JP3576084B2 - 電磁波シールド扉のノブ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド扉のノブ構造に関し、詳しくは、電磁波シールド材を備える扉本体に、その室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸を取り付け、前記回転軸の両側に、ドアノブを一体に設けてある電磁波シールド扉のノブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図3に示すように、電磁波シールド扉は、扉枠体2に、扉本体1を縦軸周りに揺動操作して開閉自在となるように取り付け、扉本体1に、電磁波シールド材8を設けて構成されている。
そして、従来のノブ構造としては、扉本体1に、その室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸3を取り付け、回転軸3の両側に、ドアノブ4を一体に設け、回転軸3の回動にともなって、扉枠体2の閂穴へ閂を係脱自在とすることにより扉本体1を扉枠体2に固定自在とする閂機構7を、回転軸3に連繋した構成が採られている。
【0003】
ところが、電磁波シールド扉の電磁波シールド特性を向上させるために、扉本体1に備えさせる電磁波シールド材8の特性を向上させたり、扉本体1を閉じたとき、扉本体1と扉枠体2とに隙間が生じ難くしたりするなど、種々の改善策を行っても、実際には、それらの改善策の効果が期待したほど認められなかったため、調査したところ、次のような不具合が確認された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、ドアノブ付近から不要な電磁波が、侵入・漏洩していることが確認されたのである。
この原因としては、図3に示すように、従来のノブ構造では、扉本体1の室内に面する側から室外に面する側、つまり扉本体1の表裏面にかけて貫通する回転軸3と、扉本体1に設けられた電磁波シールド材8との間には、隙間があるため、それらが導電接続された状態を完全には維持し難く、室内外からの不要な電磁波が、ドアノブ4から回転軸3を介して電磁波シールド材8に誘導伝播されるのではなく、一方のドアノブ4から回転軸を介して他方のドアノブ4へ誘導伝播されて、室内外に侵入や漏洩し易いのではないかと推察される。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、不要な電磁波が室内外にかけて侵入や漏洩し難い、電磁波シールド扉のノブ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は図1,2に例示するごとく、電磁波シールド材8を備える扉本体1に、その室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸3を取り付け、前記回転軸3の両側に、ドアノブ4を一体に設け、前記回転軸3の回動にともなって、扉枠体2の閂穴5へ閂6を係脱自在とすることにより前記扉本体1を前記扉枠体2に固定自在とする閂機構7を、前記回転軸3に連繋してあり、前記電磁波シールド材8と前記回転軸3とに導電接続する導電接続部9を、前記回転軸3の回動を許容するように設けてある電磁波シールド扉のノブ構造であって、前記導電接続部9が、前記扉本体1から突出する筒状の電磁波シールド材30を備え、その筒状の電磁波シールド材30が、前記回転軸3の一部の周囲に隙間空間32を設けて位置し、前記筒状の電磁波シールド材30と前記回転軸3との隙間空間32に金属繊毛Mを充填してあるところにある。
請求項2記載の発明の特徴構成は図2に例示するごとく、前記筒状の電磁波シールド材30の平板状端部31が、前記扉本体1の電磁波シールド材8との間に隙間空間33を設けて向かい合っていて、前記平板状端部31と前記扉本体1の電磁波シールド材8との隙間空間33に金属繊毛Mを充填してあるところにある。
【0007】
扉本体に備えられた電磁波シールド材と、扉本体の室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸と、の両方に導電接続することができる導電接続部を設けてあるので、かかる導電接続部を介して電磁波シールド材と回転軸との間に、安定した導電接続を維持することができる。
