JP3572110B2 - セラミック熱交換器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック蓄熱材を備えたエアヒータ等のセラミック熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材(以下セラミック蓄熱材という)を図2及び図3に示す。このセラミック蓄熱材9は、図3に示すように仕切壁10によって正方形の横断面をもつ複数の流体(空気)通路11が軸方向に形成されたハニカム状の矩形断面の角柱体をなしている。
【0003】
図4は前記セラミック蓄熱材9を用いたセラミック製エアヒータの主要部であるロータの斜視図である。ロータ1はその中心に回転軸2を有し、円筒状の外殻4の中には、複数の流体通路11をもつ前記セラミック蓄熱材9の複数個を詰めたバスケット3の複数個が放射状に収容されている。図4(a)中Aで示す部分は、図4(b)に示すバスケット3が装着される部分を示す。前記ロータ1は、ロータ1まわりの対向する直径上に配置されロータ1の外殻4に接する2個のロータ側面シール6,6及び同ロータ側面シール6,6を結ぶ直径上に延在するロータ上面シール5と図示を省略したロータ下面シールによってほぼ等分された2部分に区画されており、図4(a)中に白抜き矢印に示すように、一方の部分には燃焼排ガス7が、他方の部分には燃焼用空気8が互いに逆方向に流れるようになっている。
【0004】
前記ロータ1は、回転軸1まわりにゆっくりと回転し、燃焼排ガス7の熱を燃焼用空気8へ伝える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のセラミック製エアヒータの性能を上げるためには、セラミック蓄熱材9の伝熱性能を上げる必要がある。
【0006】
ハニカムの等価直径deは、流体通過断面積をA1 とし流体通路断面のぬれぶち長さをA2 とすると、
de=4A1 /A2 (1)
で表わされる。ヌセルト数をNuとし、流体の熱伝達率をλとすると、熱伝達率hは、
h=Nu・λ/de (2)
で表わされる。ハニカムの流体通路内の流体の流れは、通常レイノルズ数Reが2000程度で層流であるためにNuはレイノルズ数に対して変化しない。よって、等価直径deが小さいほど熱伝達率hが大きくなる。
【0007】
図3に示される構造のハニカムでは、ハニカムの目開きをdとすると
A1 =d2 、A2 =4dであり、
de=4×d2 /4d=d
であるので、熱伝達率hはh=Nu・λ/dとなり、セラミック蓄熱体9の伝達性能を上げるためには、ハニカムの目開きdを小さくする必要がある。
【0008】
一方、ハニカムの目開きdと空隙率Porとの間には、仕切壁10の板厚をt(図3参照)とすると、
Por={d/(d+t)} 2 (3)
なる関係がある。
またハニカム蓄熱材に必要な強度をもたせるためのdとtとの関係は、
t≧0.12d (4)
となる。
前記式(3)、(4)よりtが最小の0.12dの場合でも、
となり、ハニカムの目開きdを小さくすると空隙率が低下して圧力損失が増大すという問題点が生ずる。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解決することができるセラミック熱交換器を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材を備えたセラミック熱交換器において、前記蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明では、セラミック製の蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵しているので、薄板を内蔵することによってもハニカムの流体通路の断面積は実質的に変わることがなく、従って、空隙率Porは薄板を内蔵したことによって実質的に低下することはない。一方、薄板の側面は流体通過断面のぬれぶちとなり、ハニカムのぬれぶち長さはその分だけ長くなり、前記式(1)で示される等価直径deが小さくなる。これによって、前記式(2)で示される熱伝達率hが大きくなる。
【0012】
従って、本発明によれば、ハニカムの空隙率を低下させず、従って、圧力損失を増大させることなく、ハニカムの熱伝達率を向上させることができる。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例を、図1によって説明する。本実施例は、図2ないし図4に示される従来のセラミック熱交換器のセラミック蓄熱材において、ハニカムの流体通路11の対角線上に流体通路11を横切るように同流体通路11の軸方向(図1の紙面に直角方向)へ延び十字状に配置された2枚の薄板13を挿入し、その両端を仕切壁10の隅部に取付けている。
【0014】
本実施例では、図1に示すように薄板13を挿入しているので、薄板13を内蔵しても流体通路11の断面積は実質的に変化せず、従って、ハニカムの空隙率は低下せず圧力損失が増加することはない。一方、流体通過断面積A1 とぬれぶち長さA2 は、
A1 =1/4・d2
A2 =d+√2d
となり、ハニカムの等価直径deは前記式(1)により
