JP2005262046A - 磁気分離装置及びそれを用いた浄水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転円盤形磁気フィルタで被処理水から分離捕捉した磁性凝集体の洗浄効果を高めて処理水の水質向上を図った磁気分離装置及びそれを使用した浄水装置を提供する。
【解決手段】回転円盤形磁気フィルタ3の上下部にそれぞれ配置した散水管11aおよび散水管11bは、回転円盤形磁気フィルタ3の中心軸に対して放射状に設けた仕切り板126と同様にそれぞれ放射状に配置し、回転円盤形磁気フィルタ3の上方から洗浄水を供給する散水管11aをその下方から洗浄水を供給する散水管11bよりも回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずれた位置に配置し、散水管11aと散水管11bの回転円盤形磁気フィルタ3における回転方向の開き角度は、同じ一つの扇形状マトリックス群を同時に散水させることがないように、回転円盤形磁気フィルタ3の放射線状に等分配置した複数の仕切り板126の間隔よりも大きくした。
【選択図】図2
【解決手段】回転円盤形磁気フィルタ3の上下部にそれぞれ配置した散水管11aおよび散水管11bは、回転円盤形磁気フィルタ3の中心軸に対して放射状に設けた仕切り板126と同様にそれぞれ放射状に配置し、回転円盤形磁気フィルタ3の上方から洗浄水を供給する散水管11aをその下方から洗浄水を供給する散水管11bよりも回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずれた位置に配置し、散水管11aと散水管11bの回転円盤形磁気フィルタ3における回転方向の開き角度は、同じ一つの扇形状マトリックス群を同時に散水させることがないように、回転円盤形磁気フィルタ3の放射線状に等分配置した複数の仕切り板126の間隔よりも大きくした。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気分離により汚濁物と磁性粉が凝集された磁性凝集体を含む被処理水を浄化する磁気分離装置及びそれを用いた浄水装置に関する。
従来から、流体中に混在する汚濁物質を浄化する技術に磁気分離技術があり、この種の磁気分離技術を応用して、海、河川、貯水池等の被処理水を連続的に浄化するために高勾配磁気フィルタを用いた磁気分離装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。この装置では水処理する原水に対する磁気分離工程の前処理工程として、原水取水後に、例えば四三酸化鉄等の磁性粉と凝集剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニウムを加えて攪拌し、原水中の固形浮遊物や藻類、菌類、微生物などを凝集剤によって磁性粉と結合させ、コロイド状の多数の磁性を持った磁性凝集体としている。これらの磁性凝集体を効率的に分離するようにした磁気分離装置として、空心ソレノイド形超電導マグネットの上下の少なくとも片側に複数の扇形状マトリックス群を配置してなる回転円盤形磁気フィルタを配置し、被処理水を停止させることなく連続処理を可能にするとともに、超電導マグネットから離れた位置で吸着した磁性凝集体を分離するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開昭59−371号公報
特開2001−96188号公報
特開2002−119887号公報
しかしながら、従来の磁気分離装置は、回転円盤形磁気フィルタを回転させて高勾配磁気分離を連続的に行う場合、高速処理には回転円盤形磁気フィルタ部の磁気勾配を出来るだけ高く設定する必要があり、磁性細線で構成される磁気分離部の磁気勾配は極めて高く概略103T/m程度になるが、その範囲は細線周囲の数mmに限定されるので、効率的に磁気分離を行わせるためには細線を空間的に密に積層させて回転円盤形磁気フィルタを構成しなければならない。このような回転円盤形磁気フィルタを洗浄するためには、低磁場部において上面から水流により、あるいは下面からの空気吹きつけによって洗浄しているが、上述した積層構造のために洗浄手段から遠い距離にあるフィルタの下面の近くにおいては、洗浄水流が上部のマトリックスの抵抗によって弱められてしまい、この傾向は洗浄水流を変化させても発生してしまうことが分かった。結局、洗浄が不完全な回転円盤形磁気フィルタを使用すると磁気分離部の捕捉能力も低下し、処理水の水質低下の原因となってしまう。
本発明の目的は、回転円盤形磁気フィルタで被処理水から分離捕捉した磁性凝集体の洗浄効果を高めて処理水の水質向上を図った磁気分離装置及びそれを使用した浄水装置を提供することにある。
本発明はこの目的を達成するために、汚濁物と磁性粉とを凝集した磁性凝集体を含む被処理水を下方より導水する通水管の周囲に空心ソレノイド形マグネットを設け、前記空心ソレノイド形マグネットの磁気力を受けて被処理水中の磁性凝集体を吸着するように前記通水管に各扇形状マトリックス群を対応させて前記空心ソレノイド形マグネットと異なる回転軸を中心にして回転可能な回転円盤形磁気フィルタを配置し、この回転円盤形磁気フィルタの前記各扇形状マトリックス群における前記空心ソレノイド形マグネットから離れた位置の下部に集泥容器を配置し、前記各扇形状マトリックス群で吸着した磁性凝集体を洗浄する洗浄水を供給して前記集泥容器の上流側受け入れ口から洗浄水を回収する洗浄手段を備えた磁気分離装置において、前記洗浄手段は、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から洗浄水を供給する散水管と、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から洗浄水を供給する散水管とを有して構成したことを特徴とする。
また請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、前記集泥容器の前記各扇形状マトリックス群に対応した洗浄水の上流側受け入れ口を共通にして、この上流側受け入れ口の範囲内で、前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして前記両散水管を配置したことを特徴とする。
また請求項3に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から浄化水を供給して洗浄する前記散水管は、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から浄化水を供給して洗浄する前記散水管よりも前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして配置したことを特徴とする。
さらに請求項4に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、前記回転円盤形磁気フィルタは、その回転軸に対してほぼ放射状に配設した複数の仕切り板間にそれぞれ扇形状マトリックス群を配置して構成し、前記複数の仕切り板は、前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向に等分間隔で配置し、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から洗浄水を供給して洗浄する前記散水管と、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から洗浄水を供給して洗浄する前記散水管とは、前記回転円盤形磁気フィルタの前記回転軸に対してそれぞれほぼ放射状に配置すると共に、隣接する二つの前記仕切り板の間隔よりも大きく隔てて配置したことを特徴とする。
