JP3572735B2 - Thermoplastic elastomer composition - Google Patents

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関し、エチレンとプロピレンを主成分とする共重合ゴムと炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性α−オレフィン系共重合体にエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とする共重合ゴムおよび特定の構造をもつ水添ジエン共重合体を配合することにより、高強度を有しかつ柔軟性に富んだ熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
【従来の技術】
軟質のPVCは、機械的強度と柔軟性のバランスが良くコストパフォーマンスに優れた材料であるが、地球環境といった観点よりその使用が制限され、その一部がオレフィン系の熱可塑性エラストマーなどへの代替が進んでいる。
従来よりオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は既知の方法によりゴム部分を動的に硬化させることにより得られている。この方法により、EPMおよび/またはEPDMの持つ耐寒性、耐候性、耐薬品性を損なうことなく機械的強度に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることが可能である。
しかしながら、動的に硬化させる際の架橋剤あるいは架橋助剤に起因する臭気や変色の問題が生じている。一方、動的硬化を施さなければ十分な機械的強度を得ることが出来ない。
さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、一般に柔軟性に乏しく、”ゴムらしさ”に欠けるといわれている。そのため鉱物油系の軟化剤をブレンドし、柔軟性を付与することも行われているが、多量の軟化剤の添加は、機械的強度などの物性の低下や、軟化剤の溶出の問題を引き起こすので、採用には制約を受けている。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、柔軟性や流動性を付与した、十分な機械的強度を示す熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(イ)エチレンとプロピレンを主成分とする共重合ゴム10〜90重量%、(ロ)水添共役ジエン系共重合体もしくはその官能基変性体1〜80重量%、(ハ)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性α−オレフィン系重合体3〜80重量%、(ニ)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とする共重合ゴム5〜80重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量%〕、および、(ホ)(イ)成分100重量部に対して0〜200重量部の鉱物油系軟化剤からなる熱可塑性エラストマー組成物であって、上記(ロ)成分が、(G)ビニル結合含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロックと、(H)共役ジエン重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体ブロックであって、共役ジエン部分のビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロックとが、(G)−(H)−(G)、または(G)−(H)のように配列された直鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体の二重結合部分の80%以上を水素添加することにより得られる水素共役ジエン系共重合体もしくはその官能基変性体である熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
【0003】
(イ)成分のエチレンとプロピレンを主成分とする共重合ゴムとしては、例えばエチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムのような無定形の弾性共重合体が用いられる。
前記非共役ジエンとしては、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等を挙げることができ、特に1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
これらのエチレン・プロピレン系共重合ゴムにおいて、エチレン単位とプロピレン単位との合計量当り、エチレン単位の含有量は、通常50モル%以上90モル%未満、好ましくは60モル%以上90モル%未満である。この場合、エチレン単位の含有量が50モル%未満、プロピレンの含有量が50モル%を越えると、共重合ゴムの機械的強度が低下する傾向があり、またエチレン単位の含有量が90モル%以上、プロピレンの含有量が10モル%以下であると、共重合ゴムの柔軟性が低下し、いずれも好ましくない。また、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合ゴムの場合、非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で好ましくは40以下、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは7〜20である。
これらの共重合ゴムは、ムーニー粘度ML 1+4 (100 (以下、「ムーニー粘度」と略記する)は通常10〜500、好ましくは30〜400である。
また、ムーニー粘度が10未満ではエラストマー組成物の機械的強度が低下する傾向があり、また500を超えると、炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性重合体などとの分散不良を来すおそれがあり好ましくない
(イ)成分の好ましい硬度は、JIS−A型硬度計で70以下である。硬度が70を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が不足するので好ましくない。
(イ)成分の重合方法は特に制限されないが、バナジウム系触媒、チタン系触媒、メタロセン系触媒などの公知の触媒の存在下で重合される。
【0004】
また、エチレン−プロピレン系共重合ゴムの水素原子の一部が塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されたハロゲン化共重合ゴム:あるいはエチレン−プロピレン系共重合ゴム、ハロゲン化共重合ゴムに対して、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体(例えばメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等)、マレイン酸もしくはその誘導体(例えば無水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジエン(例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)等の不飽和モノマーがグラフト重合したグラフト共重合体を使用することもできる。また、エチレン−プロピレン系共重合ゴムは、単独でまたは2種以上を併用することができる。
【0005】
(ロ)水添共役ジエン系共重合体は、該重合体中の共役ジエン単位の二重結合の少なくとも80%が水素添加された重合体である。このような水添共役ジエン系重合体としては、例えばスチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等のビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の共役ジエンの単独重合体の水素添加物;ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体の水素添加物などを挙げることができ、特に以下の(ロ−3)に示す水添共役ジエン系重合体が好ましい。
【0019】
(ロ−3)成分
(ロ−3)水添ジエン系共重合体(以下「(ロ−3)成分」ともいう)は、(G)ビニル結合含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(以下「(G)ブロック」ともいう)と、(H)共役ジエン重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体ブロックであって、共役ジエン部分のビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(以下「(H)ブロック」ともいう)とが、(G)−(H)−(G)、または(G)−(H)のように配列された直鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体の二重結合部分80%以上を水素添加することにより得られるものである。
【0020】
