JP3567407B2 - 地盤−構造物連成非線形地震応答解析システム - Google Patents

地盤−構造物連成非線形地震応答解析システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地盤−構造物連成非線形地震応答解析システムに係り、特に液状化が生じる地盤の非線形挙動と構造物からなる大規模3次元モデルを簡略させた解法と計算手法とによりシミュレーションできるようにした地盤−構造物連成非線形地震応答解析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンピュータを利用した耐震設計においては、コンピュータの演算能力の関係や解析の困難さの理由から地盤と構造物とからなる連成系の動的解析は2次元解析モデルを用いて近似している。たとえばモデル化においては地盤と構造物はともに奥行き方向に一様に連続している仮定している。また、実際の地震動はたとえば東西(EW)成分、南北(NS)成分の2方向成分が同時に作用するが、2次元モデルの場合は1方向の地震動のみを再現して入力している。このように3次元の現象である構造物周辺の液状化を2次元で解析、予測するにはモデル化においてかなりの工学的近似や経験が必要であった。ところが、近年の構造物の大型化や複雑化に伴い、このような工学的な経験が適用できない事例も出現してきており、液状化現象を3次元で精度良く捉える地震応答解析システムの開発が必要となってきた。このような要請に対応するためにスーパーコンピュータ等を利用した大規模な3次元モデルの動的解析を行う解析システムも種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、大規模な地盤−構造物一体の3次元構造系の動的解析はまだ研究段階レベルにあり、厳密な理論を適用して解析を行うためにはスーパーコンピュータによっても膨大な演算が必要である。これらの解析、研究は理論検証の観点から見れば有効であるが、構造設計の観点からは実用的でない。構造物の概略検討を行う場合には、いちいちスーパーコンピュータ等の大型計算機を利用しないでもエンジニアリングワークステーション(EWS)クラスのコンピュータを利用してスーパーコンピュータ等で解くのと同等規模のモデルによってトライアルを繰り返して行いたいという要請がある。そのためには従来の解析理論、モデル、数値演算手法の簡便化が課題となっていた。
【0004】
また、平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震では、臨海地域において生じた液状化現象により、この地盤上に構築されていた構造物に予想以上の甚大な被害が生じた。従来の地盤−構造物連成系の解析では、構造物は線形解析を行うにとどまっていたため、地盤に生じた過大な変形やひずみを考慮した構造物の解析が不十分であったことも判明した。各種の地下構造物や水際構造物が液状化地盤中や地盤上にある場合、地震動により地盤ひずみは非線形挙動を示す。したがって、このような地盤中に埋設されたり地上に構築される構造物の損壊に至るまでの過程までを把握することが特に必要になってきた。
また、この地震では多くの鉄筋コンクリート構造物が大きな被害を受けた。これは特に土木構造物において、鉄筋コンクリートの粘り強さ(じん性)が十分に評価されていなかったためと考えられている。このため震災以後の構造物の設計では、鉄筋コンクリートのじん性を考慮した検討が増加した。さらに道路橋設計のための新しい耐震規定では、必要に応じて動的解析を含む鉄筋コンクリートの非線形性の評価を行うことが要求されている。
【0005】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、種々の要請を実現するために、大規模な3次元モデルの解析において、解の安定性を確保した簡便な解法により構造物の非線形応答解析を行えるようにした地盤−構造物連成非線形地震応答解析システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明はあらかじめ設定及び生成された解析対象地盤の地盤動特性データと前記解析対象地盤に構築される基礎及び該基礎に支持される構造物の構造、形状、材料特性データとを入力可能なデータ入力手段と、該データ入力手段から入力されたデータをもとに有限要素からなる解析構造系を生成し、地盤系については設定された液体相のひずみ−ダイレイタンシーを考慮した間隙水圧のモデル(おわんモデル)を適用するとともに、得られた過剰間隙水圧値を土骨格要素のせん断剛性係数に取り込み、前記土骨格要