JP3574472B2 - タバコ膨張方法および装置 - Google Patents

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    • A24B3/00Preparing tobacco in the factory
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はタバコを膨張する方法および装置に関する。更に詳しく言えば、本発明はタバコ膨張の処理量及び経済性を向上する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
過去20年間にわたって、タバコ膨張方法は紙巻きタバコ製造方法の重要な部分になってきた。タバコ膨張方法は、タバコ葉の熟成および貯蔵中に失われたタバコのかさ密度または体積を回復させるために用いられる。また、膨張させたタバコは多くの低タールおよび超低タール紙巻きタバコの重要な成分である。
【0003】
商業的に重要なタバコ膨張方法がフレドリクソンの米国特許第3524451号、モーザ等の第3524452号の各明細書に記載されている。それらの米国特許は、タバコを含浸剤に接触させてから、急速に加熱して含浸剤を揮発させタバコを膨張させる方法を記述している。それらの方法の変形例がフレドリクソンの米国特許第3683937号明細書に記載されている。この米国特許は、蒸気状態の有機化合物を使用してタバコに含浸させるタバコ膨張方法を開示している。含浸させたタバコは、加熱または急減圧のいずれかによって膨張させる。
【0004】
タバコを膨張させるために二酸化炭素を使用する技術が、とりわけアッチの米国特許第4235250号、バーデ等の第4258729号およびシークス等の第4336814号に開示されている。それらの方法およびそれに関連する方法においては、含浸のために気状または液状の二酸化炭素をタバコと接触させ、その後で含浸させたタバコを急速に加熱して二酸化炭素を揮発させることによりタバコを膨張させている。既知の二酸化炭素膨張方法においては、タバコを十分にかつ安定に膨張させるために、タバコを過熱することが通常は必要である。この過熱のためにタバコの風味が損われ、あるいはタバコの粉が過度に発生することがある。また、液体二酸化炭素を使用してタバコに含浸させるそれらの方法は、一般に、含浸させたタバコがドライアイスを含んでいる固体ブロック状のタバコになる結果をもたらすことがあり、熱処理する前にそのような固体ブロック状のタバコを砕かねばならず、そのため処理が複雑になる。
【0005】
ジーンの米国特許第4461310号およびジーンの第4289148号には、超臨界窒素または超臨界アルゴンによるタバコの含浸を使用するタバコ膨張技術が開示されている。それらのガスは急速減圧中にタバコから除去され、加熱気体またはマイクロ波にタバコをさらすことによってタバコは膨張させられる。それらの方法では、タバコを十分に膨張させるために、約141kg/cm(約2000psig)または約282kg/cm(約4000psig)を超えて、約700kg/cm(約10000psig)までの圧力でタバコを処理する必要がある。
【0006】
ホワイトの米国特許第4531529号には、膨張剤の臨界圧力および臨界温度以上、またはその付近で通常は気体であるハロカーボンや炭化水素などの、低沸点高揮発性の膨張剤をタバコに含浸させる、タバコの充填容量を増大させる方法が記述されている。タバコを膨張させるため、または膨張させた状態にタバコを固定させるために、加熱過程の必要なしにタバコが膨張するように、圧力を大気圧まで急速に低下させる。この方法の圧力条件は36kg/cmG(512psig)以上で上限値は未知である。141kg/cmG(2000psig)より低い圧力を使用すると、タバコを過度に粉砕することなしに満足できる膨張が得られた。この範囲以上の圧力は通常は不要であるといわれている。膨張剤の圧力を必要な圧力まで高めるために要する時間が1〜10分間である場合は、タバコに効果的に含浸させるために圧力をかけておく追加の時間はほとんど、または全く必要なかった。
【0007】
コンラド及びホワイトの米国特許第4554932号には、円筒形の筒状殻と、この殻の外部の装入位置と殻の内部の処理位置との間で動くように装着された往復スプール組立体とを含む、流体圧処理装置が記述されている。殻と係合して圧力室を構成する密封部材がスプール組立体に設けられる。処理流体を圧力室に入れるための導管が設けられる。それによってこのシステムは、装入および取出しを容易にし、高圧処理装置において通常用いられる密封機構および固定機構に関連する諸問題を最少にしあるいは解消する、膨張のためのタバコ含浸などの高圧材料処理において使用するための装置を提供している。したがって、この装置はタバコ膨張時間を節減し、かつタバコ膨張を低コストで行う圧力容器を提供している。
【0008】
クラマーの米国特許第5067293号は、協働する動く表面が処理室を密封する、動的シールを形成するための機構を有し、タバコ原料およびその他の生物学的材料を処理するための方法および装置を対象とする。前記米国特許に従って提供されるその動的シール・システムは、タバコ膨張を含めた処理のための超臨界温度および超臨界圧力条件を含めて、高くした温度および高くした圧力条件においてタバコを処理するために有用である。連続処理および一括処理が開示されている。タバコ膨張のためにタバコに対する重量比が40:1より高い超臨界流体を使用することが開示され、タバコ材料の完全な含浸がほぼ瞬時に行われるといわれている。減圧に先立って含浸時間を1〜10分間維持すると、タバコの膨張がより十分になるといわれている。
【0009】
ホワイトの第4962773号には、紙巻き中に刻みてん充葉が体積膨張を行うような条件に、紙巻きタバコをさらす方法が記述されている。この米国特許には、超臨界圧および超臨界温度より上で行われる含浸条件の使用を含めて、種々の含浸条件および種々の流体の使用が記述されている。超臨界条件の下で紙巻きタバコに含浸するための作業例では、容積4.5リットルの圧力容器が使用されている。
