JP3574781B2 - 磁気分離装置及び浄水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気分離により汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を含む被処理水を浄化する磁気分離装置及び磁気分離を使用した浄水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、流体中に混在する汚濁物質を浄化する技術に磁気分離技術があり、この種の磁気分離技術を応用して、海、河川、貯水池等の被処理水を連続的に浄化する装置として、例えば特開昭59−371号公報に記載されている高勾配磁気フィルタを用いた磁気分離装置が公知である。
【0003】
この磁気分離装置では、水処理する原水を磁気分離工程へ送水する前処理工程として、原水取水後に例えば四三酸化鉄等の磁性粉と凝集剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニウムを加えて撹拌することにより、原水中の固形浮遊物や藻類、菌類、微生物を、凝集剤によって磁性粉と結合させ、コロイド状の多数の磁性を持った磁性凝集体、即ち磁性物質とした後、これらの磁性物質を磁気分離部を通過させる際に、磁気分離部に吸引させて原水中から分離している。
【0004】
また回転移動する円盤形状のマトリックス群を備えた磁気分離装置として、例えば特開平10−118424号公報に記載されたものがある。
前記公報の磁気分離装置は、円盤形のマトリックス群を連続的あるいは断続的に回転移動させることにより、被処理水を停止させることなく、吸着、逆洗浄の連続運転を可能にするもので、強磁場空間外に出た吸着マトリックスを逆洗浄水及び洗浄用空気を注入して一気に吸着マトリックスの洗浄を行うと共に、空芯電磁石に超電導コイルを用いることにより、高速浄化が行えるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方円盤形マトリックス群を回転移動させて高勾配磁気分離を連続的に行う場合、高い分離性能を維持するためには、マトリックス群に吸着された分離対象物の洗浄を効率よくかつ確実に行う必要があるが、前記特開昭59−371号公報に記載された高勾配磁気フィルタを用いた磁気分離装置では、分離速度の高速化を図るためマトリックス群の充填率を高くすると、洗浄の効率が低下してしまうなど問題がある。
【0006】
また磁性体であるマトリックス群自体が磁気吸引力を受けるため、堅牢な支持構造物に支持させて、マトリックス群を回転移動できる構造とする必要があるが、前記特開平10−118424号公報に記載された円盤形のマトリックス群を備えた磁気分離装置により水の高速浄化を実施しようとした場合、堅牢な支持構造物を得るために補強部材を多用する必要があり、その結果補強部材により被処理水の流路抵抗が増大して分離性能が低下するなどの問題がある。
【0007】
本発明かかる従来の問題点を改善するためになされたもので、分離速度を高速化する際の洗浄効率の低下や、マトリックス群支持構造物の補強部材による分離性能の低下などを解消した磁気分離装置及び磁気分離装置を使用した浄水装置を提供して、分離速度の高速化と分離性能の向上を図ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の磁気分離装置は、汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を含んだ被処理水を下方より導水する通水管の外周側面に、空心ソレノイド形マグネットを設け、前記空心ソレノイド形マグネットの上方に、前記被処理水中の磁性凝集体を吸着する回転円盤形磁気フイルタを設置すると共に,前記回転円盤形磁気フイルタの近傍に、前記回転円盤形磁気フイルタに吸着された磁性凝集体を洗浄する洗浄手段を設けた磁気分離装置であって、前記回転円盤形磁気フイルタを、回転軸を中心に放射方向に配設された複数の仕切板と、円周方向に複数分割され、かつ前記仕切板の間に着脱自在に収容された網目構造磁性体よりなるマトリックス群より構成したものである。
【0010】
前記目的を達成するため本発明の磁気分離装置は、マトリックス群を支持する支持構造物の補強部材として前記仕切板を利用したものである。
【0011】
前記目的を達成するため本発明の浄水装置は、汚濁物を含んだ原水を取水する取水手段と、前記取水手段が取水した原水に凝集剤を注入する添加剤注入手段と、前記凝集剤の注入により汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、前記磁性凝集体を含んだ原水から前記磁性凝集体を分離、濃縮する磁気分離手段と、前記磁性凝集体が除かれた原水を浄化水として放流する浄化水放流手段と、前記濃縮された磁性凝縮体を磁性粉と汚濁物の汚泥とに分離し、磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段とを具備した浄水装置であって、前記磁気分離手段を、前記請求項1または2に記載の磁気分離装置により構成したものである。
【0012】
