JP3569351B2 - 低温微細粒子の製法およびそれに用いる装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体ウエハ,シリコン基板,精密加工部品等の表面洗浄用もしくは食品,医療等の分野における急速凍結用等に用いられる氷粒子,洗浄用有機溶剤粒子もしくはドライアイス粒子等の低温微細粒子の製法およびそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウエハ,シリコン基板,精密加工部品等の表面洗浄用として、フロンに代えて、氷粒子等を用いる研究が進められ、各方面で注目を集めている。このような氷粒子等を製造しこれを半導体ウエハ等の表面洗浄に用いるようにした装置として、図3に示すものが提案されている。このものは、純水30を氷結して氷粒子31を製造する製氷部32と、この製氷部32に接続され、この製氷部32で製造された氷粒子31を半導体ウエハ33等の表面に吹き付ける噴射部34とを備えている。上記製氷部32は製氷室35を備えており、この製氷室35の天井壁35aに、上記純水30を製氷室35内に噴霧するスプレーノズル36を取付け、周壁35bに、上記純水30を冷却固化する液冷媒(液体窒素等)37を吐出する複数の液冷媒吐出管38を、その先端を上記スプレーノズル36に向けた状態で取付けている。また、上記製氷室35の底壁35cに、製氷室35内で製造された氷粒子31を外部に取出す氷粒子吸引口39を穿設している。一方、上記噴射部34は、噴射ノズル41と、この噴射ノズル41の連結管41aと製氷部32の氷粒子吸引口39を接続する氷粒子搬送管42を備えている。上記噴射ノズル41には、その内部に氷粒子噴射路(図示せず)が形成されており、この氷粒子噴射路が上記氷粒子搬送管42に接続されているとともに、噴射用ガス供給管43に接続されている。そして、上記氷粒子搬送管36から搬送されてきた氷粒子31を噴射用ガス供給管43から供給される噴射ガス44とともに半導体ウエハ33等の表面に向けて噴射するようにしている。図において、40はスプレーノズル36に純水貯留タンク(図示せず)からの加圧状態の純水30を供給する純水供給管である。
【0003】
このような提案装置は、つぎのようにして洗浄を行う。すなわち、製氷部32では、純水供給管40から加圧状態の純水30がスプレーノズル36に送られ、このスプレーノズル36から製氷室35内に噴霧される。ついで、この噴霧により飛散した微小液滴が、液冷媒吐出管38からスプレーノズル36に向けて吐出された液冷媒37で直接的に冷却固化され、この冷却固化により微小な氷粒子31からなる低温微細粒子が製造され、製氷室35の底部に落下する。一方、噴射部34では、噴射ノズル41の氷粒子噴射路に噴射用ガス44が供給され、この噴射用ガス44の流れにより生じるエジェクタ作用で氷粒子搬送管42に負圧が発生する。この負圧で製氷室35の底部に落下した氷粒子31が氷粒子搬送管42に吸引されて噴射ノズル41まで搬送され、噴射用ガス44とともに噴射ノズル41の氷粒子噴射路から半導体ウエハ33等の表面に向けて噴射され洗浄が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この方法では、スプレーノズル36から加圧噴霧された微小液滴の飛散速度が速いこと、および液体窒素等の液冷媒37の熱伝達率が小さいことから、冷却効率が悪いという問題がある。特に、この方法のように、熱伝達率が小さい液冷媒37で微小液滴をその表面から冷却する方法では、冷却効率が極めて悪くなる。このため、上記微小液滴と液冷媒37との接触空間を広くしたり、液冷媒37の使用量を多くしたりすることで冷却効率を良くすることが行われている。その結果、製氷室35が大型化し、また液冷媒37の使用量が増大化する傾向にある。そこで、製氷室35内での微小液滴の移動速度を遅くすることで、冷却効率の向上を図った製氷装置が提案されている(特開平4−110577号公報)。