JP3574554B2 - 触感呈示方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触覚を用いた情報伝達技術に関するものであり、皮膚表面を刺激して、滑らかな触感や粗い触感などを任意に仮想的に実現するための触感呈示方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
触覚を介して人間に情報を伝達する技術については、目や耳のハンディキャップを補う手段として、また特に近年ではバーチャルリアリティーの一分野としてこれまで数多くの研究がなされてきた〔参考文献1,2,3〕。それらは力覚や接触の有無のディスプレイにはじまり、ピンや振動子の二次元アレイによって三次元的な局部形状や細かなテクスチャを呈示するもの〔参考文献4,5,6〕、振動によって物体の滑りを伝達するもの〔参考文献7〕、強い超音波によるスクイッズ効果によって表面のざらざら感を制御するもの〔参考文献8〕など多岐にわたっている。
【0003】
しかしこれらいずれの研究においても、実際と見分けのつかないような触り心地、触感を呈示する技術は、非常に困難な将来の課題と考えられてきたように思われる。
【0004】
それは、人間が、表面の材質や、非常に微細な構造の違いもその触感によって見分けてしまうことができ、人間の識別可能な触感の膨大なバリエーションを、何らかの装置の表面に対象と同じ材質や微細形状を忠実に再現することによって体感させることはほとんど不可能だからである。
【0005】
〔参考文献〕
〔1〕K.B.Shimoga, "A Survey of Perceptual Feedback Issue in Dexterous Telemanipulation; Part I. Finger Force Feedback," Proc. VRAIS '93, pp. 263-270, 1993.
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〔7〕R.D.Howe, "A Force-Reflecting Teleoperated Hand System for the Study of Tactile Sensing in Precision Manipulation," Proc.1992 IEEE Int.Conf.Robotics and Automation, pp.1321-1326, 1992.
〔8〕T.Watanabe and S.Fukui, "A Method for Controlling Tactile Sensation of Surface Roughness Using Ultrasonic Vibration," Proc.1995 IEEE Int. Conf. Robotics and Automation, pp.1134-1139, 1995.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多様な触感を単一の機構で簡単に生成できる方法及び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決を図るために、人間の皮膚の物理的特性と触覚受容器の特徴を分析し、皮膚表面への刺激の時間空間的パターンからどのような特徴を捉えて触感が決定されているかを考察して、それに基づいて、触感を呈示する方法及び装置を提案した。
【0008】
図1は、本発明の原理説明図である。
図1において、1は、手掌、たとえば母指球である。2−1〜2−4は、たとえば1mm×2mm×0.5mmのサイズの微小磁石であり、それぞれ2mm間隔で一次元状に配列されて、手掌1の表面に接着される。
【0009】
3−1〜3−4は、電磁コイルであり、それぞれ微小磁石2−1〜2−4に対向し、微小磁石との間に僅かな空間を置いて設けられる。各電磁コイルは独立して駆動され、それぞれが対向している微小磁石を駆動して、皮膚への刺激を生じさせる。図示省略されているが、4本の電磁コイル3−1〜3−4は1つのブロックに固定保持されており、さらにブロックを手掌に対して安定に支持するための手段が設けられている。
【0010】
4は、電磁コイル3−1〜3−4をそれぞれ駆動するためのドライバである。
【0011】