ここで、(ロ−3)成分を得るために用いられるビニル芳香族化合物および共役ジエンとしては、以下のものを挙げることができる。
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系共重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましくは1,3−ブタジエンである。
(ロ−3)成分中の(G)ブロックは、水素添加により通常の低密度ポリエチレン(LDPE)に類似の構造を示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック(G)中の1,2−ビニル結合含量は、通常25%以下であるが、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であることが望ましい。ブロック(G)中の1,2−ビニル結合含量が25%を越えた場合には、水素添加後の結晶融点の降下が著しく、機械的強度が劣る。
【0021】
また、(H)ブロックは、共役ジエン重合体ブロックあるいはビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体ブロックであり、水素添加によりゴム状のエチレン−ブテン−1共重合体ブロックあるいはビニル芳香族化合物−エチレン−ブテン−1共重合体と類似の構造を示す重合体ブロックとなる。
【0022】
なお、(H)ブロックに使用されるビニル芳香族化合物の使用量は、(H)ブロックを構成するモノマーの35重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下であり、35重量%を超えると(H)ブロックのガラス転移温度が上昇し、低温特性、柔軟性が劣る。
また(H)ブロックの共役ジエン部分のビニル結合量は、25〜95%、好ましくは25〜75%さらに好ましくは25〜55%であり、25%未満あるいは95%を超えると、水素添加により、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来する結晶構造を示し、樹脂状の性状となり、柔軟性が劣る。
【0023】
また、(ロ−3)成分を得るためのブロック共重合体において、(G)ブロックと(H)ブロックの割合は、通常、(G)ブロック5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、(H)ブロック95〜10重量%、好ましくは90〜20重量%〔ただし、(G)+(H)=100重量%〕である。(G)ブロックが5重量%未満、(H)ブロックが95重量%を超える場合には、結晶性の重合体ブロックが不足し、(ロ−3)成分の力学的性質が劣るため好ましくない。また、(G)ブロックが90重量%を超え、(H)ブロックが10重量%未満の場合には、(ロ−3)成分の硬度が上昇し、好ましくない。
なお、(G)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.25万〜63万、より好ましくは1万〜48万である。また(H)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.5万〜66.5万、より好ましくは2万〜54万である。
【0024】
なお、(ロ−3)成分を得るためのブロック共重合体は、カップリング剤残基を介して(G)ブロックおよび(H)ブロックのうち、少なくとも1つの重合体ブロックからなる重合体単体と結合し、例えば下記式▲6▼〜▲7▼で表されるように、重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック共重合体であってもよい。
▲6▼〔(G)−(H)〕n−X
▲7▼〔(G)−(H)−(G)〕n−X
(式▲6▼〜▲7▼中、nおよびXは上記に同じ)
また、カップリング剤も、上記(ロ−1)成分に使用される化合物と同様なものが挙げられる。
【0025】
以上のブロック共重合体が水素添加されることにより、該ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が飽和されることによって、水添ジエン系共重合体である(ロ−3)成分が得られる。
ここに、共役ジエンの二重結合は、その80%以上飽和されていることが必要であり、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%である。共役ジエン部分の二重結合の飽和率が80%未満では、熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性が劣る。
(ロ−3)成分のの数平均分子量は5万〜70万であり、好ましくは10万から60万である。5万未満では耐熱性、強度、流動性、加工性が低下し、70万を越えると流動性、加工性、柔軟性が劣る。(ロ−3)成分は、例えば特開平3−1289576号公報に開示されている方法によって得ることができる。
【0026】
本発明で(ロ)成分として用いる各水添ジエン系重合体は、官能基で変性した変性水添ブロック重合体でもよい。
かかる変性水添ブロック重合体は、水添ブロック重合体に、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、スルホニル基およびスルホネート基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有してなせるものである。
この官能基を含有させる方法としては、▲1▼官能基を含有する、共役ジエンあるいはビニル芳香族化合物を用い、単量体の官能基を保護した状態で共重合してブロック共重合体を得、重合完結後、脱保護を行う手法で重合中に付加させる方法、▲2▼官能基を有するラジカル重合性単量体を既知のグラフト化反応によって水添ブロック重合体に付加させる方法、▲3▼官能基を含有する単量体を用い、有機過酸化物またはアゾ化合物の存在下もしくは非存在下に、水添ブロック重合体をニーダー、ミキサー、押出機などを用いて混練りして、官能基を付加させる方法などが挙げられる。
これらのいずれの方法を用いても、効率的に官能基を含有させることができるが、工業的には前記▲1▼〜▲3▼の方法が簡便であり、効果的である。
この変性水添ブロック重合体中の官能基の量は、通常、水添ブロック重合体を構成する分子に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜8モル%、さらに好ましくは0.15〜5モル%である。
水添ブロック重合体に官能基を付加する単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシエチレンメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。
【0027】
次に、本発明の組成物に使用される(ハ)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性α−オレフィン系重合体としては、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−ヘキセン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体などが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ランダムもしくはブロックエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
(ハ)成分は結晶性であり、具体的にはn−デカン不溶分が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上のものである。
n−デカン不溶分が50重量%未満のものを用いると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度、成形加工性が損なわれる場合がある。
【0028】
次に、本発明に使用される(ニ)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とする共重合ゴムは、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が例示できる。
(ニ)成分の重合方法は特に制限されないが、バナジウム系触媒、チタン系触媒、メタロセン系触媒などの公知の触媒の存在下で重合される。
これらエチレン系共重合体は2種以上の混合物であってもよい。該共重合体のMFRは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜200g/10分である。
(ニ)成分のエチレン−炭素数4以上のα−オレフィン共重合ゴムは、エチレン含有量が90モル%未満であること、もしくは硬度がJIS−A型硬度計で70を越え93以下であることが好ましい。
エチレン含有量が90モル%を超える、あるいは硬度が93以上であるとと該共重合ゴムの柔軟性が不足し好ましくない。また、硬度が70以下であると得られる組成物の機械的強度が不足するので好ましくない。
【0029】
