JP3572284B2 - 適性職務判定システム及びサーバ機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホームページを使用して各人の職務上の適正を判定する判定システム及び判定システムを実現するサーバ機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人間の性格検査の手法として、例えば、YG(矢田部ギルフォード)性格検査が知られている。このYG性格検査法では、各人の性格を分析するための120の設問が検査用紙(カーボン用紙)に印刷されており、被験者は、カーボン用紙の上からボールペンで回答を記入するようになっている。
【0003】
カーボン用紙によって写しとられた120問の回答は、回収されて専門の業者によって人為的に採点されて性格が判定され、数週間後に判定結果が通知されるようになっている。判定される性格は、A型(性格特徴が平均的なタイプ)、B型(情緒不安定、社会的不適応で活度的・外交的なタイプ)、C型(大人しく消極的な性格で情緒的に非常に安定しているタイプ)、D型(情緒的にも安定し社会的適応も良く活動的で対人関係もうまいタイプ)、E型(情緒的に不安定で、非活動的で内向的なタイプ)に大別されている。また、上記5つのタイプ(A〜E)は、更に、典型、準型、混合型に3分されており、合計3×5のタイプに分類されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このYG性格検査は、学校や企業でも活用されているが、テストを受けてから結果を得るまでに少なからず日時を要し、先ずその点において、企業の採用テストには使いずらいという問題がある。すなわち、YG性格検査では、各受験者の性格を把握した上で面接を行いたいという企業の要求に応えられない。しかも、仮に、面接日を遅らせてテスト結果を受けたから面接を行うとしても、YG性格検査は単なる性格検査であるため、アルバイト生や社員を採用しようとする企業にとって参考資料とはなっても、採否を決定する決め手にはできないという問題もある。不適切な人間を採用してしまった場合の企業の痛手は計り知れない以上、適切な人材であるか否かを面接時における単なる印象で決定するのは危険であり、幾多の経験的データに基づいて構成されたシステムであって、応募者の職業適性を客観的に示すものが望まれるところである。
【0005】
この発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、単なる性格検査に止まらず、人間の性格と各職務との適合性についての統計的経験的なデータを踏まえて、募集している職務や職位に対して、応募者がどの程度適合しているかをリアルタイム且つ客観的に判断できるシステムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る判定システムは、適性職務判定用の設問文をホームページ上に公開し、各設問の回答を集計して被験者の職務上の適性を判定するサーバ機器(SV)と、WWWブラウザが動作可能なクライアント機器(PC)と、前記両機器を接続するインターネット回線(NET)とで構成され、複数の性格要素(A1〜A14)によって特定される被験者の性格と、前記性格要素と職業適性とを関連付ける統計的経験的なデータとによって、募集されている職務や職位に対して被験者がどの程度適合しているかを数値的に算出し、採用企業によるリアルタイム且つ客観的な判断を可能にしたシステムであって、前記性格要素を計測するための複数個の設問文について、その採点に使用される採点参照テーブル(TBL1)と、採点された結果を、各被験者について前記性格要素毎にまとめる性格要素集計テーブル(TBL3)と、採用企業側が求める職務や職位に対して評価対象となる前記性格要素を特定した抽出テーブル(TBL5)とが、前記サーバ機器(SV)に参照されるよう構成されており、前記設問文に対する回答動作の進行を誘導する音声誘導データを、前記サーバ機器(SV)が予め前記クライアント機器(PC)にダウンロードさせる処理(ST4)と、前記性格要素別に設けられた複数個の設問文の出現順位を、配信毎にランダムに変更すると共に、特定の前記性格要素に関する設問文を更に極端化した虚偽性の設問を付加し、更に各設問文について、最初の回答内容と二度目の回答内容と区別できるよう訂正欄を設けて、前記サーバ機器(SV)から前記クライアント機器(PC)に設問文を送信する処理(ST15)と、前記クライアント機器で実行される前記音声誘導データの指示に従った、前記設問文に