5は、ドライバ4に各電磁コイル3−1〜3−4を駆動するのに必要なレベル、位相を指示する駆動パターン発生手段であり、たとえばコンピュータで構成される。駆動パターン発生手段5は、電磁コイル3−1,3−2,3−3の組と、電磁コイル3−2,3−3,3−4の組とを交互に選択して駆動することにより、仮想的に触感位置の移動感覚を生成する。また各選択された3個の電磁コイルについては、中央部の電磁コイルとその周辺部の電磁コイルとでは、駆動パターンのレベル、あるいは位相が異ならされる。
【0012】
人間は対象に軽く触れさすことで毛皮や布地、木や金属の表面など、様々な触り心地を知覚・識別することができる。その感覚は能動的・受動的いずれの場合にも生じ〔参考文献9〕、人間の皮膚のほとんどの部分で同じような感覚として知覚される。ここではそのような物体表面の細かい構造や材質に関して得られる普遍的な情報を“触感”と呼ぶことにし、点字を読んだり、マクロな形状を認識したりする知覚とは区別することにする。
【0013】
皮膚の応力伝達特性について考察すると、弾性体表面に応力を与えた場合、表面の細かい応力パターンは内部へとボケながら伝達する。言い換えれば弾性体は、その表面応力分布に対して空間的な低域フィルタとして働く。もし人間の皮膚が半無限均質な弾性体であると仮定するならば、そのフィルタリング特性は容易に計算される。いま均質・等方な弾性がx−y−z空間における半無限な領域z>0を満たしているとする。ある深さzにおける表面に平行な面内での圧力分布をPz (k) とし、表面での圧力分布をP(k) と書くことにする。ただしkは波数ベクトルk=(kx ,ky )である。そのときP(k) とPz (k) は
z (k) =P(k) exp(−|k|z) (1)
のように結ばれ〔参考文献10〕、各周波数成分は弾性体内部で指数関数的に減少する。またその減衰の度合いは高い周波数成分ほど急である。(なおここで「圧力」という言葉は主応力3成分の和を意味するものとして用いた。応力テンソルの各成分は一般にkの一次以下の関数と exp(−|k|z)の積で書かれる〔参考文献11〕。)
次に式(1)をもとにして、図2に示される人間の皮膚構造について検討する。人間の手掌部において表層受容器(マイスナ小体)と深層受容器(パチニ小体)は皮膚表面よりそれぞれおよそ0.7mmと2mmの深さに存在すると言われている。このとき例えば皮膚表面に与えられた応力パターンのうち波長2mm(k=π[rad/mm])の空間周波数成分は表層受容器の配置された深さz=0.7[mm]で1/9、深層受容器の深さz=2[mm]で1/500まで減衰する。波長1mmの成分は表層受容器の深さですら1/81まで減衰する。以上より次のことがいえる。
1.各皮膚機械受容器はその深さに応じて異なった特性の空間的低域フィルタリングを受けた応力パターンに刺激される。
2.皮膚の低域通過特性が指数関数的な減衰特性を有していることにより、波長1mmよりも細かい周波数成分はどの受容器にもほとんど伝わらない。
【0014】
ここで人間の触感を決定する主要因について考察する。
人間はその触感によって表面の非常に細かい特徴を簡単に識別することができる。ミクロンオーダの粒子からなるサンドペーパーについてもその表面荒さの違いを指の感触から識別可能であることが知られている。しかし、皮膚表面に生じる応力のうち、高い空間周波数成分は内部の機械受容器まではほとんど届かない。したがって、その優れた知覚は、スティックスリップや指紋に起因する数mmよりも大きい波長の空間周波数成分を検出することによってもたらされていると考えられる。そしてそのとき、各受容器は種類ごとにほぼ一定の深さに配置されているため、同一種類の受容器は同じ特性の(空間的)低減フィルタを通して表面応力を知覚し、スティックスリップによって生じる低い空間周波数成分の位相は対象表面の微細な幾何的な特徴を保存していないもの、と予想される。
【0015】
以上の考察から、物体表面の細かい構造に起因する触感を決定する主要な要因は、
(1)各皮膚機械受容器が知覚する刺激の時間波形
(2)およびその皮膚表面での巨視的な空間的移動
のみであると推測できる。
【0016】
要因の(1)は同一機械受容器に対する刺激の横方向の詳細な分布は触感決定にほとんど影響しないことを意味する。また各皮膚機械受容器が知覚する“時間波形”とは、機械的刺激と熱的刺激の両方を含むと考えられるが、本発明では簡単化のため熱的刺激は除いている。
【0017】
図1に示された本発明の構成例では、微小磁石の質量は0.006g程度であり、駆動周波数を数百Hz以下とすると、その機械的インピーダンスは皮膚表面の機械的インピーダンスよりも小さいとみなせるので、皮膚に与えられる力は、コイルの電流に比例する。
【0018】