【0010】
大気圧より十分に高い含浸圧力を使用する場合には、以上述べた方法およびその他の方法を含めて、タバコ膨張方法は一括法または連続法(クラマーの米国特許第5067293号)で行うべきである。一括処理法および連続処理法は複雑な処理装置を必要とし、容器の開閉に要する時間と、含浸剤を容器に入れ、容器から含浸剤を取り出すために要する時間とのために、長いサイクル時間を必要とする。サイクル時間を短縮するために使用されている種々の装置を改造することによって処理量はある程度向上したが、主として個々のシステムの容積を増大すること、または同時に使用される一括システムの数を増加すること、あるいはその両方により、従来の技術に従って既知の一括システムにおける処理量の大幅な向上が達成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高圧タバコ含浸システムにおけるタバコ処理量を劇的に向上できる、タバコ膨張方法の改良を提供する。本発明の種々の態様によれば、1分より短い、典型的には約15〜30秒より短い、完全サイクル時間内に、タバコを膨張させるために高圧含浸領域内で含浸させ、その領域から取り出すことができる。また、本発明の別の態様によれば、高圧含浸領域内の利用可能な処理スペースの使用を劇的に改善することによってタバコ処理量は一層向上する。更に、本発明は、タバコを処理するために使用される膨張剤の量を最少にする方法も提供する。
【0012】
1つの態様において、本発明は、高圧含浸領域中の利用可能な含浸スペースのほぼ全部を圧縮されたタバコで充すような、高圧タバコ含浸方法を提供する。含浸剤を含浸領域に入れ、圧縮されたタバコに含浸させる。一般に、圧縮されたタバコは、1.25:1より高い、たとえば1.5:1の比で圧縮するが、低くとも2:1〜3:1またはそれより高い比で圧縮することが好ましい。このようにすると、含浸領域内の利用可能なスペースに対する処理量が大幅に、たとえば50%〜200%またはそれ以上向上する。好適な実施例においては、含浸中にタバコを圧縮するにもかかわらず、少なくとも50%の大幅なタバコ膨張、最大限100%以上の充填容量の増大が達成できる。更に、本発明の好適な実施例においては、圧縮されたタバコに含浸させるために、20秒より短いサイクル時間が使用できる。
【0013】
高圧処理容器の利用可能な処理量を劇的に向上させることに加えて、本発明のこの態様は、含浸中に含浸領域に入れられる膨張剤の量も大幅に減少させることができる。したがって、本発明のこの態様は、タバコに含浸させるために使用する膨張剤の量を、がさがさの状態、すなわち詰まっていない状態で測定した時のタバコの体積より少なくできる、タバコ膨張方法を提供するものである。通常は、膨張剤の量をタバコの量に比べてほぼ半分またはそれ以下にできる。
【0014】
本発明の別の態様においては、タバコを含浸領域に入れる前にタバコを予熱することにより、超臨界圧および超臨界温度の条件の付近またはそれより上の条件の下でタバコに含浸するためのサイクル時間を大幅に短縮することができる。本発明の更に別の態様においては、膨張剤を含浸領域に入れる前に、超臨界値より高い温度条件および圧力条件で膨張剤を予熱および予圧すると、ほぼ数秒でタバコに膨張剤が含浸して、十分に膨張できる含浸されたタバコが得られることが判明している。本発明のこの態様に従えば、超臨界流体導入時間と含浸時間と減圧時間とを含めて、1分より短い、好ましくは20秒より短い、完全サイクル時間が達成できる。10〜12秒またはそれより短いサイクル時間で、装入容量を50%以上、100%まで、および100%を超えて増大させることができる。
【0015】
本発明の方法の実施に際して種々の装置が使用できる。1つの好適な実施例においては、コンラド及びホワイトの米国特許第4554932号に開示されているような種類のスプール型タバコ膨張装置が用いられる。可動スプールへのタバコの装入と、可動スプール内部での圧縮を同時に行う好適なタバコ装入手段を組み込むようにこの装置を改造することがより好ましい。
【0016】
本発明の別の装置実施例によれば、予熱された高圧流体をタバコ膨張領域へ供給するために蓄圧器が用いられる。蓄圧器を用いることによって、高温、高圧の含浸処理中に貯蔵される高圧、高温の流体の量が最少になり、そのため高圧容器の必要性が最少になり、この方法に関連する安全上の心配が軽減される。
【0017】
本発明の非常に好適な実施例においては、ホワイト及びコンラドの米国特許第4531529号の方法に従ってタバコに含浸させるために、臨界温度より高い温度、および臨界圧より高い圧力でプロパン流体が供給される。約141kg/cm(約2000psig)より高い圧力のプロパンを使用するとサイクル時間が短くなることが今回判明した。本発明の種々の態様を組み合わせることにより、高圧含浸領域におけるタバコ処理量を、従来技術において記述されている処理量の10〜30倍以上に増大させることができる。このように、タバコを圧縮すると通常の処理量に比べて2〜3倍以上の処理量が得られる。予熱したタバコを使用し、または予熱し、予圧縮した超臨界流体を膨張領域中へほぼ瞬時に導入し、あるいはその両方によって、5サイクルまたはそれ以上までのタバコ含浸サイクルを、操作の毎分ごとに完了させることができる。このようにして、所与の容積の膨張室を使用して、含浸室容積の5倍を超える、好ましくは10〜15倍またはそれ以上のがさがさのタバコを操作の毎分ごとに容易に含浸させことができる。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の種々の方法実施例および装置実施例を説明する。図示のものを含めた特定の方法および装置に関して本発明を説明するが、本発明はそのように限定されるものではないことを理解されたい。その反対に、上記の考察および以下の詳細な説明を考察すれば明らかになるように、本発明は数多くの代替例、修正例および均等物を包含する。
