JP3574395B2 - 凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機 - Google Patents
凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3574395B2 JP3574395B2 JP2000314876A JP2000314876A JP3574395B2 JP 3574395 B2 JP3574395 B2 JP 3574395B2 JP 2000314876 A JP2000314876 A JP 2000314876A JP 2000314876 A JP2000314876 A JP 2000314876A JP 3574395 B2 JP3574395 B2 JP 3574395B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discharge pipe
- pressure discharge
- vibration
- absorbing spring
- vibration absorbing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B39/00—Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
- F04B39/0027—Pulsation and noise damping means
- F04B39/0055—Pulsation and noise damping means with a special shape of fluid passage, e.g. bends, throttles, diameter changes, pipes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B53/00—Component parts, details or accessories not provided for in, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B23/00 or F04B39/00 - F04B47/00
- F04B53/06—Venting
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B39/00—Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
- F04B39/0027—Pulsation and noise damping means
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S417/00—Pumps
- Y10S417/902—Hermetically sealed motor pump unit
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Compressor (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,密閉型圧縮機,及び圧縮機から吐出される圧縮冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプに巻かれる凹凸形吸振バネに関し,より詳しくは,高圧吐出パイプの吸振バネの構造を改善して,圧縮機の所定の回転数で発生する固有振動数を回避し,また,高圧吐出パイプでの吸振を向上することにより,高圧吐出パイプの振動を低減し,信頼性を向上すると共に,圧縮機の振動騒音までも低減させることができるようにした,凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は,一般的な密閉型圧縮機の内部構造を示した断面図である。図4に示すように,一般に密閉型圧縮機は,上・下部容器1および2の内部に固定子3と回転子(図示せず)とからなる電動機構部5と,回転子の中央に圧入固定されたクランクシャフト6の回転動作で冷媒を吸入して圧縮させた後,吐き出す圧縮機構部7とで構成される。
【0003】
圧縮機構部7は,冷媒の吸入空間をなすシリンダ8が一体に形成されたシリンダブロック9と,クランクシャフト6の下端部に結合され,シリンダ8の内部で直線往復運動するピストン(図示せず)と,シリンダ8の端部に覆蓋固定されるシリンダヘッド11と,シリンダヘッド8とシリンダ11との間に介在して冷媒をシリンダ8の内部に吸入すると共に,圧縮冷媒を吐出すバルブ装置12とを備えている。
【0004】
また,シリンダヘッド11の上部には,所定の形状を有する吸入マフラ13が,固定子3と密着される形態で立設して固定されている。吸入マフラ13には,下部容器2を貫通して設けられた吸入管14が連結固定されている。
【0005】
上記のように,一般の密閉型圧縮機では,吸入管14を介して吸入された冷媒が,吸入マフラ13を経てシリンダヘッド11およびバルブ装置12を通過した後,シリンダ8の内部に流入される吸入過程と,クランクシャフト6の回転によるピストンの直線往復運動によって吸入冷媒が圧縮される圧縮過程と,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒が,再びバルブ装置12およびシリンダヘッド11を介して吐出経路に沿って外部に吐出される吐出過程とを繰り返すようになっている。
【0006】