本発明の組成物に使用される上記(イ)〜(ハ)成分の配合量は、(イ)エチレン−プロピレン系共重合ゴムが10重量%を超え90重量%以下、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは50〜75重量%、(ロ)特定の構造をもつ水添ジエン系共重合体が1〜80重量%、好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは30〜60重量%、(ハ)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性α−オレフィン系重合体が3〜80重量%、好ましくは20〜40重量%、(ニ)エチレン−炭素数4以上のα−オレフィン系共重合ゴムが5〜80重量%、好ましくは8〜30重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量%〕である。ここで、(イ)エチレン−プロピレン系共重合ゴムの配合量が10重量%以下であると、得られる組成物のゴム弾性および柔軟性が悪化するようになる。一方(イ)成分が90重量%を超えると、得られる組成物の成形加工性、機械的強度が悪化する。さらに、(ハ)成分が3重量%以下であると、得られる組成物の耐熱性が悪化する。また(ニ)成分が5重量%以下であると、得られる組成物の機械的強度が低下する。
【0030】
本発明に用いる(ホ)成分の鉱物油系軟化剤としては、ナフテン油、パラフィン系鉱物油を用いることができる。このような油展により、加工性、柔軟性がさらに向上する。この場合、油展量は、(イ)エチレン−プロピレン系共重合ゴム100重量部あたり0〜200重量、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは0〜50重量部である。
【0031】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造は、各成分の良好な分散が得られれば、如何なる方法を採用してもよく、特に限定されるものではない。
通常、ゴム・樹脂工業に使用されるロールミル、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどの密閉型混練り機、または一軸押出機、二軸押出機などによって、対象ポリマーを溶融混練する。
なお、本発明の組成物の製造において、混合温度(混練り温度)は、少なくとも(ロ)、(ハ)および(ニ)の成分が溶融する温度であり、通常、120〜280℃の範囲である。
【0032】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、以上の(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分、(ニ)成分、(ホ)成分のほかに、用途に応じ、機械的強度、柔軟性、成形性を阻害しない程度の量の酸化防止、帯電防止、耐候、紫外線吸収、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化、防菌、防かび剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂などの充填剤、イソブチレン−イソプレン共重合体などのゴム質重合体、熱可塑性樹脂などを適宜配合することができる。
【0033】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、機械的強度を損なうこと無く、柔軟性、成形加工性が付与されていることを生かして、従来の軟質塩化ビニル系樹脂が使用されている、自動車の内・外装部品、弱電部品のパッキンやハウジングなどの部品、工業用部品、防水シート部品などに使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら制約されるものではない。
なお、実施例中、部および%は特に断らないかぎり重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、以下の方法によった。
【0035】
JIS A硬度
JIS K6301に準拠して測定した。
弾性回復性
次の代用特性、永久伸びが良好なものを良とした。
永久伸び;JIS K6301に準拠し、100%伸長下で10分間保持し、その後、伸張を解除し、10分間放置後の伸び率から求めた。永久歪の小さいほど、弾性回復性が良い。
50%モジュラス(M 50 )、引張強さおよび最大伸び
JIS K6301に準拠して測定した。
流動性
MFRを下記の条件にて流動性を測定した。
温度;230℃
荷重;5kg
【0036】
実施例および比較例で用いたポリマーは以下のものである。

Figure 0003572735
水添ジエン系共重合体C 水添ブロック共重合体Cは日本合成ゴム株式会社社製のもので、G−H−G構造(Gは1,2−ビニル含量の少ないポリブタジエン、Hは1,2−ビニル含量の多いポリブタジエンでそれぞれのブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、G部のビニル量が15%、H部のビニル含量が35%で、全分子量が300,000の水添ブロック共重合体。
PE1
低密度ポリエチレン 〔三菱化学製、LC500〕
鉱物油系可塑剤
パラフィン系軟化剤〔出光興産製 PW−380〕
フィラー
炭酸カルシウム〔白石カルシウム製、白艶華CC〕
【0037】
その他の添加剤として、下記のものを用意した。
無機フィラー;炭酸カルシウム、富士タルク製
【0038】
実施例1〜18、比較例1〜
表1、表2に示す配合処方により、以下の手順に従い組成物を調整した。
まず、ベール状のEPDMを120℃(IIRは20℃)のロールでシート化、必要に応じて油展し、シートカッターで5mm角のペレットを作成する。所定の温度に設定した一軸押出機(日本プラコン製)へ所定の混合比でブレンドしたオレフィン系共重合ゴム、特定の構造を持つ水添ジエン共重合体、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、必要に応じて老防、無機フィラーなどを連続的に供給し、ペレットを作成した。
【0039】
得られたペレットを180℃のロールでシート化し、最終的にプレス成形機で2mm厚のシートを作製し、試験に供した。
硬度JIS A、永久伸びおよび引張強さの評価については、シートからダンベルカッターにて所定の試験片を打ち抜いた。さらに、圧縮永久歪の評価については、前記射出成形機にて作製した2mm厚のテストピースを用い、打抜き後、積み重ねによって規定の寸法になるように調整し、試験に供した。結果を表1、2に示す。
【0040】
実施例1〜18と比較例1〜との比較から明らかなように、本発明の組成物は、以下の点で優れている。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は機械的な強度を損なうことなく柔軟な性質を発現し、弾性回復性に優れると共に、成形加工に必要な流動性も良好である。また、軟化剤の添加量も少量で済むので、これらの成分のブリードアウトの問題も生じない。
比較例1は、(ロ)および(ニ)成分が含まれていないので、機械的強度が大きく劣っている。比較例は、(二)成分が含まれていないので、弾性回復性等が実施例と比較して劣っている。比較例3、4は、(ロ)成分が含まれていないため、実施例と比較すると機械的強度等が劣り、好ましくない。比較例は、(ニ)成分の代わりに低密度ポリエチレンを用いた例であり、実施例1と比較すると諸物性が劣り、好ましくない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物によれば、柔軟性および流動性に優れるとともに、機械的強度や弾性回復性も良好である。
また、鉱物油系の軟化剤を含まない、あるいは少量の添加で済むことから、軟化剤の溶出による汚染の問題も生じず、軟化剤の多量の添加による機械的強度および弾性回復性の低下の問題もない。
したがって、軟質塩化ビニル樹脂が使用されている、自動車の内・外装部品、弱電部品のパッキンハウジングなどの部品、工業用部品、防水シート部品、ガスケットシール部品などに使用することが出来る。
【表1】
Figure 0003572735
【表2】
Figure 0003572735
[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a thermoplastic elastomer composition, comprising a copolymer rubber containing ethylene and propylene as main components and a crystalline α-olefin-based copolymer containing α-olefins having 3 or more carbon atoms as main components. By blending a copolymer rubber containing four or more α-olefins as main components and a hydrogenated diene copolymer having a specific structure, a thermoplastic elastomer composition having high strength and high flexibility is provided. Is what you do.