対する回答処理により前記クライアント機器(PC)から返送された回答データを前記サーバ機器(SV)が記憶する処理(ST16)と、前記採点参照テーブル(TBL1)に基づいて、前記回答データを採点して、前記性格要素毎に前記性格要素集計テーブル(TBL3)に集計する前記サーバ機器の処理(ST31)と、前記集計の結果について必要な補正処理を行った後(ST32)、前記抽出テーブル(TBL5)を参照して評価対象となる前記性格要素を特定すると共に、所定の換算形式に従って集計結果を演算して、採用企業が提示する職務や職位に対して、当該被験者が希望する職務や職位に対応する適正値を数値的に算出する前記サーバ機器の処理と(ST33)、を備えている。
【0007】
また、本発明に係る判定システムは、好ましくは、本システム契約ユーザの入力するログインデータの正当性をチェックした後に当該ユーザ企業を特定するユーザ第1クッキーを返信する認証処理と、適正判定テストの被験者の入力した個人情報を記憶すると共に、当該被験者固有の被験者クッキーを生成するテスト開始処理と、クライアント機器からの指示を受け設問文を適宜に並べ替えて配信する設問処理と、クライアント機器から送信された回答データを記憶する記憶処理と、本システム契約ユーザの入力するログインデータの正当性をチェックすると共に当該ユーザ企業を特定するユーザ第2クッキーを生成する判定開始処理と、本システム契約ユーザからの指示に基づき判定処理などを行う本体処理とを備えている。
【0008】
本発明において、クライアント機器から返送される回答データは、被験者を特定して返送されるように構成するのが好ましい。被験者と特定して返送する方法は特に限定されないが、クライアント機器に保存され、WWWブラウザが特定のアドレスをアクセスする際に自動的に送出されるクッキーを利用するのが好適である。なお、クッキーをクライアント機器に保存する方法も特に限定されず、ブラウザに送信されるレスポンスメッセージのヘッダ部を利用しても良いし、JAVA
Scriptなどの命令を利用しても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に係る適性職務判定システムに基づいて説明する。先ず、概略的な説明から始めるが、本実施例の判定システムでは、各人の性格的な特性を、次の14の性格要素A1〜A14で計測している。すなわち、A1謙虚性、A2社交性、A3支配性、A4計画性、A5行動性、A6活動性、A7非虚偽性、A8主体性、A9協調性、A10客観性、A11非神経質性、A12自己信頼性、A13理性、A14明朗性である。
【0010】
これら各性格要素A1〜A14を計測する設問は各10問用意されており、全体として140問の設問で構成されている。図1、図2に示すように、合計140問の設問は、14の性格要素Aiを計測する14問の設問毎に区切られてインターネット回線で配信されるが、14の性格要素Aiを計測する14問の設問の出現順位は、虚偽性A7を判定する設問を除き、配信毎にランダムに変更されている。したがって、同じ適性検査を複数回受験しても過去の記憶に頼って回答できにくい利点がある。
【0011】
虚偽性A7を判定する設問は、他の性格要素(この実施例では活動性A6)を判定する設問と組合されており、他の性格要素に関する設問文を更に極端化した設問となっている。例えば「いつも気軽に人に話しかけることができる」との設問に続いて「いままでに嫌いな人は誰もいない」のような、Yes回答の困難な設問を続けるようにしている。就職活動においては、誰しも、積極性や活動性をアピールしようとするので、例えば「いつも気軽に人に話しかけることができる」との設問に対しては、多少自己を偽ってでもYes回答をする傾向にある。しかし、この自己アピールが全く根拠のない虚偽の回答の場合には、これに続く「いままでに嫌いな人は誰もいない」との設問文にも、特に躊躇することなくYes回答することになると思われる。そこで、この実施例では、被験者が無理をしてでもYes回答をしがちな設問に続けて、通常ならYes回答をできない設問を用意して、その回答によって被験者の虚偽性を判定するようにしている。
【0012】
140問の設問に対する回答は、「はい」「いいえ」「?(どちらとも言えない)」の何れかで求められる。そして、その回答は、図3(a)に示すような採点参照テーブルTBL1に基づいて採点され、この結果は、図3(b)のような採点結果テーブルTBL2に集計される。次に、性格要素Ai毎に図4(a)のような性格要素集計テーブルTBL3にまとめられ、更に、20点満点の性格要素Ai毎の採点結果が、図4(b)のように100点満点に補正される。ここで、補正処理とは、20点満点の採点結果を単に5倍するのではなく、性別に応じた補正や、設問内容に応じた補正を意味する。