このものは、図4に示すように、純水50を貯留する貯留タンク51の底壁に、この貯留タンク51に振動を与える超音波発振子52を取付けている。また、貯留タンク51の天井壁から液滴供給管53を延ばして冷却容器54(図3の製氷室35に相当する)に接続している。この冷却容器54内は冷媒供給管55から供給される冷媒(窒素等)で予め冷却されている。そして、上記超音波発振子52により貯留タンク51に振動を与えて貯留タンク51内の液表面に多数の微小液滴を造り、貯留タンク51内に微小液滴を充満させたのち、この微小液滴を液滴供給管53で冷却容器54内に送り、この冷却容器54内の低温雰囲気で氷粒子を製造するようにしている。しかしながら、この方法も、微小液滴をその表面から冷却する方法であり、依然として、冷却効率が悪いという問題が残っている。図において、56は減圧弁、57はバルブ、58はドレイン管、59はヒータである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、冷却効率を良くして、装置を小形化し、冷媒の使用量を減少することのできる低温微細粒子の製法およびそれに用いる装置の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)成分を結晶化させて下記の(B)からなる低温微細粒子を製造する方法であって、予め上記(A)成分の凝固点温度以下に冷却された多数の固体粒子の下方から、上記凝固点以下に冷却されたガスを送り込んでこのガスにより上記固体粒子を流動化させ、ついで、この流動化状態の固体粒子の流れの中に、その下方から上記(A)成分を供給し上記流れの中を浮遊させながら上昇させ、この上昇に伴い上記固体粒子の表面上に上記(A)成分を結晶化させ、つぎに、この結晶化させた上記(A)成分を、流動化状態での固体粒子の衝突による衝撃により固体粒子の表面から剥離し、この剥離により得られた微細な結晶片からなる上記低温微細粒子を上方から吸引して上記流れの中から取り出す一方、上記固体粒子をその自重で下降させて上記流れの中で再流動化させ循環させるようにした低温微細粒子の製法を第1の要旨とし、下記の(A)成分を結晶化させて下記の(B)からなる低温微細粒子を製造する装置であって、底壁に上記(A)成分の送給口が形成され天井壁に上記低温微細粒子の吸引口が形成された粒子製造室の内部に、上記(A)成分が上昇する通路が、その下端開口が上記送給口に対向する状態で立設され、上記粒子製造室内に、上記(A)成分の凝固点温度以下に予め冷却された多数の固体粒子が収容され、上記粒子製造室の底部にガスの取入れ口が形成され、このガスの取入れ口から、上記凝固点以下に冷却されたガスを送り込んでこのガスにより上記粒子製造室内で上記多数の固体粒子を流動化させ、ついで、この流動化状態の固体粒子の流れの中に、上記送給口から上記(A)成分を供給して上記通路の下端開口を通し、上記流動化状態の固体粒子とともに浮遊させながら上記通路を上昇させ、この上昇に伴い上記固体粒子の表面上に上記(A)成分を結晶化させ、つぎに、この結晶化させた上記(A)成分を、流動化状態での固体粒子の衝突による衝撃により固体粒子の表面から剥離し、この剥離により得られた微細な結晶片からなる上記低温微細粒子を、上記流動化状態の固体粒子とともに上記通路から飛び出させ、上記低温微細粒子を上記吸引口から吸引して上記流れの中から取り出す一方、上記固体粒子をその自重で下降させて上記流れの中で再流動化させ循環させるように構成した低温微細粒子製造装置を第2の要旨とする。
(A)水または洗浄用有機溶剤の蒸気もしくは二酸化炭素の気体。
(B)氷粒子,洗浄用有機溶剤粒子もしくはドライアイス粒子。
【0007】
【作用】