よって、扉本体の室内外面から、不要な電磁波が一方のドアノブから回転軸にかけて誘導伝播されてきたとしても、その電磁波は、導電接続部を介して、導電接続された電磁波シールド材に優先的に誘導伝播され、他方のドアノブまで誘導伝播され難くなる。従って、ドアノブや回転軸を介して、不要な電磁波が室内外にかけて侵入したり、漏洩したりし難くすることができる。
【0008】
しかも、かかる導電接続部は、回転軸の回動を許容するように設けてあるから、回転軸の回動にともなって、扉枠体の閂穴へ閂を係脱自在とすることにより扉本体を扉枠体に固定自在とする閂機構の機能を阻害することもない。
よって、扉本体を開閉自在、且つ、扉本体を扉枠体に固定することができるので、扉本体を閉じたときに、扉本体と扉枠体とに隙間が生じ難くしたり、扉本体と扉枠体とを導電接続して電磁波シールドを形成したりして、電磁波の侵入や漏洩をより完全に防止できるようになる。
【0010】
扉本体の表裏面を貫通する回転軸を扉本体に取り付けることによって、形成される回転軸と扉本体との隙間空間に、金属繊毛を充填するので、扉本体に備えさせてある電磁波シールド材と回転軸とを、金属繊毛を介して導電接続することができる。また、回転軸を回動させたとしても、その回動にともなって、金属繊毛はその形態を変形させたり、位置を移動させたりしながら、かかる導電接続を確実に維持することができる。
よって、電磁波シールド材と回転軸とに導電接続する導電接続部を、回転軸の回動を許容するように、簡便に設けることができ、ドアノブや回転軸を介して、不要な電磁波が室内外に侵入したり、漏洩したりし難くすることができるようになる。
尚、本発明において金属繊毛とは、微細な金属線を綿状に絡めたものを意味する。
【0011】
また、かかる隙間空間に金属繊毛を充填してあるから、隙間空間へ侵入したり漏洩した不要な電磁波をも、金属繊毛から、金属繊毛と導電接続された電磁波シールド材に優先的に誘導伝播されるようになり、さらに電磁波シールドを確実なものとすることもできる。
【0012】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には、一例として、電磁波シールド室の出入口に取り付けてある、本発明に係るノブ構造を備える電磁波シールド扉の縦断面図を示してあり、そして、その電磁波シールド扉の平面図を図2に示してある。
【0014】
図1,2に示すように、電磁波シールド扉は、扉本体1を、縦軸周りに揺動操作して開閉自在となるように、扉枠体2に取り付けて構成され、扉本体1に、その室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸3を取り付け、回転軸3の両側に、ドアノブ4を一体に設け、回転軸3の回動にともなって、扉枠体2の閂穴5へ閂6を係脱自在とすることにより扉本体1を扉枠体2に固定自在とする閂機構7を、回転軸3に連繋してあり、電磁波シールド材8と回転軸3とに導電接続する導電接続部9を、回転軸3の回動を許容するように設けてある。
【0015】
前記扉本体1は、図1に示すように、木製の芯部材10の外周面に、電磁波シールド層として、略ロの字状の縦断面形状をした電磁波シールド材(例えば、金属板(鋼板、亜鉛板、アルミ板等)などの導電性材料からなる)8を取り付け、その電磁波シールド材8の上から、木製の表面化粧部材11A,11Bを設けて、扉本体1に入射してくる不要な電磁波の侵入や漏洩を防止することができるように構成してある。
【0016】
そして、扉本体1の上端面部や下端面部には、電磁波シールド材8と導電接続する電磁波シールド構造を設け、扉枠体2との隙間からの不要な電磁波の侵入や漏洩を防止できるように構成してある。
例えば、かかる電磁波シールド構造は、図1に示すように、扉本体1の上端面部や下端面部は、略横L字状の縦断面形状に切り欠き、夫々において、次のように電磁波シールド材8の上下端と導電接続する電磁波シールド構造を設けて、構成してある。
【0017】
まず、扉本体1の上端面部の電磁波シール構造について、簡単に説明する。
【0018】
扉本体1の上端面部には、アルミ製(導電性材料の一例)の電磁波シールド材12を電磁波シールド材8の上端にビス止めにより取り付けてある。そして、扉枠体2における、電磁波シールド材12との戸当たり箇所には、ブラシ(モヘヤ)形状の導電性を有する接触部材13を、その扉枠体2内に設けられた金属板等の導電性材料からなる電磁波シールド材14に設けてある。よって、扉本体1の開閉に伴って、その電磁波シールド材12の先端が、接触部材13を介して電磁波シールド材14と導電接続するように構成してある。