前記構成により、回転円盤形磁気フイルタに設けられた仕切板は、被処理水の通過方向と平行しているため、回転円盤形磁気フイルタ内を通過する被処理水の流路抵抗が減少し、これによって回転円盤形磁気フイルタの分離性能が格段に向上すると共に,マトリックス群に吸着された磁性凝集体を洗浄する洗浄手段の洗浄水が仕切板により整流されて、マトリックス群の横方向へ逃げることがないので洗浄効率が向上するため、小さな洗浄エネルギーにより磁性凝集体の洗浄が可能となり、洗浄に使用する洗浄水の大幅な削減が図れるようになるようになる。
【0013】
また円周方向に複数分割されたマトリックス群の単体は軽量となるため、交換などの作業が容易となり、これによってメンテナンス性が向上すると共に,マトリックス群の一部が使用不能になっても、その部分を交換すればよいので、フイルタ全体を交換する場合にくらべて大変経済的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、図3にに示す図面を参照して詳述する。
図1は仕切板により周方向に分割される回転円盤形磁気フィルタの一部切欠斜視図、図2は図1に回転円盤形磁気フィルタを使用した磁気分離装置を示す縦断面図、図3は図2に示す磁気分離装置を使用した浄水装置の構成図である。
【0015】
図1に示す回転円盤形磁気フィルタ1は、網目構造磁性体のマトリックス群3と、マトリックス群3を支持する支持構造物2a,2bと、仕切板4及び回転軸5で構成されている。
回転円盤形磁気フィルタ1の支持構造物2a,2b間は、例えば24枚の仕切板4によって周方向に複数分割されていて、これら仕切板4の間に網目構造磁性体よりなるマトリックス群3が着脱自在に収容されており、マトリックス群3が仕切板1で分割されることにより、洗浄手段によりマトリックス群3に与えられる洗浄エネルギーは洗浄方向以外への分散が仕切板4により抑制されるため、その分洗浄エネルギーが有効に働く上、洗浄水が整流されるため、洗浄効率が向上する。
【0016】
また分割されたマトリックス群3は、分割単位毎に一体となるように組み立てることができるため、着脱が容易でメンテナンス性に優れた構造になっていると共に、洗浄方向及び被処理水通過方向は、回転軸5と平行する下向き、または上向きとなっており、洗浄には水の噴流や気泡による洗浄手段を用いて実施している。
仕切板4は支持構造2a,2bと一体に形成されていて、マトリックス群3に働く磁気吸引力に対する補強部材としても機能しており、仕切板4の形状は板状となっていて、被処理水の通過方向に対して平行するよう配置されるため、被処理水の流路抵抗が小さくなって分離性能を低下させない構造になっている。
【0017】
なお本実施の形態では、仕切板4を被処理水の通過方向と平行に配置する例について説明しているが、仕切板1を回転方向に若干傾けて配置することにより,分離対象物の洗浄回収効率をさらに向上させることができる。
また回転円盤形状磁気フィルタの回転軸5は、およそ1rpmの回転速度で回転するため、仕切板4の移動によって被処理水に若干の遠心力が発生するが、この遠心力は支持部材2aの存在によって抑止されるので、分離性能に影響を及ぼすことはない。
【0018】
さらに個々のマトリックス群3は支持構造物2a,2bに固定手段により固定支持されており、固定手段としてはボルト、ナットあるいはクランプによる挟み込みなどが使用されている。
また仕切板4の枚数は、24枚に限定されることはなく、処理条件に応じて任意の枚数で製作してもよい。
【0019】
一方図2は、空心ソレノイ形マグネット17を鉛直に配置した磁気分離装置を示すもので、図1で説明した回転円盤形磁気フィルタ1のマトリックス群3を空心ソレノイド型マグネット17の上方に設置して、電動機19により中心軸5を回転することにより、被処理水の連続処理を可能にした構成となっており、回転円盤形磁気フィルタ1が真空断熱容器18に格納された液体ヘリウム冷却式超電導マグネット17aの空心軸の上側延長上に配置されている。
回転円盤形磁気フィルタ1は、超電導マグネット17aの上下両側に各1個ずつ合計2個配置することも可能であるが、片側1個でも十分に機能するので、本実施の形態では片側のみ配置しており、片側とすることで構造は簡素化されている。
【0020】
また超伝導マグネット17aの上側だけに配置すれば、超電導マグネット17aのマトリックス群3に対する磁気吸引力を超電導マグネット17aの自重とバランスさせて、真空断熱容器18内に設けられている超電導マグネット17aの支持構造に加わる支持力を低減できるので、支持構造が簡素化され、イニシャルコストを低減することができる。
さらに図示していないが、超電導マグネット17aには電源と永久電流スイッチが接続されており、永久電流モードでの運転により、ランニングコストの低減も可能である。
【0021】
前記磁気分離装置には、前処理で生成された磁性凝集体を含む被処理水22が、超電導マグネット17aのボア内を通る通水管24内に下側21から流入して上向きに流れ、空心軸の上側延長上に配置された回転円盤形磁気フィルタ1に装着されたマトリックス群3を通過する際、被処理水22中の磁性凝集体がマトリックス群3に吸着されて浄化され、浄化水は浄化水流出口23から流出するようになっている。