また,シリンダブロック9の下面に半球形状の吐出マフラ21が固定されており,この吐出マフラ21は,シリンダヘッド11の吐出空間と通じるように連結されている。
【0007】
吐出マフラ21には,固定子3を囲む形態で,高圧吐出パイプ22が連結固定されており,この高圧吐出パイプの端部は,下部容器2に貫通するように連結固定された吐出管(図示せず)に溶接で固定されている。
【0008】
従って,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒は,シリンダヘッド11の吐出空間を通って吐出マフラ21の内部に流入された後,高圧吐出パイプを経て吐出管を介して密閉型圧縮機から外れるようになる。
【0009】
このとき,圧縮冷媒が,比較的狭い管である高圧吐出パイプを通りながら振動を発生し,その振動は,振動音波に変化して特定の周波数の周期的な騒音および振動となって表われるので,騒音および振動を低減するため,高圧吐出パイプの外周面に所定の長さだけ円筒形の吸振バネを結合するように構成されている。円筒形吸振バネ24は,高圧吐出パイプの質量を補強し,自体の吸振作用で,振動騒音を低減する役割をする。
【0010】
しかし,上記のような円筒形吸振バネ24を使用する場合,特定の周波数帯域の振動が発生するという問題がある。従来の密閉型圧縮機においては,これを改善することができる具体的な方法が存在しなかった。
【0011】
バネの線径,内径,ピッチなどの微細な調整によって,問題周波数帯域の変化を観察することはできるが,数多い設計要因のうち,どの要因で実際問題周波数の振動改善の効果が示されるかを予測することはできないため,振動の設計は難しいものであるといわれている。
【0012】
従来,高圧吐出パイプに使用される円筒形吸振バネ24は,一定の問題周波数帯域の振動を改善するための能動的な振動低減方法ではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,上記のような問題点を解決するためになされたもので,本発明の目的は,圧縮機の高圧吐出パイプに伝達される振動を低減することができる凹凸形吸振バネを適用して,圧縮機の所定回転数(例えば,3800rpm)運転で発生する固有振動数を回避し,高圧吐出パイプにおける吸振を向上することにより,高圧吐出パイプの振動を低減し,信頼性を向上すると共に,圧縮機の振動騒音までも低減することができるようにした,凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため,本発明の第1の観点によれば,密閉型圧縮機の高圧吐出パイプに巻かれる凹凸形吸振バネにおいて,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節し,固有振動数を高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせたことを特徴とする凹凸形吸振バネが提供される。
また,本発明の第2の観点によれば,吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構部と,吸入した冷媒が圧縮された冷媒の吐出経路となる高圧吐出パイプと,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節して固有振動数を高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせた凹凸形吸振バネと,を備えたことを特徴とする,密閉型圧縮機が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,添付の図面に基づいて本発明の凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機について詳細に説明する。図4は,密閉形圧縮機の内部構成を示した断面図である。
【0016】
図4に示したように,吸入管14を介して吸入された冷媒が,吸入マフラ13を経てシリンダヘッド11およびバルブ装置12を通過した後,シリンダ8の内部に流入される吸入過程と,クランクシャフト6の回転によるピストンの直線往復運動によって吸入冷媒が圧縮される圧縮過程と,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒が再びバルブ装置12およびシリンダヘッド11を介して吐出経路に沿って外部に吐出される吐出過程とを繰り返すようになっている。
【0017】
吐出過程で,シリンダブロック9の下面に半球形状の吐出マフラ21が固定されており,その吐出マフラ21は,シリンダヘッド11の吐出空間と通じるように連設されている。
【0018】
吐出マフラ21には,固定子3を囲む形態で,高圧吐出パイプ22が連設されており,高圧吐出パイプの端部は,下部容器2に貫通するように連設された吐出管に溶接で固定されている。
【0019】
従って,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒は,シリンダヘッド11の吐出空間を経て吐出マフラ21の内部に流入された後,高圧吐出パイプを経て吐出管を介して密閉形圧縮機を外れるようになる。
【0020】
図1は,本実施の形態にかかる凸凹形吸振バネを示したものである。図1に示したように,圧縮された冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプ22に凸凹形吸振バネ25を適用した。本実施の形態において,本発明による吸振器の原理を,往復動式圧縮機の高圧吐出パイプの凹凸形吸振バネに適用したものである。
【0021】
