JP3569441B2 - 類似番組検索装置、類似番組検索方法および類似番組検索プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルテレビ放送等の多くの番組の中から類似する番組を検索する技術に関し、特に、番組案内の内容に基づいて類似番組を検索する類似番組検索装置、類似番組検索方法および類似番組検索プログラムを記録した媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、デジタルテレビ放送やケーブルテレビの普及に伴い、テレビで受信することができる番組数が爆発的に増加し、視聴者は多くの番組の中から見たい番組を探し出さなければならない。従来、視聴者が見たい番組を捜し出す場合、新聞などの番組ガイドを参照して番組を捜し出していたが、放送チャンネルの増加に伴い番組ガイドの参照のみでは番組を捜し出すのが困難となりつつある。この問題を解決する発明として、特開平６−２１７２７１号公報および特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明がある。
【０００３】
特開平６−２１７２７１号公報に開示された発明は、どのチャンネルでどのジャンルの番組を放送しているかを示すカテゴリ情報をテレビジョン信号に多重し、視聴者が選局したジャンルの番組がどのチャンネルで放送されているかを一目でわかるようにしたものである。また、特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明は、テレビジョン信号に含まれるクローズド・キャプションデータを受信し、このキャプションデータ、すなわち会話の内容を解析することにより、映像の内容を容易に検索できるようにしたものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平６−２１７２７１号公報に開示された発明は、放送局から提供されるカテゴリ情報に基づいて同じジャンルの番組を表示するので、同じジャンルの番組が多い場合には、さらにその中から見たい番組を捜し出す必要がある。たとえば、あるＳＦ映画を見ている視聴者が、この監督の他の映画を知りたい場合に、放送局から提供される情報の中にＳＦ映画というジャンルの番組が多数あるとき、視聴者がさらにその中から所望の番組を捜し出す必要があった。
【０００５】
また、特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明は、キャプションデータを解析して番組を検索するので、さらに詳細に類似番組を検索することが可能であるが、キャプションデータ（会話の内容）を長時間受信する必要があり、さらにその中から特に重要だと思われる文章またはキーワードを抜出す技術が必要となる。さらには、放送中の会話の内容が必ずしもその番組の内容を表わしているとは限らず、視聴者が所望する番組を検索するのが非常に困難であるという問題点がある。
【０００６】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、請求項１〜１０に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索装置を提供することである。
【０００７】
請求項１１または１２に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索方法を提供することである。
【０００８】
請求項１３または１４に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索プログラムを記録した媒体を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の類似番組検索装置は、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するための類似番組抽出手段と、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の所定情報を表示するための表示手段とを含み、類似番組抽出手段は、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するための単語抽出手段と、単語抽出手段によって抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するための番組案内数計数手段と、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用されている頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するための類似番組決定手段とを含む。
【００１０】
類似番組抽出手段は、番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出するので、所定番組に最も類似する番組を抽出することが可能となる。
【００１１】
請求項２に記載の類似番組検索装置は、請求項１記載の類似番組検索装置であって、表示手段は類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の番組案内の内容を表示する。
【００１２】
表示手段は、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は所定番組に類似する番組の内容を容易に確認することが可能となる。
【００１３】
請求項３に記載の類似番組検索装置は、請求項１記載の類似番組検索装置であって、類似番組検索装置はさらに番組放送を受信するための受信手段を含み、表示手段は類似番組抽出手段によって抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示する。
【００１４】
表示手段は、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示するので、視聴者は所定番組に類似する番組を即座に見ることが可能となる。
【００１５】
請求項４に記載の類似番組検索装置は、請求項３記載の類似番組検索装置であって、視聴者によって指定された番組は受信手段によって現在受信されている番組である。
【００１６】
所定番組は、受信手段によって現在受信されている番組であるので、視聴者は現在見ている番組に最も類似する番組を即座に見ることが可能となる。
【００１７】
請求項５に記載の類似番組検索装置は、請求項３または４記載の類似番組検索装置であって、頻度算出手段は受信手段によって電波受信強度が弱く受信不可能と判定されたチャンネルの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない。
【００１８】
番組案内取得手段は、電波受信強度が弱く受信不可能と判定されたチャンネルの番組案内を除外して番組案内を取得するので、受信が不可能なチャンネル以外の番組案内の中から所定番組に類似する番組を抽出することができ、操作性がさらに向上する。
【００１９】
請求項６に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜５のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、頻度算出手段は契約時の制限により受信手段が受信不可能なチャンネルの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない。
【００２０】