[Prior art]
Soft PVC is a material that has a good balance of mechanical strength and flexibility and is excellent in cost performance, but its use is limited from the viewpoint of the global environment, and part of it is replaced with olefin-based thermoplastic elastomers. Is progressing.
Conventionally, an olefin-based thermoplastic elastomer composition has been obtained by dynamically curing a rubber portion by a known method. According to this method, a thermoplastic elastomer composition having excellent mechanical strength can be obtained without impairing the cold resistance, weather resistance, and chemical resistance of EPM and / or EPDM.
However, there is a problem of odor and discoloration caused by a crosslinking agent or a crosslinking aid during dynamic curing. On the other hand, unless dynamic curing is performed, sufficient mechanical strength cannot be obtained.
Further, olefin-based thermoplastic elastomers are generally said to have poor flexibility and lack "rubberiness". For this reason, mineral oil-based softeners are blended to provide flexibility, but the addition of a large amount of softener causes deterioration in physical properties such as mechanical strength and the problem of elution of the softener. Therefore, the adoption is restricted.
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the related art, and has as its object to provide a thermoplastic elastomer composition having flexibility and fluidity and exhibiting sufficient mechanical strength.
[0002]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to (A) 10 to 90% by weight of a copolymer rubber containing ethylene and propylene as main components, (B) 1 to 80% by weight of a hydrogenated conjugated diene-based copolymer or a modified functional group thereof, (C) 3 to 80% by weight of a crystalline α-olefin-based polymer mainly composed of α-olefin having 3 or more carbon atoms, and (d) copolymer rubber 5 mainly composed of ethylene and α-olefin having 4 or more carbon atoms. 80% by weight (provided that (a) + (b) + (c) + (d) = 100% by weight), and (e) 0 to 200 parts by weight of mineral oil with respect to 100 parts by weight of the component (a) A thermoplastic elastomer composition comprising a system softening agent, wherein the component (b) comprises (G) a polybutadiene polymer block having a vinyl bond content of 25% or less, and (H) a conjugated diene polymer block or vinyl aromatic. Group compound-conjugated diene copolymer And a polymer block in which the vinyl bond content of the conjugated diene portion is 25 to 95%, is arranged in a sequence such as (G)-(H)-(G) or (G)-(H). Hydrogen conjugated diene-based copolymer obtained by hydrogenating 80% or more of the double bond portion of the obtained linear or branched block copolymer or a thermoplastic elastomer composition which is a modified functional group thereof Is provided.
[0003]
(A) Examples of the copolymer rubber containing ethylene and propylene as main components include amorphous elastic copolymers such as ethylene-propylene copolymer rubber and ethylene-propylene-non-conjugated diene terpolymer rubber. Used.
Examples of the non-conjugated diene include 1,4-pentadiene, 1,4-hexadiene, 1,5-hexadiene, 1,7-octadiene, 1,9-decadiene, 3,6-dimethyl-1,7-octadiene, 4,5-dimethyl-1,7-octadiene, 5-methyl-1,8-nonadiene, dicyclopentadiene, 5-ethylidene-2-norbornene, 5-vinyl-2-norbornene, 2,5-norbornadiene, and the like. And 1,4-hexadiene, dicyclopentadiene and 5-ethylidene-2-norbornene are particularly preferred.
In these ethylene-propylene copolymer rubbers, the content of ethylene units is usually 50 mol% or more and less than 90 mol%, preferably 60 mol% or more and less than 90 mol%, based on the total amount of ethylene units and propylene units. is there. In this case, if the ethylene unit content is less than 50 mol% and the propylene content exceeds 50 mol%, the mechanical strength of the copolymer rubber tends to decrease, and the ethylene unit content becomes 90 mol%. As described above, when the content of propylene is 10 mol% or less, the flexibility of the copolymer rubber decreases, and neither is preferable. In the case of the ethylene / propylene / non-conjugated diene copolymer rubber, the content of the non-conjugated diene is preferably 40 or less in iodine value, more preferably 5 to 30, and particularly preferably 7 to 20.
These copolymer rubbers have a Mooney viscosity ML 1 + 4 (100 ° C. ) (hereinafter abbreviated as “Mooney viscosity”) of usually 10 to 500, preferably 30 to 400.
Further, if the Mooney viscosity is less than 10, the mechanical strength of the elastomer composition tends to decrease, and if it exceeds 500, poor dispersion with a crystalline polymer or the like mainly containing an α-olefin having 3 or more carbon atoms. fear is not preferable to cause a.