素の固体相の材料非線形特性を考慮したせん断応力・せん断ひずみマトリックスを示す修正ランベルグ−オズグットモデルを適用して、液体相の剛性を組込んだ地盤の全体応力・ひずみマトリックスを合成し、基礎、構造物系については、塑性時の挙動を考慮して構造物あるいは基礎版を、コンクリートと鉄筋の剛性マトリックスを組み合わせた応力・ひずみモデル(前川モデル)からなるソリッド要素とし、杭構造を所定の鉄筋コンクリート履歴復元力特性の履歴曲線で示される応力・ひずみモデル(武田モデル)からなる梁要素とした材料非線形モデルを適用し、前記地盤系と前記基礎、構造物系の等価節点力を各節点ごとに算出し、該等価節点力に基づく内部力、地震等に起因する外部力および前記地盤系、基礎、構造物系の質量を含んだ非線形振動方程式を低減積分により解く演算部と、該演算部で得られた前記解析構造系生成データと各解析ステップにおける演算結果とを格納可能な記憶部と、前記演算部で得られた所定加振時間経過後の前記解析対象地盤の地盤系に生じた過剰間隙水圧の影響、また前記基礎、構造物系の変形挙動、ひび割れ挙動、力学的挙動等の計算結果を、選択により前記記憶部から呼び出して出力する結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の地盤−構造物連成非線形地震応答解析システム(以下、解析システムと記す。)の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本解析システムは、従来の二相系モデルによる有効応力法に代えて全応力法を用い、液状化下の地盤の一相系運動方程式を求解しているが、運動方程式中の地盤の剛性は、間隙水部分と土粒子部分骨格部分の両方を考慮して設定しており、間隙水圧は非排水条件下における値としておわんモデルにより算定し、土粒子骨格の非線形性に伴う有効応力は修正ランベルグ−オズグットモデルに基づいている。また、鉄筋コンクリート構造物の剛性低下に起因する非線形特性を評価するために、ソリッド要素および梁要素の材料特性に非線形モデルを適用している。さらに、運動方程式を成立させるアルゴリズムとして陽解法の1点積分を採用し、数値演算の簡便化を図った。
【0009】
図1に示したシステム構成図に基づいて各機能ブロックの構成について説明する。図1において、符号1はデータ入力部を示している。このデータ入力部1ではディスプレイに表示されたメニューに応じたデータ入力が可能である。また、図示しないメッシュジェネレータ等のプリプロセッサであらかじめ生成された大量の対象地盤、構造物、入力地震波等の既生成データ2を演算部3に取り込むための操作を行うこともできる。また、必要に応じて材料特性、形状特性、境界条件等のデータ変更を随時行うことができる。
地盤系の解析に用いる土質定数等の入力値としては、解析対象となる地域でPS検層、動的地盤調査で得られたせん断波速度Vs、最大せん断弾性係数Gmax、土の粒度と単体体積重量、液状化強度の下限値、地下水位などのデータのほか、室内動的試験によって求められた所定の実験データがある。
また、基礎、構造物系の解析に用いる入力値のうち、前川モデルでは、鉄筋についてはヤング率、降伏強度、引張強度、コンクリートについては一軸圧縮強度、一軸引張強度、鉄筋比などがある。武田モデルでは、ヤング率、第1折れ点の荷重と剛性、第2折れ点の荷重と剛性などがある。
【0010】
データ入力部1で入力されたデータをもとに演算部3では解析対象としての構造系の生成を行う。この構造系では本発明の特徴とする土要素のモデル化が行われている。以下、その内容について説明する。
本解析システムでは、3次元で大量、複雑な解析対象の解析モデルをコンパクトにするために、非排水条件下での土骨格の変形のみに着目した運動方程式を設定し、この運動方程式の解を求めている。このために解析対象地盤を構成する土の構成式の設定では1次元の土の応力−ひずみ挙動を3次元に拡張したものを使用した。なお、ダイレイタンシーを表現するおわんモデルは3次元として定式化されている。
【0011】
材料特性の減衰を考慮するために、応力−ひずみ(τxy−γxy)関係として修正ランベルグ−オズグットモデルを使用した。また、ひずみ−ダイレイタンシー(γxy−εv)関係としておわんモデルを使用した。このおわんモデルによる過剰間隙水圧の推定では、時間ステップごとの節点変位を求め、この節点変位から各要素のせん断ひずみとダイレイタンシー関係を求め、非排水条件下で過剰間隙水圧を推定した。そしてこの過剰間隙水圧の増加の影響を上述の修正ランベルグ−オズグットモデルの応力−ひずみ関係に反映させた。これにより、過剰間隙水圧の増加、すなわち有効応力の減少による液状化現象が考慮できようになった。一方、密な地盤でのサイクリックモビリティー現象も表現できる。