番組案内取得手段は、契約時の制限により受信不可能なチャンネルの番組案内を除外して番組案内を取得するので、受信不可能なチャンネル以外の番組案内の中から所定番組に類似する番組を抽出することができ、さらに操作性が向上する。
【００２１】
請求項７に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜６のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、受信手段はデジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信する。
【００２２】
受信手段は、デジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信するので、視聴者は特にメディアを意識することなく所定番組に類似する番組を抽出することができる。なお、受信手段として、デジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信するのがもっとも好ましいが、地上デジタル放送や新たな放送形態を受信するようにしてもよい。
【００２３】
請求項８に記載の類似番組検索装置は、請求項１〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、番組案内取得手段はネットワークを介して番組案内を取得する。
【００２４】
番組案内取得手段は、ネットワークを介して番組案内を取得するので、たとえばインターネットで番組案内を提供している場合にも、所定番組に類似する番組を抽出することが可能となる。
【００２５】
請求項９に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、番組案内取得手段は受信手段が受信した番組放送から番組案内を取得する。
【００２６】
番組案内取得手段は、受信手段が受信した番組放送から番組案内を取得するので、たとえば電波により番組案内を提供している場合にも所定番組に類似する番組を抽出することが可能となる。
【００２７】
請求項１０に記載の類似番組検索装置は、請求項１〜９のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、類似番組決定手段は、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定する。
【００２８】
類似番組決定手段は、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するので、番組案内の内容が最も類似する番組を容易に抽出することが可能となる。また、単に使用頻度を番組数で除算するだけでなく、係数を掛けたり、１／２乗または２乗等することにより、さまざまな分散を得ることもできる。なお、使用頻度を番組数で除算した値の総和を求めることにより、番組案内の類似を容易に求めることができる。
【００２９】
請求項１１に記載の類似番組検索方法は、番組案内を取得するステップと、取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３０】
取得された番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出し、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は容易に類似番組の番組案内の内容を確認することが可能となる。
【００３１】
請求項１２に記載の類似番組検索方法は、番組放送を受信するための受信手段と、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索方法であって、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３２】
抽出された類似番組の番組放送を表示手段に表示させるので、視聴者は即座に類似番組を見ることが可能となる。
【００３３】
請求項１３に記載の媒体に記録された類似番組検索プログラムは、番組案内を取得するステップと、取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３４】
取得された番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出し、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は類似番組の番組案内の内容を容易に確認することが可能となる。
【００３５】
請求項１４に記載の類似番組検索プログラムを記録した媒体は、番組放送を受信するための受信手段と、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索プログラムを記録した媒体であって、類似番組検索プログラムは、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３６】
抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるので、視聴者は類似番組の番組放送を即座に見ることが可能となる。
【００３７】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の実施の形態における類似番組検索装置の一例であるテレビ受信装置１０の外観を示す図である。テレビ受信装置１０は、チャンネル制御装置１３、表示装置１４、スピーカ１５、およびフロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ−Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ ）が装着される外部記憶装置１９を含む。以下、本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置について説明するが、図１に示すテレビ受信装置の外観は各実施の形態において共通である。
【００３８】
［実施の形態１］
図２は、本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。テレビ受信装置１０は、放送局からの電波を受信して映像、音声およびテキストデータを再生する受信装置１１と、受信装置１１が再生したテキストデータの中から番組案内を取得する番組案内取得装置１２と、視聴者の操作により受信するチャンネルを選択するチャンネル制御装置１３と、受信装置１１が再生した映像を表示する表示装置１４と、受信装置１１が再生した音声を出力するスピーカ１５と、視聴者の操作により類似番組の検索を指示する類似番組ボタン１６と、テレビ受信装置１０の全体制御のためのプログラムや番組案内取得装置１２が取得した番組案内を格納する記憶装置１７と、テレビ受信装置１０の全体的な制御を行なう中央処理装置１８と、フロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭからプログラムを読取る外部記憶装置１９とを含む。
【００３９】
視聴者がテレビ放送を見る場合、視聴者が見たいチャンネルを指示することによりチャンネル制御装置１３がそのチャンネル情報を出力する。中央処理装置１８は、チャンネル制御装置１３から出力されたチャンネル情報を入力し、その情報に基づいて受信装置１１の受信周波数を切換えることにより、所望の映像および音声を受信し、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力する。