この時、マトリックス群3に磁気吸引される磁性凝集体には、最も磁気力の強い超電導マグネット17aの中心部からの磁気吸引力、すなわち被処理の流れ方向に対する磁気ブレーキがはたらいて、マトリックス群3での磁気分離性が向上するため、その分被処理水の流速を速くすることができると共に、磁性凝集体を吸着したマトリックス群3が装着された回転円盤形磁気フィルタ1は、電源に接続された電動機19の駆動力を受けて回転軸5を中心に回転し、通水管24側で磁性凝集体を吸着したマトリックス群3は通水管24側とは反対側の洗浄手段20に移動する。
【0022】
洗浄手段20では、回転円盤形磁気フィルタ1の下側に配置された散気管34から圧縮空気を噴出することにより、マトリックス群3に付着した磁性凝集体などの粒子群を剥離させるが、洗浄手段20の磁場強度は真空断熱容器18の外周に設けられた鉄シールド44によって低減されているため、マトリックス群3に付着した磁性凝集体などの粒子群を容易に剥離することができる。
なお鉄シールド44の代わりに、主コイルの外側に、主コイルと反対方向に巻いた副コイルを設けて磁気シールドするアクティブシールドを用いるようにしてもよい。
【0023】
洗浄手段20の散気管34から噴出された空気は、空気溜め30で一旦保持された後、空気抜き弁33から大気に放出されるが、このとき空気溜め30に気液界面ができるため、界面計31と空気抜き用電磁弁32などを設けて流動させることにより、界面を一定の高低差に維持しているが、空気溜め30の高さを浄化水流出口23よりも十分高くして大気へ放出すれば界面計31、電磁弁32、空気抜き弁33がなくても支障はない。
空気溜め30の下部には、洗浄時にマトリックス群3から剥離して浮遊する粒子群が空気溜め中に進入するのを防ぐために、多孔板28が設けられており、洗浄部でマトリックス群3から剥離した粒子群は洗浄部下部の集泥容器29で集泥された後、送泥管37を通って濃縮槽38に流下し、濃縮槽38で沈降濃縮された汚泥40は、汚泥引抜き口41から引抜き排出される。
【0024】
また濃縮槽38の上部に設けられたオーバーフロー取出し口39からは、粒子群が沈降分離された上澄水を取出すことができると共に、集泥容器29から濃縮槽38への流下量は、オーバーフロー調整弁43の調整と汚泥引抜き口41からの引抜き量の調整により調節が可能になっており、集泥容器29の側壁の傾斜角度は、沈降する粒子の安息角よりも大きな角度をとってあるので、粒子群が堆積することはなく、濃縮槽38の底部も濃縮粒子の安息角より大きな角度をとることにより、汚泥引抜き口41から随時濃縮汚泥を取り出すことができる。
【0025】
一方円盤形磁気フィルタ1は固定のフィルタケース42の中に格納され、外部への水密は隔壁によって保たれているが、円盤型磁気フイルタは中心軸5を中心に変速可能な電動機19の駆動力により連続または断続で回転できるようになっており、中心軸5がフィルタケース43を貫通する部分は、図示しない軸封機構により水漏れのない構造になっている。
【0026】
なお電動機19を超電導マグネット17から距離を離して設置し、例えばチェーンやベルトやシャフトなどを介して回転軸5を駆動するようにしてもよい。
また圧縮空気は散気量調整弁36と逆止弁35の設けられた送水管46を介して散気管34へ送られているため、洗浄部の水が一度に大量に空気圧縮機に逆流することはないが、長期使用している間に送気管46に水が溜まった場合は、送水管に設けたドレン弁(図示せず)を開放して抜けばよい。
【0027】
真空断熱容器18には仕切弁26を介して液体ヘリウムを注入するための注入口27とヘリウムガスの安全弁25が設けられており、超電導マグネット17がクエンチした時などは、ヘリウムガスは安全弁25に接続されている導管135を通って安全なところで放出されるようになっている。
なお散気量調整弁36と逆止弁35の配置順は、本実施の形態と逆でも支障はなく、また界面計31と空気抜き用電磁弁32は電源に接続されている。
【0028】
以上説明したように本実施の形態になる磁気分離装置によれば、構造を簡素化されることでイニシャルコストを低減できるばかりでなく、洗浄剥離した磁性凝集体が濃縮により減容化されるので、後処理である磁性粉回収処理や汚泥脱水の負荷を大幅に低減でき、これによって後処理設備を小型化することもできるため、大変経済的である。
【0029】
一方図3は図2に示す磁気分離装置を使用した浄水装置の実施の形態を示すもので、次にこれを説明する。
この浄水装置は、大きく分けると取水手段A、送水手段B、添加剤注入手段C、フロック形成手段D、磁気分離手段E、浄化水放流手段F、磁性粉回収再利用手段G、汚泥脱水手段Hで構成されている。
アオコなどの汚濁物を含んだ原水は取水手段Aにより湖沼などから取水され、送水手段Bにより磁気分離手段Eに送られるが、磁気分離手段Eまでの送水経路では、添加剤注入手段Cにより磁性凝集体の生成に必要な添加剤が注入され、フロック形成手段Dでは磁性粉と汚泥物との集合体である磁性凝集体が生成される。
そして磁気分離手段Eでは磁性凝集体を含んだ被処理水から磁性凝集体が分離、濃縮され、浄化水は浄化水放流手段Fにより放流または希釈水として再利用されると共に、濃縮された磁性凝集体は磁性粉回収再利用手段Gで磁性粉と汚濁物との汚泥とに分離されて磁性粉は再利用され、汚泥は汚泥脱水手段Hで脱水されて脱水汚泥となる。
