JP3570709B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の伝送媒体と該下位通信ソフトウェアと、上位の通信ミドルウェアとアプリケーションソフトウェアとからなるプロトコル処理手段を備えて相互に通信する通信装置において、伝送媒体のプロトコルの違いを意識することなく、その上位層でデータの送受信を行なうことのできる通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットを中心とした家庭外との繋がりを有するネットワークの急速な普及に伴い、家庭内や中小のビルディングの設備機器を中心とした情報化システムであるホームネットワークの提案の動きが活発化している。これらには省エネ、電力量負荷制限、在宅看護、セキュリティ監視システムなどのサービスを備えたものがあり、各種のサービスには緊急性の高い環境問題や高齢化社会などに向けて社会的期待も高まっている。
【0003】
このようなネットワークを利用したホームネットワークを構築する上で、配線などの工事が簡便に行えることや工事費を低く抑えられること、既存の通信規格に基づいた通信設備などの資産が活かせること、マルチベンダー対応であること、通信プロトコルとして扱いやすいこと、機器やサービスアプリケーションなどの開発が容易であること、そして安全であること、汎用性に優れていること、国際標準であること、セキュリティに優れていることなどといったさまざまな要望があり、このようなニーズを調和して実現していくことが重要とされている。
【0004】
既存の通信プロトコルとしては、HBS(Home Bus System)やLonTalk、IrDA Control、IrDA Dataなどがある。
【0005】
このような背景から、既存のプロトコルを生かしつつより手軽で便利な伝送方法も取り入れることができ、ツウィストペヤ線や同軸ケーブル、小電力無線、赤外線などの伝送媒体を利用することが可能な、さまざまなシステムや伝送媒体の呼びかけにこだまする通信システムがECHONET(Energy Conservation & Homecare Network)として提案されている。
【0006】
ここでは、電灯線搬送通信などの新たな配線設備を必要としない伝送方法も提案されており、このような複数の伝送媒体から各家庭やビルディングの状況に応じて最適なものを選択できることは、既存プロトコルの導入状況や、利用目的、家屋の新築、途中工事などのさまざまなケースを想定すると、ECHONETの活用をするうえで有用である。
【0007】
しかし、さまざまな既存の通信プロトコルを選択できることによる利点は大きいものの解決すべきこともあり、既存の通信プロトコル間で異なるデータのフォーマットや通信方式やアドレス体系を変換する工夫がなされている。
【0008】
上位のアプリケーションからは、下位の伝送媒体にどんなプロトコルや物理アドレス体系が使われていても一元的に運用できるシステムが望まれており、その例として、OSI参照モデルに準ずる階層化構造の通信システムがある。
【0009】
図6はOSI参照モデルと対比した通信システムの説明図であり、通信レイヤでいう1、2層の物理層とデータリンク層には伝送媒体A、媒体B、媒体Cとそれぞれの通信ソフト3,4,5とがある。その上位にある差異吸収処理部6は伝送媒体毎に異なる差異を吸収する機能を有しており、通信装置の物理アドレスをその上位3−7層に相当する通信ミドルウェアで一意に扱うことのできる論理アドレスに変換するアドレス変換部61と、上位プロトコルの電文と下位通信プロトコルの電文フレームを変換するための、上位層から下位層へは電文の分割と送信を行なう電文分割・送信部63と、下位層から上位層へは電文の受信と組み立てを行なう電文受信・組立部62と、上位層と下位層へのインターフェース処理を行なうIF処理部64とからなる。そして、通信処理部7はルーティング処理、送信電文作成、基本API(Application Program Interface)処理などを行い、アプリケーションレイヤ8とつなぐ。
【0010】
ここで、図7にアドレス変換部61における物理アドレスと論理アドレスの変換の例を示す。
【0011】
簡単な例として、物理アドレス611と論理アドレス612のビット長が異なるようなときには、5ビットの物理アドレス611にダミー符号ビットb7b6b5を付与するなどして論理アドレス612に変換する。
【0012】
伝送媒体について着目すると、伝送媒体は有線式と無線式に大きく分けられ、有線式には電灯線、電話線、ツイストペア線や同軸ケーブルなどがあり、無線式には特定小電力無線や赤外線などがある。
【0013】