【0019】
図1は本発明の種々の態様で使用される好適な装置を示す。図1に示した装置は、1985年11月26日発行のコンラド及びホワイトの米国特許第4554932号に従って全般的に構成される。説明を簡潔にするために、上記米国特許に開示されている種々の詳細事項はここでは繰り返さない。それらの詳細事項については上記米国特許を参照されたい。
【0020】
図1に示すように、この装置は、円筒形の筒状殻すなわち囲壁12とスプール組立体14とを含む圧力容器10を含む。殻12とスプール組立体14は、ステンレス鋼、青銅等を含めて適当な任意の材料で製作できる。殻とスプールの特定の構造および寸法は、後に明らかとなるように、圧力容器内部でかけることを意図している圧力に耐えるのに十分なものである。
【0021】
スプール組立体14は円筒形状の端部部材16、18と、連結棒20を含む。図1に示すようにスプールが殻12の内部にある時は、端部部材16、18と、連結棒20および殻12が、密封された圧力室すなわち圧力領域を構成する所定の容積の環状スペース22を規定する。
【0022】
図1に示すように、スプール組立体は水平位置にあり、仮想線で示す装入位置24と、やはり仮想線で示す取り出し位置26と、図1に特に示す含浸位置との間で往復運動するように配置される。スプールを3つの位置の間で動かすために、油圧ピストンまたはそれに類似のモータ手段28が、図1に部分的に示す軸を介して軸線方向に取りつけられる。
【0023】
タバコが、向き合う一対の半円筒形装入部材32によって、位置24にあるスプール上に装入される。タバコは、葉(柄と葉脈を含む)と、葉片(裁柄済みの葉)、または紙巻きタバコ用の刻みてん充葉(紙巻きタバコを製造するために裁断された、すなわち細長く裁断された葉片)を含めて種々の形のどれでもよい。装入部材32は棒34を介して、油圧ピストン等の往復運動力発生手段(図示せず)に連結される。タバコの別々の装入原料36をスプール14上に押し込める。この場合、後で図2を参照して詳しく説明するように、タバコを圧縮することが好ましい。
【0024】
スプールを位置24に装入した後、スプールを含浸位置へ移動させる。各端部部材16、18はそれぞれ膨張可能な密封部材40、42を含む。これらの密封部材は、油圧流体を流体管44を介して受け取る、油圧によって膨張できる弾性環で構成される。食用油などの油圧流体を油圧蓄圧器45によって流体管44を通じて密封部材40中に送り込み、それらの密封部材を外側へ膨張させて、漏れが生じないように圧力室22を密封する。密封部材は、スプールが位置から位置へ動くにつれて、タバコ粒子を殻12の内面およびタバコ装入部材32からかき取る、一体形の摩耗環を含むと有利でもある。油圧流体はスプールの一端から、連結棒46を貫通しスプール14の少なくとも一端に連結された孔(図1に部分的に示す)を通じて管44に入れる。
【0025】
高圧ガス管48、49が、端部部材18上に密封部材42の間に形成された環状スペース52と整列したポート50、51を介して殻12に通じる。環状スペース52は複数の半径方向ポート54と軸線方向ポート56を介して、連結棒20の表面に形成された溝58と連結される。それによって、スプール部材14が図示の位置にあるときに、ポート50、51は高圧流体を圧力室22の中に入れ、そこから出すことができるようになる。1つまたは複数のスクリーン59が連結棒20を囲んで、タバコがポート56と溝58を詰まらせるのを防止する。
【0026】
流体を含浸室22へ迅速に入れ、そこから迅速に出すために、一対の高速作動弁60、62が設けられる。それらの弁は玉弁であることが好ましい。それらの玉弁のポートの直径は、含浸室22の寸法に応じて、約1.27cm(0.5インチ)から約3.81cm(1.5インチ)またはそれより大きく、それにより高圧流体を含浸室22へほぼ瞬時に入れ、そこからほぼ瞬時に出すことができる。それらの弁は高速作動油圧アクチュエータ(図示せず)によって自動的に開閉させるのが有利である。
【0027】
入口側では、高圧ガス管48は後述する蓄圧装置64に連結されている。蓄圧装置64に供給されたガスを加熱するために蒸発器66が設けられる。蓄圧装置64内部の流体を加熱された状態に維持するために、蓄圧装置は図示しない手段によって加熱することもできる。たとえば、約175kg/cmG(2500psig)の高圧流体を蒸発器66と蓄圧装置64に供給するために、蒸発器66の上流側に高圧ポンプ(図示せず)が設けられる。
【0028】
含浸室22から高圧流体を取り出すために用いられる高圧管49が、含浸室から取り出された流体を回収するためのガス回収領域(図示せず)に連結されている。
【0029】
オイルレス空気圧縮機72などの空気圧で取出し装置がタバコ取出し領域に設けられ、タバコを囲むスプール14が取出し位置26に接近しまた取り出し位置26から離れる時に、高圧空気や高圧窒素などの流体をスプールへ送る。取出し位置26において取り出されたタバコは、相互にかみ合う振動歯を備えたほぐし装置73で受け取られ、そこから回収シュート74へ送られる。回収シュートにおいてタバコに、希望に応じて乾燥、または膨張のための加熱などの処理を更に施すことができる。
【0030】
図2は、タバコをスプール14の周囲で圧縮するために用いるタバコ圧縮装入部材32の略図を示す。図に示すように、各装入部材32は半円筒形部材であって、引っ込んだ位置と、仮想線で示す閉じた位置80との間で動くように装着されている。タバコ36はシュート82を通じてタバコ装入領域へ送られる。その後、タバコ装入部材32が装入位置80に移動してタバコ36をスプール部材14上に押しつけ、それによって端部部材16と18の間の、連結棒20を囲む環状スペースをほぼ充たす。タバコ36の量は、スプール14上に装入する前の、がさがさの状態にある時に測定したその体積が、この環状スペースの容積より十分に大きくなるような量であることが好ましい。
