JP3577957B2 - 成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械構造用炭素鋼(JIS G 4051)、炭素工具鋼鋼材(JIS G 4401)、ばね用冷間圧延鋼帯(JIS G 4802)で成分規定されているMoなどの特殊な合金元素を含まない、成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工具や刃物あるいはギヤー、シートべルト金具などの自動車部品は、素材としてJIS G 4051、JIS G 4401、JIS G 4802で成分規定された高炭素鋼板が用いられ、それを所定の形状に加工後焼入れ焼戻しなどの熱処理が施されて製造される。
【0003】
近年、こうした工具や部品メーカー、すなわち高炭素鋼板のユーザーでは、低コスト化のために成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化が検討されるようになったが、それにともない素材としての高炭素鋼板には、複雑な形状を少ない工程でも成形できる優れた成形性や低温短時間の熱処理でも所望の硬度が得られる優れた焼入れ性が強く要望されている。
【0004】
そのため、これまで高炭素鋼板の成形性や焼入れ性を向上させるために種々の検討が行われている。例えば、特開平5−9588号公報には、熱間圧延後の鋼帯を10℃/sec以上の冷却速度で20〜500℃の温度範囲に冷却し、その後500℃〜(Ac1 変態点+30℃)の温度範囲に再加熱してその温度で巻取ったり、さらに冷間圧延後650℃〜(Ac1 変態点+30℃)の温度範囲で1時間以上熱処理したりしてセメンタイトの球状化を促進させ、軟質・高延性化して成形性を向上させる方法が開示されている。また、特開昭64−25946号公報や特開平8−246051号公報には、鋼中の炭素を黒鉛化して軟質・高延性化して成形性を向上させる方法も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等が特開平5−9588号公報に記載された方法を検討したところ、ユーザーにおける成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化に対応できるような成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板が必ずしも得られない場合があった。また、特開昭64−25946号公報や特開平8−246051号公報に記載された鋼中の炭素を黒鉛化する方法には、黒鉛の溶解速度が遅いため低温短時間の焼入れ処理において十分に硬質化できないといった問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、ユーザーにおける成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化に対応できる成形性および焼入れ性に優れた機械構造用炭素鋼(JIS G 4051)、炭素工具鋼鋼材(JIS G 4401)、ばね用冷間圧延鋼帯(JIS G 4802)で成分規定された高炭素鋼板を確実に製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
(1)本発明の製造方法は、機械構造用炭素鋼又は炭素工具鋼鋼材又はばね用冷間圧延鋼帯で規定される成分系を有する高炭素鋼板を製造する方法において、
(イ)該鋼を熱間粗圧延後に、Ar3 以上の温度で加熱処理を行う工程と、
(ロ)加熱処理されたスラブをAr3 変態点以上の温度で熱間圧延する工程と、
(ハ)熱間圧延後の鋼板を5℃/秒以上の冷却速度で冷却し、560〜650℃の温度範囲に2〜10秒保持する短時間熱処理を施した後、再び7℃/秒以上の冷却速度で冷却する工程と、
(ニ)冷却後の鋼板を600℃以下の温度で巻取る工程と、
(ホ)巻取り後の鋼板を30%以上の圧下率で冷間圧延する工程と、
(へ)冷間圧延された鋼板を580℃〜Ac1 変態点の温度で焼鈍する工程とを備え、平均粒径が1.1μm以下で平均アスペクト比が1.5以下のセメンタイトおよび平均粒径が2μm以上のフェライト粒を形成させる、成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法である。
【0008】
(2)本発明の製造方法は、焼鈍後の鋼板表面に亜鉛めっき処理後、りん酸塩処理を施す上記(1)に記載の成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法である。
【0009】
ここで、セメンタイトの平均粒径、セメンタイトの平均アスぺクト比、およびフェライト粒の平均粒径は、以下のようにして測定される。
a)セメンタイトの平均粒径:圧延方向と厚み方向で形成される断面を電子顕微鏡により1500倍で観察し、約300個のセメンタイトについて長軸、短軸(長軸に直角方向)およびそれらと45°の方向の長さを求めて平均する。
【0010】
b)セメンタイトの平均アスペクト比:圧延方向と厚み方向および幅方向と厚み方向で形成される断面を電子顕微鏡により1500倍で観察し、約500個のセメンタイトについて長軸と短軸(長軸に直角方向)の長さの比を求めて平均する。
【0011】
c)フェライト粒の平均粒径:圧延方向と厚み方向で形成される断面を光学顕微鏡により500倍で観察し、約300個のフェライト粒について長軸、短軸(長軸に直角方向)およびそれらと45°の方向の長さを求めて平均する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者等が、ユーザー側における成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化に対応できるようにJIS G 4051、JIS G 4401、JIS G4802で規定される成分系を有する高炭素鋼板の成形性および焼入れ性の向上を検討したところ、熱間粗圧延後にAr3 以上の温度で加熱処理を行う工程および、熱間圧延後の冷却条件および冷間圧延−焼鈍後のセメンタイトやフェライト粒の形態が重要な役割を演じていることが明らかになった。