The preferred hardness of the component (a) is 70 or less as measured by a JIS-A type hardness meter. If the hardness exceeds 70, the flexibility of the obtained thermoplastic elastomer composition is insufficient, which is not preferable.
The polymerization method of component (a) is not particularly limited, but polymerization is performed in the presence of a known catalyst such as a vanadium catalyst, a titanium catalyst, or a metallocene catalyst.
[0004]
Further, a halogenated copolymer rubber in which a part of hydrogen atoms of an ethylene-propylene copolymer rubber is substituted with a halogen atom such as a chlorine atom or a bromine atom: or an ethylene-propylene copolymer rubber or a halogenated copolymer rubber. On the other hand, vinyl chloride, vinyl acetate, (meth) acrylic acid or a derivative thereof (eg, methyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, (meth) acrylamide, etc.), maleic acid or a derivative thereof (eg, maleic anhydride, maleimide, Dimethyl maleate) and a graft copolymer obtained by graft polymerization of an unsaturated monomer such as a conjugated diene (eg, butadiene, isoprene, chloroprene, etc.). Further, the ethylene-propylene copolymer rubber can be used alone or in combination of two or more.
[0005]
(B) The hydrogenated conjugated diene copolymer is a polymer in which at least 80% of the double bonds of the conjugated diene unit in the polymer have been hydrogenated. Examples of such a hydrogenated conjugated diene-based polymer include a hydrogenated product of a block copolymer of a vinyl aromatic compound such as a styrene / butadiene block copolymer and a styrene / isoprene block copolymer and a conjugated diene; , homopolymers hydrogenated product of the conjugated diene such as polyisoprene; can be mentioned vinyl aromatic compound and a hydrogenated product of a random copolymer of a conjugated diene, shown in particular in the following (b -3) A hydrogenated conjugated diene polymer is preferred.
[0019]
(B-3) Component (b-3) A hydrogenated diene-based copolymer (hereinafter also referred to as a "(b-3) component") comprises (G) a polybutadiene polymer block having a vinyl bond content of 25% or less ( (Hereinafter also referred to as "(G) block")) and (H) a conjugated diene polymer block or a vinyl aromatic compound-conjugated diene copolymer block, wherein the conjugated diene portion has a vinyl bond content of 25 to 95%. A polymer block (hereinafter also referred to as a “(H) block”) is a linear or branched polymer arranged like (G)-(H)-(G) or (G)-(H). It is obtained by hydrogenating at least 80% of the double bond portion of the block copolymer.
[0020]
Here, examples of the vinyl aromatic compound and the conjugated diene used to obtain the component (b-3) include the following.
As the vinyl aromatic compound, styrene, t-butylstyrene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, divinylbenzene, 1,1-diphenylstyrene, N, N-dimethyl-p-aminoethylstyrene, N, N- Examples thereof include diethyl-p-aminoethylstyrene and vinylpyridine, and styrene and α-methylstyrene are particularly preferable.
Examples of the conjugated diene include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 1,3-pentadiene, 2-methyl-1,3-pentadiene, 1,3-hexadiene, and 4,5. -Diethyl-1,3-octadiene, 3-butyl-1,3-octadiene, chloroprene and the like. Among them, a hydrogenated diene copolymer which is industrially usable and has excellent physical properties is obtained. , 3-butadiene, isoprene and 1,3-pentadiene are preferred, and 1,3-butadiene is more preferred.
The block (G) in the component (b-3) becomes a crystalline polymer block having a structure similar to that of ordinary low density polyethylene (LDPE) by hydrogenation. The content of the 1,2-vinyl bond in the block (G) is usually 25% or less, preferably 20% or less, and more preferably 15% or less. When the content of the 1,2-vinyl bond in the block (G) exceeds 25%, the melting point of the crystal after hydrogenation drops significantly, and the mechanical strength is poor.
[0021]
The (H) block is a conjugated diene polymer block or a vinyl aromatic compound-conjugated diene copolymer block, and is a rubbery ethylene-butene-1 copolymer block or a vinyl aromatic compound-ethylene block by hydrogenation. -A polymer block having a structure similar to that of the butene-1 copolymer.
[0022]
The amount of the vinyl aromatic compound used in the block (H) is 35% by weight or less, preferably 30% by weight or less, more preferably 25% by weight or less of the monomers constituting the block (H). If it exceeds 35% by weight, the glass transition temperature of the (H) block increases, and the low-temperature properties and flexibility are poor.
Further, the vinyl bond amount of the conjugated diene portion of the (H) block is 25 to 95%, preferably 25 to 75%, and more preferably 25 to 55%. If the amount is less than 25% or exceeds 95%, hydrogenation For example, when the conjugated diene is butadiene, the conjugated diene shows a crystal structure derived from a polyethylene chain and a polybutene-1 chain, respectively, becomes a resinous property, and is inferior in flexibility.
[0023]
In the block copolymer for obtaining the component (b-3), the ratio of the (G) block to the (H) block is usually 5 to 90% by weight of the (G) block, preferably 10 to 80% by weight. , (H) block is 95 to 10% by weight, preferably 90 to 20% by weight [however, (G) + (H) = 100% by weight]. If the content of the (G) block is less than 5% by weight and the content of the (H) block exceeds 95% by weight, the crystalline polymer block is insufficient, and the mechanical properties of the component (B-3) are not preferable. If the content of the block (G) exceeds 90% by weight and the content of the block (H) is less than 10% by weight, the hardness of the component (B-3) increases, which is not preferable.