【0013】
図5は、統計的データに基づく男女別の補正曲線を例示したものである。例えば、支配性A3に関する性格要素は、先天的に女性より男性の方が強いので、同じ設問に対して同一の点数であっても、女性の点数を所定値だけ高く評価するか、或いは男性の点数を所定値だけ低く評価するのである。また、設問内容に応じた補正とは、特定の性格要素Aiを調べる場合に、その性格要素を正確に計測可能な10の設問が用意できるとは限らないので、直接的に性格要素を判定可能な10の設問の場合と、間接的な設問によって性格要素を判定する場合とを区別して、統計的根拠に基づいて数値的な補正を施し、採点結果に反映させるためである。
【0014】
次に、採用企業側が求める職務や職位に対する当該被験者の希望に対応する抽出テーブルTBL5(図6)を参照して判定項目を抽出し、各判定項目について獲得した点数を算出する。図6は、サービス接客についての抽出テーブルTBL5であり、サービス接客を希望する場合の抽出項目と、点数の評価形式F,R,Cと、各性格要素Aiについての重みとを規定している。例えば、サービス接客業に対する適否についは、[情緒安定性]、[人間関係性]、[活動性]、[社交性]、[感受性]によって評価されるが、[情緒安定性]は、謙虚性、明朗性、理性、自己信頼性、非神経性の5項目の平均値で測られる。また、[感受性]は、理性と自己信頼性と非神経性と客観性と協調性と計画性とが1:1:4:1:1:4の重みをもって平均化される。
【0015】
また、抽出テーブルTBL5にはFoward(F),Reverse(R),Center(C)の3つの換算形式が規定されている。ここでFoward(F)とは高得点ほど高評価であることを意味し、図4(b)の集計結果テーブルTBL4の数値がそのまま使用される。一方、Reverse(R)とは、低得点ほど高評価であることを意味し、図4(b)の集計結果テーブルTBL4の数値Pが、例えば100−Pの値に換算して使用される。また、Center(C)とは、中央に近いほど高評価であることを意味し、図7のような換算曲線Cに基づいて換算した値が使用される。
【0016】
以上の通り、抽出テーブルTBL5に基づいて、採用企業が提示する職務や職位に対して、当該被験者が希望する職務や職位に対応する適正値が数値的に算出される。例えば、<サービス接客職務>は、明るい人間関係を築けるか否かの[人間関係性]、情緒面に置いて安定しており気分にむらがないか否かの[情緒安定性]、きびきびした動作と行動力がとれるか否かの[活動性]、気配りがあり客に共感がもてるか否かの[感受性]、優れた社交性があるか否かの[社交性]の各項目によって100点満点で評価され、全項目が合格ラインに達していたら合格との評価となる。
【0017】
また、例えば<一般事務職>では、仕事への取り組みが積極的で自発的であるか否かの[活動性]、主体的で仕事の効率を考えた創意工夫があるか否かの[主体性・創意工夫性]、職場の仲間と協調して仕事を進めることができるか否かの[協調性]、仕事を取り巻く状況を冷静に客観的に判断できるか否かの[客観性]、仕事を熟慮的かつ計画的に進めることができるか否かの[熟慮・計画性]によって100点満点で評価される。また、<製造技術職>では、適度に情緒が安定し仕事に積極的・意欲的であるか否かの[活動性]、悪いことやミスを認める素直な反省心があるか否かの[内省性]、合理的に仕事を進めることができるか否かの[合理性]、温順で服従的であるか否かの[服従性]、保守的であり現実に即した考え方ができるか否か[保守性]によって評価される。
【0018】
その他、<専門技術職>、<営業職>、<幹部管理職>、<販売接客職>についても、それぞれの職務内容に応じて要求される能力に応じて抽出テーブルが用意されており、5〜6項目の能力について100点満点で数値的に評価される。
【0019】
以上、本システムを概略的に説明したが、本実施例では、上記の適正職務の判定を、紙面を用いたテストではなく、インターネット回線を用いて実施している。そのため、時間や場所に制約されることなく各企業単位でテストを実施することができる上、リアルタイムに判定結果を得ることができる。以下、具体的なシステム内容について図面に基づいて説明する。
【0020】
図8は、この判定システムの構成図であり、適性判定用の設問文をホームページ上に公開し、各設問の回答を集計して被験者の職務上の適性を判定するサーバ機器SVと、WWWブラウザが動作可能なクライアント機器PCと、前記両機器を接続するインターネット回線NETとで構成されている。