【0031】
圧縮前のタバコの体積、すなわち、タバコのがさがさに詰められた体積は、約30.5×30.5×30.5cm(1×1×1フィート)の立方体容器中のタバコの密度を測定することによって決定される。タバコを立方体容器中に入れ、重量を計ってタバコのがさがさに詰められた時の密度を決定する。そうすると、スプール上で圧縮される前のタバコ装入原料のがさがさに詰められた体積を、装入原料の重量と、タバコのがさがさに詰められた時の密度の値とから決定できる。装入原料のがさがさに詰められた体積をタバコ装入原料の圧縮された体積、すなわちスプール上の体積で割って圧縮比を決定する。全ての値は、含浸領域へ供給されるタバコ装入原料の実際の湿度において決定され、あるいはそのような実際の湿度に対して補正される。したがって、含浸容積が約63.5cm(25立方インチ)のスプールで、がさがさに詰められた体積が約127cm(50立方インチ)であるタバコを圧縮すると、圧縮比は2:1になる。
【0032】
タバコが占めることのできるスプール14の容積は、高圧縮流体が占めることのできる全スペースより小さいことが明らかであろう。これに関して、スプールは、流体には利用できるが、スクリーン59が存在するためにタバコが占めることができない、スペースを構成する流体ポート54、56と通路58を含む。すなわち、タバコが占めることのできる「利用可能容積」、すなわち含浸室22にきつく詰め込まれたタバコが占めることのできる利用可能容積は、一般に、含浸流体が占めることのできる利用可能容積より小さい。通常は、タバコが占めることのできる利用可能容積は、含浸流体が利用できる容積のおよそ75〜80%である。後者は、種々の通路およびポートから構成されるスペースを含むが、それらのスペースはタバコが利用できないものである。
【0033】
図3a、図3b、図3cは、図1に示した装置で使用するための、超臨界温度より高い温度および超臨界圧より高い圧力の流体を、図1の装置へほぼ瞬時に入れることができる好適な蓄圧装置の横断面図である。図3aは、本発明に従って有用である好適な気体/気体蓄積装置を示す。蓄圧装置64は約175kg/cmG(2500psig)の圧力、約129℃(約200°F)の温度のプロパンなど、高温高圧の含浸流体を、図1に示したスプール含浸室中の含浸領域へ供給するために用いられる。蓄圧装置64は、高炭素鋼など高温高圧に耐えることができる材料で製作され、内面102が硬化されている筒状殻100を含む。蓄圧装置の各端部に、高圧ガスを入れるためのポート108と110をそれぞれ含む端部部材104、106が設けられる。それらの端部部材は殻100の端部にねじ112によって固定される。各端部部材に、ベルビル(Bellville)ワッシャの形の一対のフランジばね115によって支持された環状部材114を含む衝撃吸収装置が装着される。
【0034】
中心に配置されたピストン部材116が殻100の内部で動くように装着される。このピストン部材はその両側に2つの別々の流体領域118、120を規定する。ピストン部材116はりん青銅などの適当な材料で製作される。ピストン部材116の外周部の周囲に摺動可能な密封部材119が設けられる。この密封部材119は、ピストン部材116の動作中に、上記圧力条件および温度条件の下に、流体領域118と120の間で密封を行い、かつその密封を維持できる。この密封部材は不活性であって、可撓性を有し、半径方向外側へ膨張して、ピストン部材116の外側と殻100の内面との間に密封力を生ずることができる。
【0035】
密封部材119の例が、図3aに、ピストン部材116の周囲を囲み、ピストン部材116の外周部と殻100の内部との間で密封接触を行う、5つの別々のカーボン・パッキング・リング120〜124として示されている。内側の3つのパッキング・リング121〜123は外側のパッキング・リング120、124よりも可撓性が高い。これらのパッキング・リングはGRAFOILカーボンから成型され、A.W.Chesterson CompanyからNS Style 5300Solid Die Formed Ring(121〜123)およびNS Style 5600 GTP HD Solid Die Formed Ring(120、124)として市販されている。しかし、不活性であって、ピストン116が動いている間に領域118と120の間で密封を行うことができる別の材料も使用できる。
【0036】
パッキング・リング120〜124は環状リング部材126によって圧縮された状態に維持される。この環状リング部材は、環状押付け部材130の耳部128によってパッキング・リングに向かって軸線方向に押し付けられる。押付け部材130はボルト132によってピストン部材116に固定され、偏倚部材134のために、所定の偏倚力を加える。この偏倚部材は、A.W.Chesterson Companyからスタイル5500 3/4インチフランジ・スプリングとして市販されている約1.91cm(3/4インチ)フランジ・スプリングである。ボルト132と圧縮部材130と環状リング126とを介してパッキング・リング120〜124に加えられる圧縮力の大きさは、ボルト132を締めつけることによって2つのフランジ・スプリング134を平らにするのに丁度十分な大きさである。この結果、パッキング・リング120と124は半径方向外向きに膨張し、それによって、摺動ピストン116の外周部と殻100の内周部の間に密封力を生じる。
【0037】
図3aの装置においては、約422kg/cmG(6000psig)の圧力の窒素のなどの不活性高圧ガスが1つの流体領域118内に保持され、約176kg/cmG(2500psig)の圧力のプロパンなどの含浸流体が第2の流体領域120内に保持される。高圧含浸流体が流体領域120から図1に示した含浸室へ放出されると、ピストン116を急速に動かして端部部材104に接触させることができる。そうすると力は力吸収部材115によって吸収される。その後、所定の圧力、好ましくは約176kg/cmG(2500psig)に達するまで、含浸流体がポンプによって蓄圧装置へ戻される。