さらに請求項5に記載の本発明は、汚濁成分を含んだ原水を取水する取水手段と、前記取水手段が取水した原水に凝集剤を注入する添加剤注入手段と、前記凝集剤の注入により汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、前記磁性凝集体を含んだ原水から前記磁性凝集体を分離濃縮する磁気分離手段と、前記磁性凝集体が除かれた原水を浄化水として放流する浄化手段と、前記濃縮された磁性凝集体を磁性粉と汚濁物の汚泥とに分離して磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段とを備えた浄水装置において、前記磁気分離手段は、汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を含む被処理水を下方より導水する通水管の周囲に空心ソレノイド形マグネットを設け、その回転軸に対してほぼ放射状に配設した複数の仕切り板間にそれぞれ扇形状マトリックス群を配置して構成すると共に、前記空心ソレノイド形マグネットの磁気力を受けて被処理水中の磁性凝集体を吸着するように前記通水管に前記各扇形状マトリックス群を対応させて前記空心ソレノイド形マグネットと異なる前記回転軸を中心に回転可能に回転円盤形磁気フィルタを配置し、この回転円盤形磁気フィルタの前記各扇形状マトリックス群の他の下部に洗浄散水の上流側受け入れ口を有する集泥容器で前記各扇形状マトリックス群で吸着した磁性凝集体を洗浄する洗浄手段からの洗浄散水を受けるように構成し、前記洗浄手段は、前記回転円盤形磁気フィルタの上面及び下面方向からそれぞれ散水して洗浄する複数の散水管を有することを特徴とする。
本発明の磁気分離装置によれば、洗浄手段により回転円盤形磁気フィルタを洗浄する際、扇形状マトリックス群の上下に配置した散水管によりそれぞれ散水して行うようにしたため、従来のように洗浄手段から遠い距離にある回転円盤形磁気フィルタの下面の近くにおいても、洗浄水流が扇形状マトリックス群の抵抗によって弱められてしまうことなく吸引された磁性凝集体をきれいに洗浄させることができ、磁気分離性能を高め、長時間の運転に対しても性能を維持でき、かつ回転円盤形磁気フィルタ3のオ−バホ−ル清掃などのメンテナンス期間も大幅に延長することができる。
また請求項2に記載の本発明の磁気分離装置によれば、集泥容器の各扇形状マトリックス群に対応した洗浄散水の上流側受け入れ口を共通にして、この上流側受け入れ口の範囲内で、回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして二本の散水管を配置したため、空心ソレノイド形マグネットの磁気力の影響を余り受けない位置に効率よく小型に洗浄手段を構成することができ、しかも、二本の散水管が隔てられているので、互いからの洗浄水の干渉を減少させて効果的に磁性凝集体の分離を行うことができる。
また請求項3に記載の本発明の磁気分離装置によれば、回転円盤形磁気フィルタに洗浄水を供給して洗浄する散水管は少なくとも二本であり、その上面側から散水して洗浄する散水管は、その下面側から散水して洗浄する散水管よりも回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして配置したため、先ず、回転円盤形磁気フィルタの下面側から供給する洗浄水によって扇形状マトリックス群の下面に付着した磁性凝集体を剥離し、その後、回転円盤形磁気フィルタの上面側から供給する洗浄水によって扇形状マトリックス群の上面に付着した磁性凝集体を剥離すると共に、先に剥離した磁性凝集体を洗い流すことができ、磁性凝集体を残存させることなく効果的に除去することができる。
さらに請求項4に記載の本発明の磁気分離装置によれば、複数の仕切り板は、回転円盤形磁気フィルタの回転方向に等分間隔で配置し、回転円盤形磁気フィルタの上面側から洗浄水を供給する散水管と、回転円盤形磁気フィルタの下面側から洗浄水を供給する散水管とは、回転円盤形磁気フィルタの前記回転軸に対してそれぞれほぼ放射状に配置すると共に、隣接する二つの仕切り板の間隔よりも大きく隔てたため、仕切り板が二本の散水管間に位置する時点で、この仕切り板は両散水管からの洗浄水を区分して互いの間での干渉を阻止することになり、散水による各扇形状マトリックス群からの磁性凝集体の分離および洗い流しを一層効果的に行うことができる。
さらに請求項5に記載の本発明の磁気分離装置を用いた浄水装置によれば、磁気分離手段によって磁性凝集体をきれいに洗浄させることができ、磁気分離性能を高め、長時間の運転に対しても性能を維持でき、さらに、洗浄剥離した磁性凝集体が濃縮により減容化されることにより磁性粉回収処理や汚泥脱水などの後処理設備を小型化することもできる。また、磁性粉注入の低濃度化および磁性粉の回収再利用により、低コストで運転員の運転操作が簡素化された省スペ−ス、省エネルギ−でメンテナンスインタ−バルの長い浄水装置を提供することができ、湖沼など閉鎖水域のリン、浮遊固形物、植物プランクトンなどの浄化に好適である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による超電導式磁気分離装置を示す縦断面図である。
真空断熱容器4内にはほぼ同心的に液体ヘリウム冷却式の空心ソレノイド形超伝導マグネット5が収納されており、この真空断熱容器4の上方部に、詳細に後述する強磁性体で構成した複数の扇形状マトリックス群1a〜1nが位置しながら回転すると共に、真空断熱容器4の中心軸とは異なる位置に中心軸2を有する回転円盤形磁気フィルタ3が配置されている。空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心部内には通水管10が配置され、この通水管10の下部に接続した下部被処理水流入管7からは前処理で生成された磁性凝集体を含む被処理水6を導びいており、また通水管10の上部には回転円盤形磁気フィルタ3の複数の扇形状マトリックス群1a〜1nを介して浄化水流出口8が接続され、被処理水6に含まれた磁性凝集体を扇形状マトリックス群1a〜1nで除去した後の浄化水を浄化水流出口8から流出するようにしている。
図1は、本発明の一実施の形態による超電導式磁気分離装置を示す縦断面図である。
真空断熱容器4内にはほぼ同心的に液体ヘリウム冷却式の空心ソレノイド形超伝導マグネット5が収納されており、この真空断熱容器4の上方部に、詳細に後述する強磁性体で構成した複数の扇形状マトリックス群1a〜1nが位置しながら回転すると共に、真空断熱容器4の中心軸とは異なる位置に中心軸2を有する回転円盤形磁気フィルタ3が配置されている。空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心部内には通水管10が配置され、この通水管10の下部に接続した下部被処理水流入管7からは前処理で生成された磁性凝集体を含む被処理水6を導びいており、また通水管10の上部には回転円盤形磁気フィルタ3の複数の扇形状マトリックス群1a〜1nを介して浄化水流出口8が接続され、被処理水6に含まれた磁性凝集体を扇形状マトリックス群1a〜1nで除去した後の浄化水を浄化水流出口8から流出するようにしている。