これにより、扉本体1を閉じた状態では、電磁波シールド材8,14が電磁波シールド材12と接触部材13とを介して導電接続するので、扉本体1の上端面部付近からの不要な電磁波の侵入や漏洩を防止する電磁波シールドを行うことができる。
【0019】
また、図1に示すように、扉本体1の電磁波シールド室外に面する面の上辺部分15に、電磁波吸収構造を設けておいても良い。
つまり、表面化粧部材11Aの上辺部分15を凹溝状に切り欠き、コの字状の縦断面形状の金属板(例えば、ステンレス板等)16を、電磁波シールド材8に固定し形成される凹溝部に、電磁波吸収材17(焼結フェライト、ゴムフェライト等)を埋め込んである。さらに、扉本体1を閉じたときに、その上辺部分15と対面する扉枠体2の戸当たり箇所18にも、同様に、凹溝状に切り欠き、コの字状の縦断面形状の金属板(例えば、ステンレス板等)19を、電磁波シールド材14に固定し形成される、凹溝部に、電磁波吸収材20(焼結フェライト、ゴムフェライト等)を埋め込んである電磁波吸収構造を設けてある。
すると、上述した扉本体1の上端面部付近の電磁波シールド構造から漏洩してくる電磁波があったとしても、かかる電磁波吸収構造により吸収され、またその電磁波シールド構造へ侵入する電磁波を、その侵入の前にある程度吸収することもでき、より不要な電磁波の侵入や漏洩を防止することができるようになる。
【0020】
次に、扉本体1の下端面部の電磁波シール構造について、簡単に説明する。
【0021】
長尺のアルミ製金属部材21の一方の表面に下向き略凸状の縦断面形状のあり溝22を長手方向に設けて形成し、その金属部材21の他方の表面、すなわちあり溝22がない方の底面側を、扉本体1の下端面部、すなわち電磁波シールド材8の下端に、ビス止めにより固定接続して、あり溝22が、扉本体1の横端面に嵌入口を有し、扉本体1の下端辺に沿うように構成してある。そして、そのあり溝22に嵌入自在な拡大頭部を上側部に有する長尺部材23を、あり溝22に嵌入口から挿脱自在に装着すると共に、長尺部材23の下側部には、扉本体1の開閉に伴って、扉枠体2の敷居部24と摺接するブラシ(モヘア)状の導電性を有する材料からなる導電接触部材25を設けて構成してある。
よって、電磁波シールド材8の下端と、金属部材21と、長尺部材23と、導電接触部材25と、敷居部24とを導電接続することができ、電磁波シールド扉本体1の下端面部付近からの不要な電磁波の侵入や漏洩を防止する電磁波シールドを行うことができる。
【0022】
以上のように構成してあるので、扉本体1を閉じたときには、電磁波シールド扉の、上端付近から下端付近に至るまで、導電接続する各種導電性部材により電磁波シールドを形成し、不要な電磁波の侵入や漏洩を防止することができる。
【0023】
それでは、以下に、扉本体1に設けてある、本発明に係るノブ構造について詳述する。
【0024】
図2に示すように、扉本体1は、開口側の横周辺の戸当たり箇所の横に、室外側に向けて凸状に突出する凸部26を設けてあり、その凸部26に本発明に係るノブ構造が設けてある。
前記凸部26は、木製の枠材27と木製の表面化粧部材28とからなり、表面化粧部材11Aに一体に取り付けて構成してある。尚、扉本体1を閉じたときに、扉本体1が行き過ぎないように、扉枠体2の室外側側面に、戸当たり部34を設けてある。
【0025】
そして、前記表面化粧部材28から表面化粧部材11A、そして11Bにかけて貫通するように、つまり扉本体1の突出した部分においてその表裏面を貫通するように断面形状が角状の回転軸3を設けてあり、この回転軸3は、扉本体1の表裏面すなわち、表面化粧部材11B,28に固定された固定金具29に軸受けされ、さらに回転軸3の両側にドアノブ4を一体に設けてある。また、回転軸3には、その角棒状の回転軸3の回動に伴って、閂6が、凸部26の横端面に向かい合う扉枠体2の室内側において開口した閂穴5へ係脱自在に差し込まれる閂機構7を連繋してあり、ドアノブ4を把持して、回転軸3を回動操作することにより、扉本体1を扉枠体2に固定自在とすることができるように構成してある。
【0026】
さらに、図2に示すように、前記凸部26内には、その内部を貫通する回転軸3に沿って、その回転軸3の一部の周囲に位置するように、導電性材料(例えば、金属板、導電性プラスチックなど)からなる筒状の電磁波シールド材30を設けてある。尚、回転軸3と電磁波シールド材との間には、回転軸3の回動を許容するように十分な隙間空間32を設けてある。
