウンド案内内壁に攪拌手段が設けられた成形機2で内部層を形成し、前述した図14に示すようなゴムコンパウンド案内外壁に攪拌手段が設けられた成形機2で表面層を形成すると良い。
【0073】
また、前述した図9〜図14においては、成形機本体4の上側壁面にゴムコンパウンド導入口3を穿設し、この導入口3に押出機1のゴムコンパウンド排出口1aを接続した構造(クロスヘッド)にしたが、ゴムコンパウンド排出口,導入口、案内通路、縮径加工通路及びダイス部までが一直線上に配置される構造(ストレートヘッド)にしても良い。
【0074】
また、本発明に係る第2の押出成形装置は、成形機内にスクリューポンプを備えることができる。この一例を図15に示す。なお、図15中の前述した図9〜図13で説明したのと同様な部材については、前述した図9〜図13と同様な符号を付して説明を省略する。
【0075】
すなわち、円筒形の成形機本体39は、上側壁面にゴムコンパウンド投入口40が穿孔されている。このゴムコンパウンド投入口40には、前述した押出機1の排出口1aが連結される。スクリューポンプ41は、前記成形機本体39内に起端が前記成形機本体39から突出した状態で固定されている。8つの円柱形突起24は、前記スクリューポンプ41の先端付近の外周面に互いに等間隔を隔てて嵌め込まれている。各突起24の先端面と前記成形機本体39の内周面(ゴムコンパウンド案内外壁)との間には隙間が設けられている。隙間の大きさLは、円柱形突起が存在する案内通路の横断面の外周直径の0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。スクリューポンプ本体の先端から縮径加工通路の間に存在する通路は、スクリューポンプから送り出されたゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せるための案内通路となる。つまり、突起24を有するスクリューポンプ41からなる攪拌手段は、前記案内通路内の出口付近に配置されている。
【0076】
この図15に示すような押出成形装置によれば、まず、前記モータ27を駆動し、駆動平歯車28を回転させて被動平歯車25を回転させることによって、スクリューポンプ41を回転させる。押出機1から成形機本体39のゴムコンパウンド投入口40に供給されたゴムコンパウンドRは、スクリューポンプ41により案内通路に送られる。この案内通路内において円筒状に継ぎ合わされた後、円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRは前記攪拌手段に導入され、円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転している突起24により円筒状ゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目とスクリューポンプにより送り出された跡に存在する組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。攪拌手段により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されてマンドレル11に被覆されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムロール34を得ることができる。このゴムロール34に加硫を施すことにより単層ゴムロールが得られる。
【0077】
なお、前述した図9〜図15においては、攪拌手段を案内通路の出口付近に配置したが、出口付近に限らず、ゴムコンパウンドが円筒状に継ぎ合わされた地点以降に配置することができる。また、攪拌手段は、縮径加工通路内に配置しても良い。
【0078】
また、前述した図9〜図15においては、ゴムロール成形用の押出成形装置の例を説明したが、スリーブ6内にマンドレルガイド29及びマンドレル1を配置する代わりに、円筒形の中子を配置すると、ゴムチューブを成形することができる。この一例を図16及び図17に示す。図16、図17では、前述した図9〜図14で説明したのと同様な部材については、前述した図9〜図14と同様な符号を付して説明を省略する。
【0079】
図16及び図17に示すように、円筒形の中子42は、先端付近にテーパ加工が施され、かつ起端に突起43を有する。中子42は、前記突起43が前記スリーブ6に嵌め込まれている。
【0080】
この図16及び図17に示す押出成形装置によれば、押出機1のゴムコンパウンド排出口1aから成形機2のホルダー4のゴムコンパウンド導入口3に供給されたゴムコンパウンドRは、二手に分かれて案内通路を移動した後、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。
【0081】
また、前記モータ27を駆動し、駆動平歯車28を回転させて被動平歯車25を回転させることによって、複数の突起24を持つスリーブ6、すなわち攪拌手段を回転させる。