【0021】
ここで、クライアント機器PCは、本システムを活用してアルバイトや正社員を募集しようとする契約企業の担当者が使用するユーザパソコンPCiと、適正判定テストを受ける被験者の使用するユーザパソコンPCjとに区分される。但し、適正判定テスト終了後のユーザパソコンPCjを、契約企業の担当者が使用しても良いのは勿論である。
【0022】
一方、サーバ機器SVには、WWWブラウザからの要求(リクエスト)に応じて練習問題用の画面Study.htmlや設問用の画面Question.htmlなどをWEBデータベースDBから読み出して送信するサーバプログラムと、WWWブラウザからの送信データに基づいて各種の処理を行うCGIプログラムとが搭載されている。
【0023】
CGIプログラムは、本システム契約ユーザ(契約企業の担当者)の入力するログインデータ(ユーザIDとパスワード)の正当性をチェックした後に当該ユーザ企業を特定するユーザ第1クッキーを返信する認証プログラムCertificate.cgiと、適正判定テストの被験者の入力した個人情報を記憶すると共に、当該被験者固有の被験者クッキーを生成するテスト開始プログラムStart.cgiと、クライアント機器からの指示を受け設問文を適宜に並べ替えて配信する設問プログラムPresent.cgiと、クライアント機器から送信された回答データを記憶する記憶プログラムSave.cgiと、本システム契約ユーザの入力するログインデータの正当性をチェックすると共に当該ユーザ企業を特定するユーザ第2クッキーを生成する判定開始プログラムBegin.cgiと、本システム契約ユーザからの指示に基づき判定処理などを行う本体プログラムJudge.cgiとで構成されている。
【0024】
図9は、サーバ機器SVとクライアント機器(ユーザパソコン)PCの処理内容を時間順次に図示したものである。以下、図9のフローチャートに基づいて本システムの内容を説明する。契約企業ユーザの担当者がユーザパソコンPCjでWWWブラウザを立ち上げて、本システムを提供しているホームページのURLを入力した後、適宜にリンクと辿ると、やがて図10のようなログイン画面が送信される(ST1)。
【0025】
そして、契約企業の担当者がユーザIDとパスワードを入力してログインすると、そのログインデータは認証プログラムCertificate.cgiに渡されて、ログインデータの正当性がチェックされる(ST2)。ここで、ログインデータの正当性が確認されたら、当該契約企業を特定するユーザ第1クッキーが生成され、図11に示すようなメイン画面と共にユーザパソコンPCjにユーザ第1クッキーが送信される。この実施例では、サーバからのレスポンスメッセージのヘッダ部(Set−Cookieヘッダ)に、クッキーデータを挿入して返送しており、挿入されたクッキーは、WWWブラウザによってクッキーファイルとしてユーザパソコンのハードディスクに保存される。
【0026】
図12(a)は、認証プログラムCertificate.cgiの処理に基づいてブラウザに送信されるレスポンスメッセージのヘッダ部(Set−Cookieヘッダ)の一部を図示している。なお、Set−Cookieヘッダの書式は、Set−Cookie: NAME=VALUE; expires=DATE; path=PATH; domain=DOMAIN NAME; secureのようになっている。
【0027】
NAME属性(NAME=VALUE)は、クッキーの名前をNAMEに指定し、値をVALUEに指定する部分であり、図示の例では、ユーザ第1クッキーとしてasbi1256が付与されている。path属性(path=PATH)は、ブラウザが、どのデータを要求する際に、クッキーをリクエストメッセージのヘッダ部(Cookieヘッダ)を追加するかを指定する部分であり、図示の例では……/Start.cgiにアクセスする際にユーザ第1クッキー(=asbi1256)が送出される。また、domain属性(domain =DOMAIN NAME)の部分は、どのWWWサーバにクッキーを送り返すかを指定する部分であり、図示の例では、www.cdr−jp.comに送り返されることになる。なお、expires属性(expires =DATE)は、クッキーの有効期限を指定する部分である。
【0028】