と減小し、図2ないし図4に示される従来のセラミック蓄熱材に比して前記式(2)で示される熱伝達率hが増加することになる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵しているので、圧力損失を増加させることなく熱伝達率を上げることができ、熱交換器をコンパクトにすると共にコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るセラミック蓄熱材の拡大図である。
【図2】従来のセラミック熱交換器のセラミック蓄熱材の斜視図である。
【図3】前記従来のセラミック蓄熱材の拡大図である。
【図4】従来のセラミック熱交換器を示し、図4(a)はその斜視図、図4(b)はバスケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 回転軸
3 バスケット
4 外殻
5 ロータ上面シール
6 ロータ側面シール
7 燃焼排ガス
8 燃焼用空気
9 蓄熱材
10 仕切壁
11 流体通路
13 薄板
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック蓄熱材を備えたエアヒータ等のセラミック熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材(以下セラミック蓄熱材という)を図2及び図3に示す。このセラミック蓄熱材9は、図3に示すように仕切壁10によって正方形の横断面をもつ複数の流体(空気)通路11が軸方向に形成されたハニカム状の矩形断面の角柱体をなしている。
【0003】
図4は前記セラミック蓄熱材9を用いたセラミック製エアヒータの主要部であるロータの斜視図である。ロータ1はその中心に回転軸2を有し、円筒状の外殻4の中には、複数の流体通路11をもつ前記セラミック蓄熱材9の複数個を詰めたバスケット3の複数個が放射状に収容されている。図4(a)中Aで示す部分は、図4(b)に示すバスケット3が装着される部分を示す。前記ロータ1は、ロータ1まわりの対向する直径上に配置されロータ1の外殻4に接する2個のロータ側面シール6,6及び同ロータ側面シール6,6を結ぶ直径上に延在するロータ上面シール5と図示を省略したロータ下面シールによってほぼ等分された2部分に区画されており、図4(a)中に白抜き矢印に示すように、一方の部分には燃焼排ガス7が、他方の部分には燃焼用空気8が互いに逆方向に流れるようになっている。
【0004】
前記ロータ1は、回転軸1まわりにゆっくりと回転し、燃焼排ガス7の熱を燃焼用空気8へ伝える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のセラミック製エアヒータの性能を上げるためには、セラミック蓄熱材9の伝熱性能を上げる必要がある。
【0006】
ハニカムの等価直径deは、流体通過断面積をA1 とし流体通路断面のぬれぶち長さをA2 とすると、
de=4A1 /A2 (1)
で表わされる。ヌセルト数をNuとし、流体の熱伝達率をλとすると、熱伝達率hは、
h=Nu・λ/de (2)
で表わされる。ハニカムの流体通路内の流体の流れは、通常レイノルズ数Reが2000程度で層流であるためにNuはレイノルズ数に対して変化しない。よって、等価直径deが小さいほど熱伝達率hが大きくなる。
【0007】
図3に示される構造のハニカムでは、ハニカムの目開きをdとすると
A1 =d2 、A2 =4dであり、
de=4×d2 /4d=d
であるので、熱伝達率hはh=Nu・λ/dとなり、セラミック蓄熱体9の伝達性能を上げるためには、ハニカムの目開きdを小さくする必要がある。
【0008】
一方、ハニカムの目開きdと空隙率Porとの間には、仕切壁10の板厚をt(図3参照)とすると、
Por={d/(d+t)} 2 (3)
なる関係がある。
またハニカム蓄熱材に必要な強度をもたせるためのdとtとの関係は、
t≧0.12d (4)
となる。
前記式(3)、(4)よりtが最小の0.12dの場合でも、
となり、ハニカムの目開きdを小さくすると空隙率が低下して圧力損失が増大すという問題点が生ずる。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解決することができるセラミック熱交換器を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材を備えたセラミック熱交換器において、前記蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明では、セラミック製の蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵しているので、薄板を内蔵することによってもハニカムの流体通路の断面積は実質的に変わることがなく、従って、空隙率Porは薄板を内蔵したことによって実質的に低下することはない。一方、薄板の側面は流体通過断面のぬれぶちとなり、ハニカムのぬれぶち長さはその分だけ長くなり、前記式(1)で示される等価直径deが小さくなる。これによって、前記式(2)で示される熱伝達率hが大きくなる。
【0012】