図2は,本発明による吸振器の原理を示したものである。図2に示したように,吸振器の原理は,一次質量Mに伝達される一定周波数の固有振動を二次質量mが吸収するという構造となっている。即ち,m,k振動系の固有振動数(数式1)を加振因子23の問題周波数fと一致させると,Mは全く振動しないことになる。
【数式1】
(k=振動係数,m=二次質量)
これは,吸振器の原理を凸凹形吸振バネに適用したものである。即ち,減殺のない二次誘導振動系で,質量Mに加振力に加えられたとき,質量mが存在しない場合,質量Mは,加振因子23の全ての振動を受けることになる。
【0022】
質量mがない場合は,加振因子23の加振力は全て質量Mの加振要因として動作する。質量mがないときは,
加振因子23=圧縮機の脈動
M=高圧吐出パイプと高圧吐出パイプの円筒形吸振バネ
となり,圧縮機の脈動は高圧吐出パイプを経てそのまま圧縮機の吐出管に伝達される。ここでは,高圧吐出パイプにバネが密着して組付けられているため,一つの質量として動作する。
【0023】
質量mがあるときは,加振因子の加振力は,質量mが全て吸収して振動し,質量Mには伝達されない。質量mがあるときは,
加振因子23=圧縮機の脈動
M=高圧吐出パイプ
m=高圧吐出パイプの凸凹形吸振バネ
となり,圧縮機の脈動は高圧吐出パイプを介して質量mを振動させ,実際高圧吐出パイプは振動しないため,圧縮機の吐出管には伝達されない。高圧吐出パイプにバネがゆるく組付けられ,二つの質量に別に動作することになる。
【0024】
圧縮機の脈動は,モーターの回転により周期的に発生するため,多くの圧縮機において振動が一定の問題周波数を有する要因となる。高圧吐出パイプの振動モードも,このような電源周波数の倍数に相当する周波数で振動が激しく,いくつかの特定周波数の振動などが発生する。
【0025】
高圧吐出パイプの特定の問題周波数帯域が過大な振動が発生して共振を生じているとき,図1に示したように,高圧吐出パイプの凸凹コイル部を,高圧吐出パイプより大きくすると,高圧吐出パイプの吸振コイル部は,高圧吐出パイプとは別に振動することになる。
【0026】
すなわち,吸振コイル部の外径と線径を調節するとmとkが変化し,これにより,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺することができる。従って,特定の問題周波数帯域にあわせて,凸凹形吸振バネの質量と剛性の要因になる線径,凸凹の大きさを調節すれば,凸凹形吸振バネは振動するが,高圧吐出パイプは振動しないように設計することができる。
【0027】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように,本発明にかかる凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機によれば,密閉型圧縮機の圧縮冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプに,問題周波数と同じ固有振動数を有するように外径と線径を調節した凹凸形吸振バネを取付けることにより,高圧吐出パイプから発生する共振と,特定の問題周波数帯域の振動を低減して改善することができ,従って密閉型圧縮機の低振動および低騒音圧縮機に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態にかかる高圧吐出パイプの凸凹形吸振バネを示した図である。
【図2】本発明の吸振原理を示した図である。
【図3】本発明の他の実施の形態にかかる高圧吐出パイプの拡管状態のバネを示した図である。
【図4】一般的な密閉形圧縮機の内部構成を示した断面図である。
【図5】一般的な密閉形圧縮機の高圧吐出パイプの円筒形吸振バネを示した図である。
【符号の説明】
6 クランクシャフト
8 シリンダ
11 シリンダヘッド
13 吸入マフラ
14 吸入管
21 吐出マフラ
22 高圧吐出パイプ
24 円筒形吸振バネ
25 凸凹形吸振バネ
【発明の属する技術分野】
本発明は,密閉型圧縮機,及び圧縮機から吐出される圧縮冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプに巻かれる凹凸形吸振バネに関し,より詳しくは,高圧吐出パイプの吸振バネの構造を改善して,圧縮機の所定の回転数で発生する固有振動数を回避し,また,高圧吐出パイプでの吸振を向上することにより,高圧吐出パイプの振動を低減し,信頼性を向上すると共に,圧縮機の振動騒音までも低減させることができるようにした,凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は,一般的な密閉型圧縮機の内部構造を示した断面図である。図4に示すように,一般に密閉型圧縮機は,上・下部容器1および2の内部に固定子3と回転子(図示せず)とからなる電動機構部5と,回転子の中央に圧入固定されたクランクシャフト6の回転動作で冷媒を吸入して圧縮させた後,吐き出す圧縮機構部7とで構成される。
【0003】
圧縮機構部7は,冷媒の吸入空間をなすシリンダ8が一体に形成されたシリンダブロック9と,クランクシャフト6の下端部に結合され,シリンダ8の内部で直線往復運動するピストン(図示せず)と,シリンダ8の端部に覆蓋固定されるシリンダヘッド11と,シリンダヘッド8とシリンダ11との間に介在して冷媒をシリンダ8の内部に吸入すると共に,圧縮冷媒を吐出すバルブ装置12とを備えている。
【0004】
また,シリンダヘッド11の上部には,所定の形状を有する吸入マフラ13が,固定子3と密着される形態で立設して固定されている。吸入マフラ13には,下部容器2を貫通して設けられた吸入管14が連結固定されている。