以上のような内容のユーザ第1クッキーは、メイン画面(図11参照)と共にユーザパソコンPCに返送される。そして、契約企業の担当者は、メイン画面の表示に基づいて、音声をダウンロードするか、適性職務分析に進むか、判定結果画面に進むかの何れかを選択することになる。ここで音声のダウンロードとは、適性職務の分析テストの進行を促す音声誘導データ(Guide.wav)をダウンロードすることを意味する。ダウンロードされた音声誘導データ(Guide.wav)はユーザパソコンPCに保存され、パソコンに搭載されている音声再生プログラムを起動することで再生される。従って、一度ダウンロードすれば、その後は音声誘導データを繰り返し使用することができる。
【0029】
ステップST3の処理の後、ユーザパソコンPCjは被験者に提供されるが、被験者は、メイン画面において「適性職務分析に進む」を選択することになる。すると、この操作に応答して、WWWサーバは図13に示すような個人情報入力画面をユーザパソコンPCjに返送する。ここで、被験者が希望職種と特定して、「名前」「生年月日」「性別」の欄にデータを入力して[次ページへ]のボタンをマウスでクリックすると、入力されたデータは、FORMアクションとしてテスト開始プログラムStart.cgiに渡される(ST10)。例えば、個人情報入力画面のHTMLファイルは、下記のように構成されており、被験者の個人情報がPOSTデータとしてテスト開始プログラムStart.cgiに渡される。また、このPOSTデータと共に、先に説明したユーザ第1クッキーもStart.cgiに渡される。
<FORM action=”www.cdr−jp.com/Hantei/cgi−bin/Start.cgi” method=”post” >
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
</FORM>
【0030】
一方、被験者の個人情報とユーザ第1クッキーを受けたテスト開始プログラムStart.cgiは、図14に例示するような被験者管理テーブルTBL10に、個人情報とユーザ第1クッキー(ユーザID)と登録時間データとを登録する。また、当該被験者固有の被験者クッキーを生成して被験者管理テーブルTBL10に登録する。次に、テスト開始プログラムStart.cgiは、生成した被験者クッキーと共に、練習問題を記載した画面Study.htmlをユーザパソコンPCjに送信する。この被験者クッキーは、WWWブラウザによってクッキーファイルとしてハードディスクに保存されるが、その後、適正職務の分析テストの回答データと共に、記憶プログラムSave.cgiに送信されるように設定されている。
【0031】
練習問題には、マウスの操作方法も含んでおり、設問に対する回答方法を何回か練習する形式になっている。そして、十分に練習を終えた被験者は、リンク情報を辿ることで(ST12)、テスト開始画面を受信することになる(ST13)。テスト開始画面は、これから始まる適正職務適正テストについての注意事項が説明されている。また、この段階で音声誘導データGuide.wavをダブルクリックすることで注意事項が音声によって告げられる。なお、ユーザパソコンPCjにおいて被験者自身がダブルクリックしても良いが、複数の被験者がいる場合にはユーザパソコンPCiにおいて契約企業の担当者によって実行化され、適宜な拡声手段によって全被験者に伝えられる。
【0032】
音声による注意事項に従って被験者が適宜な操作を行うと、その後の処理は、サーバ機器SVで動作する設問生成プログラムPresent.cgiが担当する。設問生成プログラムPresent.cgiでは、140問の設問を適宜に並べ替えた後、図15のような設問画面Question.htmlを生成してユーザパソコンに送信する(ST15)。そこで、設問画面Question.htmlを見た被験者は、音声誘導データの指示に従い所定のタイミングで1問毎に回答していく。このように、この実施例では、音声誘導データの指示に従って常に同じタイミングでテストを進行させるので、テスト結果の信頼性が高い。
【0033】
図15に示すように、一つの画面には14の設問が用意されている。なお、設問文を記載したHTMLファイルは、図12(b)のように構成されている。そして、設問内容は、音声誘導データによって読み上げられるので、被験者はそれに応じて「はい」、「?」、「いいえ」の何れかをチェックすることになる。この適正テストでは、一旦チェックした内容を修正したい場合には、訂正欄を使用するようにしており、最初の回答内容と二度目の回答内容とを区別できるようにしている。これは、読み上げられた設問文に即応した回答の方が、より信憑性が高いとの経験則によるものである。
【0034】