ここで一次元配列された3つの微小磁石の駆動力をf1 ,f2 ,f3 とすると、中央部の1つの微小磁石の駆動力f2 と周辺部の2つの微小磁石の駆動力f1 ,f3 が同相の同相駆動モードと、逆相の逆相駆動モードについて述べる。
【0019】
i)同相駆動モード:
(f1 (t), f2 (t), f3 (t))=(1,1,1)f(t) (2)
ii)逆相駆動モード:
(f1 (t), f2 (t), f3 (t))=(-0.5,1,-0.5) f(t) (3)
図3の(a)と(b)は、それぞれ同相駆動モードと逆相駆動モードにおけるf1 ,f2 ,f3 刺激の伝達特性を示す。
【0020】
図3の(a)に示す同相駆動モードでは、表層と深層の受容器に同程度の刺激が伝わる。(b)に示す逆相駆動モードでは深層受容器は表層受容器よりも小さい応力を受ける。
【0021】
したがって、3本のコイルを
(f1 , f2 , f3 ) =c(t)(1,1,1) +r(t)(-0.5,1,-0.5) (4)
のように駆動すれば、c(t) +r(t) が表層受容器に、c(t) が深層受容器に近似的に与えられ、異なった深さにある受容器を選択的に刺激することができる。(ただし本装置においては(1)与えられる力は垂直成分だけであり、(2)皮膚表層と深層の中間にある受容器〔メルケル触盤とルフィニ終末〕への刺激を特定することはできない、という制約がある。)
なお図1の例におけるように微小磁石の間隔が2mmの場合、深層受容器に到達する垂直応力は(ただし等方均質な弾性体を仮定して計算した場合)、図3の(a)の同相駆動モードでは表層受容器に到達する垂直応力の75%であり、図3の(b)の逆相駆動モードでは22%である。
【0022】
〔参考文献〕
〔9〕G.D.Lamb, "Tactile Discrimination of Textured Surface: Psychophysical Performance Measure-mentsin Humans," J.Physiol.Vol.338, pp.551-565,1983.
〔10〕H.Shinoda, M.Uehara and S.Ando, "A Tactile Sensor Using Three-Dimensional Structure," Proc.1993 IEEE Int. Conf. Robotics and Automation,pp.435-441, 1993.
〔11〕S.P.Timoshenko and J.N.Goodier: "Theory of Elasticity," McGraw Hill, 1970.
【0023】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明による触感呈示装置の1実施例構成を示す。
図4において、2−1〜2−4は微小磁石、3−1〜3−4は電磁コイル、4−1〜4−4はドライバ、6−1〜6−4はポート、7−1〜7−4はD/Aコンバータ、8はCPU、9はメモリ、10は触感制御プログラム、11は駆動パターンテーブルである。
【0024】
動作時に、CPU8は触感制御プログラム10を実行する。駆動パターンテーブル11には、実現すべき触感の種類ごとに、中央部と周辺部の電磁コイルにそれぞれ流す電流パターンが格納されている。触感制御プログラム10は、触感の種類を定めるための駆動パターン発生制御と刺激の移動感を呈示するための電磁コイル切替え制御を行う。駆動パターン発生制御により、各タイミングで駆動パターンテーブル11から連続する3個の電磁コイルをそれぞれ駆動するのに必要な電流パターンのデータを読み出し、また電磁コイル切替え制御により、各タイミングにおいて駆動すべき3個の電磁コイルを選択する。CPU8は、このようにして選択された3個の電磁コイルに対応するポート(6−1〜6−4のうちの3個)に順次に駆動パターンの電流値を設定し、それらのポートに設定された電流値は、D/Aコンバータ(7−1〜7−4のうちの3個)によりアナログ信号に変換され、ドライバ(4−1〜4−4のうちの3個)に入力される。各ドライバは、入力されたアナログ信号に対応する電流を電磁コイルに流し、駆動する。
【0025】
図5は、電磁コイル切替え制御の切替えタイミングの例を示している。皮膚上の離れた二点に交互に振動刺激を与えたとき、この二点間を刺激が連続的に移動したように感じる現象が知られており、これを利用して図5に示すように4本のコイルのうちの3本の駆動コイルの選択の仕方を切替え時間Tの時間間隔で切り替えることによって、仮想的な物体の連続的な移動感が表現できる。
【0026】