【0082】
円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRが前記攪拌手段に導入されると、円筒状ゴムコンパウンドの円周方向に沿って回転している突起24により円筒状ゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目の組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。突起24を有するスリーブ6により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムチューブ44を得ることができる。このゴムチューブ44に加硫を施すことにより単層ゴムチューブが得られる。
【0083】
次いで、本発明に係る方法で使用される押出成形装置の第3例(以下、第3の押出成形装置と称す)を図18〜図20を参照して説明する。図18は本発明に係わる第3の押出成形装置を示す断面図、図19は図18の押出成形装置におけるXIX−XIX線に沿う断面図、図20は図18のC部を示す拡大断面図である。なお、図18〜図20では、前述した図9〜図11で説明したのと同様な部材については、前述した図9〜図11と同様な符号を付して説明を省略する。
【0084】
この第3の押出成形装置では、攪拌手段として前述した羽根車11の代わりに、円筒形状の回転体45を使用する。この回転体45は、案内通路の出口付近のスリーブ6外周面に嵌め込まれている。また、この回転体45の上面45aは、回転体45の外周面と案内通路の外壁との間隙にゴムコンパウンドを誘導しやすいように傾斜している。一方、回転体45の底面45bは、前記間隙内のゴムコンパウンドが縮径加工通路に誘導されやすいように傾斜している。回転体45をこのような形状にすることによって、上面及び底面が平坦な面である場合に比べて、ゴムコンパウンドRの移動を円滑にすることができる。
【0085】
図20に示すように、回転体45の外周面と前記ホルダー4のゴムコンパウンド案内外壁との間には隙間が設けられている。隙間の大きさLは、案内通路のうち回転体45が存在する箇所の横断面の外周直径rの0.1〜30%に相当する大きさにすることが好ましい。また、回転体45の外周面の長さHは、前記隙間の大きさLの5〜50倍に相当する大きさにすることが好ましい。
【0086】
次に、前述した第2の押出成形装置の動作を前述した図18〜図20を参照して説明する。
【0087】
押出機1のゴムコンパウンド排出口1aから成形機2のホルダー4のゴムコンパウンド導入口3に供給されたゴムコンパウンドRは、二手に分かれて案内通路を移動した後、所望の地点で合流して円筒状に継ぎ合わされる。
【0088】
また、前記モータ27を駆動し、駆動平歯車28を回転させて被動平歯車25を回転させることによって、スリーブ6を回転させ、それによりスリーブ6に嵌め込まれている回転体45を回転させる。
【0089】
円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドRが案内通路と回転体45との隙間を通過すると、回転体45により円筒状ゴムコンパウンドRが攪拌される。その結果、ゴムコンパウンドRの継ぎ合わさり目の組成むらを分散させることができるため、後の縮径加工並びに加圧成形において特定箇所に応力が集中するのを緩和することができる。攪拌手段により攪拌された円筒状ゴムコンパウンドRは、縮径加工通路に導入される。縮径加工通路内を円筒状ゴムコンパウンドRが移動することによって、円筒状ゴムコンパウンドRの径を徐々に縮径することができる。所望の大きさまで縮径された円筒状ゴムコンパウンドRは、ダイス部18において加圧成形されてマンドレル11に被覆されることによって、ジョイントマークが存在しない均一組成のゴムロール46を得ることができる。このゴムロール46に加硫を施すことにより単層ゴムロールが得られる。
【0090】
なお、前述した図18〜図20においては、攪拌手段を案内通路の出口付近に配置したが、出口付近に限らず、ゴムコンパウンドが円筒状に継ぎ合わされた地点以降に配置することができる。また、攪拌手段は、縮径加工通路内に配置しても良い。
【0091】
また、前述した図18〜図20においては、攪拌手段をゴムコンパウンド案内内壁に取りつけた例を説明したが、攪拌手段は、ホルダー4の内周面(ゴムコンパウンド案内外壁)に取り付けることができる。
【0092】
二層以上の多層のゴムロールを形成する際には、前述した図18〜図20に示すようなゴムコンパウンド案内内壁に攪拌手段が設けられた成形機2で内部層を形成し、ゴムコンパウンド案内外壁に攪拌手段が設けられた成形機2で表面層を形成すると良い。
【0093】
