JP3574085B2 - 枚葉製袋機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、買い物袋などとして用いられる紙袋を製造する装置に係わり、特に接着剤による紙袋の胴体貼り合わせ部分が剥離せぬよう強力に接着させ得るようにした枚葉製袋機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、買い物袋などとして利用される紙袋として、図10に示すようなものが広く利用されている。ここで、Aは四角い筒状の胴体、Bは物品を出し入れするための開口部、Cはその開口部に対向する方形状の底面であり、胴体Aを成す両側面A1は非使用時にあって偏平状に折り畳めるようガセット折りにされる。
【0003】
尚、その種の紙袋は手作りされる場合もあるが、その多くは枚葉製袋機と呼ばれる装置により連続して作られる。枚葉製袋機とは概して多層状に積み重ねられた原紙を一枚ずつ繰り出す給紙部と、この給紙部より繰り出された原紙を所定方向に走行させつつ両側がガセット折りされた偏平な筒状体にする胴体形成部と、この胴体形成部で得た筒状体の一端開口部を方形状の底面として閉鎖する角底形成部とを具備して構成される。特に、胴体形成部には原紙の両端縁を接着させるための糊付部が設けられ、原紙にガセット折りを施す前にその糊付部で原紙の一端縁に予め糊(接着剤)が付けられるようになっている。そして、上記のような枚葉製袋機によれば、胴体形成部により図11のような筒状体Sを形成した後、その一端開口部を角底形成部により折り込んで図12のような底面Cを連続して形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の枚葉製袋機によれば、胴体形成部に糊付部としてノズルを装置し、そのノズルから走行中の原紙の一端縁に接着剤を筋状にして吐出するようにしていただけなので十分な接着力が得られず、角底形成部で筒状体の一端に底面を形成する際、図13に示すよう折曲部Lの位置で接着剤による貼り合わせ部分が剥離してしまう事があった。特に、原紙がポリプロピレンやポリオレフィンといった合成高分子系の合成紙で成る場合、接着剤として合成紙に馴染む合成樹脂系のものを用いるが、その種の接着剤をノズルから筋状に吐出させるだけであると、原紙の両端縁を接し合わせるまで溶剤の多くが揮発せずに残って即時接着が不能な状態となり、仕上がった紙袋の大部分に上記折曲部Lの位置で接着不良に起因する孔hができてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は原紙に合成紙を用いた場合でも接着剤による貼り合わせ部分が容易に剥離せぬ良質な紙袋を得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、原紙を一枚ずつ繰り出す給紙部と、この給紙部より繰り出された原紙を走行させつつ両側がガセット折りされた偏平な筒状体にする胴体形成部と、この胴体形成部で得た前記筒状体の一端開口部に方形状の底面を形成する角底形成部とを備えた枚葉製袋機において、前記胴体形成部は原紙の両端縁を接着させるための糊付部を有し、その糊付部は原紙の一端縁上に固定されて該紙面上に接着剤を筋状に吐出するノズルと、このノズルから吐出された接着剤を原紙の一端縁に沿って帯状に延ばすための昇降可能な接触子とを備えると共に、前記糊付部には原紙が前記接触子の下方を通過するときに該接触子を原紙の一端縁に向けて降下させる操作手段が設けられることを特徴とする枚葉製袋機を提供するものである。
【0007】
尚、操作手段は、原紙を走行させるための駆動部より動力を得て所定の速度で回転するカムローラを原動節として、接触子を上下に揺動させるべく軸心回りの回転角運動を行う従動軸と、この従動軸に回転角運動を与えるべく該従動軸より前記カムローラの外周カム輪郭面に向けて延びる揺動リンクとを有し、前記従動軸には接触子を固定するための取付部が設けられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1は枚葉製袋機の全体像を示した側面概略図であり、図2には同平面概略図を示す。これらの図において、1は原紙Pを一枚ずつ繰り出す給紙部、2は給紙部より繰り出された原紙にその走行方向に沿って折筋を付ける筋付部、3は筋付部を通過した原紙を所定方向に走行させつつ両側がガセット折りされた偏平な筒状体にする胴体形成部、4は胴体形成部で得た筒状体の一端開口部を方形状の底面と成す角底形成部であり、それら各部1〜4は直列状に連なって一枚の原紙Pを最終的に図10のような紙袋にすることができる。
【0009】
このうち、胴体形成部3はガセット折りするための一次折込部3Bと二次折込部3Cとを備えるほか、一次折込部3Bの前段上流側には原紙の両端縁を接着させるべくその一端縁に予め糊付けをする糊付部3Aが設けられる。
【0010】