しかも、この電磁波シールド材30は、回転軸3と向かい合うだけでなく、電磁波シールド材8とも向かい合うように、表面化粧部材11A側の端部31が略L字状の断面形状となる平板状に形成してあり、その電磁波シールド材30の平板状端部31と、電磁波シールド材8とが向かい合った箇所における、表面化粧部材11Aは一部切り欠き、電磁波シールド材30と、電磁波シールド材8間に、隙間空間33を設けてある。
【0027】
このようにして形成される、回転軸3と扉本体1の隙間空間32,33に、金属繊毛(例えば、ステンレス繊毛等)Mを充填することによって、電磁波シールド材8と回転軸3とに導電接続する導電接続部9を、回転軸3の回動を許容するように設けてある。
つまり、回転軸3を回動させたとしても、その回動にともなって、金属繊毛Mは、隙間空間32,33内にて、その形態を変形させたり、移動したりしながらも、回転軸3と電磁波シールド材30と、そして、電磁波シールド材8とは、常時、接触した状態を維持している。よって、常時、回転軸3の回動は許容されており、しかも、回転軸3は、金属繊毛Mや電磁波シールド材30を介して、電磁波シールド材8と電気的に導電接続された状態を維持している。
尚、電磁波シールド8と電磁波シールド材30の平板状端部31とを、固定接続して、直接接触させるように構成してあってもよいが、上述のように、図2に示す如く、隙間空間33を形成し、金属繊毛Mを充填してある方が、凸部26の固定や固定金具29の固定による押圧作用により、電磁波シールド材8と平板状端部31が、金属繊毛Mを挟んで向かい合った状態で押圧されて、より良好な導電接続を維持することを期待することもでき、より好ましい。
【0028】
従って、回転軸3と電磁波シールド8は、常に、導電接続した状態を維持するように構成してあるので、ドアを閉めた状態では、かかる電磁波シールド機能により、ドアノブや回転軸を介して、不要な電磁波が室内外に誘導伝播され侵入・漏洩し難くすることができる。
【0029】
尚、本発明に係るノブ構造は、以上のように構成してあるので、先の課題を解決する手段の欄で述べた作用効果に加えて、以下のような作用効果を奏することを期待することもできる。
【0030】
つまり、回転軸3の回動操作を繰り返すうちに、金属繊毛Mの摩耗や変形等により導電接続の効率が低下した場合でも、凸部26を表面化粧部材11Aから取り外し、金属繊毛Mを交換するなどして、簡便にメンテナンスを行うことができ、回転軸3が電磁波シールド材8と良好に導電接続した状態を維持することができる。
また、かかるノブ構造を有していない従来のような扉本体1であっても、図2に示すように、筒状の電磁波シールド材30の平板状端部31と、その扉本体1に備えられた電磁波シールド材8とが導電接続するように扉本体1を改良し、凸部26を一体に取り付けるだけで、簡便に、回転軸3やドアノブ4からの電磁波の侵入・漏洩を防止することができるようにもなる。
因みに、前記電磁波シールド材30の筒状部の断面形状が、表面化粧部材11Aから表面化粧部材28にかけて、テーパー状に形成してあれば、金属繊毛Mが、回転軸3の回動にともなって、変形したり、移動したりしても、筒状部から閂機構7のある方向等に向かって抜け出したりし難くなり、より良好な電気的な導電接続を維持することができるようになって、より好ましい。
尚、電磁波シールド材30は、表面化粧部材11Bから表面化粧部材28に達するまで設けてあってもよく、それらの扉本体1の厚み方向への長さは、夫々、電磁波シールドの必要に応じて適宜設定すればよい。
【0031】
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉先の実施形態では、図2に示すように、導電接続部9は、回転軸3と扉本体1の隙間空間32,33に金属繊毛Mを充填することによって構成してある例を示したが、そのようなものに限らず、導電接続部9は、電磁波シールド材8と回転軸3とに導電接続するとともに、回転軸3の回動を許容するように構成してあればよく、例えば、回転軸3にボールベアリング機構を備えさせて、かかる導電接続部9を設けてあってもよい。