【００４０】
また、番組案内を取得する場合、中央処理装置１８が特定のチャンネルを指示して受信装置１１に受信させ、受信装置１１が受信したテキストデータの中から番組案内取得装置１２が番組案内を抽出して記憶装置１７に格納する。現在、放送チャンネルの１チャンネルに放送番組スケジュールと各番組の詳細内容を表わす番組案内とが定期的に放送されており、中央処理装置１８がこのチャンネルを受信装置１１に受信させることにより、番組案内の取得が可能となる。
【００４１】
この番組案内を取得する時期として、たとえば視聴者が番組を見ていないときに中央処理装置１８が受信装置１１に放送スケジュールと番組案内を受信させる。そして、可能な限りこの放送スケジュールと番組案内とを記憶装置１７に格納しておき、定期的にその内容を更新することにより常に最新の放送スケジュールと番組案内とを保持することができる。
【００４２】
視聴者が番組を見ているときに類似検索ボタン１６を操作することにより、中央処理装置１８は記憶装置１７に格納されている番組案内の中から現在視聴者が見ている番組の番組案内に最も類似する番組を抽出する。その抽出された番組が、現在放送されているものであれば、中央処理装置１８は受信装置１１にその番組を受信させ、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力する。また、抽出された最も類似する番組の番組案内の内容を中央処理装置１８の制御により表示装置１４に表示するようにしてもよい。
【００４３】
また、類似する番組が複数ある場合には、類似度が最も高い番組の番組案内の内容を表示装置１４に表示し、視聴者の指示により順次類似する番組案内の内容を切換えて表示するようにしてもよい。
【００４４】
また、類似番組を検索するプログラムが、フロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭによって供給される場合、中央処理装置１８の制御により外部記憶装置１９によってそのプログラムが読取られ、記憶装置１７に一旦格納される。中央処理装置１８は、記憶装置１７に格納される類似番組検索プログラムを適宜実行することにより、類似番組の検索が行なわれる。なお、記憶装置１７は、バックアップ機能を有し、テレビ受信装置１０の電源がオフとなってもそのデータを保持しているものとする。
【００４５】
図３は、本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置１０の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、視聴者により類似検索ボタン１６が入力されると（Ｓ１）、中央処理装置１８はチャンネル制御装置１３から現在視聴者が見ているチャンネルを取得し（Ｓ２）、現在視聴者が見ている番組の番組案内を記憶装置１７から取得する（Ｓ３）。
【００４６】
中央処理装置１８は、その番組案内の内容を形態素解析し、番組案内の内容を単語単位に分割して単語リストＡを作成する（Ｓ４）。この単語リストＡには後述するように名詞のみが含まれるが、これは名詞が番組の内容を最もよく表わしているという理由に基づくものであり、名詞以外の単語を単語リストＡに含むようにしてもよい。
【００４７】
次に、中央処理装置１８は、現在視聴者が見ている番組以外の番組案内を記憶装置１７から取得する（Ｓ５）。中央処理装置１８は、記憶装置１７に格納されている放送スケジュールを参照することにより、現在視聴者が見ているチャンネルであるか否かを判定する（Ｓ６）。現在視聴者が見ているチャンネルであれば（Ｓ６，ＹＥＳ）、ステップＳ５へ戻り、処理を繰返す。また、現在視聴者が見ているチャンネルでなければ（Ｓ６，ＮＯ）、ステップＳ７へ進む。
【００４８】
次に、ステップＳ５で取得した番組案内が受信できる番組であるか否かを判定する（Ｓ７）。たとえば、電波受信強度が弱く、受信不可能なチャンネルの番組は、見ることができない番組として判定する。チャンネルをプリセットする際、受信装置１１はすべてのチャンネル帯をスキャンして電波受信強度を測定するので、受信可能か否かを容易に判定することができる。
【００４９】
また、デジタル放送等の契約をしていない場合、受信装置１１に見ることができないチャンネルとして設定されているので、このデータを参照することにより受信できないチャンネルを判定することもできる。ステップＳ７において、見ることができない番組と判定された場合（Ｓ７，ＮＯ）、ステップＳ５へ戻り以上の処理を繰返す。また、見ることができる番組であると判定された場合（Ｓ７，ＹＥＳ）、単語リストＡに含まれる単語の出現回数を調べる（Ｓ８）。この処理の詳細は後述する。
【００５０】
そして、番組案内が最後の番組であるか否かを判定する（Ｓ９）。ステップＳ５で取得された番組案内が最後の番組案内でなければ（Ｓ９，ＮＯ）、ステップＳ５へ戻り以上の処理を繰返す。また、最後の番組であれば（Ｓ９，ＹＥＳ）、番組ごとに類似度を算出する（Ｓ１０）。そして、中央処理装置１８は、類似度が最も大きい番組案内を取得し（Ｓ１１）、その取得した番組を受信装置１１に受信させ、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力させるか、または取得した番組案内を表示装置１４に表示する（Ｓ１２）。
【００５１】
次に、図３のステップＳ４における単語リストＡの作成、ステップＳ８における単語リストＡに含まれる単語の出現回数の算出、およびステップＳ１０における番組ごとの類似度の算出について詳細に説明する。まず、図４は、単語リストＡの作成および単語リストＡに含まれる単語の出現回数を説明するための図である。たとえば、視聴者が現在見ている番組を番組（ａ）とすると、中央処理装置１８は番組（ａ）の番組案内を形態素解析することにより、単語（名詞）の一覧を作成する。
【００５２】
図４に示すように、番組（ａ）の番組案内に含まれる単語ごとに、その単語の番組（ａ）における出現回数、その単語を含む番組案内の数、およびその単語の総出現回数を計数する。そして、その単語を含む番組案内の数を分散度とする。
【００５３】
たとえば、単語“サービス”の分散度は１４００であり、すべての番組案内の数１５００の中の１４００の番組案内に含まれていることを示している。したがって、単語“サービス”は、番組案内の内容の特徴をあまり表わしていない単語であるといえる。逆に、単語“ＰＰＶ”は、分散度が４であるので、すべての番組案内の数１５００に対して４つの番組案内のみにしか含まれていないことになる。したがって、単語“ＰＰＶ”は、番組案内の内容の特徴を表わしている単語であるといえる。
【００５４】
図５は、番組ごとに算出される類似度を説明するための図である。上述したように、分散度が小さい単語が番組案内の内容の特徴をよく表わしているといえるので、その逆数を用いて類似度を計算する。すなわち、単語ごとに各番組における出現回数を算出し、出現回数／分散度の値をその単語の類似度とする。そして、その単語ごとの類似度の合計を番組の類似度とする。たとえば、番組（ａ）の類似度は２．２８３となる。また、番組（ｂ）、番組（ｃ）および番組（ｄ）のそれぞれの類似度は、０．００４、０．０３１、および１．４３２となる。このようにして求められた類似度の中で、現在視聴者が見ている番組（ａ）の類似度２．２８３よりも大きいか、またはこの類似度に最も近いものを類似番組として抽出する。図５に示す番組（ｂ）〜（ｄ）の中で、番組（ｄ）の類似度が番組（ａ）の類似度に最も近いものであるので、番組（ｄ）が類似番組として抽出される。また、単語の重要度＝単語の出現回数×ｌｏｇ２ （番組案内の総数／全番組案内における単語の出現回数）を求めることにより、さらに正確に類似番組を検索することもできる。