また、前述した図18〜図20においては、成形機本体4の上側壁面にゴムコンパウンド導入口3を穿設し、この導入口3に押出機1のゴムコンパウンド排出口1aを接続した構造(クロスヘッド)にしたが、ゴムコンパウンド排出口,導入口、案内通路、縮径加工通路及びダイス部までが一直線上に配置される構造(ストレートヘッド)にしても良い。
【0094】
また、前述した図18〜図20においては、ゴムロール成形用の押出成形装置の例を説明したが、スリーブ内にマンドレルガイド及びマンドレルを配置する代わりに、円筒形の中子を配置すると、ゴムチューブを成形することができる。
【0095】
また、本発明に係る第3の押出成形装置は、成形機内にスクリューポンプを備えることができる。スクリューポンプ内にマンドレルガイド及びマンドレルを配置するとゴムロールを成形することができ、スクリューポンプ内に中子を配置するとゴムチューブを成形することができる。
【0096】
【実施例】
以下、本発明に係わる実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0097】
(実施例1)
前述した図1〜図4に示す構造を有する押出成形装置を用いた。
【0098】
羽根車には、平板型の羽根16枚を回転軸の外周面の同一円周上に等間隔を隔てて配置した。各羽根の翼面(ゴムコンパウンドが導入される側の翼面)は、ゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜させた。その傾斜角度θ(翼面の接線とゴムコンパウンド進行方向とのなす角)は、45度にした。各羽根の先端面とホルダーのゴムコンパウンド案内外壁との間に形成された隙間の大きさは、羽根の先端面と対向するゴムコンパウンド案内外壁の横断面の直径の5%にした。マンドレルには、φが50mmで、長さが700mmの丸棒を使用した。
【0099】
一方、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(日本合成ゴム製商品名;N232S)を100部、酸化亜鉛2種を5部、硫黄を1.5部、加硫促進剤(大内新興化学製商品名;ノクセラーCZを1部及び大内新興化学製商品名;ノクセラーDを0.5部からなる)、ステアリン酸を1部、老化防止剤(大内新興化学製商品名;ノクラック200を0.5部及び大内新興化学製商品名;ノクラックTBTUを0.5部からなる)、酸化チタンを3部、着色剤(住化カラー製商品名;ブルーLB510を1部及び住化カラー製商品名;レッドLB1T007Rを0.3部からなる)、微粉シリカ(塩野義製薬製商品名;カープレックス80)を5部、石英粉末(J.M.ヒューバー製商品名;ポリフィル80)を30部及び黒サブ純種を15部を混練りすることにより、ムーニー粘度が20度で、ゴム硬度が40度のNBRゴムコンパウンドを調製した。
【0100】
NBRゴムコンパウンドを前述した押出成形装置を用いてマンドレルに被覆した後、加硫し、φ80mmに研磨仕上げを施すことにより、単層NBRゴムロールを得た。得られたゴムロールには、ジョイントマークが存在しなかった。
【0101】
(実施例2)
前述した図9〜図13に示す構造を有する押出成形装置を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてNBRゴムロールを成形した。得られたゴムロールには、ジョイントマークが存在しなかった。
【0102】
なお、攪拌手段としては、6本の円柱形突起を回転軸の同一円周上に等間隔で配置したものを使用した。各突起の先端面とホルダーのゴムコンパウンド案内外壁との間に形成された隙間の大きさは、突起の先端面と対向するゴムコンパウンド案内外壁の横断面の直径の10%にした。回転数は、毎分20回転にした。マンドレルには、φが50mmで、長さが700mmの丸棒を使用した。
【0103】
(実施例3)
前述した図18〜図20に示す構造を有する押出成形装置を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてNBRゴムロールを成形した。得られたゴムロールには、ジョイントマークが存在しなかった。
【0104】
なお、攪拌手段としては、円筒形の回転体を使用した。回転体の外周面とホルダーのゴムコンパウンド案内外壁との間に形成された隙間は、回転体の外周面と対向するゴムコンパウンド案内外壁の横断面の直径の20%にした。また、外周面の高さは、前記隙間の20倍の大きさにした。回転数は、毎分20回転にした。マンドレルには、φが50mmで、長さが700mmの丸棒を使用した。
【0105】
(比較例1)
比較例1では、前述した図21に示す構造を有する押出成形装置を使用した。マンドレルには、前述した実施例1で説明したのと同様な丸棒を使用した。
【0106】
NBRゴムコンパウンドを前述した押出成形装置を用いてマンドレルに被覆した後、加硫し、φ80mmに研磨仕上げを施すことにより、単層NBRゴムロールを得た。得られたゴムロールには、長手方向に沿ってジョイントマークが存在していた。
【0107】
(比較例2)
