JP3570969B2 - トラヒック収集システム及びそれに用いるトラヒック収集方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトラヒック収集システム及びそれに用いるトラヒック収集方法に関し、特にATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)スイッチシステムにおけるトラヒック収集方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ATM通信網においては、音声や画像、及びデータ等の通信すべき情報を固定長のセルに組立て、各セル毎に伝送することを特徴としている。上記のATM通信網ではこのセルを使用して通信することによって、情報源に応じて伝送する情報量を可変とする可変ビットレート通信が可能となり、情報量に応じた課金を行ったり、統計多重効果によって中継線の使用効率を向上させたりすることができる。
【0003】
このATM通信網の長所を生かすためには、時々刻々、動的に変化するトラヒック量を的確に把握し、適応的トラヒック制御を実施する必要がある。よって、ATM通信網では柔軟なトラヒック適応制御や通信網の資源の有効活用を図るために、セル単位でのトラヒックに関する統計情報の収集が必須機能となる。
【0004】
そのため、ATM通信網ではシステム内の通過セル数や廃棄セル数等のトラヒック情報をセル単位にかつリアルタイムに計測し、これらの実測値をトラヒック制御に反映させることで、適応的なトラヒック制御を実現している。
【0005】
特開平06−350633号公報には、上記のリアルタイムな計測を実現するために、単位時間当りの到着セルを交互に計測するための第1及び第2のメモリと、それぞれのメモリに対応する第1及び第2の半加算器と、確立度数分布または確立補分布が作成される第3のメモリとを設ける技術が開示されている。
【0006】
上記公報に記載の技術では、第1及び第2のメモリのうちの計測終了または計測停止中のメモリの内容を外部に読出したり、計測終了または計測停止中以外のメモリを使用して計測を続行したりすることが可能となるので、リアルタイムな計測が実現される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のATM通信網では、トラヒック情報がセル数で表されるが、測定対象となるセルを複数の場所でカウントした場合、それぞれのカウンタの読出しを同時に行うことができない。
【0008】
また、セルは常にシステムに流入しているため、カウンタの値も常に変化している。そのため、ある時刻から一定期間、通過するセル数をカウントしようとした時に、セルが同じルートを通過しているにも関わらず、それぞれのカウンタの合計値が測定対象のセルの合計と合わないことがある。場合によってはシステム内に入ってきたセル数よりも、出ていくセル数の方が多くなる場合もある。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、トラヒック測定箇所が複数あった場合でも測定対象を明確にすることができ、カウンタ間の矛盾をなくすことができるトラヒック収集システム及びそれに用いるトラヒック収集方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトラヒック収集システムは、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機においてトラヒックを計測する際に通過及び廃棄セルをカウントするトラヒック収集システムであって、前記通過及び廃棄セルをカウントしかつそのカウント面を2面持つ複数のカウンタと、流入セルに前記カウンタの面情報を付与して前記通過及び廃棄セルをカウントする際に当該セルに付与されたカウンタの面情報にしたがってカウントする面を決定する手段とを備えている。
【0014】
本発明によるトラヒック収集方法は、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機においてトラヒックを計測する際に通過及び廃棄セルをカウントするトラヒック収集方法であって、前記通過及び廃棄セルをカウントしかつそのカウント面を2面持つ複数のカウンタにおいて、流入セルに前記カウンタの面情報を付与して前記通過及び廃棄セルをカウントする際に当該セルに付与されたカウンタの面情報にしたがってカウントする面を決定するステップを備えている。
【0016】
すなわち、本発明のトラヒック収集システムは、ATM交換機においてトラヒックを計測する際に通過及び廃棄セルをカウントするものであり、それらのカウンタとしては通過や廃棄毎に、または複数の箇所で廃棄される場合にそれぞれの箇所にカウンタを持つことなる。
【0017】
本発明のトラヒック収集システムでは、上記の通過や廃棄、及び各箇所に設けるカウンタ毎に記録面を2面持ち、流入セルにカウンタの面情報を付与し、通過または廃棄セルをカウントする際に、セルに付与されたカウンタの面情報にしたがってカウントする面を決定している。
【0018】
また、本発明のトラヒック収集システムでは、トラヒックデータとしてカウンタを読出す際に、流入セルに付与されたカウント面情報を切替えた後に読出すようにしている。
【0019】