この回転円盤形磁気フィルタ3は、その水平断面図を図2に示すように中心軸2の外周部に環状の固定フィルタケース20を有し、この固定フィルタケース20に回転円盤形磁気フィルタ3が収納されている中心軸2に対して放射状に配置した複数の仕切り板126によって円周方向に等分分割した複数のセグメント127を形成し、この各セグメント127内に強磁性体で構成した各扇形状マトリックス群1a〜1nをそれぞれ装着して構成される。この回転円盤形磁気フィルタ3を中心軸2に連結した電動機9によって回転すると、回転円盤形磁気フィルタ3の環状部に配置した各扇形状マトリックス群1a〜1nが通水管10の上部に順次位置することになる。この仕切り板126は後述する空心ソレノイド形超電導マグネット5と扇形状マトリックス群1a〜1nとの間で作用し合う磁気力によって、回転円盤形磁気フィルタ3をその回転軸2に対して水平に支持する役目も果たしている。また回転円盤形磁気フィルタ3は、変速可能な電動機9の駆動力により連続または断続で回転し、その回転中心である中心軸2はフィルタケース20を貫通する部分の軸封機構により水漏れのない構造になっている。
空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心部内に配置した通水管10の上部には、図2に示したように回転円盤形磁気フィルタ3が回転しても、その各扇形状マトリックス群1a〜1nが常に対応配置されており、空心ソレノイド形超伝導マグネット5の磁気力によって被処理水6に含まれた磁性凝集体を同部の扇形状マトリックス群1a〜1nで吸着して分離するようにしている。さらに回転円盤形磁気フィルタ3が回転すると、空心ソレノイド形超伝導マグネット5の磁気力の影響が急速に低下する低磁場となり、その部分に吸着した磁性凝集体を扇形状マトリックス群1a〜1nから剥離して除去する洗浄手段が構成されている。この洗浄手段の下部には、真空断熱容器4に並置するように集泥容器13が配置され、回転円盤形磁気フィルタ3に付着させた磁性凝集体を洗浄手段によって剥離した後に洗浄水と共に回収するようにしている。ここで集泥容器13は、通水管10よりも回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向に例えば180度ずれた位置、つまり空心ソレノイド形超電導マグネット5の磁気力の影響をできるだけ受けない位置に配置され、図2に示したように回転円盤形磁気フィルタ3が回転したときでも磁性凝集体を捕捉した扇形状マトリックス群1a〜1nが常に対応するように配置されている。この集泥容器13は、図1に示すように回転円盤形磁気フィルタ3の下部に位置し、さらにその下部に形成した送泥管14を介して汚泥濃縮槽15に接続されている。汚泥濃縮槽15の上部には上澄水を回収する配管17が接続され、この配管17中に設けた流量調整弁18を経て図示を省略した原水槽に接続されている。
上述した洗浄手段は、集泥容器13に対応する回転円盤形磁気フィルタ3の上部に構成されており、この回転円盤形磁気フィルタ3との対向部に複数の散水口を有する散水管11aと、また回転円盤形磁気フィルタ3の下方部には回転円盤形磁気フィルタ3との対向部に複数の散水口を有する散水管11bとを備えている。この散水管11aには、回転円盤形磁気フィルタ3で磁性凝集体を除去した浄化水を浄化水流出口8から取り込む洗浄用注水ポンプ25の吐出し配管が流量計26aと散水量調整弁24aと逆止弁19aを介して接続され、同様に散水管11bには、洗浄用注水ポンプ25の吐出し配管が流量計26bと散水量調整弁24bと逆止弁19bを介して接続されている。洗浄手段に接続されて洗浄水を供給する洗浄水供給手段は、必ずしも浄化水流出口8から取り込む必要はなく、汚泥濃縮槽15の上部の上澄水を洗浄用注水ポンプ25によって取り込んでも良い。
また散水管11aおよび散水管11bは、図2に示すように回転円盤形磁気フィルタ3の仕切り板126と同様に回転円盤形磁気フィルタ3の中心軸2に対してそれぞれ放射状に配置し、しかも、回転円盤形磁気フィルタ3の上方から散水する散水管11aは、回転円盤形磁気フィルタ3の下方から散水する散水管11bよりも回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずれた位置に配置されている。この散水管11aと散水管11bの回転円盤形磁気フィルタ3における回転方向の開き角度は、同じ一つの扇形状マトリックス群に対して同時に散水することがないようにしている。つまり、回転円盤形磁気フィルタ3を、その中心軸2に対して放射線状に配置した仕切り板126によって周方向にN等分して構成したとき、回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向における二つの散水管11aおよび散水管11bの開き角度βは、β≧360/Nとし、例えばN=18の等分分割としたとき開き角度βは20度以上となるようにしている。
このような基本構成を有する超電導式磁気分離装置は、空心ソレノイド形超電導マグネット5によるマトリックス群1の磁気吸引支持力を空心ソレノイド形超電導マグネット5の自重とバランスさせることにより、真空断熱容器4内に設けた空心ソレノイド形超電導マグネット5の図示を省略した支持構造に加わる力を低減することができ、これによって空心ソレノイド形超電導マグネット5の真空断熱容器4内の支持構造が簡素化され、空心ソレノイド形超電導マグネット5のイニシャルコストを低減することができる。また、空心ソレノイド形超電導マグネット5は、その空心軸の上側延長上に配置した回転円盤形磁気フィルタ3の扇形状マトリックス群1a〜1nに磁性粉の飽和磁束密度以上の高磁場を発生するようにし、さらに扇形状マトリックス群1a〜1nに高勾配磁場を確保できる網目構造磁性体を用いているため、低濃度、例えば被処理水汚泥濃度に対して5〜10%の磁性粉注入量でも磁気分離が可能となり、ランニングコストの低減を図ることができる。さらに、空心ソレノイド形超電導マグネット5には図示を省略した電源と永久電流スイッチが接続されており、永久電流モードでの運転によりランニングコストの低減を図っている。また真空断熱容器12には仕切弁21を介して液体ヘリウムを注入するための注入口22とヘリウムガスの安全弁23が設けられている。
次に、上述した超電導式磁気分離装置による処理動作を説明する。
前処理で生成された磁性凝集体を含む被処理水6は、空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心部内に配置した通水管10内に下部被処理水流入管7から0.05m/s〜0.1m/s程度の高流速で上向きに供給されて回転円盤形磁気フィルタ3に流入する。この被処理水6中に含まれた磁性凝集体は、回転円盤形磁気フィルタ3を通過するときに空心ソレノイド形超伝導マグネット5による高磁場の影響を強く受けた各扇形状マトリックス群1a〜1nで吸着され、その後の浄化水は浄化水流出口8から送り出される。磁性凝集体を吸着した扇形状マトリックス群1a〜1nを装着した回転円盤形磁気フィルタ3は、電源に接続された電動機9の駆動力を受けて中心軸2を中心にして図2の矢印方向に回転し、例えば当初、通水管10側で磁性凝集体を吸着した扇形状マトリックス群1cは回転し、通水管10側とは約180度反対側である空心ソレノイド形超電導マグネット5の磁気力の影響を余り受けない洗浄部にまで移動する。
前処理で生成された磁性凝集体を含む被処理水6は、空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心部内に配置した通水管10内に下部被処理水流入管7から0.05m/s〜0.1m/s程度の高流速で上向きに供給されて回転円盤形磁気フィルタ3に流入する。この被処理水6中に含まれた磁性凝集体は、回転円盤形磁気フィルタ3を通過するときに空心ソレノイド形超伝導マグネット5による高磁場の影響を強く受けた各扇形状マトリックス群1a〜1nで吸着され、その後の浄化水は浄化水流出口8から送り出される。磁性凝集体を吸着した扇形状マトリックス群1a〜1nを装着した回転円盤形磁気フィルタ3は、電源に接続された電動機9の駆動力を受けて中心軸2を中心にして図2の矢印方向に回転し、例えば当初、通水管10側で磁性凝集体を吸着した扇形状マトリックス群1cは回転し、通水管10側とは約180度反対側である空心ソレノイド形超電導マグネット5の磁気力の影響を余り受けない洗浄部にまで移動する。