この場合でも、ボールベアリング機構により、常時、その回転軸の回動を許容するとともに、扉本体に備えてある電磁波シールド材と接触した状態を維持することができる。尚、回転軸3は、ボールベアリング機構を介して、電磁波シールド材と導電接続していなければならないので、ボールベアリング機構に絶縁物である潤滑油(例えば、グリース等)を備えさせるのは好ましくない。
【0032】
〈2〉先の実施形態では、図2に示すように、回転軸3と扉本体1との隙間空間32,33に、導電接続部9を設ける構成を例示したが、導電接続部9を設ける箇所はかかる隙間空間32,33に限定されるものではない。例えば、回転軸3を固定する固定金具29と表面化粧部材11Bとの間に形成される隙間空間に、導電接続部9を設けてあってもよい。
この場合、かかる固定金具29が、樹脂等の絶縁性部材からなるものであっても、回転軸3とドアノブ4と電磁波シールド材8とが、良好に導電接続された状態を維持し、しかも、その固定金具29と表面化粧部材11B間に侵入する電磁波を電磁波シールド材8に誘導伝播させて、所望の電磁波シールド効果を得ることができる。
【0033】
〈3〉閂機構7は先の実施形態で説明したに限らず、その他の周知技術を採用しても勿論よく、例えば、扉本体1を閉めるとラッチボルトが受座の穴に滑り込んで自動的に扉本体1が扉枠体2に施錠固定されるようなラッチロック式のものなどでもよい。尚、扉本体1の表裏面を貫通する回転軸3が、かかる閂機構7を備えていない場合や、また、回転軸3に限らず、扉本体1の表裏面(室内面から室外面)を貫通するその他の貫通軸等の端部に何らかの回転操作部を設けてある場合などでも、上述した本発明に係るノブ構造を応用し、回転軸や貫通軸等を介して室内外に不要な電磁波が侵入・漏洩し難くすることができるのはいうまでもなく、例えば、室内側からは鍵を用いずにひねり金具を指でつまんで回し施錠自在となるように構成されている、いわゆるサムターンなどにも応用できるものである。
【0034】
〈4〉本発明に係るノブ構造を備えた電磁波シールド扉は、先の実施形態で説明した電磁波シールド室に限らず、電磁波の遮蔽を行う必要があるその他の出入口等に設けても勿論よい。
【0035】
〈5〉扉本体1は、先の実施形態で説明した木製の芯部材10の外周面に、電磁波シールド材8を取り付け、そして、その電磁波シールド材8の上から、木製の表面化粧部材11A,11Bを設けてあるものに限るものではなく、例えば、木製の芯部材10の外周面に電磁波シールド材を設けたものや、単に金属製のものでもよく、その他の公知のものでもよい。また、扉の開閉形式は、扉本体1を縦軸周りに揺動操作して開閉自在となる形式の電磁波シールド扉に限らず、両開き形式等のものでもよい。
【0036】
〈6〉尚、本発明において扉とは、戸の一種であり、部屋等の出入口に用いられるもの限らず、勿論窓にも用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノブ構造を備えた電磁波シールド扉の縦断面図
【図2】本発明に係るノブ構造を備えた電磁波シールド扉の平面図
【図3】従来のノブ構造を示す説明図
【符号の説明】
1 扉本体
2 扉枠体
3 回転軸
4 ドアノブ
5 閂穴
6 閂
7 閂機構
8 電磁波シールド材
9 導電接続部
30 筒状の電磁波シールド材
31 筒状の電磁波シールド材の平板状端部
32 隙間空間
33 隙間空間
M 金属繊毛
Claims (2)
- 電磁波シールド材を備える扉本体に、その室内に面する面側から室外に面する面側にかけて貫通する回転軸を取り付け、前記回転軸の両側に、ドアノブを一体に設け、前記回転軸の回動にともなって、扉枠体の閂穴へ閂を係脱自在とすることにより前記扉本体を前記扉枠体に固定自在とする閂機構を、前記回転軸に連繋してあり、
前記電磁波シールド材と前記回転軸とに導電接続する導電接続部を、前記回転軸の回動を許容するように設けてある電磁波シールド扉のノブ構造であって、
前記導電接続部が、前記扉本体から突出する筒状の電磁波シールド材を備え、その筒状の電磁波シールド材が、前記回転軸の一部の周囲に隙間空間を設けて位置し、前記筒状の電磁波シールド材と前記回転軸との隙間空間に金属繊毛を充填してある電磁波シールド扉のノブ構造。 - 前記筒状の電磁波シールド材の平板状端部が、前記扉本体の電磁波シールド材との間に隙間空間を設けて向かい合っていて、前記平板状端部と前記扉本体の電磁波シールド材との隙間空間に金属繊毛を充填してある請求項1記載の電磁波シールド扉のノブ構造。
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