In addition, the preferable weight average molecular weight of (G) block is 0.250,000-630,000, More preferably, it is 10,000-480,000. Further, the preferred weight average molecular weight of (H) block is from 50,000 to 66.5,000, and more preferably from 20,000 to 540,000.
[0024]
In addition, the block copolymer for obtaining the component (b-3) is composed of a single polymer composed of at least one polymer block of the (G) block and the (H) block via a coupling agent residue. It may be a block copolymer which is bonded and has a polymer molecular chain extended or branched, for example, as represented by the following formulas (6) to (7).
(6) [(G)-(H)] n-X
{7} [(G)-(H)-(G)] nX
(In the formulas (6) and (7), n and X are the same as above.)
As the coupling agent, those similar to the compound used in the above component (II) can be used.
[0025]
By hydrogenating the above block copolymer, the double bond of the conjugated diene portion of the block copolymer is saturated, so that the component (b-3), which is a hydrogenated diene copolymer, can get.
Here, the double bond of the conjugated diene must be saturated at least 80%, preferably 90% or more, more preferably 95 to 100%. If the saturation ratio of the double bond in the conjugated diene portion is less than 80%, the thermal stability and durability of the thermoplastic elastomer will be poor.
The number average molecular weight of the component (b-3) is from 50,000 to 700,000, preferably from 100,000 to 600,000. If it is less than 50,000, heat resistance, strength, fluidity and workability are reduced, and if it exceeds 700,000, fluidity, workability and flexibility are inferior. The component (b-3) can be obtained, for example, by the method disclosed in JP-A-3-129576.
[0026]
Each hydrogenated diene-based polymer used as the component (b) in the present invention may be a modified hydrogenated block polymer modified with a functional group.
Such a modified hydrogenated block polymer is selected from the group consisting of a carboxyl group, an acid anhydride group, a hydroxyl group, an epoxy group, a halogen atom, an amino group, an isocyanate group, a sulfonyl group and a sulfonate group. It can contain at least one kind of functional group.
As a method for containing this functional group, (1) a block copolymer is obtained by using a conjugated diene or a vinyl aromatic compound containing a functional group and copolymerizing the monomer while protecting the functional group of the monomer. After completion of polymerization, a method of adding during polymerization by a technique of deprotection, (2) a method of adding a radical polymerizable monomer having a functional group to a hydrogenated block polymer by a known grafting reaction, (3) ▼ Using a monomer containing a functional group, in the presence or absence of an organic peroxide or azo compound, knead the hydrogenated block polymer using a kneader, mixer, extruder, etc. Examples include a method of adding a group.
Although any of these methods can be used to efficiently contain a functional group, the above methods (1) to (3) are industrially simple and effective.
The amount of the functional group in the modified hydrogenated block polymer is usually from 0.01 to 10 mol%, preferably from 0.1 to 8 mol%, more preferably from 0.1 to 8 mol%, based on the molecules constituting the hydrogenated block polymer. 0.15 to 5 mol%.
Preferred examples of the monomer for adding a functional group to the hydrogenated block polymer include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, maleic anhydride, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, and hydroxyethylene. Examples include methacrylate, hydroxypropyl methacrylate, hydroxyethyl acrylate, hydroxypropyl acrylate, and dimethylaminoethyl methacrylate.
[0027]
Next, (c) the crystalline α-olefin-based polymer mainly composed of α-olefin having 3 or more carbon atoms used in the composition of the present invention includes polypropylene, poly 1-butene, poly 4-methyl -1-pentene, poly-1-hexene, propylene-ethylene copolymer, propylene-1-butene copolymer and the like. Among these, polypropylene, random or block ethylene - propylene copolymer.
The component (c) is crystalline, and specifically has an n-decane insoluble content of 50% by weight or more, preferably 60% by weight or more, more preferably 70% by weight or more.
If the n-decane insoluble content is less than 50% by weight, the mechanical strength and moldability of the resulting thermoplastic elastomer composition may be impaired.
[0028]
Next, (d) the copolymer rubber mainly composed of ethylene and an α-olefin having 4 or more carbon atoms used in the present invention is an ethylene / 1-butene copolymer or an ethylene / 1-butene copolymer. Copolymer, ethylene / 1-hexene copolymer, ethylene / 1-octene copolymer, ethylene / 1propylene / 1-hexene copolymer, ethylene / 1propylene / 1-octene copolymer, ethylene / 1-butene / 1- Hexene copolymer, ethylene / 1-butene / 1-octene copolymer, ethylene / 1-hexene / 1-octene copolymer, ethylene / 1-butene / dicyclopentadiene copolymer, ethylene / 1-butene 5-ethylidene-2-norbornene copolymer, ethylene / 1-hexene / dicyclopentadiene copolymer, ethylene / 1-hexene / 5-ethylidene-2 Norbornene copolymer, ethylene-1-octene-dicyclopentadiene copolymer, ethylene-1-octene-5-ethylidene-2-norbornene copolymer and the like.
The polymerization method of the component (d) is not particularly limited, but polymerization is performed in the presence of a known catalyst such as a vanadium catalyst, a titanium catalyst, and a metallocene catalyst.
These ethylene copolymers may be a mixture of two or more. The MFR of the copolymer is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 200 g / 10 minutes.
(D) The α-olefin copolymer rubber having ethylene-carbon number of 4 or more as the component has an ethylene content of less than 90 mol% or a hardness of more than 70 and not more than 93 by a JIS-A type hardness meter. Is preferred.
If the ethylene content exceeds 90 mol% or the hardness is 93 or more, the flexibility of the copolymer rubber is insufficient, which is not preferable. Further, if the hardness is 70 or less, the mechanical strength of the obtained composition is insufficient, which is not preferable.