【００５５】
なお、受信装置１１がデジタル衛星放送やケーブルテレビに対応していれば、さらに広範な検索が可能となり、視聴者はメディアを意識せずに類似番組の検索ができるようになる。また、本実施の形態においては、現在視聴者が見ている番組に類似する番組を検索しているが、視聴者が任意の番組を指定し、その指定された番組に類似する番組を検索するようにしてもよい。
【００５６】
以上説明したように、本実施の形態における類似番組検索装置によれば、番組案内の内容に基づいて類似度を計算するので、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出することができ、操作性に優れた類似番組の検索が可能となった。
【００５７】
［実施の形態２］
図６を参照して、本発明の実施の形態２におけるテレビ受信装置は、図２に示す実施の形態１におけるテレビ受信装置と比較して、モデム４１が追加された点、および番組案内取得装置がモデム４１を介して受信したデータから番組案内を取得する点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰返さない。なお、本実施の形態における番組案内取得装置の参照符号を１２′として説明する。
【００５８】
番組案内を取得する際、番組案内取得装置１２′は電話回線４２に接続されたモデム４１を介して番組案内を取得する。たとえば、番組案内取得装置１２′がインターネットにより番組案内を取得するのであれば、番組案内を提供するホームページのアドレスにアクセスすることにより、放送スケジュールと番組案内を取得することができる。なお、中央処理装置１８は定期的にインターネットにより番組案内を取得すればよく、視聴者が番組を見ているか否かにかかわらず番組案内を取得することができる。
【００５９】
以上説明したように、本実施の形態における類似番組検索装置によれば、インターネットのホームページにより提供される番組案内を利用することにより、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出することができ、操作性に優れた類似番組の検索が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置１０の外観を示す図である。
【図２】本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。
【図３】本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図４】単語ごとの分散度を説明するための図である。
【図５】番組ごとの類似度を説明するための図である。
【図６】本発明の実施の形態２におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
１０ テレビ受信装置
１１ 受信装置
１２，１２′ 番組案内取得装置
１３ チャンネル制御装置
１４ 表示装置
１５ スピーカ
１６ 類似検索ボタン
１７ 記憶装置
１８ 中央処理装置
１９ 外部記憶装置
２０ フロッピィディスク
４１ モデム
４２ 電話回線
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルテレビ放送等の多くの番組の中から類似する番組を検索する技術に関し、特に、番組案内の内容に基づいて類似番組を検索する類似番組検索装置、類似番組検索方法および類似番組検索プログラムを記録した媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、デジタルテレビ放送やケーブルテレビの普及に伴い、テレビで受信することができる番組数が爆発的に増加し、視聴者は多くの番組の中から見たい番組を探し出さなければならない。従来、視聴者が見たい番組を捜し出す場合、新聞などの番組ガイドを参照して番組を捜し出していたが、放送チャンネルの増加に伴い番組ガイドの参照のみでは番組を捜し出すのが困難となりつつある。この問題を解決する発明として、特開平６−２１７２７１号公報および特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明がある。
【０００３】
特開平６−２１７２７１号公報に開示された発明は、どのチャンネルでどのジャンルの番組を放送しているかを示すカテゴリ情報をテレビジョン信号に多重し、視聴者が選局したジャンルの番組がどのチャンネルで放送されているかを一目でわかるようにしたものである。また、特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明は、テレビジョン信号に含まれるクローズド・キャプションデータを受信し、このキャプションデータ、すなわち会話の内容を解析することにより、映像の内容を容易に検索できるようにしたものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平６−２１７２７１号公報に開示された発明は、放送局から提供されるカテゴリ情報に基づいて同じジャンルの番組を表示するので、同じジャンルの番組が多い場合には、さらにその中から見たい番組を捜し出す必要がある。たとえば、あるＳＦ映画を見ている視聴者が、この監督の他の映画を知りたい場合に、放送局から提供される情報の中にＳＦ映画というジャンルの番組が多数あるとき、視聴者がさらにその中から所望の番組を捜し出す必要があった。
【０００５】
また、特開平７−２１２７０８号公報に開示された発明は、キャプションデータを解析して番組を検索するので、さらに詳細に類似番組を検索することが可能であるが、キャプションデータ（会話の内容）を長時間受信する必要があり、さらにその中から特に重要だと思われる文章またはキーワードを抜出す技術が必要となる。さらには、放送中の会話の内容が必ずしもその番組の内容を表わしているとは限らず、視聴者が所望する番組を検索するのが非常に困難であるという問題点がある。
【０００６】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、請求項１〜１０に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索装置を提供することである。
【０００７】
請求項１１または１２に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索方法を提供することである。
【０００８】
請求項１３または１４に記載の発明の目的は、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出でき、操作性に優れた類似番組検索プログラムを記録した媒体を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の類似番組検索装置は、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するための類似番組抽出手段と、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の所定情報を表示するための表示手段とを含み、類似番組抽出手段は、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するための単語抽出手段と、単語抽出手段によって抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するための番組案内数計数手段と、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用されている頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するための類似番組決定手段とを含む。