このような伝送媒体を適宜使用すればよいが、とりわけ情報の漏洩というセキュリティ上の問題が顕在化し始めている。特定小電力無線などでは電波が屋外に漏れてしまうことは回避し難いことであり、電灯線においても屋外にサービスコンセントを設けている住宅やビルディングが多く、同様の問題が起きうる。
【0014】
これに対し、赤外線を利用した通信は壁などの遮蔽物を透過、漏洩することもなく、セキュリティ上安心できる通信形態といえる。
【0015】
赤外線を利用した通信プロトコルには、リモコンに用いられる方式やIrDA
Controlなどがある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、IrDA ControlをECHONETなどに収容すると、この物理アドレスと論理アドレスの一意な変換に不都合が生じたので、それを図に基づいて述べる。
【0017】
これから述べるホスト機器はこれまでに述べた主通信装置に相当し、ペリフェラル機器はそれと相互に通信する副通信装置に相当する。
【0018】
図8は、IrDA Controlのネットワーク形状を示すものであり、1台のホスト機器1aと、複数台の図8では8台のペリフェラル機器1bとが1:多の通信形態を構成している。
【0019】
そして、図9はIrDA Controlにおける通信ソフトウェアの状態図を示しており、ホスト機器1aとペリフェラル機器1b間の状態は、初期化前状態S1と待機状態S4と通信状態S6に分けることができる。
【0020】
はじめに、初期化状態S1から待機状態S4への遷移過程では、エナムレーションと呼ばれる、ペリフェラル機器1bの工場出荷時などに付される製造番号などからなる32ビット長の機器を識別するための機器IDやホスト機器1aの物理アドレスなど、互いの機器情報が書き込まれたROM情報の読込みS2とそれらの情報交換S3が行われる。
【0021】
待機状態S4のとき、ホスト機器1aではペリフェラル機器1bの物理アドレスはまだ付与されていない。
【0022】
つぎに、待機状態S4から通信状態S6への状態遷移について述べると、通信すべきデータが生じたときに、ペリフェラル機器1bの要求で待機状態S4から通信状態S6へ移行する。このときバインドと呼ばれるリンクを張る手続きが行われ、ホスト機器1aは、バインドを行うペリフェラル機器1bに対して4ビットのPADDと呼ばれる物理アドレスを発行する。ホスト機器1aはポーリングにより、この物理アドレスPADDを指定してペリフェラル機器1bと通信を行う。
【0023】
一方、通信状態S6から待機状態S4への遷移は、一定期間例えば、ホスト機器の(図示しない)バインドタイマーであらかじめ設定される5秒または30秒間通信すべきデータが途絶えたとき、ホスト機器1aはIrDA Controlを解除し、先のPADDも破棄する。
【0024】
こうして、IrDA Controlでは、複数台存在するペリフェラル機器1bのうちバインド要求があった機器に対してのみ選択的にポーリングを行なって通信するようにしており、このときホスト機器1aが発行するPADDはバインドするたびに新たに発行されて、毎回同じPADDが付与されるとは限らない。
【0025】
このように、IrDA Controlを採用する特定のペリフェラル機器1bの物理アドレスが固定値を取らないシステムであるために、個々のペリフェラル機器1bに対応する一意の論理アドレスに変換する手法がなく、このことにより、IrDA Controlをこれまでのような通信システムにおいて活用することができなかった。
【0026】
そこで、本発明の目的は、IrDA Controlをこれまで述べてきたような通信システムに収容することを目的とするものであり、一意に定まらないIrDA Controlの物理アドレス体系を、ECHONETなどの通信システムにおいて一意の論理アドレスに変換する通信システムを提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明は伝送媒体と該下位通信ソフトウェアと、上位の通信ミドルウェアとアプリケーションソフトウェアとからなり、異なる通信方式とデータフォーマットとアドレス体系とを処理するプロトコル処理手段を備えて相互に通信する主通信装置と副通信装置とからなる通信システムにおいて、伝送媒体を介して接続される副通信装置の第1の物理アドレスが変動しても、下位通信ソフトウェアが仮想物理アドレスである固定のユニークな第2の物理アドレスに変換することにより副通信装置を特定することを特徴としている。
【0028】
そして、このユニークな第2の物理アドレスは、副通信装置のそれぞれに固有の機器IDにに基づいて前記第1の物理アドレスから変換されることを特徴とする。
【0029】