[0029]
The compounding amount of the above components (a) to (c) used in the composition of the present invention is such that (a) the ethylene-propylene copolymer rubber is more than 10% by weight and 90% by weight or less, preferably 30 to 80% by weight. %, More preferably 50 to 75% by weight, (ii) a hydrogenated diene copolymer having a specific structure is 1 to 80% by weight, preferably 20 to 60% by weight, more preferably 30 to 60% by weight, (C) a crystalline α-olefin polymer having an α-olefin having 3 or more carbon atoms as a main component is 3 to 80% by weight, preferably 20 to 40% by weight, and (d) an α-olefin having 4 or more carbon atoms. The olefin copolymer rubber is 5 to 80% by weight, preferably 8 to 30% by weight [however, (a) + (b) + (c) + (d) = 100% by weight]. Here, if the blending amount of (a) the ethylene-propylene copolymer rubber is 10% by weight or less, the rubber elasticity and flexibility of the obtained composition are deteriorated. On the other hand, when the component (a) exceeds 90% by weight, the moldability and mechanical strength of the obtained composition are deteriorated. Further, when the component (c) is 3% by weight or less, the heat resistance of the obtained composition deteriorates. When the amount of the component (d) is 5% by weight or less, the mechanical strength of the obtained composition decreases.
[0030]
As the mineral oil softener of the component (e) used in the present invention, naphthenic oil and paraffinic mineral oil can be used. By such oil extension, processability and flexibility are further improved. In this case, the oil extension amount is (a) 0 to 200 parts by weight, preferably 0 to 100 parts by weight, more preferably 0 to 50 parts by weight per 100 parts by weight of the ethylene-propylene copolymer rubber .
[0031]
The method for producing the thermoplastic elastomer composition of the present invention is not particularly limited, as long as a good dispersion of each component can be obtained.
Usually, the target polymer is melt-kneaded by a closed kneader such as a roll mill, a Banbury mixer, or a pressure kneader used in the rubber and resin industries, or a single-screw extruder or a twin-screw extruder.
In the production of the composition of the present invention, the mixing temperature (kneading temperature) is a temperature at which the components (b), (c) and (d) are melted, and is usually in the range of 120 to 280 ° C. is there.
[0032]
Further, the thermoplastic elastomer composition of the present invention may have, in addition to the components (A), (B), (C), (D) , and (E) , mechanical strength, flexibility, antioxidants amount that does not impair the moldability, antistatic agents, weathering agents, UV absorbers, lubricants, anti-blocking agents, sealing property-improving agent, crystal nucleating agents, flame retardants, antibacterial agents , Fungicides, tackifiers, softeners, plasticizers, coloring agents such as titanium oxide and carbon black, glass fibers, carbon fibers, metal fibers, aramid fibers, glass beads, asbestos, mica, calcium carbonate, potassium titanate Fillers such as whiskers, talc, barium sulfate, glass flakes, and fluororesins , rubbery polymers such as isobutylene-isoprene copolymer, and thermoplastic resins can be appropriately compounded.
[0033]
The thermoplastic elastomer composition of the present invention, without impairing the mechanical strength, flexibility, taking advantage of the formability is imparted, the conventional soft vinyl chloride resin is used, among automobiles -It can be used for exterior parts, parts such as packing and housing of light electric parts, industrial parts, waterproof sheet parts, etc.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist thereof.
In the examples, parts and% are based on weight unless otherwise specified.
Various measurements in the examples were performed by the following methods.
[0035]
JIS A hardness Measured according to JIS K6301.
Elastic recovery properties The following substitute properties and those with good permanent elongation were rated good.
Permanent elongation: In accordance with JIS K6301, it was held for 10 minutes under 100% elongation, then the elongation was released, and the elongation was determined from the elongation after standing for 10 minutes. The smaller the permanent set, the better the elastic recovery.
50% modulus (M 50 ), tensile strength and maximum elongation Measured in accordance with JIS K6301.
The fluidity MFR was measured under the following conditions.
Temperature; 230 ° C
Load; 5kg
[0036]
The polymers used in the examples and comparative examples are as follows.
Figure 0003572735
Hydrogenated Diene Copolymer C Hydrogenated block copolymer C is a product of Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., and has a GHG structure (G is polybutadiene having a small 1,2 -vinyl content, H is 1, A 2- butadiene-containing polybutadiene having a double bond hydrogenated in each butadiene portion), a vinyl content in the G portion of 15%, a vinyl content in the H portion of 35%, and a total molecular weight of 300%. 2,000 hydrogenated block copolymer.
PE1
Low-density polyethylene [Mitsubishi Chemical, LC500]
Mineral oil plasticizer Paraffin softener [PW-380 manufactured by Idemitsu Kosan]
Filler <br/> calcium carbonate
[0037]
The following were prepared as other additives.
Inorganic filler; calcium carbonate, manufactured by Fuji Talc
Examples 1 to 18 , Comparative Examples 1 to 5
The compositions were prepared according to the following procedures according to the formulation shown in Tables 1 and 2.
First, a bale-shaped EPDM is formed into a sheet by a roll at 120 ° C. (IIR is 20 ° C.), oil-extended if necessary, and a 5 mm square pellet is formed by a sheet cutter. Olefin-based copolymer rubber, hydrogenated diene copolymer with specific structure, polypropylene-based resin, polyethylene-based resin, blended into a single-screw extruder (manufactured by Nippon Placon) at a predetermined temperature at a predetermined mixing ratio. In response, an antiaging agent, an inorganic filler, and the like were continuously supplied to form a pellet.
[0039]
The obtained pellets were formed into a sheet by a roll at 180 ° C., and finally, a sheet having a thickness of 2 mm was produced by a press molding machine and subjected to a test.