【００１０】
類似番組抽出手段は、番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出するので、所定番組に最も類似する番組を抽出することが可能となる。
【００１１】
請求項２に記載の類似番組検索装置は、請求項１記載の類似番組検索装置であって、表示手段は類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の番組案内の内容を表示する。
【００１２】
表示手段は、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は所定番組に類似する番組の内容を容易に確認することが可能となる。
【００１３】
請求項３に記載の類似番組検索装置は、請求項１記載の類似番組検索装置であって、類似番組検索装置はさらに番組放送を受信するための受信手段を含み、表示手段は類似番組抽出手段によって抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示する。
【００１４】
表示手段は、類似番組抽出手段によって抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示するので、視聴者は所定番組に類似する番組を即座に見ることが可能となる。
【００１５】
請求項４に記載の類似番組検索装置は、請求項３記載の類似番組検索装置であって、視聴者によって指定された番組は受信手段によって現在受信されている番組である。
【００１６】
所定番組は、受信手段によって現在受信されている番組であるので、視聴者は現在見ている番組に最も類似する番組を即座に見ることが可能となる。
【００１７】
請求項５に記載の類似番組検索装置は、請求項３または４記載の類似番組検索装置であって、頻度算出手段は受信手段によって電波受信強度が弱く受信不可能と判定されたチャンネルの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない。
【００１８】
番組案内取得手段は、電波受信強度が弱く受信不可能と判定されたチャンネルの番組案内を除外して番組案内を取得するので、受信が不可能なチャンネル以外の番組案内の中から所定番組に類似する番組を抽出することができ、操作性がさらに向上する。
【００１９】
請求項６に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜５のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、頻度算出手段は契約時の制限により受信手段が受信不可能なチャンネルの番組案内の中で単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない。
【００２０】
番組案内取得手段は、契約時の制限により受信不可能なチャンネルの番組案内を除外して番組案内を取得するので、受信不可能なチャンネル以外の番組案内の中から所定番組に類似する番組を抽出することができ、さらに操作性が向上する。
【００２１】
請求項７に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜６のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、受信手段はデジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信する。
【００２２】
受信手段は、デジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信するので、視聴者は特にメディアを意識することなく所定番組に類似する番組を抽出することができる。なお、受信手段として、デジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信するのがもっとも好ましいが、地上デジタル放送や新たな放送形態を受信するようにしてもよい。
【００２３】
請求項８に記載の類似番組検索装置は、請求項１〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、番組案内取得手段はネットワークを介して番組案内を取得する。
【００２４】
番組案内取得手段は、ネットワークを介して番組案内を取得するので、たとえばインターネットで番組案内を提供している場合にも、所定番組に類似する番組を抽出することが可能となる。
【００２５】
請求項９に記載の類似番組検索装置は、請求項３〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、番組案内取得手段は受信手段が受信した番組放送から番組案内を取得する。
【００２６】
番組案内取得手段は、受信手段が受信した番組放送から番組案内を取得するので、たとえば電波により番組案内を提供している場合にも所定番組に類似する番組を抽出することが可能となる。
【００２７】
請求項１０に記載の類似番組検索装置は、請求項１〜９のいずれかに記載の類似番組検索装置であって、類似番組決定手段は、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定する。
【００２８】
類似番組決定手段は、頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するので、番組案内の内容が最も類似する番組を容易に抽出することが可能となる。また、単に使用頻度を番組数で除算するだけでなく、係数を掛けたり、１／２乗または２乗等することにより、さまざまな分散を得ることもできる。なお、使用頻度を番組数で除算した値の総和を求めることにより、番組案内の類似を容易に求めることができる。
【００２９】
請求項１１に記載の類似番組検索方法は、番組案内を取得するステップと、取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３０】
取得された番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出し、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は容易に類似番組の番組案内の内容を確認することが可能となる。
【００３１】
請求項１２に記載の類似番組検索方法は、番組放送を受信するための受信手段と、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索方法であって、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３２】
抽出された類似番組の番組放送を表示手段に表示させるので、視聴者は即座に類似番組を見ることが可能となる。
【００３３】
請求項１３に記載の媒体に記録された類似番組検索プログラムは、番組案内を取得するステップと、取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３４】