【0005】
上記のように,一般の密閉型圧縮機では,吸入管14を介して吸入された冷媒が,吸入マフラ13を経てシリンダヘッド11およびバルブ装置12を通過した後,シリンダ8の内部に流入される吸入過程と,クランクシャフト6の回転によるピストンの直線往復運動によって吸入冷媒が圧縮される圧縮過程と,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒が,再びバルブ装置12およびシリンダヘッド11を介して吐出経路に沿って外部に吐出される吐出過程とを繰り返すようになっている。
【0006】
また,シリンダブロック9の下面に半球形状の吐出マフラ21が固定されており,この吐出マフラ21は,シリンダヘッド11の吐出空間と通じるように連結されている。
【0007】
吐出マフラ21には,固定子3を囲む形態で,高圧吐出パイプ22が連結固定されており,この高圧吐出パイプの端部は,下部容器2に貫通するように連結固定された吐出管(図示せず)に溶接で固定されている。
【0008】
従って,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒は,シリンダヘッド11の吐出空間を通って吐出マフラ21の内部に流入された後,高圧吐出パイプを経て吐出管を介して密閉型圧縮機から外れるようになる。
【0009】
このとき,圧縮冷媒が,比較的狭い管である高圧吐出パイプを通りながら振動を発生し,その振動は,振動音波に変化して特定の周波数の周期的な騒音および振動となって表われるので,騒音および振動を低減するため,高圧吐出パイプの外周面に所定の長さだけ円筒形の吸振バネを結合するように構成されている。円筒形吸振バネ24は,高圧吐出パイプの質量を補強し,自体の吸振作用で,振動騒音を低減する役割をする。
【0010】
しかし,上記のような円筒形吸振バネ24を使用する場合,特定の周波数帯域の振動が発生するという問題がある。従来の密閉型圧縮機においては,これを改善することができる具体的な方法が存在しなかった。
【0011】
バネの線径,内径,ピッチなどの微細な調整によって,問題周波数帯域の変化を観察することはできるが,数多い設計要因のうち,どの要因で実際問題周波数の振動改善の効果が示されるかを予測することはできないため,振動の設計は難しいものであるといわれている。
【0012】
従来,高圧吐出パイプに使用される円筒形吸振バネ24は,一定の問題周波数帯域の振動を改善するための能動的な振動低減方法ではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,上記のような問題点を解決するためになされたもので,本発明の目的は,圧縮機の高圧吐出パイプに伝達される振動を低減することができる凹凸形吸振バネを適用して,圧縮機の所定回転数(例えば,3800rpm)運転で発生する固有振動数を回避し,高圧吐出パイプにおける吸振を向上することにより,高圧吐出パイプの振動を低減し,信頼性を向上すると共に,圧縮機の振動騒音までも低減することができるようにした,凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため,本発明の第1の観点によれば,密閉型圧縮機の高圧吐出パイプに巻かれる凹凸形吸振バネにおいて,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節し,固有振動数を高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせたことを特徴とする凹凸形吸振バネが提供される。
また,本発明の第2の観点によれば,吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構部と,吸入した冷媒が圧縮された冷媒の吐出経路となる高圧吐出パイプと,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節して固有振動数を高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせた凹凸形吸振バネと,を備えたことを特徴とする,密閉型圧縮機が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,添付の図面に基づいて本発明の凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機について詳細に説明する。図4は,密閉形圧縮機の内部構成を示した断面図である。
【0016】
図4に示したように,吸入管14を介して吸入された冷媒が,吸入マフラ13を経てシリンダヘッド11およびバルブ装置12を通過した後,シリンダ8の内部に流入される吸入過程と,クランクシャフト6の回転によるピストンの直線往復運動によって吸入冷媒が圧縮される圧縮過程と,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒が再びバルブ装置12およびシリンダヘッド11を介して吐出経路に沿って外部に吐出される吐出過程とを繰り返すようになっている。
【0017】
吐出過程で,シリンダブロック9の下面に半球形状の吐出マフラ21が固定されており,その吐出マフラ21は,シリンダヘッド11の吐出空間と通じるように連設されている。
【0018】
吐出マフラ21には,固定子3を囲む形態で,高圧吐出パイプ22が連設されており,高圧吐出パイプの端部は,下部容器2に貫通するように連設された吐出管に溶接で固定されている。
【0019】