この洗浄部まで移動してきた扇形状マトリックス群1cは、まず回転円盤形磁気フィルタ3の下側に配置した散水管11bから洗浄水の散水を受ける。このときの散水管11bからの洗浄水は、浄化水流出口8から流出した浄化水の一部を洗浄用注水ポンプ25で取り込み、その吐出し配管から流量計26b、散水量調整弁24b、逆止弁19bを介して供給されている。この散水管11bからの散水によって、扇形状マトリックス群1cの下部に付着した磁性凝集体などの粒子群が剥離される。この散水後、回転円盤形磁気フィルタ3が同方向にさらに回転移動すると、扇形状マトリックス群1cは回転円盤形磁気フィルタ3の上側に配置した散水管11aから洗浄水の散水を受けることになる。このときの散水管11aから洗浄水は、浄化水流出口8から流出した浄化水の一部を洗浄用注水ポンプ25で取り込み、その吐出し配管から流量計26a、散水量調整弁24a、逆止弁19aを介して供給される。この散水によって、扇形状マトリックス群1cの上部を洗浄すると共に、先に扇形状マトリックス群1cの下側に配置した散水管11bによる散水により離脱されて扇形状マトリックス群1c内を浮遊している磁性凝集体も洗い流され、集泥容器13を経由してその下方に配置した汚泥濃縮槽15に沈降流下する。
ここで、散水管11aと散水管11bの回転円盤形磁気フィルタ3における回転方向のずれは、上述したように同じ扇形状マトリックス群1a〜1cを同時に散水することがないように設定している。つまり、回転円盤形磁気フィルタ3は、その放射線状に配置した仕切り板126によってN等分したとき、回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向における二つの散水管11aおよび散水管11bの開き角度βは、β≧360/Nとし、例えばN=18の等分分割とすると開き角度βとしては20度以上としている。しかも、散水管11aおよび散水管11bは、上述したように回転円盤形磁気フィルタ3の仕切り版126と同様に放射状に配置しているため、回転円盤形磁気フィルタ3の回転によるある時点で散水管11bと仕切り板126aとは上下方向に合致し、その後、この仕切り板126aは散水管11aと散水管11b間に移動することになる。このとき、この仕切り板126aは散水管11aからの散水と、散水管11bからの散水とを分離し互いの間での干渉を阻止することになり、それぞれの散水管11a,11bによって設定した望ましい洗浄作用を受けることになり、洗浄水の散水による各扇形状マトリックス群1a〜1nからの磁性凝集体の分離および洗い流しを一層効果的に行うことができる。
また、散水管11aおよび散水管11bからの散水量については、図2に示したように散水管11aおよび散水管11bの開き角度βは、β≧360/Nとした場合、下側の散水管11bからの散水量は上側の散水管11aからの散水量に対して、8対2または7対3程度に少ない方がよいことが実験から明らかになった。これに対して、下側の散水管11bからの散水量が上側の散水管11aからの散水量よりも多い場合には、下側の散水管11bからの散水によって離脱された磁性凝集体が扇形状マトリックス群1a〜1nの上面にまで移動して拡散してしまい、その後の上側の散水管11aからの散水では十分にこれを除去することができず、後に通水管10に対応させた位置で磁性凝集体を分離する際にこの拡散した磁性凝集体が処理水に流出することが観察された。従って、図示のような構成においては、下側の散水管11bからの洗浄水の散水量は上側の散水管11aからの散水量に比べて少なくするのが望ましい。
ただし、洗浄部における構成は種々考えられ、散水管11aおよび散水管11b以外にさらに散水管を付加したり、それらの流水量、流速、散水角度など様々に変化させたり、各散水管の開き角度を任意に設定することができる。このような解決手段は、回転円盤形磁気フィルタ3が、網状磁性ステンレス鋼を縦、横、斜めもしくは同心形状あるいはそのいずれかの組合せで積層して構成した扇形状マトリックス群1a〜1nを有しており、しかも空心ソレノイド形超電導マグネット5によって磁性凝集体を吸着しやすい太さに設定すると、扇形状マトリックス群1a〜1nの一方の端面近くでの磁性凝集体の剥離が難しくなるという新たな現象に基づくものであり、上側の散水管11aもしくは下側の散水管11bからの散水単独では実現することができない。また洗浄部での洗浄水としては、浄化水流出口8から流出した浄化水の一部を洗浄用注水ポンプ25で取り込んだり、汚泥濃縮槽15の上澄み水を洗浄用注水ポンプ25で取り込んで使用したり、両者を付加して使用したりすることもできる。
上述したように散水管11aおよび散水管11bから扇形状マトリックス群1a〜1nに付着した磁性凝集体を剥離するために散水した洗浄水は、集泥容器13を経由してその下方に配置した汚泥濃縮槽15に沈降流下する。この集泥容器13は、図2に示したように回転円盤形磁気フィルタ3の各扇形状マトリックス群1a〜1nに対応した位置の下部に配置し、しかも、この集泥容器13における洗浄水の上流側受け入れ口を回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向に引き延ばして変形させており、このようにして各散水管11a,11bに対して共通の集泥容器13としている。従って、各散水管11a,11bは互いに所定距離隔てて配置することになったとしても、この共通の集泥容器13における洗浄水の上流側受け入れ口の範囲内に各散水管11a,11bを配置するようにしている。このように少なくとも上下方向から磁性凝集体を剥離するための散水を行う散水管11a,11bを配置した場合、この集泥容器13における散水の上流側受け入れ口の範囲内でこれらの散水管11a,11bを回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずらして配置することによって、空心ソレノイド形超電導マグネット5の磁気力の影響を余り受けない位置に小型で効率的に構成することができ、効果的に磁性凝集体の分離濃縮を行う磁気分離装置とすることができる。この集泥容器13における洗浄水の上流側受け入れ口は、図2の形状に限らず形成することができる。
また上述した洗浄部においては、真空断熱容器4の外周に設けられた鉄シールド12によって超電導マグネット5による磁場強度が低減されており、各扇形状マトリックス群1a〜1nに付着した磁性凝集体などの粒子群を容易に分離させることができるようにしている。各扇形状マトリックス群1a〜1nの構造は、網状磁性ステンレス鋼が縦、横、斜めもしくは同心形状あるいはそのいずれかの組合せで積層された構造として高勾配磁場の確保を可能とし、これによって超電導マグネット5の発生磁場を空心ソレノイド形超電導マグネット5の空心軸延長上に位置している扇形状マトリックス群1a〜1nで磁性粉の飽和磁束密度を、約0.5T以上の磁場とし、高勾配磁気分離装置を実現することができる。