【0038】
図3bは蓄圧装置の別の実施例を示す。この実施例も本発明にとって有用であって、油圧流体によって作動する。図3aに示した蓄圧装置と同様に、図3bの蓄圧装置64は、約176kg/cmG(2500psig)の圧力のプロパンなどの、高圧含浸流体を図1に示したスプール含浸室中の含浸領域へ供給するために用いられる。蓄圧装置64の構造は、図3aに示した気体/気体蓄積装置と多くの点で類似する。たとえば、図3bに示した蓄圧装置64は筒状殻100と、高圧ガスを入れるためのポート110を含む端部部材104、106と、ベルビル・ワッシャの形の一対のフランジ・スプリング115によって支持される環状部材114を含む衝撃吸収装置とを含む。端部部材104、106は、端部部材104が高圧ガスを入れるためのポート108を含まないことを除き、図3aの蓄圧装置について先に説明したように構成される。やはり図示するように、衝撃吸収装置は衝撃吸収耳部300を含むことができる。
【0039】
図3bの蓄圧装置は油圧流体を用いて作動する。蓄圧装置64は、共通棒304によってピストン部材116に連結された通常の油圧ピストン部材302を含む。図3bのピストン部材116の構造は、その一端が共通棒304の一端に取り付けられる点を除き、中心に配置されているピストン部材116について先に説明した構造とほぼ同じである。中心に配置されている静止ピストン部材306は殻100の内部に固定して装着され、その両側に流体領域118、120を規定する。静止ピストン部材306は、殻の内部を軸線方向に往復運動する棒304を受けるように適合された孔307を含む。
【0040】
流体領域118は、食用油などの油圧流体を流体領域118に入れ、そこから出すためのポート308を含む。プロパンなどの含浸流体を第2の流体領域内部120で約176kg/cmG(2500psig)の圧力に維持するために、油圧流体はポート308を通って流体領域118へ送り込まれる。高圧含浸流体が領域120から図1に示した含浸室へ放出されると、ピストン部材116を迅速に動かして端部部材104とに接触させることができる。このとき、上記のように、力は力吸収部材115によって吸収される。その後で、所定の圧力、好ましくは約176kg/cmG(2500psig)に達するまで、含浸流体がポンプによって蓄圧装置に戻される。
【0041】
静止ピストン部材306はまた、プロパンの漏れを油圧流体の漏れから分離する。漏れたプロパンはポート310を通ってプロパン回収領域へ送られる。そのプロパン回収領域においてプロパンを燃焼させ、あるいは、たとえば、上記のように含浸領域から取り出された流体を回収するためのガス回収領域へ送り、または回収シュート74へ送ることができる。漏れた油圧流体はポート312を通って油圧流体回収領域、たとえば油圧流体保持タンク(図示せず)へ送られる。
【0042】
やはり図3bに示すように、蓄圧装置は殻100の外周部の周囲に加熱外套314を含むことができる。この加熱ジャケット314は、流体を加熱し、または容器内部の流体の温度を維持し、あるいはその両方を行うための当技術分野で知られている種類のどんな装置でもよい。本発明においては、加熱ジャケット314は流体領域120内部の含浸流体を加熱するために用いられる。したがって、図3bに示すように、加熱ジャケットは含浸流体領域120の長さに沿って延びるのが有利である。当業者ならわかるであろうが、加熱ジャケット314は、図3cに示すように、蓄圧装置円筒の全長にわたって延びることもできる。加熱ジャケット314は、たとえば、加熱した油を管316を介して送り、かつその油を管318を介して排出させることによって、通常のように熱を供給する。
【0043】
図3cは、本発明に従って有用である蓄圧装置の更に別の実施例を示す。図3aおよび図3bに示した蓄圧装置と同様に、図3cの蓄圧装置64は約176kg/cmG(2500psig)のプロパンなどの高圧含浸流体を図1に示したスチール含浸装置の含浸領域に供給するために用いられる。また図3bに示した蓄圧装置と同様に、図3cの蓄圧装置64の構造も、図3aに示したものと多くの点で類似している。図3cに示した蓄圧装置は筒状殻100と、高圧ガスを入れるためのポート110を含む端部部材104、106と、中心に配置されるピストン部材116とを含む。ピストン部材116はその両側に2つの別々の領域、すなわち領域118と、少なくとも1つの流体領域120とを含む。端部部材104、106とピストン部材116は、端部部材104が高圧ガスを入れるためのポート108を含んでいない点を除き、図3aの蓄圧装置について先に説明したように構成される。本発明のこの実施例においては、端部部材104は、以下に詳しく説明するように、連結棒322を内部で往復運動させるように適合された開口部320を含むように変更される。また、やはり以下に詳しく説明するように、ピストン部材116はその一端部が連結棒322へ取りつけられるように適合されている。
【0044】
図3cにおいて、蓄圧装置64の内部でピストン部材116を動かすために、油圧アクチュエータまたは類似のモータ手段324が連結棒322を介してピストン部材116に連結される。油圧アクチュエータ324は、油圧動力を機械的な仕事に変換するための当技術分野で知られているどんな種類の油圧アクチュエータでもよい。たとえば、図示のように、油圧アクチュエータ324は筒状殻326を含むことができる。油圧アクチュエータ324の各端部には端部部材328、330が設けられる。シリンダ326の内部を動くようにその中心にピストン部材332が配置される。このピストン部材はその両側に2つの別々の油圧流体領域334、336を規定する。各油圧流体領域334、336はそれぞれポート338、340を含む。矢印で示すように、ポート338は油圧流体を油圧流体供給源342から管344を介して入れ、ポート340は管346を介して油圧流体源342へ油圧流体を戻す。油圧アクチュエータ324はまた、ピストン部材332から流体領域334と、端部部材328中の開口部350を通って軸線方向に延びる連結棒348を含む。連結棒348による往復運動が連結棒322の往復運動に変換され、従ってシリンダすなわち殻100内部のピストン部材116の運動に変換されるように、連結棒348が連結棒322と連結される。