従って,シリンダ8の内部で圧縮された冷媒は,シリンダヘッド11の吐出空間を経て吐出マフラ21の内部に流入された後,高圧吐出パイプを経て吐出管を介して密閉形圧縮機を外れるようになる。
【0020】
図1は,本実施の形態にかかる凸凹形吸振バネを示したものである。図1に示したように,圧縮された冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプ22に凸凹形吸振バネ25を適用した。本実施の形態において,本発明による吸振器の原理を,往復動式圧縮機の高圧吐出パイプの凹凸形吸振バネに適用したものである。
【0021】
図2は,本発明による吸振器の原理を示したものである。図2に示したように,吸振器の原理は,一次質量Mに伝達される一定周波数の固有振動を二次質量mが吸収するという構造となっている。即ち,m,k振動系の固有振動数(数式1)を加振因子23の問題周波数fと一致させると,Mは全く振動しないことになる。
【数式1】
(k=振動係数,m=二次質量)
これは,吸振器の原理を凸凹形吸振バネに適用したものである。即ち,減殺のない二次誘導振動系で,質量Mに加振力に加えられたとき,質量mが存在しない場合,質量Mは,加振因子23の全ての振動を受けることになる。
【0022】
質量mがない場合は,加振因子23の加振力は全て質量Mの加振要因として動作する。質量mがないときは,
加振因子23=圧縮機の脈動
M=高圧吐出パイプと高圧吐出パイプの円筒形吸振バネ
となり,圧縮機の脈動は高圧吐出パイプを経てそのまま圧縮機の吐出管に伝達される。ここでは,高圧吐出パイプにバネが密着して組付けられているため,一つの質量として動作する。
【0023】
質量mがあるときは,加振因子の加振力は,質量mが全て吸収して振動し,質量Mには伝達されない。質量mがあるときは,
加振因子23=圧縮機の脈動
M=高圧吐出パイプ
m=高圧吐出パイプの凸凹形吸振バネ
となり,圧縮機の脈動は高圧吐出パイプを介して質量mを振動させ,実際高圧吐出パイプは振動しないため,圧縮機の吐出管には伝達されない。高圧吐出パイプにバネがゆるく組付けられ,二つの質量に別に動作することになる。
【0024】
圧縮機の脈動は,モーターの回転により周期的に発生するため,多くの圧縮機において振動が一定の問題周波数を有する要因となる。高圧吐出パイプの振動モードも,このような電源周波数の倍数に相当する周波数で振動が激しく,いくつかの特定周波数の振動などが発生する。
【0025】
高圧吐出パイプの特定の問題周波数帯域が過大な振動が発生して共振を生じているとき,図1に示したように,高圧吐出パイプの凸凹コイル部を,高圧吐出パイプより大きくすると,高圧吐出パイプの吸振コイル部は,高圧吐出パイプとは別に振動することになる。
【0026】
すなわち,吸振コイル部の外径と線径を調節するとmとkが変化し,これにより,高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺することができる。従って,特定の問題周波数帯域にあわせて,凸凹形吸振バネの質量と剛性の要因になる線径,凸凹の大きさを調節すれば,凸凹形吸振バネは振動するが,高圧吐出パイプは振動しないように設計することができる。
【0027】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように,本発明にかかる凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機によれば,密閉型圧縮機の圧縮冷媒の吐出流路である高圧吐出パイプに,問題周波数と同じ固有振動数を有するように外径と線径を調節した凹凸形吸振バネを取付けることにより,高圧吐出パイプから発生する共振と,特定の問題周波数帯域の振動を低減して改善することができ,従って密閉型圧縮機の低振動および低騒音圧縮機に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態にかかる高圧吐出パイプの凸凹形吸振バネを示した図である。
【図2】本発明の吸振原理を示した図である。
【図3】本発明の他の実施の形態にかかる高圧吐出パイプの拡管状態のバネを示した図である。
【図4】一般的な密閉形圧縮機の内部構成を示した断面図である。
【図5】一般的な密閉形圧縮機の高圧吐出パイプの円筒形吸振バネを示した図である。
【符号の説明】
6 クランクシャフト
8 シリンダ
11 シリンダヘッド
13 吸入マフラ
14 吸入管
21 吐出マフラ
22 高圧吐出パイプ
24 円筒形吸振バネ
25 凸凹形吸振バネ
Claims (2)
- 密閉型圧縮機の高圧吐出パイプに巻かれる凹凸形吸振バネにおいて,
前記高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節し,固有振動数を前記高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせたことを特徴とする,凹凸形吸振バネ。 - 密閉型圧縮機において,
吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構部と,
吸入した冷媒が圧縮された前記冷媒の吐出経路となる高圧吐出パイプと,
前記高圧吐出パイプの問題周波数帯域の共振を相殺するように,外径と線径を調節し,固有振動数を前記高圧吐出パイプの問題周波数帯域にあわせた凹凸形吸振バネと,
を備えたことを特徴とする,密閉型圧縮機。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1020000032496A KR20010111813A (ko) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | 압축기 고압 토출 파이프의 흡진구조 |