セルが常に流入する場合にはATM交換機内に持つ複数のカウンタを読出すと、通過や廃棄のセル数の合計が流入セル数と一致しなくなる。これはカウンタが常に変化しているために読出すタイミングが計れないためであるが、上記のような構成とすることで、各カウンタを読出すタイミングを計ることなく、廃棄や通過のセルの合計を流入セルと一致させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によるトラヒック収集システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例によるトラヒック収集システムはATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機に適用したものである。
【0021】
ATM交換機1はセルルーティング部11と、ATMスイッチ12と、バッファ部13と、カウンタ14,15と、トラヒックデータ収集部16とから構成されている。
【0022】
セルルーティング部11は流入セルのヘッダにカウンタの面情報を設定し、流入セルが無効ならばセルを破棄し、カウンタ14に廃棄セル数を設定する。ATMスイッチ12はセルを出力側へスイッチングする。
【0023】
バッファ部13はセル送出を制御し、カウンタ15に通過セル数を設定する。トラヒックデータ収集部16はカウンタ14から廃棄セル数を、カウンタ15から通過セル数をそれぞれトラヒックデータとして読出す。
【0024】
カウンタ14,15はそれぞれセルルーティング部11で設定されるセルのヘッダの面情報によって指定されるカウンタA面とカウンタB面との2面で構成されている。
【0025】
図2は本発明の一実施例によるATM交換機1の動作を示すフローチャートである。これら図1及び図2を参照して本発明の一実施例によるATM交換機1の動作について説明する。
【0026】
カウンタ14は廃棄セル数を、カウンタ15は通過セル数をそれぞれ保持するメモリを具備しており、それぞれのカウンタはカウンタA面とカウンタB面との2面で構成されている。
【0027】
トラヒックデータ収集部16からセルルーティング部11に対して、カウンタA面あるいはカウンタB面のどちらの面でセル数をカウントするかを予め設定する(図2ステップS1)。本実施例では最初にカウンタA面でカウントするよう設定しているものとする。
【0028】
ATM交換機1内に流入したセルを、セルルーティング部11においてセル内のVPI(Virtual Path Identifier),VCI(Virtual Channel Identifier)等を基に有効か無効かを判断し(図2ステップS2)、無効であればカウンタ14のカウンタA面のカウント値を更新する(図2ステップS3)。
【0029】
有効なセルはATMスイッチ12でスイッチングされ、バッファ部13に送られる(図2ステップS4)。バッファ部13ではセルのヘッダの面情報を基に、カウンタ15のカウンタA面のカウント値を更新する(図2ステップS5)。
【0030】
トラヒックデータ収集部16はあるトラヒック収集タイミングでセルルーティング部11の面情報をカウンタB面に設定する(図2ステップS6)。以降、セルルーティング部11の面情報を切替えるまで、カウンタ14,15のカウンタB面のカウント値が更新される。
【0031】
面切替え後、カウンタA面でカウントするセルがバッファ部13を通過するために要する時間をおいた後(図2ステップS7)、トラヒックデータ収集部16は更新中ではないカウンタ14,15のカウンタA面のカウント値を読出す(図2ステップS8)。
【0032】
カウンタを1面しか持っていない場合には、更新中のカウンタの値を読出すため、トラヒック測定個所が複数あった場合、カウンタの値を読出すタイミングによって誤差が生じてしまう。タイミングによっては入り側の通過セルカウンタの値よりも、出側の通過セルカウンタの値の方が多くなるような矛盾が発生することがある。
【0033】
本実施例ではトラヒック測定箇所が複数あった場合でも、セル数をカウントする面とセル数を読出す面とが異なり、カウントする面をシステムの入口で指定しているため、測定対象となるセルが明確になり、カウンタ間の矛盾がなくなるという効果がある。
【0034】
尚、本発明の一実施例ではATM交換機1のATMスイッチ12においてトラヒック収集を行う例について述べたが、一般的なトラヒック収集にも本発明を適用することは可能である。
【0035】
図3は本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムの構成を示すブロック図である。図3において、本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムは人あるいは車両のトラヒック測定に適用したものである。
【0036】
本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムは測定装置21,22と、カウンタ23,24と、トラヒックデータ収集部25とから構成され、カウンタ23,24は人あるいは車両の通路D上での矢印C方向への通過数をそれぞれ保持するメモリを具備しており、それぞれのカウンタはカウンタA面とカウンタB面との2面で構成されている。
【0037】
測定装置21,22はそれぞれ人あるいは車両の通路D上での矢印C方向への通過を赤外線や超音波等を用いて測定し、カウンタ23,24にそれぞれ人あるいは車両の通路D上での矢印C方向への通過数を測定する。トラヒックデータ収集部25はカウンタ23,24からそれぞれ通過数をトラヒックデータとして読出す。
【0038】
例えば、人あるいは車両の通路D上での矢印C方向へのトラヒック測定において複数の測定点がある場合、最初の測定点より前の時点で測定対象となる人あるいは車両に、測定装置21,22でトラヒックを測定するためのカウンタを識別する識別子を付与する。カウンタ23,24のカウンタA面とカウンタB面とのうちのどちらでカウントするかは人あるいは車両に付与された識別子で識別する。