【0013】
この知見に基づき、本発明者らは、JIS G 4051、JIS G 4401、JIS G 4802で成分規定された高炭素鋼板の熱間粗圧延後の粗バーの加熱処理、熱間圧延後の冷間圧延及び焼鈍条件を制御して、セメンタイトの平均粒径とアスペクト比、及びフェライト粒の平均粒径を一定範囲内に制御するようにして、ユーザーにおける成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化に対応できる成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板(JIS G 4051、JIS G 4401、JIS G 4802で成分規定)を確実に製造可能な方法を見出し、本発明を完成させた。
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
加熱処理は、熱間圧延中の鋼板のγ粒径の均一化を図り、変態後に均一なパーライトとすることで、最終焼鈍後のセメンタイト粒径およびフェライト粒径のバラツキを小さくし、延性および焼入れ性を向上させる。実際には、粗圧延後、仕上げ圧延前あるいは仕上げ圧延中に少なくとも1回以上行い、γ粒径の均一化のため加熱温度はAr3 以上とする。また、加熱時間は少なくとも3秒以上とするのが望ましい。なお、加熱処理は昇温、降温および温度保持を含むものとする。
【0015】
1)熱間圧延について
熱間圧延は、Ar3 変態点未満でα相圧延が行われると、フェライト粒の粗大化が起こり焼入れ性にとって好ましくないフェライトとパーライトの不均一組織が形成されるので、Ar3 変態点以上で行う必要がある。
【0016】
なお、熱間圧延は、成分調整された溶鋼を連続鋳造や造塊・分塊圧延により製造されたスラブを直接圧延しても、また、加熱炉を経由させて圧延してもよい。
2)熱間圧延後の冷却について
熱間圧延後の鋼板は、その後に行われる球状化焼鈍で焼入れ性にとって好ましい組織を形成させるために、微細なパーライトが均一に分布した組織を有していることが必要である。そのためには、パーライト変態のノーズが熱間圧延後の冷却中の温度範囲にくるようにし、鋼板をこのノーズ近傍の温度範囲に保持して短時間でパーライト変態を開始させればよい。具体的には、JIS G 4051、JIS G 4401、JIS G 4802で規定される成分系を有する高炭素鋼のパーライトノーズは560〜650℃の温度範囲にあるので、熱間圧延後5℃/秒で冷却し、560〜650℃の温度範囲に2〜10秒保持した後、再び7℃/秒以上の冷却速度で冷却して、巻取ればよい。
【0017】
熱間圧延後の冷却速度が5℃/秒未満であったり、ノーズにおける短時間保持後の冷却速度が7℃/秒未満であったり、560〜650℃の温度範囲における保持時間が10秒を超えると、パーライトの粗大化を招く。また、560〜650℃の温度範囲における保持時間が2秒未満では、この温度範囲でパーライト変態が終了せず、微細なパーライトが均一に分布した組織が得られない。
【0018】
なお、560〜650℃の温度範囲に保持後の冷却速度は、巻取り時のコイル形状を劣化させないように30℃/秒以下にすることが望ましい。また、560〜650℃の温度範囲における保持は必ずしもこの温度範囲の一定温度で行われる必要はなく、温度傾斜があってもこの温度範囲に2〜10秒保持されていればよい。実際にこの温度範囲で短時間保持するには、例えば熱間圧延裟の散水による冷却をこの温度範囲で短時間中止する、すなわち散水を止めて自然冷却することによって行える。
【0019】
3)巻取温度について
巻取温度は、600℃を超えるとパーライトの粗大化を引き起こすので、600℃以下にする必要がある。
【0020】
なお、巻取り時のコイル形状を劣化させないように480℃以上で巻取ることが好ましい。
4)冷間圧延−焼鈍後のセメンタイトの平均粒径、平均アスペクト比およびフェライト粒の平均粒径について
JIS G 4802のS65C−CSP相当の成分系のスラブを仕上げ圧延前にバーヒーター加熱により1010℃で15秒の加熱処理を行い、820℃の温度で熱間圧延後、7℃/秒の冷却速度で550〜660℃の温度まで冷却して、その温度範囲に1〜12秒保持した後、10℃/秒の冷却速度で冷却して550℃の温度で巻取った。その後20〜60%の圧下率で冷間圧延し、550〜720℃の温度で20時間の焼鈍を行って板厚1.2mmの高炭素鋼板を作製した。そして、上記の方法によりセメンタイトの平均粒径、平均アスペクト比およびフェライト粒の平均粒径を測定した。また、圧延方向に対し0°、45°、90°方向に沿ってJIS5号試験片を切り出し、引張速度10mm/minで引張試験を行い、各方向を平均した全伸びを求めて成形性を評価した。さらに、50×100mmのサイズに切り出した試験片を760℃で10秒間の短時間加熱後20℃の油中に焼入れ、鋼板面におけるロックウェルCスケール硬度(HRC)を測定し、焼入れ性を評価した。
【0021】
なお、特開平5−9588号公報によれば、S65C−CSPと同様な成分系を有し板厚が1.2mmの球状化焼鈍材の全伸びの平均は高々31%程度であり、また、焼入れ後硬度の平均はHRCで高々55程度なので、35%以上の全伸びおよびHRCで62以上の焼入れ後硬度の得られる条件を本発明とした。
【0022】
図1に、全伸びとセメンタイトの平均アスペクト比およびフェライト粒の平均粒径との関係を示す.