14問の設問に対する回答をチェックし終えたら、[次ページ]のボタンをクリックすることになるが、これに合わせて、回答データは、被験者クッキーと共に記憶プログラムSave.cgiに渡されるようになっている。なお、被験者クッキーは、練習問題画面Study.htmlと共にユーザパソコンPCに送信されたものである。回答データと被験者クッキーとを受けた記憶プログラムSave.cgiは、図14(b)に示す被験者管理テーブルTBL10に基づいて被験者を特定し、被験者ごとに図14(b)のような回答テーブルTBL11を構築する。
【0035】
以上のように、この実施例では、14問の設問に回答し終わる毎に、記憶プログラムSave.cgiに回答結果を渡し、回答テーブルTBL11を完成している。そして、140問の設問に対する回答が出揃えば、被験者毎の採点結果テーブルTBL2が完成することになり、記憶プログラムSave.cgiは、テスト終了画面をユーザパソコンPCjに送信して処理を終える(ST17)。また、これに先立って被験者管理テーブルTBL10の終了フラグ欄をYにしておく。終了フラグ欄がYであることは、当該被験者用の回答テーブルTBL11が存在することを意味する。以上のようにして適正判定テストが終了すると、通常の場合には、被験者は次の面接に向けて別室で待機することになる。
【0036】
一方、適正判定テストが終われば、契約企業の担当者は、直ちに、判定結果を見る処理を開始することになる。すなわち、適宜な操作によって、管理者ログイン画面(ST20)をユーザパソコンPCiに受けて、改めてユーザIDとパスワードを入力する(ST21)。入力されたログインデータは、判定開始プログラムBegin.cgiに渡されるようになっており、判定開始プログラムは、ログインデータの正当性を確認した後、契約企業向けのユーザ第2クッキーを生成する。そして、図16のような検索画面の送信と共に、ユーザ第2クッキーをユーザパソコンPCiに送信する(ST22)。このユーザ第2クッキーは、判定プログラムJudge.cgiに送信されるよう設定されている。
【0037】
図16に例示するように、検索画面では、本システムを利用した過去の判定結果も見えるようになっているが、適正判定テストのテスト日を指定して(ここでは当日を指定する)、[検索]ボタンを押すと、ユーザ第2クッキーも含めて判定プログラムJudge.cgiに渡されるようになっている。そこで、判定プログラムJudge.cgiは、ユーザ第2クッキーに基づいて契約企業を特定し、図14(a)に示す被験者管理テーブルTBL10から当日の被験者であって、終了フラグがYの被験者を抽出して、図17のような画面をユーザパソコンPCiに送信する。
【0038】
図17の画面において、契約企業の担当者が[判定]のボタンを押すと、被験者と特定した状態でその旨のデータ(選択データ)が、ユーザ第2クッキーと共に判定プログラムJudge.cgiに渡される。図18は、その後の処理を示すフローチャートである。先ず、ユーザ第2クッキーに基づいて契約企業に対する課金処理を行うが、その後、回答テーブルTBL11(図14(b))に記載されている回答結果について、採点参照テーブルTBL1(図3(a))に基づいて素点を算出する(ST30)。また、140の設問中で「?」の中間回答の個数をカウントし、当該被験者の優柔不断性などの判定要素とする。
【0039】
採点テーブルTBL1には、各問毎に配点(2点〜0点)が記載されているが、先に説明したように、この実施例では、修正後の回答を無視するべく配点を全てゼロにしている。これは、修正後の回答は、就職に際して少しでも自分を良く見せたいとの気持ちが働き、信憑性に欠けるとの経験則に基づくものであるが、ゼロ配点にすることに特に限定されるものではなく、最初の回答に対する配点と修正後の回答に対する配点とに適宜な差異を設けたのでも良い。また、修正回答の個数をカウントし、その数が所定値を越える場合には、その旨を判定結果に反映させるのが好ましい。
【0040】
ステップST30の処理によって140問の各問についての素点が算出されたら、次に、14種の性格要素毎に素点を集計する(ST32)。この実施例では、各性格要素Ai毎に10問の設問が使用され、各設問の回答に対して0〜2点が配点されている。従って、14種の性格要素Aiに対してそれぞれ20点満点の採点結果が得られることになる。ここでは、14の性格要素(A1,A2,・・・・,A14)に対して採点結果を(P1,P2,・・・・・・,P14)と表現する。
【0041】