【0030】
取水手段はスクリーン46、取水槽47、水中ポンプよりなる取水ポンプ48などで構成され、汚濁物が含まれた原水45は、スクリーン46を通過して取水槽47に流下し、取水槽47中に設置された水中ポンプよりなる取水ポンプ48によって取水されて、原水タンク50に送られる。
スクリーン46では原水中に浮遊する粗大なゴミなどが予め除去され、除去されたゴミなどは廃棄処分されると共に、取水槽47及び原水タンク50にそれぞれ設けられた水位計に連動して制御される。
49は送水管であり、取水ポンプ48の吐出口から原水タンク50に接続され、その間には仕切弁と逆止弁が接続されており、本取水手段Aにフロートなどの浮上手段や錨などの係留手段を組み合わせることにより、湖沼などの沖合いから原水を取水することができるようになっている。
【0031】
送水手段Bは原水タンク50、原水撹拌機51、送水ポンプ52、送水管13などで構成され、原水タンク50には取水手段Aで取水された原水と、図2で説明した濃縮槽38の上澄水と汚泥脱水手段Hの分離水などの被処理水が流入し、原水撹拌機51により汚濁物濃度の均一化及び汚濁物の沈積防止が図らていれる。
被処理水は、原水タンク50に導管で接続された送水ポンプ52によって原水タンク50から引抜かれ、送水ポンプ52の吐出口に接続された送水管13を通って添加剤注入手段、フロック形成手段Dを経て磁気分離手段Eに送られるようになっており、送水管13には、流量調整弁55、逆止弁56、流量計13a、濁度計13b、圧力計57が接続されている。
【0032】
また送水管13は途中で分岐して被処理水の一部を原水タンク50に返水することにより、送水量の調整や原水タンク50内の撹拌を行うこともできるようになっており、調整弁54で調整された被処理水は、返水管53を通って原水タンク50に返水される。
返水管53の途中には、逆止弁が設けられて逆流が防止されており、送水ポンプ52は原水タンク50に設けられた水位計に連動されていて、原水タンク50の水位が異常に低下した際には、送水を停止して送水ポンプ52の故障などの事故を未然に防止するようになっている。
【0033】
添加物注入手段Cは、磁性粉注入手段C1と,無機凝集剤注入手段C2と,pH調整剤注入手段C3と,高分子凝集剤注入手段C4で構成されている。
本実施の形態の磁性粉注入手段C1は、図3に示すように磁性粉ホッパ65、磁性粉フィーダ62、希釈水注水管61、磁性粉スラリー撹拌機58が備えられており、磁性粉は磁性粉ホッパ65に貯蔵されていて、磁性粉ホッパ65から磁性粉ホッパ65の下部に設けられた磁性粉フィーダ62によって磁性粉希釈タンク10に投入されるようになっている。
希釈水は浄化水タンク95から浄化水ポンプ96により希釈水注入管61を通って磁性粉希釈タンク10に注入され、磁性粉希釈タンク10に設けられた磁性粉スラリー撹拌機58によって磁性粉と混合されることで磁性粉スラリーが補充されると共に、磁性粉ホッパ65には磁性粉投入口64と回収磁性粉投入手段134が接続されていて、磁性粉が補充できるようになっている。
【0034】
磁性粉フィーダ62は、磁性粉希釈タンク10に設けられた水位計及び投入量積算計63に連動されていて、磁性粉希釈タンク10の液面水位が所定の位置まで低下すると運転が開始され、投入量積算計63で所定量が積算されると運転が停止されるようになっており、希釈水注入管61には積算流量計59と電磁弁60が接続されていると共に、電磁弁60は磁性粉希釈タンク10の水位計と積算流量計59に連動されていて、磁性粉希釈タンク10の液面水位が所定の位置まで低下すると開いて注水が開始され、積算流量計59で所定の流量が積算されると閉じて注水が停止されるようになっている。
【0035】
また磁性粉スラリー注入ポンプ9は磁性粉希釈タンク10の水位計に連動され、磁性粉希釈タンク10の液面水位が異常低下した際は停止して、磁性粉スラリー注入ポンプ9の故障などの事故が未然に防止されるようになっている。
磁性粉ホッパ65には図示していないがアーチブレーカが設けられていて、乾燥空気が送られており、磁性粉フィーダ62にはスクリューフィーダやテーブルフィーダが用いられている。
【0036】
無機凝集剤注入手段C2は、無機凝集剤貯留タンク66に貯留された無機凝集剤を無機凝集剤注入ポンプ67及び無機凝集剤注入管70により送水管13に注入するものであって、無機凝集剤貯留タンク66には無機凝集剤撹拌機68が設けられており、無機凝集剤貯留タンク66内の無機凝集剤濃度の均一化や沈積防止が図られている。
無機凝集剤注入ポンプ67は容積式定量ポンプであって、無機凝集剤貯留タンク66に設けられた水位計に連動され、無機凝集剤貯留タンク66の液面水位が異常低下した際は、送水を停止して無機凝集剤注入ポンプ67が故障するなどの事故を未然に防止するようになっている。
【0037】
また前記磁性粉注入量制御手段に無機凝集剤注入量調節機能を付加して、無機凝集剤注入ポンプ67に接続することにより、被処理水の汚濁物量に合わせて無機凝集剤注入量を制御することも可能となっており、無機凝集剤には硫酸バン土や鉄系の無機凝集剤が用いられていて、補充口69から無機凝集剤貯留タンク66に補充できるようになっており、無機凝集剤注入管70は逆止弁を介して送水管13に接続されている。