また洗浄部で、各扇形状マトリックス群1a〜1nから剥離した磁性凝集体などの粒子群は、洗浄部下方に配置した集泥容器13で集泥され、送泥管14を通って汚泥濃縮槽15に流下し、そこで沈降濃縮された汚泥は汚泥引抜き口16から引抜くことができる。扇形状マトリックス群1a〜1nを有する回転円盤形磁気フィルタ3を真空断熱容器4の上部に配置しているため、集泥容器13及び汚泥濃縮槽15を真空断熱容器4に略平行に並置することができ、回転円盤形磁気フィルタ3を空心ソレノイド形超電導マグネット5の下側に配置する場合に比べて装置全体の高さを抑え、汚泥濃縮槽15の高さも大きくとれるので汚泥濃縮度をより高めることができる。汚泥濃縮槽15のオーバーフロー取出し口17からは粒子群が沈降分離された上澄み水を取出すことができ、集泥容器13から汚泥濃縮槽15への流下量はオーバーフロー調整弁18の調整と汚泥引抜き口16からの引抜き量調整により調節することができる。この場合、集泥容器13から汚泥濃縮槽15への流下量は洗浄用注水ポンプ25の吐出し配管の途中に設けた流量調整弁24a、24bで調整される吐出し量以上になるように汚泥濃縮槽15のオ−バフロ−量及び汚泥引抜き量を調整する。このような流量バランス調整により、離脱された磁性凝集体の濃縮槽15への流下率を高く確保することができる。また、集泥容器13の側壁の傾斜角度は沈降する粒子の安息角よりも大きな角度をとることにより、粒子群は集泥容器13内に堆積することなく汚泥濃縮槽15へ沈下させることができる。また、汚泥濃縮槽15も濃縮粒子の安息角より大きな角度をとることにより、重力によって濃縮された汚泥を汚泥引抜き口16から取り出すことができる。
電動機9は、空心ソレノイド形超電導マグネット5から距離を離して配置し、例えばチェーンやベルトやシャフトなどを介して回転円盤形磁気フィルタ3を駆動してもよい。真空断熱容器4には仕切弁21を介して液体ヘリウムを注入するための注入口22とヘリウムガスの安全弁23が設けられており、空心ソレノイド形超電導マグネット5がクエンチしたときなどは、ヘリウムガスは安全弁23に接続されている導管を通って安全な場所へ放出される。洗浄部の散水管11aおよび散水管11b中に設けた散水量調整弁24a、24bと逆止弁19a、19bの位置はそれぞれ逆でも支障はない。
以上説明した磁気分離装置では、低磁場部の洗浄部において回転円盤形磁気フィルタ3を洗浄する際、扇形状マトリックス群1a〜1nの上下にそれぞれ配置した散水管11a、11bにより洗浄水を供給して行うようにしたため、従来のように洗浄手段から遠い距離にある回転円盤形磁気フィルタ3の下面の近くにおいても、洗浄水流が扇形状マトリックス群1a〜1nの抵抗によって弱められてしまうことなく吸引された磁性凝集体をきれいに洗浄させることができ、磁気分離性能を高め、長時間の運転に対しても性能を維持でき、かつ回転円盤形磁気フィルタ3のオ−バホ−ル清掃などのメンテナンス期間も大幅に延長することができる。さらに、洗浄剥離した磁性凝集体が濃縮により減容化されることにより磁性粉回収処理や汚泥脱水などの後処理設備を小型化することもできるので、イニシャルコスト、ランニングコストの低減が可能である。
また上述した磁気分離装置では、集泥容器13における各扇形状マトリックス群1a〜1nに対応した洗浄水の上流側受け入れ口を共通にして、この上流側受け入れ口の範囲内で、回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずらした少なくとも二本の散水管11a,11bを配置しているため、空心ソレノイド形超伝導マグネット5の磁気力の影響を余り受けない位置に効率よく小型に洗浄手段を構成することができ、それに合わせて二本の散水管11a,11bを隔てることができるので、互いから供給される洗浄水間の干渉を減少させて効果的に磁性凝集体の剥離を行うことができる。また、回転円盤形磁気フィルタ3の上面方向から洗浄水を供給する散水管11aは、回転円盤形磁気フィルタ3の下面方向から洗浄水を供給する散水管11bよりも回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向にずらして配置したため、先ず、回転円盤形磁気フィルタ3の下面方向から供給した洗浄水によって扇形状マトリックス群1a〜1nの下面に付着した磁性凝集体を剥離し、その後、回転円盤形磁気フィルタ3の上面方向から供給した洗浄水によって扇形状マトリックス群1a〜1nの上面に付着した磁性凝集体を剥離すると共に、先に剥離した磁性凝集体を洗い流すことができ、磁性凝集体を残存させることなく効果的に除去することができる。
また上述した磁気分離装置では、複数の仕切り板126は、回転円盤形磁気フィルタ3の回転方向に等分間隔で配置し、回転円盤形磁気フィルタ3の上面方向から散水して洗浄する散水管11bと、回転円盤形磁気フィルタ3の下面方向から散水して洗浄する散水管11aとは、回転円盤形磁気フィルタ3の回転軸2に対してそれぞれほぼ放射状に配置すると共に、隣接する二つの仕切り板126の間隔よりも大きく隔てたため、仕切り板126aが散水管11aと散水管11b間に位置する時点で、この仕切り板126aは両散水管11a,11bからの散水を区分して互いの間での干渉を阻止することになり、散水による各扇形状マトリックス群1a〜1nからの磁性凝集体の分離および洗い流しを一層効果的に行うことができる。
図3は、上述した磁気分離装置を用いた浄水装置を示す系統図である。
この浄水装置は、大きく分けるとリン酸塩やアオコなどの汚濁物を含んだ原水を湖沼などから取水する取水手段と、この取水手段によって取水した原水を送水する送水手段と、取水手段によって取水した原水に磁性凝集体の生成に必要な添加剤を注入する添加剤注入手段と、この凝集剤の注入によって汚濁物と磁性粉とが凝集した磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、原水から磁性凝集体を分離濃縮する磁気分離手段と、この磁気分離手段によって磁性凝集体を分離した浄化水を放流または希釈水として再利用する浄化水放流手段と、磁気分離手段によって分離した磁性凝集体を磁性粉と汚濁物とに分離して、分離した磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段と分離した汚濁物を減容化する脱水手段で構成している。
この浄水装置は、大きく分けるとリン酸塩やアオコなどの汚濁物を含んだ原水を湖沼などから取水する取水手段と、この取水手段によって取水した原水を送水する送水手段と、取水手段によって取水した原水に磁性凝集体の生成に必要な添加剤を注入する添加剤注入手段と、この凝集剤の注入によって汚濁物と磁性粉とが凝集した磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、原水から磁性凝集体を分離濃縮する磁気分離手段と、この磁気分離手段によって磁性凝集体を分離した浄化水を放流または希釈水として再利用する浄化水放流手段と、磁気分離手段によって分離した磁性凝集体を磁性粉と汚濁物とに分離して、分離した磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段と分離した汚濁物を減容化する脱水手段で構成している。
具体的に取水手段は、スクリーン28、取水槽29及び取水ポンプ30などで構成され、リン酸塩、固形浮遊物などの汚濁物が含まれた原水31はスクリーン28を通過して取水槽29に流下し、取水槽29中に設置した取水ポンプ30によって取水されて原水タンク32に送られる。スクリーン28では原水中に浮遊する粗大なゴミなどが予め除去され、除去されたゴミなどは廃棄処分される。取水ポンプ30は水中ポンプであり、取水槽29及び原水タンク32にそれぞれ設けた水位計に連動して制御される。送水管33は、取水ポンプ30の吐出口から原水タンク32に接続されており、その間には仕切弁と逆止弁が接続されている。