さらに、機器IDと変動する第1の物理アドレスとユニークな第2の物理アドレスは、下位通信ソフトウェアのアドレス管理テーブルで管理されて互いにリンクする。
【0030】
このアドレス管理テーブルは、副通信装置を登録する欄と、機器ID欄と、第1の物理アドレス欄と、第2の物理アドレス欄とからなり、複数の副通信装置と本発明の主通信装置の下位通信ソフトウェアは互いに機器IDの交換を行なって、副通信装置に対応する機器IDを機器ID欄に登録するとともに、それに対応するユニークな第2の物理アドレスを生成して第2の物理アドレス欄に順次登録する。
【0031】
つぎに、副通信装置のうちいずれかの特定の副通信装置が通信を開始したとき、同一の副通信装置であっても通信するたびに付されて異なる第1の物理アドレスを、その特定の副通信装置の機器IDに対応して特定される第1の物理アドレス欄に更新して登録することにより、その副通信装置の行なう通信に付される第1の物理アドレスが通信のたびに異なっても、その機器ID欄の対応する機器IDを参照してリンクする第2の物理アドレスを見れば、通信を行なう副通信装置自身をユニークに特定して識別することができる。
【0032】
このとき、副通信装置のそれぞれを区別する機器IDとして、その製造番号のすべてまたは、その一部を含むものを用いた。
【0033】
一方、副通信装置のそれぞれを区別する機器IDとして、主通信装置に設けた乱数発生器が発生する乱数を用いたものであり、また一方、副通信装置のそれぞれを区別する機器IDとして、いずれかの副通信装置に設けた乱数発生器が発生する乱数を用いている。
【0034】
そして、はじめに主通信装置と副通信装置との間で互いの機器IDを含む機器情報を交換するとき、主通信装置に設けた乱数発生器またはそれに副通信装置に設けた乱数発生器が、副通信装置が接続されるたびに新たな乱数を発生してその副通信装置の機器IDとするか、または、始めに主通信装置または副通信装置が一連の複数の乱数を発生して主通信装置自身または副通信装置のいずれかに記憶し、副通信装置が接続されるたびに該機器IDとして読み出して順次割り当てる。
【0035】
本発明の通信システムは、このようにして、下位通信ソフトウェアにプロトコルIrDA Controlを収容する。
【0036】
さらに、伝送媒体を赤外線に限ることなく、複数の伝送媒体とそれぞれの下位通信ソフトウェアと、通信ミドルウェアとアプリケーションソフトウェアとからなり、異なる通信方式とデータフォーマットとアドレス体系とを処理するプロトコル処理手段を備えて相互に通信する主通信装置と副通信装置とからなる通信システムにおいて、それぞれの伝送媒体を介して通信する副通信装置の用いる機器IDに主通信装置またはいずれかの副通信装置に設けた乱数発生器が発生する乱数を用いれば、それぞれの乱数は乱数の性質から互いに一致することなく、一意の機器IDに用いることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のOSI参照モデルの通信レイヤに対比した通信システムの階層図である。
【0038】
図1において、1、2層は物理層、データリンク層であり、赤外線を伝送媒体とするプロトコルIrDA Controlを含む通信ソフト2と、他の伝送媒体A、媒体B、媒体Cの通信ソフト3,4,5とが第2層を形成する。
【0039】
その上位レイヤは、3−7層に相当する差異吸収処理部6と通信処理部7とからなる。
【0040】
差異吸収処理部6は、下位伝送媒体のプロトコルの差異を吸収するためのものであり、アドレス変換部61、上下のレイヤとのIF処理部64、下位レイヤに対する電文受信・組立部62、そして、電文分割・送信部63とからなる。
【0041】
アドレス変換部61では、下位伝送媒体の物理アドレスとシステムの論理アドレスの変換を行い、電文分割・送信部63では、上位レイヤで作成した電文を伝送する媒体のプロトコルサイズに応じ分割して下位のレイヤに引き渡す処理を行ない、逆に、電文受信・組立部62では、下位伝送媒体が受信した電文を受け取って上位レイヤで扱う電文フォーマットに戻す処理を行う。
【0042】
上位レイヤの通信処理部7では、ルーティング処理、送信電文作成、基本API(Application Program Interface)処理などを行い、アプリケーションレイヤ8とつなぐ。
【0043】
本発明は、変動する物理アドレスをユニークに変換する変換部1を下位レイヤの通信ソフト2に設けたことを特徴とする。
【0044】
以下に、一連のアドレス変換の処理について述べる。
【0045】
まず、上位レイヤの差異吸収部6のアドレス変換部61におけるアドレスの変換処理について述べる。
【0046】