セメンタイトの平均アスぺクト比が1.5以下で、フェライト粒の平均粒径が2μm以上の場合に、全伸びが35%以上となり、優れた成形性の得られることがわかる。
【0023】
図2に、焼入れ後硬度とセメンタイトの平均粒径との関係を示す。
セメンタイトの平均粒径が1.1μm以下の場合に、焼入れ後硬度はHRCで62以上となり、短時間加熱でも安定して優れた焼入性の得られることがわかる。
【0024】
このとき、冷間圧延時の圧下率は、30%未満だとパーライトが十分に破壊されず、焼鈍後に平均粒径が1.1μm以下で平均アスペクト比が1.5以下の微細なセメンタイトが得られないので、30%以上にする必要がある。上限は特に規定しないが、圧延機への負荷が大きくならないよう70%以下にすることが望ましい。
【0025】
冷間圧延後の焼鈍温度は、580℃未満だと未再結晶組織が残り硬質・低延性になる場合があるので、580℃以上にする必要がある。また、Ac1 変態点を超えて焼鈍するとパーライトが生成し、成形性や焼入れ性を著しく阻害するので、Ac1 変態点以下にする必要がある。
【0026】
こうして製造された鋼板の表面に亜鉛めっき後、りん酸塩処理を施すと、自動車部品であるギヤーなどを冷間鍛造やしごき成形などの高面圧下による方法で成形しても型かじりや割れが発生し難くなる。なお、亜鉛めっきは電気亜鉛めっき法、溶融亜鉛めっき法などで行える。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
JIS G 4051のS35C相当の成分系(重量%でC:0.36%、Si:0.18%、Mn:0.74%、P:0.008%、S:0.007%、Al:0.01%)のスラブを連続鋳造により製造し、1250℃に加熱後、表1に示す条件で加熱処理−熱間圧延−一次冷却−短時間熱処理−二次冷却−巻取り−冷間圧延−焼鈍を順次行い、板厚1.2mmの21種類の試料を作製した。ここで、表1における一次冷却速度および二次冷却速度は散水の条件を変えて変化させた。また、短時間熱処理は、表に示す温度に達した時点で表に示す時間だけ散水を止めて行った。
【0028】
これらの試料について、上記した方法によりセメンタイトの平均粒径と平均アスぺクト比、フェライト粒の平均粒径、全伸び、焼入れ後硬度(加熱温度:820℃)を測定した。
【0029】
結果を表1に示す(No.1〜11:本発明例、No.12〜22:比較例)。
本発明の方法で作製された試料(本発明例No.1〜11)では、いずれも37%以上の全伸び、HRCで52以上の焼入れ後の硬度が得られ、同様な成分系と板厚の高炭素鋼板を従来法で製造したときの平均的な全伸び30%前後および焼入れ後硬度HRCで40前後に比べ、より優れた成形性および焼入れ性を示す。
【0030】
一方、本発明範囲外の方法で作製された比較の試料(比較例No.12〜No.22)では、従来法で作製したもの並みあるいはそれ以下の成形性や焼入れ性しか得られない。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施例2)
JIS G 4802のS65C−CSP相当の成分系(重量%でC:0.65%、Si:0.21%、Mn:0.76%、P:0.007%、S:0.007%、Al:0.01%)のスラブを連続鋳造により製造し、1280℃に加熱後、表2に示す条件で加熱処理−熱間圧延−一次冷却−短時間熱処理−二次冷却−巻取り−冷間圧延−焼鈍を順次行い、板厚1.2mmの21種類の試料を作製した。ここで、一次冷却、短時間熱処理、二次冷却の条件設定は、実施例1の場合と同様に行った。
【0033】
これらの試料について、上記した方法によりセメンタイトの平均粒径と平均アスぺクト比、フェライト粒の平均粒径、全伸び、焼入れ後硬度(加熱温度:750℃)を測定した。
【0034】
結果を表2に示す(No.23〜33:本発明例、No.34〜44:比較例)。本発明の方法で作製された試料(本発明例No.23〜33)では、いずれも35%以上の全伸び、HRCで62以上の焼入れ後の硬度が得られ、同様な成分系と板厚の高炭素鋼板を従来法で製造したときの平均的な全伸び30%前後および焼入れ後硬度HRCで50前後に比べ、より優れた成形性および焼入れ性を示す。