上述した送水手段は、原水タンク32、原水攪拌機34、送水ポンプ35、送水管36などで構成されており、原水タンク32には取水手段で取水した原水と図1に示した濃縮槽15の上澄水と汚泥脱水手段の分離水などの被処理水が流入し、原水攪拌機34により汚濁物濃度の均一化および汚濁物の沈積防止を図っている。被処理水は原水タンク32に導管で接続した送水ポンプ35によって原水タンク32から引抜かれ、送水ポンプ35の吐出口に接続した送水管36を通って添加剤注入手段、フロック形成手段を経て磁気分離手段に送られている。この送水管36には、流量調整弁37、逆止弁38、流量計39、濁度計40、圧力計41が接続されている。また、送水管36は途中で分岐して被処理水の一部を原水タンク32に戻すことで送水量の調整や原水タンク32内の攪拌を行うこともでき、調整弁42で調整された被処理水は戻り管43を通って原水タンク32に戻されており、この戻り管の途中には逆止弁が設けられて逆流が防止されている。送水ポンプ35は原水タンク32に設けた水位計によって運転制御されており、原水タンク32の水位が異常低下した際にその運転を停止して送水ポンプ35の故障などの事故を未然に防止する。
上述した添加剤注入手段は、磁性粉注入手段、無機凝集剤注入手段、pH調整剤注入手段および高分子凝集剤注入手段で構成されている。この磁性粉注入手段には磁性粉ホッパー44、磁性粉フィーダ45、希釈水注水管46、磁性粉スラリー攪拌機47が備えられており、磁性粉は磁性粉ホッパー44に貯蔵され、磁性粉ホッパー44から磁性粉ホッパー44の下部に設けた磁性粉フィーダ45によって磁性粉希釈タンク48に投入する。希釈水は浄化水タンク49から浄化水ポンプ50により希釈水注水管46を通って磁性粉希釈タンク48に注入され、磁性粉希釈タンク48に設けられた磁性粉スラリー攪拌機47によって磁性粉と混合されて磁性粉スラリーを補充する。磁性粉ホッパー44には磁性粉投入口51と回収磁性粉移送手段52が接続され、磁性粉を補充するようにしている。磁性粉フィーダ45は磁性粉希釈タンク48に設けた水位計と投入量積算計53によって運転制御され、磁性粉希釈タンク48の液面水位が所定の位置まで低下すると運転を開始し、投入量積算計53で所定量が積算されると運転を停止する。
希釈水注入管46には積算流量計54と電磁弁55が接続されており、この電磁弁55は磁性粉希釈タンク48の水位計と積算流量計54によって運転制御され、磁性粉希釈タンク48の液面水位が所定の位置まで低下したとき開いて注水を開始し、積算流量計54で所定の流量が積算されたとき閉じて注水を停止する。また、磁性粉スラリー注入ポンプ56は磁性粉希釈タンク48の水位計によって運転制御され、この磁性粉希釈タンク48の液面水位が異常低下したときに停止して磁性粉スラリー注入ポンプ56の故障などの事故が未然に防止する。磁性粉ホッパー44には図示していないがアーチブレーカーが設けられて乾燥空気が送られ、磁性粉を乾燥状態に維持し、ホッパ−内での詰まりを防止している。磁性粉フィーダ45にはスクリューフィーダやテーブルフィーダを用いることができる。
無機凝集剤注入手段は、無機凝集剤貯留タンク57に貯留した無機凝集剤を無機凝集剤注入ポンプ58、無機凝集剤注入管59で送水管36に注入するためのものである。無機凝集剤貯留タンク57には無機凝集剤攪拌機60が設けられ、無機凝集剤貯留タンク57内の無機凝集剤濃度の均一化や沈積防止が図られている。無機凝集剤注入ポンプ58は容積式定量ポンプであり、無機凝集剤貯留タンク57に設けた水位計によって運転制御され、無機凝集剤貯留タンク57の液面水位が異常低下したときに停止して無機凝集剤注入ポンプ57の故障などの事故を未然に防止する。また無機凝集剤注入量制御手段に無機凝集剤注入量調節機能を付加して無機凝集剤注入ポンプ58に接続して、被処理水の汚濁物量に合わせて無機凝集剤注入量を制御することも可能である。無機凝集剤にはアルミニウム系や鉄系の無機凝集剤を用い、補充口61から無機凝集剤貯留タンク57に補充するようにしている。無機凝集剤注入管59は逆止弁を介して送水管36に接続している。
pH調整剤注入手段は、pH調整剤貯留タンク62に貯留したpH調整剤をpH調整剤注入ポンプ63、pH調整剤注入管64で送水管36に注入して被処理水のpHを凝集に適した値に調整している。pH調整剤貯留タンク62にはpH調整剤攪拌機65が設けられ、pH調整剤貯留タンク62内のpH調整剤濃度の均一化と沈積防止を図っている。pH調整剤注入ポンプ62は容積式定量ポンプであり、pH調整剤貯留タンク62に設けた水位計によって運転制御され、pH調整剤貯留タンク62の液面水位が異常低下したときに停止してpH調整剤注入ポンプ63の故障などの事故を未然に防止する。また、pH計とpH調節計を用いてpH調整剤注入ポンプの吐出量を制御することによって被処理水のpH制御も可能である。pH調整剤には水酸化ナトリウム溶液や水酸化カルシウム溶液が用いられ、補充口66からpH調整剤貯留タンク62に補充する。pH調整剤注入管64は逆止弁を介して送水管36に接続している。
高分子凝集剤注入手段は高分子凝集剤ホッパー67、投入量積算計68、高分子凝集剤フィーダ69、高分子凝集剤溶解タンク70,71、高分子凝集剤攪拌機72,73、高分子凝集剤注入ポンプ74,75などで構成されている。高分子凝集剤は高分子凝集剤ホッパー67に貯蔵されており、高分子凝集剤ホッパー67から高分子凝集剤ホッパー67の下部に設けられた高分子凝集剤フィーダ69により高分子凝集剤溶解タンク70,71に投入され、希釈水は浄化水タンク49から浄化水ポンプ50により希釈水注水管76または希釈水注水管77を通って高分子凝集剤溶解タンク70,71に注入する。高分子凝集剤溶解タンク70,71では高分子凝集剤攪拌機72または73によって希釈水に高分子凝集剤が溶解される。高分子凝集剤の溶解には1時間程度の時間を要するため、高分子凝集剤溶解タンク70,71では溶解と貯留が交互に行われ、またタンクの容量はそれぞれ少なくとも1時間供給可能にされており、貯留されている側の高分子凝集剤溶解タンクから高分子凝集剤注入ポンプ74,75と高分子凝集剤注入管76,77によって送水管36または汚泥脱水手段に注入するようにしている。
高分子凝集剤ホッパー67には高分子凝集剤投入口78から高分子凝集剤が補充される。高分子凝集剤フィーダ69は高分子凝集剤溶解タンク70またはタンク71に設けた水位計と投入量積算計68によって運転制御され、高分子凝集剤溶解タンク70,71の液面水位が所定の位置まで低下すると投入を開始し、投入量積算計68で所定量が積算されると投入を停止する。また、高分子凝集剤フィーダ69は投入先を切替えられる機構を有しており、投入先を高分子凝集剤溶解タンク70,71に切替えることができる。高分子凝集剤ホッパー67には図示していないがアーチブレーカーが設けられ、乾燥空気が送られており、高分子凝集剤は常に乾燥状態に維持されている。また、高分子凝集剤ホッパー67にはスクリューフィーダやテーブルフィーダが用いられる。希釈水注入管には積算流量計79と電磁弁125が接続されており、電磁弁125は高分子凝集剤溶解タンク70,71の水位計と積算流量計79によって制御され、高分子凝集剤溶解タンク70,71の液面水位が所定の位置まで低下すると開いて注水を開始し、積算流量計79で所定の流量が積算されると閉じて注水を停止する。
さらに、希釈水注入管は希釈水注入管76と希釈水注入管77に分岐して高分子凝集剤溶解タンク70,71の水位計からの信号によって開閉する電磁弁80,81を介して高分子凝集剤溶解タンク70,71に接続され、電磁弁80,81は液面水位が所定の低水位位置まで低下したとき開いて希釈水を注入し、所定の高水位位置まで上昇したとき閉じて希釈水の注入を停止する。高分子凝集剤注入ポンプ74,75は容積式の定量ポンプであり、高分子凝集剤溶解タンク70,71の水位計の信号によって運転制御され、高分子凝集剤溶解タンク70,71の液面水位が異常低下したときに停止して高分子凝集剤注入ポンプ74、75の故障などの事故を未然に防止している。高分子凝集剤注入ポンプ74,75のそれぞれの吸込口は高分子凝集剤溶解タンク70,71に並列に接続されており、弁82,83を切替えて貯蔵が行われている高分子凝集剤溶解タンクを選択して高分子凝集剤を引抜くことができる。弁82,83には電磁弁や電動弁などが用いられ、高分子凝集剤溶解タンク70,71の水位計からの信号によって開閉制御が可能である。高分子凝集剤注入管76,77の管路の途中には逆止弁が接続され逆流が防がれている。また、市販されている高分子凝集剤自動溶解装置を用いることで、上述した高分子凝集剤注入手段の構成を簡素化することも可能である。