【0038】
pH調整剤注入手段C3は、pH調整剤貯留タンク71に貯留されたpH調整剤をpH調整剤注入ポンプ72、pH調整剤注入管75で送水管13に注水して、被処理水のpHを凝集に適した値に調整する手段であり、pH調整剤貯留タンク71にはpH調整剤撹拌機73が設けられ、pH調整剤貯留タンク71内のpH調整剤濃度の均一化と沈積防止が図られている。
pH調整剤注入ポンプ72は容積式定量ポンプであり、pH調整剤貯留タンク71に設けられた水位計に連動されていて、pH調整剤貯留タンク71の液面水位が異常低下した際には停止して、pH調整剤注入ポンプ67が故障するなどの事故を未然に防止できるようになっている。
【0039】
またpH計とpH調節計を用いてpH調整剤注入ポンプの吐出量を制御することにより、被処理水pH制御も可能となっており、pH調整剤には水酸化ナトリウム溶液や水酸化カルシウム溶液が用いられていて、補充口74からpH調整剤貯留タンク71に補充されると共に、pH調整剤注入管75は逆止弁を介して送水管13に接続されている。
【0040】
高分子凝集剤注入手段C4は、高分子凝集剤ホッパ83、投入量積算計85、高分子凝集剤フィーダ86、高分子凝集剤溶解タンク76a,76b、高分子凝集剤撹拌機77a,77b、高分子凝集剤注入ポンプ87,88などで構成されていて、高分子凝集剤は高分子凝集剤ホッパ83に貯蔵されており,高分子凝集剤ホッパ83から高分子凝集剤ホッパ83の下部に設けられた高分子凝集剤フィーダ86により高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bに投入されると共に、希釈水は浄化水タンク95から浄化水ポンプ96により希釈水注入管79aまたは79bを通って高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bに注入されるようになっている。
【0041】
高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bでは、高分子凝集剤撹拌機77aまたは77bによって希釈水に高分子凝集剤が溶解されるが、高分子凝集剤の溶解には1時間程度の時間を要するため,高分子凝集剤溶解タンク76a,76bでは溶解と貯留が交互に行われると共に、タンクの容量はそれぞれ1時間使用容量以上に設定されており、貯留されている側の高分子凝集剤溶解タンクから高分子凝集剤注入ポンプ87,88と、高分子凝集剤注入管80,90によって送水管13または汚泥脱水手段に注入されるようになっている。
【0042】
高分子凝集剤ホッパ83には、高分子凝集剤入口84から高分子凝集剤が補充され、高分子凝集剤フィーダ86は高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bに設けられた水位計と投入量積算計85に連動されていて,高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの液面水位が所定の位置まで低下すると投入が開始され,投入量積算計85で所定量が生産されると投入が停止されるようになっており、高分子凝集剤フィーダ86には投入先を切替えられる機構が設けられていて、投入先を高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bに切替えられるようになっている。
【0043】
高分子凝集剤ホッパ83には、図示していないがアーチブレーカが設けられていて、乾燥空気が送られていると共に、高分子凝集剤ホッパ83にはスクリューフィーダやテーブルフィーダが用いられている。
希釈水注入管79には、積算流量計81と電磁弁82が接続されており、電磁弁82は高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの水位計と積算流量計81に連動されていて、高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの液面水位が所定の位置まで低下すると開いて注水が開始され、積算流量計81で所定の流量が積算されると閉じて注入が停止されるようになっている。
【0044】
さらに希釈水注入管79は、希釈水注入管79aと希釈水注入管79bに分岐されていて、高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの水位計に連動して開閉する電磁弁80aまたは80bを介して高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bに接続され、電磁弁80aまたは80bは液面水位が所定の低水位位置まで低下したとき開いて希釈水が注入され、所定の高水位位置まで上昇したとき閉じて希釈水の注入が停止されるようになっている。