ところで、各電磁コイルの先端と対向する微小磁石の間には空隙が設けられるが、その大きさにはバラツキがあり、同じ駆動電流でも空隙の大きさが異なる微小磁石が発生する刺激の強さは異なってくる。そのため装置を使用するに先立ってバラツキの補償を行う必要がある。図6は、空隙のバラツキを各ドライバの増幅器利得を調整することによって補償する較正方法を示す。
【0027】
図6において、12は4個の電磁コイル3−1〜3−4を一体に保持固定するコイル固定装置であり、13は較正用振動子である。較正用振動子13は、コイル固定装置12の全体を上下に振動させる働きをもつ。4−1は図4に示したものと同じドライバであり、内部構成を例示的に示している。図4に示されている他のドライバ4−2〜4−4は図6中に図示されていないが、4−1と同様な内部構成をもつものが設けられている。ドライバ4−1は、可変利得増幅器14、利得制御器15、バッファ増幅器16、利得1000倍の前置増幅器17、スイッチ18,19で構成されている。また20は駆動パターンを発生する信号源である。スイッチ18,19は、較正時にはa側に接続され、通常動作時にはb側に接続される。
【0028】
較正時に、振動子13を駆動し、一定振幅で振動させる。これにより各電磁コイル3−1〜3−4の先端と微小磁石2−1〜2−4の間の空隙の大きさも周期的に変化し、各電磁コイル3−1〜3−4には、それぞれの先端の空隙の大きさに応じた電圧が誘起される。電磁コイルに誘起した電圧は、それぞれのドライバ内の前置増幅器17により一定倍率で増幅され、可変利得増幅器14に入力される。ここで各ドライバにおいて、可変利得増幅器14の出力部Aの信号レベルが等しくなるように利得制御器15を調節する。この後、スイッチ18,19をb側に切替えれば、各ドライバ4−1〜4−4において、空隙のバラツキの補償が完了する。
【0029】
図7に、同相駆動モードと逆相駆動モードによる触感呈示の実験例を示す。
【0030】
図4に示す触感呈示装置の4本の電磁コイル3−1〜3−4のうちの3本の連続する電磁コイル3−1〜3−3を使用して中央の電磁コイル3−2を150mAの正弦波電流で駆動し、両側の電磁コイル3−1,3−3へは逆相の正弦波電流の振幅を0〜150mAで変化させて供給した。図7の横方向に両側の電磁コイルの駆動電流の変化をとり、縦方向に駆動電流の周波数が50Hz,100Hz,200Hzの場合を示している。両側の電磁コイル3−1,3−3の駆動電流の値が0に近いか、逆相の150mAに近いとき、つまり刺激が一点に近づくとき、被験者は例えばスピーカ表面のような振動体に触れたときと同様な“振動”を感じた。しかし、電磁コイル3−1,3−3の逆相電流が中央の電磁コイル3−2のおよそ半分のとき、触感の明らかな変化が認められた。その刺激は非振動的なもので皮膚表面付近に局在して感じられ、表面方向の広がりの範囲は曖昧であった。
【0031】
図8に、刺激を横方向移動する触感呈示の実験例を示す。
4本中の3本の電磁コイルを図5のように切替え時間Tの時間間隔で切替え選択し、選択した3本の電磁コイルは逆相駆動モードで駆動して母指球を刺激した。与える信号は全て正弦波として、切替え時間T、キャリア信号の周波数、振幅を変化させて実験を行なった。
<1>振動振幅(中心のコイルに150[mA])を一定として、皮膚表面に沿って刺激が連続的に移動して感じられる条件を求めた結果、Tが200〜300[ms]以上のとき連続移動が感じられることを示している。
<2>T=0.5[s](被験者が刺激の連続的な移動を感じる条件をみたす)で、駆動周波数と振幅を変化させたところ、図9に示すように、振動周波数が30Hz以下のときに、被験者は(振動ではなく)滑らかな表面の物体が皮膚上を移動しているかのように感じることが分かった。なお滑らかな物体を感じているとき、キャリア信号の周波数による振動はほとんど感じていなかった。
【0032】
図10に、ランダム位相信号による触感呈示の実験例を示す。
この場合は、正弦波に代えて位相がランダムな帯域制限信号をコイルに与える。
【0033】
刺激は全て逆相駆動モードで、図5に示すように切り替える。
1.キャリア信号:
周波数区間[f1 ,f2 ][Hz]で均一な強度を持ち、位相はランダムである。中央のコイルの電流の実効値は70[mA]である。
2.信号の切替え時間T=0.5[s]とする。
【0034】
その結果、図10の(b)のテーブルに示すように、周波数区間の上限の周波数f2 が200Hz以下のとき、被験者は、図10の(a)に示すように台所で使うスポンジで手をさすられているかのように感じた。