KR2000P32496 | 2000-06-13 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002021727A JP2002021727A (ja) | 2002-01-23 |
JP3574395B2 true JP3574395B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=19671852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000314876A Expired - Fee Related JP3574395B2 (ja) | 2000-06-13 | 2000-10-16 | 凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6508635B2 (ja) |
JP (1) | JP3574395B2 (ja) |
KR (1) | KR20010111813A (ja) |
CN (1) | CN1219973C (ja) |
BR (1) | BR0005839A (ja) |
IT (1) | ITTO20010052A1 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100414113B1 (ko) * | 2001-10-12 | 2004-01-07 | 엘지전자 주식회사 | 왕복동식 압축기 |
AU2003280623A1 (en) * | 2002-10-31 | 2004-05-25 | Matsushita Refrigeration Company | Sealed type motorized compressor and refrigerating device |
KR100559124B1 (ko) | 2002-12-16 | 2006-03-15 | 마쓰시타 레키 가부시키가이샤 | 냉매 압축기와 그것을 이용한 냉동기 |
US20050042114A1 (en) * | 2003-08-22 | 2005-02-24 | Samsung Gwang Ju Electronics Co., Ltd. | Hermetic compressor |
KR100624818B1 (ko) * | 2004-11-02 | 2006-09-18 | 엘지전자 주식회사 | 리니어 압축기 |
JP2007297986A (ja) * | 2006-05-01 | 2007-11-15 | Yamaha Motor Co Ltd | 排気装置およびその排気装置を備えた車両 |
US8128382B2 (en) * | 2007-07-11 | 2012-03-06 | Gast Manufacturing, Inc. | Compact dual rocking piston pump with reduced number of parts |
JP6760148B2 (ja) * | 2017-03-10 | 2020-09-23 | 株式会社豊田自動織機 | 車両用電動圧縮機 |
BR102018015458B1 (pt) * | 2018-07-27 | 2021-12-21 | Whirlpool S.A. | Tubo condutor de fluido |
CN115355639A (zh) * | 2022-08-11 | 2022-11-18 | 海信冰箱有限公司 | 一种冰箱和压缩机的振动调节方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3586456A (en) * | 1968-06-17 | 1971-06-22 | Sira | Compressors for fluids |
CA1027002A (en) * | 1974-08-30 | 1978-02-28 | Horst W.W. Hehmann | Phased treatment noise suppressor for acoustic duct applications |
US4477229A (en) * | 1982-08-25 | 1984-10-16 | Carrier Corporation | Compressor assembly and method of attaching a suction muffler thereto |
US4854416A (en) * | 1986-06-09 | 1989-08-08 | Titeflex Corporation | Tuned self-damping convoluted conduit |
USH1317H (en) * | 1990-10-03 | 1994-06-07 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Ring damper for structureborne noise suppression in piping systems |
US5210382A (en) * | 1991-08-23 | 1993-05-11 | Hydraulic Power Systems, Inc. | Belleville washer spring type pulsation damper, noise attenuator and accumulator |