高分子凝集剤注入ポンプ87,88は容積式の定量ポンプであり、高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの水位計に連動されていて、高分子凝集剤溶解タンク76aまたは76bの液面水位が異常低下した際には停止して、高分子凝集剤注入ポンプ87,88が故障するなどの事故を未然に防止できるようになっている。
【0045】
高分子凝集剤注入ポンプ87,88のそれぞれの吸入口は、高分子凝集剤溶解タンク76a,76bに並列に接続されており、弁78aと78bを切替えることにより、貯蔵が行われている高分子凝集剤溶解タンク76a,76bを選択して高分子凝集剤を引抜くことができるようになっていると共に、弁78a,78bには電磁弁や電動弁などが用いられていて、高分子凝集剤溶解タンク76a,76bの水位計と連動させることにより開閉制御が可能となっており、高分子凝集剤注入管89,90の管路の途中には逆止弁が接続されて逆流が防止されている。
【0046】
フロック形成手段Dは、送水管13が接続された急速撹拌機91と緩速撹拌機92により構成されていて、急速撹拌機91と緩速撹拌機92に接続されている導管には高分子凝集剤注入管89が接続されて高分子凝集剤が注入されると共に、添加剤注入手段Cで添加剤が注入された被処理水は、送水管13を通って急速撹拌機92に送られ、添加剤と汚濁物が被処理水中に均一に分散されてマイクロフロックが生成された後、被処理水に高分子凝集剤が注入されて緩速撹拌機92によって磁性凝集体が形成される。
【0047】
なお急速撹拌機91には可動部がないスタティックミキサーが用いられ、緩速撹拌機92には所定容量の密閉撹拌槽と撹拌機が用いられるが、双方にスタティクミキサーを使用したり、管路式撹拌装置を用いることも可能である。
磁気分離手段Eは図2で説明した磁気分離装置が使用されており、磁性凝集体を含む被処理水は緩速撹拌機92から磁気分離部の通水管24に接続された導管93によって磁気分離装置に送られて磁性凝集体が磁気分離された後、浄化水は導管94を通って浄化水タンク95に送られるようになっている。
磁気分離装置で使用される洗浄用空気は、空気圧縮機101から送気管105を通って散気管34に送られるようになっており、送気管105には安全弁102、圧力計103,108、オイルセパレータ104、逆止弁、空気流量計107、調整弁36が設けられている。
【0048】
また送気管105内に水が進入した場合、送気管105の管路で最も低くなった位置に設けられたドレン弁106を開くことにより、水抜きすることができるようになっており、磁気分離装置の濃縮槽38から取出される上澄水は、濃縮槽38の上澄水取出口39から分離水タンク128に接続された導管133によって分離水タンク128に送られ、導管133の上澄水取出口側には109と調整弁43が設けられて、上澄水取出量を調整することができるようになっている。
濃縮槽38で濃縮されて減容した汚泥は磁性粉回収再利用手段に送られ、磁気分離装置の真空断熱容器18の安全弁25からのヘリウムガスは安全弁に接続された導管135を通って安全な放出口138から大気に放出される。
【0049】
浄化水放流手段Fは、磁気分離手段で得られた浄化水を湖沼などに放流したり、磁性粉や凝集剤の希釈水として利用するための手段であり、浄化水の一部が希釈水として利用されるため、一旦浄化水タンク95に貯留されて浄化水ポンプ96と放流管100によって放流されるようになっている。
放流管100は管路の途中で希釈水送水管136に分岐されて、浄化水の一部が添加剤注入手段の希釈水として利用され、浄化運転開始前など浄化水タンク95が空であったり、水量が少ない場合は、浄化水タンク95に水道水を必要量補充しておくことにより、運転開始時の希釈水が確保できるようになっている。
水道は水道水接続口137に接続され、弁を介して浄化水タンク95に注入されており、放流管100、希釈水移送管136にはそれぞれ調整弁99,98が接続されていて、放流管100から希釈水移送管136への浄化水分配圧力を調整することができと共に、逆止弁により逆流防止が図られている。
【0050】
また浄化水ポンプ96と希釈水移送管136の分岐点の間の管路には圧力計97が設けられていて、放流圧力を監視することができるようになっており、浄化水ポンプ96は浄化水タンク95に設けられた水位計に連動されていて、浄化水タンク95の液面水位が異常低下した際は停止されることにより、浄化水ポンプ96が故障するなどの事故を未然に防止するようになっている。
【0051】
なお浄化水放流先が浄化水タンク95よりも低かったりして、放流に浄化水ポンプ96が必要ない場合は、浄化水ポンプ95は希釈水送水用のみに用いて,放流は浄化水タンク95からのオーバーフローを導管により放流先に流下させれば、浄化水ポンプ96を小型化することができ、希釈水送水用にも浄化水ポンプ96が必要ない場合、浄化水ポンプ96は不必要となるため、装置を簡素化することができる。
【0052】
磁性粉回収再利用手段Gでは、磁気分離手段の濃縮槽下部から引抜かれた磁性凝集体の汚泥が磨砕機110で磨砕されて汚濁物と磁性粉に純度よく分解された後、汚泥ポンプ113、汚泥移送管114によって磁選機115に送られ、磁選機115を通過した汚泥は導管116を流下して汚泥タンク117に入り、磁選機115で回収された磁性粉は回収磁性粉投入手段134を通って磁性粉ホッパ65に補充されて再利用される。