【0035】
一方、本発明範囲外の方法で作製された比較の試料(比較例No.34〜44)では、従来法で作製したもの並みあるいはそれ以下の成形性や焼入れ性しか得られない。
【0036】
【表2】
【0037】
(実施例3)
表1のNo.1(本発明例)の試料を用い、その表面に電気亜鉛めっき(Zn:21g/m2 )後、りん酸塩処理(P皮膜:1.95mg/m2 )を施して摩擦摺動試験を行った。
【0038】
図3に、試験に用いた摩擦摺動装置を示す。
ローラレべラ4上を水平移動できる試料台3に試験片2をセット後、油圧シリンダ6でローラレべラ4を上方へ持ち上げて試験片2を圧子1にある押し付け力で押し付け、試料台3を水平移動させる。このとき、圧子1と試験片2の表面の間にかかる水平方向の力は引き抜き力測定用ロードセル7により、また、垂直方向にかかる力は押し付け力測定用ロードセル5により測定されるので、摩擦係数を測定できる。
【0039】
試験は、図中に示した試験条件で行った。
図4に、押し付け力と摩擦係数の関係を示す。
表面に電気亜鉛めっき後、りん酸塩処理を施すと、こうした表面処理を行わない試料(裸材)に比べ、より高い押し付け力で摩擦係数の急激な上昇が起こり、かじりの発生することがわかる。この結果より、表面に電気亜鉛めっき後、りん酸塩処理を施すと、冷間鍛造やしごき成形などの高面圧下による方法で成形しても型かじりや割れが発生し難くなるといえる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、鋼組織及び製造条件を特定することにより、ユーザーにおける成形工程の簡略化や熱処理の低温短時間化に対応できる成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板を安定して製造する方法を提供できる。
また、その表面に亜鉛めっき後、りん酸塩処理を施すと、冷間鍛造やしごき成形などの高面圧下における成形性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る全伸びとセメンタイトの平均アスペクト比およびフェライト粒の平均粒径との関係を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る焼入れ後硬度とセメンタイトの平均粒径との関係を示す図。
【図3】本発明の実施例に係る摩擦摺動試験に用いた摩擦摺動装置を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る押し付け力と摩擦係数の関係を示す図。
【符号の説明】
1…圧子、2…試験片、3…試料台、4…ローラレベラ、5…押し付け力測定用ロードセル、6…油圧シリンダ、7…引き抜き力測定用ロードセル。
Claims (2)
- 機械構造用炭素鋼又は炭素工具鋼鋼材又はばね用冷間圧延鋼帯で規定される成分系を有する高炭素鋼板を製造する方法において、
(イ)該鋼を熱間粗圧延後に、Ar3 以上の温度で加熱処理を行う工程と、
(ロ)加熱処理されたスラブをAr3 変態点以上の温度で熱間圧延する工程と、
(ハ)熱間圧延後の鋼板を5℃/秒以上の冷却速度で冷却し、560〜650℃の温度範囲に2〜10秒保持する短時間熱処理を施した後、再び7℃/秒以上の冷却速度で冷却する工程と、
(ニ)冷却後の鋼板を600℃以下の温度で巻取る工程と、
(ホ)巻取り後の鋼板を30%以上の圧下率で冷間圧延する工程と、
(へ)冷間圧延された鋼板を580℃〜Ac1 変態点の温度で焼鈍する工程とを備え、平均粒径が1.1μm以下で平均アスペクト比が1.5以下のセメンタイトおよび平均粒径が2μm以上のフェライト粒を形成させる、成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法。 - 焼鈍後の鋼板表面に亜鉛めっき処理後、りん酸塩処理を施す請求項1に記載の成形性および焼入れ性に優れた高炭素鋼板の製造方法。
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