次に、20点満点の採点結果(P1,P2,・・・・・・,P14)を100点満点の採点結果(T1,T2,・・・・・・,T14)に補正する(ST32)。先に説明したように、20点満点の採点結果を、単に5倍するのではなく、性別に応じた補正や、設問内容に応じた補正を行う。続いて、当該被験者が希望している職務や職位に応じて、抽出テーブルTBL5から判定項目を抽出し、各判定項目について獲得した点数を算出する(ST33)。
【0042】
そして、判定項目についての得点は、図19に示すようなレーザチャートに表示され合否が明示される。なお、図19は、各職務について抽出テーブルを2つ設け、職場での人間関係と仕事への取組み姿勢とを表示して例を示している。なお、図19には記載していないが、被験者の虚偽性に問題がある場合には、その点の報告も合わせて記載される。従って、被験者に対する、その後に面接ではこのレーザチャートを踏まえた質問ができるので、入社テストをより有効なものとすることができる。また、複数の受験者のレーザチャートを対比することによって、受験者どうしを比較して検討することもできる。(図20参照)。
【0043】
また、企業の求める職務や職制についての適合性に限られず、企業の求める特定の性格要素について別に提示される。例えば、強力なリーダシップを発揮する人材が存在する職場では、支配性が余り強くなく社交性に優れた人材を望む場合もあるが、そのような場合には、支配性の点数が高過ぎないで、且つ社交性に高得点を得たが否かが提示される。従って、本システムでは、働く人間同士の相性を考慮した合否決定が可能となり、組織としてまとまりのある職場を実現することができる。
【0044】
以上説明したように、本システムでは、設問の回答、採点、及び集計は全てコンピュータによって行われるので、人為的ミスもあり得ない。また、リアルタイムに集計結果を見ることができるので、その後の面接をより有効なものとすることができる。つまり、迅速に採否を決定することも可能であり、優秀な人材を確実に確保することができる。
【0045】
しかも、過去の経験や統計的データに基づいて生成されている抽出テーブルを用いるので、性格要素と職業適性とを正確に関連付けることができ、単なる性格の良否にとらわれることなく、職業適性を確実に知ることができる。
【0046】
以上、本発明について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、本実施例では被験者を特定するためにクッキーを利用したが、これに限定されるものではなく、URL のクエリ文字列にパラメータを追加したのでも良い。例えば、下記の通りである。
http://−−−−−−/−−−−−−/Hantei.cgi?name=sachiko yamada
【0047】
また、下記のように、フォームに「隠しフィールド」の値を追加したのでも良い。この場合、HTTP POST メソッドを使用して、ユーザから提供された情報と共に、ユーザの識別値を渡すことが可能となる。
<INPUT TYPE=”hidden” NAME=・・・・・>
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、単なる性格検査に止まらず、人間の性格と各職務との適合性についての統計的データを踏まえて、各人の希望する職務にどの程度適合しているかをリアルタイム且つ客観的に判断できるシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のシステムで使用する設問文である。
【図2】実施例のシステムで使用する設問文である。
【図3】採点参照テーブルと採点結果テーブルを例示したものである。
【図4】性格要素の集計テーブルを例示したものである。
【図5】補正曲線を例示した図面である。
【図6】抽出テーブルを例示したものである。
【図7】換算式を例示したものである。
【図8】本発明のシステムの構成を示す図である。
【図9】本システムの動作内容を説明するフローチャートである。
【図10】ログイン画面を例示したものである。
【図11】メイン画面を例示したものである。
【図12】レスポンスメッセージのヘッダ部と、設問文を記載したHTMLファイルを説明する図面である。
【図13】適正職務分析の開始画面を例示したものである。
【図14】被験者管理テーブルと、回答テーブルを例示したものである。
【図15】適正職務分析のための設問画面を例示したものである。
【図16】判定結果を検索する画面を例示したものである。
【図17】判定処理を指示する画面を例示したものである。