磨砕機110にはホモミクサが用いられ,入口と出口をバイパスする導管111と、その管路中の弁112により汚泥の一部を連続循環させることができるので、分解純度を高めることができる。
なお本実施の形態では磨砕機110の後段に汚泥ポンプ113を設置しているが、汚泥ポンプ113の後段に磨砕機110を設置しても何等差し支えない。
【0053】
濃縮槽38から磨砕機110、汚泥ポンプ113を経て磁選機115に送られる汚泥量は、汚泥移送管114に設けられた弁によって調整されると共に、磁選機115や永久磁石が埋め込まれた電動機駆動の回転円板115aと、磨砕汚泥が入る分離槽115b、回転円板115aの永久磁石に吸着された磁性粉を掻き取るクレーパ115cを備えていて、回転円板115aの一部分が分離層の汚泥に浸されて回転し、分離槽115bに入った汚泥が反対側の溢流側に向かって流れて溢流するまでの間に回転円板115aの永久磁石で磁性粉が吸着され、吸着された磁性粉は回転円板115aの回転とともに空気中に移動した後スクレーパ115cで掻き取られて、回収される。
【0054】
また回転円板115aの外周と分離層の内壁には撹拌翼が設けられており、回転円板115aが回転することで分離槽115b内の汚泥が撹拌されて磁性粉の沈積が防止されており、回収磁性粉投入手段134には、例えばスクリューフィーダやベルトコンベアなどga用いられているが、磁選機115を磁性粉ホッパ65の磁性粉投入口の真上に配置して、回収された磁性粉が重力落下で磁性粉ホッパ65に投入されるようにすれば、回収磁性粉投入手段134は不必要になるため、装置をさらに簡素化することができると共に、磁選機115を磁性粉希釈タンク10の真上に配置して、回収された磁性粉が重力落下で磁性粉希釈タンク10に投入されるようにしても、回収磁性粉投入手段134を省略することができるため、これによっても装置を簡素化することができる。
【0055】
汚泥脱水手段Hは汚泥脱水機122によって汚泥を脱水することにより、汚泥の減容化と汚泥の運搬を容易にするための手段で,汚泥は汚泥タンク117から汚泥供給ポンプ118、供給管121により汚泥脱水機122に供給されると共に、汚泥脱水機122には、添加剤注入手段からの高分子凝集剤注入管90が接続されて高分子凝集剤が注入されており、脱水汚泥は汚泥排出口からシュータ124に落とされて汚泥フィーダ125により汚泥回収器126に移送され,分離水は導管123を通って分離水排出口から分離水タンク128に流下して、磁気分離手段の濃縮槽の上澄水とともに分離水ポンプ129、導管132によって原水タンク50に送られるようになっている。
【0056】
汚泥供給ポンプ118はフリクトスイッチ付きの水中スラリーポンプで、汚泥タンク117の汚泥液面が異常低下した際には停止して、汚泥供給ポンプ118が故障するなどの事故を未然に防止していると共に、分離水ポンプ129はフリクトスイッチ付きの水中ポンプで、分離水タンク128の水位が異常低下した際は停止して、浄化水ポンプ96が故障するなどの事故を未然に防止するようになっている。
供給管121の管路の途中には、スラリー流量計120と流量調整弁119が設けられており、導管132の管路の途中には流量計131、弁130、逆止弁が接続されていると共に、汚泥回収容器126に貯まった脱水汚泥127は、例えば廃棄物処理場などへ運搬されて処分されたり、リサイクルに充てられたりする。
【0057】
その他、本実施の形態で用いられるタンクには、全てレベルゲージ、オーバーフロー管、ドレン管が設けられており、オーバーフロー及びドレンは全て排水溝に集められて、例えば下水に排水されるようになっており、タンク類に鉄筋コンクリート製の槽を用いることも可能である。
【0058】
また図3に示す構成図では制御盤が省略されているが、浄水装置を構成している機器や装置は全て制御盤から電源の供給を受け,運転操作やシーケンス制御が行われており、磁性粉注入量制御と磁気分離装置の構造簡素化、及び磁性粉の回収再利用により,運転員の運転操作が簡素化された低コストの磁気分離装置を提供することができ、湖沼、河川、池沼、海水の藻類などの浄化だけでなく、下水、産業排水処理などの重金属除去にも適用することができる。
【0059】
さらに図3に示す実施の形態では、磁性粉を回収再利用してランニングコストの低減を図る場合について説明したが、磁性粉回収再利用手段を持たない変形例を次に説明する。
図3に示す実施の形態のように磁性粉回収再利用手段Gを持つ場合、磁気分離装置の発生磁場強度やマトリックス群の構造、処理流速を変えることで磁気分離装置の除去率を90%以上に維持しつつ、磁性粉の注入量を原水処理量に対して20mg/L以下にすることができるが、ランニングコストよりも磁性粉回収再利用手段のイニシャルコストが高くなる場合は、磁性粉回収再利用手段Gを備えない方が合理的であり、小容量の磁気分離装置で磁性粉使用量が少ない場合も同様である。
【0060】