【0045】
上記のように、約176kg/cmG(2500psig)の圧力の、プロパンなどの含浸流体が第2の流体領域120の内部に保持される。高圧含浸流体が油圧アクチュエータ324によって流体領域120から図1に示した含浸室へ放出されると、ピストン116を急速に動かして端部部材104と接触させることができる。そうすると、力は力吸収部材115によって吸収される。その後、所定の圧力、好ましくは約176kg/cmG(2500psig)に達するまで、含浸流体はポンプによって蓄圧装置に戻される。
【0046】
図1を再び参照すると、動作時には、プロパンを蓄圧装置64の高圧流体領域に供給するために高圧ポンプ(図示せず)が用いられる。蓄圧装置からガスが放出されると、図示していない手段によって圧力損失が検出され、制御装置がポンプを作動させる。そうするとポンプは直ちに始動して蓄圧装置にプロパンなどの高圧流体を再び充たす。図1の含浸領域22においてタバコを含浸するために本発明で使用される期間中に、5〜30秒という短い時間でガス蓄圧装置64を再び充たすことができる。
【0047】
図4は本発明の1つの好適な方法を示す。図4に示す方法は米国特許第4531529号に開示されている技術に従って実施することが好ましい。図3のブロック150に示す蓄圧装置64のような高温、高圧のプロパン貯蔵装置が設けられる。この貯蔵装置150は蓄圧装置64とは異なる形をとることができる。たとえば、高温、高圧のプロパンを貯蔵するために大容量のサージタンクの使用も考えられる。あるいは、カリフォルニア州ムーアパーク(Moorpark)所在のParker Bertea Aerospace,Parker Hannfin Corp.,Metal Bellows Divisionから市販のMetal Bellows蓄圧装置をここで使用することも考えられる。
【0048】
プロパンの圧力は約141kg/cmG(2000psig)より高く維持することが好ましく、約176kg/cmG(2500psig)ないし約211kg/cmG(3000psig)が有利である。本発明によれば、それらの高い圧力を用いる際に、約5秒と約15秒の間の極めて短い含浸時間を使用してタバコに含浸させることができ、しかもタバコ装入容量の極めて望ましい増大、たとえば、50〜100%を超える増大が得られることが判明した。プロパンの温度は約138℃(280°F)より高く、好ましくは約149℃(約300°F)ないし約204℃(400°F)、たとえば、約149〜157℃(約300〜315°F)に維持すると有利である。これによって含浸領域中でタバコを加熱するために極めて適度な熱が供給される。
【0049】
ブロック155に示すように、好ましくは刻みてん充葉の形のタバコを含浸領域へ入れる前に予熱すると有利である。タバコを予熱することによって、含浸領域内部に適切な短いサイクル時間条件を確立するための熱も供給される。タバコは約52℃(約125°F)より高い温度に加熱することが好ましく、約60℃(約140°F)またはそれより高い温度、たとえば、約66〜71℃(150〜160°F)の温度まで加熱することが一層好ましい。タバコの柔軟性を高めるために余分の湿気をタバコに加えることができる。本発明においては、約16%から約30%またはそれ以上の湿度を使用すると有利である。
【0050】
タバコの予熱は加熱したドラムやマイクロ波エネルギの使用、およびスチーム注入を含めた種々の手段のどれによって行ってもよい。スチーム加熱は、熱がより効果的にタバコへ移転され、それと同時に湿度が高くなるから、好ましいものと考えられる。
【0051】
予熱したタバコをその後でブロック160に示すように圧縮する。先に述べたように、好ましくは少なくとも約1.25:1、更に好ましくは1.5:1の圧縮比でタバコを圧縮する。2:1より高く、3:1またはそれ以上の圧縮比までタバコを圧縮すると有利である。タバコの圧縮によってタバコの密度が高くなるので、含浸領域に供給されるタバコの密度は圧縮前のタバコの密度より大幅に高い。がさがさに詰められたタバコの密度は、タバコが葉の形かそれとも刻みてん充葉の形か、タバコの種類、タバコの湿度、およびその他の要因に応じて大幅に変わることが当業者にはわかるであろう。湿度12%を基にして計算した、1平方メートル当たり約320kg(1平方フート当たり20ポンド)のパッキング密度が本発明では容易に使用される。パッキング密度を高くすると、同じ程度に膨張させるためのサイクル時間がある程度長くなるが、湿度12%を基にして計算した、1平方メートル当たり約400〜480kg(1平方フート当たり25〜30ポンド)およびそれより高いパッキング密度を本発明に用いて成功しており、しかも20秒以下の含浸時間と50〜100%を超える装入容量の増大を達成している。
【0052】
その後、ブロック165に示すように、圧縮したタバコを含浸領域において含浸させる。含浸流体としてプロパンを使用すると、加熱されたプロパンおよび予熱されたタバコから含浸領域に供給される熱の累積量は、約116℃(約240°F)と約132℃(約270°F)の間、好ましくは約127℃(約260°F)の含浸条件を含浸領域に提供するのに十分となるので有利である。予熱されたタバコおよび予熱されたプロパンによって熱が供給されると、約127℃(約260°F)の温度条件および約176kg/cmG(2500psig)の圧力条件を約5秒およびそれより短い時間で達成できることが判明している。
【0053】