【図18】判定プログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図19】判定結果を示す画面を例示したものである。
【図20】判定結果を示す画面を例示したものである。
【符号の説明】
SV サーバ機器
PC クライアント機器(ユーザパソコン)
NET インターネット回線
Ai 性格要素
TBL5 抽出テーブル
ST15 第1手段
ST31,32 第2手段
ST34〜ST37 第3手段
Claims (6)
- 適性職務判定用の設問文をホームページ上に公開し、各設問の回答を集計して被験者の職務上の適性を判定するサーバ機器(SV)と、WWWブラウザが動作可能なクライアント機器(PC)と、前記両機器を接続するインターネット回線(NET)とで構成され、
複数の性格要素(A1〜A14)によって特定される被験者の性格と、前記性格要素と職業適性とを関連付ける統計的経験的なデータとによって、募集されている職務や職位に対して被験者がどの程度適合しているかを数値的に算出し、採用企業によるリアルタイム且つ客観的な判断を可能にしたシステムであって、
前記性格要素を計測するための複数個の設問文について、その採点に使用される採点参照テーブル(TBL1)と、採点された結果を、各被験者について前記性格要素毎にまとめる性格要素集計テーブル(TBL3)と、採用企業側が求める職務や職位に対して評価対象となる前記性格要素を特定した抽出テーブル(TBL5)とが、前記サーバ機器(SV)に参照されるよう構成されており、
前記設問文に対する回答動作の進行を誘導する音声誘導データを、前記サーバ機器(SV)が予め前記クライアント機器(PC)にダウンロードさせる処理(ST4)と、
前記性格要素別に設けられた複数個の設問文の出現順位を、配信毎にランダムに変更すると共に、特定の前記性格要素に関する設問文を更に極端化した虚偽性の設問を付加し、更に各設問文について、最初の回答内容と二度目の回答内容と区別できるよう訂正欄を設けて、前記サーバ機器(SV)から前記クライアント機器(PC)に設問文を送信する処理(ST15)と、
前記クライアント機器で実行される前記音声誘導データの指示に従った、前記設問文に対する回答処理により前記クライアント機器(PC)から返送された回答データを前記サーバ機器(SV)が記憶する処理(ST16)と、
前記採点参照テーブル(TBL1)に基づいて、前記回答データを採点して、前記性格要素毎に前記性格要素集計テーブル(TBL3)に集計する前記サーバ機器の処理(ST31)と、
前記集計の結果について必要な補正処理を行った後(ST32)、前記抽出テーブル(TBL5)を参照して評価対象となる前記性格要素を特定すると共に、所定の換算形式に従って集計結果を演算して、採用企業が提示する職務や職位に対して、当該被験者が希望する職務や職位に対応する適正値を数値的に算出する前記サーバ機器の処理と(ST33)、
を備えていることを特徴とする判定システム。 - 本システム契約ユーザの入力するログインデータの正当性をチェックした後に当該ユーザ企業を特定するユーザ第1クッキーを返信する認証処理と、適正判定テストの被験者の入力した個人情報を記憶すると共に、当該被験者固有の被験者クッキーを生成するテスト開始処理と、クライアント機器からの指示を受け設問文を適宜に並べ替えて配信する設問処理と、クライアント機器から送信された回答データを記憶する記憶処理と、本システム契約ユーザの入力するログインデータの正当性をチェックすると共に当該ユーザ企業を特定するユーザ第2クッキーを生成する判定開始処理と、本システム契約ユーザからの指示に基づき判定処理などを行う本体処理とを備えている請求項1に記載の判定システム。
- 前記訂正欄に関し、最初の回答と修正後の回答に対する配点に差異を設けて修正後の回答を低く評価するか、或いは、修正回答の個数をカウントし、その数が所定値を越える場合には、その旨を判定結果に反映させるようにしている請求項1又は2に記載の判定システム。
- 前記補正処理は、回答データを採点した後、被験者の性別又は設問文の設問内容に基づいて補正を施していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の判定システム。
- 前記抽出テーブルは、設問文に対する回答から読み取れる性格要素と、各職務において要求される性格特性とを、関連付けて構成されている請求項1〜4の何れかに記載の判定システム。
- 請求項1〜5の何れかの判定システムで使用されるサーバ機器。
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