磁性粉回収再利用手段を備えない場合、磨砕機110、導管111、弁112、汚泥移送管114、磁選機115、導管116、汚泥タンク117、汚泥供給ポンプ118、流量調整弁119、スラリー流量計120、供給管121、回収磁性粉投入手段134を省略することができ、磁気分離手段の濃縮槽38下部から引抜かれた磁性凝集体の汚泥は、汚泥ポンプ113によって汚泥脱水機122に送られて脱水処理された後、汚泥回収容器126に送られ、汚泥回収容器126に貯まった脱水汚泥127は、例えば廃棄物処理場など運搬されて処理されたり、リサイクルに充てられたりする。
【0061】
また汚泥は濃縮槽38下部から汚泥ポンプ113を経て汚泥脱水機122まで接続された汚泥移送管を通って移送されるが、本実施の形態によれば磁性粉回収再利用手段を備えないことでシステムが簡素化され、イニシャルコストを安くすることができる上、低コストの磁気分離装置を提供することが可能となる。
【0062】
なお前記実施の形態では、回転円盤形磁気フイルタ1を、回転軸を中心に放射方向に配設された複数の仕切板4と、円周方向に複数分割され、かつ前記仕切板4の間に着脱自在に収容された網目構造磁性体よりなるマトリックス群3より構成したが、円筒状の仕切板4を円周方向に設けて、放射方向に配設された仕切板4の間をさらに細かく分割し、これら仕切板4間に網目構造磁性体よりなるマトリックス群3を収容してもよく、網目構造磁性体よりなるマトリックス群3を筒状に形成して、各仕切板4の間に上方より挿入するようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、回転円盤形磁気フイルタを、回転軸を中心に放射方向に配設された複数の仕切板と、円周方向に複数分割され、かつ前記仕切板の間に着脱自在に収容された網目構造磁性体よりなるマトリックス群より構成したもので、回転円盤形磁気フイルタに設けられた仕切板は、被処理水の通過方向と平行しているため、回転円盤形磁気フイルタ内を通過する被処理水の流路抵抗が減少し、これによって回転円盤形磁気フイルタの分離性能が格段に向上すると共に,マトリックス群に吸着された磁性凝集体を洗浄する洗浄手段の洗浄水が仕切板により整流されて、マトリックス群の横方向へ逃げることがないので洗浄効率が向上するため、小さな洗浄エネルギーにより磁性凝集体の洗浄が可能となり、洗浄に使用する洗浄水の大幅な削減が図れるようになるようになる。
【0064】
また円周方向に複数分割されたマトリックス群の単体は軽量となるため、交換などの作業が容易となり、これによってメンテナンス性が向上すると共に,マトリックス群の一部が使用不能になっても、その部分を交換すればよいので、フイルタ全体を交換する場合にくらべて大変経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる磁気分離装置に使用する回転円盤形磁気フィルタの一部切欠斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態になる磁気分離装置の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる磁気分離装置を使用した浄水装置の構成図である。
【符号の説明】
1 回転円盤形磁気フィルタ
2a 支持構造物
2b 支持構造物
3 マトリックス群
4 仕切板
5 回転軸
17 空心ソレノイド形マグネット
17a 超電導マグネット
19 電動機
24 通水管
30 洗浄手段
A 取水手段
B 送水手段
C 添加剤注入手段
D フロック形成手段
E 磁気分離手段
F 浄化水放流手段
G 磁性粉回収再利用手段
H 汚泥脱水手段
Claims (3)
- 汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を含んだ被処理水を下方より導水する通水管の外周側面に、空心ソレノイド形マグネットを設け、前記空心ソレノイド形マグネットの上方に、前記被処理水中の磁性凝集体を吸着する回転円盤形磁気フイルタを設置すると共に,前記回転円盤形磁気フイルタの近傍に、前記回転円盤形磁気フイルタに吸着された磁性凝集体を洗浄する洗浄手段を設けた磁気分離装置であって、前記回転円盤形磁気フイルタを、回転軸を中心に放射方向に配設された複数の仕切板と、円周方向に複数分割され、かつ前記仕切板の間に着脱自在に収容された網目構造磁性体よりなるマトリックス群より構成したことを特徴とする磁気分離装置。
- 前記マトリックス群を支持する支持構造物の補強部材として前記仕切板を利用してなる請求項1に記載の磁気分離装置。
- 汚濁物を含んだ原水を取水する取水手段と、前記取水手段が取水した原水に凝集剤を注入する添加剤注入手段と、前記凝集剤の注入により汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、前記磁性凝集体を含んだ原水から前記磁性凝集体を分離、濃縮する磁気分離手段と、前記磁性凝集体が除かれた原水を浄化水として放流する浄化水放流手段と、前記濃縮された磁性凝縮体を磁性粉と汚濁物の汚泥とに分離し、磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段とを具備した浄水装置であって、前記磁気分離手段を、前記請求項1または2に記載の磁気分離装置により構成したことを特徴とする浄水装置。
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