For evaluation of hardness JIS A, permanent elongation and tensile strength, a predetermined test piece was punched out of a sheet with a dumbbell cutter. Furthermore, regarding the evaluation of compression set, a test piece having a thickness of 2 mm produced by the above-mentioned injection molding machine was used, punched, adjusted to a prescribed size by stacking, and subjected to a test. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0040]
As is clear from the comparison between Examples 1 to 18 and Comparative Examples 1 to 5 , the composition of the present invention is excellent in the following points.
The thermoplastic elastomer composition of the present invention exhibits a soft property without impairing the mechanical strength, has excellent elastic recovery, and also has good fluidity required for molding. In addition, since a small amount of the softening agent is required, there is no problem of bleed-out of these components.
Comparative Example 1 does not contain the components (b) and (d), and thus has a significantly poor mechanical strength. Since Comparative Example 2 does not contain the component (2), the elastic recovery property and the like are inferior to the Examples. Comparative Examples 3 and 4 do not contain the component (b) , and therefore are inferior in mechanical strength and the like as compared with the Examples, and thus are not preferred. Comparative Example 5 is an example in which low-density polyethylene was used in place of the component (d) .
[0041]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the thermoplastic elastomer composition of this invention, while being excellent in flexibility and fluidity, mechanical strength and elastic recovery are also favorable.
Also, since no mineral oil-based softening agent is contained or only a small amount is required, there is no problem of contamination due to elution of the softening agent, and a decrease in mechanical strength and elastic recovery due to addition of a large amount of the softening agent. No problem.
Therefore, it can be used for interior and exterior parts of automobiles, parts such as packing housings of weak electric parts, industrial parts, waterproof sheet parts, gasket seal parts, etc., in which soft vinyl chloride resin is used.
[Table 1]
Figure 0003572735
[Table 2]
Figure 0003572735

Claims (4)

(イ)エチレンとプロピレンを主成分とする共重合ゴム10〜90重量%、
(ロ)水添共役ジエン系共重合体もしくはその官能基変性体1〜80重量%、
(ハ)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結晶性α−オレフィン系重合体3〜80重量%、
(ニ)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とする共重合ゴム5〜80重量%
〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量%〕、および、
(ホ)(イ)成分100重量部に対して0〜200重量部の鉱物油系軟化剤からなる熱可塑性エラストマー組成物であって、
上記(ロ)成分が、(G)ビニル結合含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロックと、(H)共役ジエン重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体ブロックであって、共役ジエン部分のビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロックとが、(G)−(H)−(G)、または(G)−(H)のように配列された直鎖状あるいは分岐状のブロック共重合体の二重結合部分の80%以上を水素添加することにより得られる水素共役ジエン系共重合体もしくはその官能基変性体であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
(A) 10 to 90% by weight of a copolymer rubber containing ethylene and propylene as main components,
(B) 1 to 80% by weight of a hydrogenated conjugated diene copolymer or a modified functional group thereof,
(C) 3 to 80% by weight of a crystalline α-olefin-based polymer mainly containing an α-olefin having 3 or more carbon atoms;
(D) 5-80% by weight of a copolymer rubber containing ethylene and an α-olefin having 4 or more carbon atoms as main components
[However, (a) + (b) + (c) + (d) = 100% by weight], and
(E) A thermoplastic elastomer composition comprising a mineral oil-based softener in an amount of 0 to 200 parts by weight based on 100 parts by weight of the component (A) ,
The component (b) is (G) a polybutadiene polymer block having a vinyl bond content of 25% or less and (H) a conjugated diene polymer block or a vinyl aromatic compound-conjugated diene copolymer block, A polymer block in which the vinyl bond content of the diene portion is 25 to 95% is a linear or branched polymer block arranged as (G)-(H)-(G) or (G)-(H). A thermoplastic elastomer composition characterized in that it is a hydrogen-conjugated diene-based copolymer obtained by hydrogenating at least 80% of a double bond part of a block copolymer in the form of a block, or a modified functional group thereof.
上記(ロ)成分中の上記(G)ブロックと(H)ブロックの重量比((G)/(H))が5/95〜90/10である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。The thermoplastic elastomer composition according to claim 1, wherein a weight ratio ((G) / (H)) of the (G) block and the (H) block in the (b) component is from 5/95 to 90/10. . 上記(ロ)成分中の上記(G)ブロックにおける1,2−ビニル結合含量が20%以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。The thermoplastic elastomer composition according to claim 1 or 2, wherein the 1,2-vinyl bond content in the (G) block in the (b) component is 20% or less. 上記(ニ)成分が、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・ジシクロペンタジエン共重合体、およびエチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。The component (d) is an ethylene / 1-butene copolymer, an ethylene / 1-butene copolymer, an ethylene / 1-hexene copolymer, an ethylene / 1-octene copolymer, an ethylene / 1 propylene / 1 -Hexene copolymer, ethylene / propylene / 1-octene copolymer, ethylene / 1-butene / 1-hexene copolymer, ethylene / 1-butene / 1-octene copolymer, ethylene / 1-hexene / 1 -Octene copolymer, ethylene / 1-butene / dicyclopentadiene copolymer, ethylene / 1-butene / 5-ethylidene-2-norbornene copolymer, ethylene / 1-hexene / dicyclopentadiene copolymer, ethylene 1-hexene / 5-ethylidene-2-norbornene copolymer, ethylene / 1-octene / dicyclopentadiene copolymer, And ethylene-1-octene-5-ethylidene-2-norbornene copolymer is at least one from the selected group consisting of polymer thermoplastic elastomer composition according to any one of claims 1 to 3.
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