取得された番組案内の内容に基づいて所定番組に類似する番組を抽出し、抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するので、視聴者は類似番組の番組案内の内容を容易に確認することが可能となる。
【００３５】
請求項１４に記載の類似番組検索プログラムを記録した媒体は、番組放送を受信するための受信手段と、番組案内を取得するための番組案内取得手段と、番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索プログラムを記録した媒体であって、類似番組検索プログラムは、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるステップとを含み、類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、抽出された単語ごとに、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、算出された当該単語の使用頻度を計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む。
【００３６】
抽出された類似番組を受信手段に受信させ、当該番組放送を表示手段に表示させるので、視聴者は類似番組の番組放送を即座に見ることが可能となる。
【００３７】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の実施の形態における類似番組検索装置の一例であるテレビ受信装置１０の外観を示す図である。テレビ受信装置１０は、チャンネル制御装置１３、表示装置１４、スピーカ１５、およびフロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ−Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ ）が装着される外部記憶装置１９を含む。以下、本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置について説明するが、図１に示すテレビ受信装置の外観は各実施の形態において共通である。
【００３８】
［実施の形態１］
図２は、本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。テレビ受信装置１０は、放送局からの電波を受信して映像、音声およびテキストデータを再生する受信装置１１と、受信装置１１が再生したテキストデータの中から番組案内を取得する番組案内取得装置１２と、視聴者の操作により受信するチャンネルを選択するチャンネル制御装置１３と、受信装置１１が再生した映像を表示する表示装置１４と、受信装置１１が再生した音声を出力するスピーカ１５と、視聴者の操作により類似番組の検索を指示する類似番組ボタン１６と、テレビ受信装置１０の全体制御のためのプログラムや番組案内取得装置１２が取得した番組案内を格納する記憶装置１７と、テレビ受信装置１０の全体的な制御を行なう中央処理装置１８と、フロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭからプログラムを読取る外部記憶装置１９とを含む。
【００３９】
視聴者がテレビ放送を見る場合、視聴者が見たいチャンネルを指示することによりチャンネル制御装置１３がそのチャンネル情報を出力する。中央処理装置１８は、チャンネル制御装置１３から出力されたチャンネル情報を入力し、その情報に基づいて受信装置１１の受信周波数を切換えることにより、所望の映像および音声を受信し、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力する。
【００４０】
また、番組案内を取得する場合、中央処理装置１８が特定のチャンネルを指示して受信装置１１に受信させ、受信装置１１が受信したテキストデータの中から番組案内取得装置１２が番組案内を抽出して記憶装置１７に格納する。現在、放送チャンネルの１チャンネルに放送番組スケジュールと各番組の詳細内容を表わす番組案内とが定期的に放送されており、中央処理装置１８がこのチャンネルを受信装置１１に受信させることにより、番組案内の取得が可能となる。
【００４１】
この番組案内を取得する時期として、たとえば視聴者が番組を見ていないときに中央処理装置１８が受信装置１１に放送スケジュールと番組案内を受信させる。そして、可能な限りこの放送スケジュールと番組案内とを記憶装置１７に格納しておき、定期的にその内容を更新することにより常に最新の放送スケジュールと番組案内とを保持することができる。
【００４２】
視聴者が番組を見ているときに類似検索ボタン１６を操作することにより、中央処理装置１８は記憶装置１７に格納されている番組案内の中から現在視聴者が見ている番組の番組案内に最も類似する番組を抽出する。その抽出された番組が、現在放送されているものであれば、中央処理装置１８は受信装置１１にその番組を受信させ、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力する。また、抽出された最も類似する番組の番組案内の内容を中央処理装置１８の制御により表示装置１４に表示するようにしてもよい。
【００４３】
また、類似する番組が複数ある場合には、類似度が最も高い番組の番組案内の内容を表示装置１４に表示し、視聴者の指示により順次類似する番組案内の内容を切換えて表示するようにしてもよい。
【００４４】
また、類似番組を検索するプログラムが、フロッピィディスク２０やＣＤ−ＲＯＭによって供給される場合、中央処理装置１８の制御により外部記憶装置１９によってそのプログラムが読取られ、記憶装置１７に一旦格納される。中央処理装置１８は、記憶装置１７に格納される類似番組検索プログラムを適宜実行することにより、類似番組の検索が行なわれる。なお、記憶装置１７は、バックアップ機能を有し、テレビ受信装置１０の電源がオフとなってもそのデータを保持しているものとする。
【００４５】
図３は、本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置１０の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、視聴者により類似検索ボタン１６が入力されると（Ｓ１）、中央処理装置１８はチャンネル制御装置１３から現在視聴者が見ているチャンネルを取得し（Ｓ２）、現在視聴者が見ている番組の番組案内を記憶装置１７から取得する（Ｓ３）。
【００４６】
中央処理装置１８は、その番組案内の内容を形態素解析し、番組案内の内容を単語単位に分割して単語リストＡを作成する（Ｓ４）。この単語リストＡには後述するように名詞のみが含まれるが、これは名詞が番組の内容を最もよく表わしているという理由に基づくものであり、名詞以外の単語を単語リストＡに含むようにしてもよい。
【００４７】
次に、中央処理装置１８は、現在視聴者が見ている番組以外の番組案内を記憶装置１７から取得する（Ｓ５）。中央処理装置１８は、記憶装置１７に格納されている放送スケジュールを参照することにより、現在視聴者が見ているチャンネルであるか否かを判定する（Ｓ６）。現在視聴者が見ているチャンネルであれば（Ｓ６，ＹＥＳ）、ステップＳ５へ戻り、処理を繰返す。また、現在視聴者が見ているチャンネルでなければ（Ｓ６，ＮＯ）、ステップＳ７へ進む。
【００４８】
次に、ステップＳ５で取得した番組案内が受信できる番組であるか否かを判定する（Ｓ７）。たとえば、電波受信強度が弱く、受信不可能なチャンネルの番組は、見ることができない番組として判定する。チャンネルをプリセットする際、受信装置１１はすべてのチャンネル帯をスキャンして電波受信強度を測定するので、受信可能か否かを容易に判定することができる。