図2は、下位レイヤの通信プロトコルと上位レイヤのミドルウェアにおける電文フォーマットとその関係を示したものである。
【0047】
下位レイヤの通信プロトコルの電文フォーマット30は、電文のヘッダー301、ペリフェラル機器1bの物理アドレス302、ホスト機器1aの物理アドレス303、データ部いまは、上位レイヤの通信プロトコル収納部304、誤り訂正コードなどを含む電文のフッター305とから構成され、そして、上位レイヤのミドルウェアの電文フォーマット60は、送信先論理アドレス602、送信元論理アドレス603、データ収納部604とから構成される。このとき、これらの物理アドレス302、303と論理アドレス602,603は互いに一意に変換される。
【0048】
つぎに、本発明の、赤外線を伝送媒体とするプロトコルIrDA Controlを含む下位レイヤの通信ソフト2における変換部1のアドレス変換の方法を図に基づいて述べる。
【0049】
図3は、本発明のアドレス変換によるそれぞれのアドレスの関係を示す図であり、PADDと呼ばれる物理アドレス11と論理アドレス12との間に新たに仮想物理アドレス13を設けたことを特徴とする。
【0050】
4ビットのPADD、すなわち第1の物理アドレス11は、8ビットの仮想物理アドレス、すなわち第2の物理アドレス13に変換され、この第2の物理アドレス13はシステムの論理アドレス612として用いられる。図1で示した上位レイヤのアドレス変換部61での処理は、仮想物理アドレス13から論理アドレス612への変換を行うことになるが、ここでは特に両者ともビット長が8ビットであって1:1に対応しているので、第2の物理アドレス13はそのまま図7の論理アドレス612として扱われる。
【0051】
これまでに述べたように、他の伝送媒体のプロトコルと異なり、IrDA ControlではPADDと呼ばれる物理アドレス11は固定値を取り得ないアドレスである。このPADD11から仮想物理アドレス13へは、アドレス管理テーブルを用いて一意に変換するので、この変換方法について述べる。
【0052】
図4は、本発明のアドレス変換の実施に用いるアドレス管理テーブルである。
【0053】
この表は、それぞれのペリフェラル機器1bに固有の機器ID10と、バインドごとに変動するアドレスPADDすなわち第1の物理アドレス11と、仮想物理アドレスすなわち第2の物理アドレス13の三者を対応付けるものである。表の行数は、少なくとも接続されるペリフェラル機器1bの台数分を確保すればよい。
【0054】
P欄はホスト機器1aに接続されるペリフェラル機器1bのそれぞれを示しており、A欄の機器ID10は、例えば工場出荷時にROMに書きこまれた製造番号など、ペリフェラル機器1bに割り当てられた固有の機器情報を登録する。
【0055】
B欄には、IrDA ControlのPADDのようにバインドごとに変動する第1の物理アドレス11を登録し、C欄には、仮想物理アドレスである第2の物理アドレス13を登録する。
【0056】
そして、この機器ID10と変動するアドレスPADD、すなわち第1の物理アドレス11と、仮想物理アドレスすなわち第2の物理アドレス13との三者を図4のアドレス管理テーブルでリンクする方法について述べる。
【0057】
ペリフェラル機器1bがシステムに参入すると、すなわち、ペリフェラル機器1bがホスト機器1aに接続要求をすると、まずエナムレーションが行なわれる。
【0058】
エナムレーションにより、ペリフェラル機器1bが機器ID10をホスト機器1aに通知すると、ホスト機器1aは受信した機器ID10をアドレス管理テーブルのA欄にシステムへの参入ごとに順次追加して登録し、その同一の行のC欄に、あらかじめ決められた方法で、例えばシリアル番号に準じた8ビットの仮想物理アドレスすなわち第2の物理アドレス13を生成して登録する。この仮想物理アドレスはペリフェラル機器1bにも返信される。A欄とC欄の関係は不変となっている。
【0059】
ペリフェラル機器1bがホスト機器1aに通信しようとするとすなわちバインド開始をホスト機器1aに要求すると、まず、機器ID10をデータとして送信する。
【0060】
ホスト機器1aは受信した機器ID10により、どのペリフェラル機器1bかを特定して、その機器ID10に対応する行のB欄にPADDである第1の物理アドレス11を新たに登録する。これによりA欄とB欄がリンクされる。
【0061】
ペリフェラル機器1bからの通信が途絶えて5秒または30秒経過すると、ホスト機器1aのバインドタイマーの計時によりそのバインドが終了し、ホスト機器1aは先の第1の物理アドレス11を破棄してB欄の内容を消去又は無効とする。
【0062】