上述したフロック形成手段は、送水管36が接続された急速攪拌機84と緩速攪拌機85で構成されており、急速攪拌機84と緩速攪拌機85に接続した導管には高分子凝集剤注入管76が接続されて高分子凝集剤が注入される。添加剤注入手段により添加剤を注入した被処理水は、送水管36を通って急速攪拌機84に送られ、添加剤と汚濁物、例えば、固形浮遊物、リン酸塩類、大腸菌などのバクテリアなどが被処理水中に均一に分散されてマイクロフロックが生成された後、被処理水に高分子凝集剤が注入されて緩速攪拌機85によって比較的大きなサイズの磁性凝集体が形成される。急速攪拌機84には可動部がないスタティックミキサーが用いられ、緩速攪拌機185には所定容量の密閉攪拌槽と攪拌機が用いられるが、双方にスタティックミキサーを使用したり、管路式攪拌装置を用いることも可能である。
上述した磁気分離手段は、図1及び図2で説明した磁気分離装置によって構成され、磁性凝集体を含む被処理水は緩速攪拌機85から磁気分離部の通水管10に接続した導管86によって磁気分離装置に送られて磁性凝集体を磁気分離した後、浄化水は導管87を通って浄化水タンク49に送られる。磁気分離装置で使用される洗浄用水は、加圧ポンプ88から回転円盤形磁気フィルタ3の上下に配置された散水管11a,11bに送られ、洗浄水配管にはそれぞれ逆止弁19a,19bと流量調整弁24a,24bと流量計26a,26bが設けられている。磁気分離装置の濃縮槽15から取出される上澄水は、濃縮槽15の上澄水取出口から分離水タンク89に接続した導管90によって分離水タンク89に送られ、導管90の上澄水取出口側には流量計91と調整弁18が設けられて上澄水取出量を調整するようにしている。濃縮槽15で濃縮されて減容した汚泥は磁性粉回収再利用手段に送られる。磁気分離装置の超電導マグネットの真空断熱容器の安全弁からのヘリウムガスは安全弁に接続された導管92を通って放出口93から大気に放出される。
磁気分離手段で得た浄化水は、湖沼などへの放流を主として、回転円盤形磁気フィルタ3の洗浄水の他、磁性粉や凝集剤の希釈水としても利用している。浄化水は、一旦浄化水タンク49に貯留されて浄化水ポンプ50と放流管94によって放流される。放流管94は管路の途中で希釈水送水管95に分岐されて、浄化水の一部が添加剤注入手段の希釈水として利用されるようにしている。浄化運転開始前など浄化水タンク49が空であったり水量が少ない場合は、浄化水タンク49に水道水を必要量補充しておくことにより運転開始時の回転円盤形磁気フィルタ3の洗浄水及び希釈水を確保することができる。水道は水道水接続口96に接続され、弁を介して浄化水タンク49に注入される。放流管94、希釈水移送管95にはそれぞれ調整弁97,98が接続されており、放流管94から希釈水移送管95への浄化水分配圧力を調整することができ、逆止弁により逆流防止が図られている。
また、浄化水ポンプ50と希釈水移送管95の分岐点との間の管路には圧力計99が設けられ、放流圧力を監視している。浄化水ポンプ50は浄化水タンク49に設けた水位計によって運転制御され、浄化水タンク49の液面水位が異常低下したときに停止して浄化水ポンプ50の故障などの事故を未然に防止する。その他、浄化水放流先水位が浄化水タンク49よりも低かったりして放流に浄化水ポンプ50が必要ない場合、浄化水ポンプ50は希釈水送水用のみに用いて、放流は浄化水タンク49からのオーバーフローを導管により放流先に自然流下させれば浄化水ポンプ50を小型化することができ、さらに希釈水送水用にも浄化水ポンプ50が必要ない場合、浄化水ポンプ50は不必要となり、さらに装置を簡素化することができる。回転円盤形磁気フィルタ3の洗浄水も同様に浄化水タンクから洗浄水加圧ポンプによって送水される。洗浄水配管途中には洗浄流量計26a,26bや流量調整弁24a,24bや逆止弁19a,19bが配置されて、洗浄流量の調整や磁気分離装置本体からの逆流を防止している。
磁性粉回収再利用手段では、磁気分離手段における濃縮槽15の下部から引抜かれた磁性凝集体の汚泥が磨砕機100で磨砕されて汚濁物と磁性粉に分解された後、汚泥ポンプ101、汚泥移送管102によって磁選機103に送られ、この磁選機103を通過した汚泥は導管104を流下して汚泥タンク105に入り、磁選機103で回収された磁性粉は回収磁性粉移送手段52を通って磁性粉ポッパー44に補充されて再利用される。磨砕機100にはホモミクサが用いられ、入口と出口をバイパスする導管106とその管路中の弁107により汚泥の一部を再循環させることができるので汚泥の分解力を高めることができる。また、ここでは磨砕機100の後段に汚泥ポンプ101を設置しているが、汚泥ポンプ101の後段に磨砕機101を設置しても差し支えない。
濃縮槽15から磨砕機100、汚泥ポンプ101を経て磁選機103に送られる汚泥量は、汚泥移送管102に設けた弁又は汚泥ポンプ101の回転数を可変することによって調整される。磁選機103は永久磁石が埋め込まれた電動機駆動の回転円板と磨砕汚泥が入る分離槽と、円盤の永久磁石に吸着された磁性粉を掻き取るスクレーパーを備え、回転円板の一部分が分離槽の汚泥に浸されて回転し、分離槽に入った汚泥が反対側の溢流側に向かって流れて溢流するまでの間に回転円板の永久磁石で磨砕機100で分解された磁性粉が吸着され、吸着した磁性粉は回転円板の回転とともに空気中に移動してスクレーパーで掻き取られ回収される。また、回転円板の外周と分離槽の内壁には攪拌翼が設けられており、回転円板が回転することで分離槽内の汚泥が攪拌されて磁性粉の沈積が防止されている。回収磁性粉移送手段52には例えばスクリューフィーダやベルトコンベアなどを用いることができるが、磁選機103を磁性粉ホッパー44の磁性粉投入口の真上に配置して、回収された磁性粉が重力落下で磁性粉ホッパー44に投入されるようにすれば、回収磁性粉投入手段52は不必要になって装置をさらに簡素化することができる。また、磁選機103を磁性粉希釈タンク48の真上に配置して、回収された磁性粉が重力落下で磁性粉希釈タンク48に投入されるようにしても、回収磁性粉投入手段52を省略することができ、装置を簡素化することができる。
汚泥脱水手段は、汚泥脱水機108によって汚泥を脱水して減容化するとともに、汚泥運搬を容易にするために不可欠なものであり、汚泥は汚泥タンク105から汚泥供給ポンプ109、供給管110により汚泥脱水機108に供給される。汚泥脱水機108には添加剤注入手段からの高分子凝集剤注入管77が接続されて高分子凝集剤が注入されており、脱水汚泥は汚泥排出口からシューター111に落とされて汚泥フィーダ112により汚泥回収容器113に移送され、分離水は導管114を通って分離水排出口から分離水タンク89に流下して磁気分離手段の濃縮槽上澄水とともに分離水ポンプ115、導管126によって原水タンク32に送られる。
汚泥供給ポンプ109はフリクトスイッチ付きの水中スラリーポンプで、汚泥タンク105の汚泥液面が異常低下したときには停止して汚泥供給ポンプ109の故障などの事故が未然に防止される。また、分離水ポンプ115はフリクトスイッチ付きの水中ポンプで、分離水タンク89の水位が異常低下したときには停止して浄化水ポンプ115の故障などの事故が未然に防止される。汚泥供給管110の管路の途中にはスラリー流量計116と流量調整弁117が設けられている。また、分離水導管126の管路の途中には流量計118、弁119、逆止弁が接続されている。汚泥回収容器113に貯まった脱水汚泥120は、例えば廃棄物処分場など運搬されて処分されたり、また、コンポストの原料としてリサイクルすることができる。特に、鉄分を含有した磁性粉を使用し、それを回収再利用しない設備においては汚泥中の鉄分が含まれているので、鉄分が必要なセメントの原材料としてリサイクルすることもできる。
上述したタンク類には全てレベルゲージ、オーバーフロー管、ドレン管が設けられており、オーバーフローおよびドレンは全て排水溝に集められて、例えば下水に排水される。また、本実施例で用いているタンク類に鉄筋コンクリート製の水槽を用いることも可能である。図では制御盤が省略されているが本実施例を構成している機器や装置は全て制御盤から電源の供給を受け、運転操作やシーケンス制御が行われている。ここで、本設備の電力は通常の商用電源を利用してもよいし、特別にこの設備用として、風力発電、ソ−ラ−発電、バイオマス発電設備などの発電設備を設置してこれらを単独又は、組み合わせて供給することもできる。
以上説明した磁気分離装置を用いた浄水装置によれば、磁気分離手段によって磁性凝集体をきれいに洗浄させることができ、磁気分離性能を高め、長時間の運転に対しても性能を維持でき、さらに、洗浄剥離した磁性凝集体が濃縮により減容化されることにより磁性粉回収処理や汚泥脱水などの後処理設備を小型化することもできる。また、磁性粉注入の低濃度化および磁性粉の回収再利用により、低コストで運転員の運転操作が簡素化された省スペ−ス、省エネルギ−でメンテナンスインタ−バルの長い浄水装置を提供することができ、湖沼など閉鎖水域のリン、浮遊固形物、植物プランクトンなどの浄化に好適である。
上述した磁気分離装置は、図3に示した浄水装置以外の構成の浄水装置にも使用することができる。
1,1a〜1n 扇形状マトリックス群
2 中心軸
3 回転円盤形磁気フィルタ
4 真空容器
5 空心ソレノイド形超伝導マグネット
6 被処理水
9 電動機
10 通水管
11a,11b 散水管
13 集泥容器
15 濃縮槽
126 仕切り板
2 中心軸
3 回転円盤形磁気フィルタ
4 真空容器
5 空心ソレノイド形超伝導マグネット
6 被処理水
9 電動機
10 通水管
11a,11b 散水管
13 集泥容器
15 濃縮槽
126 仕切り板
Claims (5)
- 汚濁物と磁性粉とを凝集した磁性凝集体を含む被処理水を下方より導水する通水管の周囲に空心ソレノイド形マグネットを設け、前記空心ソレノイド形マグネットの磁気力を受けて被処理水中の磁性凝集体を吸着するように前記通水管に各扇形状マトリックス群を対応させて前記空心ソレノイド形マグネットと異なる回転軸を中心にして回転可能な回転円盤形磁気フィルタを配置し、この回転円盤形磁気フィルタの前記各扇形状マトリックス群における前記空心ソレノイド形マグネットから離れた位置の下部に集泥容器を配置し、前記各扇形状マトリックス群で吸着した磁性凝集体を洗浄する洗浄水を供給して前記集泥容器の上流側受け入れ口から洗浄水を回収する洗浄手段を備えた磁気分離装置において、前記洗浄手段は、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から洗浄水を供給する散水管と、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から洗浄水を供給する散水管とを有して構成したことを特徴とする磁気分離装置。
- 請求項1記載のものにおいて、前記集泥容器の前記各扇形状マトリックス群に対応した洗浄水の上流側受け入れ口を共通にして、この上流側受け入れ口の範囲内で、前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして前記両散水管を配置したことを特徴とする磁気分離装置。
- 請求項1記載のものにおいて、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から浄化水を供給して洗浄する前記散水管は、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から浄化水を供給して洗浄する前記散水管よりも前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向にずらして配置したことを特徴とする磁気分離装置。
- 請求項1記載のものにおいて、前記回転円盤形磁気フィルタは、その回転軸に対してほぼ放射状に配設した複数の仕切り板間にそれぞれ扇形状マトリックス群を配置して構成し、前記複数の仕切り板は、前記回転円盤形磁気フィルタの回転方向に等分間隔で配置し、前記回転円盤形磁気フィルタの上面側から洗浄水を供給して洗浄する前記散水管と、前記回転円盤形磁気フィルタの下面側から洗浄水を供給して洗浄する前記散水管とは、前記回転円盤形磁気フィルタの前記回転軸に対してそれぞれほぼ放射状に配置すると共に、隣接する二つの前記仕切り板の間隔よりも大きく隔てて配置したことを特徴とする磁気分離装置。
- 汚濁成分を含んだ原水を取水する取水手段と、前記取水手段が取水した原水に凝集剤を注入する添加剤注入手段と、前記凝集剤の注入により汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を形成するフロック形成手段と、前記磁性凝集体を含んだ原水から前記磁性凝集体を分離濃縮する磁気分離手段と、前記磁性凝集体が除かれた原水を浄化水として放流する浄化手段と、前記濃縮された磁性凝集体を磁性粉と汚濁物の汚泥とに分離して磁性粉を回収する磁性粉回収再利用手段とを備えた浄水装置において、前記磁気分離手段は、汚濁物と磁性粉とが凝集された磁性凝集体を含む被処理水を下方より導水する通水管の周囲に空心ソレノイド形マグネットを設け、その回転軸に対してほぼ放射状に配設した複数の仕切り板間にそれぞれ扇形状マトリックス群を配置して構成すると共に、前記空心ソレノイド形マグネットの磁気力を受けて被処理水中の磁性凝集体を吸着するように前記通水管に前記各扇形状マトリックス群を対応させて前記空心ソレノイド形マグネットと異なる前記回転軸を中心に回転可能に回転円盤形磁気フィルタを配置し、この回転円盤形磁気フィルタの前記各扇形状マトリックス群の他の下部に洗浄散水の上流側受け入れ口を有する集泥容器で前記各扇形状マトリックス群で吸着した磁性凝集体を洗浄する洗浄手段からの洗浄散水を受けるように構成し、前記洗浄手段は、前記回転円盤形磁気フィルタの上面及び下面方向からそれぞれ散水して洗浄する複数の散水管を有することを特徴とする磁気分離装置を用いた浄水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004076399A JP2005262046A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 磁気分離装置及びそれを用いた浄水装置 |
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ID=35087142
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-03-17 JP JP2004076399A patent/JP2005262046A/ja active Pending
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