従って、本発明によれば、ハニカムの空隙率を低下させず、従って、圧力損失を増大させることなく、ハニカムの熱伝達率を向上させることができる。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例を、図1によって説明する。本実施例は、図2ないし図4に示される従来のセラミック熱交換器のセラミック蓄熱材において、ハニカムの流体通路11の対角線上に流体通路11を横切るように同流体通路11の軸方向(図1の紙面に直角方向)へ延び十字状に配置された2枚の薄板13を挿入し、その両端を仕切壁10の隅部に取付けている。
【0014】
本実施例では、図1に示すように薄板13を挿入しているので、薄板13を内蔵しても流体通路11の断面積は実質的に変化せず、従って、ハニカムの空隙率は低下せず圧力損失が増加することはない。一方、流体通過断面積A1 とぬれぶち長さA2 は、
A1 =1/4・d2
A2 =d+√2d
となり、ハニカムの等価直径deは前記式(1)により
と減小し、図2ないし図4に示される従来のセラミック蓄熱材に比して前記式(2)で示される熱伝達率hが増加することになる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵しているので、圧力損失を増加させることなく熱伝達率を上げることができ、熱交換器をコンパクトにすると共にコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るセラミック蓄熱材の拡大図である。
【図2】従来のセラミック熱交換器のセラミック蓄熱材の斜視図である。
【図3】前記従来のセラミック蓄熱材の拡大図である。
【図4】従来のセラミック熱交換器を示し、図4(a)はその斜視図、図4(b)はバスケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 回転軸
3 バスケット
4 外殻
5 ロータ上面シール
6 ロータ側面シール
7 燃焼排ガス
8 燃焼用空気
9 蓄熱材
10 仕切壁
11 流体通路
13 薄板
Claims (1)
- 複数の流体通路をもつハニカム状のセラミック製の蓄熱材を備えたセラミック熱交換器において、前記蓄熱材の流体通路内に同流体通路を横切るように、十字状に配置されハニカムの目開きの0.12倍以上の厚さのハニカム仕切壁より薄い2枚の薄板を内蔵したことを特徴とするセラミック熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01159295A JP3572110B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | セラミック熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01159295A JP3572110B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | セラミック熱交換器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08200971A JPH08200971A (ja) | 1996-08-09 |
JP3572110B2 true JP3572110B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=11782183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01159295A Expired - Fee Related JP3572110B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | セラミック熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3572110B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102652249A (zh) * | 2009-12-11 | 2012-08-29 | 日本碍子株式会社 | 热交换器 |
-
1995
- 1995-01-27 JP JP01159295A patent/JP3572110B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102652249A (zh) * | 2009-12-11 | 2012-08-29 | 日本碍子株式会社 | 热交换器 |
US9534856B2 (en) | 2009-12-11 | 2017-01-03 | Ngk Insulators, Ltd. | Heat exchanger |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08200971A (ja) | 1996-08-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020521 |
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A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
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