【００４９】
また、デジタル放送等の契約をしていない場合、受信装置１１に見ることができないチャンネルとして設定されているので、このデータを参照することにより受信できないチャンネルを判定することもできる。ステップＳ７において、見ることができない番組と判定された場合（Ｓ７，ＮＯ）、ステップＳ５へ戻り以上の処理を繰返す。また、見ることができる番組であると判定された場合（Ｓ７，ＹＥＳ）、単語リストＡに含まれる単語の出現回数を調べる（Ｓ８）。この処理の詳細は後述する。
【００５０】
そして、番組案内が最後の番組であるか否かを判定する（Ｓ９）。ステップＳ５で取得された番組案内が最後の番組案内でなければ（Ｓ９，ＮＯ）、ステップＳ５へ戻り以上の処理を繰返す。また、最後の番組であれば（Ｓ９，ＹＥＳ）、番組ごとに類似度を算出する（Ｓ１０）。そして、中央処理装置１８は、類似度が最も大きい番組案内を取得し（Ｓ１１）、その取得した番組を受信装置１１に受信させ、表示装置１４およびスピーカ１５を介して出力させるか、または取得した番組案内を表示装置１４に表示する（Ｓ１２）。
【００５１】
次に、図３のステップＳ４における単語リストＡの作成、ステップＳ８における単語リストＡに含まれる単語の出現回数の算出、およびステップＳ１０における番組ごとの類似度の算出について詳細に説明する。まず、図４は、単語リストＡの作成および単語リストＡに含まれる単語の出現回数を説明するための図である。たとえば、視聴者が現在見ている番組を番組（ａ）とすると、中央処理装置１８は番組（ａ）の番組案内を形態素解析することにより、単語（名詞）の一覧を作成する。
【００５２】
図４に示すように、番組（ａ）の番組案内に含まれる単語ごとに、その単語の番組（ａ）における出現回数、その単語を含む番組案内の数、およびその単語の総出現回数を計数する。そして、その単語を含む番組案内の数を分散度とする。
【００５３】
たとえば、単語“サービス”の分散度は１４００であり、すべての番組案内の数１５００の中の１４００の番組案内に含まれていることを示している。したがって、単語“サービス”は、番組案内の内容の特徴をあまり表わしていない単語であるといえる。逆に、単語“ＰＰＶ”は、分散度が４であるので、すべての番組案内の数１５００に対して４つの番組案内のみにしか含まれていないことになる。したがって、単語“ＰＰＶ”は、番組案内の内容の特徴を表わしている単語であるといえる。
【００５４】
図５は、番組ごとに算出される類似度を説明するための図である。上述したように、分散度が小さい単語が番組案内の内容の特徴をよく表わしているといえるので、その逆数を用いて類似度を計算する。すなわち、単語ごとに各番組における出現回数を算出し、出現回数／分散度の値をその単語の類似度とする。そして、その単語ごとの類似度の合計を番組の類似度とする。たとえば、番組（ａ）の類似度は２．２８３となる。また、番組（ｂ）、番組（ｃ）および番組（ｄ）のそれぞれの類似度は、０．００４、０．０３１、および１．４３２となる。このようにして求められた類似度の中で、現在視聴者が見ている番組（ａ）の類似度２．２８３よりも大きいか、またはこの類似度に最も近いものを類似番組として抽出する。図５に示す番組（ｂ）〜（ｄ）の中で、番組（ｄ）の類似度が番組（ａ）の類似度に最も近いものであるので、番組（ｄ）が類似番組として抽出される。また、単語の重要度＝単語の出現回数×ｌｏｇ２ （番組案内の総数／全番組案内における単語の出現回数）を求めることにより、さらに正確に類似番組を検索することもできる。
【００５５】
なお、受信装置１１がデジタル衛星放送やケーブルテレビに対応していれば、さらに広範な検索が可能となり、視聴者はメディアを意識せずに類似番組の検索ができるようになる。また、本実施の形態においては、現在視聴者が見ている番組に類似する番組を検索しているが、視聴者が任意の番組を指定し、その指定された番組に類似する番組を検索するようにしてもよい。
【００５６】
以上説明したように、本実施の形態における類似番組検索装置によれば、番組案内の内容に基づいて類似度を計算するので、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出することができ、操作性に優れた類似番組の検索が可能となった。
【００５７】
［実施の形態２］
図６を参照して、本発明の実施の形態２におけるテレビ受信装置は、図２に示す実施の形態１におけるテレビ受信装置と比較して、モデム４１が追加された点、および番組案内取得装置がモデム４１を介して受信したデータから番組案内を取得する点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰返さない。なお、本実施の形態における番組案内取得装置の参照符号を１２′として説明する。
【００５８】
番組案内を取得する際、番組案内取得装置１２′は電話回線４２に接続されたモデム４１を介して番組案内を取得する。たとえば、番組案内取得装置１２′がインターネットにより番組案内を取得するのであれば、番組案内を提供するホームページのアドレスにアクセスすることにより、放送スケジュールと番組案内を取得することができる。なお、中央処理装置１８は定期的にインターネットにより番組案内を取得すればよく、視聴者が番組を見ているか否かにかかわらず番組案内を取得することができる。
【００５９】
以上説明したように、本実施の形態における類似番組検索装置によれば、インターネットのホームページにより提供される番組案内を利用することにより、所定番組に最も類似する番組を容易に抽出することができ、操作性に優れた類似番組の検索が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるテレビ受信装置１０の外観を示す図である。
【図２】本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。
【図３】本発明の実施の形態１におけるテレビ受信装置１０の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図４】単語ごとの分散度を説明するための図である。
【図５】番組ごとの類似度を説明するための図である。
【図６】本発明の実施の形態２におけるテレビ受信装置１０の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
１０ テレビ受信装置
１１ 受信装置
１２，１２′ 番組案内取得装置
１３ チャンネル制御装置
１４ 表示装置
１５ スピーカ
１６ 類似検索ボタン
１７ 記憶装置
１８ 中央処理装置
１９ 外部記憶装置
２０ フロッピィディスク
４１ モデム
４２ 電話回線
Claims (14)
- 番組案内を取得するための番組案内取得手段と、
前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するための類似番組抽出手段と、
前記類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の所定情報を表示するための表示手段とを含み、
前記類似番組抽出手段は、視聴者によって指定された番組に対応する、前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するための単語抽出手段と、
前記単語抽出手段によって抽出された単語ごとに、前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するための番組案内数計数手段と、
