JP3577418B2 - エレベータのかご制御盤取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかご室の袖壁へのかご操作盤の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4はエレベータのかご室を示す正面図である。
図4において、かご室1は巾木6がかご床8の出入り口を除いた四方に固定され、壁2および袖壁4が巾木6の上面に固定されて立設され、さらに天井3が壁2および袖壁4の上端に取り付けられて構成されている。また、各袖壁4の出入り口端には、出入り口柱9がかご床8から天井3に至るように立設され、出入り口上板7が出入り口柱9間の上端側に取り付けられて出入り口を構成している。さらに、かごの戸5が出入り口を塞ぐように取り付けられている。このかごの戸5は、図示しない開閉機構により駆動されて、出入り口を開閉が行われる。また、かご操作盤10が一方の袖壁4に取り付けられている。
【0003】
つぎに、従来のかご操作盤の取付構造について図5および図6を参照しつつ説明する。なお、図5は従来のエレベータかご室の袖壁を示す背面図、図6は図5のVI−VI矢視断面図である。
袖壁4は、平板の側辺が背面側にL字状に折り曲げられ、その上下端側にそれぞれコ字状の上部補強板4aおよび下部補強板4bが取り付けられている。この袖壁4の中央部には、かご操作盤取付穴12がかご操作盤10のケース10bの外径形状とほぼ同等の長方形に穿設されている。そして、一対のL字状の取付金具4cがかご操作盤取付穴12の各側縁に沿って袖壁4の背面に固定されている。
かご操作盤10のケース10bが操作盤取付穴12に挿入され、ケース10bに設けられた取付穴が取付金具4cに設けられた取付穴に合わされて取付ネジやナット等の締着具11により締着固定される。その後、カバー10aがケース10bに取り付けられて、かご操作盤10が袖壁4に取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エレベータの改修工事においては、エレベータの制御や停止数変更などに伴って、既設のかご操作盤から新設のかご制御盤への取り替えが行われる。
従来のかご操作盤取付構造では、以上のようにかご操作盤取付穴12がケース10bの外径形状とほぼ同等の内径形状に形成され、かつ、取付金具4cがかご操作盤取付穴12の側縁に沿って固着されているので、既設のかご操作盤10と新設のかご制御盤10との互換性が少なく、新設のかご制御盤10のケース10bがかご操作盤取付穴12に入らない場合には、袖壁4までも取り替えることになり、かご操作盤10の取り替えの他に、袖壁4に対する材料費および人工費などのムダが発生してしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、かご操作盤の大きさに合わせてかご操作盤取付穴の大きさを変更できる構造とし、袖壁を取り替えることなく既設のかご操作盤から新設のかご操作盤に取り替えができるかご操作盤取付構造を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータのかご制御盤取付構造は、かご室の袖壁の中央部に長方形に穿設されたかご制御盤取付穴と、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の上下にそれぞれ固着された一対の上下用ガイドと、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の左右にそれぞれ固着された一対の左右用ガイドと、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の上下用ガイドのそれぞれに上下方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の上下方向の長さを調整する一対の上下調整板と、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の左右用ガイドのそれぞれに左右方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の左右方向の長さを調整する一対の左右調整板とを備え、上記上下調整板および上記左右調整板を上下左右にスライド移動させて上記かご制御盤取付穴の大きさをかご制御盤のケースの大きさに合わせ、上記上下調整板および上記左右調整板の各折り曲げ辺に設けられた取付穴を用いて該かご制御盤のケースを固定するようにしたものである。
【0007】
また、上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との一方に山形の調整金が取り付けられ、上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との他方にラッチが取り付けられ、該調整金と該ラッチとの係合により、上下用および左右用ガイドおよび上下および左右調整板の位置を固定するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの袖壁を示す背面図、図2は図1のA部を示す拡大図、図3は図2のIII−III矢視断面図であり、図において図5および図6に示した従来技術と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
各図において、長方形のかご操作盤取付穴12が袖壁4の中央部に穿設されている。
一対の上下用ガイド13は、コ字形の枠状に形成され、その開口側が相対するように袖壁4の背面のかご操作盤取付穴12の上下に固着されている。各上下用ガイド13の内周側が袖壁4との間に隙間を形成するように成形されている。また、各上下用ガイド13の相対する内周辺上には、山形状の調整金17が固着されている。
また、一対の左右用ガイド14は、コ字形の枠状に形成され、その開口側が相対するように袖壁4の背面のかご操作盤取付穴12の左右に固着されている。各左右用ガイド14の内周側が袖壁4との間に隙間を形成するように成形されている。また、各左右用ガイド14の相対する内周辺上には、山形状の調整金17が固着されている。
【0010】
上下調整板15は、1辺を折り曲げたL字形をなし、その折り曲げ辺15aをかご操作盤取付穴12に向けて各上下用ガイド13の内周側と袖壁4との隙間に出し入れ自在に差し込まれている。一側に山形状のラッチ19を有するL字状の取付金18が該ラッチ19を外側に向けて各上下調整板15の左右両端に固着されている。そして、上下調整板15を上下用ガイド13の内周側と袖壁4との隙間に差し込んだ際に、ラッチ19の頂部が調整金17の谷部に入り込み、上下調整板15の位置が固定される。
また、左右調整板16は、1辺を折り曲げたL字形をなし、その折り曲げ辺16aをかご操作盤取付穴12に向けて各左右用ガイド14の内周側と袖壁4との隙間に出し入れ自在に差し込まれている。一側に山形状のラッチ19を有するL字状の取付金18が該ラッチ19を外側に向けて各左右調整板16の上下両端に固着されている。そして、左右調整板16を左右用ガイド14の内周側と袖壁4との隙間に差し込んだ際に、ラッチ19の頂部が調整金17の谷部に入り込み、左右調整板16の位置が固定される。
【0011】
このように構成されたかご操作盤取付構造では、上下調整板15は上下用ガイド13を案内にして上下方向にスライドでき、左右調整板16は左右用ガイド14を案内にして左右方向にスライドできる。この時、ラッチ19の頂部は、その弾性により、調整金17の山形状の頂部を乗り越えつつ移動する。そして、ラッチ19の頂部が調整金17の谷部に入り込み、上下調整板15および左右調整板16の位置が固定される。
【0012】
ここで、かご制御盤10の取り替え作業について説明する。
まず、既設のかご制御盤10を取り外した後、上下調整板15および左右調整板16を上下用ガイド13および左右用ガイド14を案内にしてスライド移動させ、上下調整板15および左右調整板16で形成される開口の大きさを新設のかご制御盤10のケース10bの大きさに合わせる。この時、ラッチ19の頂部が調整金17の谷部に入り込み、上下調整板15および左右調整板16の位置が固定され、開口の大きさが保持される。
ついで、新設のかご操作盤10のケース10bを上下調整板15および左右調整板16で形成される開口に挿入し、ケース10bに設けらた取付穴を上下調整板15および左右調整板16の折り曲げ辺15a、16aに設けられた取付穴15b、16bに合わせ、取付ネジおよびナット等の締着具11により締着固定する。その後、カバー10aをケース10bに取り付け、新設のかご操作盤10が袖壁4に取り付けられる。
ここで、かご制御盤10は上下および左右調整板15、16に締着具11により固定されているが、袖壁4には直接的に固定されていない。しかし、かご制御盤10の上下方向の移動は左右用ガイド14により阻止され、左右方向の移動は上下用ガイド13により阻止されており、かご制御盤10は袖壁4に固着状態で取り付けられることになる。
【0013】
このように、この実施の形態1によれば、新設のかご制御盤10の大きさに合わせて上下および左右調整板15、16をスライド移動させてかご制御盤取付穴12の大きさを調整できるので、袖壁4までも取り替えるような事態を回避でき、かご制御盤10の取り替えに伴う材料および人工費を低く抑えることができる、つまり少ない時間や労力、および費用で既設のかご制御盤から新設のかご制御盤に変更できる。
また、ラッチ19と調整金17との係合により上下および左右調整板15、16の位置を固定できるようにしたので、取り替え作業時に、上下および左右調整板15、16を支持することなくかご制御盤取付穴の大きさが維持され、取り替え作業性を向上させることができる。
【0014】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0015】
この発明によれば、かご室の袖壁の中央部に長方形に穿設されたかご制御盤取付穴と、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の上下にそれぞれ固着された一対の上下用ガイドと、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の左右にそれぞれ固着された一対の左右用ガイドと、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の上下用ガイドのそれぞれに上下方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の上下方向の長さを調整する一対の上下調整板と、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の左右用ガイドのそれぞれに左右方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の左右方向の長さを調整する一対の左右調整板とを備え、上記上下調整板および上記左右調整板を上下左右にスライド移動させて上記かご制御盤取付穴の大きさをかご制御盤のケースの大きさに合わせ、上記上下調整板および上記左右調整板の各折り曲げ辺に設けられた取付穴を用いて該かご制御盤のケースを固定するようにしたので、少ない時間や労力、および費用で既設のかご制御盤から新設のかご制御盤に変更できるエレベータのかご制御盤取付構造が得られる。
【0016】
また、上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との一方に山形の調整金が取り付けられ、上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との他方にラッチが取り付けられ、該調整金と該ラッチとの係合により、上下用および左右用ガイドおよび上下および左右調整板の位置を固定するようにしもの、かご制御盤の交換時にガイドや調整板を支持する必要はなく、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータの袖壁を示す背面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】エレベータのかご室を示す正面図である。
【図5】従来のエレベータのかご室の袖壁を示す背面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【符号の説明】
1 かご室、4 袖壁、10 かご制御盤、10b ケース、12 かご制御盤取付穴、13 上下用ガイド、14 左右用ガイド、15 上下調整板、15a 折り曲げ辺、15b 取付穴、16 左右調整板、16a 折り曲げ辺、16b 取付穴、17 調整金、19 ラッチ。
Claims (2)
- かご室の袖壁の中央部に長方形に穿設されたかご制御盤取付穴と、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の上下にそれぞれ固着された一対の上下用ガイドと、上記袖壁の背面の上記かご制御盤取付穴の左右にそれぞれ固着された一対の左右用ガイドと、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の上下用ガイドのそれぞれに上下方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の上下方向の長さを調整する一対の上下調整板と、取付穴が設けられた折り曲げ辺を有し、該折り曲げ辺を上記かご制御盤取付穴に向けて上記一対の左右用ガイドのそれぞれに左右方向にスライド移動可能に取り付けられ、上記かご制御盤取付穴の左右方向の長さを調整する一対の左右調整板とを備え、
上記上下調整板および上記左右調整板を上下左右にスライド移動させて上記かご制御盤取付穴の大きさをかご制御盤のケースの大きさに合わせ、上記上下調整板および上記左右調整板の各折り曲げ辺に設けられた取付穴を用いて該かご制御盤のケースを固定するようにしたことを特徴とするエレベータのかご制御盤取付構造。 - 上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との一方に山形の調整金が取り付けられ、上下用および左右用ガイドと上下および左右調整板との他方にラッチが取り付けられ、該調整金と該ラッチとの係合により、上下用および左右用ガイドおよび上下および左右調整板の位置を固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご制御盤取付構造。
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