なお、本解析システムでは、過剰間隙水圧比を(σ’mo−σ’m)/σ’moと定義した。このとき、σ’moは初期の平均有効応力でσ’mは時々刻々の平均有効応力である。
修正ランベルグ−オズグットモデルに適用するパラメータとしては、各対象地盤における初期せん断剛性G0i、最大減衰定数hmax、規準ひずみγ0.5iを設定する。このとき初期せん断剛性G0i、規準ひずみγ0.5iに有効拘束圧依存性を考慮した。この適用は既往の実験からその妥当性が確認されている。おわんモデルのパラメータとしては膨張成分規定パラメータ、圧縮成分規定パラメータ、膨潤指数と初期間隙比及び液状化強度の下限値を設定する。各パラメータの設定に際しては現場試験結果及び既往のデータを考慮する。
【0012】
本来、修正ランベルグ−オズグットモデルは、ある面上の応力−ひずみ関係を示す1次元の構成式である。これらを、本解析システムの3次元モデルに適用するために[D](応力−ひずみ)マトリックスを、見掛け上3次元弾性マトリックスと同じ表現形式とし、そのマトリックス中でせん断係数Gに対応する成分を、1次元の構成式から算定される3次元の接線せん断係数(Gxy,Gzy,Gzx)に置換して適用した。ポアソン比νは一定とし、ヤング率E’とから3次元マトリックスは、次式のようになる。
【0013】
【数1】
Figure 0003567407
【0014】
このとき、Kwは水の体積弾性係数、neは間隙率、{m}は{111000} で表せるベクトルである。このように土に代表される固体相の応力・ひずみマトリックスと静水からなる液体相の剛性とが合成された形式で表現され、運動方程式に組み込まれる。すなわち、本解析システムでは非排水条件下(体積ひずみがゼロ)において、土骨格同士間に作用する反発力は土粒子間の間隙を満たす静水を介して伝達すると仮定している。この仮定によれば、運動方程式は土骨格のみに着目しているため全応力として取り扱えるが、間隙水の作用が考慮されているため、有効応力的な考え方もなされている。
【0015】
以下、構造系を構成する有限要素のエレメントについて説明する。
原地盤及び改良体を表す地盤モデルと、構造物、構造物基礎は8節点アイソパラメトリックソリッド要素として取り扱う。このとき、材料非線形を考慮する必要がある場合には応力−ひずみモデルとして前川モデルを採用した。この前川モデルはコンクリートと鉄筋の剛性マトリックスを組み合わせて構成された非線形性状を示す。またシステムではシェル要素として組み込まれている。この解析モデルによれば、コンクリートひび割れ発生後の鉄筋の引張応力負担と、コンクリート、鉄筋の非線形特性を考慮できる。
【0016】
一方、杭等の線状構造物に対しては梁要素を採用している。材料非線形を考慮するために応力−ひずみモデルとして武田モデルを採用した。武田モデルは鉄筋コンクリート部材の履歴復元力特性としてトリリニアー型の履歴曲線を採用している。このモデルでは剛性、強度に履歴面積の劣化を反映させることができる。このように、一般にクラックが発生すると鉄筋コンクリートは急激に剛性を失うが、じん性に富む鉄筋コンクリート構造物では応答変位が大きくなるため、耐震性が高まる。上述した前川モデルや武田モデルはこのようなじん性を評価することができるため、より安全な構造物設計が可能になる。
【0017】
境界条件は、通常の成層状態の解析範囲を設定したモデルでは側方境界は水平ローラ、下方境界は固定として解析する。また、Lysmerの粘性境界も導入することができる。
【0018】
次いで、演算部では振動の減衰系の運動方程式をたて、求解する。
本解析システムでは運動方程式の時間軸tに関する直接積分法として陽解法を用いた。また、空間領域については有限要素法により定式化している。このとき振動系の全体運動方程式は、
【0019】
【数2】
Figure 0003567407
【0020】
となる。このときの等価節点力に基づく内部力{p}は、
【0021】
【数3】
Figure 0003567407
【0022】
であり、同式中、[D]マトリックスに水の剛性の影響が考慮されているので、上述したように見掛け上全応力解法として求解することができる。このとき間隙水の土骨格に与える影響も考慮されているので、有効応力的取扱いがされている。
なお、ソリッド要素はアイソパラメトリック要素であるが、各要素力の計算において、1要素に対して1点ガウス積分点を設定している。このように各ステップにおける剛性評価や等価節点力を求めるのに低減積分を採用することで大規模なモデルの運動方程式をコンパクトな計算ステップで近似的に解くことができる。これにより、大幅な演算時間の短縮が図れる。また、低減積分を行うことによる数値の不安定性を解消するために、Hallquistの方法を用いた。これによりアワーグラスモードの発生を抑制することができる。
【0023】
各計算ステップでの計算値および最終計算結果は記憶部4に格納され、解析構造系生成データ等との重ね合わせを行うことで種々の出力形式で出力することができる。このとき出力用ハードウェアに応じて出力データ変換部5において計算結果の出力フォーマットを選択、設定することができる。
出力手段としては経時的変化を確認できるコンピュータグラフィックス(CG)による動画表示を可能なCG出力部6、プロッタ出力による図化出力部7、計算データを出力する計算値出力部8等がある。コンピュータグラフィックスを行うディスプレイは演算部を備えたハードウェアのものでもよいし、LAN等で接続された出力専用ハードウェアで描画データを変換して出力しても良い。
【0024】
出力結果としては加速度、速度、変位、3成分応力、断面力時刻歴波形、加速度、応力、せん断ひずみ、変位等の最大応答値コンター、変形アニメーション、主応力ベクトル、梁要素断面力図、過剰間隙水圧分布コンター、鉄筋コンクリートの応力やコンクリートのクラック分布等があるが、これらの出力ステップ、重ね合わせ、スケール、描画速度等は出力メニューによって逐次入力、選択することができる。
【0025】
次に、解析フローについて図2を参照して説明する。
データ入力(ステップ100)において構造データを作成する場合、加振方向及び構造の対称形を考慮して構造系を1/2の範囲に省略してモデル化することも可能である。その場合には解析範囲内での地震時挙動を拘束しないように境界条件を設定することが必要になる。まず所定の初期応力計算を行い、各要素における初期応力を記憶部の加算テーブルに格納する。地盤データ、土質パラメータ、鉄筋コンクリートパラメータは試験値から得た物性、既往データを採用する。入力地震波にはEl Centro波等の各種の実際の地震波のNS成分、EW成分を構造系のX軸方向、Y軸方向あるいはZ軸(鉛直)方向に別途分解して入力することができる。
そして(ステップ110)において、入力地震波から各要素に作用する外力を計算する。さらに各要素について等価節点力の計算を行う(ステップ120)。このとき各等価節点力の計算は図3に示したルーチンにおいて構造物、地盤ごとの要素タイプで区別され、さらに材料特性の線形、非線形性を考慮して各要素ごとに所定の解析ステップ刻みにおける応力更新(ステップ121)を行い、各節点ごとに当該解析ステップの外力としての等価節点力を計算する(ステップ122)。
その後、全体構造系のうち、構造物と地盤との滑りを考慮した接触力の計算(ステップ130)を行い、解析ステップnに対応して算出された加速度を更新する(ステップ140)。さらに境界条件による加速度設定を行った後、解析ステップnにおける速度、変位を求める(ステップ150,160)。このサイクルを加振時間内において所定の積分時間間隔をとってループさせ、所定の計算結果を求める。これにより、所定の加振時間後の地盤と構造物の加速度時刻歴、構造物の変形、地盤の液状化状態を示す間隙水圧分布を確認することができる。
この運動方程式は、アップデートラグランジェ法なので、求められた節点変位に現在の節点座標を足し込んでいく。
【0026】
本解析システムによって行った解析例を、図4、図5の出力図を参照して説明する。
図4(a)は解析地盤20と、解析地盤20内に構築された円筒形構造物23とを示した構造図(メッシュ表示)である。円筒構造物23は群杭基礎24で支持されている。本解析のモデルは加振方向がx軸方向のみであるため、1/2モデルとし、全体形状が半円筒形をなすように生成されている。ソリッド要素からなる地盤20の外周境界21は鉛直変位固定に設定されている。対称面境界22はy軸方向が変位拘束されている。同図(b)には構造物底面24と杭25の配置が示されている。すべての杭25は梁要素として地盤要素内に組み込まれている。
図5は加振開始15秒経過後の地盤変形図に過剰間隙水圧比コンターCを重ね合わせた結果出力図である。変形は構造物スケールに対して100倍に拡大されて表示されている。また、コンターCは0.1ピッチに表示されている。以上に示したように地盤液状化の構造物、地盤の変位への影響を視覚的に確認することができる。
【0027】
図6、図7は軟弱地盤上の高層ビルの解析例をコンピュータグラフィックスで示したものである。
図6では、軟弱地盤上に建設された高層ビルに2方向から震度階6に相当する地震力を入力し、加振後の時間の経過に伴う解析結果を変位図及び過剰間隙水圧比のレベル図で示した。高層ビル32は基礎部分に液状化対策が行われているとして地盤定数が設定されている。高層ビル33は対策なしの原地盤に建てられたものである。
同図(a)は加振後2秒経過時の変位図を示したものである。まだ、地盤には大きな変化は見られない。同図(b)は加振後4秒経過時を示したものである。地盤の液状化が始まり、高層ビル33は自重により地盤内に沈下し始めている。一方、高層ビル32は建物としての振動による変位が生じているにとどまっている。同図(c)は加振後7秒経過時を示したものである。液状化対策を行っていない高層ビル33は大きく傾いた状態にある。一方、高層ビル32は地盤面からの傾きはほとんどない。なお、変位は構造スケールに対して50倍に設定してあるが、両者の違いは明かである。
図7は図6(c)に示した状態と同じ状態を角度を変えて示したコンピュータグラフィックスである。
【0028】
以上の解析では、所定時間の加振の間の解析を行った訳であるが、加振時間経過後、地下水位の変化と地盤沈下との関係を求める沈下静的解析システムとデータをリンクさせることにより、過剰間隙水圧の消散に伴って地盤が沈下する様子を引き続き追跡することもできる。また、他の方法として地盤の重さを考慮した地盤の変形沈下は以下の式によっても逐次求められる。
【0029】
【数4】
Figure 0003567407
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、液状化対策工を施した地盤とこの地盤上に構築された大規模な構造物について3次元形状をそのままモデル化でき、3次元モデルにもかかわらず、簡便な解法によりある程度の精度を確保した解を求めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地盤−構造物連成非線形地震応答解析システムの機能ブロックの構成を示したシステム構成ブロック図。
【図2】本解析システムの概略解析フローを示した解析フロー図。
【図3】本解析システムの概略解析フローを示した解析フロー図。
【図4】本解析システムによる解析例を示した構造メッシュ図。
【図5】本解析システムによる解析例を示した変形、間隙水圧比コンター出力図。
【図6】本解析システムによる他の解析例を示したCG出力図。
【図7】本解析システムによる他の解析例を示したCG出力図。
【符号の説明】
1 データ入力部
2 既生成データ
3 演算部
4 記憶部
5 出力データ変換部
6,7,8 出力部

Claims (1)

  1. あらかじめ設定及び生成された解析対象地盤の地盤動特性データと前記解析対象地盤に構築される基礎及び該基礎に支持される構造物の構造、形状、材料特性データとを入力可能なデータ入力手段と、
    該データ入力手段から入力されたデータをもとに有限要素からなる解析構造系を生成し、地盤系については設定された液体相のひずみ−ダイレイタンシーを考慮した間隙水圧のモデル(おわんモデル)を適用するとともに、得られた過剰間隙水圧値を土骨格要素のせん断剛性係数に取り込み、前記土骨格要素の固体相の材料非線形特性を考慮したせん断応力・せん断ひずみマトリックスを示す修正ランベルグ−オズグットモデルを適用して、液体相の剛性を組込んだ地盤の全体応力・ひずみマトリックスを合成し、基礎、構造物系については、塑性時の挙動を考慮して構造物あるいは基礎版を、コンクリートと鉄筋の剛性マトリックスを組み合わせた応力・ひずみモデル(前川モデル)からなるソリッド要素とし、杭構造を所定の鉄筋コンクリート履歴復元力特性の履歴曲線で示される応力・ひずみモデル(武田モデル)からなる梁要素とした材料非線形モデルを適用し、前記地盤系と前記基礎、構造物系の等価節点力を各節点ごとに算出し、該等価節点力に基づく内部力、地震等に起因する外部力および前記地盤系、基礎、構造物系の質量を含んだ非線形振動方程式を低減積分により解く演算部と、
    該演算部で得られた前記解析構造系生成データと各解析ステップにおける演算結果とを格納可能な記憶部と、
    前記演算部で得られた所定加振時間経過後の前記解析対象地盤の地盤系に生じた過剰間隙水圧の影響、また前記基礎、構造物系の変形挙動、ひび割れ挙動、力学的挙動等の計算結果を、選択により前記記憶部から呼び出して出力する結果出力手段と
    を備えたことを特徴とする地盤−構造物連成非線形地震応答解析システム。
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