比較例2では、前述した図21に示す構造を有し、ゴムコンパウンド案内壁63が8条のスクリュー構造をなし、かつ回転自在になっている押出成形装置を使用した。マンドレルには、前述した実施例1で説明したのと同様な丸棒を使用した。
【0108】
この装置を用いて以下に説明する方法で単層ゴムロールを製造した。
【0109】
すなわち、押出機53の押出部55に前述した実施例1で説明したのと同様なNBRゴムコンパウンドを供給し、このゴムコンパウンドを押出手段55であるスクリューを回転させることによりゴムコンパウンド押出通路54から目皿59に向けて押し出し、目皿59を通過させ、コンパウンド中の異物を除去した。次いで、ゴムコンパウンドを排出口58及び成形機本体52の導入口68を通して案内通路65に流入させた。8条のスクリュー構造をしたゴムコンパウンド案内壁を回転させることでゴムコンパウンドを下方に移動させながら円筒状に継ぎ合わせた。この円筒状NBRゴムコンパウンドを縮径加工通路65を下降させることにより円筒状に加圧成形した後、ダイス部67において予めマンドレルガイド64に挿入されていた丸棒(マンドレル)64aを挿入すると共にこれらを加圧し、丸棒にNBRゴムコンパウンドを被覆した。次いで、加硫を施した後、φ80mmに研磨仕上げを施すことにより単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロール72には、前述した図24に示すように、ゴムコンパウンド案内壁の形状が転写された8条スクリュー構造のジョイントマーク73が形成されていた。
【0110】
得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の単層ゴムロールについて、最小単位が0.001mmのピック式ダイヤルゲージを用いてゴムの厚さを測定し、最大値と最小値との差(振れ)を求め、その結果を下記表1に示す。
【0111】
また、実施例1〜3及び比較例1〜2の単層ゴムロールについて、JISスプリング式硬さ試験機(デュロメータA形)でゴムの硬度を測定し、最大値と最小値との差(振れ)を求め、その結果を下記表1に示す。
【0112】
さらに、実施例1〜3及び比較例1〜2の単層ゴムロールについて、有機溶剤であるトルエンに24時間浸漬して膨潤させ、前述したピック式ダイヤルゲージを用いてゴムの厚さを測定し、最大値と最小値との差(振れ)を求め、その結果を下記表1に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0003578755
【0114】
表1から明らかなように、円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドを攪拌するための攪拌手段を備えた押出成形装置を用いて製造された実施例1〜3のNBRゴムロールは、ジョイントマークがなく、厚さ、硬度及び有機溶剤に対する膨潤度合いのバラツキが小さいことがわかる。これに対し、攪拌手段がない押出成形装置を用いて製造された比較例1のNBRゴムロールは、ジョイントマークが現れ、厚さ、硬度及び有機溶剤に対する膨潤度合いのバラツキが実施例1〜3に比べて大きいことがわかる。また、攪拌手段がなく、かつゴムコンパウンド案内壁を特定構造にした押出成形装置を用いて製造された比較例2のNBRゴムロールは、案内壁の構造を転写した8条スクリュー構造のジョイントマークが現れ、硬度及び有機溶剤に対する膨潤度合いのバラツキが実施例1〜3に比べて大きいことがわかる。
【0115】
(実施例4)
まず、エチエン−プロピレン−ターポリマー(三井石油化学製商品名;三井EPT4045)を100部、酸化亜鉛2種を5部、硫黄を1.5部、加硫促進剤(大内新興化学製商品名;ノクセラーMを1部及び大内新興化学製商品名;ノクセラーTTを1.5部からなる)、ステアリン酸を1部、炭酸カルシウム粉末(白石カルシウム製商品名;PC炭カル)を20部、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック社製商品名;ケッチェンブラックEC)を15部、可塑剤(サンオイル社製商品名;サンパー2280)を30部及び発泡剤(永和化成製商品名;ネオセルボン#1000M)を10部を混練りすることにより、ムーニー粘度が60度で、ゴム硬度が35度で、抵抗値が1×10ΩのEPDMゴムコンパウンドを調製した。
【0116】
得られたEPDMゴムコンパウンドを使用すること以外は前述した実施例1と同様にして単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロールには、ジョイントマークがなかった。
【0117】
(実施例5)
ゴムコンパウンドとして前述した実施例4で説明したのと同様な組成のEPDMゴムコンパウンドを使用すること以外は、前述した実施例2と同様にして単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロールには、ジョイントマークがなかった。