プロパン流体を一層高い温度まで加熱すると、含浸領域内部で望ましい温度条件を達成するためにタバコをより低い温度に加熱できることが明らかであろう。しかし、それを越えると含浸領域内部のタバコに有害となる恐れのあるプロパン温度の上限が存在するものと考えられる。また、本発明の好適な実施例においては少量の含浸流体が用いられるので、タバコの加熱に使用される含浸流体の質量は比較的低い。膨張剤の質量は通常はタバコの質量とほぼ同じであるか、それより低い。したがって、タバコのような熱源から熱を加えることが望ましい。
【0054】
タバコ含浸領域内部の温度条件は、含浸領域内部で加熱器を使用するというような別の手段によって達成できることも明らかであろう。しかし、サイクル時間が極めて短い場合には、予熱したタバコと予熱した高圧プロパンの組合わせが、極めて望ましい結果を生ずることが判明している。タバコを予熱することの有利な効果は完全には理解されていない。しかし、タバコの柔軟性を含めた諸要因のために、予熱したタバコが室温のタバコよりも速く含浸流体を吸収することは有り得る。
【0055】
圧縮されて含浸されたタバコは、1〜2秒ないし約20秒の範囲の短い時間だけ含浸条件の下に維持される。図4のブロック170に示すように、その後で圧力を解放する。この圧力解放はほぼ瞬時であること、すなわち約1秒またはそれより短い時間で行うことが好ましい。これは、圧力を急速に解放する大きいポートを持つ急速作動弁を使用することによって行うことができる。その後、圧縮されたタバコを含浸領域からほぼ直ちに取り出してタバコを膨張できるようにする。膨張した形のタバコの安定化を助ける、たとえば約10〜12%の湿度を持たせるために、強制乾燥空気または加熱空気に接触させることにより、タバコを処理することが好ましい。
【0056】
膨張剤がプロパンまたはそれに類似の、ホワイト及びコンラドの米国特許第4531529号に開示されている種類の膨張剤である場合には、タバコを膨張状態に固定するためにタバコを加熱する必要はない。更に、高温加熱条件はないので、揮発性の着香料、砂糖等が大幅に失われることはない。しかし、タバコを膨張させ、またはタバコを膨張状態に固定するために熱を含む膨張条件を必要とする膨張剤を含めて、その他の膨張剤に関連して本発明を使用することもできる。
【0057】
図5は、20秒より短いサイクル時間でタバコを十分に膨張させるために、図1の装置と共に用いられる制御システムを示す。この制御方法、または膨張中の諸条件を検出するためのセンサを含む類似の制御システムは、20秒またはそれより短いサイクル時間を達成するためには極めて望ましい。制御ハードウェアとしては空気圧式、電気式、または空気圧・電気式のものとすることができ、かつ当業者には明らかなようにマイクロプロセッサを含むことができる。
【0058】
図5を参照すると、ブロック200で、スプールが装入位置24にあり、かつ適切な大きさにされたタバコ装入原料が装入位置にあることを確認するために、適切なセンサが用いられる。それらの条件が満たされる場合、ブロック205に進み、装入部材32が移動してタバコをスプール14上に載せる。位置証明弁などの適切な検出機構が、両方の装入部材32が適切な装入位置にあることを検出し、その後ブロック210に進む。ブロック210で、油圧ピストン28が作動してスプールを圧力殻12の内部へ動かす。位置証明弁などの適切なセンサが殻12内部の正しい位置にあるスプールの位置を検出し、次いでブロック215に進む。
【0059】
ブロック215で、弁が開いて油圧蓄圧装置45からの油圧流体がシール40と42を充たす。油圧蓄圧装置45は、各シール40と42を約1秒またはそれより短い時間で、好ましくは1秒より十分に短い時間で、約212kg/cm G(3000psig)の圧力まで圧縮するために十分な量の油圧流体を保持することが好ましい。適切なセンサがシール40と42の内部の流体の流体圧を検出し、圧力が、たとえば、約212kg/cmG(3000psig)など希望の値になった時、ブロック220に進む。
【0060】
ブロック220で、高速作動装入弁60が開き、タイマが作動する。これによって、加熱され圧縮された、圧力約141kg/cmG(2000psig)、温度約149℃(約300°F)またはそれ以上のプロパンのような、加熱および圧縮された含浸流体が含浸領域22の内部に入れるようになる。それらの条件の下において、とくに含浸領域内部のタバコが予熱されている場合には、含浸は極めて急速に行われるので、数秒ないし約15〜20秒の短い時間にタイマを設定できる。含浸のタイミングは、含浸領域22内部のタバコの湿度条件と、温度条件と、密度条件に基づいて調整できる。タイマの設定時間が切れると、ブロック225に進む。ブロック225で、装入弁が閉じる。装入弁が閉じたことをセンサが検出し、直ちにブロック230に進んで、排出弁62を急速に開く。
【0061】
次いでブロック235に進み、そこで、含浸領域内部の圧力が所定の低い圧力、たとえば約7〜14kg/cmG(10〜20psig)に低下するまで、含浸領域内部の圧力センサの指示を繰り返し読み取る。そのように圧力が低下した時点で、ブロック240に進む。このブロックで、弁が開き、油圧流体がシール40と42から排出される。適切なセンサがシール内部の油圧流体の圧力を検出し、流体圧が希望の低い圧力に達したとき、ブロック245に進む。
【0062】
ブロック245で、油圧ピストン28が作動して、スプール14を取出し位置26へ移動させる。それと同時に、圧縮器72が始動して、位置26に移動したスプールに高圧空気または高圧窒素を吹きつける。ブロック250で、スプールが十分に延びた取出し位置に達した時のスプールの位置を適切なセンサが検出し、次いで油圧ピストン28がスプールの動く向きを直ちに変更してスプールを装入位置24へ戻させる。次にブロック255に進み、そこで、センサが殻12内部のスプールの位置を検出し、次いで圧縮機72が停止する。その後ブロック200から再開する。
【0063】