図3は、糊付部3Aを示した斜視概略図である。この図で明らかなように、糊付部3Aは原紙Pの一端縁e上にあって該紙面上に糊(接着剤f)を吐出するノズル5を備える。このノズル5には接着剤を溜めるシリンダヘッド6が接続され、そのシリンダヘッド6には接着剤を供給するための管7が接続される。又、シリンダヘッド6には給気弁8が取り付けられ、その給気弁8には2つのエアホース9,10が接続される。11は原紙の一端縁e上にノズル5を配置するための保持具であり、この保持具11にはシリンダヘッド6がボルト止めされる。そして、そのシリンダヘッド6に接続するノズル5によれば、先端を原紙の一端縁eに臨めた状態でその下方を通過する原紙Pの一端縁紙面上に接着剤fを筋状に吐出する。尚、ノズル5による接着剤の吐出は、エアホース9,10から給気弁8内に流入する作動流体(圧縮空気)の圧力により成されるが、その作動時間の設定により接着剤の吐出時間を原紙の長さや走行速度(送り速度)に合わせて容易に変更することができる。
【0011】
一方、糊付部3Aは以上のようなノズル5のみならず、そのノズル5から吐出された接着剤fを原紙の一端縁eに沿って帯状に延ばす接触子12と、その下方を原紙が通過するときに該接触子12を原紙の一端縁eに向けて降下させる操作手段13とを備える。本例において、接触子12は金属板などで成る篦状の部材とされ、ノズル5より後方(原紙の進行方向下流側)にあってノズル5と同一直線上で原紙の一端縁eが通る経路上に昇降可能にして設けられる。14は接触子を昇降させる操作手段として該接触子を保持する従動軸であり、その従動軸14は原紙の進行方向に対し直交する方向に向けて一端が装置フレームに設けた図示せぬブラケットの軸受にて回転可能に支持される。そして、この従動軸14は後述する原動節より動力を得て軸心回りの回転角運動を行い、同軸14上に取り付けた接触子12を上下に揺動させることになる。尚、従動軸14には接触子12を固定するための取付部15が設けられ、その取付部15に接触子12の一端がボルト止めされるようになっている。又、16は原動節の動力を従動軸14に伝えるべく該従動軸の一端部に設けた揺動リンクであり、この揺動リンク16は一端が従動軸14に固定されると共に、その先端には原動節の部位に接触するガイドローラ17が設けられる。
【0012】
図4において、18は従動軸14に回転角運動を与えるための原動節を成すカムローラであり、その外周は円周部19と凹部20とをもつカム輪郭面とされ、このカム輪郭面に揺動リンク16の先端ガイドローラ17が接触するようになっている。本例において、カムローラ18は一対の平面カム18A,18Bを重合して構成され、その一方には円周部19に沿って所定の間隔でネジ孔21が形成されると共に、他方にはネジ孔21に対応して円弧状の長孔22が形成される。
【0013】
そして、このカムローラ18によれば、長孔22からネジ孔21にボルトをねじ込んで一対の平面カム18A,18Bを一体に締結することができ、特にネジ孔21の位置を変えることにより円周部19と凹部20との占有率を調整できるようになっている。又、カムローラ18は、原紙を所定方向に向けて走行させるための駆動部より動力を得て所定の速度で回転するようになっている。23はカムローラ18を定速回転させるための伝動系であり、この伝動系23は例えばカムローラ18と同軸上に設けられるスプロケット24ほか、装置フレームに設けられる他のスプロケット24,25,26、並びにそれら各スプロケットを繋ぐチェーン28,29などから構成される。
【0014】
一方、上記の駆動部は、図5に示すように原紙を走行させるべく、その走行案内面30の上下に設けられる多数の送りローラ31ほか、その各送りローラを一斉に回転駆動させるための駆動源を成すモータ32などから構成される。そして、本例によれば、送りローラ31を支持する車軸の一つに取り付けたスプロケット33と、伝動系23のスプロケット27とがチェーン34を介して連係され、これによりカムローラ18が給紙タイミングに同調して所定の速度で回転しつつ、その外周カム輪郭面に接触する揺動リンク16を介して従動軸14をその軸心回りに回転角運動させることになる。
【0015】
この結果、接触子12が図6に示すよう従動軸14を中心として上下に揺動し、その下方への揺動により該接触子の先端が原紙Pの一端縁に接触しつつ接着剤を帯状に延ばすことになるが、その降下時間はカムローラ18の円周部19の範囲を調整することにより設定することができる。このため、長さが異なる原紙を用いる場合でも、その一端縁全長に亙って接触子12を接触させ続けることができる。尚、図5で明らかなように、ノズル5は管7を介して接着剤を蓄えるタンク35に接続され、エアホース9,10の一端はエアコンプレッサ36に接続される。
【0016】