【0118】
(実施例6)
ゴムコンパウンドとして前述した実施例4で説明したのと同様な組成のEPDMゴムコンパウンドを使用すること以外は、前述した実施例3と同様にして単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロールには、ジョイントマークがなかった。
【0119】
(比較例3)
ゴムコンパウンドを前述した実施例4で説明したEPDMゴムコンパウンドに変更すること以外は、前述した比較例1と同様にして単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロールには、長手方向に沿ってジョイントマークが形成されていた。
【0120】
(比較例4)
ゴムコンパウンドを前述した実施例4で説明したEPDMゴムコンパウンドに変更すること以外は、前述した比較例2と同様にして単層ゴムロールを製造した。得られたゴムロールには、前述した図24に示すように、ゴムコンパウンド案内壁の形状が転写された8条スクリュー構造のジョイントマークが形成されていた。
【0121】
実施例4〜6及び比較例3〜4の単層ゴムロールについて、抵抗値を測定し、最大値と最小値との差(振れ)を求め、その結果を下記表2に示す。
【0122】
【表2】
Figure 0003578755
【0123】
表2から明らかなように、円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドを攪拌するための攪拌手段を備えた押出成形装置を用いて製造された実施例4〜6のEPDMゴムロールは、攪拌手段がない押出成形装置を用いて製造された比較例3,4のEPDMゴムロールに比べて抵抗値のばらつきが小さいことがわかる。
【0124】
(実施例7)
前述した図7に示す構造を有し、かつ攪拌手段の詳細な構造が前述した実施例1で説明したのと同様な押出成形装置を用意した。この押出成形装置により前述したNBRゴムコンパウンドから直径が60mmで、内径が40mmで、長さが300mmのゴムチューブを得た。次いで、加硫を施すことにより単層ゴムチューブを製造した。得られたゴムチューブには、ジョイントマークがなかった。
【0125】
(実施例8)
前述した図16に示す構造を有し、かつ攪拌手段の詳細な構造が前述した実施例2で説明したのと同様な押出成形装置を用意した。この押出成形装置により前述したNBRゴムコンパウンドから直径が60mmで、内径が40mmで、長さが300mmのゴムチューブを得た。次いで、加硫を施すことにより単層ゴムチューブを製造した。得られたゴムチューブには、ジョイントマークがなかった。
【0126】
(実施例9)
スリーブ内に中子を配置すること以外は、前述した実施例3で説明したのと同様な構成の押出成形装置を用意した。この押出成形装置により前述したNBRゴムコンパウンドから直径が60mmで、内径が40mmで、長さが300mmのゴムチューブを得た。次いで、加硫を施すことにより単層ゴムチューブを製造した。得られたゴムチューブには、ジョイントマークがなかった。
【0127】
(比較例5)
前述した図25に示す構造を有する押出成形装置を使用すること以外は、前述した実施例7で説明したのと同様にして単層ゴムチューブを製造した。得られたゴムチューブには、前述した図27に示すように長手方向に沿ってジョイントマークが4本形成されていた。
【0128】
得られた実施例7〜9及び比較例5のゴムチューブについて、一方を封じた後、もう一方から油圧ポンプにより油を充填し、チューブが破裂する際の油圧を測定し、その結果を下記表3に示す。
【0129】
【表3】
Figure 0003578755
【0130】
表3から明らかなように、円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドを攪拌するための攪拌手段を備えた押出成形装置を用いて製造された実施例7〜9のNBRゴムチューブは、攪拌手段がない押出成形装置を用いて製造された比較例5のNBRゴムチューブに比べて破裂耐圧が高いことがわかる。
【0131】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る押出成形方法及び押出成形装置によれば、ジョイントマークが存在せず、組成が均一で、物性的及び耐溶剤性に部分的なむらがないゴムロール及びゴムチューブを提供することができる等の顕著な効果を奏する。
【0132】
また、本発明に係る押出成形方法及び押出成形装置によると、インキ、塗料等の塗布ロールにおいては塗布材に含まれる溶剤による部分的な劣化を防止することができるために寿命を長くすることができ、また塗布相手に円滑な転移を行うことができる。電子電動方式の導電性、半導電性ロールにおいては導電フィラーのムラを抑えることができ、抵抗値のバラツキを少なくすることができ、プリンター等の電子写真装置または静電記録装置などにおけるムラを抑制することができ、画像ムラを少なくすることができる。さらに、油、ガス、液体等を圧送する中空のチューブにおいては、従来の方法及び装置に比べて同じチューブ厚さでの耐圧を向上することができる。