【0035】
2 が200Hzを越える場合には、被験者は振動を感じ、その感覚を現実の触感になぞらえて表現することはできなかった。なお図10の(b)のテーブル中の“類似性”の項の記号は、その記号が同一であるときその感じ方が類似したものであったことを示している。これらの結果は触感が周波数の上限f2 に強く依存することを示している。
【0036】
図11に、パルス列による触感呈示の実験例を示す。
この実験では、パルス列の信号を前の実験と同様に逆相駆動モードで与え、図5に示すような切り替えを行なう。
1.キャリア信号:
各パルスの幅は3[ms]とし、発生頻度f[pluse/s ]でランダムに発生する。
中心コイルに与えるパルスのピーク電流は[150,300][mA]におけるランダムな値とする。
2.信号の切替え時間T=0.5[s]とする。
【0037】
その結果、図11の(b)に示すように、発生頻度fが30[pulse/s ]程度のとき、被験者は図11の(a)のようにシャープペンシルの芯など細く尖ったピン状のもので手掌を軽く撫でられ、それが皮膚表面の凹凸に引っかかりながら移動するような感じがすると答えた。
【0038】
パルス発生頻度が高すぎたり低すぎるときには、被験者はそれを日常の触感になぞらえて表現することはできなかった。
以上の説明では、4個の微小磁石と4本の電磁コイルが一次元状に配列して用いられたが、これに限られるものではなく、任意複数個数の微小磁石とそれに対応する本数の電磁コイルを一次元状あるいは二次元状に配列して用いることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、複数個の微小磁石を皮膚表面に貼付して、それぞれを電磁駆動することで皮膚を刺激し、その際各微小電磁における電磁駆動のレベルや位相などを制御する簡単な方法で、種々の感触を仮想的に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】人の手掌皮膚断面図である。
【図3】同相駆動モード及び逆相駆動モードの刺激伝播説明図である。
【図4】本発明による触感呈示装置の1実施例構成図である。
【図5】電磁コイルの切替えタイミング図である。
【図6】刺激強度の較正方法説明図である。
【図7】同相駆動モード及び逆相駆動モードによる触感呈示例説明図である。
【図8】刺激の移動感呈示例の説明図である。
【図9】駆動周波数と振幅の変化による移動感の呈示例説明図である。
【図10】ランダム位相信号による触感呈示例の説明図である。
【図11】パルス列による触感呈示例説明図である。
【符号の説明】
1:手掌
2−1〜2−4:微小磁石
3−1〜3−4:電磁コイル
4:ドライバ
5:駆動パターン発生手段

Claims (3)

  1. 皮膚表面に物体表面が接触したときの触感を仮想的に呈示する方法であって、
    上記皮膚表面に、呈示しようとする触感の種類に応じた繰り返しパターンの駆動信号により独立して駆動される複数の刺激付与手段を、それぞれ近接させて一次元状あるいは二次元状に配設するとともに、上記駆動信号の繰り返しパターンにより、呈示しようとする触感の種類に応じて、隣接する各刺激付与手段同士の間での駆動信号の位相差、及び駆動信号の振幅と周波数あるいはパルス頻度を制御して、皮膚深層への刺激の伝播特性を変更することにより、所要の触感を呈示することを特徴とする触感呈示方法。
  2. 請求項1において、刺激付与手段の各々は、皮膚表面に貼付される微小磁石と該微小磁石に対向して設けられる電磁コイルからなり、駆動信号の位相差の制御は、電磁コイルを駆動する電流の位相を用いて行うことを特徴とする触感呈示方法。
  3. 皮膚表面に物体表面が接触したときの触感を仮想的に呈示する触感呈示装置であって、
    皮膚表面に一次元状あるいは二次元状に配設され、それぞれが駆動信号により独立して駆動される複数の刺激付与手段と、刺激付与手段の各々を駆動するための刺激付与手段に対応して設けられる駆動手段と、各駆動手段に対してそれぞれ呈示しようとする触感の種類に応じた繰り返しパターンの駆動信号を発生する駆動パターン発生手段とを備え、
    上記駆動パターン発生手段が発生する駆動信号の繰り返しパターンは、呈示しようとする触感の種類に応じた隣接する各刺激付与手段同士の間での駆動信号の位相差、及び駆動信号の振幅と周波数あるいはパルス頻度を規定する繰り返しパターンであることを特徴とする触感呈示装置。
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