再びペリフェラル機器1bがホスト機器1aに通信しようとすると、同様に新たにバインドを開始するが、プロトコルIrDA Controlでは先と同一のペリフェラル機器1bからの通信要求であってもPADDは先のものとは異なるので、B欄の内容も先と異なる新たな第1の物理アドレス11が更新して登録される。
【0063】
しかし、A欄とB欄の関係は機器ID10によりリンクされており、また、A欄とC欄の関係はエナムレーションにより不変であるので、B欄とC欄は一意にリンクされる。
【0064】
従って、特定のペリフェラル機器1bが、通信ごとに異なり変動する物理アドレスを発行しても、下位通信ソフトウェアに設けた変換部1のアドレス管理テーブルに基づくアドレス変換処理によって生成された固定の仮想物理アドレスにより、上位レイヤは一意の論理アドレスとして扱うことができる。
【0065】
これまでは、赤外線を伝送媒体とするプロトコルIrDA Control
について述べてきたが、それに限らず下位の伝送媒体の物理アドレスが固定値を取らないようなときにも本発明を適用することができる。
【0066】
さらに、他の実施例として、エナムレーションのときアドレス管理テーブルのA欄に乱数を登録する方法について述べる。
【0067】
図5は本発明の他の実施例におけるアドレス変換処理の状態図を示している。
【0068】
これまでに述べたように、ホスト機器1aとペリフェラル機器1bの間の状態として、初期化前状態S1、待機状態S4、通信状態S6に分けることができる。
【0069】
初期化状態S1から待機状態S4への遷移過程では、これまでと同様にエナムレーションが行なわれるが、ペリフェラル機器1bがホスト機器1aに接続要求をすると、ホスト機器1aは、ホスト機器1aに設けた(図示しない)乱数発生器によって32ビットの乱数を発生し、図4のアドレス管理テーブルのA欄にこの乱数を登録するとともにペリフェラル機器1bに知らせる。
【0070】
そして、これまで述べたペリフェラル機器1bの機器ID10に代えてこの乱数を本発明のアドレス管理テーブルに用いる。32ビットの乱数は他の複数のペリフェラル機器1bが接続要求するたびに発生されるが、乱数の性質から互いに一致することはない。
【0071】
また、乱数発生器をペリフェラル機器1bに備えれば、ペリフェラル機器1bが通信要求を行なうとき、その乱数発生器が発生する乱数を機器ID10として用いて図4のアドレス管理テーブルのA欄に登録する。
【0072】
これらの乱数発生器の発生する乱数に関し、ホスト機器1aが最初のエナムレーションのときに一連の乱数を複数個発生して記憶しておき、システムに参入するペリフェラル機器1bに順次割り当ててもよいし、情報交換S3のときにペリフェラル機器1bで発生させた一連の複数の乱数をホスト機器1aに伝送して提供し、ホスト機器1aが他のペリフェラル機器1bの機器ID10にそれぞれ利用してもよい。
【0073】
さらに、乱数に関し、通信媒体が赤外線に限らず、他の通信媒体A、B、Cなどにおいてもそれぞれの通信媒体を介して通信する副通信装置の機器IDとして乱数を用いれば、乱数の性質から通信システムのすべての副通信装置を互いに一意に識別することができる。
【0074】
これまで述べた乱数発生器は、ソフトウェアで実現してもよいし、マイコンに内蔵されたハードウェアや、よく知られたデジタル回路で実現してもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明は上記のような構成であるから、伝送媒体を介して接続される副通信装置の第1の物理アドレスが通信のたびに異なるものであっても、その副通信装置が接続されたときにユニークな第2の物理アドレスが付されるので、副通信装置がユニークに特定される。
【0076】
また、通信を開始したときに付される第1の物理アドレスと接続されたときに生成される第2の物理アドレスを、機器IDに基づきリンクすることができる。
【0077】
そして、機器IDと通信を開始したときに付される第1の物理アドレスと接続されたときに生成される第2の物理アドレスをリンクするためのアドレス管理テーブルを設けたので、下位通信ソフトウェアでのアドレス管理の処理が容易となる。
【0078】
そしてまた、アドレス管理テーブルにおいて、いずれかの副通信装置が通信するたびに異なる第1の物理アドレスを、その副通信装置の機器IDを参照して対応する第1の物理アドレス欄に更新して登録するので、その副通信装置が接続されたときに第2の物理アドレス欄に生成されて登録された第2の物理アドレスとリンクすることができ、管理運用が容易になる。
【0079】
さらに、機器IDとして副通信装置の製造番号を利用するので、製造番号に含まれる製造年月や、製造者と製品に特有な符号などの各種の情報を通信システムに取り込むことができる。