ここで説明したタバコ膨張方法の種々の態様を、とくにプロパンを膨張促進含浸剤として使用すること、および超臨界温度の近くまたはそれより高い含浸温度条件を超臨界圧に近いまたはそれより高い圧力条件と共に使用すること、および好適な装置に関連して説明した。しかし、ここで開示した種々の重要なタバコ膨張方法およびタバコ膨張装置は、別のタバコ膨張方法、タバコ膨張流体、およびタバコ膨張装置へも応用できるものと考えられる。たとえば、タバコ圧縮は、以後に行うタバコ膨張のための、たとえば、約7.1kg/cmG(100psig)というような高圧の種々の容器内部で行われる多くのタバコ含浸作業の処理量を大幅に向上させることができる。同様に、含浸領域内へ入れるタバコのがさがさにつめた体積より大幅に小さい体積のタバコ膨張剤を使用することによって、含浸中に膨張剤が気体または液体あるいはその両方として存在する方法を含めて、多くのタバコ含浸方法およびタバコ膨張方法の経済性を改善することができる。
【0064】
同様に、超臨界温度および超臨界圧力条件の近くまたはそれより上の条件の二酸化炭素などの高温、高圧の含浸流体を含浸領域内部へほぼ瞬時に入れることによって、以後の加熱工程の前に必要な含浸時間を大幅に短縮することもできる。同様に、含浸流体を使用して高い温度条件の下でタバコを含浸させる場合、本発明のタバコ予熱工程は含浸サイクル時間を大幅に短縮することもできる。
【0065】
ここで言及したタバコ装入容量は、シリンダ内部のタバコサンプルに約0.18kg/cmG(2.6ポンド/平方インチ)の圧力を及ぼす、直径約9.21cm(3.625インチ)の中実ピストンを同様な寸法のシリンダーの内部に摺動可能に位置決めする、電子的に自動化した装入容量計を用いて、正常の方法で測定する。それらのパラメ−タは、紙巻きタバコ製造装置において紙巻きタバコロッドの製作中にタバコがさらされるパッキング条件を模したものである。膨張させたタバコとして50グラムの重量の測定したタバコ見本を使用する。膨張させないタバコとして100グラムの重量のタバコの見本を使用する。
【0066】
以上、本発明を好適な実施例に関してかなり詳細に説明した。しかし、本明細書に記述し、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの変更、変形および修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の動作位置を仮想線で部分的に示した、本発明において使用される1つの好適な装置の概略横断面図である。
【図2】圧縮したタバコを図1に示した装置の含浸領域内部へ入れるためのタバコ圧縮装置を示す、図1の2−2線に沿った概略横断面図である。
【図3a】超臨界温度および超臨界圧より上の温度および圧力を持つ流体を図1の装置へほぼ瞬時に入れることができる、図1に示した装置において使用される好適な蓄圧装置の横断面図である。
【図3b】超臨界温度および超臨界圧より上の温度および圧力を持つ流体を図1の装置へほぼ瞬時に入れることができる、図1に示した装置において使用される好適な蓄圧装置の横断面図である。
【図3c】超臨界温度および超臨界圧より上の温度および圧力を持つ流体を図1の装置へほぼ瞬時に入れることができる、図1に示した装置において使用される好適な蓄圧装置の横断面図である。
【図4】本発明の種々の態様を使用した好適な方法を示す。
【図5】図1に示した装置を動作させるための好適な制御方法を示す。

Claims (9)

  1. タバコの体積膨張によって、タバコの充填容量を増大する方法であって、
    膨張されるべきタバコ装入原料を、高圧力条件に耐えることができる含浸室中に置く工程と、
    膨張条件にされされた時に少なくとも50%膨張することのできる、含浸されたタバコを供給するのに十分な条件の下で、前記含浸室中の前記タバコ装入原料膨張剤としてプロパンを含浸させる含浸工程と、
    含浸されたタバコ装入原料を前記含浸室から取り出し、かつ含浸されたタバコを膨張させるのに十分な条件に、含浸されたタバコをさらす工程とを備え、
    膨張されるべきタバコの含浸のために、前記タバコが、膨張されるべきタバコのゆるく詰めた体積に対して、少なくとも1.5:1の圧縮比で圧縮され、前記含浸室の利用可能な含浸容積が、前記圧縮された含浸されるべきタバコで実質的に満たされることを特徴とするタバコの充填容量を増大する方法。
  2. 前記圧縮比が、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 膨張剤の超臨界温度またはそれより高い温度条件の下で前記含浸程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 膨張剤の超臨界圧力またはそれより高い圧力で前記含浸程を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 含浸されるべき前記タバコを、前記含浸内部に置く前に、常温より高い温度まで予熱することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記タバコを少なくとも52℃の温度まで予熱することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記含浸程を1分より短い期間行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記膨張剤を、超臨界温度より高い温度および超臨界圧力より高い圧力を有する流体として前記含浸室中に入れることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 周囲圧力より高い約141kg/cmG(約2000psig)より高い圧力および約116℃(約240°F)より高い温度のプロパンを含浸室に入れることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
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