ここで、以上のような枚葉製袋機の作用を説明すれば、原紙P(本例においてポリプロピレンなどを主成分とする合成紙)は給紙部1より一枚ずつ繰り出され、その給紙方向に沿って該原紙に筋付部2で図7に示すよう数条の折筋L1〜L6が付与される。折筋L1〜L6が付けられた原紙Pは送りローラ31によりそのまま胴体形成部3に送られ、先ずその一端縁eにノズル5より吐出する合成樹脂系接着剤f(本例においてトルエンを溶剤とするノルマルヘキサン)が筋状に付けられる。次いで、原紙Pの進行端が接触子12の下方に差しかかると、カムローラ18、揺動リンク16、並びに従動軸14から成る操作手段13の作用により接触子12が原紙の一端縁eに向けて降下し、その先端が原紙の一端縁eに接触する。原紙Pはそのまま走行するので、原紙Pの一端縁eに付けられた筋状の接着剤fは接触子12により帯状に延ばされる。そして、原紙Pの末端が接触子12の下方を通過する直前に接触子12が操作手段13により上昇されて原紙Pより離隔される。このため、接着剤fが紙面上からはみ出して原紙の走行を阻害することがない。
【0017】
次に、原紙Pが一次折込部3Bに到達すると、この一次折込部にて折筋L1〜L4が図8のように折られ、次いで二次折込部3Cで図9に示すよう折筋L5,L6が折り込まれる。そして、このとき接着剤fが塗布された一端縁eと他の一端縁e′とが相対向して貼り合わされることになるが、接着剤fが予め帯状に薄く延ばされて高粘性状態にあることから、原紙の両端縁e,e′は瞬時にして強力に接着する。このため、得られた筒状体の一端開口部に角底形成部4にて底面(角底)を形成する際、上記の貼り合わせ部分が剥離せず、以て良質な紙袋を得ることができる。
【0018】
以上、本発明の適用例を説明したが、本発明に係る枚葉製袋機は上記のような構成に限らず、例えば接触子12として篦状部材ほか、ブラシやローラ状の部材などを用いることができる。又、接触子12を原紙の通過タイミングに合わせて昇降させる操作手段として、上記のようなカム機構を用いるほか、電磁ソレノイドなどのアクチュエータを用い、その動作を原紙の有無を検出可能なセンサで行うようにしても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば原紙の一端縁上に接着剤を吐出するノズルほか、その接着剤を原紙の一端縁に沿って帯状に延ばす接触子を備えていることから、接着剤の塗布面が広がって接着性が向上する。特に、合成樹脂系の接着剤を用いる場合には、溶剤の揮発が促されるので、合成紙で成る原紙でもその両端を瞬時にして強力に接着することができる。このため、その貼り合わせ部分が紙袋の底面を形成する際などに剥離せず、孔開き不良のない良質な紙袋を得ることができる。
【0020】
又、原紙が接触子の下方を通過するときに該接触子を原紙の一端縁に向けて降下させる操作手段を備えていることから、接着剤が原紙からはみ出して順次送られる原紙の走行を阻害することがない。しかも、その操作手段としてカムローラ、揺動リンク、並びに従動軸で成るカム機構を用いていることから、簡易構造にして接触子に確動運動を行わせることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】枚葉製袋機の側面概略図
【図2】枚葉製袋機の平面概略図
【図3】本発明に係る糊付部を示した斜視概略図
【図4】接触子を昇降させる操作手段を示した側面概略図
【図5】糊付部を示した側面概略図
【図6】糊付部を示した部分拡大図
【図7】原紙に折筋を付けた状態を示す斜視図
【図8】図7の原紙を折筋に沿って一部折り込んだ状態を示す斜視図
【図9】図8の原紙を折り進めて両端縁を貼り合わせた状態を示す斜視図
【図10】紙袋の斜視図
【図11】両側がガセット折りされた筒状体を示す斜視図
【図12】図11の筒状体に底面を形成した状態を示す斜視図
【図13】従来の枚葉製袋機で作られる紙袋の仕掛品を示した斜視概略図
【符号の説明】
1 給紙部
2 筋付部
3 胴体形成部
3A 糊付部
4 角底形成部
5 ノズル
12 接触子
13 操作手段
14 従動軸
15 取付部
16 揺動リンク
18 カムローラ

Claims (2)

  1. 原紙を一枚ずつ繰り出す給紙部と、この給紙部より繰り出された原紙を走行させつつ両側がガセット折りされた偏平な筒状体にする胴体形成部と、この胴体形成部で得た前記筒状体の一端開口部に方形状の底面を形成する角底形成部とを備えた枚葉製袋機において、前記胴体形成部は原紙の両端縁を接着させるための糊付部を有し、その糊付部は原紙の一端縁上に固定されて該紙面上に接着剤を筋状に吐出するノズルと、このノズルから吐出された接着剤を原紙の一端縁に沿って帯状に延ばすための昇降可能な接触子とを備えると共に、前記糊付部には原紙が前記接触子の下方を通過するときに該接触子を原紙の一端縁に向けて降下させる操作手段が設けられることを特徴とする枚葉製袋機。
  2. 操作手段は、原紙を走行させるための駆動部より動力を得て所定の速度で回転するカムローラを原動節として、接触子を上下に揺動させるべく軸心回りの回転角運動を行う従動軸と、この従動軸に回転角運動を与えるべく該従動軸より前記カムローラの外周カム輪郭面に向けて延びる揺動リンクとを有し、前記従動軸には接触子を固定するための取付部が設けられる請求項1記載の枚葉製袋機。
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