すなわち、本発明の低温微細粒子の製法は、上記の(A)成分を結晶化させて上記の(B)からなる低温微細粒子を製造する方法であり、予め上記(A)成分の凝固点温度以下に冷却された多数の固体粒子を粒子製造室等の室内に収容し、その状態で上記固体粒子の下方から、上記凝固点温度以下に冷却されたガスを送り込む。これにより、上記粒子製造室等の室内で固体粒子を所定の挙動で流動化させる。この流動化により、上記固体粒子は、初期段階では、上昇挙動を示し、後段では下降挙動を示す。このような挙動を繰り返しながら、あたかも液体が上昇したのち下降し、ついで上昇するというような循環流をつくる。ついで、この流れの中に、その下方から、上記(A)成分を供給し、上記流れに沿って上記(A)成分を浮遊させながら上昇させる。この上昇の過程で、上記固体粒子の表面に上記(A)成分を付着させ冷却によって結晶化させる。つぎに、この結晶化させた(A)成分を上記固体粒子の衝突による衝撃を利用して上記固体粒子の表面から剥離させる。このようにして剥離された上記(B)からなる結晶は、上記固体粒子と比べて、粒径が極めて小さく、しかも比重が軽い低温の微細粒子となっている。したがって、これを上方から吸引すると、上記低温微細粒子だけを上記流れの中から取り出すことができる。一方、上記固体粒子は、上記上方からの吸引によっても上方に吸引されることなく、その自重で下降する。このようにして、上記低温微細粒子と固体粒子とは容易に分離される。この分離後、上記固体粒子は上記流れの中で再び上昇挙動を示し、上記の一連の動作を繰り返す(循環する)。また、流れの中から取り出された低温微細粒子は、噴射ノズル等に供給されたのち、この噴射ノズル等から噴射されて、半導体ウエハ,シリコン基板,精密加工部品等の表面洗浄用等に用いられる。このように、本発明では、予め冷却された固体粒子の表面に、上記(A)成分を結晶化させたのち固体粒子から分離させて上記(B)成分を得るようにしている。この場合、固体粒子の熱容量は、一般に、上記(A)成分の結晶化熱に比べて充分に大きく、しかも、固体粒子は、その表面積も充分に大きい。このため、(A)成分の結晶化に伴う熱交換効率が極めて高くなり、冷却効率に非常に優れているといいうる。したがって、従来法に比べ、装置の小形化が容易であり、また冷媒の使用量の減少を容易に達成することができる。さらに、本発明の装置によれば、上記方法を簡単に実現することができる。
【0008】
つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本発明は、(A)成分,多数の球形固体粒子および高純度,高清浄度ガスを用い、(B)からなる低温微細粒子を製造するものである。
【0010】
上記(A)成分としては、水または洗浄用有機溶剤の蒸気もしくは二酸化炭素の気体が挙げられる。上記水としては、純水が用いられ、その比抵抗は15〜18MΩ・cm以上に設定され、好適には0.5ミクロンフィルタ濾過後10ml中のパーティクル100個以下に設定される。一方、洗浄用有機溶剤としては、イソプロピルアルコール,アセトン,トリクレン等が用いられ、好適には、イソプロピルアルコールが用いられる。また、その純度は一般的にEL級と称せられ、好適には純度99.9%以上、1ml中のパーティクル50個以下に設定される。このような水または洗浄用有機溶剤から水蒸気または有機溶剤蒸気を製造する方法としては、ガス中での加熱沸騰後の急激な冷却もしくは超音波発振子による加湿等の方法が挙げられる。このようにして得られた水蒸気または有機溶剤蒸気の製氷室等への供給は、その液滴の大きさが100μm以下にある間に行われる。また、上記二酸化炭素の気体としては、その純度が99.9%以上に設定され、好適には水蒸気5PPM以下に設定される。
【0011】
上記(B)成分としては、氷粒子,洗浄用有機溶剤粒子もしくはドライアイス粒子が挙げられる。このような(B)成分の粒径は、100μm以下に設定され、好適には0.1〜10μmの範囲内に設定される。
【0012】
上記固体粒子としては、金属,セラミックス等が挙げられ、通常は球形等にして用いられる。球形にすると、固体粒子が相互に衝突したときの破損が小さくなるからである。上記金属としては、Cu,Al,Ni等が用いられ、好適には、Cu,Niが用いられる。また、セラミックスとしては、異なった比表面積を有する数種のAl2 O3 が用いられ、好適には、比表面積の大きいAl2 O3 が用いられる。このような固体粒子の粒径は、0.1〜1mmの範囲内に設定され、好適には0.5〜1mmの範囲内に設定される。
【0013】
上記高純度,高清浄度ガスとしては、窒素ガスもしくは空気が挙げられる。上記窒素ガスとしては、純度が99.9%以上に設定され、清浄度がクラス100以下(0.3μm以上のパーティクル)に設定される。一方、空気としては、清浄度がクラス100以下(0.3μm以上のパーティクル)に設定される。
【0014】
本発明では、上記球形固体粒子は、予め上記(A)成分の凝固点温度以下に冷却される。この冷却方法としては、粒子製造室等の室内以外の場所で冷却する方法や、上記粒子製造室等の室内で冷却する方法が挙げられ、上記粒子製造室等の室内で冷却する場合には、その冷媒として、上記(A)成分の凝固点温度以下に冷却された上記高純度,高清浄度ガスを用いてもよい。
【0015】
本発明では、上記高純度,高清浄度ガスで流動化された球形固体粒子の衝突により生じる衝撃を利用し、上記球形固体粒子の表面上に結晶化された上記(A)成分を剥離する。固体粒子を衝突させる方法としては、流動化状態にある球形固体粒子同士を衝突させる方法や、上記固体粒子が流動化して流れている部分に壁等を設け、この壁等に球形固体粒子を衝突させる方法等が挙げられる。
【0016】
また、本発明では、流動化状態にある球形固体粒子の流れの中から上記低温微細粒子を上方に吸引することが行われる。この方法としては、噴射ノズルに噴射用ガスを流し、この流れにより生じるエジェクタ作用で負圧を発生させ、この負圧を吸引力として利用する方法や、真空ポンプの吸引力を用いる方法等がある。これらの方法において、上記流動化状態にある球形固体粒子を上記低温微細粒子とともに吸引するような大きな吸引力を生じさせないようにする。
【0017】
本発明により得られた上記低温微細粒子は、噴射ノズルから噴射用ガスとともに半導体ウエハ等の表面に噴射される。上記噴射ガスとしては、N2 ,空気,CO2 等が用いられ、好適には、N2 ,CO2 が用いられる。
【0018】
つぎに、本発明の実施例を説明する。
【0019】
図1は製氷部1と噴射部2とを備えた洗浄装置の一実施例を示しており、上記製氷部1に本発明が応用されている。図において、3は製氷室であり、上側円筒状体4と、有底状の下側円筒状体5と、上記上側円筒状体4の上端開口部を気密状に蓋する円錐状の天井壁6と、逆円錐台状部7aに多数の円形孔7bが穿設された漏斗状の多孔体7とを備えている。そして、この多孔体7の上側空間に、Cu等からなる球形の金属粒子(球形固体粒子)16(粒径0.5mm)が多数収容されている。上記多孔体7は、その上端鍔部7cが上側円筒状体4の下端部と下側円筒状体5の上端部との間に気密状に取付けられているとともに、その円筒状部7dが下側円筒状体5の底壁の中央に穿設された中央丸孔5aに気密状に挿通された状態で、下側円筒状体5内に位置決め固定されている。また、上記円筒状部7dは、(比抵抗15〜18MΩ・cm以上の純水から得られた)−5℃の過冷却過飽和の水蒸気(A成分)12を供給する水蒸気供給管13に接続しており、水蒸気供給管13から供給される水蒸気12は上記円筒状部7dを通って製氷室3内に吹き上げられる。
【0020】
上記上側円筒状体4には、その内部に、上記金属粒子16および水蒸気12の上昇路となる円筒体8が、同心状に位置決めされた状態で取付け具(図示せず)により取付けられている。この円筒体8は、その下端部が上記多孔体7の逆円錐台状部7a内に入り込むとともに、その下端開口部が上記多孔体7の円筒状部7dに対向する位置に配設されている。また、上記上側円筒状体4の内部には、上記円筒体8を取囲む状態で、それぞれの上端部同士および下端部同士が連結されている大径コイル9aと小径コイル9bとからなる循環コイル9が配設されており、上記大径コイル9aの下端部が冷却剤10(−10℃〜−30℃のフロン等)を供給する冷却剤供給管11aに接続し、上端部が冷却剤取出し管11bに接続している。これにより、冷却剤供給管11aから冷却剤10を大径コイル9aの下端部に供給すると、この冷却剤10を大径コイル9aに流したのち小径コイル9bに流すという循環路を形成することができ、また、この循環する冷却剤の一部を大径コイル9aの上端部から冷却剤取出し管11bに取出すことができる。
【0021】
上記下側円筒状体5には、その周壁の下端部に、上記水蒸気12の凝固点以下に冷却さた高純度(純度99.9%以上),高清浄度(清浄度クラス100以下)の窒素ガスからなる流動化ガス(高純度,高清浄度ガス)14のガス吐出管15が取付けられており、上記流動化ガス14で製氷室3内の金属粒子16を流動化させるようにしている。また、上記天井壁6には、その頂部に、製氷室3内で製造された氷粒子(B成分)17(粒径100μm以下)を吸引する氷粒子吸引口6aが形成されている。
【0022】
一方、噴射部2は、従来と同様の噴射ノズル41を備えている。すなわち、この噴射ノズル41は、その内部に氷粒子噴射路(図示せず)が形成されており、この氷粒子噴射路が連結管41aを介して氷粒子吸入口6aに連通されているとともに、噴射用ガス供給管43に接続されている。そして、上記連結管41aから搬送されてきた氷粒子17を噴射用ガス供給管43から供給される噴射ガス44とともに、半導体ウエハ33等の表面に向けて噴射するようにしている。
【0023】
上記製氷部1では、つぎのようにして氷粒子17を製造する。すなわち、まず、冷却剤10を循環コイル9内で循環させ、製氷室3内を上記水蒸気12の凝固点以下に(−10℃程度に)冷却する。また、この冷却と同時に、もしくはこの冷却後に、ガス吐出管15から流動化ガス14を下側円筒状体5内に吐出させ、多孔体7の多孔7bを通してその上側の空間に流入させる。これにより、上記上側の空間に収容された多数の金属粒子16が流動化する。この流動化状態では、金属粒子16が上記流動化ガス14で吹き上げられ、一部は円筒体8の内部空間を上昇し、他部は円筒体8の外部空間を上昇する。この円筒体8の外部空間を上昇する金属粒子16は円筒体8の上端開口部よりやや下側のあたりまで上昇すると、その自重で下降する。一方、円筒体8の内部空間を上昇する金属粒子16は、この円筒体8の内部空間の横断面積が外側のそれよりも狭いことから、その上昇速度が速く、したがって、その勢いで円筒体8内を上端開口部まで上昇して上端開口部から飛び出したのち、急に広い空間に飛び出したことで失速し、その自重で下降する。この下降は、流動化ガス14の吹き上げ力の影響で、ゆっくりと行われ、このゆっくりとした下降の途中で、金属粒子16は、循環コイル9および流動化ガス14と接触し、ゆっくりと、かつ効率的に冷却される。このようにして、下降した金属粒子16は、流動化ガス14の噴流域に入ると、再度上方へ吹き上げられる。このような動きを繰り返し、金属粒子16は、あたかも液体のように挙動し流動する。このような製氷室3内に、水蒸気供給管13から水蒸気12を、多孔体7の円筒状部7dを通して加圧供給し、ついで、上記円筒体8内を上昇させる。この上昇に際し、円筒体8内には、冷却された金属粒子16が存在するため、水蒸気12は、流動化状態にある金属粒子16ととともに浮遊しながら上記円筒体8を上昇する。この上昇の過程で、金属粒子16の表面が、水蒸気12の結晶(氷結晶)化への誘発作用を引き起こし、金属粒子16の表面に微細な氷の結晶が多数形成される。また、形成された微細な氷結晶は、流動化状態にある金属粒子16同士もしくは金属粒子16と円筒体8の内周面との衝突による衝撃により、金属粒子16の表面から剥離する。このようにして、多数の微細な氷粒子17が得られる。このようにして得られた氷粒子17は、金属粒子16に比べて体積が小さく、また比重も軽いことから、上記流動化状態にある金属粒子16の流れから容易に分離しうる状態にある。
【0024】
一方、噴射部2では、噴射ノズル41の氷粒子噴射路に噴射用ガス44が供給され、この噴射用ガス44の流れにより生じるエジェクタ作用で、連結管41aに負圧が発生する。この負圧により、製氷室3内において、上記流れの中に浮遊する氷粒子17が連結管41aに吸引されて噴射ノズル41まで搬送され、噴射用ガス44とともに噴射ノズル41の氷粒子噴射路から半導体ウエハ33等の表面に向けて噴射される。また、円筒体8内を上昇した金属粒子16は、先に述べたように、円筒体8の上端開口部から飛び出したのちその自重で下降する。下降した金属粒子16は、流動化ガス14の作用により、再流動化し循環する。
【0025】
このように、この実施例では、予め冷却された金属粒子16の表面上に水蒸気12を結晶化させたのち、金属粒子16から分離させて氷粒子17を得るようにしている。このため、結晶化に伴う熱交換効率が極めて高く、冷却効率に非常に優れている。したがって、装置の小形化が容易であり、液冷媒の使用量を減少することもできる。しかも、上記円筒体8が、金属粒子16と水蒸気12の上昇路として作用するだけでなく、金属粒子16との衝突用壁としても作用しており、簡単な構造でありながら、上記のような2つの作用を同時に奏する。さらに、この実施例では、製氷室3内に−5℃の過冷却過飽和の水蒸気12を供給しているため、製氷室3内での冷却エネルギーが少なくてすむという利点もある。
【0026】
なお、上記実施例では、水蒸気12から氷粒子17を製造するようにしているが、これに限定するものではなく、洗浄用有機溶剤の蒸気成分から有機溶剤粒子を製造し、もしくは二酸化炭素の気体成分からドライアイス粒子を製造するようにしてもよい。
【0027】
また、上記実施例では、金属粒子16としてCu,Ni等の金属を用いるようにしているが、これに限定するものではなく、Al2 O3 等のセラミックスを用いるようよしてもよいし、Al2 O3 等のセラミックスの表面をCu,Ni等の金属皮膜で被覆するようにしてもよい。この場合にCu,Niを用いると、このCu,Niが軟質であるため、粒子同士が衝突しても、それにより破片が生じにくいという利点がある。これに対し、上記粒子としてAl2 O3 等のセラミックスを用いる場合には、上記衝突により破片が生じて、これらの破片が不純物として氷粒子17に混入するという恐れがある。
【0028】
また、上記実施例では、循環コイル9と流動化ガス14で金属粒子16を冷却するようにしているが、これに限定するものではなく、循環コイル9を無くし、流動化ガス14だけで金属粒子16を冷却するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、予め冷却された個体粒子の表面に、上記(A)成分を結晶化させたのち個体粒子から分離させて上記(B)成分を得るようにしている。この場合、固体粒子の熱容量は、一般に、上記(A)成分の結晶化熱に比べて充分に大きく、しかも、固体粒子は、その表面積も充分に大きい。このため、(A)成分の結晶化に伴う熱交換効率が極めて高くなり、冷却効率に非常に優れているといいうる。したがって、従来法に比べ、装置の小形化が容易であり、また冷媒の使用量の減少を容易に達成することができる。また、本発明の装置は、大きな伝熱面積を有し、ゆっくりと時間をかけて球形固体粒子を冷却する冷却プロセス、球形固体粒子の表面を結晶成長の誘発作用として利用することで容易に過冷却状態から結晶化しうるようにした結晶成長プロセス、および衝突作用・重力作用による低温微細粒子と球形固体粒子の分離プロセス等を、それぞれ別々の場所において連続的に行うサイクルを形成している。したがって、冷却に要するエネルギーを大幅に減少させることができ、装置の小形化および冷媒の使用量の減少に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す洗浄装置の説明図である。
【図2】上記洗浄装置の製氷質の横断面図である。
【図3】従来例を示す説明図である。
【図4】他の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
3 製氷室
8 円筒体
10 冷却剤
12 水蒸気
14 流動化ガス
16 金属粒子
17 氷粒子
41 噴射ノズル
Claims (8)
- 下記の(A)成分を結晶化させて下記の(B)からなる低温微細粒子を製造する方法であって、予め上記(A)成分の凝固点温度以下に冷却された多数の固体粒子の下方から、上記凝固点以下に冷却されたガスを送り込んでこのガスにより上記固体粒子を流動化させ、ついで、この流動化状態の固体粒子の流れの中に、その下方から上記(A)成分を供給し上記流れの中を浮遊させながら上昇させ、この上昇に伴い上記固体粒子の表面上に上記(A)成分を結晶化させ、つぎに、この結晶化させた上記(A)成分を、流動化状態での固体粒子の衝突による衝撃により固体粒子の表面から剥離し、この剥離により得られた微細な結晶片からなる上記低温微細粒子を上方から吸引して上記流れの中から取り出す一方、上記固体粒子をその自重で下降させて上記流れの中で再流動化させ循環させるようにしたことを特徴とする低温微細粒子の製法。
(A)水または洗浄用有機溶剤の蒸気もしくは二酸化炭素の気体。
(B)氷粒子,洗浄用有機溶剤粒子もしくはドライアイス粒子。 - 固体粒子が球形固体粒子であり、ガスが高純度,高清浄度ガスである請求項1記載の低温微細粒子の製法。
- 球形固体粒子が金属,セラミックスもしくは金属皮膜を形成したセラミックスである請求項2記載の低温微細粒子の製法。
- 高純度,高清浄度ガスが窒素ガスもしくは空気である請求項2記載の低温微細粒子の製法。
- 下記の(A)成分を結晶化させて下記の(B)からなる低温微細粒子を製造する装置であって、底壁に上記(A)成分の送給口が形成され天井壁に上記低温微細粒子の吸引口が形成された粒子製造室の内部に、上記(A)成分が上昇する通路が、その下端開口が上記送給口に対向する状態で立設され、上記粒子製造室内に、上記(A)成分の凝固点温度以下に予め冷却された多数の固体粒子が収容され、上記粒子製造室の底部にガスの取入れ口が形成され、このガスの取入れ口から、上記凝固点以下に冷却されたガスを送り込んでこのガスにより上記粒子製造室内で上記多数の固体粒子を流動化させ、ついで、この流動化状態の固体粒子の流れの中に、上記送給口から上記(A)成分を供給して上記通路の下端開口を通し、上記流動化状態の固体粒子とともに浮遊させながら上記通路を上昇させ、この上昇に伴い上記固体粒子の表面上に上記(A)成分を結晶化させ、つぎに、この結晶化させた上記(A)成分を、流動化状態での固体粒子の衝突による衝撃により固体粒子の表面から剥離し、この剥離により得られた微細な結晶片からなる上記低温微細粒子を、上記流動化状態の固体粒子とともに上記通路から飛び出させ、上記低温微細粒子を上記吸引口から吸引して上記流れの中から取り出す一方、上記固体粒子をその自重で下降させて上記流れの中で再流動化させ循環させるように構成したことを特徴とする低温微細粒子製造装置。
(A)水または洗浄用有機溶剤の蒸気もしくは二酸化炭素の気体。
(B)氷粒子,洗浄用有機溶剤粒子もしくはドライアイス粒子。 - 固体粒子が球形固体粒子であり、ガスが高純度,高清浄度ガスである請求項5記載の低温微細粒子製造装置。
- 球形固体粒子が金属,セラミックスもしくは金属皮膜を形成したセラミックス等である請求項6記載の低温微細粒子製造装置。
- 高純度,高清浄度ガスが窒素ガスもしくは空気である請求項6記載の低温微細粒子製造装置。
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