【0039】
トラヒックデータ収集部25はトラヒックを集計する時に識別子を変更し、カウンタ23,24の値を読出す。この場合には付与した識別子を有する人あるいは車両が全ての測定点を通過するために必要な時間をおいてカウンタ23,24の値を読出すことになる。
【0040】
この方法によって、ある区間で複数の測定点のトラヒックを測定する場合でも、測定点間にいる人あるいは車両も含めて全ての測定対象をカウントすることができる。
【0041】
図4は本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムの動作を示すフローチャートである。これら図3及び図4を参照して本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムの動作について説明する。
【0042】
トラヒックデータ収集部25からトラヒック収集領域2内の測定装置21,22に対して、カウンタA面あるいはカウンタB面のどちらの面でセル数をカウントするかを予め設定する(図4ステップS11)。本実施例では最初にカウンタA面でカウントするよう設定しているものとする。
【0043】
トラヒック収集領域2内の測定装置21において人あるいは車両の測定対象の通過を検出した時(図4ステップS12)、測定点が最終位置でなければ(図4ステップS13)、カウンタ23のカウンタA面のカウント値を更新する(図4ステップS14)。
【0044】
測定装置22において人あるいは車両の測定対象の通路D上での矢印C方向への通過を検出した時(図4ステップS12)、測定点が最終位置であるので(図4ステップS13)、カウンタ24のカウンタA面のカウント値を更新する(図4ステップS15)。
【0045】
トラヒックデータ収集部25はあるトラヒック収集タイミングで識別子をカウンタB面に設定する(図4ステップS16)。以降、測定装置21,22の識別子を切替えるまで、カウンタ23,24のカウンタB面のカウント値が更新される。
【0046】
面切替え後、カウンタA面でカウントする測定対象である人あるいは車両が測定装置22を通過するために要する時間をおいた後(図4ステップS17)、トラヒックデータ収集部25は更新中ではないカウンタ23,24のカウンタA面のカウント値を読出す(図4ステップS18)。
【0047】
これによって、本発明の他の実施例では、上述した本発明の一実施例と同様に、トラヒック測定箇所が複数あった場合でも、測定対象の通過数をカウントする面と測定対象の通過数を読出す面とが異なり、カウントする面をシステムの入口で指定しているため、測定対象が明確になり、カウンタ間の矛盾がなくなるという効果がある。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の測定点でそれぞれトラヒックをカウントしかつそのカウント面を2面持つ複数のカウンタのカウント面の面情報をシステムの入り口で設定することによって、トラヒック測定箇所が複数あった場合でも測定対象を明確にすることができ、カウンタ間の矛盾をなくすことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるトラヒック収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるATM交換機1の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の他の実施例によるトラヒック収集システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ATM交換機
2 トラヒック収集領域
11 セルルーティング部
12 ATMスイッチ
13 バッファ部
14,15,
23,24 カウンタ
16,25 トラヒックデータ収集部
21,22 測定装置
Claims (4)
- ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機においてトラヒックを計測する際に通過及び廃棄セルをカウントするトラヒック収集システムであって、前記通過及び廃棄セルをカウントしかつそのカウント面を2面持つ複数のカウンタと、流入セルに前記カウンタの面情報を付与して前記通過及び廃棄セルをカウントする際に当該セルに付与されたカウンタの面情報にしたがってカウントする面を決定する手段とを有することを特徴とするトラヒック収集システム。
- 前記複数のカウンタからトラヒックデータを読出す際に、前記流入セルに付与する面情報を切替えた後に読出すようにしたことを特徴とする請求項1記載のトラヒック収集システム。
- ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機においてトラヒックを計測する際に通過及び廃棄セルをカウントするトラヒック収集方法であって、前記通過及び廃棄セルをカウントしかつそのカウント面を2面持つ複数のカウンタにおいて、流入セルに前記カウンタの面情報を付与して前記通過及び廃棄セルをカウントする際に当該セルに付与されたカウンタの面情報にしたがってカウントする面を決定するステップを有することを特徴とするトラヒック収集方法。
- 前記複数のカウンタからトラヒックデータを読出す際に、前記流入セルに付与する面情報を切替えた後に読出すようにしたことを特徴とする請求項3記載のトラヒック収集方法。
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