US5743298A (en) * | 1996-04-22 | 1998-04-28 | Techniflo Corporation | Spring pulsation dampener |
BR9802892A (pt) * | 1998-02-20 | 2000-03-21 | Brasil Compressores Sa | Compressor alternativo com motor linear |
US6273688B1 (en) * | 1998-10-13 | 2001-08-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Linear compressor |
-
2000
- 2000-06-13 KR KR1020000032496A patent/KR20010111813A/ko not_active Application Discontinuation
- 2000-10-16 JP JP2000314876A patent/JP3574395B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2000-12-01 CN CNB001346113A patent/CN1219973C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2000-12-11 BR BR0005839-4A patent/BR0005839A/pt not_active IP Right Cessation
-
2001
- 2001-01-23 IT IT2001TO000052A patent/ITTO20010052A1/it unknown
- 2001-04-18 US US09/836,265 patent/US6508635B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ITTO20010052A0 (it) | 2001-01-23 |
US20020009370A1 (en) | 2002-01-24 |
KR20010111813A (ko) | 2001-12-20 |
ITTO20010052A1 (it) | 2002-07-23 |
CN1328211A (zh) | 2001-12-26 |
BR0005839A (pt) | 2002-02-13 |
US6508635B2 (en) | 2003-01-21 |
CN1219973C (zh) | 2005-09-21 |
JP2002021727A (ja) | 2002-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100286837B1 (ko) | 로터리 압축기의 공명기 | |
JP3574395B2 (ja) | 凹凸形吸振バネ,及び密閉型圧縮機 | |
US7585161B2 (en) | Compressor | |
US20060292023A1 (en) | Compressor | |
JPH09126127A (ja) | 密閉型圧縮機の吐出騒音低減装置 | |
JP3464446B2 (ja) | 密閉型圧縮機 | |
US6953051B2 (en) | Valve plate structure | |
CN102197222B (zh) | 压缩机 | |
KR101484539B1 (ko) | 밀폐형 압축기 및 이를 구비한 냉동기기 | |
US20040213682A1 (en) | Hermetic compressor | |
US2721029A (en) | Sound damping arrangement | |
KR20010004767A (ko) | 로터리 압축기 | |
KR100296582B1 (ko) | 압축기의라인토출튜브 | |
KR200168208Y1 (ko) | 밀폐형 압축기의 소음 감쇄장치 | |
JPH11107969A (ja) | 回転式圧縮機 | |
JP2001182654A (ja) | 密閉形往復動式コンプレッサ用吐出マフラーの遮蔽板 | |
KR100417590B1 (ko) | 압축기의 진동 저감 장치 | |
JP4810885B2 (ja) | 密閉型圧縮機 | |
KR200227918Y1 (ko) | 밀폐형 압축기의 프레임 | |
KR19990039336U (ko) | 압축기의 라인 토출 튜브 | |
JP2006161705A (ja) | 密閉型圧縮機 | |
CN114151304A (zh) | 轴承、压缩机及制冷设备 | |
KR100531831B1 (ko) | 왕복동식 압축기의 진동 저감 장치 | |
CN114151305A (zh) | 壳体组件、压缩机及制冷设备 | |
Lee | Identification of noise sources in scroll compressor for air-conditioner |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040622 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040701 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070709 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |