JP3576921B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ装置などに用いられる原稿画像を読み取るための画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機やファクシミリ装置などでは、複写や送信を行う原稿の画像を読み取る画像読取装置を備えている。この画像読取装置は、光源からの光を原稿に照射し、その反射光の像を例えばCCDからなる撮像部により撮像するように構成されている。
【0003】
従来の画像読取装置では、読取可能な原稿の幅方向(主走査方向)の最大寸法がカバー可能な寸法の長尺の光源を備え、原稿ガラス上に原稿が静止した状態で当該光源を主走査方向に直交する副走査方向に移動させ、副走査方向に所定の微小間隔で、原稿からの反射光を主走査方向に順次または同時に撮像するような構成が採用されていた。
【0004】
これに対して、最近の画像読取装置では、シート状の原稿が複数枚ある場合に上記光源を原稿ガラス上に設けられた所定の読取位置近傍で静止させておき、その読取位置を通過するように原稿を上記副走査方向に搬送しつつ、所定の微小間隔で原稿からの反射光を上記主走査方向に順次または同時に撮像するような構成を備えたものが実用化されている。このような画像読取装置では、原稿が例えばブック型の場合には、光源を移動させる光源移動モードで原稿画像を読み取り、原稿がシート状の場合には、原稿を搬送する原稿搬送モードで原稿画像を読み取るように構成されている。
【0005】
この画像読取装置によれば、原稿搬送モードでは比較的重量の大きい光源は静止した状態で軽量のシート状原稿を搬送しているので、光源移動モードに比べて上記副走査方向における原稿に対する光源の相対移動速度を増大することができるため、原稿画像の読取速度を向上することができる。その結果、画像読取装置の占有時間が短縮することにより、複写機やファクシミリ装置の使い勝手を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、原稿に対する光源の相対移動速度が増大すると、原稿に照射される単位面積当たりの光量が低下するため、撮像部における受光光量が低下して原稿画像の読取が適正に行えなくなる虞がある。特に、カラー原稿を読み取るカラー画像読取装置の場合には、光量不足が画質の劣化に大きく影響する。従って、これを回避するためには光源の発光輝度を増大する必要がある。
【0007】
しかし、光源の発光輝度を増大すると、光源移動モードでは光量が適正光量より過大になる虞がある。そこで、光源移動モードと原稿搬送モードとで光源の発光輝度を切替可能にすると、光源の点灯回路などの構成が複雑化するため、装置のコスト上昇を招いてしまう。また、光源の発光輝度が増大すると発熱量も増大することになるが、原稿搬送モードでは光源が静止しているため、これによる光源近傍の温度上昇が問題になる虞がある。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するもので、光源移動モードと原稿搬送モードとを備えた画像読取装置において、原稿に対する光源の相対移動速度が増大する原稿搬送モードにおける光量不足を解消することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、装置本体上に固定された原稿ガラスと、
上記原稿ガラスに対して移動可能に配設され、主光源を有する光源ユニットと、
上記原稿ガラスに対して上記光源ユニットを移動させる光源移動手段と、
上記原稿ガラス上の所定の読取位置に原稿を搬送する原稿搬送手段と、
原稿読取モードとして、上記原稿ガラス上で静止された状態の原稿の画像を上記光源ユニットを移動させつつ読み取る光源移動モードと、上記光源ユニットが上記読取位置近傍で静止した状態で、上記原稿搬送手段によって上記読取位置に搬送されてくる原稿の画像を読み取る原稿搬送モードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、
上記原稿ガラス上で静止された状態の原稿又は上記原稿搬送手段によって上記読取位置に搬送されてくる原稿に対して、上記光源ユニットの主光源から照射された光の反射光を撮像する撮像手段と、
上記主光源を点灯して、上記モード設定手段によって設定された上記光源移動モード又は上記原稿搬送モードのいずれかで、上記撮像手段による撮像を行う読取制御手段と、
上記主光源からの光を上記読取位置に向けて反射する補助反射板を有し、上記光源ユニットとは別体として上記読取位置近傍に配設された補助光源ユニットと、
上記原稿ガラスの端部に配設されたシェーディング補正用基準データを取得するための標準板と、
上記撮像手段に上記標準板の撮像をさせてシェーディング補正用基準データを取得させる制御手段とを備え、
上記補助光源ユニットは、弾性部材によって上記光源ユニット側に付勢された状態で上記装置本体に移動可能に支持され、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードが設定されている場合には、上記読取位置近傍の静止位置にある上記光源ユニットの主光源からの光を上記補助反射板が上記読取位置に向けて反射し、上記モード設定手段によって上記光源移動モードが設定されている場合には、上記読取位置から離れた位置にある上記光源ユニットの主光源からの光を上記補助反射板が反射しない位置に配設されており、
上記光源ユニットが上記標準板側に移動するときには、上記光源ユニットの一部が上記補助光源ユニットに当接した状態となり、上記弾性部材による上記補助光源ユニットに対する上記光源ユニット側への押圧力でもって、上記光源ユニットと上記補助反射板の相対的な位置関係が保持され、
記制御手段は、上記撮像手段による上記原稿搬送モード用のシェーデング補正用基準データの取得を、上記光源ユニットが上記標準板側に移動し、上記光源ユニットの主光源からの光が上記補助反射板によって上記標準板に向けて反射される状態となっているときに行わせる画像読取装置である。
【0010】
この構成によれば、原稿読取モードとして光源移動モードが設定されたときは、原稿ガラス上で原稿が静止した状態で光源ユニットが移動し、主光源からの光が原稿により反射されて、この反射光が撮像手段により撮像される。
【0011】
一方、原稿読取モードとして原稿搬送モードが設定されたときは、原稿ガラス上の所定の読取位置近傍に光源ユニットが静止した状態で、原稿がこの所定の読取位置に搬送される。このとき、主光源からの光が直接原稿に照射されるとともに、主光源からの光が補助反射板で反射し、この反射光が原稿に照射され、双方の光が照射された原稿からの反射光が撮像手段により撮像される。
【0012】
従って、原稿搬送モードのときは、光源移動モードのときに比べて原稿に照射される光量が増大するため、原稿に対する光源の相対移動速度が増大しても、原稿の単位面積当たりの光量の低下が防止されるので、光量不足による画質の劣化が未然に防止されることとなる。
【0013】
なお、本明細書では、「原稿ガラス」は、ガラスに限られず、硬質合成樹脂などからなる透明体を含むものとする。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、上記原稿ガラスは、上記補助光源ユニット側とは反対側に配設され、上記モード設定手段によって上記光源移動モードに設定されている場合に、原稿が静止した状態で載置され、この載置された原稿の画像を上記撮像手段によって撮像するための第1原稿ガラスと、上記補助光源ユニット側に配設され、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードに設定されている場合に、上記原稿搬送手段によって搬送されてくる原稿に対する上記撮像手段による上記読取位置とされる第2原稿ガラスとからなり、
上記標準板は、上記第1原稿ガラスの端部と、上記第2原稿ガラスの端部とにそれぞれ配設された2つの標準板からなり、
記制御手段は、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードに設定されている場合には、上記光源ユニットが上記補助光源ユニット側に移動し、上記第2原稿ガラス端部に配設された標準板に向けて上記光源ユニットの主光源からの光が照射され、かつ上記光源ユニットの主光源からの光が上記補助反射板によって反射される状態で、この標準板を上記撮像手段により撮像させシェーデング補正用基準データを取得し、上記モード設定手段によって上記光源移動モードに設定されている場合には、上記光源ユニットが上記補助光源ユニットとは反対側方向に移動し、上記第1原稿ガラス端部に配設された標準板に向けて上記光源ユニットの主光源からの光のみが照射される状態で、この標準板を上記撮像手段により撮像させシェーデング補正用基準データを取得するものである。
【0015】
この構成によれば、シェーディング補正用基準データの取得時に、光源ユニットおよび補助反射板の位置関係を保持した状態で、第1原稿ガラス端部及び第2原稿ガラス端部に配設されたそれぞれの標準板に対して、光源ユニットおよび補助反射板を移動するので、上記原稿搬送モード及び光源移動モードのいずれの場合においても、原稿読取時における原稿に対する光量と、シェーディング補正用基準データの取得時における標準板に対する光量とが等しくなり、これによってシェーディング補正用基準データの取得が正確に行われることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る画像読取装置が適用される複写機の一実施形態の要部を示す構成図である。
【0017】
この複写機1は、例えば直方体形状の複写機本体2と、この複写機本体2上に配設された自動原稿搬送部3とを備え、原稿のカラー画像を転写紙に複写することができるカラー複写機である。
【0018】
複写機本体2は、その上面に配設され、例えばA3サイズの原稿が載置可能な長方形状の第1原稿ガラス4と、この第1原稿ガラス4の左方に配設され、紙面奥行き方向(主走査方向)の寸法が第1原稿ガラス4と同一の第2原稿ガラス5と、第1、第2原稿ガラス4,5の直ぐ下方に配設された画像読取部6(後述)と、この画像読取部6の下方に配設された像形成部7とを備えている。
【0019】
自動原稿搬送部3は、複写機本体2の上面の後端部(紙面奥側)に沿って設けられた回転軸(図示省略)を中心に回転して前端部(紙面手前側)が昇降可能に構成されており、原稿載置トレイ11、原稿排出部12、原稿載置トレイ11に積層載置されたシート状の原稿10(図3)を搬送し、第2原稿ガラス5上の所定の読取位置を通過させて原稿排出部12に積層排出する搬送ローラ13〜15(図3)、この搬送ローラ13〜15を回転駆動するモータなどからなる搬送駆動部16(図5)を備えている。
【0020】
また、この自動原稿搬送部3は、第1原稿ガラス4上に載置された原稿を押える原稿押えとしての機能を有している。
【0021】
そして、図1に示すように自動原稿搬送部3により複写機本体2の上面が閉じられた状態で、第1原稿ガラス4上に載置された原稿または第2原稿ガラス5上に搬送された原稿のカラー画像が画像読取部6により読み取られ、この読み取られたカラー画像が像形成部7により転写紙に複写されるように構成されている。
【0022】
次に、図1〜図3を用いて画像読取部6について説明する。図2は主光源の構成を示す斜視図、図3は図1の部分拡大図である。なお、図3では、説明の便宜上、自動原稿搬送部は搬送ローラのみを示している。
【0023】
図1において、画像読取部6は、主光源21および反射鏡22を備える光源ユニット23と、反射鏡24,25を備える反射鏡ユニット26と、結像レンズ部27と、撮像部28と、補助光源部29と、光源ユニット23および反射鏡ユニット26を連動して図中、左右方向に移動させる光源移動部30(図5)とを備えている。
【0024】
主光源21は、第1原稿ガラス4の主走査方向(図1中、紙面奥行き方向)の寸法より多少長尺で、第1原稿ガラス4または第2原稿ガラス5上の原稿に光を照射するものである。この主光源21は、例えば図2に示すように、内壁に蛍光体31が塗布されたガラス管32内に希ガス(本実施形態では例えばキセノン)が封入された蛍光ランプからなる。ガラス管32の外周には一対の電極33,34が互いに対向して印刷され、その外側には、所定の開口部35を除いて反射膜36が形成されており、この反射膜36により光が原稿に向けて効率良く照射されるようになっている。
【0025】
なお、上記開口部35の大きさは、第1原稿ガラス4または第2原稿ガラス5上の原稿に光を照射するとともに、補助光源部29の補助反射板41(図3)にも光を照射し得るように設定されている。また、本実施形態では、ランプ全体が透明の熱収縮チューブ37により覆われている。
【0026】
図1に戻り、撮像部28は、例えばCCDなどの光電変換素子が主走査方向に一列に配列されてなるラインセンサと、赤色波長、緑色波長、青色波長の光をそれぞれ透過する3個のフィルタとを備え、各色ごとに受光光量に応じたレベルの受光信号を出力するものである。結像レンズ部27は、原稿からの反射光を撮像部28の受光面に結像するものである。
【0027】
この構成により、主光源21からの光が原稿を照射すると原稿で反射され、その反射光は反射鏡22,24,25により反射され、結像レンズ部27により撮像部28の各光電変換素子に結像することとなる。なお、反射鏡ユニット26の移動量は、光源ユニット23の1/2にされており、これによって原稿から撮像部28までの光路長が一定に維持されている。
【0028】
補助光源部29は、図3に示すように、補助反射板41を有する補助光源ユニット42と、この補助光源ユニット42を支持する弾性部材43とからなる。補助反射板41は、例えば半球面の内壁に金属が蒸着されてなる反射鏡からなり、主光源21からの光を第2原稿ガラス5上の原稿に向けて反射するものである。弾性部材43は、一端が装置本体2に固定され、他端が補助光源ユニット42に固定されており、補助光源ユニット42を装置本体2に対して、図中、左右方向に移動可能に支持するものである。
【0029】
なお、図3に示すように、第2原稿ガラス5の左端部には、シェーディング補正用の標準白色板8が配設され、第1原稿ガラス4の左端部にも、シェーディング補正用の標準白色板9が配設されている。
【0030】
次に、図1、図3、図4を参照しながら、図5のブロック図を用いて、この複写機1の制御動作について説明する。図4はシェーディング補正用基準データの取得を行うときの状態を示す図1の部分拡大図、図5は複写機1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1、図3と同一物については同一符号を付している。
【0031】
図5において、主点灯回路51は、主光源21に発光のための駆動電流を供給するものである。第1原稿検出部53は、例えば光センサからなり、第1原稿ガラス4上の原稿の有無および原稿が載置されていればその原稿サイズを検出するものである。第2原稿検出部54は、例えば光センサからなり、自動原稿搬送部3の原稿載置トレイ11上の原稿の有無を検出するものである。
【0032】
操作部55は、複写機本体2(図1)の上面適所に配設され、複写動作の開始を指示するプリントキー61、複写倍率を設定する倍率設定キー、複写部数を設定するためのテンキー、その他の操作キーを備えている。
【0033】
メモリ部56は、撮像部28からの受光信号がディジタル値に変換された受光データや各種のデータを一時的に格納するRAMや、CPU57の制御プログラムを格納するROMからなる。
【0034】
CPU57は、プリントキー61が操作されると複写動作を開始するなど、複写機1全体の動作を制御するもので、機能ブロックとして、モード設定部71、読取制御部72、補正制御部73を備えている。
【0035】
モード設定部71は、第1、第2原稿検出部53,54による検出結果に基づき、原稿読取モードを設定するものである。この複写機1は、原稿読取モードとして、光源移動モードおよび原稿搬送モードを備えている。
【0036】
光源移動モードは、第1原稿ガラス4上に原稿が載置された状態で主光源21を移動させつつ原稿画像を読み取るモードである。一方、原稿搬送モードは、第2原稿ガラス5上の所定の読取位置近傍に主光源21が静止した状態で自動原稿搬送部3により原稿を上記読取位置に搬送しつつ原稿画像を読み取るモードである。
【0037】
そして、モード設定部71は、第1原稿検出部53により第1原稿ガラス4上に原稿が載置されていることが検出されると、光源移動モードに設定し、第2原稿検出部54により原稿載置トレイ11上に原稿が載置されていることが検出されると、原稿搬送モードに設定する。
【0038】
読取制御部72は、モード設定部71により設定された原稿読取モードに応じて、画像読取部6の各部の動作を制御するものである。
【0039】
すなわち、読取制御部72は、光源移動モードに設定されたときは、プリントキー61が操作されると、主点灯回路51により主光源21を点灯し、光源移動部30により光源ユニット23および反射鏡ユニット26を図1中、二点鎖線で示すホームポジションから右方に移動させる。
【0040】
そして、主光源21は、移動しつつ第1原稿ガラス4上に載置された原稿に光を照射し、撮像部28は、原稿からの反射光を撮像する。
【0041】
一方、原稿搬送モードに設定されたときは、読取制御部72は、以下の(1)〜(3)の動作を行わせる。
【0042】
(1)プリントキー61が操作されると、光源移動部30により光源ユニット23および反射鏡ユニット26を図3に示す(図1中、実線で示す)所定位置まで移動させる。このとき、光源ユニット23の当接部23aが補助光源ユニット42に当接し、弾性部材43の弾性力に逆らって、補助光源ユニット42が多少左方に移動する。
【0043】
(2)主点灯回路51により主光源21を点灯する。
【0044】
(3)搬送駆動部16を動作させて搬送ローラ13,14,15を回転させ、原稿10を原稿載置トレイ11から原稿排出部12に搬送する。このとき、原稿10は第2原稿ガラス5上の搬送ローラ14に対向する読取位置を通過する。
【0045】
そして、主光源21および主光源21からの光を反射する補助反射板41は第2原稿ガラス5上の読取位置を通過する原稿10に光を照射し、撮像部28は原稿10からの反射光を撮像する。
【0046】
補正制御部73は、画像読取部6により標準白色板8,9を読み取ったときの撮像部28からの受光データをメモリ部56に格納し、この受光データを用いてシェーディング補正を行うものである。
【0047】
この補正制御部73は、光源移動モードのときは光源ユニット23および反射鏡ユニット26をホームポジションに位置した状態で主光源21を点灯し、第1原稿ガラス4の左端部に配設された標準白色板9からの反射光を撮像部28により撮像する。
【0048】
一方、補正制御部73は、原稿搬送モードのときは、図4に示すように、光源ユニット23および反射鏡ユニット26を図3の所定位置からさらに所定距離だけ左方に移動して所定の補正位置に配置する。このとき、光源ユニット23の当接部23aが補助光源ユニット42に当接しているので、弾性部材43の弾性力に逆らって、補助光源ユニット42が上記所定距離だけ左方に移動する。そして、主光源21を点灯し、主光源21および補助反射板41からの光を標準白色板8に照射して、標準白色板8からの反射光を撮像部28により撮像する。
【0049】
ここで、光源ユニット23の当接部23aが補助光源ユニット42に当接した状態が維持されているので、原稿読取時とシェーディング補正用基準データ取得時とで、主光源21と補助反射板41との位置関係が等しいので、原稿10および標準白色板8の光量が等しくなり、シェーディング補正用基準データの取得が正確に行われることとなる。
【0050】
このように、本実施形態によれば、原稿読取モードとして原稿搬送モードが設定されたときは、主光源21からの光に加えて、主光源21からの光を補助反射板41により原稿に向けて反射するようにしているので、原稿に対する光量を増大することができ、これによって、原稿に対する光源の相対移動速度が増大しても、光量不足が生じることがなく、光量不足による画質の劣化を未然に防止することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、第2原稿ガラス5に標準白色板8を配設し、光源ユニット23を移動させることにより補助光源ユニット42を装置本体2に対して移動可能に配設しているので、カラー画像読取には必須のシェーディング補正用基準データの取得を行うことができる。
【0052】
このとき、弾性部材43の一端が固定された補助光源ユニット42に、光源ユニット23の当接部23aを当接させることで、弾性部材43の弾性力に逆らって、補助光源ユニット42の位置を規制しているので、原稿読取時とシェーディング補正時とで、主光源21と補助反射板41との位置関係を等しくすることができ、原稿10と標準白色板8との光量が等しくなることから、シェーディング補正を正確に行うことができる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、以下の変形形態を採用することができる。
【0054】
(1)上記実施形態では、カラー複写機としているが、これに限られず、白黒の複写機に適用することができる。この場合には、主光源21として、希ガス蛍光ランプに代えて、黄緑色の波長など特定の波長の光を出力する蛍光ランプを用いてもよい。
【0055】
(2)上記実施形態では、第2原稿ガラス5上に標準白色板8を配設しているが、これに限られない。図6は搬送ローラ14を標準白色板として共用した形態を示す図である。
【0056】
この形態における搬送ローラ14は、その表面を標準白色板と同一色に塗装したものである。この形態では、原稿読取時とシェーディング補正用基準データの取得時の位置が同一であるので、シェーディング補正用基準データの取得時に光源ユニット23および補助光源ユニット42を移動させることが不要になる。従って、上記実施形態のように補助光源ユニット42を装置本体2に移動可能に配設する必要がなく、図6に示すように装置本体2に固定しておけばよい。
【0057】
この形態によれば、標準白色板8が不要になるとともに、補助光源ユニット42を装置本体2に固定しておけばよいので、装置を構成する部品点数を削減することにより、構成を簡素化することができる。
【0058】
(3)上記実施形態では、複写機に適用しているが、これに限られず、ファクシミリ装置などの原稿画像を読み取る装置に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、原稿読取モードとして原稿搬送モードが設定されたときは、主光源からの光を補助反射板により原稿に向けて反射するようにしているので、光源移動モードのときに比べて原稿に照射される光量が増大するため、原稿に対する光源の相対移動速度が増大しても、原稿の単位面積当たりの光量の低下が防止されることから、光量不足による画質の劣化を未然に防止することができる。
【0060】
また、請求項2の発明によれば、シェーディング補正用基準データの取得を行うときに、光源ユニットおよび補助反射板の位置関係を保持した状態で、原稿ガラスの端部に配設された標準板側に光源ユニットおよび補助反射板を移動するので、原稿と標準板の光量が等しくなり、これによってシェーディング補正用基準データの取得を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置が適用される複写機の一実施形態の要部を示す構成図である。
【図2】主光源の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】シェーディング補正用基準データの取得を行うときの状態を示す図1の部分拡大図である。
【図5】複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】搬送ローラを標準白色板として共用した形態を示す図である。
【符号の説明】
2 装置本体
3 自動原稿搬送装置
4 第1原稿ガラス
5 第2原稿ガラス
6 画像読取部
8 標準白色板
10 原稿
13,14,15 搬送ローラ
16 搬送駆動部
21 主光源
23 光源ユニット
28 撮像部
41 補助反射板
57 CPU(読取制御手段)
71 モード設定部
72 読取制御部
73 補正制御部

Claims (2)

  1. 装置本体上に固定された原稿ガラスと、
    上記原稿ガラスに対して移動可能に配設され、主光源を有する光源ユニットと、
    上記原稿ガラスに対して上記光源ユニットを移動させる光源移動手段と、
    上記原稿ガラス上の所定の読取位置に原稿を搬送する原稿搬送手段と、
    原稿読取モードとして、上記原稿ガラス上で静止された状態の原稿の画像を上記光源ユニットを移動させつつ読み取る光源移動モードと、上記光源ユニットが上記読取位置近傍で静止した状態で、上記原稿搬送手段によって上記読取位置に搬送されてくる原稿の画像を読み取る原稿搬送モードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、
    上記原稿ガラス上で静止された状態の原稿又は上記原稿搬送手段によって上記読取位置に搬送されてくる原稿に対して、上記光源ユニットの主光源から照射された光の反射光を撮像する撮像手段と、
    上記主光源を点灯して、上記モード設定手段によって設定された上記光源移動モード又は上記原稿搬送モードのいずれかで、上記撮像手段による撮像を行う読取制御手段と、
    上記主光源からの光を上記読取位置に向けて反射する補助反射板を有し、上記光源ユニットとは別体として上記読取位置近傍に配設された補助光源ユニットと、
    上記原稿ガラスの端部に配設されたシェーディング補正用基準データを取得するための標準板と、
    上記撮像手段に上記標準板の撮像をさせてシェーディング補正用基準データを取得させる制御手段とを備え、
    上記補助光源ユニットは、弾性部材によって上記光源ユニット側に付勢された状態で上記装置本体に移動可能に支持され、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードが設定されている場合には、上記読取位置近傍の静止位置にある上記光源ユニットの主光源からの光を上記補助反射板が上記読取位置に向けて反射し、上記モード設定手段によって上記光源移動モードが設定されている場合には、上記読取位置から離れた位置にある上記光源ユニットの主光源からの光を上記補助反射板が反射しない位置に配設されており、
    上記光源ユニットが上記標準板側に移動するときには、上記光源ユニットの一部が上記補助光源ユニットに当接した状態となり、上記弾性部材による上記補助光源ユニットに対する上記光源ユニット側への押圧力でもって、上記光源ユニットと上記補助反射板の相対的な位置関係が保持され、
    記制御手段は、上記撮像手段による上記原稿搬送モード用のシェーデング補正用基準データの取得を、上記光源ユニットが上記標準板側に移動し、上記光源ユニットの主光源からの光が上記補助反射板によって上記標準板に向けて反射される状態となっているときに行わせる画像読取装置。
  2. 上記原稿ガラスは、上記補助光源ユニット側とは反対側に配設され、上記モード設定手段によって上記光源移動モードに設定されている場合に、原稿が静止した状態で載置され、この載置された原稿の画像を上記撮像手段によって撮像するための第1原稿ガラスと、上記補助光源ユニット側に配設され、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードに設定されている場合に、上記原稿搬送手段によって搬送されてくる原稿に対する上記撮像手段による上記読取位置とされる第2原稿ガラスとからなり、
    上記標準板は、上記第1原稿ガラスの端部と、上記第2原稿ガラスの端部とにそれぞれ配設された2つの標準板からなり、
    記制御手段は、上記モード設定手段によって上記原稿搬送モードに設定されている場合には、上記光源ユニットが上記補助光源ユニット側に移動し、上記第2原稿ガラス端部に配設された標準板に向けて上記光源ユニットの主光源からの光が照射され、かつ上記光源ユニットの主光源からの光が上記補助反射板によって反射される状態で、この標準板を上記撮像手段により撮像させシェーデング補正用基準データを取得し、上記モード設定手段によって上記光源移動モードに設定されている場合には、上記光源ユニットが上記補助光源ユニットとは反対側方向に移動し、上記第1原稿ガラス端部に配設された標準板に向けて上記光源ユニットの主光源からの光のみが照射される状態で、この標準板を上記撮像手段により撮像させシェーデング補正用基準データを取得する請求項1に記載の画像読取装置。
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