【0080】
さらにまた、機器IDに主通信装置に設けた乱数発生器が発生する乱数を用いたときには、主通信装置側で機器IDが重複するかどうかなどの判定をすることなく簡単に機器IDを設定できる。
【0081】
しかも、機器IDにいずれかの副通信装置に設けた乱数発生器が発生する乱数を用いたときには、副通信装置側で機器IDが重複するかどうかなどの考慮や判定をすることなく簡単に機器IDを設定できる。
【0082】
そのうえ、副通信装置が接続されるたびに主通信装置または副通信装置に設けた乱数発生器の発生する乱数を機器IDとするか、または、始めに主通信装置または副通信装置が一連の複数の乱数を発生して主通信装置自身または副通信装置のいずれかに記憶し、接続のたびに読み出して機器IDとして副通信装置に割り当てるので、主通信装置側で機器IDが重複するかどうかなどの判定をすることなく簡単に機器IDを設定できるとともに、乱数発生器の起動を接続のたびに行なわなくてもよい。
【0083】
また、下位通信ソフトウェアにIrDA Controlを収容したので、赤外線を伝送媒体とする標準的な通信を利用できる。
【0084】
そして、第1の物理アドレスが通信のたびに異なるもののみならず、主通信装置に接続されるすべての副通信装置の機器IDに乱数を用いることにより、それらが互いに重複するかどうか判定する処理が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信システムのブロック図である。
【図2】本発明の下位レイヤとミドルウェアにおける電文フォーマットの説明図である。
【図3】本発明のアドレス変換によるそれぞれのアドレスとその関係を示す説明図である。
【図4】本発明のアドレス変換の実施に用いるアドレス変換テーブルの説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるアドレス変換処理の状態の説明図である。
【図6】従来の通信システムのブロック図である。
【図7】従来のアドレス変換による物理アドレスと論理アドレスを示す説明図である。
【図8】従来のホスト機器と複数のペリフェラル機器との接続を示す説明図である。
【図9】従来のIrDA Controlにおける通信ソフトウェアの状態の説明図である。
【符号の説明】
1 変換部
1a ホスト機器
1b ペリフェラル機器
2 通信ソフトウェア
6 差異吸収部
10 機器ID
11 第1の物理アドレス
12 論理アドレス
13 第2の物理アドレス
Claims (2)
- 伝送媒体と該下位通信ソフトウェアと、上位の通信ミドルウェアとアプリケーションソフトウェアとからなり、異なる通信方式とデータフォーマットとアドレス体系とを処理するプロトコル処理手段を備えて相互に通信する主通信装置と副通信装置とからなる通信システムにおいて、伝送媒体内で副通信装置を特定するための第1の物理アドレスは、当該副通信装置が待機状態から主通信装置との通信状態に移行するたびに主通信装置によって新たに発行され、主通信装置との通信状態から待機状態に移行すると破棄される、固定値を取り得ないアドレスであり、前記第1の物理アドレスを下位通信ソフトウェア内で固定の仮想アドレスである第2の物理アドレスに変換する変換手段を下位通信ソフトウェアに設け、前記変換手段は前記第1の物理アドレスを用いる副通信装置の機器IDに基づいて前記第2の物理アドレスに変換し、
前記主通信装置に接続される副通信装置の機器IDと前記第1の物理アドレスと前記第2の物理アドレスとをリンクするアドレス管理テーブルを、前記主通信装置の下位通信ソフトウェアに設け、
前記アドレス管理テーブルは、接続される副通信装置を登録する欄と機器ID欄と第1の物理アドレス欄と第2の物理アドレス欄とからなり、いずれかの副通信装置が通信を開始すると、順次、それぞれの副通信装置の機器IDを機器ID欄に登録するとともに、対応するユニークな第2の物理アドレスを生成して前記第2の物理アドレス欄に登録し、これら副通信装置のうち特定の副通信装置が通信をするときには、特定の副通信装置が通信するたびに付されて異なる第1の物理アドレスを、特定の副通信装置の機器IDに対応する第1の物理アドレス欄に更新して登録することにより、特定の副通信装置を識別可能とすることを特徴とする通信システム。 - 前記副通信装置のそれぞれを区別する機器IDとして、該副通信装置の製造番号のすべて、または、その一部を含むものとしたことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
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