【0133】
また、本発明に係る押出成形装置は、比較的安い価格で製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1の押出成形装置を示す断面図。
【図2】図1の押出成形装置の攪拌手段がスリーブに装着されている状態を示す斜視図。
【図3】図1の押出成形装置の攪拌手段を示す斜視図。
【図4】図1のA部を示す拡大断面図。
【図5】図1の押出成形装置の攪拌手段の動作を説明するための模式図。
【図6】本発明に係る第1の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図7】本発明に係る第1の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図8】本発明に係る第1の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図9】本発明に係わる第2の押出成形装置を示す斜視図。
【図10】図9の押出成形装置を示す断面図。
【図11】図10の攪拌手段がスリーブに取り付けられた状態を示す斜視図。
【図12】図10の押出成形装置におけるXII−XII線に沿う断面図。
【図13】図10のB部を示す拡大断面図。
【図14】本発明に係る第2の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図15】本発明に係る第2の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図16】本発明に係る第2の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図17】本発明に係る第2の押出成形装置の別な例を示す断面図。
【図18】本発明に係る第3の押出成形装置を示す断面図。
【図19】図18の押出成形装置におけるXIX−XIX線に沿う断面図。
【図20】図18のC部を示す拡大断面図。
【図21】従来の押出成形装置を示す断面図。
【図22】図21の押出成形装置の案内通路におけるゴムコンパウンドの流れを説明するための模式図。
【図23】図21の押出成形装置により得られる未加硫の単層ゴムロールを示す斜視図。
【図24】図21の押出成形装置のゴムコンパウンド案内壁を特定構造にした際に得られる未加硫の単層ゴムロールを示す斜視図。
【図25】従来の押出成形装置を示す断面図。
【図26】図25の押出成形装置における中子が中子支持具に固定された状態を示す上面図。
【図27】図25の押出成形装置により得られる未加硫の単層ゴムチューブを示す斜視図。
【符号の説明】
1…押出機、2…成形機、3…ゴムコンパウンド導入口、4…成形機本体、5…ホルダー、6…スリーブ、9…マンドレルガイド、10…マンドレル、11…羽根車、12…ボールベアリング、13…羽根、13a…回転軸、15…第1のゴムコンパウンド案内部材、17…第2のゴムコンパウンド案内部材、18…ダイス部。

Claims (3)

  1. 単層または多層のゴムロールもしくはゴムチューブの押出成形方法において、
    ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せる工程と、
    前記円筒状ゴムコンパウンドを、羽根の翼面がゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜している羽根車に通過させ、これにより生じた反力で前記羽根車を回転させることによって前記円筒状ゴムコンパウンドを攪拌する工程と、
    前記円筒状ゴムコンパウンドに加圧成形を施す工程と
    を具備することを特徴とする押出成形方法。
  2. 単層または多層のゴムロールもしくはゴムチューブを成形するための押出成形装置において、
    ゴムコンパウンドを円筒状に継ぎ合せるための案内通路と、
    前記円筒状に継ぎ合わされたゴムコンパウンドの径を縮めるための縮径加工通路と、
    前記縮径加工通路を通過した円筒状ゴムコンパウンドに加圧成形を施すためのダイス部とを具備し、
    前記案内通路内あるいは前記縮径加工通路内に配置され、前記円筒状ゴムコンパウンドの通過により生じた反力で回転し、羽根の翼面がゴムコンパウンドの進行方向に対して傾斜している羽根車と
    を具備することを特徴とする押出成形装置。
  3. 前記羽根は、流線形の断面形状を有し、かつ前記羽根車の円周方向に等分間隔に配置されることを特徴とする請求項2記載の押出成形装置。
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