前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で前記単語抽出手段によって抽出された単語が使用されている頻度を算出するための頻度算出手段と、
前記頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を前記番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するための類似番組決定手段とを含む、類似番組検索装置。 - 前記表示手段は、前記類似番組抽出手段によって抽出された類似番組の番組案内の内容を表示する、請求項１記載の類似番組検索装置。
- 前記類似番組検索装置はさらに、番組放送を受信するための受信手段を含み、
前記表示手段は、前記類似番組抽出手段によって抽出された類似番組を前記受信手段に受信させ、当該番組放送を表示する、請求項１記載の類似番組検索装置。 - 前記視聴者によって指定された番組は、前記受信手段によって現在受信されている番組である、請求項３記載の類似番組検索装置。
- 前記頻度算出手段は、前記受信手段によって電波受信強度が弱く受信不可能と判定されたチャンネルの番組案内の中で前記単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない、請求項３または４記載の類似番組検索装置。
- 前記頻度算出手段は、契約時の制限により前記受信手段が受信不可能なチャンネルの番組案内の中で前記単語抽出手段によって抽出された単語が使用される頻度を算出しない、請求項３〜５のいずれかに記載の類似番組検索装置。
- 前記受信手段は、デジタル衛星放送およびケーブルテレビ放送を含んだ放送を受信する、請求項３〜６のいずれかに記載の類似番組検索装置。
- 前記番組案内取得手段は、ネットワークを介して番組案内を取得する、請求項１〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置。
- 前記番組案内取得手段は、前記受信手段が受信した番組放送から番組案内を取得する、請求項３〜７のいずれかに記載の類似番組検索装置。
- 前記類似番組決定手段は、前記頻度算出手段によって算出された当該単語の使用頻度を前記番組案内数計数手段によって計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定する、請求項１〜９のいずれかに記載の類似番組検索装置。
- 番組案内を取得するステップと、
前記取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、
前記抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、
前記類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、前記取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、
前記抽出された単語ごとに、前記取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、
前記取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で前記抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、
前記算出された当該単語の使用頻度を前記計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む、類似番組検索方法。 - 番組放送を受信するための受信手段と、
番組案内を取得するための番組案内取得手段と、
番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索方法であって、
前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、
前記抽出された類似番組を前記受信手段に受信させ、当該番組放送を前記表示手段に表示させるステップとを含み、
前記類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、
前記抽出された単語ごとに、前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、
前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で前記抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、
前記算出された当該単語の使用頻度を前記計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む、類似番組検索方法。 - 番組案内を取得するステップと、
前記取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、
前記抽出された類似番組の番組案内の内容を表示するステップとを含み、
前記類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、前記取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、
前記抽出された単語ごとに、前記取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、
前記取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で前記抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、
前記算出された当該単語の使用頻度を前記計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む、類似番組検索プログラムを記録した媒体。 - 番組放送を受信するための受信手段と、
番組案内を取得するための番組案内取得手段と、
番組放送を表示するための表示手段とを含む表示装置に用いられる類似番組検索プログラムを記録した媒体であって、
前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容に基づいて、視聴者によって指定された番組に類似する番組を抽出するステップと、
前記抽出された類似番組を前記受信手段に受信させ、当該番組放送を前記表示手段に表示させるステップとを含み、
前記類似番組を抽出するステップは、視聴者によって指定された番組に対応する、前記番組案内取得手段によって取得された番組案内の内容から単語を抽出するステップと、
前記抽出された単語ごとに、前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内の中で同一単語を含む番組案内数を計数するステップと、
前記番組案内取得手段によって取得された全ての番組案内について、それぞれの番組案内の中で前記抽出された単語が使用されている頻度を算出するステップと、
前記算出された当該単語の使用頻度を前記計数された当該単語を含む番組数で除算した値に基づいて類似する番組を決定するステップとを含む、類似番組検索プログラムを記録した媒体。
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